JP2011059370A - ワイヤグリッド偏光子及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材上の凸部に金属ワイヤが形成されてなるワイヤグリッド偏光子に複数の偏光軸を設ける場合であっても、光学特性の低下を抑制することを目的の一とする。
【解決手段】基材上の凸部に金属ワイヤが形成されてなるワイヤグリッド偏光子に複数の偏光軸を設ける場合に、当該複数の偏光軸の方向を考慮して、金属を成膜する方向を制御することにより、それぞれの偏光軸を構成する金属ワイヤが形成される位置を制御する。
【選択図】図1

Description

ワイヤグリッド偏光子及びその作製方法に関し、特に、複数の偏光軸を有するワイヤグリッド偏光子及びその作製方法に関する。
近年のフォトリソグラフィー技術の発達により、光の波長レベルのピッチを有する微細構造パタンを形成することができるようになってきた。この様に非常に小さいピッチのパタンを有する部材や製品は、半導体分野だけでなく、光学分野において利用範囲が広く有用である。
例えば、金属などで構成された導電体線が特定のピッチで格子状に配列してなるワイヤグリッドは、そのピッチが入射光(例えば、可視光の波長400nmから800nm)に比べてかなり小さいピッチ(例えば、2分の1以下)であれば、導電体線に対して平行に振動する電場ベクトル成分の光をほとんど反射し、導電体線に対して垂直な電場ベクトル成分の光をほとんど透過させるため、単一偏光を作り出す偏光板として使用できる。ワイヤグリッド型偏光素子は、透過しない光を反射し再利用することができるので、光の有効利用の観点からも望ましいものである。
また、近年では、異なる偏光軸を有する偏光子を用いることにより様々な画像を表示する手法が提案されており(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、特に、特許文献2では、偏光子の一例としてワイヤグリッド偏光子を適用することが提案されている。
ワイヤグリッド偏光子の作製方法としては、特許文献2にも記載があるように、金属膜をリソグラフィによりパターニングする方法、リソグラフィにより溝が形成された基板に溝の方向と直角で基板面に斜めの方向から金属を成膜する方法、リソグラフィにより基板に溝を形成する際に使用したレジストを残存させたまま金属を成膜し当該レジストを除去することにより基板の溝に金属膜を形成する方法等、様々な方法がある。
この中でも、溝が形成された基板に溝の方向と直角で基板面に斜めの方向から金属を成膜する方法は、金属膜が形成される位置を基板に形成された溝の凸部に制御できると共に、製造方法も簡便であるという利点を有している。
特開2008−304909号公報 特開2007−86720号公報
しかし、同一基板上に互いに異なる偏光軸を設ける場合には、各々の偏光軸に応じて異なる方向に延在する溝を基板に形成し、当該溝の凸部に金属を成膜する必要がある。この場合、それぞれの溝に対して、当該溝の方向とは直角で基板面に斜めの方向から金属を成膜することとなり、設ける偏光軸の数に応じて成膜回数が増加する問題がある。
また、この場合、一つの溝の凸部に対して異なる方向から金属が複数成膜されることにより、基材上に形成された溝の凸部において基材凸部の側面の双方に金属が成膜される。これにより、隣接する凸部に形成された金属膜が接触し、ワイヤグリッド偏光子の光学特性が低下するおそれがある。この問題は、凸部のピッチが狭くなるにつれて顕著となる。さらに、偏光軸の数が増えるにつれて、成膜回数が増え、基材凸部に形成される金属膜の位置や量が変化し、ワイヤグリッド偏光子の光学特性が低下するおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、基材凸部に金属ワイヤが形成されてなるワイヤグリッド偏光子において、複数の偏光軸を設ける場合であっても、光学特性の低下を抑制することを目的の一とする。
本発明のワイヤグリッド偏光子の一態様は、基材上に互いに異なる偏光軸を有する第1の偏光領域と第2の偏光領域とを備えたワイヤグリッド偏光子であって、第1の偏光領域は、それぞれ第1の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって基材上に立設した複数の第1の絶縁性構造体と、第1の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面に接して設けられた第1の金属ワイヤとを有し、第2の偏光領域は、それぞれ第1の方向と異なる第2の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって基材上に立設した複数の第2の絶縁性構造体と、第2の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面に接して設けられた第2の金属ワイヤとを有している。
