JP5302183B2 - グロープラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの予熱などに使用するグロープラグ及びその製造方法に関する。
ディーゼルエンジンの予熱などに使用するグロープラグとしては、一般に、先端部の閉じた金属製のシースチューブ内に、発熱体としてのコイル部材を絶縁粉末とともに封入したシースヒータを用いるものが知られている。
シースチューブ内に配設されたコイル部材は、その先端部がシースチューブの先端に接合され、その後端部が、シースチューブ後部に挿入された通電端子軸の先端に接合されており、当該通電端子軸を介して通電されることにより発熱する。
上記シースヒータは一般的に以下のように製造される。先ず円筒状のチューブの先端をテーパ状に縮径する一方、通電端子軸の先端に接続されたコイル部材をチューブ内に配置する。そして、チューブの先端部にコイル部材の一端を溶接するとともにチューブ先端を閉塞する。その後、チューブ内にマグネシア等の絶縁粉末を充填し、チューブの後端を通電端子軸との間で封止部材により封止した状態でスウェージング加工を施す。このようにして得られたシースヒータを主体金具に突出状態で組付けることにより、グロープラグが完成する。
しかしながら、コイル部材は比較的柔らかいため、従来では、スウェージング加工を行った際に、コイル部材が途中で曲がってしまったり、偏芯してしまうおそれがあった。場合によっては、コイル部材の巻線ピッチが不均一になることもあった。また、コイル部材の曲がりが大きいと、シースチューブとコイル部材とが接触し通電時に短絡してしまうため、設定温度に達しないなどの不具合が発生するおそれがあった。一方、各コイル部材毎の巻線ピッチの不均一さにより各グロープラグ毎のヒータ昇温特性に大きなバラツキが生じるおそれもあった。
これに対し、近年では、スウェージング加工に先立ってコイル部材内に棒状の絶縁体を挿通することで、シースチューブ内の充填密度を高め、上記不具合の発生を抑制することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
但し、図9に示すシースヒータ50のように、棒状の絶縁体51をコイル部材52内に挿通した場合でも、当該絶縁体51が比較的細径のものであると、コイル部材52の内周部とのクリアランスが比較的大きくなり、上記同様にコイル部材52が大きく曲がるおそれがあるため、図10に示すようにコイル部材52の内周部とのクリアランスが小さくなるよう、比較的太径の絶縁体61を用いることが好ましい。
特開2004−340562号公報
しかしながら、図10に示すように、一般的なコイル部材52の先端部近傍は、シースチューブ53の先端側テーパ部53aと接触しないように、テーパ状に縮径されている。そのため、太径の絶縁体61を用いた場合には、コイル部材52の曲がりは小さくできるものの、当該絶縁体61をコイル部材52のテーパ状縮径部52a内の先の方まで挿入できないこととなる。この場合、コイル部材52の先端部近傍は、絶縁粉末のみが充填されることとなり、充填密度が比較的低い状態となる。絶縁体61が挿通されていないこの部位にスウェージング加工が行われると、この部位では局部的にコイル部材52の変形量が大きくなったり太さが不均一となったりするおそれがある。これは、スウェージング加工よりシースチューブが変形し、この変形による絶縁粉末の移動に伴って生じる応力がコイル部材に及ぶことが主たる原因として考えられる。コイル部材が局部的に大きく変形すると太さが不均一となり、特に細い部分では抵抗値が大きくなって局部発熱するおそれがあり、早期断線の原因となりうる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コイル部材の不均一な変形や偏芯等を抑制し、耐久性の向上を図るとともに、ヒータ昇温特性のばらつきを抑制することのできるグロープラグ及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成のグロープラグは、
軸線方向に延び、先端部が閉塞した筒状のシースチューブと、
抵抗発熱線よりなり、前記シースチューブ内にその軸線に沿って配置されるとともに、前記シースチューブの先端に接合されたコイル部材と、
前記シースチューブ内に充填される絶縁粉末とを有し、
スウェージング加工を経て形成されるグロープラグであって、
前記スウェージング加工に先立って、絶縁性材料よりなる棒状の絶縁体が前記コイル部材に挿通されるともに、
前記絶縁体の先端側には、自身の一般部の外径よりも細径となる細径部が形成され、当該細径部が前記コイル部材の先端寄り部位のテーパ状縮径部の内側に挿通された状態で前記スウェージング加工が行われ、
前記絶縁体の先端部が、前記スウェージング加工が施される軸線方向所定区間のうちの先端側端部位置よりも先端側に位置し、
