JP5303928B2 - 反射型偏光板及びその製造方法、それを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、各種表示装置等に用いられる偏光板に関する。詳しくは、互いに直交する偏光成分の一方を透過、もう一方を反射する、一般的に反射型といわれる偏光板およびそれを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置に組み込まれる液晶セルは、液晶層と該液晶層を挟むように配置される二枚の偏光板で構成されている。この偏光板は、高分子シートにヨウ素を吸着させた後、延伸により配向させることによって得られる吸収異方性を利用したシートであり、偏光板に入射した光のうち吸収軸に平行な成分の光を吸収し、それとは直交する成分の光を透過させることにより偏光特性を発現するものである。このような吸収型の偏光板は、原理的に自然光のような非偏光を入射したときの透過率が50%を超えることはない。そこで、液晶表示装置の低消費電力化が求められる中、輝度を向上させるためには、吸収されていた成分を利用することが有効であると考えられる。
これに関し、液晶セルを構成する偏光板で吸収される偏光成分を反射する偏光分離シート、いわゆる反射型の偏光板を、液晶セルより光源側の位置に設置することが提案されている。
この反射型の偏光板としては、例えば、多層積層型、円偏光分離型、ワイヤーグリッド型などが挙げられる。
多層積層型は、屈折率等方性層と屈折率異方性層とを交互に何層も積層したタイプである。このタイプの偏光板は、シート面内のある一方向では各層の屈折率差が生じないように設計し、それと直交する方向で各層の屈折率差を大きくすることによって、一方の偏光成分を透過させ、それと直交する偏光成分を反射し、反射型の偏光板として機能する(特許文献1)。
円偏光分離型は、コレステリック液晶層が発現する円偏光二色性を利用した偏光板である。コレステリック液晶層は、液晶分子が膜厚方向に螺旋を描くことで、螺旋方向に応じて右巻きまたは左巻きの円偏光を選択的に反射することができ、このコレステリック液晶層とλ/4波長板を組み合わせることで、反射型の偏光板として機能する(特許文献2)。
ワイヤーグリッド型は、細い金属ラインを平行に並べた構造をもつ偏光板である。このタイプの偏光板は、金属ラインに垂直に振動する偏光を透過し、平行に振動する偏光を反射することにより、反射型の偏光板として機能する(特許文献3および4)。
特表2003−511729号公報 特開2002−90533号公報 米国特許6122103号公報 特開2005−195824号公報 特開平7−294730号公報
しかしながら、多層積層型の場合、広帯域で偏光特性を発現させるためには、波長に合わせて積層比や膜厚を調整したシートを複数貼り合わせる必要がある。また光の入射角度によって光路長が変化するため偏光特性に角度依存性が生じる。
円偏光分離型の場合、コレステリック液晶層を面内で均一に形成することが難しく、また、広帯域で偏光特性を発現させるためには螺旋ピッチの異なる層を複数貼り合わせることが必要となる。
これに対してワイヤーグリッド型の場合には、上記2つの例のような複雑な形状は必要とされず、一定ピッチで金属ラインを形成することで求める偏光特性が得られる。しかしながら、金属のラインを適用する波長程度まで微細化することが求められる。具体的な方法として、特許文献3には、ガラス基材上に設けた金属薄膜上に電子線リソグラフィーなどにより、レジストパターンを形成し、そのパターンを元にリフトオフ、ドライエッチングすることにより、金属パターンを形成させて、偏光板を形成した例もあるが、得られた偏光板は、その基材がガラスであるため重量が重く、耐衝撃性や、屈曲性に劣るだけでなく、金属パターンが外力に対して弱く、容易に倒壊、剥離してしまうため、保護層などを表面に形成する必要がある。一方、特許文献4にはフィルム基材上に上記方法と同様の方法で、樹脂基材表面に金属パターンを形成させた例があるが、これらは軽量化、耐衝撃性、屈曲性はあるものの、特許文献3と同様、金属パターンが外力に対して弱いものである。
特許文献5には、金型成型によりガラスなどの無機透明基材の表面に樹脂の凹凸形状を形成させ、その基材の凹凸面に斜め方向から蒸着することで、位置選択的に金属パターンを形成させて、偏光板を形成した例もあるが、得られた偏光板は、その基材がガラスであるため重量が重く、また、耐衝撃性や、屈曲性に劣るものであり、かつ十分な偏光特性が得られないという欠点があった。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点を克服し、反射型偏光板として高い光学特性(高透過率、高反射率、高偏光度、高光利用効率)を有する反射型偏光板を提供することができる上に、軽量で、取り扱い性に優れた偏光板、およびその製造方法さらにはこれを用いて高い輝度向上効果を発現する液晶表示装置を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の反射型偏光板は、樹脂製の基材と、該基材の少なくとも片側の表面の全面に形成された無機物を主たる成分とする表面層と、該基材の該表面層の上に間隔を開けて複数形成された線状の金属層とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の反射型偏光板の製造方法は、下記工程1〜工程4をこの順に行うことを特徴とするものである。
工程1:基材を作製する工程(基材作製工程)
工程2:基材表面に線状の樹脂パターンを形成する工程(パターン形成工程)
工程3:工程2で作製した基材の線状の樹脂パターンを有する面側に、物理的気相成長法により表面層を形成する工程(表面層形成工程)
工程4:工程3で作製した基材の表面層を形成した面側に、物理的気相成長法により線状の金属層を形成する工程(金属層形成工程)
また、本発明の液晶表示装置(1)は、面光源と、上述の反射型偏光板と、液晶セルとをこの順に配置した液晶表示装置であって、該液晶セルは、液晶層と、該液晶層を挟むように配置された偏光板(A)と偏光板(B)とを有し、該液晶セルを構成する面光源側の偏光板(B)を透過する偏光の偏光軸の方向と、該反射型偏光板を透過する偏光の偏光軸の方向とが合致していることを特徴とするものである。
また、本発明の液晶表示装置(2)は、面光源と液晶セルとを有する液晶表示装置であって、該液晶セルは、液晶層と、該液晶層を挟むように配置された偏光板(A)と偏光板(B)とを有し、面光源側の該偏光板(B)が上述の反射型偏光板であることを特徴とするものである。
本発明によれば、反射型偏光板として高い光学特性(高透過率、高反射率、高偏光度、高光利用効率)を有するという優れた性能を有し、かつ軽量で、取り扱い性に優れた反射型偏光板を作製することができ、また作製した反射型偏光板を液晶表示装置などに組み込むことにより、高輝度の表示を得ることが可能となる。
本発明者らは、反射型偏光板として、前記高い光学特性(高透過率、高反射率、高偏光度、高光利用効率)を有し、かつ軽量で、取り扱い性に優れた反射型偏光板について鋭意検討し、樹脂基材上に無機物を主たる成分とする表面層を形成した後に、樹脂基材のこの表面層を形成した面側に、線状の金属層(以下、線状金属層とする)を間隔を開けて複数形成することによって、上記課題を一挙に解決することを究明したものである。すなわち、かかる反射型偏光板によれば、高輝度の液晶表示装置を提供することができることに成功したものである。
本発明の反射型偏光板は、樹脂製の基材1と、該基材の少なくとも片側の表面の全面に形成された無機物を主たる成分とする表面層2と、該基材1の該表面層2の上に間隔を開けて複数形成された線状金属層3とを有することを特徴とするものである。
すなわち、本発明の反射型偏光板は、基材1の全面上に無機物を主たる成分とする表面層2を形成し、該基材1の該表面層2を形成した面の上に線状金属層を形成したことにより、初めて前記効果を達成し得たところに特徴を有するものであるが、かかる効果について以下に説明する。
従来の反射型偏光板のように、樹脂製の基材1に直接金属層が形成される場合、基材1上に金属層を形成する工程において、樹脂製の基材1に含まれるオリゴマーなどの低分子量有機成分がアウトガスとして放出される。該基材1からアウトガスが放出されると、該金属層の形成過程において、基材1上に金属が堆積する際に、放出されたアウトガスを取り込みながら堆積することになる。そのために、形成される金属層の結晶配列が乱され、線状金属層3の金属性が低下する。金属性が低下すると光を吸収するようになるため、反射型偏光板としての反射特性、偏光特性、光利用効率が低下することになる。さらに、後述するような方法にて基材1上の特定の場所に選択的に線状金属層3を形成する場合、選択的に堆積するために方向性をもって基材近傍に接近した金属原子がそのアウトガスと衝突し、散乱させられ、その方向性を失う結果、線状金属層3の選択的形成性が低下することになる。選択的形成性が低下すると、反射型偏光板としての透過特性や、偏光分離特性が低下することになる。以上の理由により、従来の樹脂製基材を用いた反射型偏光板においては、十分な光学特性を得ることができなかったものである。
一方、本発明の反射型偏光板のように、樹脂製基材1上に無機物からなる表面層2を基材1の表面に形成させると、金属層の形成工程中で、基材1からの低分子量有機成分の放出を防止することができ、その結果、アウトガスの取り込みなく、基材1上に金属層を安定して形成することができ、金属層の結晶性を高めることができる。また、樹脂製基材1の最表面に樹脂よりも結晶配列が金属層に近い層(表面層)が形成されることにより、基材/金属層界面近傍における結晶も向上する。以上のことから、樹脂製の基材1上に、緻密で結晶性の高い線状金属層3が形成可能となり、反射型偏光板としての反射特性、偏光特性、光利用効率を向上させることができる。また、後述するような方法にて選択的に線状金属層3を形成する場合、アウトガスとの衝突確率が低下し、線状金属層3の選択的形成性を向上させることができ、反射型偏光板としての透過特性、偏光特性を向上させることができる。その結果、樹脂製の基材1を用いても、従来にない、高い光学特性(高透過率、高反射率、高偏光度、高光利用効率)を有する反射型偏光板を得ることができ、それを液晶表示装置に搭載させることにより、高輝度の表示装置とすることができるというものである。
かかる表面層2は無機物を主たる成分とし、また、それ自身からの低分子量成分が発生しないものであれば、特に限定はされず、金、銀、銅、白金、ケイ素、硼素、パラジウム、レニウム、バナジウム、オスミウム、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、プラセオジウム、クロム、ニッケル、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、タンタル、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、イットリウム、ランタニウム等の金属、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化硼素、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化バリウム、酸化銀、インジウムスズ酸化物、酸化クロムなどの無機酸化物、窒化ケイ素、窒化硼素、窒化炭素、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化クロムなどの無機窒化物、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、酸窒化クロムなどの無機酸窒化物、炭化珪素などの無機炭化物、グラファイト、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン等の炭素系化合物、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム等の無機フッ化物、およびこれらの混合物など、を用いることができる。これらの中で、高い光学特性が得られるという点で、無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、無機フッ化物炭素系化合物からなる群より選ばれる物質、あるいはこれらの混合物を主たる成分とするのがより好ましい。なお、該表面層2中において50重量%を越える場合を主成分と定義する。
また、上記表面層2を構成する材料として、使用波長において、透明であるものが好ましい。すなわち、液晶表示装置に用いる場合には、400〜800nmの可視光領域において透明であるものが好ましい。ここでいう透明とは、適用する波長領域全体において、特定波長における吸収ピークがみられないものであって、表面層2となる材料を表面が平滑な硼珪酸ガラス(BK−7)上に50nmの厚さで形成させ、その表面層2側から光線を入射させたときに、その透過率が、適用する波長領域全体にわたって60%以上であることをいう。好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。
本発明の反射型偏光板において、表面層2を構成する材料の透過率を上記範囲とすることによって、反射型偏光板の透過率を低下させることなく、基材1上に金属性の高い線状金属層3を形成させることができ、その結果、高透過率を維持しながら、高反射率、かつ高偏光度の反射型偏光板を提供することができる。
ここで、本発明の反射型偏光板において、基材1は、少なくとも片側の表面に、平行な線状の樹脂パターン(以下、線状樹脂パターンとする)10を有し、かつ該線状樹脂パターン10を有する面側に表面層2が形成されていることが好ましい。これにより、後述するように該線状樹脂パターン10の形状を利用して線状金属層3を容易に形成できることが可能なだけでなく、表面層2を形成させることによって、線状金属層形成工程での基材1からの低分子量有機成分の放出を抑えることが可能となる。その結果、線状樹脂パターン10上に金属性の高い線状金属層3を容易に形成させることができる。また、線状樹脂パターン10上に表面層2を形成させると、線状樹脂パターン10の耐熱性、機械的強度を向上させることも可能となり、線状金属層形成時に線状樹脂パターン10の変形を抑えることができる。
以上の効果により、線状金属層3を形成させた時に、細い金属ラインの長手方向とそれに垂直な方向の構造異方性に由来する光学的な異方性(偏光特性)をより高いものとすることができるものとなる。すなわち、線状樹脂パターン10の長手方向に平行な偏光成分は反射され、垂直な偏光成分が透過される偏光分離機能において、高透過率、高反射率、かつ高偏光度の反射型偏光板とすることができる。さらに、線状樹脂パターン10の周期を、適用する光の波長領域よりも短くすることにより、該波長領域において均一な光学異方性構造体となり、反射型偏光板として機能する。
本発明の反射型偏光板について、その表面層2の形態を図1、2を用いて説明する。
図1は、表面が平坦な基材1上に表面層2が形成されている態様の例を示しており、図1(a)は表面層2が基材1上に全面に形成されている場合の態様の例、図1(b)は表面層2が基材1上に部分的に形成されている場合の態様の例を示している。
また、図2は、断面が矩形の凸部11を有する線状樹脂パターン10を例にして、線状樹脂パターン10上に表面層2が形成されている態様の例を示しており、図2(a)〜(d)は線状樹脂パターン10の凹凸面全面に表面層2が形成されている場合の例、図2(e)〜(i)は表面層2が部分的に形成されている態様の例を示している。
例えば、表面層2が線状樹脂パターン10の凹凸面全面に表面層2が形成されている場合は、凸部11の形状に沿って表面層2が全面に一定膜厚で形成される場合(図2(a))、凸部11の形状に沿うが膜厚が場所により異なる場合(図2(b)(c)(d))等が挙げられる。また、表面層2が線状樹脂パターン10の凹凸面に部分的に形成されている場合は、表面層2が線状樹脂パターン10の凸部11の頂部に形成される場合(図2(e))、隣接する凸部11間、すなわち凹部12に形成される場合(図2(f))、凸部11の側面に形成される場合(図2(g))、凸部11の周囲に形成される場合(図2(h))、またはこれらを組み合わせた形状に形成される場合(例えば図2(i))などが好ましい例として挙げられる。
これら表面層2の形態については、上記態様のいずれも好ましく用いられるが、この中でも、凸部11の形状に沿う図2(a)〜(d)が、低分子量有機成分の放出防止効果が高く、その結果、より金属性の高い線状金属層3を形成することができるため、より好ましい。
本発明の反射型偏光板において、表面層2の膜厚h2は0.1〜50nmであることが好ましい。ここでいう表面層2の膜厚h2とは、基材1の表面に線状樹脂パターン10が形成された場合においては、線状樹脂パターン10の凸部11の高さ方向に測定した厚みであって、基材1の線状樹脂パターン10を有する面側のうち、少なくとも凸部11上に前記範囲を満たす膜厚で表面層2が形成されていればよい。表面層2の膜厚h2として、より好ましくは0.1〜40nm,更に好ましくは0.2〜30nm、最も好ましくは0.2〜20nmである。この範囲に満たないと、表面層としての特性が不十分となり、線状金属層3形成工程中で、基材1から低分子量有機成分が放出されてしまい、その結果、線状金属層3の金属性が低下し、十分な偏光特性が得られないことがあるため好ましくない。またこの範囲を超えると、特に、基材1の表面に線状樹脂パターン10を形成した場合、その形状が不鮮明になってしまい、線状金属層3形成時の選択的形成性が低下したり、選択的に線状金属層3を形成できたとしても、表面層2の形成により凸幅が広がり、その結果、線状金属層3を形成したときに、開口率が低下して、透過率が低下することがあるため好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、表面層2の膜厚h2を上述の範囲とすることによって、開口率が低下することなく、表面層として良好な特性を発現させることができ、その結果、高透過率、高反射率、高偏光度かつ高光利用効率の反射型偏光板とすることができる。
