JP2008268299A - 積層ワイヤグリッド偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材と誘電体層と金属ワイヤとの間で十分な密着力があり、且つ構成上の制約がなく、しかも比較的大きな周期を有するワイヤグリッド偏光子を用いて、可視光領域の広帯域にわたって優れた偏光度と透過率を両立する積層ワイヤグリッド偏光板を提供すること。
【解決手段】積層ワイヤグリッド偏光板は、基材と金属ワイヤとの間に誘電体層を有したワイヤグリッド偏光素子を、その直線状凹凸部がほぼ平行で、且つ互いに向き合って積層されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、2枚のワイヤグリッド偏光素子の、互いのワイヤグリッド面を対向させる形で積層されていることを特徴とする積層ワイヤグリッド偏光板に関する。
近年のフォトリソグラフィー技術の発達により、光の波長レベルの周期を有する微細構造パターンを形成することが出来るようになって来た。このように非常に狭い周期のパターンを有する部材や製品は、半導体分野だけでなく、光学分野において利用範囲が広く有用である。
例えば、基材と、互いに平行で特定の間隔(周期)で形成された直線状の金属ワイヤは、その周期が入射光、例えば可視光の波長400nm〜700nmに比べて大きければ、回折格子となる。逆に、その周期が、可視光の波長よりもかなり小さい、例えば約1/2以下であれば、金属ワイヤは、金属線に対して平行に振動する電場ベクトル成分をほとんど反射し、垂直な電場ベクトル成分はほとんど透過するため、単一偏光を作り出す偏光素子として使用出来る。実際、そのような金属ワイヤは、ワイヤグリッド偏光板(ワイヤグリッド偏光子とも呼ばれる)として、各種の液晶表示装置、偏光ビームスプリッター、偏光反射鏡、光アイソレータ等の目的に利用されている。ワイヤグリッド偏光板は、透過しない光を反射板等を用いることで再利用することが出来るので、光の有効利用の観点からも望ましいものである。
それ故、携帯デイスプレイ用、大型デイスプレイ用、プロジェクタ用等の上記の目的で使用する観点から、周期が可視光の波長より十分小さくて光学特性が高く、更にその寸法がより大きくて、厚みがより薄く、重量がより軽い、ワイヤグリッド偏光板及びそれをより安価に提供する技術が望まれている。
最近、可視光の波長よりもかなり小さい周期を有するワイヤグリッド偏光子が開発されている。例えば、特許文献1には、型を作製する段階と、基材上に金属薄膜とポリマーを所定の順序で形成する段階と、型を利用してエンボス技法によりポリマーにパターンを転写し、そのパターンをマスクにして金属薄膜をエッチングして金属格子パターンを形成する段階と、ポリマーを除去する段階とを含むことを特徴とする、周期が120nm以下のワイヤグリッド偏光子とその製造法が示されている。しかし、この技術では非常に狭い周期を有するワイヤグリッド偏光子を半導体製造技術で用いるドライエッチング法、ウエットエッチング法、リフトオフ法等を駆使し、多大な労力を必要として得ており、またその周期が小さくなるほど、得られるワイヤグリッド偏光子の寸法にも大きな限界がある。そこで、複数のワイヤグリッド偏光子を積層することで、比較的大きな周期でも良好なワイヤグリッド偏光板を得ようとする技術がある。
特許文献2には、銅を金属ワイヤとして用いた2枚のワイヤグリッド偏光子を金属ワイヤのパターン形成面が対向し、且つ両方のパターンがほぼ平行となるように、光学接着剤(例えば、UV硬化性樹脂)を介して接合一体化したワイヤグリッド偏光板が示されている(図5(5a))。更に、特許文献3、特許文献3、特許文献4、特許文献5には、金属ワイヤのパターン形成面が対向を対面させずに、複数のワイヤグリッド偏光子を積層したワイヤグリッド偏光板が示されている(図5(5b))。
一方、ワイヤグリッド偏光板の寸法を大きくする技術として、特許文献6に各ワイヤグリッド偏光子の配列方向端部から無偏光光が照射されないように、端部に遮光部を設けたり、端部が重ね合わされるように並べて配置された複数のワイヤグリッド偏光子の接合に関する技術が示されている。また、端部が重ね合わされる接合法の応用として、2枚の、ワイヤグリッド偏光子や、接合したワイヤグリッド偏光子同士の各接合部が上下で重ならないように積層した場合についても記述されている。しかし、ワイヤグリッドのグリッド面をどのように積層させるかについては記述されてはいない。
特開2006−84776号公報 特開2000−284117号公報 特開昭58−42003号公報 US4289381号公報 US20060119937号公報 特開2006−126464号公報
特許文献1に示されたワイヤグリッド偏光子は、型を用いてエンボス技法を利用して反復的に低価でワイヤグリッド偏光子を大量生産する方法を示した点では優れているが、型の製法自体は、現在のフォトリソグラフィー技術を用いて作製しているため、単位寸法が100cm以上の、120nm以下の周期を有するワイヤグリッド偏光子を得ることは困難である。更に、ワイヤグリッド偏光子は、基材上に直に金属ワイヤが密着した形態をとっており、基材と金属ワイヤとの間の密着強度が低いという問題も抱えていた。
特許文献3、特許文献4、特許文献5は、半導体製造技術を用いて作製した、金属ワイヤ間を透明樹脂や透明無機物で埋めたワイヤグリッド偏光子や、保護膜又は保護フィルムを有するワイヤグリッド偏光子を、金属ワイヤのパターンがほぼ平行になるように単純に積層した構造のため、その積層ワイヤグリッド偏光板の製造法は容易だが、出来た積層ワイヤグリッド偏光板の厚みは極めて厚くなるという欠点を有していた。
特許文献2は、2枚のワイヤグリッド偏光子をその金属ワイヤのパターン形成面が対向し、且つ両方のパターンがほぼ平行となるように、光学接着剤を介して接合一体化し、積層することで、特許文献3、特許文献4、特許文献5に比べ、その積層ワイヤグリッド偏光板の厚みを薄くすることが出来るという点で優れていたが、十分なものではなかった。即ち、金属ワイヤとして銅を用いることで基板と金属ワイヤ間の密着強度を高めていたが、使える金属が限定されていること、また銅自体、赤外領域では良いが、可視領域のワイヤグリッド偏光子の金属ワイヤとしては適切なものではなかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本発明によれば、基材と誘電体層と金属ワイヤとの間で十分な密着力があり、且つ構成上の金属種等の制約がなく、しかも比較的大きな周期を有するワイヤグリッド偏光素子を用いて、可視光領域の広帯域にわたって優れた光学特性(偏光度と光線透過率)を持ち、更にその寸法がより大きくて、厚みがより薄く、重量がより軽い、積層ワイヤグリッド偏光板を提供することを目的とする。
本発明の偏光板は、基材と金属ワイヤとの間に誘電体層を有し、多数の周期的な直線状凹凸部を有するワイヤグリッド偏光素子の単位要素において、2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素が、その直線状凹凸部がほぼ平行で、且つその直線状凹凸部が互いに向き合って積層されたことを特徴とする積層ワイヤグリッド偏光板である。
本発明の偏光板は、前記直線状凹凸部が互いに向き合って積層されたワイヤグリッド偏光素子を構成する単位要素の端部が、上下において重ならないことが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤの周期が、240nm以下であることが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子の基材が樹脂基材であることが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子が、格子状凸部を有する基材と、その基材の格子状凸部及びその側面の少なくとも一部を覆うように設けられた誘電体層と、その誘電体層上に設けられた金属ワイヤと、を具備することが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子が、基材の格子状凸部の頂部より上方の誘電体層を含む領域の屈折率が、樹脂基材の屈折率よりも高いことが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子の誘電体層の屈折率が、基材の屈折率よりも高いことが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子の誘電体層が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム又はそれらの複合物で構成されていることが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤは、アルミニウム又はその合金で構成されていることが好ましい。