前記絶縁体の細径部が、自身の先端部に向けてテーパ状に縮径したテーパ部となっており、
前記絶縁体のテーパ部の外周部と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角αとし、
前記コイル部材のテーパ状縮径部の内周部を結ぶ接線と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角βとしたとき、
β<α≦β+10°
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成1のように、スウェージング加工前で絶縁体の先端部に細径となる部分を形成することにより、コイル部材のテーパ状縮径部のより先端の方まで絶縁体を詰めることができる。スウェージング加工が施される軸線方向所定区間を越えて先端側にまで絶縁体を位置させることによって、スウェージング加工の際にコイル部材が不均一に変形されるのを防止することができ、早期断線を防止できる。
また、上記構成1によれば、コイル部材の先端寄り部位のテーパ状縮径部の内側に挿通された状態となる絶縁体の細径部がテーパ部となっているため、当該絶縁体のテーパ部の外周部と、コイル部材のテーパ状縮径部の内周部とのクリアランスをより小さくでき、早期断線の防止効果をより高めることができる。
また、絶縁体をコイル部材に挿入する際に仮に絶縁体が軸ずれしていたとしても、絶縁体のテーパ部がコイル部材のテーパ状縮径部の内周面を滑るように入っていくようになるため、テーパ状縮径部の途中で絶縁体が引っ掛かりにくく、作業性の向上、ひいては歩留まりの向上を図ることのできるより良い構成とすることができる。
構成.本構成のグロープラグは、上記構成において、
軸線方向に対して前記シースチューブの先端内面から前記絶縁体の先端部までの距離をBとしたとき、
0≦B≦1(mm)
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成のように、絶縁体がシースチューブの先端内面に当接するまで又は先端内面の近傍まで配設されることにより、上記構成1の作用効果がより確実に奏される。
構成.本構成のグロープラグは、上記構成1又は2において、
前記シースチューブの一般部の内径と、前記コイル部材の一般部の外径との径差をDxとしたとき、
0.4mm≦Dx≦1.1mm
の関係を満たすとともに、
前記コイル部材の一般部の内径と、前記絶縁体の一般部の外径との径差をCxとしたとき、
Cx≦0.3×Dx
の関係を満たすように形成されたことを特徴とする。
シースチューブの一般部の内周部と、コイル部材の一般部の外周部とのクリアランスは小さすぎると、溶接時やスウェージング加工時の製造バラツキ等により両者が接触して短絡しやすくなる。これを防止するため、上記径差Dxは、スウェージング加工後において0.4mm以上となることが好ましい。逆に、両者間のクリアランスが大きすぎると、チューブ表面温度が上昇しにくくなり、ヒータ昇温特性に影響がでる。これを防止するため、上記径差Dxはスウェージング加工後において1.1mm以下となることが好ましい。なお、シースチューブ、コイル部材及び絶縁体の一般部とは、それぞれ軸線方向に沿って均一に延びている部位を指す。
そして、コイル部材に絶縁体を挿通することにより、スウェージング加工時に限らず、当該スウェージング加工に先立ってコイル部材をチューブ内に配置する工程や、チューブ先端にコイル部材を溶接する工程などにおいて、コイル部材が自重により倒れるなどの不具合を防止し、コイル部材の偏芯やコイル曲がり等を低減することができる。従って、シースチューブとコイル部材との短絡の発生を低減させることができる。このような作用効果は、より細径のコイル部材を有するグロープラグにおいて奏効し、この効果を十分に得るためにCx≦0.3×Dxとしている。
構成.本実施形態のグロープラグは、上記構成1乃至のいずれか1つにおいて、
前記絶縁体の後端側に、前記先端側の細径部と同一の細径部が形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、絶縁体の両端部に同一の細径部が形成されるため、コイル部材への絶縁体の挿通作業を行う際に、細径部の有無を確認するといった絶縁体の方向選別作業が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
構成5.本構成のグロープラグの製造方法は、
軸線方向に延びる筒状のシースチューブ内に、抵抗発熱線よりなるコイル部材をその軸線に沿って配置する配置工程と、
前記シースチューブの先端を閉塞させるとともに当該先端部に前記コイル部材の先端を接合する接合工程と、
前記シースチューブ内に絶縁粉末を充填する充填工程と、
前記シースチューブにスウェージング加工を施すスウェージング工程とを備えたグロープラグの製造方法であって、