また、本発明の反射型偏光板において、表面層2が、該線状樹脂パターン10を有する面側全面に形成されている場合には、線状樹脂パターン10の凹部12上の表面層2(図2(c)の22)の膜厚(図2(c)のt)が、凸部11の高さh以下であることが好ましい。凹部12の線状金属層3の膜厚tが、凸部11の高さhより厚くなると、線状樹脂パターン10の形状が不鮮明になってしまい、線状金属層3形成時の選択的形成性が低下したり、選択的に形成できたとしても、凸部11強度が低下してしまうことがあるので好ましくない。本発明の反射型偏光板において、線状樹脂パターン10の凹部12の表面層2(図2(c)の22)の膜厚tを、凸部11の高さh以下とすることにより、偏光特性と機械的強度を両立させることができる。
本発明の反射型偏光板において、表面層2は、表面に線状樹脂パターン10が形成されている基材1上に形成されることが好ましいが、線状樹脂パターン10が存在することによる効果を以下に説明する。
まず一つ目の特徴は、線状樹脂パターン10を形成することによって、複屈折性を発現させることである。入射する波長以下のピッチで周期的な凹凸を有する線状樹脂パターン10を形成すると、パターン長手方向とそれに直交する方向とで屈折率の異方性、すなわち複屈折が発現する。ここで、パターンを構成する凸部11の幅、ピッチ、高さおよび材質単体の屈折率を適切に設定することにより、基材1の複屈折性を制御することが可能となる。
本発明の反射型偏光板を好適に搭載することができる液晶表示装置には面光源が組み込まれているが、面光源から出射される光は、導光板やプリズムシートなど、界面での反射や屈折を利用した部材の影響により、完全な無偏光状態ではなく偏光状態に偏りがみられることがある。よって、反射型の偏光板を液晶セルの面光源側に配置しても、この偏った方向と、反射型の偏光板が透過する偏光軸とが合致していない場合には、反射成分が多くなり、結果として光の利用効率が上がらないことになる。
そこで、本発明の反射型偏光板のように基材1に複屈折性を発現させ、該基材1側から光を入射することで、複屈折により、偏った偏光状態が解消され、光の利用効率を上げることができる。例えば、パターンを構成する凸部11の幅、ピッチおよび材質が同じ場合には、凸部11の高さを高くすることによって、より偏光状態を解消できる。なお、複屈折性を活用するためには、線状金属層3が線状樹脂パターン10の凸部11周辺だけに形成された構造が好ましい。また、この場合、線状樹脂パターン10部分だけでなく、基材1全体が複屈折をもつ場合も同様に好ましい。
また、二つ目の特徴としては、金属のパターニングが容易なことである。詳細は製造方法を説明する際に説明するが、半導体製造プロセスなどを利用した、レジストのパターニングとエッチング処理という煩雑なプロセスを経ることなく、予め基材1表面にパターンを形成しておくことで、そのパターン形状に応じた線状金属層3を容易に形成することが可能となる。
また、三つ目の特徴としては、形成した線状金属層3の機械的強度が高いということである。半導体製造プロセスなどを利用した、レジストのパターニングとエッチング処理により作製された反射型偏光板は、平面上に金属の細線を形成させているため、線状金属層3−基材1界面の面積が僅かであり、金属パターンが外力に対して弱く、容易に倒壊、剥離してしまう。一方、本発明の反射型偏光板では、基材1表面に形成した線状樹脂パターン10上に線状金属層3を形成させているため、線状金属層3−基材1界面の面積が大きくなり、線状金属層3の接着性が向上するだけでなく、パターン凸部11が線状金属層3を補強する効果も有し、外力に対する強度を高めることが可能となる。
上述の通り、基材1表面に線状樹脂パターン10が存在することにより、高い光学特性、機械的強度を有する反射型偏光板を容易なプロセスで形成することが可能となる。
図3に、本発明の反射型偏光板を構成する、線状樹脂パターン10が形成された基材1の形状の一例を示す。図3(a)は、断面が矩形状の凸部11を含む線状樹脂パターン10を一方の表面に有する基材1の断面図である。図中に凸部11のピッチp、幅w、高さhがそれぞれ示されている。本発明において、幅wは、凹凸が繰り返される方向における長さであって、また、凸部11の高さhの2分の1、すなわち基材1面(凹部12底面)からh/2の高さの基材1面に平行な平面における長さのことをいう。図3(b)は、凸部11が周期的に形成されてなる平行な線状樹脂パターン10を有する基材1の斜視図が例示されている。
図3(a)および図4(a)〜(e)は、本発明の反射型偏光板を構成する基材1の好ましい断面形状の例を示しているものである。図示された凸部11の断面形状としては、例えば、矩形(図3(a))、台形(図4(a))、またはそれらの角や側面が曲線状であるもの(図4(b)(c))、波形(図4(d))、三角形(図4(e))等が挙げられるが、これらに限定されることなく、面内に線状樹脂パターン10が形成されていれば好ましく用いることができる。また、隣接する凸部11間には、図3(a)および図4(a)〜(c)のように平坦部が形成されていてもよいし、図4(d)(e)のように平坦部が形成されていなくてもよい。これらの断面形状のうち、断面が矩形、台形の凸部11、またはそれらの角や側面が曲線状の形状の凸部11であって、隣接する凸部11がそれ自体の底部で繋がっていないもの(たとえば図3(a)および図4(a)〜(c))が、線状金属層3を形成した後に高い光学的異方性を発現させる効果を有するため好ましい。
ここで、基材1表面の線状樹脂パターン10について、隣接する凸部11の底部が、図3(a)、図4(a)(b)(c)に示すように繋がっていない形状の場合、線状金属層3を凸部11周辺だけに形成しやすく、好ましい。図4(d)のような断面形状が波形の場合にも、凸部11周辺だけに線状金属層3を形成することは可能であるが、斜面が多く線状金属層の選択的形成性が低下し、線状金属層3の形成部位が広がりやすいため制御が難しい。
本発明の反射型偏光板において、線状樹脂パターン10は図3(b)に示すようにライン、すなわち凸部11が平行に形成されてなるが、実質的に平行であればよく、完全に平行でなくてもよい。また、各ラインは、面内において光学的な異方性を最も発現しやすい直線であることが好ましいが、隣接するラインが接触しない範囲で曲線や折れ線であってもよい。また同様に、光学的な異方性を発現しやすくするために連続した直線であることが好ましいが、長さが少なくとも適用する波長以上であれば破線であってもよい。
本発明の反射型偏光板において、線状樹脂パターン10は、基材1の片側だけでなく両側に形成されることも好ましい。基材1の両側にパターンを形成する場合には、線状樹脂パターン10の長手方向が表裏で平行になるように形成することが好ましい。この場合、片面の樹脂パターンのみに線状金属層3を形成しても、両面の樹脂パターンに線状金属層3を形成させてもどちらでもかまわないが、両面に線状金属層3を形成させることで、さらに高偏光度の反射型偏光板とすることができる。
本発明の反射型偏光板において、線状樹脂パターン10の長手方向に垂直な断面における凸部11の寸法などは、適用する光の波長領域によって適宜選択される。たとえば、波長800〜4000nmの近赤外・赤外光の波長領域に適用するためには、ピッチp=50〜800nm、幅w=20〜780nm、また、波長400〜800nmの可視光の波長領域に適用するためにはピッチp=50〜400nm、幅w=20〜380nmで形成する。この寸法の線状樹脂パターン10を有する基材1に線状金属層3が形成されることにより、それぞれ適用する光の波長領域において、高い偏光特性を発現する反射型偏光板を提供することができる。
特に、可視光の波長領域に適用する場合において、かかるピッチpについては、400nmを越えると、可視光の短波長領域の偏光度が低下することになり好ましくない。また、ピッチpが50nmを下回ると、基材1表面へ線状樹脂パターン10を形成することが難しくなるだけでなく、該線状樹脂パターン10に沿って線状金属層3を形成することが難しくなるため好ましくない。かかるピッチpとして、より好ましくは60〜200nm、更に好ましくは70〜160nm、特に好ましくは80〜160nm、最も好ましくは80〜140nmである。この範囲とすることによって、より偏光特性の高い反射型偏光板とすることができる。
また、前記幅wについては、20nmより狭くなると、成形が困難となるだけでなく、成形できたとしても機械的強度が低く、線状樹脂パターン10の倒壊が起こりやすくなるため好ましくない。また、かかる幅wは、近赤外光領域の波長領域に適用する場合は780nmよりも太い場合、また可視光の波長領域に適用する場合においては380nmよりも太い場合のいずれにおいても、ピッチpの範囲を考慮すると、表面層2を形成したときにパターンが埋没したり、埋没無く表面層2を形成できたとしても、線状金属層3を線状樹脂パターン10上に形成した場合に、反映した形状に形成することが難しかったり、形成できたとしても開口率が非常に低くなり、光線透過率が低くなるため好ましくない。したがって、かかる幅wについては、近赤外光の波長領域に適用する場合は、さらに好ましくは20〜300nm、最も好ましくは20〜200nm、また、可視光の波長領域に適用する場合は、さらに好ましくは20〜150nm、最も好ましくは25〜100nmである。
かかるピッチpおよび幅wは、面内において偏光特性の均一性を保つため、一定であることが好ましいが、前記範囲内において種々のピッチおよび幅が混ざり合っていてもよい。また、可視光領域に適用する形状で偏光板を作製すると、可視光領域だけでなく、より長波長である近赤外線領域や赤外線領域においても偏光特性を発現させることができ、近赤外線用または赤外線用の反射型偏光板としても使用可能である。
本発明の反射型偏光板において、線状樹脂パターン10を構成する凸部11の高さhに応じて、偏光特性が光の入射角度に依存することがある。かかる線状樹脂パターン10の凸部11の高さhとしては、近赤外光の波長領域に適用する場合は10〜800nm、可視光の波長領域に適用する場合は10〜400nmであることが好ましい。近赤外光の波長領域に適用する場合は、さらに好ましくは20〜600nm、最も好ましくは30〜400nm、また、可視光の波長領域に適用する場合は、さらに好ましくは20〜300nm、最も好ましくは30〜300nmである。
かかる凸部11の高さhが、上記範囲を越えるようになると、光の入射角度によって偏光度が変化することがあるため好ましくない。一方、高さhが10nmを下回ると、それに沿って線状金属層3が形成されたとしても充分な光学異方性が得られない場合があるため好ましくない。本発明の反射型偏光板において、線状樹脂パターン10の凸部11の高さhを上述範囲内とすることにより、光の入射角度に依存せず、均一な偏光特性を得ることができ、特に、広い視野角が求められる用途に好適に用いることができる。ただし、本発明の反射型偏光板を、狭い視野角の範囲で用いる場合、例えば、法線方向だけを利用する光学素子、又は正面方向だけ利用する表示装置などの場合、光の入射角度は考慮しなくてもよいため、高さhが上記範囲を越えてもよい。
本発明の反射型偏光板において、基材1表面の線状樹脂パターン10は、凸部11の高さhと幅wの比(h/w)が、0.5〜5の範囲であることが好ましい。より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1.5〜5,特に好ましくは2〜5である。かかる比h/wが0.5に満たない場合には、線状金属層3の選択的形成が困難となり、構造的な異方性を充分に発揮することができず、充分な偏光特性が得られないことがあるため好ましくない。またかかる比h/wが5を越える場合には、線状樹脂パターン10の形成が困難となり、蛇行して倒れたり、破断したりして、面内で偏光特性にむらが現れることがあるため好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、基材1表面の線状樹脂パターン10の凸部11の高さhと幅wの比h/wを上述の範囲とすることで、高い偏光特性、機械的強度を有し、かつそれら特性の面内均一性に優れた反射型偏光板とすることができる。
また本発明の反射型偏光板において、基材1表面の線状樹脂パターン10は、凸部11の高さhと、凸部11間の幅、すなわち凹部12の幅(p−w)との比h/(p−w)が、1〜5の範囲であることが好ましい。より好ましくは、比h/(p−w)が1.2〜5、更に好ましくは1.3〜5である。かかる比h/(p−w)が上述の範囲を超えると、線状樹脂パターン10の形成が困難となるため好ましくなく、また上述の範囲に満たないと線状金属層3の選択的形成が困難となり、構造的な異方性を充分に発揮することができず、充分な偏光特性が得られないことがあるため好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、基材1表面の線状樹脂パターン10の凸部11高さhと凹部12の幅(p−w)の比h/(p−w)が上述の範囲を満たすことによって、線状金属層3の選択的形成性が高くなり、特に凸部11周辺だけへの線状金属層3の形成が容易となり、高い偏光特性を有する偏光板を得ることができる。
また、本発明の反射型偏光板において、基材1表面の線状樹脂パターン10は、凸部11の幅wとピッチpの比(w/p)が0.1〜0.5の範囲であることが好ましい。より好ましくは比w/pが、0.1〜0.45、さらに好ましくは0.1〜0.40である。かかる比w/pが上述の範囲を超えると、線状金属層3を形成後に十分な開口率を確保できないため、透過率が低下するため好ましくない。また、比w/pが上述の範囲に満たないと、線状金属層3を形成しても十分な偏光度を得ることができないため、好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、基材1表面の線状樹脂パターン10の凸部11の幅wとピッチpの比w/pを上述の範囲とすることによって、線状金属層3を形成した際に、高い偏光度と透過率を両立する反射型偏光板とすることができる。
本発明の反射型偏光板において、基材1、および基材1表面の線状樹脂パターン10は、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれか又はこれらの混合物を主成分とする樹脂組成物からなることが好ましい。ここで、該樹脂中において50重量%を越える場合を主成分と定義する。
前記熱可塑性樹脂の例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールおよびこれらを成分とする共重合体、またはこれらの混合物等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
前記光硬化性樹脂の例としては、分子内に少なくとも一つのラジカル重合性を有する化合物、またはカチオン重合性を有する化合物等が挙げられる。ラジカル重合性を有する化合物としては、活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤の存在下で活性エネルギー線照射により高分子化または架橋反応する化合物が挙げられる。例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個含むもの、1官能であるビニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むもの、またはこれらのオリゴマー、ポリマー、混合物などが挙げられる。また、分子内に少なくとも一つのカチオン重合性を有する化合物としては、オキシラン環を有する化合物、オキセタン環を有する化合物、ビニルエーテル化合物から選ばれる一つあるいは2種以上の化合物から選ばれるものが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂の例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、これらより選択される1種類もしくは2種類以上の混合物などを用いることができる。
かかる光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂には重合開始剤が配合される。該光硬化性樹脂の場合には感光波長および重合形式に合わせ、活性エネルギー線の照射によりラジカル種またはカチオン種を発生する光重合開始剤を用い、また該熱硬化性樹脂の場合にはプロセス温度に合わせた熱重合開始剤を用いることが好ましい。
これら樹脂は、使用波長、すなわち液晶表示装置に用いる場合には400〜800nmの可視光領域において、透明であり、特定波長における吸収ピークがみられないものが好ましい。また、光線を実質的に散乱しないものが好ましく、膜厚100μmの平坦なシート状としたときのヘイズ値でおよそ30%以下であるのが好ましい。より好ましくはヘイズが20%以下、更に好ましくはヘイズが10%以下である