本発明の偏光板は、前記ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤが誘電体で被覆された格子状凸部の一方の側面に偏って設けられ、且つ一対のワイヤグリッド偏光素子内では金属ワイヤが前記凸部の同じ片側側面になるように2次元的に接がれた形となっており、更に凹凸部がほぼ平行に向き合って且つ金属ワイヤが前記凸部の反対の側面に偏って設けられた形になるように積層されたことが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、液晶パネルと、前記液晶パネルに光を照射する照明手段と、前記液晶パネルと前記照明手段との間に配置された上記積層ワイヤグリッド偏光板と、を具備することを特徴とする液晶表示装置であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前記液晶パネルが透過型液晶パネルであることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、光源と、前記光源からの光を偏光分離する上記積層ワイヤグリッド偏光板と、偏光板により偏光された光を透過又は反射する液晶表示素子と、前記液晶表示素子を透過又は反射した光をスクリーンに投射する投射光学系と、を具備することを特徴とする投射型液晶表示装置であることが好ましい。
なお、本発明では本発明のワイヤグリッド偏光素子は、ワイヤグリッド回折素子、接合ワイヤグリッド偏光素子、接合ワイヤグリッド回折素子を含むものである。また積層ワイヤグリッド偏光板は、積層ワイヤグリッド偏光素子や積層ワイヤグリッド回折素子を含むものである。
本発明によれば、樹脂基材と誘電体層と金属ワイヤとの間で十分な密着力があり、且つ構成上の金属種等の制約がなく、しかも比較的大きな周期を有するワイヤグリッド偏光子を用いて、可視光領域の広帯域にわたって優れた光学特性を持ち、更にその寸法がより大きくて、厚みがより薄く、重量がより軽い、積層ワイヤグリッド偏光板を得ることが出来る。
以下、本発明の実施の形態として、本発明の積層ワイヤグリッド偏光板の構造、本発明のワイヤグリッド偏光素子の構造、本発明のワイヤグリッド偏光素子の構造の製造方法の例、本発明のワイヤグリッド偏光素子の接合方法(接合ワイヤグリッド偏光素子)、ワイヤグリッド偏光素子又は接合ワイヤグリッド偏光素子の積層方法について、添付図面を参照して、詳細に説明する。
[本発明の積層ワイヤグリッド偏光板の構造]
図1は、本発明の実施の形態に係る積層ワイヤグリッド偏光板の一部を示す概略断面図である。本発明の偏光板は、基材と金属ワイヤとの間に誘電体層を有し、多数の周期的な直線状凹凸部を有するワイヤグリッド偏光素子の単位要素において、又は前記ワイヤグリッド偏光素子の各単位要素の端部が同一面上でほとんど重なることがなく、且つ直線状凹凸部が互いに平行で同じ面になるように2次元的に接がれた接合ワイヤグリッド偏光素子において、2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素又は接合ワイヤグリッド偏光素子が、その直線状凹凸部がほぼ平行で、且つその直線状凹凸部が互いに向き合って積層された構造となっている。
図1(1a)は、本発明の積層ワイヤグリッド偏光板を構成するワイヤグリッド偏光素子が、格子状凸部を有する基材1と、その基材の格子状凸部及びその側面の少なくとも一部を覆う様に設けられた誘電体層2と、その誘電体層上に設けられた金属ワイヤ3と、必要に応じて金属ワイヤ上に設けられた誘電体4を具備した構造となっている例であり、図6は、誘電体4を具備していない構造となっている例である。
図1(1b)は、本発明の積層ワイヤグリッド偏光板を構成するワイヤグリッド偏光素子が、基材1と、互いに平行で等間隔に形成された直線状の金属ワイヤ3との間に、前記基材の誘電体層2とから主に構成されている構造となっている例である。
図1(1c)は、本発明の積層ワイヤグリッド偏光板を構成するワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤが、誘電体で被覆された格子状凸部の一方の側面に偏って設けられ、且つ、2枚の前記ワイヤグリッド偏光素子がその直線状凹凸部がほぼ平行で、その直線状凹凸部が互いに向き合って、且つ金属ワイヤが前記凸部の反対の側面に偏って設けられ形になるように積層されたことを特徴とする積層ワイヤグリッド偏光板となっている例である。
図1(1d)は、(1a)のワイヤグリッド偏光素子の単位要素が、直線状凹凸部が互いに平行で同じ面になるように2次元的に接がれた接合ワイヤグリッド偏光素子となっており、更にその接合ワイヤグリッド偏光素子を構成する単位要素の端部が上下において重ならないような形で積層されたことを特徴とする積層ワイヤグリッド偏光板となっている例である。
なお、図面では、見やすくするために、上面と下面のワイヤグリッド偏光素子に隙間を設けているが、実際の本発明の積層ワイヤグリッド偏光板では隙間はない方が好ましい。
[本発明のワイヤグリッド偏光素子の構造]
本発明のワイヤグリッド偏光素子を構成する各要素と構造について説明する。
本発明で用いるワイヤグリッド偏光素子の基材1は、可視光領域で実質的に透明な基材であれば良い。好ましくは、フレキシブル性を有することから可視光領域で実質的に透明な樹脂である。可視光領域で実質的に透明な樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。また、基材として樹脂基材1である紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラス等の無機基板、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート(TAC)樹脂とを組み合せた構成とすることも出来る。積層することを考慮すると本発明で用いる基材は、複屈折性が低いことが好ましい。具体的には、COP樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、TAC樹脂等の低結晶性樹脂/非晶性樹脂や光学ガラス等である。
本発明で用いるワイヤグリッド偏光素子の基材の表面形状は、平坦な場合(図1(1b))、又は格子状凸部を有している場合(図1(1a)、(1c))であっても良い。好ましくは、製造のしやすさから、格子状凸部を有している基材を用いる。格子状凸部を有している基材を用いる場合、最適なワイヤグリッド偏光素子の基材上の格子状凸部の周期は、基材の格子状凸部の周期と誘電体層の周期と金属ワイヤの周期とはほぼ等しく周期p0であること、積層ワイヤグリッド偏光板の金属ワイヤの周期pが、ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤの周期p0の約1/2になること、更に積層ワイヤグリッド偏光板の周期pと光学特性との関係を考慮して決める。積層ワイヤグリッド偏光板の周期pと光学特性との関係は、積層ワイヤグリッド偏光板の周期pが120nm以下、好ましくは80nm〜120nmであれば、可視光領域の広帯域で良好な光学特性が得られる。周期pが小さくなるほど光学特性が良くなるが製造は困難となる。可視光に対しては80nm〜120nmの周期で十分な光学特性が得られる。また、400nm近傍の短波長光の偏光特性を重視しない場合は、周期pを150nm程度まで大きくすることも出来る。従って、ワイヤグリッド偏光素子の基材上の格子状凸部の周期は240nm以下、好ましくは160nm〜240nm、400nm近傍の短波長光の偏光特性を重視しない場合は、300nmであれば良い。