前記スウェージング工程に先立って、絶縁性材料よりなる棒状の絶縁体を前記コイル部材に挿通する挿通工程を備え、
前記絶縁体の先端側に形成され、自身の一般部の外径よりも細径となる細径部が、前記挿通工程において、前記コイル部材の先端寄り部位のテーパ状縮径部の内側に挿通された状態となることによって、
前記スウェージング工程において、前記スウェージング加工が施される軸線方向所定区間のうちの先端側端部位置が、前記絶縁体の先端部の位置よりも後端側となるようにし、
前記絶縁体の細径部が、自身の先端部に向けてテーパ状に縮径したテーパ部となっており、
前記絶縁体のテーパ部の外周部と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角αとし、
前記コイル部材のテーパ状縮径部の内周部を結ぶ接線と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角βとしたとき、
β<α≦β+10°
の関係を満たすようにしたことを特徴とする。
上記構成によれば、仮にスウェージング加工の際にチューブ内で絶縁体が粉々に折れてしまったとしても、当該加工時に絶縁体がコイル部材内に挿通されていることにより、当該加工によるコイル部材への影響は極力抑えられる。結果として、上記構成に係る作用効果と同様の作用効果が得られるグロープラグを歩留まり良く製造することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1(a)は、本発明により製造されるグロープラグの一例を示す全体図であり、図1(b)はその縦断面図である。
図1(a),(b)に示すように、グロープラグ1は、筒状の主体金具2と、主体金具2に装着されたシースヒータ3とを備えている。
主体金具2は、軸線C方向に貫通する軸孔4を有するとともに、その外周面には、ディーゼルエンジンへの取付用のねじ部5と、トルクレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部6とが形成されている。
シースヒータ3は、シースチューブ7と通電端子軸8とが軸線C方向に一体化されて構成されている。
図2に示すように、シースチューブ7は、先端部が閉じた金属製(例えばステンレス鋼等)のチューブであって、その内側には、チューブ先端に接合された発熱コイル9と、当該発熱コイル9の後端に直列接続された制御コイル10とが封入されている。
さらに、シースチューブ7内には、発熱コイル9及び制御コイル10の内側に酸化アルミニウム(アルミナ)等の絶縁性材料からなる棒状の絶縁体11が挿通されるとともに、これらの隙間を埋めるように酸化マグネシウム(マグネシア)粉末等からなる絶縁粉末12が封入されている。そして、シースチューブ7の後端は、通電端子軸8との間で環状ゴム13により封止されている。前述のように、発熱コイル9はその先端においてシースチューブ7と導通しているが、発熱コイル9及び制御コイル10の外周部とシースチューブ7の内周部とは、絶縁粉末12の介在により絶縁された状態となっている。発熱コイル9及び制御コイル10により本実施形態におけるコイル部材が構成される。
発熱コイル9は例えばニッケルクロム合金等の抵抗発熱線により構成され、制御コイル10は発熱コイル9の材質よりも電気比抵抗の温度係数が大きい材質、例えばコバルト−鉄合金等の抵抗発熱線により構成されている。これにより、制御コイル10は、自身の発熱及び発熱コイル9からの発熱を受けることにより電気抵抗値を増大させ、発熱コイル9に対する電力供給量を制御する。従って、通電初期においては制御コイル10の温度が低く電気抵抗値が小さいため、発熱コイル9には比較的大きな電力供給がなされこれを急速昇温させる。そして、発熱コイル9の温度が上昇すると、その発熱により制御コイル10が加熱されて電気抵抗値が増大し、発熱コイル9への電力供給が減少する。これにより、ヒータの昇温特性は、通電初期に急速昇温した後、以降は制御コイル10の働きにより電力供給が抑制されて温度が飽和する形となるので、急速昇温性を高めつつコイル温度の過昇も生じにくくすることができる。
また、シースチューブ7には、後述するスウェージング加工等によって、その先端側に発熱コイル9等を収容する小径部7aが形成されるとともに、その後端側において小径部7aより径の大きい大径部7bが形成されている。そして、この大径部7bが、主体金具2の軸孔4に形成された小径部4aに対し圧入接合されることにより、シースチューブ7が主体金具2の先端より突出した状態で保持される。
通電端子軸8は、自身の先端がシースチューブ7内に挿入され、前記制御コイル10の後端と電気的に接続されるとともに、主体金具2の軸孔4に挿通されている。通電端子軸8の後端は主体金具2の後端から突出しており、この主体金具2の後端部においては、ゴム製等のOリング15、樹脂製等の絶縁ブッシュ16、絶縁ブッシュ16の脱落を防止するための押さえリング17、及び、通電用のケーブル接続用のナット18がこの順序で通電端子軸8に嵌め込まれた構造となっている。