また、本発明の反射型偏光板において、基材1、および基材1の表面の線状樹脂パターン10を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂を主たる成分とする場合、そのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:10℃/min)におけるガラス転移温度Tgは、好ましくは70〜160℃、より好ましいのは100〜160℃、最も好ましくは110〜150℃の範囲である。
ここで、ガラス転移温度Tgとは、JIS K−7121(1999)に準じた方法により求められた値であり、昇温速度10℃/minで走査した時に得られる示差走査熱量測定チャートのガラス転移の階段状の変化部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から求めた値である。
かかるガラス転移温度Tgが上述の範囲を超えると、線状樹脂パターン10を形成するために金型50を押しつけても十分な形状を形成することが困難となり、線状金属層3を形成しても十分な光学特性を得ることが困難となることがあるため好ましくなく、また上述の範囲に満たないと、続く表面層形成工程、および線状金属層形成工程において、熱負荷により基材、もしくはパターンが変形することがあるために好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、基材1、および基材1の表面の線状樹脂パターン10を構成する樹脂が熱可塑性樹脂を主たる成分とする場合、そのガラス転移温度を上記範囲とすることで、良好なパターン形成性と、表面層2、線状金属層3形成工程中のパターン形状保持性を両立することができ、その結果、線状金属層3の形成により、高い光学特性の反射型偏光板を得ることができる。
また、本発明の反射型偏光板において、基材1、および基材1の表面の線状樹脂パターン10を構成する樹脂が、熱硬化性樹脂、もしくは光硬化性樹脂を主たる成分とする場合は、ガラス転移温度Tgが上記範囲外となっても良いが、その場合においては、熱分解温度開始は、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上、もっとも好ましくは250℃であるものがよい。この範囲に満たないと、続く表面層2、線状金属層3の形成工程において、基材、もしくはパターンが変形したりすることがあるだけでなく、線状金属層形成工程中に低分子量有機成分が大量に放出され、金属原子の緻密な配列を阻害するため、形成される線状金属層3の金属性が低下し、その結果、光学特性が低下することがあるために好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、基材1、および基材1の表面の線状樹脂パターン10を構成する樹脂が熱硬化性樹脂、もしくは光硬化性樹脂を主たる成分とする場合、その熱分解開始温度を上記範囲とすることで、線状金属層形成工程にて形成される線状金属層3の金属性を高く保つことができ、その結果高い光学特性の反射型偏光板を得ることができる。
また、本発明の反射型偏光板において、基材1、および基材1の表面の線状樹脂パターン10を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂の場合は、25℃での光弾性係数kが、好ましくは50×10−12Pa−1以下、より好ましくは、40×10−12Pa−1以下、最も好ましくは30×10−12Pa−1以下であるのがよい。
ここでいう光弾性係数kとは、樹脂を溶融製膜、溶液製膜など、公知の方法でシート化し、そのシートを25℃、65RH%の雰囲気下、厚みd(nm)のシートに無張力の時の位相差Γ1(nm)、張力F(Pa)を加えたときに生じる位相差をΓ2(nm)としたときに、
・k=(Γ2−Γ1)/(d×F)
で定義される値のことである。
なお、位相差Γの測定は、フィルムに1kg/mm(9.81×10Pa)の張力をかけた状態で、直交ニコル、光源としてはナトリウムD線(波長589nm)を備えた偏光顕微鏡で、25℃の雰囲気下行う。
かかる光弾性係数kが、50×10−12Pa−1より大きいと、基材1、および基材1の表面の線状樹脂パターン10の加工時に光学歪みが残り、線状金属層3を形成して反射型偏光板とした場合に面内において光学特性が変化して色調のムラなどが発生したりすることがあるため、好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、基材1、および基材1の表面の線状樹脂パターン10を構成する樹脂は、かかる光弾性係数kを、上述の特定な範囲に制御することによって、加工時に光学歪みが残ることなく線状凹凸構造を形成することができ、その結果、線状金属層3を形成して、反射型偏光板としたときに、面内において均一な光学特性を得ることができる。
これら樹脂には必要に応じて各種成分を添加することも好ましい。かかる添加剤として、例えば、界面活性剤、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、熱安定化剤、可塑剤、粘度調整剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を好ましく用いることができる。
また、本発明の反射型偏光板において、基材1は、少なくとも、樹脂からなる第一層と支持体となる第二層との積層構造であることが好ましい。かかる積層構造にすることによって、支持体となる第二層で機械的強度、耐熱性を確保しながら、基材1表面が平坦な場合には、その平面性を高めることができ、また基材1表面に線状樹脂パターン10を形成させる場合には、第一層に賦形しやすい材質を用いることができ、基材1表面に線状樹脂パターン10を容易に形成できるため好ましい。なお、支持体となる第二層は、それ自体が単層であっても複数層の積層構造であってもよい。
ここで、基材1表面に線状樹脂パターン10を形成させる場合において、第一層に用いる賦形しやすい材質とは、前述の熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のことをいう。後述するように、生産性などの観点から基材1表面に線状樹脂パターン10を賦形するには金型転写法が好ましく、これらの樹脂を第一層に用いることで金型転写法により基材1表面に線状樹脂パターン10を形成することができるため好ましい。
また、支持体となる第二層としては、ガラス、金属などの無機基材、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、脂環族ポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、ポリカーボネートなどに代表される樹脂基材など、各種材質を用いることができる。
ガラス、金属などの無機基材を支持体として用いた場合には、平坦性や機械的強度、耐熱性に優れる反射型偏光板とすることができる。また、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート等に代表される可撓性のある樹脂基材を用いた場合には、さらに柔軟性、軽量化、薄膜化、取扱性を付与することができるために、より好ましい。上記材質の中でも、ポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂シートであることが好ましく、機械的強度、耐熱性を向上させるためには、一軸延伸または二軸延伸ポリエステル樹脂シートであることが特に好ましい。二軸延伸されたポリエステル樹脂シートを用いると、機械的強度および耐熱性を確保しながら、薄膜化、柔軟性および軽量化が達成可能となるため最も好ましい支持体である。特に、無機基材であるガラスに比べ、薄膜化したときの耐衝撃性に優れる。また延伸することによりシートに複屈折性が発現するため、前述したように入射光の偏光状態の偏りを解消し液晶表示装置などの輝度を向上させることができるため好ましい。ここで用いるポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、またはこれらをベースとしたその他成分との共重合体などのポリエステル樹脂が好ましく用いられる。またこのポリエステル樹脂を主成分とし、その他の相溶性又は/及び非相溶性の成分を添加した樹脂組成物も好ましく用いられる。
本発明の反射型偏光板において、基材1が、樹脂からなる第一層と支持体となる第二層との積層構造とした場合、線状樹脂パターン10を含む第一層の屈折率n1と支持体となる第二層との屈折率n2の差Δn=|n1−n2|をできるだけ小さくすることが好ましく、好ましくはかかる屈折率差Δnを0〜0.15、より好ましくは0〜0.10、さらに好ましくは0〜0.06、最も好ましくは0〜0.03である。かかる屈折率差Δnが上述の範囲を外れると、基材1との屈折率差、および線状凹凸構造の高さhや、第一層の膜厚h’などに起因する薄膜干渉が大きくなる。この薄膜干渉によって、本来反射して再利用されるべき光を失活させることになる。特に、基材1側を入射させたときにこの影響が顕著に表れ、反射率が大きく低下してしまう。その結果、光の利用効率を低下させることにり、輝度向上効果が十分に得られなくなる。また、この光利用効率の低下は光の波長により変化する場合もあり、液晶表示装置の色彩が面内の場所、および観察角度によりムラとなって現れ、色均一性が低下したりする事もあるため好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、線状樹脂パターン10を含む第一層の屈折率n1と支持体となる第二層との屈折率n2の差Δn=|n1−n2|を上述の範囲とすることによって、色均一性が良好でかつ、光線の利用効率に優れた反射型偏光板とすることができる。具体的には、第二層として二軸延伸したポリエステルフィルムを用いた場合、第一層を構成する樹脂の屈折率n1は1.58〜1.7が好ましく、より好ましくは1.60〜1.68である。上記屈折率n1を達成するためには、その樹脂の分子骨格に、シクロヘキサン、イソボルニル、アダマンタンなどの脂環族基や、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、ビスフェノールなどの芳香環、臭素、塩素、ヨウ素などのハロゲン原子、硫黄などを導入することにより得ることができる。この中で、環境問題などから、脂環族基、芳香族基を導入することが好ましい。
本発明の反射型偏光板において、また、本発明の反射型偏光板において、基材1表面の線状樹脂パターン10の凹部最下部と表面層と反対側の表面の間の厚さ(以下、基材1膜厚とする)h’は1〜1000μmが好ましく、より好ましくは、表面層膜厚h’が1〜500μm、更に好ましくは1〜200μmである。
また、基材1が、樹脂からなる第一層と支持体となる第二層との積層構造とした場合は、線状樹脂パターン10を有する第一層の凹部最下部と第一層と第二層間の厚さ(以下第一層の膜厚とする)h’は0〜2μmが好ましく、より好ましくは、表面層膜厚h’が0〜1μm、更に好ましくは0〜500nmである。なお、この場合、第二層の厚みは、特に限定されないが、機械的強度および薄膜化の観点から、例えば、無機基材の場合には0.1〜3mm、樹脂基材の場合には50μm〜3mmが好ましい。
本発明の反射型偏光板は、線状金属層3を片面のみに形成させる場合、線状金属層3が形成されていない側の基材1表面に、空気−基材1界面の屈折率差に由来して生じる光の反射を防止する反射防止層が形成されていることが好ましい。かかる反射防止層を形成させることにより、線状金属層3が形成されていない面側の表面に界面での不要な反射を抑制することができ、光線の利用効率をさらに高めることができる。かかる反射防止層としては、反射を防止する性質を有する材料で形成して反射防止機能を発揮してもよいし、その層を特定形状に形成することで反射防止機能を発揮してもよい。
また、本発明の反射型偏光板において、支持体となる第二層として光拡散性を示す材質を用いることも、反射型偏光板と光拡散板との機能統合が達成できるという点で好ましい構成となる。なお、光拡散性を発現させるためには、例えば、支持体内部に粒子などを分散させたり、線状樹脂パターン10を形成していない面側に微粒子を含む材料をコーティングしたり、凹凸形状を賦形したりすることなどで達成できる。基材1内部に粒子などを分散させることによって、基材1自体に光拡散性を付与する場合、主に等方的な光拡散効果を発現させることができるが、基材1表面に光拡散層を設ける場合は、表面の形状を任意に設計できるため、等方的な拡散性以外に、任意の光拡散性を容易に制御することができる。
また、本発明の反射型偏光板において、支持体となる第二層には、1/4波長板の機能を付与することも好ましい。この場合、基材1側から光を入射させると、偏光板により反射された偏光は同時に円偏光に変換される。この円偏光は、面光源に戻され、一部の偏光状態が解消されるが、反射によって逆周りに変換された円偏光を多く含む状態で再び偏光板に戻ってくる。この逆回りの円偏光が基材1を通過すると、偏光板を透過する直線偏光に変換されるため、光の利用効率を上げることができる
また、第二層として、光吸収性を示す材質や光反射性を示す材質を用いることもできる。その場合、特定の偏光成分を反射する偏光反射板として使用することができる。
本発明の反射型偏光板は、上述の表面層2を形成した基材1の表面層2を有する面側に間隔を開けて複数形成された線状金属層3が形成されていること特徴とするものである。それにより、一方の偏光を透過し、もう一方の偏光を反射することが可能な反射型偏光板とすることができる。
本発明の反射型偏光板について、その線状金属層3の形態を図5〜8を用いて説明する。
まず、表面層2が全面に形成されている場合について、図5,6を用いて説明する。
図5は、表面が平坦な基材1上に表面層2が全面に形成され、かつその上に線状金属層3が間隔を開けて複数形成されている態様の断面形状の例を示している。線状金属層3の断面形状としては、例えば、矩形(図5(a))、台形(図5(b))、三角形(図5(c))またはそれらの角や側面が曲線状であるもの(図5(d)〜(f))、等が挙げられるが、これらに限定されることなく、面内に線状金属層3が間隔を開けて複数形成されていれば好ましく用いることができる。また、図5(g)は、図5(a)の断面形状をもつ基材1の斜視図を示しており、線状金属層3が基材1表面上に線状に形成されている様子を表している。
また、図6は、断面が矩形の凸部11を有する線状樹脂パターン10上に表面層2が線状樹脂パターン10の凸部11の形状に沿って全面に一定膜厚で形成され、かつその面上に線状金属層3が間隔を開けて複数形成されている態様の例を示している。例えば、線状金属層3が線状樹脂パターン10の凸部11の頂部に形成される場合(図6(a))、隣接する凸部11間、すなわち凹部12に形成される場合(図6(b))、凸部11の側面に形成される場合(図6(c))、凸部11の周囲に形成される場合(図6(d))、またはこれらを組み合わせた形状(図6(e))に形成される場合などが好ましい例として挙げられる。また、図6(f)は、図6(a)の断面形状をもつ基材1の斜視図を示しており、線状金属層3が基材1の線状樹脂パターン10に沿って線状に形成されている様子を表している。このように、表面層2が線状樹脂パターン10の凹凸面全面に表面層2が形成されている場合は、線状金属層3は表面層2上に形成される。表面層2上に線状金属層3が形成されることによって、線状金属層形成工程中で、線状樹脂パターン10からのオリゴマー成分などの低分子有機成分の放出を防止することができ、また、樹脂製基材1の最表面に樹脂よりも結晶配列が金属層に近い層(表面層)が形成されることになるため、緻密で結晶性の高い線状金属層3が形成可能となる。その結果、樹脂製の基材1上に線状金属層3を形成させた場合において、従来のものと比べて線状金属層3の金属性を飛躍的に高めることができ、高透過率を維持したまま高反射率、高偏光度の反射型偏光板とすることができる。また、線状金属層3の結晶形態の不均一性に由来する光吸収も低減することができ、その結果、光学的ロスを低減させることが可能で、反射型偏光板として使用した場合の光利用効率を高めることができる。
また、表面層2が部分的に形成されている場合においては、線状金属層3が表面層2上に形成される場合と、表面層2がない部分に形成される場合、あるいはその両方(表面層2がある部分と表面層2がない部分の両方に接する)の場合などが挙げられる。例えば、表面が平坦な基材1上に表面層2が部分的に形成される場合(図1(b))を例とすると、線状金属層3が表面層2上に形成される場合(図7(a)〜(c))と、表面層2が無い部分に形成される場合(図7(d)、(e))、あるいはその両方の場合等(図7(f)〜(h))が挙げられる。
また、表面層2が線状樹脂パターン10の凸部11の頂部に形成される場合(図2(e))を例とすると、線状金属層3が表面層2上に形成される場合(図8(a)〜(d))と、表面層2がない部分に形成される場合(図8(e)〜(f))、あるいはその両方の場合(図8(g)〜(i))などが挙げられる。