本発明のワイヤグリッド偏光子の一態様において、第1の方向と第2の方向が直交することが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子の一態様において、基材上に第1の偏光領域及び第2の偏光領域が複数設けられ、第1の偏光領域と第2の偏光領域の任意の組み合わせから構成されることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子の一態様において、第1の偏光領域及び第2の偏光領域の面積がそれぞれ250000μm以下であることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子の作製方法の一態様は、基材上に、それぞれ第1の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって立設した複数の第1の絶縁性構造体と、それぞれ第1の方向と異なる第2の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって立設した複数の第2の絶縁性構造体とを形成する工程と、基材表面の法線方向から傾いた斜め方向へのなす角度が5°より大きく85°未満であり、且つ第1の方向及び第2の方向と異なる角度から金属を成膜して、第1の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面及び第2の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面に金属ワイヤを形成する工程とを有している。
本発明のワイヤグリッド偏光子の作製方法の一態様において、第1の方向と第2の方向を直交させることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子の作製方法の一態様において、基材として樹脂基材を用い、金属スタンパの凹凸格子形状を樹脂基材に転写することにより、第1の絶縁性構造体及び第2の絶縁性構造体を形成することが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子の作製方法の一態様において、第1の絶縁性構造体及び第2の絶縁性構造体上に誘電体層を形成した後に、金属を成膜することが好ましい。
本発明の一態様によれば、同一基板上に互いに偏光軸が異なる複数の偏光領域を設ける場合に、それぞれの偏光軸を構成する金属ワイヤが形成される位置を制御することができる。これにより、基材上の凸部に金属ワイヤが形成されてなるワイヤグリッド偏光子に複数の偏光軸を設ける場合であっても光学特性の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の一例を説明する図である。
本発明者は、基材上の凸部に金属ワイヤが形成されてなるワイヤグリッド偏光子に複数の偏光軸を設ける場合に、当該複数の偏光軸の方向を考慮して金属を成膜する方向を制御することにより、それぞれの偏光軸を構成する金属ワイヤが形成される位置を制御できることを見出した。これにより、基材上の凸部に金属ワイヤが形成されてなるワイヤグリッド偏光子に複数の偏光軸を設ける場合であっても、ワイヤグリッド偏光子の光学特性の低下を抑制できる。以下に、互いに異なる複数の偏光軸を有するワイヤグリッド偏光子の構造について、図面を参照して説明する。
[ワイヤグリッド偏光子]
図1に示すように、ワイヤグリッド偏光子100は、基材101上に互いに異なる偏光軸(例えば、偏光軸α、偏光軸β)を有する第1の偏光領域110と第2の偏光領域120とを有している。第1の偏光領域110は、それぞれ第1の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって基材101上に立設した複数の第1の絶縁性構造体111と、第1の絶縁性構造体111のいずれか一方向側の側面に接して設けられた第1の金属ワイヤ112とを有している。第2の偏光領域120は、それぞれ第2の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって基材101上に立設した複数の第2の絶縁性構造体121と、第2の絶縁性構造体121のいずれか一方向側の側面に接して設けられた第2の金属ワイヤ122とを有している。なお、図1において、図1(A)は上面の模式図を示し、図1(B)、(C)は図1(A)のa−b間の断面の模式図を示している。