ここで、グロープラグ1の製造方法について説明する。シースヒータ3の製造工程では、先ず挿通工程にて、溶接された発熱コイル9及び制御コイル10の内側に絶縁体11を挿通した後、制御コイル10の後端側を通電端子軸8に抵抗溶接等により接合する。
続く配置工程では、先ず最終寸法よりも加工代分だけ大径に形成され、かつ、先端が閉じられていない筒状のシースチューブ7の先端をテーパ状に縮径する。続いて、このシースチューブ7内に、絶縁体11の挿通された発熱コイル9及び制御コイル10と、これと一体となった通電端子軸8の先端を配置する。
そして、接合工程にて、シースチューブ7の先端部に発熱コイル9の先端をアーク溶接等により接合するとともに、当該シースチューブ7の先端を閉塞する。
その後、充填工程にて、シースチューブ7内に絶縁粉末12を充填した後、シースチューブ7の後端を環状ゴム13により封止する。そして、スウェージング工程にて、当該シースチューブ7の略全域にスウェージング加工を施し、所定寸法のシースチューブ7が形成される。これにより、当該シースチューブ7が通電端子軸8と一体となったシースヒータ3が完成する。
このように製造されたシースヒータ3は、別途成形された主体金具2の軸孔4に通電端子軸8の後端側から挿入され、シースチューブ7が軸孔4に圧入接合されることにより、シースチューブ7が主体金具2の先端より突出した状態で保持される。続いて、主体金具2の後端部から突出した通電端子軸8の後端部に上記Oリング15等が嵌め込まれることによって、グロープラグ1が完成する。
ここで、本発明の要部であるシースヒータ3の先端部近傍の構成について図3を参照して詳しく説明する。図3は、シースヒータ3の先端部近傍を説明するための模式図である。
シースチューブ7の先端周囲には、当該シースチューブ7の成形時に形成された先端側テーパ部30が設けられている。先端側テーパ部30が本実施形態における先端縮径部に相当する。さらに、先端側テーパ部30の先端側には、シースチューブ7と発熱コイル9とを溶融接合して形成された溶融接合部31が設けられている。
また、シースチューブ7の先端側テーパ部30の形状に合わせて、発熱コイル9の先端部近傍には、その最外周形状がテーパ状に縮径したテーパ状縮径部9aが設けられている。さらに、発熱コイル9に挿通される絶縁体11の先端部近傍にも、発熱コイル9のテーパ状縮径部9a内に配置されるのに合わせて、その最外周形状がテーパ状に縮径した先端側テーパ部11aが設けられている。先端側テーパ部11aが本実施形態における細径部に相当する。
絶縁体11の先端部11bは、スウェージング加工が施される軸線C方向の所定区間Wのうちの先端側端部位置Zよりもシースチューブ7の先端側に位置している。より詳しくは、次式(1)を満たすように設定されている。
0≦B≦1mm …(1)
つまり、本実施形態では、シースチューブ7の先端内面から1mm離れた位置よりもシースチューブ7の先端側にはスウェージング加工が施されないようになっている。
また、本実施形態では、絶縁体11の先端側テーパ部11aの軸線Cに対するテーパ角が、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの軸線Cに対するテーパ角よりも大きく設定されている。より詳しくは、絶縁体11の先端側テーパ部11aの外周部と軸線Cとがなす角のうち小なる角度を先端側テーパ部11aのテーパ角αとし、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの内周部を結ぶ接線と軸線Cとがなす角のうち小なる角度をテーパ状縮径部9aのテーパ角βとして、α=20°、β=15°に設定されている。これにより、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aへ絶縁体11の先端側テーパ部11aを挿通する作業が行いやすくなるため、テーパ状縮径部9aの途中で絶縁体11の先端部11bが引っ掛かり、適正に絶縁体11を挿通できないというような不具合の発生が低減される。
さらに、シースチューブ7の一般部の内径と、発熱コイル9の一般部の外径との径差Dx、すなわちシースチューブ7の一般部の内周部と、発熱コイル9の一般部の外周部との間のチューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2が、次式(2)を満たすように設定されている。
0.4mm≦D1+D2≦1.1mm …(2)