ここで、上述の形態のうち、本発明の反射型偏光板においては、線状金属層3は、好ましくは図7(a)〜(d)、(f)〜(h)、図8(a)〜(d)、(g)〜(i)の様に、少なくとも表面層2と接するように形成されていることがよく、より好ましくは図7(a)〜(c)、図8(a)〜(d)の様に、表面層2上に形成されるのがよい。つまり本発明においては、「線状金属層3が表面層2上に形成される」とは、線状金属層3が表面層2のみに接して形成されていることを意味するものである。
本発明の反射型偏光板において、樹脂基材上に表面層2を形成させることによって、基材1からのオリゴマー成分などの低分子有機成分の放出を防止することができ、緻密で結晶性の高い線状金属層3が形成可能となる。特に表面層2上に、つまり表面層2を介して、線状金属層3が形成されることによって、線状金属層形成工程中で、基材1からのオリゴマー成分などの低分子有機成分の放出を防止することができるだけでなく、樹脂製基材1の最表面に樹脂よりも結晶配列が金属層に近い層(表面層)が形成されることにになるため、より緻密で結晶性の高い線状金属層3が形成可能となる。その結果、樹脂製の基材1上に線状金属層3を形成させた場合において、従来のものと比べて線状金属層3の金属性を飛躍的に高めることができ、高透過率、高反射率、高偏光度の反射型偏光板とすることができる。また、線状金属層3の結晶形態の不均一性に由来する光吸収も低減することができ、その結果、光学的ロスを低減させることが可能で、反射型偏光板として使用した場合の光利用効率を高めることができる。
本発明の反射型偏光板において、線状金属層3の膜厚h3は、適用する光の波長領域によって適宜選択される。たとえば、波長800〜4000nmの近赤外・赤外光の波長領域に適用するためには、膜厚h3が20〜800nm、また、波長400〜800nmの可視光の波長領域に適用するためには、膜厚h3が10〜200nmであることが好ましい。ここでいう線状金属層3の膜厚h3とは、基材1凸部11の高さ方向に測定した厚みであって、基材1の上の少なくとも一部に前記範囲を満たす膜厚で線状金属層3が形成されていればよい。可視光の波長領域に適用するためには、線状金属層3の膜厚h3としてより好ましくは30〜200nm、さらに好ましくは50〜200nmである。この範囲に満たないと、十分な偏光度を得ることができないため好ましくない。またこの範囲をこえると線状金属層3の形成が困難となるため好ましくない。本発明の反射型偏光板において、線状金属層3の膜厚h3を上述の範囲とすることによって、高い偏光度を有する反射型偏光板を容易に形成できる。
本発明の反射型偏光板において、線状金属層3の長手方向に垂直な断面における寸法などは、適用する光の波長領域によって適宜選択される。たとえば、波長800〜4000nmの近赤外・赤外光の波長領域に適用するためには、ピッチp3=50〜800nm、幅w3=20〜780nm、また、波長400〜800nmの可視光の波長領域に適用するためにはピッチp3=50〜400nm、幅w3=20〜380nmで形成するのが好ましい。この寸法の線状金属層3が形成されることにより、それぞれ適用する光の波長領域において、高い偏光特性を発現する反射型偏光板を提供することができる。
特に、可視光の波長領域に適用する場合において、かかるピッチp3については、400nmを越えると、可視光の短波長領域の偏光度が低下することになり好ましくない。また、ピッチp3が50nmを下回ると、線状金属層3を形成することが難しくなるため好ましくない。かかるピッチp3として、より好ましくは70〜200nm、更に好ましくは80〜160nm、特に好ましくは80〜140nmである。
また、線状金属層3の幅w3については、20nmより狭くなると、形成が困難となるだけでなく、成形できたとしても、線状金属層3として機能しないことがあるため好ましくない。また、かかる幅w3は、近赤外光領域の波長領域に適用する場合は780nmよりも太い場合、また可視光の波長領域に適用する場合においては380nmよりも太い場合のいずれにおいても、ピッチp3の範囲を考慮すると、開口率が非常に低くなり、光線透過率が低くなるため好ましくない。したがって、かかる幅w3については、近赤外光の波長領域に適用する場合は、さらに好ましくは20〜300nm、最も好ましくは20〜200nm、また、可視光の波長領域に適用する場合は、さらに好ましくは20〜150nm、最も好ましくは25〜100nmである。
かかるピッチp3および幅w3は、面内において偏光特性の均一性を保つため、一定であることが好ましいが、前記範囲内において種々のピッチおよび幅が混ざり合っていてもよい。また、可視光領域に適用する形状で反射型偏光板を作製すると、可視光領域だけでなく、より長波長である近赤外線領域や赤外線領域においても偏光特性を発現させることができ、近赤外線用または赤外線用の反射型偏光板としても使用可能である。
ここで、本発明の反射型偏光板において、基材1の表面に線状樹脂パターン10が形成されている場合、高い光利用効率と高透過率を得るためには、線状金属層3が凸部11周辺だけに形成されること(例えば、図6(a)、(c)〜(e)、図8(a)〜(d)、(g)〜(h)など)が好ましい。この場合、凸部11上に形成された線状金属層3膜厚h3と凸部11の高さhを足し合わせた高さは、400nm以下であることがより好ましい。かかる足し合わせた高さが、400nmを越えると偏光特性が光の入射角度に依存することがあるため好ましくない。
本発明の反射型偏光板において、凸部11上に形成された線状金属層3膜厚h3と凸部11の高さhを足し合わせた高さを上述の範囲とすることによって、光の入射角度に依存せず、均一な偏光特性を得ることができる。
また、本発明の反射型偏光板において、線状金属層3および凸部11の総幅TWは、凸部11のピッチpとの比、すなわちTW/pが、0.1〜0.7であることが好ましい。ここで、この比率を算出するために必要な総幅TWならびにピッチpとは、基材1面に平行で、かつ、凹凸が繰り返される方向における線状金属層3長さが最大となる同一平面で測定されるものとする。なお、図5のように凸部11が形成されない場合,図6(a),(d),(e)等の様に、線状金属層3が凸部11頂部全体に形成される場合は、線状金属層2の幅w3でもって、TWとする。より好ましくはTW/pが0.2〜0.6、更に好ましくは0.3〜0.6である。この比率が上記範囲を越える場合には、光利用効率と透過率が低下するため好ましくない。またかかる比率がこの範囲に満たないと、十分な偏光度を得ることができないため好ましくない。本発明の反射型偏光板において、線状金属層3及び凸部11の総幅TWとピッチの比TW/pを上述の範囲とすることによって、高い偏光度と透過率を両立することができる
また、本発明の反射型偏光板において、線状金属層3の膜厚h3と幅w3の比、すなわちh3/w3が、0.5以上であることが好ましい。より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上、特に好ましくは0.8以上、最も好ましくは1.0以上である。この比率が0.5に満たない場合は、十分な偏光度が得られなかったり、十分な反射率が得られず高い光利用効率を得ることができないため好ましくない。本発明の反射型偏光板において、線状金属層3の膜厚h3と幅w3の比、h3/w3を0.5以上とすることによって、高い透過率と偏光度、光利用効率を兼ね備えた反射型偏光板とすることができる。
本発明の反射型偏光板において、線状金属層3は、「高反射性金属からなる層」、及び/又は「高反射性金属粒子、及び/又は、高反射性金属により被覆された粒子を含有する層」であることが好ましい。また、これらが混ざり合った層でもよいし、積層された構造であってもよい。
ここで、「高反射性金属からなる層」とは、単一の金属または複数の金属からなる合金からなる線状金属層3であり、一層若しくは異なる材質からなる二層以上の積層構造が好ましく用いられる。異なる材質からなる二層以上の積層構造の場合には、少なくとも一層が高反射性金属からなる層であればよく、例えば、反射性の低い金属酸化物などが線状金属層3表面に積層されていてもよい。特に、酸化しやすい高反射性金属を用いる場合には、予め保護層として線状金属層3表面に該金属の酸化物からなる層を形成し、経時安定性を高めることは好ましいことである。
また、「高反射性金属粒子、及び/又は、高反射性金属により被覆された粒子を含有する層」に含まれる高反射性金属粒子および高反射性金属により被覆された粒子は、粒子径が1〜100nmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜50nmである。ここでいう粒子径とはメジアン径d50のことをいう。かかる粒子径が100nm以下の金属粒子は融着温度が低下するため、例えば200〜300℃での低温熱処理でも粒子が連結し始め、金属としての特性を発現し光反射性が向上するため好ましい。また、かかる粒子径が50nm以下になると、より低温かつ短時間の熱処理で粒子が融着するため、さらに好ましい。また、これら粒子の形状は特に限定されることなく、いずれの形態であっても好ましく用いることができる。また、高反射性金属に被覆される内層の粒子は、例えば、アクリル樹脂などの架橋樹脂粒子や、シリカ、アルミナなどの無機粒子など、特に限定されることなく好ましく用いられる。これら高反射性金属粒子、高反射性金属粒子で被覆された粒子は、粒子単独、または粒子と分散剤の組み合わせ、さらには、粒子と分散剤とバインダーとなる熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれか又はこれらの混合物を主成分とする樹脂組成物と組み合わせられることにより、「高反射性金属粒子、及び/又は、高反射性金属により被覆された粒子を含有する層」を形成することができる。
本発明の反射型偏光板において、高反射性金属としては、アルミニウム、クロム、銀、銅、ニッケル、白金および金からなる群から選ばれる金属を含むことが好ましい。より好ましくはこれらの群の金属が主たる成分とするのがよい。ここで、主たる成分とするとは線状金属層3中における該金属の含量が50重量%を超える場合をいう。また、高反射性とは、使用する光の波長領域において高い反射率を示すことであり、具体的には表面が平滑な硼珪酸ガラス(BK−7)上に100nmの厚さで形成させ、その線状金属層3側から入射させたときの反射率が、適用する波長領域全体にわたって、75%以上であることをいう。より好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上である。
かかる反射率が上述の範囲に満たない金属を線状金属層3として用いた場合、光学ロスが多くなり、光利用効率を十分に得ることができなかったり、光学ロスが小さくても偏光度が低下することがあるため好ましくない。本発明の反射型偏光板において、上述の範囲内の反射率を有する線状金属層3を使用することによって、光利用効率を高くできるだけでなく、高い偏光度を得ることができる。前記金属のうち、アルミニウム、クロム、銀が、可視光領域の全域に亘って反射率が高いためより好ましい。
本発明の反射型偏光板は上述の構成からなるものであって、その特徴として、高透過率、高反射率でかつ高偏光度であることがあげられる。具体的には、基材1側から測定した透過率が30%以上、反射率が30%以上で、かつ線状金属層3側から測定した偏光度が90%以上であるのが好ましい。より好ましくは透過率が35%以上、反射率が35%以上、偏光度が95%以上、さらに好ましくは透過率が35%以上、反射率が40%以上、偏光度が99%以上、特に好ましくは透過率が35%以上、反射率が40%以上、偏光度が99.2%以上である。
本発明の反射型偏光板は以下の方法で製造することができる。
まず、基材1が平坦である場合は、次の工程(a−1)〜(a−5)の順に製造することができる。
工程(a−1):基材1を作製する工程(基材形成工程)
工程(a−2):基材1の表面に表面層2を形成する工程(表面層形成工程)
工程(a−3):表面層2上に金属層を形成する工程(金属層形成工程)
工程(a−4):金属層上にレジストパターンを形成する工程(レジストパターン形成工程)
工程(a−5):金属層を部分的に除去する工程(選択的除去工程)。
また、基材1の表面に線状樹脂パターン10を形成させた場合は、上記製法での形成も可能であるが、次の工程(b−1)〜(b−4)の順に製造する方が、工程数が少なく、生産性に優れるという点で好ましい。
工程(b−1):基材1を作製する工程(基材作製工程)
工程(b−2):基材1表面に線状樹脂パターン10を形成する工程(パターン形成工程)
工程(b−3):工程(b−2)で作製した基材1の線状樹脂パターン10を有する面側に表面層2を形成する工程(表面層形成工程)
工程(b−4):工程(b−3)で作製した基材1の表面層を形成した面側に線状金属層3を形成する工程(金属層形成工程)。
以下、各工程について詳細を説明する。
工程(a−1)、工程(b−1):基材作製工程
本発明の反射型偏光板製造方法において、基材1の形成方法としては、例えば、基材1形成用材料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム等の上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)を使用することができる。その他の方法として、基材1形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も使用することができる。
また、基材1が支持体層と上に線状凹凸構造10を形成するための樹脂層の積層構造である場合は、その形成方法としては、二つの異なる熱可塑性樹脂を二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工、支持体と樹脂層を同時に形成する方法(共押出法)、単膜で作製した支持体に樹脂層の原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、支持体と樹脂層をそれぞれ別々に単膜作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、接着剤を介して張り合わせる方法(接着法)、その他、樹脂層用材料を溶媒に溶解させ、その溶液を支持体上に塗布する方法(コーティング法)等を使用することができる。
また、樹脂層の材料が光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の場合は、上述の方法のうち、接着法、コーティング法が好ましく用いられる。
支持体としては、易接着層などの塗布層を形成したものが樹脂層との接着力の点で好ましく用いられる。この場合、塗布層を構成する樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂等の熱可塑性樹脂、およびそれらの混合物等が、用いる支持体や樹脂層に応じて適宜選択して用いられるが、支持体として二軸延伸ポリエステルフィルムを用いた場合は、接着性の点からポリエステル系樹脂を主たる成分としたものが好ましく用いられる。ここでいう主たる成分とは、塗布層を構成する熱可塑性樹脂のうち、ポリエステル系樹脂が、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上から成ることを示すものである。
また、支持体と塗布層との密着性向上、耐ブロッキング防止等の点で、塗布層に、架橋剤を含有するのが好ましい。かかる架橋剤としては、塗布層を構成する樹脂に存在する官能基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基等と架橋反応する樹脂や化合物が好ましく用いられ、その例としてはメチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂及びエポキシ化合物、イソシアネート化合物、カップリング剤、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等、及びそれらの混合物等を使用することができる。かかる架橋剤種類、および含有量は、支持体、樹脂層、塗布層を構成する樹脂、架橋剤の種類等によって適宜選択されるが、通常は樹脂固形分100重量部に対し、好ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは0.2〜30重量部の範囲がよい。また、かかる架橋剤には、触媒を併用して架橋反応を促進させることも好ましく行われる。なお、架橋反応方式としては、加熱方式、電磁波照射方式、吸湿方式などのいずれでも構わないが、通常は加熱による方法が好ましく用いられる。