第1の方向と第2の方向は、互いに異なっていればよく、例えば、図1(A)に示すように第1の方向と第2の方向が直交するように設けることができる。また、基材101上に3つ以上の異なる偏光軸を設けてもよい。
このように、基材101上の凸部(第1の絶縁性構造体111、第2の絶縁性構造体121)においていずれか一方向側の側面に選択的に金属ワイヤを設けることにより、隣接する凸部同士での金属ワイヤの接触等を抑制することができる。また、第1の絶縁性構造体111と第2の絶縁性構造体121のいずれか一方向側の側面に加えて、上面にも金属ワイヤが設けられていてもよい。
図1では、第1の偏光領域110と第2の偏光領域120を第1の方向に沿って交互に設ける場合を示したが、第1の偏光領域110と第2の偏光領域120の形状や配置は任意の組み合わせで設けることができる。
例えば、図2に示すように、互いに異なる偏光軸を有する第1の偏光領域110と第2の偏光領域120を市松模様状に設けてもよい。図2において、図2(A)は上面の模式図を示し、図2(B)、(C)は図2(A)のa−b間の断面の模式図を示している。
また、第1の偏光領域110と第2の偏光領域120をそれぞれ複数設ける場合、第1の偏光領域110と第2の偏光領域120の数は任意に組み合わせて設けることができる。例えば、偏光軸αを有する第1の偏光領域110の一単位領域をAとし、偏光軸βを有する第2の偏光領域120の一単位領域をBとしたとき、A:Bが0.1:99.9〜99.9:0.1であれば、ワイヤグリッド偏光子100を表示装置に適用することによって、同一の画面で複数の画像を表示できる。RGB画素のバランスを考慮して機能を発揮させるためには、A:Bが0.3:0.7〜0.7:0.3とすることが好ましく、0.5:0.5とすることが最も好ましい。
また、ワイヤグリッド偏光子100を表示装置に適用する場合には、第1の偏光領域110及び第2の偏光領域120の単位面積がそれぞれ250000μm以下で形成することが好ましく、10000μm以下で形成することがさらに好ましい。これにより、表示される画像の解像度を向上させ、むらやちらつきを低減することができる。例えば、ワイヤグリッド偏光子100を複数の画素を有する表示装置に適用する場合には、1つの画素に対応するように第1の偏光領域110と第2の偏光領域120をそれぞれ設けることができる。他にも、1つの画素の整数倍となるように、第1の偏光領域110と第2の偏光領域120をそれぞれ設けることができる。
<基材>
基材101は、目的とする波長領域において実質的に透明であればよい。例えば、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を基材101に用いることができる。他にも、樹脂材料を基材101に用いることができる。基材101として樹脂基材を用いることにより、ロールプロセスが可能になる、ワイヤグリッド偏光子にフレキシブル性を持たすことができる、等のメリットがある。基材101に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラスなどの無機基材、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組み合わせたり、単独で用いて基材を構成させたりすることが出来る。
<絶縁性構造体>
第1の絶縁性構造体111、第2の絶縁性構造体121は、基材101上に無機材料や樹脂等の有機材料を用いて形成することができる。他にも、基材101の表面を加工して所定の方向に沿って延在する格子状凸部を基材101表面に設けることにより、第1の絶縁性構造体111と第2の絶縁性構造体121とすることができる。基材101の加工方法としては、基材101として樹脂基材を用い、格子状凹凸パタンを有するスタンパを用意して、基材101の表面にスタンパのパタンを転写することができる。この場合、基材101の格子状凸部を簡便な方法で作製することができる。
複数の第1の絶縁性構造体111の各々の間隔(ピッチ)は、ワイヤグリッド偏光子100の適用用途によって適宜選択することができる。可視光領域の広帯域にわたる偏光特性を考慮すると、150nm以下であり、好ましくは80nmから120nmとすることが好ましい。ピッチが小さくなるほど偏光特性が良くなるが、可視光に対しては80nmから120nmのピッチで十分な偏光特性が得られる。400nm近傍の短波長光の偏光特性を重視しない場合は、ピッチを150nm程度まで大きくしてもよい。また、複数の第2の絶縁性構造体121の各々の間隔は、第1の絶縁性構造体111の間隔と同程度の間隔とすればよい。
<金属ワイヤ>