これは、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2が小さすぎると、溶接時やスウェージング加工時の製造誤差等により両者が接触して短絡しやすくなり、逆にチューブ−コイル間クリアランスD1又はD2が大きすぎると、チューブ表面温度が上昇しにくくなり、ヒータ昇温特性に影響がでるためである。
加えて、発熱コイル9の一般部の内径と、絶縁体11の一般部の外径との径差Cx、すなわち発熱コイル9の一般部の内周部と、絶縁体11の一般部の外周部との間のコイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2は、上記チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2に対する比が、次式(3)を満たすように設定されている。
C1+C2≦0.3×(D1+D2) …(3)
なお、シースチューブ7、発熱コイル9及び絶縁体11の一般部とは、それぞれ軸線C方向に沿って均一に延びている部位を指す。本実施形態では、発熱コイル9の一般部の外径及び内径と、制御コイル10の一般部の外径及び内径とが同一設定となっているため、発熱コイル9の配置区間と制御コイル10の配置区間とで上記同様の関係が成り立つ。
また、上記クリアランスC1,C2,D1,D2の値は、スウェージング加工後の実測値である。上記クリアランスC1,C2,D1,D2の値としては、上記関係式(2),(3)を満たす多様な値を設定可能であるが、これに関して、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2をそれぞれ1.0mm,0.7mm,0.4mmに設定した3種類の試作例を上記方法により作製し検証した。各試作例の測定データを表1〜3、及び図4〜7のグラフに示す。
Figure 0005302183
表1では、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2が1.0mmとなる試作例1に関して、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2をそれぞれ0.42mm,0.30mm,0.24mm,0.10mmに設定した4種類の試作例1a,1b,1c,1dについて示している。ここで、試作例1aは比較例であり、試作例1b,1c,1dが本実施例である。
表1には、各試作例1a〜1dに関して、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2、及び、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2に対するその比率が示されている。さらに、各試作例1a〜1dに係り、それぞれ100本ずつ作製されたサンプルのうち、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の値が最小だったものの当該クリアランスD1又はD2の値が表1には示されている。チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値は、試作例1aでは0mm、試作例1bでは0.15mm、試作例1cでは0.20mm、試作例1dでは0.32mmであった。図4に示すグラフは、表1に示したコイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2と、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値との関係を表したものである。ここでは、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2を横軸に、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値を縦軸にとって表している。
Figure 0005302183
表2では、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2が0.7mmとなる試作例2に関して、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2をそれぞれ0.31mm,0.20mm,0.13mm,0.05mmに設定した4種類の試作例2a,2b,2c,2dについて示している。ここで、試作例2aは比較例であり、試作例2b,2c,2dが本実施例である。
表2には、上記表1と同様に、各試作例2a〜2dに関して、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2に対するその比率、及び、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値が示されている。チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値は、試作例2aでは0mm、試作例2bでは0.13mm、試作例2cでは0.22mm、試作例2dでは0.32mmであった。図5に示すグラフは、上記図4のグラフと同様に、表2に示した関係を表したものである。