また、塗布層には、塗布層の滑り性改良や、耐ブロッキング性のために微粒子を含有するのが好ましい。その例として、無機微粒子や有機微粒子などを使用することができる。かかる無機微粒子としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、レニウム、バナジウム、オスミウム、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、プラセオジウム、クロム、ニッケル、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、タンタル、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、イットリウム、ランタニウム等の金属、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セシウム、酸化アンチモン、酸化スズ 、インジウム・スズ酸化物、酸化イットリウム 、酸化ランタニウム 、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム 、酸化ケイ素等の金属酸化物、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム 、フッ化アルミニウム 、氷晶石等の金属フッ化物、リン酸カルシウム等の金属リン酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、その他タルクおよびカオリンなどを用いることができる。また、有機微粒子としては、架橋スチレンや架橋アクリルなどの架橋微粒子の他、塗布層を構成する熱可塑性樹脂に対して非相溶だが、微分散して海島構造を形成する熱可塑性樹脂も微粒子として用いることもできる。かかる微粒子の形状としては、真球状、回転楕円体状、扁平体状、数珠状、板状または針状等のものを用いることができるが、特に限定されない。かかる微粒子の平均粒径は0.05〜15μmが分散性、滑り性、耐ブロッキング性の点から好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。また、かかる微粒子の添加量は任意であるが、通常は樹脂固形分100重量部に対し、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
また、塗布層には、効果が失われない範囲内で、必要に応じて、各種の添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、pH調整剤および塩などを使用することができる。
上記、塗布層を支持体上へ形成する方法としては、上述の塗布層を構成する材料を溶媒に溶解/分散させた塗液を支持体上に塗布、乾燥する手段が好ましく用いられる。この際、用いる溶媒は任意であるが、安全性の点から水を主たる成分として用いることが好ましい。その場合、塗布性や、溶解性などの改良のため、水に溶解する有機溶剤を少量添加させても構わない。かかる有機溶剤の例として、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n―ブチルアルコールなどの脂肪族または脂環族アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール類、メチルセロソロブ、エチルセロソロブプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジオール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N−メチルピロリドンなどのアミド類など、および、これらの混合物を使用することができるが、これらに限定されない。
かかる塗布層を支持体上に塗設する方法としては、支持体の製膜中に塗設するインラインコーティング法、製膜後の原反に塗設するオフラインコーティング法があげられ、どちらでも用いることが出来るが、より好ましくは支持体製膜と同時にできて効率的であり、かつ塗布層の支持体への接着性が高いという理由からインラインコーティング法が好ましく用いられる。また、塗設する際には、塗布液の支持体上への濡れ性向上、接着力向上の観点から支持体表面へコロナ処理なども好ましく行われる。
また、支持体として、一軸もしくは、二軸延伸したフィルム基材を選択した場合、樹脂層の形成方法として、上述の溶融ラミネート法、熱ラミネート法、コーティング法等の方法の他に、樹脂層が熱可塑性樹脂からなる場合においては、二台の押出機に樹脂層用材料と、支持体形成用のポリエステル材料をそれぞれ投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出して、二軸延伸した後、熱処理を施す方法(共押出二軸延伸法)も好ましく行われる。
二軸延伸する方法としては、長手方向と幅方向の延伸とを分離して行う逐次二軸延伸方法や、長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸方法のどちらであっても構わない。
また、前記熱処理工程における熱処理温度Taは、樹脂層の融点(もしくは軟化点)をTm1、支持体の融点をTm2とした時に、Tm2>Ta>Tm1とすることが好ましい。この温度範囲で熱処理を行うことで、支持体を熱固定して機械的強度を付与すると同時に、樹脂層を溶融させて均一化し、易成形性を付与することができる。
工程(b−2):パターン形成工程
工程(b−1)により得られたシートを用いて、基材1の少なくとも片側表面に、線状樹脂パターン10を形成する。
本発明の反射型偏光板の製造方法において、線状樹脂パターン10の形成方法としては、半導体製造プロセス等で用いられるフォトリソグラフィーやエッチング法を用いることも可能であるが、これらはプロセスが複雑であるので、生産性およびコストの面で金型転写法による賦形が好ましい。すなわち、加熱・加圧または電磁波照射を用いた金型転写により基材1表面に線状樹脂パターン10を形成する。かかる加熱・加圧を用いた方法においては、図9(a)に示すように、基材と金型50を重ねて加熱・加圧し、離型することにより、基材1表面に金型形状が転写される。このとき、少なくとも基材1表面が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂で構成されているのが好ましい。また、電磁波照射を用いた方法においては、図9(b)に示すように、金型50に光硬化性樹脂を直接充填、または前記樹脂がコーティングされた基材に金型50を押しあてることで金型50に前記樹脂を充填し、基材と重ね合わせて電磁波照射を行い、樹脂を硬化させ、離型することによって金型50形状を転写する。少なくとも基材表面が電磁波、例えば紫外線、可視光、電子線により硬化する樹脂により構成されているのが好ましい。
本発明の反射型偏光板の製造方法において線状樹脂パターン10を形成するために用いる金型50の作製方法としては、特に限定されるものではないが、本発明の反射型偏光板の寸法を鑑みると、X線、電子線、紫外線、または紫外線レーザーなどを用いて、金型材質上に形成したレジスト層をパターニングし、その後にエッチングなどの工程を経て作製するのが好ましい。
かかる金型50の材質としては、ガラス、シリコン、ステンレス鋼(SUS)、あるいはニッケル(Ni)など各種材料を利用することができ、特に限定されるものではないが、金型50の加工性の点から、シリコンやガラス、離形性と耐久性からはステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)などの金属材質が好ましい。
金型50は上述の材質をそのまま用いても構わないが、金型転写後に成形品を容易に離型できるように、金型50の表面を表面処理剤で処理し、易滑性を付与するのが好ましい。表面処理後の金型50の表層の接触角は、好ましくは80°以上、より好ましくは100°以上である。
金型50の表面処理の方法としては、表面処理剤を金型50表面に化学結合させる方法(化学吸着法)や、表面処理剤を金型50表面に物理的に吸着させる方法(物理吸着法)等を使用することができる。この中で、表面処理効果のくり返し耐久性、および成形品への汚染防止の観点から化学吸着法により表面処理するのが好ましい。
かかる化学吸着法に用いられる表面処理剤の好ましい例としては、フッ素系シランカップリング剤を使用することができる。これを用いた表面処理方法としては、まず、有機溶剤(アセトン、エタノール等)中での超音波処理や、硫酸等の酸、過酸化水素等の過酸化物の溶液中での煮沸などにより金型50の表面を洗浄した後、フッ素系シランカップリング剤をフッ素系溶剤に溶解させた溶液に浸漬する方法(湿式法)や真空蒸着させて金型50表面に析出させる方法(乾式法)などを使用することができる。かかる湿式法の場合には、浸漬時に溶液を加熱することも好ましく行われる。浸漬時には、溶液を加熱することも好ましく行われる。また、浸漬後に加熱処理することも好ましく行われる。
上記金型50を用いて、基材1表面に線状樹脂パターン10を形成する方法の例を、図9を用いて説明する。
図9(a)は加熱・加圧を用いて金型賦形する場合の例を示すものである。線状凹凸層10を形成するための基材1と、転写すべきパターンと反転した凹凸を有する金型50の少なくとも一方を、基材1のガラス転移温度Tg2(積層構造の場合は表面の樹脂層の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg21、以後これらをTg2と称す)以上融点Tm未満の温度範囲内に加熱し(図9(a−1))、基材1と金型50を接近させ、そのまま所定圧力でプレス、所定時間保持する(図9(a−2))。次にプレスした状態を保持したまま降温する。最後にプレス圧力を解放して金型50からシートを離型する(図9(a−3))。
かかる加熱・加圧を用いて金型賦形する場合において、加熱温度およびプレス温度(T1)はTg2〜Tg2+60℃の範囲内であることが好ましい。この範囲に満たないと、基材1もしくは基材1表面の樹脂層が十分に軟化していないため、金型50をプレスしたときの変形が起こりにくくなり、成形に必要な圧力が非常に高くなる。またこの範囲を上回ると、加熱温度、およびプレス温度T1が高くエネルギー的に非効率であり、また、金型50と基材1の加熱/冷却時の体積変動量の差が大きくなりすぎて、基材1が金型50に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの精度が低下したり、部分的にパターンが欠けてしまう等の理由により好ましくない。加熱温度およびプレス温度(T1)をこの範囲とすることで、良好な成形性と、離型性を両立することができる。
また、かかる加熱・加圧を用いて金型賦形する場合において、プレス圧力は、プレス温度T1での基材1もしくは基材1表面の樹脂層の弾性率の値等により適宜調整されるが、好ましくは0.5〜50MPa、より好ましくは1〜30MPaである。この範囲に満たないと金型50内への樹脂の充填が不十分となりパターン精度が低下する。またこの範囲を超えると、必要とする荷重が大きくなり、金型50への負荷が大きく、くり返し使用耐久性が低下するため好ましくない。プレス圧力をこの範囲とすることで、良好な転写性を得ることができる。
また、かかる加熱・加圧を用いて金型賦形する場合において、プレス圧力保持時間は、プレス温度T1での基材1もしくは基材1表面の樹脂層の弾性率の値等と成形圧力により適宜調整されるが、平板プレスの場合、10秒〜10分が好ましい。この範囲に満たないと金型50内への樹脂の充填が不十分となり、パターン精度が低下したり、面内均一性が低下する。またこの範囲を超えると、樹脂の熱分解による劣化などが起こり成形品の機械的強度が低下する可能性があるため好ましくない。保持時間をこの範囲とすることで良好な転写性と、成形品の機械的強度の両立ができる。ただし、ロールtoロール成形の場合はプレス時間が10秒以下であっても構わない。
また、かかる加熱・加圧を用いて金型賦形する場合において、プレス圧力開放温度T2は、Tg2−10℃〜Tg2+30℃の温度範囲内で、プレス温度T1より低いのが好ましく、より好ましくはTg2−10℃〜Tg2+30℃である。
この範囲に満たないと、プレス時の樹脂の変形が残留応力として残り、離型時にパターンが崩壊したり、離型できたとしても、成形品の熱的な安定性が低下するため好ましくない。またこの範囲を上回ると、圧力解放時の樹脂の流動性が高いため、パターンが変形したりして転写精度が低下したりするため好ましくない。プレス圧力開放温度T2をこの範囲とすることによって、良好な転写性と離型性とを両立することができる。
また、かかる加熱・加圧を用いて金型賦形する場合において、離型温度T3は20℃〜T2℃の温度範囲内であることが好ましく、より好ましくは20℃〜Tg2℃の温度範囲、最も好ましくは20℃〜Ts℃(ただしTs<Tg2)の温度範囲である。この範囲を上回ると、離型時の樹脂の流動性が高かったり、表面が軟化して粘着性を有していたりして、離型時にパターンが変形して精度が低下することがあるため好ましくない。離型時の温度をこの範囲とすることによって、パターン精度よく離型することができる。
図9(b)は電磁波照射を用いて金型賦形する場合の例を示すものである。線状樹脂パターン10を形成するための基材1もしくは基材1表面に形成した樹脂層と、、転写すべきパターンと反転した凹凸を有する金型50とを接近させ(図9(b−1))、そのまま所定圧力でプレスした後、金型50側もしくは基材1側のいずれかから電磁波を照射して樹脂を硬化させる(図9(b−2))。次にプレス圧力を解放して金型50から基材1を離型する(図9(a−3))。
かかる電磁波照射を用いた金型転写により賦形する場合において、プレス圧力は、賦形温度での賦形される材料の粘度に依存するが、好ましくは0.05〜10MPa、より好ましくは0.1〜5MPaである。この範囲に満たないと金型50内への樹脂の充填が不十分となりパターン精度が低下する。またこの範囲を超えると、必要とする荷重が大きくなり、金型50への負荷が大きく、くり返し使用耐久性が低下するため好ましくない。プレス圧力をこの範囲とすることで、良好な転写性を得ることができる。
かかる電磁波照射を用いた金型転写により賦形する場合において、電磁波の照射量は、積算エネルギー照射する波長での材料の吸光率などに依存するが、10〜5000mJ/cmである。この範囲に満たないと樹脂の硬化が不十分となりパターン精度が低下したり、離型時に強度が不足して、離型応力により破断したりするため、成型面内均一性が低下する。またこの範囲を超えると、硬化しすぎて、硬化収縮のためカールが起こったりする可能性があるため好ましくない。電磁波の照射量をこの範囲とすることで良好な転写性と、成形品の機械的強度の両立ができる。
かかる電磁波照射を用いた金型転写により賦形する場合において、一連の工程中の温度は特に制限はないが、プレス温度としては室温〜200℃、より好ましくは室温〜150℃、最も好ましくは室温〜200℃である。この温度より高いと、樹脂の流動性が高くなりすぎて、プレス前に流れてしまったり、プレス前に樹脂が硬化してしまい、成形が不十分となるため好ましくない。また、離型温度T3は硬化物のガラス転移温度Tg3以下がよく、より好ましくはTg3−10℃、最も好ましくはTg3−20℃である。この範囲を上回ると、離型時の樹脂の流動性が高かったり、表面が軟化して粘着性を有していたりして、離型時にパターンが変形して精度が低下することがあるため好ましくない。離型時の温度をこの範囲とすることによって、パターン精度よく離型することができる。
かかる電磁波照射を用いた金型転写により賦形する場合において、金型賦形して得た基材1に熱処理を施すことによって、さらに、硬化度を向上することができる。その方法としては、前述の金型50のプレス時に金型50もしくは基材1の少なくとも一方加熱しておく方法、電磁波照射による硬化後離型前に金型50もしくは基材1の少なくとも一方加熱する方法、パターン形成工程後に熱処理を行う方法、いずれも好適に用いられる。そのうち、金型プレス時の金型温度T1もしくは積層体1の温度T2の少なくとも一方を加熱しておく方法は、工程数を減らすことができるため好適に行われる。また、硬化度をさらに高めるために、これらを組み合わせて行っても構わない。
本発明の反射型偏光板の製造方法において、パターン形成方法としては上述の方法があげられるが、図9に示したような平版をプレスする方法(平版プレス法)の他に、表面に凹凸を形成したロール状の金型を用いて、ロール状シートに成形し、ロール状の成形体を得るロールtoロールの連続成形であってもよい。ロールtoロール連続成形の場合、生産性の点で平版プレス法より優れている。
工程(a−2)、工程(b−3):表面層形成工程
基材1が平坦である場合は工程(a−1)により形成した基材に、基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合においては工程(b−2)により得られた少なくとも片側表面に、線状樹脂パターン10を形成した基材1表面の線状樹脂パターン10を有する面側に表面層2を設ける。
本発明の反射型偏光板の製造方法において、表面層2を形成する方法としては、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、誘導加熱蒸着および、これらにプラズマやイオンビームによるアシスト法などの真空蒸着法、反応性スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法ECR(電子サイクロトロン)スパッタリング法などのスパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的気相成長法(PVD法)、熱や光、プラズマなどを利用した化学的気相成長法(CVD法)、ゾル−ゲル法などの塗布法などが挙げられる。この中でも、緻密な膜が均一に形成できるという点で、PVD法もしくはCVD法が好ましい。
ここで、表面層2を形成する材料が無機酸化物、無機窒化物、無機酸窒化物、無機フッ化物などを主たる成分とする材料を用いる場合において、PVD法により表面層2形成材料を直接揮発させて基材1表面に堆積させる際に、揮発源の組成と、形成された表面層2の組成が大きく変わる場合がある。その場合、その変化を抑える目的で、無機酸化物の場合は酸素ガスを、無機窒化物の場合は窒素ガスを、無機酸窒化物の場合は酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを、無機フッ化物の場合はフッ素ガスをそれぞれ系内に導入しながら、表面層2形成材料を揮発させることが好ましい。