第1の金属ワイヤ112、第2の金属ワイヤ122として用いる金属としては、アルミニウム、銀、銅、白金、金またはこれらの各金属を主成分とする合金などが挙げられる。特に、アルミニウムもしくは銀を用いて第1の金属ワイヤ112、第2の金属ワイヤ122を形成することにより、可視域での吸収損失を小さくすることができるため好ましい。
<誘電体層>
第1の絶縁性構造体111と第1の金属ワイヤ112の密着性及び第2の絶縁性構造体121と第2の金属ワイヤ122の密着性の向上の為に、両者の間に両者と密着性の高い誘電体層102を設けることができる(図1(C)、図2(C)参照)。第1の絶縁性構造体111と第1の金属ワイヤ112の密着性(第2の絶縁性構造体121と第2の金属ワイヤ122の密着性)が高いと、第1の絶縁性構造体111からの第1の金属ワイヤ112の剥離(第2の絶縁性構造体121からの第2の金属ワイヤ122の剥離)を防ぎ、偏光度の低下を抑えることが出来る。好適に用いることが出来る誘電体としては、例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混じった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光性能を得ようとする波長領域において実質的に透明であることが好ましい。誘電体材料の積層方法には特に限定は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。
[ワイヤグリッド偏光子の作製方法]
次に、上述したワイヤグリッド偏光子の作製方法の一例について以下に説明する。
<絶縁性構造体の形成工程>
まず、基材101上に、それぞれ第1の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって立設した複数の第1の絶縁性構造体111と、それぞれ第2の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって立設した複数の第2の絶縁性構造体121を形成する。
例えば、基材101として樹脂基材を用い、当該樹脂基材の表面を加工して格子状凸部を形成することにより、複数の第1の絶縁性構造体111と複数の第2の絶縁性構造体121を設けることができる。樹脂基材の加工は、格子状凹凸パタンを有する金属スタンパを樹脂基材に転写することにより行うことができる。
以下に、絶縁性構造体の形成方法の詳細な一例について説明する。
・格子状凹凸パタンを有するシリコン基板の作製
クロム薄膜層を有する合成石英ガラス上にフォトレジスト(感光性物質)を塗布し、プリベーク後、電子ビーム露光装置を用いて40mm×80mm領域でレジストに微細パタンを描画する。40mm×80mm領域内部の描画形状は、300μm×100μmを1つの素子とし、素子内部では特定方向に延在する格子状凹凸形状を有しており、隣り合う素子間の格子状凹凸の成す角が90°となるように配列する。現像処理後、レジストのパタンから露出しているクロム層部分をエッチングし、レジストパタンをクロム層に転写した後、レジスト残渣を洗浄しレチクルを作製する。
次に、シリコン基板(12インチ、300mmφ)上にレジストをスピンコーターで均一に塗布した後、プリベークしレジストを固化させる。半導体素子製造装置の一つである縮小投影型露光装置(ステッパー)を用いて、先に作製されたレチクルの微細パタンを縮小投影レンズにより1/4に縮小し、レジストを塗布したシリコン基板上を移動しながら投影露光する。次に、有機アルカリ現像液に浸し、感光した部分のレジストを除去した後、超純水で数回すすぎ、感光した残渣を完全に除去後、加熱させる。レジストで被覆されていない部分をドライエッチング法で選択的にエッチングし、シリコン基板に微細パタンを作製する。レチクルのパタンサイズや露光・エッチング条件を変更することにより、シリコン基板に形成されるナノパタン形状サイズを制御することができる。例えば、格子状凹凸形状を100nm〜140nmピッチで形成する。
・ニッケルスタンパ作製
次に、シリコン基板に形成された格子状凹凸パタンを樹脂(例えば、紫外線硬化性樹脂)に転写する。そして、得られた紫外線硬化性樹脂硬化物に対しそれぞれ導電化処理としてニッケルをスパッタリングにより60nm被覆した後、それぞれニッケルを電気メッキし、厚さ0.25mm、縦200mm、横150mmの微細凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパを作製する。
・紫外線硬化性樹脂を用いた格子状凸部転写フィルムの作製
厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(以下、PETフィルム)に紫外線硬化性樹脂を約0.03mm塗布し、塗布面を下にして微細凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパ上に、それぞれ端部からニッケルスタンパとPETフィルムとの間に空気が入らないように載せ、PETフィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、ニッケルスタンパの微細凹凸格子を転写する。続いて、ニッケルスタンパからPETフィルムを剥離した後、更に窒素雰囲気下でPETフィルムに紫外線を500mJ/cm照射し、紫外線硬化性樹脂の未硬化成分を硬化させて、縦200mm、横150mmの格子状凸部転写フィルムを作製する。
以上の工程により、基材101上にそれぞれ第1の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって設けられた第1の格子状凸部と、それぞれ第2の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって設けられた第2の格子状凸部とを形成することができる。なお、上記説明における数値は一例であり、これに限定されるものではない。
<金属ワイヤの形成工程>
次に、金属を成膜することにより、第1の絶縁性構造体111のいずれか一方向側の側面に第1の金属ワイヤ112を形成し、第2の絶縁性構造体121のいずれか一方向側の側面に第2の金属ワイヤ122を形成する。ここでは、基材101の法線方向から傾いた斜め方向であって、且つ第1の方向及び第2の方向と異なる角度から金属を成膜することにより、1回の成膜工程で第1の絶縁性構造体111の一方向側の側面と、第2の絶縁性構造体121の一方向側の側面に金属ワイヤを形成することができる。また、成膜角度により、第1の絶縁性構造体111の上面と第2の絶縁性構造体121の上面にも金属ワイヤが形成される。ここでの成膜法としては、真空蒸着法や、蒸着法が挙げられる。
なお、本実施の形態で示すワイヤグリッド偏光子100において、第1の絶縁性構造体111のいずれか一方向側の側面に第1の金属ワイヤ112が形成されるとは、他方の側面に多少の金属膜が形成されている場合も含むものとする。これは、蒸着条件によっては金属が回り込んで他方の側面にも多少の金属膜が形成される場合があるが、この場合であっても本発明の効果は十分に得られるためである。第2の絶縁性構造体121についても同様とする。
第1の方向及び第2の方向と異なる角度としては、基材101の表面と平行な方向において第1の方向及び第2の方向から20°以上ずれた方向とすることが好ましい。より好ましくは、第1の方向及び第2の方向から30°以上45°以下とする。また、基材101の法線方向から傾いた斜め方向としては、基材101表面とのなす角度が5°より大きく85°未満、好ましくは10°以上50°以下とする。この範囲で成膜を行うことにより、金属ワイヤが形成される位置を正確に制御することが可能となる。
このように、複数の偏光軸を考慮して金属を成膜させる方向を調整することにより、基材上の凸部に金属ワイヤが形成されてなるワイヤグリッド偏光子に複数の偏光軸を設ける場合であっても、金属ワイヤを形成する位置を制御することが可能となる。また、複数の偏光軸を考慮して金属を成膜させる方向を調整することにより、金属の成膜工程を1回とすることができるため、工程を簡略化することが可能となる。なお、図1では、図1(A)の紙面右上方向から金属を蒸着した場合を示し、図2では、図2(A)の紙面左上方向から金属を蒸着した場合を示している。
以下に、金属の成膜方法の一例について詳細に説明する。
・金属膜の形成
電子ビーム真空蒸着法(EB蒸着法)を用いて金属を積層させる。ここでは、金属としてアルミニウム(Al)を用いる場合について説明する。この場合、真空度2.5×10−3Pa、蒸着速度4nm/s、常温下においてアルミニウムの蒸着を行うことができる。層厚み比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を誘電体積層格子状凸部転写フィルムと同時に装置に挿入し、平滑基板へのアルミニウム蒸着厚みが130nmとなるように蒸着を行う。このときアルミニウムの蒸着は、斜め蒸着法を用い、同一平面内の2種の微細凹凸格子の各格子長手方向とそれぞれ45°で交わる平面内で、基材面の法線と蒸着源のなす入射角度θを10°〜30°とする。
以上の工程により、第1の絶縁性構造体111のいずれか一方向側の側面及び第2の絶縁性構造体121のいずれか一方向側の側面に金属ワイヤを形成することができる。なお、上記説明における数値は一例であり、これに限定されるものではない。