格子状凸部を有している基材を用いる場合、格子状凸部や、複数の格子状凸部によって形成される微細凹凸格子の凹部の断面形状に制限はない。例えば、これらの断面形状は、台形、矩形、方形(図1(1a)、(1c))、プリズム状や、半円状、正弦波状(図6)であっても良い。ここで、正弦波状とは、図6に示すワイヤグリッド偏光素子の断面図の基材のように、凹部と凸部の繰り返しからなる曲線部を持つことを意味する。なお、曲線部は湾曲した曲線であれば良く、例えば、凸部にくびれがある形状も正弦波状に含めるものとする。格子状凸部及びその側面の少なくとも一部を誘電体層が覆いやすくする観点から、格子状凸部の端部又は頂点、谷は緩やかな曲率をもって湾曲していることが好ましい。更に、基材と誘電体層との間の密着強度を高くする観点から、正弦波状であることがより好ましい。
格子状凸部を有している基材を用いる場合、基材1の凸部の山と凹部の谷との高さの差H1(以下、凸部の高さという)は、良好な光学特性を得るため、基材と誘電体層2との高い密着強度を得るため、また、凸部上に誘電体層を選択的に高く被覆するために、格子状凸部の周期p0の0.15倍〜1.5倍であり、好ましくは0.25倍〜1.0倍、更に好ましくは0.5倍〜1.0倍である。
凸部の高さの2分の1の高さにおける凸部1の幅(以下、凸部の幅wという)は、格子状凸部の側面への誘電体層の被覆及び誘電体層を介した金属ワイヤの積層のしやすさ、更にワイヤグリッド偏光素子及び接合ワイヤグリッド偏光素子の積層を考慮して決定される。具体的には、図1(1a)、図6に示すように金属ワイヤがほぼ格子状凸部の山の上部のみ積層する場合はワイヤグリッド偏光素子の周期p0の0.15倍〜0.25倍であり、好ましくは0.20〜0.23倍である。図1(1c)に示すように金属ワイヤが格子状凸部の山又は片側に積層する場合はワイヤグリッド偏光素子の周期p0の0.06倍〜0.13倍であり、好ましくは0.06〜0.08倍である。
本発明に用いる格子状凸部を有する基材を得る方法は特に限定されない。例えば、本出願人の特開2006−224659号公報に記載の方法を挙げることができ、図2に金型スタンパの作製方法の概要を示す。また特開2006−224659号公報干渉露光法を用いて作製した周期240nm〜100μmの格子状凸部がつくる凹凸格子を有する金属スタンパ8を用いて、凹凸格子形状を熱可塑性樹脂6に熱転写し((2a)→(2b))、凹凸格子を付与した熱可塑性樹脂((2c)の6)を格子の長手方向と平行な方向に自由端一軸延伸加工を施す((2d))。その結果、前記熱可塑性樹脂に転写された凹凸格子の周期が縮小され、周期が240nm以下の微細凹凸格子を有する樹脂基材(延伸済み)が得られる((2d)の7)。続いて、得られた微細凹凸格子を有する樹脂基材(延伸済み)から、電解メッキ法などを用いて微細凹凸格子を有する金属スタンパ((2e)の5)を作製する。この金属スタンパを用いて、樹脂基材の表面にその微細凹凸格子を転写、形成することで、周期が240nm以下の格子状凸部を有する樹脂基材を得ることが可能となる。
本発明の積層ワイヤグリッド偏光板においては、その周期pが可視光の波長に比べて小さいことから、図1、図6の誘電体層2の屈折率についての制限はない。すなわち、誘電体層2又は格子状凸部を有する基材を用いた場合の、格子状凸部の頂部より上方の誘電体層を含む厚さの領域(図1(1a)、(1c)、図6の領域B、即ち格子状凸部の頂部より上方の誘電体層を含む領域であって、樹脂基材面と略平行である特定の厚みを有する領域)の屈折率が基材1又は格子状凸部を有する基材を用いた場合の領域A(基材1の格子状凸部を含まない領域)の屈折率よりも高くても、低くても、あるいは同じであっても良い。しかし、誘電体層の厚みを薄くすることが出来る、誘電体層の構造強度が一般的に高いことから、誘電体層2又は領域Bの屈折率が基材1又は領域Aの屈折率よりも高いことが好ましい。
具体的には、本発明で用いるワイヤグリッド偏光素子の誘電体層2、誘電体4を構成する誘電体は、可視光領域で透明あるいは非透明であっても実質的に厚みが薄く、可視光が十分透過すれば良い。重要なことは、基材1を構成する材料及び/又は金属ワイヤ3を構成する金属との間の密着性が高い固体誘電体材料を選択することである。例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物を用いることが出来る。好ましくは前記誘電体層は、酸化珪素、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、窒化アルミニウム又はそれらの複合物である。
本発明において、基材1を構成する材料及び/又は金属ワイヤ3を構成する金属との間の十分な密着性を得るために上記の誘電体層2が設けられていることは必須である。即ち、格子状凸部を有する基材を用いた場合でも、誘電体層2が金属ワイヤが積層される基材の格子状凸部及びその側面部の少なくとも一部を覆うように設けられている。更には、基材表面全体が誘電体層2により覆われていることが好ましい。誘電体層が、基材の全体を被覆することは、基材として透明樹脂基材を用いた場合に樹脂基材や金属ワイヤとの密着強度の点で有利というだけでなく、樹脂基材から発生する低分子量揮発物を抑制する上からも好ましいものである。基材1と誘電体層2との間、誘電体層2と金属ワイヤ3との間の密着性が向上することで、誘電体層2の上に金属ワイヤ3を高く積層しても、ワイヤグリッドの外力に対する構造強度を高く保つことが可能となる。
図1(1a)、(1c)、(1d)、図3(3f)に示すように、格子状凸部を有する基材を用いた場合の金属ワイヤ上に設ける誘電体4は、ワイヤグリッド偏光素子を積層した場合に積層方向(厚み方向)の金属ワイヤの位置の非対称性による光学特性の低下を抑えたり、積層時の金属ワイヤの破損を防ぐための保護層としての役割を有する。即ち、図1に示すように厚み方向での金属ワイヤの対称性が良い場合(厚み方向での各金属ワイヤの位置が揃っているということ)ほど、対称性の悪い場合に比べて、光学特性も高くなる傾向がある。従って、必要とする光学特性、耐久性能及び製造コストの制約を考慮して誘電体4を設けるか否かを決定したり、誘電体4を設ける場合には、厚み方向での金属ワイヤの対称性が良くなるように誘電体4の厚みを制御することが重要となる。
誘電体による基材の被覆にあたっては、使用する基材及び誘電体の屈折率を踏まえた光学特性及び基材や金属ワイヤとの間の密着強度、ワイヤグリッドの構造強度、被覆に要する時間、金属ワイヤを誘電体層の凸部に選択的に又は誘電体層で被覆された凸部の一方の側面に偏って選択的に積層することの容易さ、更に基材として樹脂を用いた場合のフレキシブル性等の観点から誘電体層2の厚みを決定する。
その誘電体層2の被覆の厚みH、格子状凸部を有する基材を用いた場合は凸部の上を被覆する誘電体層2の厚み(以下、誘電体層の高さという)は、1nm〜200nm、好ましくは、3nm〜150nmである。特に、誘電体で被覆した格子状凸部の片側に金属ワイヤを積層する場合は、誘電体層2の被覆の厚みは1nm〜20nm、好ましくは3nm〜10nmである。また、格子状凸部を有する基材を用いた場合、誘電体2が基材の格子状凸部を被覆して形成される凹凸格子の凸部山と凹部谷との高低差H2 (以下、高低差H2 という、図1(1a)、(1c))は、金属ワイヤの台座としての構造強度、光学特性などを考慮すると30nm〜300nmであることが好ましく、150nm〜250nmがより好ましい。
誘電体層2の、前記基材を被覆する方法としては、基材1と誘電体層との間の十分な密着性が得られような方法を適宜選択すれば良い。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を挙げることが出来る。好ましくは、密着強度、生産性の観点からスパッタリング法が良い。
本発明で用いる金属ワイヤ3を構成する金属は、可視光領域で光の反射率の高く、かつ誘電体層2を構成する材料との間の密着性が高い素材を挙げることが出来る。好ましくは、複素屈折率の観点からアルミニウム、銀又はそれらの合金であり、更に好ましくは価格の安いアルミニウム又はその合金である。