また、PVD法にて表面層2を形成する場合、揮発前に減圧する際、系内の真空度を高くすることが好ましい。系内の真空度を高くすることで、緻密で、欠点の少ない表面層2を形成することが可能となり、高い表面性を発現することができる。
工程(a−3):金属層形成工程、工程(b−4):線状金属層形成工程
基材1が平坦である場合は工程(a−2)により表面層2を形成した基材に全面に金属層を形成する。また,基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合は工程(b−4)により、少なくとも片側表面に、線状樹脂パターン10を形成し、線状樹脂パターン10の表面に表面層2を設けた基材1上に間隔を開けて複数形成された線状線状金属層3を形成させることにより本発明の反射型偏光板を形成することができる。
本発明の反射型偏光板の製造方法において、金属層、または線状金属層3を形成させる方法としては、蒸着法、スパッタ法などの乾式法、コーティング法、めっき法、などの湿式法などが好ましく用いられる。
蒸着法およびスパッタ法などの乾式法については、基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合は、基材1と金属源との角度を制御することで、線状樹脂パターン10の凸部11周辺だけに線状金属層3を形成することが可能であり、位置選択的に線状金属層3を形成するための有効な手段である。ここで、基材1と金属源との角度を制御するとは、基材1面の法線方向に対する金属原の角度を制御することをいい、たとえば図10に示すように、法線方向に対して斜め方向で、かつ、線状樹脂パターン10の長手方向に対して垂直な方向から蒸着またはスパッタすることが好ましい。
次に、コーティング法は、金属粒子もしくは金属により被覆された粒子を含有した塗剤を基材1上に塗布することにより金属層、または線状金属層3を形成するものであり、基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合は、塗膜厚み、溶媒の極性、塗布条件を制御することにより、部分的に線状金属層3の形成が可能となる。
また、めっき法については固体表面に外部電源を用いて金属などを電気的に析出(電着)させる電解めっき法、線状金属層を化学的に還元析出させる無電解めっき法、等があげられる。めっき法については、基材1に金属層、または線状金属層3を蒸着等により形成した後、めっきを成長させたり、または銀やパラジウム等の触媒となる微粒子を基材1上にコーティングした後にめっきを成長させるなどが挙げられる。基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合は、例えば、線状樹脂パターン10の凹部12に触媒となる金属粒子を充填させた後、無電解めっきすれば、凹部12のみに線状金属層3が形成される。
これら上述した方法のうちでは、形成される線状金属層3の金属性が高く、かつ基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合に線状金属層3の形成位置が制御しやすい蒸着法およびスパッタ法などの乾式法が、より好ましい形成方法である。
乾式法による金属層、または線状金属層3の形成方法の例としては、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、誘導加熱蒸着および、これらにプラズマやイオンビームによるアシスト法などの真空蒸着法、反応性スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法ECR(電子サイクロトロン)スパッタリング法などのスパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的気相成長法(PVD法)、熱や光、プラズマなどを利用した化学的気相成長法(CVD法)、などが挙げられる。この中でも、金属性の高い緻密な膜を形成でき、かつ基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合に高選択的に線状金属層3を形成できるという点で、電子ビーム蒸着法、および電子ビーム法に種々のアシスト法を組み合わせた方法が好ましい。
かかる真空蒸着法による金属層、または線状金属層3の形成において、系内の真空度は、好ましくは8.0×10−4Pa以下,より好ましくは1.0×10−4Pa以下,更に好ましくは5.0×10−5Pa以下である。本発明の反射型偏光板製造方法において、蒸着時の真空度を上述の範囲内とすることで、緻密な膜を選択的に形成し易くなり、その結果、高光学特性の反射型偏光板を得ることができる。
かかる真空蒸着法による金属層、または線状金属層3形成において、蒸着速度は好ましくは2オングストローム/sec以上,より好ましくは5オングストローム/sec以上,更に好ましくは10オングストローム/sec以上である。本発明の反射型偏光板の製造方法において、蒸着速度を上述の範囲内とすることで、緻密な膜を選択的に形成し易くなり、その結果、高光学特性の反射型偏光板を得ることができる。
本発明の反射型偏光板の製造方法において、蒸着角度θ、すなわち蒸着時の基材1の法線方向と蒸着源の方向がなす角度は基材1が平坦である場合は、どの様な角度でも構わないが、基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合は、基材1の凹凸形状に依存する。ここでいう蒸着角度θとは、蒸着時の基材1の法線方向と蒸着源の方向がなす角度のことであるが、好ましくは、図10に示すように、金属の蒸着方向M1が、基材面の法線L3と、基材1面に平行でかつ線状樹脂パターン10の長手方向に垂直な線L2とからなる面内に含まれることがよい。
かかる基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合において、金属の蒸着方向M1が、基材面の法線L3と、基材1面に平行でかつ線状樹脂パターン10の長手方向に垂直な線L2とからなる面内に含まれる場合において、上述の蒸着角度θ(°)は、線状金属層3の形成中に一定であっても良く、変化させても構わない。蒸着角度θが一定である場合、tanθ≧(p−w)/hとなるのが好ましい。より好ましくはtan(θ−5°)≧(p−w)/h、さらに好ましくは蒸着角度tan(θ−10°)≧(p−w)/h以上である。この範囲に満たないと、線状金属層3の選択的形成が困難となり、光学特性が低下することがあるため好ましくない。本発明の反射型偏光板の製造方法において、蒸着角度θを上記範囲にすることによって、高選択的に金属を付着させることが可能となり、その結果、高光学特性の反射型偏光板を得ることができる。
また、蒸着角度θを変化させた場合は、蒸着角度θを一定にした方法と比べ、凹部への付着をおさえつつ、線状金属層3を厚み方向により高く形成することが可能となり、その結果、得られる高透過率を維持したまま、より、偏光分離特性に優れた反射型偏光板を得ることができる。
この場合、蒸着角度θは形成初期において、上述の範囲を満たしていれば良く、形成中期後期にかけて、tanθ<(p−w)/hとなっても構わない。
蒸着角度θを変化させる場合、形成初期の段階においては、図16に示すように蒸着角度θが小さくなる方向に基材角度を変化させるのが好ましい。このように変化させることによって、形成初期には凹部への付着を抑えることが可能となり、また、形成を進行させるにつれ、厚み方向に高く線状金属層3を形成することが可能となる。また、蒸着角度θを変化させる場合、断続的に変化させても良いし、連続的に変化させても構わない。
形成角度θを変化させる方法としては、基材角度可変機構を有する装置を用いて蒸着角度θを変化させても良いし、蒸着源がロール状ドラムの回転中心軸を含みかつ水平面に対し垂直な面内にない位置に配置されたロールtoロール型蒸着装置を用いて、基材をロール状ドラムの外周に沿って設置し、ロールを回転させることにより蒸着角度θを変化させても良い。ここで、ロールtoロール型蒸着装置を用いた場合は、連続プロセスとすることが可能となるため、生産性の点からより好ましい。すなわち、図17に示すように、基材がロール状ドラムに沿って進行するにつれて、蒸着角度θをθ1からθ2へと連続的に小さくすることができる。
本発明の反射型偏光板の製造方法において、基材1と蒸着源間の距離は好ましくは15cm以上、より好ましくは20cm以上である。本発明の反射型偏光板の製造方法において、基材1と蒸着源間の距離を上述の範囲とすることによって、偏光板面内での光学特性が均一になり易くなる。
本発明の反射板偏光板製造方法において、工程(a−2)及び工程(b−3):表面層形成工程と、工程(a−3):金属層形成工程または工程(b−4):線状金属層形成工程のどちらも蒸着、スパッタなどの物理的気相成長法で行う場合、複数の揮発源を備えた装置を用いて、工程(a−2)、工程(b−3):表面層形成工程を行った後、引き続き工程(a−3):金属層形成工程または工程:(b−4)線状金属層形成工程を連続して行うことも好ましく行われる。この場合、別々の工程に分けて行う場合と比べて、減圧を行う回数を減らすことができ、その結果、工程時間を約半分にすることができる。
また、工程(a−2)及び工程(b−3):表面層形成工程と、工程(a−3):金属層形成工程または工程(b−4):線状金属層形成工程を連続で行う場合、ロール状のフィルム基材を用いて、ロールtoロール工程で行うことも可能である。この場合は、巻出しながら表面層形成材料を揮発させて表面層2を形成し、次いで巻返しながら、もしくは巻き返し後再度巻出しをしながら線状金属層形成材料を揮発させて線状金属層を形成しても良いし、フィルムの搬送経路内に複数の形成ゾーンを設けた装置を用い、1回の巻出しで表面層形成と金属層または線状金属層形成を連続して行うことも好ましく行われる。
工程(a−4):レジストパターン形成工程
基材1が平坦である場合は(a−3)の工程にて形成した金属層上にレジストパターンを形成する。
その方法としては、まず、金属層上に電磁波照射により架橋、もしくは分解可能な化合物を含む材料からなる薄膜を形成し、その薄膜にフォトマスクを用いた露光、電子ビーム描画、干渉露光などの手法により、部分的に架橋もしくは分解させ、次いで、溶媒を用いて、露光部もしくは非露光部を選択的に溶解させることにより形成させることができる。
また、その他の方法としては、(b−2)で挙げたような加熱・加圧または電磁波照射を用いた金型転写によっても形成することができる。その具体的な方法は、線状金属層3上に熱可塑性を有する材料や、加熱もしくは電磁波照射により架橋可能な材料の薄膜を形成し、その形成した薄膜に(b−2)と同様の方法で金型形状を転写することにより形成することができる。
ここで、金型転写でレジストパターンを形成する場合、形成した樹脂の凹凸形状の凹部底面には一般的に樹脂が残るため、そのままでは続く選択的除去工程において、線状金属層3を選択的除去することが困難である。そのため、凹部に残存する樹脂を除去し、部分的に金属層を露出することも好ましく行われる。その方法としてはドライエッチング、ウェットエッチング等の公知の方法を用いて行うことができる。
上述の方法により形成されたレジストパターンは、そのままで続く(a−5)選択的除去工程に用いることが可能であるが、そのレジストパターンを元にリフトオフを行うことで、金属層上に別の金属パターンを形成する事も好ましく行われる。この場合、レジストパターンをそのまま用いる場合と比べて、(a−5)選択的除去工程における除去の選択性を高めることができ、その結果、高光学特性の反射型偏光板を形成できるため好ましく行われる。
工程(a−5):選択的除去工程
基材1が平坦である場合は(a−4)の工程にて金属層上に形成したレジストパターン(もしくはレジストパターンを元にリフトオフして形成した金属パターン)を元に、金属層を部分的に除去することにより線状金属層3を形成し、目的とする反射型偏光板とすることができる。
その方法としてはドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。この中で、高選択的に金属層を除去できるという点で、ドライエッチング法が好ましい。ドライエッチングに用いられるガスは金属層および、レジストパターン(もしくはレジストパターンを元にリフトオフして形成した金属パターン)の材質により、適宜選択される。
本発明の反射型偏光板は、上述の工程により形成されるが、形成したパターンの機械的強度を高めたり、表面に耐摩擦性を付与するために、形成したパターンの表面や、パターンが形成されている面全面に透明樹脂や、金属酸化膜などによる保護膜を形成したり、形成したパターンの間の凹部に透明樹脂を充填したりしてもよい。用いることができる透明樹脂は、特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、等を好適に用いることができる。また、用いることができる金属酸化物も透明であれば特に限定されない。また、本発明の反射型偏光板の表面に保護フィルム等の別のフィルムを張り合わせたりすることも好適に行われる。
また、本発明の反射型偏光板のパターンの未形成面側には、帯電防止層、反射防止層、ハードコート層など、任意の層を形成することができる。また、他の機能を有する基材1等との貼り合わせをすることによって、多機能を有する機能統合高性能シートとすることも可能である。
本発明の反射型偏光板は、ある一軸方向の偏光成分を透過し、かつ該偏光成分とは垂直方向の偏光成分を反射する偏光分離機能を有することを特徴とし、かかる機能が求められる各種用途に使用することができるが、その用途の一例としては、特に液晶表示装置の中に組み込んで使用した場合に輝度向上効果が発揮されることがあげられる。このメカニズムについて説明する。
液晶表示装置は、その構成が大きくは面光源700と液晶セル800に分けられる。
図11は光源700としてサイドライト型面光源を用いた液晶表示装置の例を示している。図11において、導光板300の上面側に拡散シート500が配置され、さらにその上にプリズムシート600が配置され、また、導光板300の下面側には反射シート400が配置されている。さらに、導光板300の側面には蛍光管200が配置されている。蛍光管200から照射される光は、導光板300の側面から導光板300内に入り、導光板300の上面から拡散シート500、プリズムシート600を経て上方に出射する。なお、前記構成例に制限されず、導光板300として、表裏面にドット、プリズム状など様々な加工を施したものを用いたり、蛍光管200を複数本を設置したりしてもよく、また蛍光管200のかわりに発光ダイオード(LED)を用いても構わない。さらには、光拡散シート500やプリズムシート600に関しては、どちらか一方のみ使用する場合やそれぞれ複数枚用いる場合など、種々の部材および構成が好ましく用いられる。
また、図12は、光源700として直下型面光源を用いた液晶表示装置の例を示している。このタイプの光源は、反射シート400が敷き詰められた筐体410の内部に複数の線状の蛍光管200が並び、蛍光管200の上側に拡散板310、さらにその上側に光拡散シート500、プリズムシート600がこの順序で配置された構成である。直下型面光源の場合も、各種構成部材はそれぞれ種々の部材や構成を採用することができる。たとえば、蛍光管の形状は直線状に限られず、また蛍光管200のかわりに発光ダイオード(LED)を用いても構わない。また、拡散板、光拡散シート、プリズムシートについても上記同様、種々の部材、構成のものを用いることができる。
また、面光源700としては、上記の面光源だけでなく、任意の面光源を用いることができる。
そして、上記のような面光源700の上側に、本発明の反射型偏光板100と、液晶セル800とがこの順序で積層配置されている。
液晶セル800は、2枚の偏光板810、830と、2枚の偏光板810、830の間に設けられた液晶層820などで構成される。液晶セル800に用いられる偏光板810、830は一般的に吸収型といわれる偏光板であり、透過軸と直交する方向の偏光成分は吸収される。よって、理論的には光の利用効率は50%である。
しかしながら、本発明においては、そこで吸収される偏光を、液晶セルよりも光源側に配される本発明の反射型偏光板100で反射させ、面光源部700で偏光状態を解消して再度液晶セル800側に戻すことにより、光利用効率を高めて輝度を向上させることができる。すなわち、かかる反射型偏光板100を、液晶セル800と面光源700との間に、液晶セル800の面光源700側に配置されている下側偏光板810と偏光軸の方向を合致させて設置することで、従来、下側偏光板810で吸収される偏光成分を面光源700側に反射させて戻させることができる。かかる反射して戻った偏光成分は面光源部700で偏光解消されて光となり、再度液晶セル800に向けて再利用することができる。このサイクルを繰り返すことにより、全光線のうち50%しか利用できなかった従来の面光源と比べて、光利用効率を高めて輝度を向上させることができる。ここで、本発明の反射型偏光板100の偏光軸の方向と、下側偏光板810の偏光軸の方向がなす交角は、5°以下であれば充分に効果が得られるため好ましく、完全に方向が合致する0°が最も輝度向上効果が発現するためさらに好ましい。