金属を蒸着した後に、エッチング処理を行ってもよい。エッチング処理を行うことにより、凹部に成膜された金属を除去することができる。例えば、アルミニウムを成膜下後に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてエッチングする。この際、エッチング時間を調整することにより、基材101の凹部に形成された金属膜を除去すると共に、基材101の凸部(第1の絶縁性構造体111、第2の絶縁性構造体)の側面に形成された金属膜を残存させることができる。
[ワイヤグリッド偏光子の使用形態]
上述したワイヤグリッド偏光子100は、異なる偏光軸を有する偏光子を適用する製品であれば、様々な電子機器へ応用することができる。例えば、立体画像等の複数の画像を同時に表示する表示装置や、同一平面上に異種画像を同時に表示する表示装置へ適用することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。また、上記実施の形態における材質、数量などについては一例であり、適宜変更することができる。その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
本発明のワイヤグリッド偏光子は、互いに異なる偏光軸を有し、異種画像を同時に表示する表示装置等の電子機器に適用できる。
100 ワイヤグリッド偏光子
101 基材
102 誘電体層
110 第1の偏光領域
111 第1の絶縁性構造体
112 第1の金属ワイヤ
120 第2の偏光領域
121 第2の絶縁性構造体
122 第2の金属ワイヤ

Claims (8)

  1. 基材上に互いに異なる偏光軸を有する第1の偏光領域と第2の偏光領域とを備えたワイヤグリッド偏光子であって、
    前記第1の偏光領域は、それぞれ第1の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって前記基材上に立設した複数の第1の絶縁性構造体と、前記第1の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面に接して設けられた第1の金属ワイヤとを有し、
    前記第2の偏光領域は、それぞれ前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって前記基材上に立設した複数の第2の絶縁性構造体と、前記第2の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面に接して設けられた第2の金属ワイヤとを有するワイヤグリッド偏光子。
  2. 前記第1の方向と前記第2の方向が直交する請求項1に記載のワイヤグリッド偏光子。
  3. 前記基材上に前記第1の偏光領域及び前記第2の偏光領域が複数設けられ、前記第1の偏光領域と前記第2の偏光領域の任意の組み合わせから構成される請求項1又は請求項2に記載のワイヤグリッド偏光子。
  4. 前記第1の偏光領域及び前記第2の偏光領域の面積がそれぞれ250000μm以下である請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光子。
  5. 基材上に、それぞれ第1の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって立設した複数の第1の絶縁性構造体と、それぞれ前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って延在するように所定の間隔をもって立設した複数の第2の絶縁性構造体とを形成する工程と、
    前記基材表面の法線方向から傾いた斜め方向へのなす角度が5°より大きく85°未満であり、且つ前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる角度から金属を成膜して、前記第1の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面及び前記第2の絶縁性構造体のいずれか一方向側の側面に金属ワイヤを形成する工程と、を有するワイヤグリッド偏光子の作製方法。
  6. 前記第1の方向と前記第2の方向を直交させる請求項5に記載のワイヤグリッド偏光子の作製方法。
  7. 前記基材として樹脂基材を用い、金属スタンパの凹凸格子形状を前記樹脂基材に転写することにより、前記第1の絶縁性構造体及び前記第2の絶縁性構造体を形成する請求項5又は請求項6に記載のワイヤグリッド偏光子の作製方法。
  8. 前記第1の絶縁性構造体及び前記第2の絶縁性構造体上に誘電体層を形成した後に、前記金属を成膜する請求項5から請求項7のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光子の作製方法。
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