金属ワイヤ3に用いる種類(元素、化学、純度)、断面形状(金属ワイヤの高さHと幅w)及びワイヤグリッド偏光素子の周期p0に対する金属ワイヤ3の幅wとの比率(Duty比)は、基材や誘電体層の種類、厚みに比べ、ワイヤグリッド偏光素子、積層ワイヤグリッド偏光板の光学特性に大きな影響を与える。具体的には、金属の純度は、アルミニウムの場合バルクの複素屈折率に近いことが光学特性の観点から好ましく、また、断面形状、Duty比にも下記に示すような適正範囲が存在する。
その金属ワイヤの高さHは、光学特性、金属ワイヤを誘電体層上へ積層する処理時間、後述するエッチングに要する処理時間、金属ワイヤと誘電体層との密着強度、ワイヤグリッドの構造強度、2枚のワイヤグリッド偏光素子又は接合ワイヤグリッド偏光素子の積層のしやすさを考慮すると、120nm〜220nm、好ましくは140nmから200nmである。
同ように金属ワイヤ3の幅w又はDuty比は、図1(1a)、図6に示すように金属ワイヤがほぼ格子状凸部の山の上部のみ積層する場合はワイヤグリッド偏光素子の周期p0の0.15倍〜0.25倍であり、好ましくは0.20〜0.23倍である。図1(1c)に示すように金属ワイヤが格子状凸部の山又は片側に積層する場合はワイヤグリッド偏光素子の周期p0の0.20倍〜0.42倍であり、好ましくは0.25〜0.35倍である。
金属ワイヤの幅に対する金属ワイヤの高さの比(アスペクト比)は、0.5〜3が好ましく、更に好ましくは0.6〜2である。
金属ワイヤ3を誘電体層2に積層する方法としては、誘電体層2を構成する材料及び/又は金属ワイヤ3を構成する金属との間の十分な密着強度が得られ、上記した金属ワイヤ3の断面の大きさ、金属バルクの複素屈折率に近い値が得られるように適宜選択する。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を挙げることが出来る。具体的には、図1(1b)、図4に示すように平坦な基材を用いる場合は、密着強度、生産性の観点からスパッタリング法が良く。図1(1a)、(1c)、図3に示すように格子状凸部を有する基材を用いる場合は、金属を誘電体層2の凸部に選択的に、又は誘電体層2の凸部の一方の側面に偏って選択的に積層出来るような方法、例えば、真空蒸着法が良い。積層にあたり、金属ワイヤ層3を基材の凸1に選択積層することを考慮して蒸着源の種類/純度、蒸着速度、蒸着基板温度、積層時に発生する光学的な欠陥量を減らすような、蒸着源と基材との配置等の積層条件を調整することは誘電体の被覆の場合と同ように重要である。即ち、積層する金属ワイヤの純度を高めるため、用いる蒸着減の純度は高く、蒸着速度は速く、蒸着系の真空度は高くする。また、蒸着基板温度は、バルクの複素屈折率に近くなるような適当な温度で積層する。
なお、光学特性の観点から、微細凹凸格子の凹部の底部及びその付近に積層する金属の量は少ないほど良い。従って、これらの部分に金属が堆積するのを避けるため、更には、堆積した場合でも後述するエッチング(による洗浄)を容易にすることを考慮すると、図1(1a)、(1c)に示すように金属ワイヤが格子状凸部の山又は片側に積層する場合、斜め積層法を用いて金属を積層することが好ましい。本発明でいう斜め積層法とは、図3(3e2)に示すように微細凹凸格子の格子長手方向と垂直に交わる平面内で、基材面の法線と蒸着源とのなす角度(入射角度)θが30°以下、好ましくは10°から20°の方向から金属を積層する方法である。
[本発明のワイヤグリッド偏光素子の製造方法の例]
・本発明で用いる型の作製方法
本発明の積層ワイヤグリッド偏光板は、単位寸法が100cm2以上であることが好ましい。その周期pが120nm以下であるにもかかわらず、単位寸法が100cm2以上という大きなワイヤグリッド偏光板を得ることが出来るのは、以下に示す一連の特徴を有する製造方法を用いて作製した型を用いたことと、その型を用いて作製した240nm以下の、比較的大きな周期pを有する2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素又は接合ワイヤグリッド偏光素子をその直線状凹凸部がほぼ平行で、且つその直線状凹凸部が互いに向き合って積層したことによる。本発明で用いる型を得る方法は、その周期の値を除けば、本出願人の特開2006−224659号公報、特願2006−2728015号、特願2006−272800号、特願2006−274175号に記載の方法を用いれば良い。
図2に本発明で用いる型の作製方法の例の概要図を示す。ステップAとして、レーザ光を用いた干渉露光法や切削法等で形成した、周期240nmから100μmの凹凸格子を有する金型8を用いて、図2の(2a)〜(2c)に示すように被延伸部材6にその凹凸格子の形状を熱プレスなどの方法で転写し、表面に周期が240nm〜100μmの凹凸格子を有する被延伸部材6((2c))を得る。続いて、(2d)に示すように被延伸部材6を前記凹凸格子の長手方向(格子状凸部の格子と平行な方向)と略直交する方向の前記被延伸部材の幅を自由にした状態で前記長手方向と略平行な方向に自由端一軸延伸加工する。この結果、前記被延伸部材の凹凸格子の凸部の周期が縮小され、周期が240nm以下の微細凹凸格子を有する樹脂基材7(延伸済み部材と呼ぶ)が得られる。被延伸部材6の周期は、240nm〜100μmの範囲に設定するが、要求する延伸済み部材の周期や延伸倍率に応じて適宜変更することが出来る(このように自由端一軸延伸加工を行って格子状凸部を有する樹脂基材を得る方法を方法Iと呼ぶ)。
次いで、ステップBとして、ステップAで得られた、延伸済み部材7を、順に導電化処理、メッキ処理、樹脂基材の除去処理を施すことで表面に周期が240nm以下の微細凹凸格子を有する金型5((2e))を作製することが出来る。
続いて、この金型Aの表面に酸化皮膜処理を行った後、再度にメッキ処理を施し、金型Aの微細凹凸格子を反転した形状で、且つ表面に周期が240nm以下の微細凹凸格子を有する金型Bを作製する。更に、紫外線に対してほぼ透明とみなせる紫外線透明基材で構成された板状体、フィルム状体、シート状体などに、この金型Bの形状を熱プレスなどで転写することで型Cを作製する。図2では金型A及び型Cを(2e)の5として示した。本発明で用いる型は、金型A又は型Cであり、前者は、後述する製造方法Iの図3(3a)の5、(3b)の5及びマスク用樹脂として熱硬化性樹脂を用いた製造方法IIの図4(4e)の5、(4f)の5に使用し、一方後者は後述するマスク用樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いた製造方法IIの図4(4e)の5、(4f)の5に使用する。
ここで、被延伸部材とは、本発明に用いる樹脂基材として前記した非晶性熱可塑性樹脂や結晶性熱可塑性樹脂で構成された板状体、フィルム状体、シート状体などの樹脂基材を挙げることが出来る。この被延伸部材の厚さや大きさなどについては、自由端一軸延伸処理が可能な範囲であれば特に制限はない。
また、干渉露光法とは、特定の波長のレーザ光を角度θ’の2つの方向から照射して形成される干渉縞を利用した露光法であり、角度θ’を変化させることで使用するレーザの波長で制限される範囲内で色々な周期を有する凹凸格子の構造を得ることが出来る。干渉露光に使用出来るレーザとしては、TEM00モードのレーザに限定され、TEM00モードのレーザ発振出来る紫外光レーザとしては、アルゴンレーザ(波長364nm、351nm、333nm)や、YAGレーザの4倍波(波長266nm)などが挙げられる。
本発明における自由端一軸延伸処理は、先ず前記被延伸部材の幅方向(凹凸格子の長手方向と直交する方向)は自由にした状態で、前記被延伸部材の凹凸格子の長手方向を一軸延伸処理装置に固定する。続いて、被延伸部材が軟化する適当な温度まで加熱し、その状態で適当な時間保持した後、前記長手方向と略平行な一方向に適当な延伸速度で、目標とする微細凹凸格子の周期に対応する延伸倍率まで延伸処理する。最後に、延伸状態を保持した状態で材料が硬化する温度まで被延伸部材を冷却することにより、周期が240nm以下の格子状凸部を有する樹脂基材を得る方法である。この自由端一軸延伸処理を行う装置としては、通常の一軸延伸処理を行う装置を用いることが出来る。また、加熱条件や冷却条件については被延伸部材を構成する材料に応じて適宜決定する。
・本発明のワイヤグリッド偏光素子の製造方法の例
[本発明のワイヤグリッド偏光素子の製造方法I]