また、本発明の反射型偏光板を液晶表示装置に設置する場合、線状金属層3形成面を液晶セル800側に向けて設置することが好ましい。このように設置することにより、基材1として複屈折性を有する樹脂を用いた場合にも偏光特性を損なうことなく、高輝度の液晶表示装置とすることができるため、好ましい。ただし、基材1として等方性の樹脂を用いた場合は、上記に限らず、どちらの面を液晶セル800側に配置しても構わない。
また、本発明の液晶表示装置の例として、プリズムシート600と液晶セル800との間に本発明の反射型偏光板100を搭載した例を示したが、本発明の反射型偏光板の偏光度pが90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上と高い偏光度を有する場合は、図13,図14に示す様に、液晶セル800の下側偏光板810のかわりに使用することも好ましい形態である。この場合、従来の吸収型偏光板を使用した場合と比べて、光を再利用することができる分、高輝度の液晶表示装置とすることができるだけでなく、従来の吸収型偏光板を使用した場合と比べて薄くすることができるため、薄型化の観点からも好ましい。
また、この場合も、線状金属層3形成面を液晶セル800側に向けて設置することが好ましい。このように設置することにより、基材1として複屈折性を有する樹脂を用いた場合にも偏光特性の低下を抑制することが可能な場合があり好ましい。ただし、基材1として等方性の樹脂を用いた場合は、上記に限らず、どちらの面を液晶セル800側に配置しても構わない。
以上のように、本発明の反射型偏光板を液晶表示装置に組み込むことにより光利用効率が向上し、従来の液晶表示装置と比べて、高輝度の液晶表示装置とすることが可能となる。
本発明の液晶表示装置は、携帯電話、電子手帳、ノートPC、モニタ、TV、各種表示媒体などに好適に用いることができる。
[特性の評価方法]
A.断面観察
各実施例・比較例で作製した反射型偏光板を切り出し、線状樹脂パターン10の長手方向に垂直な断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡”JSM−6700F”で写真を撮影し、50000倍で断面観察を行なった。得られた断面観察像から、線状樹脂パターン10を構成する凸部11の寸法(ピッチp(nm)、幅w(nm)、高さh(nm))、表面層2の膜厚h2(nm)、線状金属層3の膜厚h3(nm)、および線状金属層3および凸部11の総幅TW(nm)、線状金属層3の幅w3を計測した。表面層2の膜厚h2は、基材1が平坦である場合は任意の箇所5箇所において、基材1表面に線状樹脂パターン10を有する場合は、表面層2が形成されている部位のうち、凸部11上の任意の箇所5カ所において、基材1法線方向に計測したときの厚みを求め、それらの平均値を求めた。また、線状金属層3の膜厚は、基材1が平坦である場合は任意の箇所5箇所において、基材1表面に線状樹脂パターン10が形成されている場合は、線状金属層3が形成されている部位のうち、凸部11上の任意の箇所5カ所において、基材1法線方向に計測したときの厚みを求め、それらの平均値を求めた。また、線状金属層3および凸部11の総幅TWは、任意の箇所5カ所における平均値を求めた。
B.透過率、偏光度
各実施例・比較例で作製した反射型偏光板について、セルギャップ検査装置RETS−1100(大塚電子(株)製)を用い、偏光板特性評価モードにて、測定径φ2mmで、波長400〜800nmの範囲における透過率、偏光度を測定した。なお測定は、測定装置の光源側に線状金属層3が対向するように設置し、光線の入射角0°で行った。得られた光学特性について、以下のように判定した。
1)透過率
波長550nmでの透過率を用い、以下のように判定した。
・35%以上の場合:A
・32%以上35%未満の場合:B
・30%以上32%未満の場合:C
・30%未満の場合:D
AまたはBが良好であり、Aが最も優れている。
また、透過率の波長依存性については、450nm、550nm、650nmにおける透過率を比較し、それら透過率の最大値と最小値の差を用い、以下のように判定した。
・20%未満の場合:A
・20%以上30%未満の場合:B
・30%以上の場合:C
AまたはBが良好であり、Aが最も優れている。
2)偏光度
波長550nmの偏光度を用い、以下のように判定した。
・99.2%以上の場合:S
・99%以上99.2未満の場合:A
・95%以上99%未満の場合:B
・90%以上95%未満の場合:C
・90%未満の場合:D
SまたはAまたはBが良好であり、Sが最も優れている。
また、偏光度の波長依存性については、450nm、550nm、650nmにおける偏光度を比較し、それら透過率の最大値と最小値の差を用い、以下のように判定した。
・10%未満の場合:A
・10%以上15%未満の場合:B
・15%以上の場合:C
AまたはBが良好であり、Aが最も優れている。
C.全光線絶対反射率
各実施例・比較例で作製した反射型偏光板について、大型偏光子ASSY、絶対反射率ユニット(5°反射)を搭載した分光光度計UV−3150型(島津製作所(株)製)を用い、波長400〜800nmの範囲において、その反射率が最大となる偏光成分の反射率(最大反射率)と、それとは垂直方向の偏光成分の反射率(最小反射率)Hsをそれぞれ光線の入射角5°で測定した。得られた絶対反射率Hp、Hsを下記式に当てはめることにより、全光線絶対反射率を求めた。
・全光線絶対反射率(%)=(Hp+Hs)/2
なお測定は、測定装置の光源側に線状金属層3が対向するように設置した場合、基材1が対向する様に設置した場合、それぞれについて実施した。
得られた光学特性について、波長550nmでの全光線絶対反射率を用い、以下のように判定した。
・40%以上の場合:A
・35%以上40%未満の場合:B
・30%以上35%未満の場合:C
・30%以下の場合:D
AまたはBが良好であり、Aが最も優れている。
また、絶対反射率の波長依存性については、450nm、550nm、650nmにおける絶対反射率を比較し、それら透過率の最大値と最小値の差を用い、以下のように判定した。
・15%未満の場合:A
・15%以上25%未満の場合:B
・25%を以上の場合:C
AまたはBが良好であり、Aが最も優れている。
D.輝度(光利用効率)
D−1.輝度(1)
1.5インチサイズのLEDサイドライト型バックライト(LED2灯型、反射板として“ESR”(住友スリーエム(株))製搭載)の導光板上側に光拡散シート“GM3”(きもと(株)製)およびプリズムシートBEFIII(住友スリーエム(株)製)を配置してサイドライト型面光源を組み上げ、6Vの電圧を印加してLEDを点灯させ、暗室内で面光源を立ち上げた。次いで、プリズムシート上に、各実施例・比較例の反射型偏光板を重ね、さらにその上に吸収型偏光板(LN−1825T、ポラテクノ(株)製)を透過軸の方向が一致するように置き、色彩輝度計BM−7/FAST(トプコン(株)製)を用いて視野角0.1°で中心輝度L11を測定した。次いで、各実施例・比較例の反射型偏光板のみを取り外して同様にして中心輝度L10を測定した。なお、測定は、各実施例・比較例の反射型偏光板の線状金属層3が吸収型偏光板と対向するように設置した。各実施例・比較例の反射型偏光板を挿入していない場合の輝度L10、挿入した場合の輝度L11から下記式によって得られる輝度向上率B1を算出した。
・輝度向上率B1(%)=100×(L11−L10)/L10。
なお、輝度向上率B1は次のように判定した。
・20%以上の場合:S
・15%以上20%未満の場合:A
・10%以上15%未満の場合:B
・5%以上10%未満の場合:C
・5%未満の場合:D
SまたはAまたはBが良好であり、Sが最も優れている。
D−2.輝度(2)
1.5インチサイズのLEDサイドライト型バックライト(LED2灯型、反射板として“ESR”(住友スリーエム(株))製搭載)の導光板上側に光拡散シート“GM3”(きもと(株)製)およびプリズムシートBEFIII(住友スリーエム(株)製)を配置してサイドライト型面光源を組み上げ、その上に、下側に本発明の反射型偏光板(線状金属層を液晶セル側になるように設置)、上側にヨウ素型偏光板を備えた液晶セルを重ねて、LEDおよび、液晶セルを暗室内で立ち上げた。液晶画面全面を白色表示とし、点灯10分後の中心輝度L21を色彩輝度計BM−7/FAST(トプコン(株)製)を用いて視野角0.1°測定した。次いで、同じ面光源を用い、下側両方にヨウ素型偏光板を備えた液晶セルを重ねて同様に、画面全面白色表示時の中心輝度L20を測定した。下側偏光板としてヨウ素型偏光板を用いた輝度L20、本発明の反射型偏光板を用いた場合の輝度L21から下記式によって得られる輝度向上率B2を算出した。
・輝度向上率B2(%)=100×(L21−L20)/L20。
なお、輝度向上率B2は次のように判定した。
・20%以上の場合:A
・15%以上20%未満の場合:B
・10%以上15%未満の場合:C
・10%未満の場合:D
AまたはBが良好であり、Aが最も優れている。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
膜厚100μmの二軸延伸ポリエステルフィルム ルミラー(登録商標)U46(東レ(株)製)をスパッタ装置“OMR−2”(ULVAC(株)製)にセットし、ターゲット材料として酸化ケイ素(SiO)を用いて、フィルム面法線方向からアルゴンガス雰囲気下でスパッタして膜厚20nmの表面層を形成した。
次に、この表面層を形成した基材に、蒸発源として純度99.999%のアルミニウムを用い、真空度3.4×10−5Pa、蒸着速度10オングストローム/sec、蒸着源―基材間距離25cmの条件下で、基材面法線方向からアルミニウムを電子ビーム蒸着し、膜厚100nmの金属層(アルミニウム層)を形成した。
得られた基材をアルミニウム層を上側になる様にガラス板に固定し、ポリメタクリル酸メチル(シグマアルドリッチ(株)製、重量平均分子量96000)20重量部をシクロヘキサノン/メチルエチルケトン/トルエン=1/1/1溶液80重量部に溶解させた溶液をスリットダイコーターで塗布し、140℃で30分間乾燥させて、乾燥膜厚3μmの樹脂層を有する積層体を作製した。
得られた積層体と下記金型1と重ね合わせて真空チャンバー内に設置し、50Pa以下の真空度に到達後、予熱を140℃で1分行い、プレス温度140℃、プレス圧力15MPaで5分間プレス後、100℃まで冷却した後、圧力を解放し、その後30℃まで冷却した後、基材と金型を離型した。
「金型1」
材質:ニッケル
ピッチ:150nm、凸部幅:90nm、凸部高さ:130nm
凹部断面形状:矩形状。
金型から離型した基材の形状を観察すると、アルミニウム層上にほぼ金型形状を反転した断面を有する線状の樹脂パターンが形成されていることを確認した。
「アルミニウム層上の樹脂形状」
ピッチp:150nm、幅w:60nm、高さh:129nm 凹部底部厚さ:100nm。
次いで、酸素(O)ガスを用いたドライエッチング法により樹脂パターンの凹部底部の残膜を除去して、アルミニウム層を部分的に露出させた後、残った樹脂パターンをマスクとして四塩化炭素(CCl)ガスを用いたドライエッチング法により樹脂パターン間の露出したアルミニウム層を選択的に除去した。最後に酸素(O)ガスを用いたドライエッチング法により、アルミニウム層上に残った樹脂パターンを除去してサンプルを得た。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図5(b)に示すような形態であり、線状金属層のピッチp3は150nmで、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は70nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は100nmであった。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例2)
ジカルボン酸成分としてシクロヘキサンジカルボン酸、ジオール成分として9,9’−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン80mol%、エチレングリコール20mol%共重合したポリエステルを100℃で4時間真空乾燥させた後、押出機内で280℃で溶融させて、口金から20℃のキャストドラム上に押し出して冷却し、厚さ400μmのシートを得た。
得られたシートと下記金型1と重ね合わせて真空チャンバー内に設置し、50Pa以下の真空度に到達後、予熱を165℃で1分行い、プレス温度165℃、プレス圧力15MPaで5分間プレス後、125℃まで冷却した後、圧力を解放し、その後30℃まで冷却した後、基材と金型を離型した。
「金型1」
材質:ニッケル
ピッチ:150nm、凸部幅:90nm、凸部高さ:130nm
凹部断面形状:矩形状。
金型から離型した基材の形状を観察すると以下のようにほぼ金型形状を反転した断面を有する線状樹脂パターンが得られていることを確認した。(表1参照)
「基材表面の線状樹脂パターン」
ピッチp:150nm、幅w:58nm、高さh:128nm。
次いで、凹凸を形成した基材の線状樹脂パターンを有する面側全面に,スパッタ装置“OMR−2”(ULVAC(株)製)、ターゲット材料として酸化ケイ素(SiO)を用いて、基材面法線方向からアルゴンガス雰囲気下でスパッタし、膜厚5nmの表面層を形成した。
次に、この基材の線状樹脂パターン側に、蒸発源として純度99.999%のアルミニウムを用い、真空度3.4×10−5Pa、蒸着速度10オングストローム/sec、蒸着源―基材間距離25cmの条件下で、線状樹脂パターンの長手方向に垂直で、且つ基材面法線方向から45°傾いた斜め方向から、アルミニウムを膜厚50nm電子ビーム蒸着した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は73nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で45nmであった(表1参照)。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例3)
ジカルボン酸成分としてシクロヘキサンジカルボン酸、ジオール成分として9,9’−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン80mol%、エチレングリコール20mol%共重合したポリエステルを35℃のシクロヘキサノン/メチルエチルケトン/トルエン=1.5/1.5/1溶液中に20重量%の濃度となるように溶解させた。得られた溶液を100μm厚のポリエステルフィルム‘ルミラー’(登録商標)U46(東レ(株)製)上にメタバーを(♯30)を用いて塗布し、140℃で30分間乾燥させて、乾燥膜厚5μmの樹脂層を有する積層体を作製した。
得られた積層体の樹脂層側に金型を押し付けること以外は実施例2と同様の方法にて線状樹脂パターンを形成した。
金型から離型した基材の形状を観察すると以下のようにほぼ金型形状を反転した断面を有する線状樹脂パターンが得られていることを確認した。(表1参照)
「基材表面の線状樹脂パターン」
ピッチp:150nm、幅w:59nm、高さh:128nm。
次いで実施例1と同様の方法にて、表面層、線状金属層を形成した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は75nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で46nmであった(表1参照)。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例4)
膜厚100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート ルミラー(登録商標)U10(東レ(株)製)上に、下記光硬化性樹脂組成物を膜厚5μmで塗布した後、該塗布層と実施例1と同様の金型(金型1)を重ね合わせ、基材側から超高圧水銀灯で600mJ/cm露光し、基材と金型を離型した。
「光硬化性樹脂組成物」
アデカオプトマー(登録商標)KRM−2199(旭電化工業(株)製)10重量部
アロンオキセタン(登録商標)OXT−221(東亞合成(株)製)1重量部
アデカオプトマー(登録商標)SP170(旭電化工業(株)製)0.25重量部。
金型から離型した基材の形状を観察すると以下のようにほぼ金型形状を反転した断面を有する線状樹脂パターンが得られた。(表1参照)
「基材表面の線状樹脂パターン」
ピッチp:150nm、幅w:57nm、高さh:127nm。
次いで実施例1と同様の方法にて、表面層、線状金属層を形成した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は73nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で46nmであった(表1参照)。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例5)
ポリエステル樹脂“OKP−4” (大阪ガスケミカル(株)製)をシクロヘキサノン/メチルエチルケトン/トルエン=1/1/1溶液80重量部に溶解させ、その溶液を、厚み0.6mmのガラス基材1737(Corning製)上にスリットダイコーターで塗布し、140℃で30分間乾燥させて、乾燥膜厚8μmの樹脂層を有する積層体を作製した。
得られた積層体の樹脂層側に金型を押し付けること以外は実施例2と同様の方法にて線状樹脂パターンを形成した。