本発明で用いるワイヤグリッド偏光素子を製造方法の例の1つとして、基材として格子状凸部を有する前記樹脂基材を用いた、ワイヤグリッド偏光素子の製造方法Iについて説明する。図3(3a)〜(3f1)は本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光素子の製造方法Iを説明するための断面図である。
・本発明で用いる格子状凸部を有する樹脂基材を得る工程
先ず、図3(3a)に示すように、樹脂基材1と表面に周期240nm以下の凹凸格子を有する金型5(前記の金型A)とを準備する。次いで、(3b)、(3c)に示すように、樹脂基材1に金型5の凹凸格子を熱プレスなどの処理により押圧して、凹凸格子のパターンを転写することで、本発明で用いる、240nmレベル又はそれ以下の周期の格子状凸部を有する樹脂基材を得ることが出来る(この方法を方法IIと呼ぶ)。樹脂基材の表面への格子状凸部を有する構造の形成しやすさを考慮すると、紫外線硬化性樹脂を塗布した透明樹脂基材に金型5を押圧した後、紫外線を照射して硬化させて離型することにより、格子状凸部を転写することが好ましい。
この方法IIによれば、既に周期が240nm以下の格子状凸部を有する型を用いるので、前記の方法1のような複雑な延伸工程を経ることなく、本発明で用いる周期が240nm以下の格子状凸部を有する樹脂基材を量産することが可能となる。更に、方法I、方法IIを適当に組み合わせ、繰り返し用いることで、比較的大きな周期を持つ凹凸格子から、より微細な凹凸格子を作製することも可能となる。
・格子状凸部を有する樹脂基材に誘電体層を形成する工程
次いで、図3(d)に示すように、誘電体で樹脂基材1の格子状凸部及びその側面の少なくとも一部を被覆し、誘電体層2を形成する。このとき、誘電体層は、格子状凸部の側面や格子状凸部間の凹部に比べ、格子状凸部の凸部の上に厚く形成される傾向がある。誘電体層の形成においては、格子状凸部の上部の幅が下部よりも広いアンダーカット形状に補正されることが好ましい。これにより、金属ワイヤを効率良く、格子状凸部の凸部の上に誘電体層2を形成することが出来る。このような格子状凸部の形状補正の方法としては、逆スパッタリング法等を用いることが出来る。
・誘電体層上に金属を積層する工程
次いで、図3(e1)に示すように、格子状凸部を有する樹脂基材1上に被覆した誘電体層2上に金属3を積層する。このとき、金属3は、誘電体で被覆された格子状凸部の側面や格子状凸部間の凹部に比べ、主に格子状凸部の上に選択積層される。また、(e2)に示すように、斜め積層法を用いて、誘電体で被覆された格子状凸部間の凹部や凸部の片側側面の領域に金属を堆積させないようにすることが好ましい。
・微細凹凸格子に付着した不要金属の除去工程
次いで、必要に応じて、例えば酸又はアルカリ等の用いた金属のエッチャント処理液を用いて湿式エッチングを行う。前記格子状凸部間の凹部領域の金属の付着物を除去したり、金属ワイヤの凸部同士の接触を解消したり、金属ワイヤの断面形状を前記適正範囲に修正することが出来る。
・金属ワイヤ上に誘電体を積層する工程
図3(f1)に示すように、格子状凸部を有する基材を用いた場合の金属ワイヤ上に設ける誘電体4は、前記したようにワイヤグリッド偏光素子又は接合ワイヤグリッド偏光素子を積層した場合に、ワイヤグリッド偏光板の厚み方向の金属ワイヤの位置の非対称性による光学特性の低下及び積層時の金属ワイヤの破損を防ぐための保護層としての役割を有するもので、必要に応じて行う。積層方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を用いれば良い。
[本発明のワイヤグリッド偏光素子の製造方法II]
本発明で用いるワイヤグリッド偏光素子を製造方法の別例として、平坦な基材を用いた、ワイヤグリッド偏光素子の製造方法IIについて説明する。図4(4a)〜(4h)は本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光素子の製造方法IIを説明するための断面図である。
・基材に誘電体層を形成する工程
図4(4a)、(4b)に示すように、本発明で用いる基材1表面に前記誘電体2を被覆し、誘電体層を形成する。例えば、酸化アルミニウム、窒化珪素などの誘電体をスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティングなどの物理的な蒸着法により基材を被覆すれば良い。
・誘電体層上に金属層を形成する工程
図4(4c)に示すように、誘電体層上に本発明で用いる金属層3を形成する。例えば、アルミニウムをスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティングなどの物理的な蒸着法により誘電体層上に積層すれば良い。
・金属層上に240nm以下の格子状凸部を有する樹脂マスクを形成する工程
図4(4d)に示すように、先ず、前記金属層上に熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂のマスク用樹脂の塗膜4を形成する。例えば、バーコーター法、スプレー法やスピンコート法で均一に塗工すれば良い。次いで、(4e)に示すように、マスク用樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合は金型Aを、マスク用樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いた場合は型Cを金型5として用いて、それぞれのマスク用樹脂表面と型5との間に隙間が生じないように密着させて押し付けながら、(4f)に示すように型を通して熱をかける又は紫外線を照射してマスク用樹脂を硬化させた後、型を剥離し、金属層上に240nm以下の格子状凸部を有する樹脂マスクを形成する。
・金属ワイヤを形成する工程
図4(4g)に示すように、前述した金属層上に240nm以下の格子状凸部を有する樹脂マスクをエッチングマスクとして用い、金属層の下地が現れ、金属層上に樹脂マスクの格子パターンが生じるまでエッチング処理Aを行う。マスク用樹脂のエッチング処理Aには、例えば酸素フラズマエッチングなどのRIEエッチングやエキシマレーザーを用いたエッチング処理などを行えば良い。これらのドライエッチングによれば、樹脂マスクの厚みの違いなどによる樹脂の分解/灰化の違いを利用することで、樹脂マスクの格子パターンを得ることが出来る。
次に、樹脂マスクの格子パターンをエッチングマスクとして、図4(4h)に示すように誘電体層の下地が現れ、誘電体層上に金属ワイヤの格子パターンが生じるまで金属層にエッチング処理Bを行う。このとき、金属ワイヤ上部にマスク用樹脂が残った場合、再度エッチング処理Aを行ないマスク用樹脂を除去することが好ましい。金属層のエッチング処理Bには、例えばアルミニウムの場合、四塩化炭素などのハロゲン系反応性ガスを用いてRIEエッチング処理などを行えば良い。これらのドライエッチングでは、反応性ガス、誘電体の種類、処理条件などの要因で誘電体層の一部もエッチングされる場合もあるが、本発明にはこのような場合も含まれるものである。最後に、ワイヤグリッド偏光素子の製造方法Iと同様、必要に応じて金属ワイヤ上に誘電体を積層することが出来る。
[本発明のワイヤグリッド偏光素子の接合方法(接合ワイヤグリッド偏光素子の製造方法)の例]
本発明のワイヤグリッド偏光素子の接合方法の例は、図3(3f2)、図8(8a)に示すように前記ワイヤグリッド偏光素子の各単位要素の端部が重なることなく、且つ直線状凹凸部が互いに平行で同じ面になるように、更に接合ワイヤグリッド偏光素子を積層した場合に欠陥が生じないように接合部の隙間を調整して、可視領域において光学的に透明である紫外線硬化性樹脂等の光学的接合剤を用いて、ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤの高さが出来るだけ揃うように、2次元的に接ぎ合わせれば良い。このとき、光学的接合剤の屈折率は、基材または誘電体との屈折率との差がないことが好ましい。より好ましくは基材との屈折率との差がないことである。具体的な接合方法は、2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素を、両単位要素の端部の位置が上下で重ならないように対面積層させた後、各ワイヤグリッド偏光素子の面を広げていく形(壁にタイルを順に貼って行くような形)で端部を2次元的に接ぎ合わせれば良い。接合ワイヤグリッド偏光素子では、2次元的に広がった各ワイヤグリッド偏光素子の単位要素の直線状凹凸部同士の平行性が特に重要であり、その直線方向に伸びるグリッド格子の方向のズレ角度の大きさは1度未満、好ましく0.5度、更に好ましく0.4度以下にする。