金型から離型した基材の形状を観察すると以下のようにほぼ金型形状を反転した断面を有する線状樹脂パターンが得られていることを確認した。(表1参照)
「基材表面の線状樹脂パターン」
ピッチp:150nm、幅w:59nm、高さh:127nm。
次いで実施例1と同様の方法にて、表面層、線状金属層を形成した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は75nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で44nmであった(表1参照)。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例6)
金型として下記金型2を用いた以外は実施例2と同様の方法にて、線状樹脂パターンを形成した。
「金型2」
材質:ニッケル
ピッチ:130nm、凸部幅:80nm、凸部高さ:130nm
凹部断面形状:矩形状。
金型から離型した基材の形状を観察すると以下のようにほぼ金型形状を反転した断面を有する線状樹脂パターンが得られていることを確認した。(表1参照)
「基材表面の線状樹脂パターン」
ピッチp:130nm、幅w:49nm、高さh:128nm。
次いで実施例2と同様の方法にて、表面層、線状金属層を形成した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は67nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で43nmであった(表1参照)。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例7)
金型として下記金型3を用いた以外は実施例2と同様の方法にて、線状樹脂パターンを形成した。
「金型3」
材質:ニッケル
ピッチ:120nm、凸部幅:75nm、凸部高さ:120nm
凹部断面形状:矩形状。
金型から離型した基材の形状を観察すると、以下のようにほぼ金型形状を反転した断面を有する線状樹脂パターンが得られていることを確認した。(表1参照)
「基材の線状樹脂パターン」
ピッチp:120nm、幅w:43nm、高さh:117nm。
次いで実施例2と同様の方法にて、表面層を形成し、また、アルミニウムの蒸着膜厚を45nmとした以外は実施例2同様の方法にて、線状金属層を形成した(表1参照)。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は61nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で41nmであった(表1参照)。
得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
参考例8)
実施例2の表面に線状樹脂パターンを形成した基材に、スパッタ装置“OMR−2”(ULVAC(株)製)、ターゲット材料として酸化ケイ素(SiO)を用いて、該基材の線状樹脂パターンを有する面側に,線状樹脂パターンの長手方向に垂直で、且つ基材面の法線方向から45°傾いた斜め方向からスパッタし、膜厚5nmの表面層を形成した。
この基材の形状を観察すると、図2(i)のように、凸部のみに表面層が形成されていることを確認した(表1参照)。
次に、この基材の線状樹脂パターン側に、蒸発源として純度99.999%のアルミニウムを用い、真空度3.4×10−5Pa、蒸着速度10オングストローム/sec、蒸着源―基材間距離25cmの条件下で、線状樹脂パターンの長手方向に垂直で、且つ基材面の法線方向から45°傾いた斜め方向から、アルミニウムを膜厚50nmで電子ビーム蒸着した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図15(a)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は77nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で46nmであった(表1参照)。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例9)
基材角度可変装置、および二つの蒸発源を備えた電子ビーム蒸着機を用い、二つの蒸発源に、酸化ケイ素(SiO)、純度99.999%のアルミニウムをそれぞれ設置した。次いで、実施例2の凹凸を形成した基材を設置した後、系内を減圧した。真空度3.4×10−5Pa、蒸着速度2オングストローム/sec、蒸着源―基材間距離25cmの条件下で、基材線状樹脂パターン面側に、基材面法線方向から酸化ケイ素を膜厚5nmで電子ビーム蒸着した。次いで、基材を回転させ、線状樹脂パターンの長手方向に垂直で、且つ基材面から45°傾いた斜め方向から、真空度3.4×10−5Pa、蒸着速度10オングストローム/sec、蒸着源―基材間距離25cmの条件下で、アルミニウムを50nm電子ビーム蒸着した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は72nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で45nmであった(表1参照)。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例10)
表面層の膜厚h2を10nmとした以外は実施例2と同様にサンプルを作製した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は79nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で46nmであった(表1参照)。
得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例11)
表面層の膜厚h2を3nmとした以外は実施例2と同様にサンプルを作製した。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は70nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で45nmであった(表1参照)。
得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに輝度向上効果が発現することがわかった。
(実施例12)
実施例7と同様の方法にて、表面層を形成した基材を用い、基材角度可変機構および二つの蒸発源を備えた電子ビーム蒸着機を用い、二つの蒸発源に、酸化ケイ素(SiO)、純度99.999%のアルミニウムをそれぞれ設置した。次いで、実施例7の凹凸を形成した基材を設置した後、系内を減圧した。真空度3.4×10−5Pa、蒸着速度2オングストローム/sec、蒸着源―基材間距離25cmの条件下で、基材線状樹脂パターン面側に、基材面法線方向から酸化ケイ素を膜厚5nmで電子ビーム蒸着した。次いで、線状樹脂パターンの長手方向と垂直でかつ基材面の法線方向から45°の角度からアルミニウムを10オングストローム/secで10秒蒸着した後、線状凹凸構造の長手方向を中心軸として15°/minの速度で蒸着角度が小さくなる方向へ基材を回転させながら、アルミニウムを10オングストローム/secで蒸着し、合計70nm形成させた。
得られたサンプルの形態を観察すると、表面層、線状金属層の形態は図6(e)に示すような形態であり、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は60nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で70nmであった(表1参照)。
得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として十分な特性が得られるとともに高い輝度向上効果が発現することがわかった。
(比較例1)
表面層を形成しないこと以外は実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
得られたサンプルの形態を観察すると、線状金属層の形態は図15(b)に示すような表面層のない形態であり、線状金属層のピッチp3は150nmで、凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)は70nmであった。なお、線状金属層の膜厚h3は、凸部頂部で100nmであった。
また、得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として特性が不足しており、十分な輝度向上効果は得られなかった。
(比較例2〜5)
表面層を形成しないこと以外はそれぞれ実施例2〜5と同様の方法にてサンプルを作製した。
得られたサンプルの形態を観察すると、いずれも線状金属層の形態は図15(c)に示すような表面層のない形態であった。凸部の総幅TW(すなわち線状金属層の幅w3)、線状金属層h3の膜厚測定した結果を表1に示す。
得られたサンプルの透過率、偏光度、絶対反射率、およびそれらの波長依存性、輝度向上率の評価結果を表2に示す。反射型偏光板として性能が不十分であり十分な輝度向上効果は得られなかった。
Figure 0005303928
Figure 0005303928
本発明の反射型偏光板を構成する表面が平坦な基材上に形成した表面層の好ましい形状を模式的に示す図である。 射型偏光板を構成する表面に線状樹脂パターンを有する基材上に形成した表面層の好ましい形状を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板を構成する表面に線状樹脂パターンを有する基材の好ましい形状を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板を構成する表面に線状樹脂パターンを有する基材の好ましい断面形状を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板(表面が平坦な基材の全面に表面層形成されている態様)の好ましい形状を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板(表面に線状樹脂パターンを有する基材の全面に表面層が形成されている態様)の好ましい形状を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板(表面が平坦な基材の一部に表面層形成されている態様)の好ましい形状を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板(表面に線状樹脂パターンを有する基材の一部に表面層が形成されている態様)の好ましい断面形状を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板製造方法において、線状樹脂パターンの形成工程を模式的に例示するものである。 本発明の反射型偏光板製造方法において、金属層形成工程における金属の蒸着角度を模式的に例示するものである。 本発明の反射型偏光板を組み込んだ液晶表示装置(1)(サイドライト型)の構成を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板を組み込んだ液晶表示装置(1)(直下型)の構成を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板を組み込んだ液晶表示装置(2)(サイドライト型)の構成を模式的に示す図である。 本発明の反射型偏光板を組み込んだ液晶表示装置(2)(直下型)の構成を模式的に示す図である。 実施例、参考例、比較例において作製されたサンプルの断面形状を模式的に表したものである。 本発明の反射型偏光板製造方法において、金属層形成工程における金属の蒸着角度を変化させる様子を模式的に例示するものである。 本発明の反射型偏光板製造方法において、ロールtoロール型蒸着装置を用いて金属層形成工程を行う様子を模式的に例示するものである。
符号の説明
1 基材
2 表面層
3 線状金属層
10 線状樹脂パターン
11 線状樹脂パターンの凸部
12 線状樹脂パターンの凹部
22 凹部上の表面層
50 金型
51 金型凸部
52 金型凹部
100 本発明の反射型偏光板
200 蛍光管
300 導光板
310 拡散板
400 反射シート
410 筐体
500 光拡散シート
600 プリズムシート
700 面光源
800 液晶セル
810 下偏光板
820 液晶層
830 上偏光板
p 線状樹脂パターンの凸部のピッチ
w 線状樹脂パターンの凸部の幅
h 線状樹脂パターンの凸部の高さ
h’ 基材膜厚もしくは第一層の膜厚
TW 線状金属層3および凸部11の総幅
L1 基材面に平行でかつ線状樹脂パターンの長手方向に平行な線
L2 基材面に平行でかつ線状樹脂パターンの長手方向に垂直な線
L3 基材面の法線
M1 金属の蒸着方向
θ 基材面の法線L3と金属の蒸着方向M1とがなす角度
本発明の反射型偏光板は、各種表示装置、中でも液晶表示装置の輝度を向上させる光学部材として好適である。
また、本発明の反射型偏光板を搭載した液晶表示装置は、従来の液晶表示装置と比べて、高輝度の液晶表示装置とすることが可能で、携帯電話、電子手帳、ノートPC、モニタ、TV、各種表示媒体などに好適に用いることができる。

Claims (17)

  1. 樹脂製の基材と、該基材の少なくとも片側の表面の全面に形成された無機物を主たる成分とする表面層と、該基材の該表面層の上に間隔を開けて複数形成された線状の金属層(以下、線状金属層とする)とを有する反射型偏光板。
  2. 前記表面層を構成する無機物が、無機酸化物、無機窒化物、無機酸窒化物、無機フッ化物および炭素系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の反射型偏光板。
  3. 前記表面層が透明である請求項1〜のいずれかに記載の反射型偏光板。
  4. 前記表面層の膜厚h2が0.1〜50nmである請求項1〜のいずれかに記載の反射型偏光板。
  5. 前記線状金属層が、膜厚h3=10〜200nm、ピッチp3=50〜400nm、幅w3=20〜380nmである請求項1〜のいずれかに記載の反射型偏光板。
  6. 前記線状金属層の膜厚h3と幅w3の比h3/w3が0.5以上である請求項1〜のいずれかに記載の反射型偏光板
  7. 前記線状金属層が、アルミニウム、銀、クロム、および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を主たる成分とする請求項1〜のいずれかに記載の反射型偏光板。
  8. 前記基材が、少なくとも片側の表面に平行な線状の樹脂パターン(以下、線状樹脂パターンとする)を有し、かつ該基材の該線状樹脂パターンを有する面側に前記表面層が形成されている請求項1〜のいずれかに記載の反射型偏光板。
  9. 前記線状樹脂パターンが、その長手方向に垂直な断面形状において、線状樹脂パターンの凸部の形状が、ピッチp=50〜400nm、幅w=20〜380nm、及び高さh=10〜400nm、前記線状樹脂パターンの高さhと幅wの比(h/w)が0.5〜5である請求項に記載の反射型偏光板。
  10. 前記線状樹脂パターンの前記凸部の前記表面層の上に、前記線状金属層が形成されている請求項のいずれかに記載の反射型偏光板。
  11. 請求項10のいずれかに記載の反射型偏光板を製造する方法であって、下記工程1〜工程4をこの順に行う反射型偏光板の製造方法。
    工程1:基材を作製する工程(基材作製工程)
    工程2:基材表面に線状樹脂パターンを形成する工程(パターン形成工程)
    工程3:工程2で作製した基材の線状樹脂パターンを有する面側に、物理的気相成長法により表面層を形成する工程(表面層形成工程)
    工程4:工程3で作製した基材の表面層を形成した面側に、物理的気相成長法により線状金属層を形成する工程(金属層形成工程)
  12. 前記工程3:表面層形成工程と前記工程4:金属層形成工程を連続して行う請求項11に記載の反射型偏光板の製造方法。
  13. 前記工程3:表面層形成工程と前記工程4:金属層形成工程が電子ビーム蒸着法、または電子ビーム法にアシスト法を組み合わせた方法により行う請求項11または12のいずれかに記載の反射型偏光板の製造方法。
  14. 面光源と、請求項1〜10のいずれかに記載の反射型偏光板と、液晶セルとをこの順に配置した液晶表示装置であって、該液晶セルは、液晶層と、該液晶層を挟むように配置された偏光板(A)と偏光板(B)とを有し、該液晶セルを構成する面光源側の該偏光板(B)を透過する偏光の偏光軸の方向と、該反射型偏光板を透過する偏光の偏光軸の方向とが合致している液晶表示装置。
  15. 前記反射型偏光板が、その線状金属層が液晶セルに対向するように設置されている請求項14に記載の液晶表示装置。
  16. 面光源と液晶セルとを有する液晶表示装置であって、該液晶セルは、液晶層と、該液晶層を挟むように配置された偏光板(A)と偏光板(B)とを有し、面光源側の該偏光板(B)が請求項1〜10のいずれかに記載の反射型偏光板である液晶表示装置。
  17. 前記反射型偏光板が、その線状金属層が該液晶層に対向するように設置されている請求項16に記載の液晶表示装置。
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