なお、特許文献6に示された方法では、端部に遮光部を設けたり、端部が重ね合わされるように並べてワイヤグリッド偏光素子を接合するため、接合部に厚みを生じることとなり、そのような接合ワイヤグリッド偏光素子は積層することが困難であったり、積層できた場合でもその厚みは、本発明の積層ワイヤグリッド偏光板に比べ、著しく厚くなる。
[ワイヤグリッド偏光素子又は接合ワイヤグリッド偏光素子の積層方法(積層ワイヤグリッド偏光板の製造方法)の例]
図3(3g)、(3h1)、(3h2)、図8(8b)に示すように2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素又は接合ワイヤグリッド偏光素子を、その直線状凹凸部がほぼ平行で、且つその直線状凹凸部が互いに向き合う形で、可視領域において光学的に透明である紫外線硬化性樹脂等の光学的接合剤を用いて積層する。このとき、光学的接合剤の屈折率は、基材または誘電体との屈折率との差がないことが好ましい。より好ましくは基材との屈折率との差がないことである。
特に、(3h2)に示すように接合ワイヤグリッド偏光素子の場合は、前記、接合ワイヤグリッド偏光素子を構成する単位要素の端部が上下において重ならないようにする。また、積層は、ワイヤグリッド偏光素子の溝の一部に紫外線硬化性樹脂等の光学的接合剤を塗布しておき、積層時の光線透過率が最大になるように2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素又は接合ワイヤグリッド偏光素子の位置を決めた後、紫外線を照射し、硬化すれば良い。
また、積層にあたっては、接合ワイヤグリッド偏光素子と同様に、各ワイヤグリッド偏光素子の単位要素または各接合ワイヤグリッド偏光素子の直線状凹凸部同士の平行性が、即ち、直線方向に伸びるグリッド格子の方向のズレ角度の大きさが1度未満、好ましく0.5度、更に好ましく0.4度以下にする。
なお、図5の特許文献1〜特許文献6に示された積層する方法では、積層される金属ワイヤの厚み方向の位置に重なりがないため、積層による消光比の改善の効果はあるが、ワイヤグリッドの周期を狭めるという効果は小さいものとなっている。比較的大きな周期を有するワイヤグリッド偏光素子を用いて、周期を狭める効果を発現するには、図1に示した本発明の積層ワイヤグリッド偏光板のように、積層される金属ワイヤの厚み方向の位置に重なりが生じるようにすることが欠かせないのである。この時、積層される金属ワイヤの厚み方向の位置のズレは、±100nm、好ましく50nm、より好ましくは30nm、最も好ましくないことである。
ワイヤグリッド偏光素子又は接合ワイヤグリッド偏光素子を積層することで、保護フィルムが不要となるだけでなく、ワイヤグリッド偏光素子又は接合ワイヤグリッド偏光素子に用いる基材の複屈折性を解消するように積層したりすることも出来る(例えば、積層時に基材の複屈折の方向が平面内90度ズレるようにすれば良い)。
このような工程により、今まで実現出来なかった120nmレベル又はそれ以下の周期の微細凹凸格子を有する積層ワイヤグリッド偏光板を比較的大きな周期を有するワイヤグリッド偏光素子を用いて得ることが出来る。この積層ワイヤグリッド偏光板は、基材と金属ワイヤとの間に、これらと密着性の高い誘電体層を設けることで基材と金属ワイヤを強固に結合出来るため、金属ワイヤの高さを比較的高くすることが出来る。この結果、樹脂基材上に形成された非常に微細な周期を持つ金属ワイヤグリッドにより、被偏光光の領域である可視光領域のほぼ全領域にわたって99.9%以上の偏光度を発揮することが出来る。
次に、本発明に係る積層ワイヤグリッド偏光板を液晶表示装置に用いた場合について説明する。図7に、本発明の実施の形態に係る積層ワイヤグリッド偏光板を用いた液晶表示装置の一形態を示す。
図7に示す液晶表示装置は、光を発光するバックライトのような照明装置11と、この照明装置11上に配置された積層ワイヤグリッド偏光板12と、積層ワイヤグリッド偏光板12上に配置された液晶パネル132および偏光板133とから主に構成される。すなわち、本発明に係る積層ワイヤグリッド偏光板12は、液晶パネル132と照明装置11との間に配置される。
液晶パネル132は、透過型液晶パネルであり、ガラスや透明樹脂基板間に液晶材料などを挟持して構成されている。なお、図7の液晶表示装置中において、通常使用されている偏光板保護フィルム、位相差フィルム、拡散板、配向膜、透明電極、カラーフィルタなどの各種光学素子については説明を省略する。
このような構成の液晶表示装置においては、照明装置11から出射された光が積層ワイヤグリッド偏光板12の樹脂基材1の基部側から入射し、ワイヤ側から液晶パネル132を通過して外界に出射される(図中の矢印方向)。この場合において、積層ワイヤグリッド偏光板12が可視光領域において優れた偏光度を発揮するので、コントラストの高い表示を得ることが可能となる。また、さらに高いコントラストが要求される場合には、偏光板133の外側、すなわち照明装置11と反対の方向から入射する(外)光が、液晶パネル132を透過して積層ワイヤグリッド偏光板12により反射され、再び液晶パネル132の外側に戻るのを防止するために、積層ワイヤグリッド偏光板12と液晶パネル132との間に、よう素などの二色性色素を用いた吸収型の偏光板131を、積層ワイヤグリッド偏光板12と偏光軸を合わせて挿入することが好ましい。この場合、吸収型の偏光板は透過率が高いものが好ましく、偏光度は低いものであっても良い。
本発明の積層ワイヤグリッド偏光板を投射型液晶表示装置の偏光板に用いることも出来る。投射型液晶表示装置は、光源と、その光源からの光を偏光分離する積層ワイヤグリッド偏光板と、その積層ワイヤグリッド偏光板により偏光された光を透過又は反射する液晶表示素子と、その液晶表示素子を透過又は反射した光をスクリーンに投射する投射光学系とから主に構成される。すなわち、本発明に係る積層ワイヤグリッド偏光板は、光源と液晶表示素子との間に配置される。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
[格子状凸部を有する基材を用いた積層ワイヤグリッド偏光板]
(格子状凸部を有する樹脂基材の作製)
・凹凸格子形状が転写されたCOP板の作製
基材樹脂へ転写したとき、周期pが240nmで、格子状凸部の高さHが120nm、格子状凸部の幅wが48nmとなる、凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパ、及び、p、H、wが異なるニッケルスタンパ数種類を準備した。その平面寸法は厚さ0.3mm、格子の長手方向(以下、縦という)300mm、格子の長手方向と垂直な方向(以下、横という)180mmであった。この凹凸格子は、レーザ干渉露光法を用いたパターニングと前記の金型の作製方法により作製されたものであり、その断面形状は正弦波状で、上面からの形状は縞状格子形状であった。
・紫外線硬化性樹脂を用いた格子状凸部転写フィルムの作製
厚み0.188mmのCOP樹脂フィルム(JSR株式会社製、アートンフィルム、屈折率1.51)に紫外線硬化性樹脂(スリーボンド社製TB3078D、屈折率1.41)を約0.03mm塗布し、塗布面を下にして上記の微細凹凸格子を有するニッケルスタンパ上に、それぞれ端部からニッケルスタンパとフィルム間に空気が入らないように載せ、COP樹脂フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm2照射し、ニッケルスタンパの微細凹凸格子を転写した。続いて、ニッケルスタンパからCOP樹脂フィルムを剥離した後、窒素雰囲気下でCOP樹脂フィルムに紫外線を500mJ/cm2照射し、COP樹脂フィルム上の紫外線硬化性樹脂を硬化させて、縦300mm、横180mmの微細格子が転写されたフィルム(以下、格子状凸部転写フィルムという)を作製した。格子状凸部転写フィルムの断面をFE−SEMで観察し、格子状凸部転写フィルムの凸部の高さH1を求めた。このようにして得られた格子状凸部転写フィルムを、格子状凸部を有する樹脂基材として用いる。
(実施例1〜9の積層ワイヤグリッド偏光板の作製)
・スパッタリング法を用いた誘電体層の形成
上記の方法で作製した色々なp、H、wを持つ格子状凸部転写フィルムに、スパッタリング法を用い誘電体層を形成した。本実施例では、誘電体として窒化珪素(Siと呼ぶ。添字は必ずしも組成を意味しない。)又は酸化珪素(SiOと呼ぶ)を用いた場合について説明する。Arガス圧力0.67Pa、スパッタリングパワー4W/cm、被覆速度0.22nm/sにて誘電体の被覆を行った。層厚み比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を格子状凸部転写フィルムと同時に装置に挿入し、平滑ガラス基板への誘電体積層厚みが所定の厚みとなるように成膜を行った。誘電体を被覆した格子状凸部転写フィルムの断面を、FE−SEMで観察し、高低差H2 *を求めた。また、分光エリプソメータ、反射率測定装置等の分光学機器を用いて、誘電体及びB領域の屈折率を求めた。
・真空蒸着法を用いた金属の蒸着
格子状凸部転写フィルムに誘電体層を形成した後、電子ビーム真空蒸着法(EB蒸着法)を用いて金属ワイヤを形成した。本実施例では、金属としてアルミニウム(Al)を用いた場合について説明する。真空度2.5×10-3Pa、蒸着速度4nm/s、常温下においてAlの蒸着を行った。層厚み比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を誘電体積層格子状凸部転写フィルムと同時に装置に挿入し、平滑基板へのAl蒸着厚みが所定の厚みとなるように蒸着を行った。実施例1〜実施例5では、格子の長手方向と垂直に交わる平面内において基材面の法線と蒸着源とのなす角度θを1°〜10°とし、実施例6〜実施例9ではθを15°〜30°とした。
・エッチングによる不要金属の除去
格子状凸部転写フィルムに誘電体及びAlを積層した後、フィルムを室温下の0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液中で、処理時間を30〜120秒の間で10秒間隔で変えながら洗浄(エッチング)し、すぐに水洗してエッチングを停止し、その後フィルムを乾燥させ、ワイヤグリッド偏光素子を作製した。続いて、後述するようにこれらを積層し、積層ワイヤグリッド偏光板としたとき、所定の光学特性、例えば、波長550nmの光に対する偏光度と光線透過率を測定し、偏光度がほぼ99.9%以上で、最大の透過率を示したものを本発明のワイヤグリッド偏光素子とした。得られたワイヤグリッド偏光素子の大きさは、縦300mm、横180mmであった。
比較例4として、格子状凸部転写フィルム上に、誘電体の積層を行わないこと以外は上記の実施例1と同様にしてアルミニウムの蒸着を行い、0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液中で60秒洗浄した。この場合、偏光性能を発揮するのに必要なAlのワイヤが存在するものの、Alのワイヤが基材の格子状凸部から部分的に剥離し、評価出来る積層ワイヤグリッド偏光板を作製することは出来なかった。
・金属ワイヤ上に誘電体を積層する工程
今回の実施例では、エッチングによる不要金属の除去した後、積層時の金属ワイヤの破損を防ぐための保護層として、金属ワイヤ上に設ける誘電体4として、誘電体層2と同種のものを誘電体層2と同様にして、1nm〜5nm程度積層した。
・ワイヤグリッド偏光素子の接合及び積層
積層は、ワイヤグリッド偏光素子の溝の一部に前記紫外線硬化性樹脂を塗布し、積層時の光線透過率が最大になるように2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素の位置を決めた後、その直線状凹凸部がほぼ平行で、且つその直線状凹凸部が互いに向き合う形で紫外線を照射し、硬化した。なお、接合ワイヤグリッド偏光素子を積層する場合は、2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素の端部の位置が上下で重ならないように対面積層させた後、各ワイヤグリッド偏光素子の面を広げていく形で端部を紫外線硬化性樹脂を用いて2次元的に接ぎ合わせた。
このようにして、格子状凸部を有する樹脂基材を用いて作製した積層ワイヤグリッド偏光板の光学特性を測定し、それらの結果を表1にまとめて示した。また、実施例1と実施例8の比較例として、積層する前の偏光素子としての光学特性をそれぞれ比較例1、比較例2として表1に示す。
これらの結果から、積層することで飛躍的に光学特性が良くなること、更に積層ワイヤグリッド偏光板を構成するワイヤグリッド偏光素子の構造(周期p、Duty比、H 、H、w、格子状凸部側面への金属の積層の有無等)の影響がわかる。
[平らな基材を用いた積層ワイヤグリッド偏光板]
(実施例10〜11の積層ワイヤグリッド偏光板の作製)
・スパッタリング法を用いた誘電体層の形成
縦300mm、横180mmで、厚み0.188mmのCOP樹脂フィルム(JSR株式会社製、アートンフィルム)上に、スパッタリング法を用い誘電体を積層した。本実施例では、誘電体として窒化珪素、酸化アルミニウム、OH−5(キャノンオプトロン株式会社製)を用いた。層厚み比較用サンプルとして表面が平滑なシリコンウエハー基板を格子状凸部転写フィルムと同時に装置に挿入し、シリコンウエハー基板への各誘電体積層の厚みが所定の厚みとなるように成膜を行った。窒化珪素の場合は、Arガス圧力0.67Pa、DCマグネトロンのスパッタリングパワー4W/cm2、積層速度0.22nm/sにて誘電体の積層を行った。
・スパッタリング法を用いた金属層の形成
続いて、誘電体を積層したCOPフィルムの誘電体層上にスパッタリング法を用い金属を積層した。本実施例では、金属としてアルミニウムを用いた場合について説明する。Arガス圧力0.67Pa、DCマグネトロンのスパッタリングパワー4W/cm2、積層速度3.3nm/sにてアルミニウムの積層を行った。層厚み比較用サンプルとして表面が平滑なシリコンウエハー基板を格子状凸部転写フィルムと同時に装置に挿入し、シリコンウエハー基板へのアルミニウム層の厚みが所定の厚みとなるように成膜を行った。
・金属層上への格子状凸部を有する樹脂マスクの形成
前記金属層上にスピンコーターを用いて、紫外線硬化性樹脂(スリーボンド社製、TB3078D、屈折率1.41)を約0.03mmの厚みで塗布した。続いて、塗布面上に上記、紫外線硬化性樹脂へ転写したとき、周期pが240nmで、格子状凸部の高さHが120nm、格子状凸部の幅wが48nmとなる、凹凸格子を表面に有するCOP樹脂製の型Cを、型Cと紫外線硬化性樹脂との間に空気が入らないようにそれぞれ端部から載せ、型C側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cmで照射し、型Cの微細凹凸格子を紫外線硬化性樹脂の表面に転写した。続いて、紫外線硬化性樹脂の表面から型Cを剥離した後、更に紫外線硬化性樹脂の表面に紫外線を500mJ/cmで照射し、紫外線硬化性樹脂の未硬化成分を硬化させて、金属層上に紫外線硬化性樹脂で出来た周期pが240nmで、格子状凸部の高さHが120nm、格子状凸部の幅wが48nmとなる格子状凸部を有する樹脂マスクを作製した。
・金属ワイヤの形成、ワイヤグリッド偏光素子及び積層ワイヤグリッド偏光板の作製
金属層上の紫外線硬化性樹脂で出来た周期120nmの格子状凸部をエッチングマスクとして用い、金属層の下地が現れ、金属層上に樹脂の格子パターンが生じるまで、エッチング処理Aとして酸素を50cc/分流し、出力100Wでリアクティブイオンエッチング(RIEエッチング)処理を行った。続いて、誘電体層の下地が現れ、誘電体層上に金属ワイヤの格子パターンが生じるまで、エッチング処理Bとしてアルミニウムの金属層を、四塩化炭素ガスを用いて、ガス流量100cc/分、高周波電力密度0.2W/cm2、全圧5PaでRIEエッチング処理を行った。このとき、アルミニウムワイヤ上部に樹脂が残ったため、再び、金属層上に樹脂が除去されるまで、再度、酸素を50cc/分流し、出力100WでRIEエッチング処理を行ない、本発明のワイヤグリッド偏光素子を得た。これを前記の方法にて積層して積層ワイヤグリッド偏光板、実施例10〜実施例11を得た。
このようにして、平らな基材を用いて作製した積層ワイヤグリッド偏光板の光学特性を測定し、その結果を表1にまとめて示す。また、実施例10の比較例として、積層する前の偏光素子としての光学特性を比較例3として表1に示す。
これらの結果から、積層することで飛躍的に光学特性が良くなること、更に積層ワイヤグリッド偏光板を構成するワイヤグリッド偏光素子の構造(周期p、Duty比、H、H、w等)の影響がわかる。
・分光光度計による偏光性能評価と形状評価
上記のようにして作製して得られた実施例1〜実施例11の積層ワイヤグリッド偏光板及び比較例1〜比較例3のワイヤグリッド偏光素子について、分光光度計を用いて低波長域(400nm)、中波長域(550nm)、高波長域(700nm)における偏光度、光線透過率を偏光度及び光線透過率を測定した。ここでは、直線偏光に対する平行ニコル、直交ニコル状態での光線透過率を測定し、偏光度は下記式より算出し、積層ワイヤグリッド偏光板及びワイヤグリッド偏光素子の構造と合わせて表1に示す。
偏光度=(Imax−Imin)/(Imax+Imin)×100 %
光線透過率=(Imax+Imin)/2 × 100 %
ここで、Imaxは平行ニコル時の透過光強度であり、Iminは直交ニコル時の透過光強度である。
Figure 2008268299

以上、実施例と比較例との比較から、基材として特に樹脂を用いた場合、無機誘電体の有無が金属ワイヤとの密着強度の向上に大きな役割を有することが分かる。また、表1から分かるように、本発明に係る積層ワイヤグリッド偏光板は、比較例に比べ、可視光領域のほぼ全領域にわたって優れた偏光度と光線透過率を示した。このように、本発明に係る積層ワイヤグリッド偏光板は、樹脂基材と誘電体層と金属ワイヤとの間で十分な密着力があり、且つ構成上の金属種の制約がなく、しかも比較的大きな周期を有するワイヤグリッド偏光素子を用いて、可視光領域の広帯域にわたって優れた光学特性(偏光度と光線透過率)を持ち、更に寸法が大きく、厚みが薄く、重量が軽いワイヤグリッド偏光板を得ることが出来ることが分かった。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態における寸法、材質などは例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態における導光板、反射板、偏光板については、板状の部材である必要はなく、必要に応じてシート状、フィルム状であっても良い。更に、本発明で得られる積層ワイヤグリッド偏光板は、液晶表示装置や偏光が必要とされる液晶表示装置以外のデバイスなどに適用することが出来る。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明の実施の形態に係る積層ワイヤグリッド偏光板の一部を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る積層ワイヤグリッド偏光板の製造法で用いる型の作製方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る、格子状凸部を有する基材を用いた積層ワイヤグリッド偏光板の製造法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る、平らな基材を用いた積層ワイヤグリッド偏光板の製造法を説明するための断面図である。 従来の積層ワイヤグリッド偏光板の一部を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光素子の一部を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る積層ワイヤグリッド偏光板を用いた液晶表示装置の一形態を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る積層ワイヤグリッド偏光板の接合法及び積層法を説明するための上面図である。
符号の説明
1 基材
2、4 誘電体
3 金属層又は金属ワイヤ
5 熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂
6 熱可塑性樹脂
7 樹脂基材(延伸済み)
8 金属スタンパ
11 バックライト
12 ワイヤグリッド偏光板
13 液晶表示パネル
131、133 偏光板
132 液晶パネル

Claims (13)

  1. 基材と金属ワイヤとの間に誘電体層を有し、多数の周期的な直線状凹凸部を有するワイヤグリッド偏光素子の単位要素において、
    2枚のワイヤグリッド偏光素子の単位要素が、その直線状凹凸部がほぼ平行で、且つその直線状凹凸部が互いに向き合って積層されたことを特徴とする積層ワイヤグリッド偏光板。
  2. 前記直線状凹凸部が互いに向き合って積層されたワイヤグリッド偏光素子を構成する単位要素の端部が、上下において重ならないことを特徴とする請求項1記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  3. 前記ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤの周期が、240nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  4. 前記ワイヤグリッド偏光素子の基材が樹脂基材であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  5. 前記ワイヤグリッド偏光素子が、格子状凸部を有する基材と、その基材の格子状凸部及びその側面の少なくとも一部を覆うように設けられた誘電体層と、その誘電体層上に設けられた金属ワイヤと、を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  6. 前記ワイヤグリッド偏光素子が、基材の格子状凸部の頂部より上方の誘電体層を含む領域の屈折率が、樹脂基材の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  7. 前記ワイヤグリッド偏光素子の誘電体層の屈折率が、基材の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  8. 前記ワイヤグリッド偏光素子の誘電体層が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム又はそれらの複合物で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  9. 前記ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤは、アルミニウム又はその合金で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  10. 前記ワイヤグリッド偏光素子の金属ワイヤが誘電体で被覆された格子状凸部の一方の側面に偏って設けられ、且つ
    一対のワイヤグリッド偏光素子内では金属ワイヤが前記凸部の同じ片側側面になるように2次元的に接がれた形となっており、更に凹凸部がほぼ平行に向き合って且つ
    金属ワイヤが前記凸部の反対の側面に偏って設けられた形になるように積層されたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の積層ワイヤグリッド偏光板。
  11. 液晶パネルと、前記液晶パネルに光を照射する照明手段と、前記液晶パネルと前記照明手段との間に配置された請求項1の積層ワイヤグリッド偏光板と、を具備することを特徴とする液晶表示装置。
  12. 前記液晶パネルが透過型液晶パネルであることを特徴とする請求項11記載の液晶表示装置。
  13. 光源と、前記光源からの光を偏光分離する請求項1記載の積層ワイヤグリッド偏光板と、前記偏光板により偏光された光を透過又は反射する液晶表示素子と、前記液晶表示素子を透過又は反射した光をスクリーンに投射する投射光学系と、を具備することを特徴とする投射型液晶表示装置。
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