Figure 0005302183
表3では、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2が0.4mmとなる試作例3に関して、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2をそれぞれ0.18mm,0.11mm,0.08mm,0.04mmに設定した4種類の試作例3a,3b,3c,3dについて示している。ここで、試作例3aは比較例であり、試作例3b,3c,3dが本実施例である。
表3には、上記表1と同様に、各試作例3a〜3dに関して、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2に対するその比率、及び、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値が示されている。チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値は、試作例3aでは0mm、試作例3bでは0.17mm、試作例3cでは0.22mm、試作例3dでは0.31mmであった。図6に示すグラフは、上記図4のグラフと同様に、表3に示した関係を表したものである。
なお、図7のグラフは、図4〜6のグラフを同時に表したものである。図7から明らかなように、チューブ−コイル間クリアランスD1,D2の合計値D1+D2に対するコイル−絶縁体間クリアランスC1,C2の合計値C1+C2の比率が大きいものほど、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値が小さくなる傾向にある。特に、比率が0.4よりも大きい試作例1a、2a,3aでは、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値が0mmとなるサンプルがあった。最小値が0mmとは、シースチューブ7の一般部の内周部と、発熱コイル9又は制御コイル10の一般部の外周部とが接触していることを示し、これらのサンプルは通電時に短絡することとなる。そのため、試作例1a、2a,3aと同じタイプの製品を実際に製造した場合には短絡不良となる製品がでて、歩留まりが低下するおそれがある。逆に、比率が0.3以下となる他の試作例では、チューブ−コイル間クリアランスD1又はD2の最小値が0mmとなるサンプルは100本中一つもでなかった。従って、スウェージング加工後において上記関係式(3)を満たすものであれば、歩留まり良く製造することができる。
次に、本発明の効果を確認するべく、シースヒータ3の性能に関して検証した結果を表4に示す。ここでは、短絡の発生、コイル先端の変形量、ヒータ昇温特性及び耐久性について検証している。
Figure 0005302183
表4には、スウェージング加工後の絶縁体11の一般部の平均外径が1.8mmに設定され、先端形状の少なくとも一方を異ならせたシースヒータ3(実施例1,2)の検証結果と共に、絶縁体11の一般部の平均外径が1.4mm及び1.8mmに設定されたシースヒータ(比較例1,2)の検証結果が示されている。これら検証結果は、上記実施例1,2及び比較例1,2に係り、それぞれ100本ずつ作製されたサンプルの測定結果に基づくものである。なお、平均ヒータ昇温特性及び耐久性の検証においては、短絡発生の検証において短絡が発生した物を除いて平均値、ばらつき及び最短サイクル数を取得している。
短絡発生の検証においては、各サンプルのX線写真から、シースチューブ7の一般部の内周部と、発熱コイル9又は制御コイル10の一般部の外周部とが接触しているか否かを確認するクリアランス測定を行うとともに、通電して電流値を確認することにより、短絡発生の有無を判断した。
コイル先端の変形量の検証においては、各サンプルのX線写真から、発熱コイル9の先端部近傍の変形の具合を確認した。ここでは、不均一な変形がほとんどみられなかったものを良(○)、やや変形がみられたものを可(△)、過剰な変形がみられたものを不良(×)として評価した。
ヒータ昇温特性の検証においては、直流24Vの一定電圧を印加し、通電開始から6秒後の到達温度を測定する試験を各サンプルに対して行い、その平均値及びばらつきについて調べた。
耐久性の検証においては、直流26Vの電圧を30秒間印加した後、チューブ表面温度が50℃以下になるまで通電を休止するのを1サイクルとして、これを繰り返す通電耐久試験を行い、断線等の不具合が生じたサンプルのうち、最短のもののサイクル数を取得している。
表4から分かるように、スウェージング加工後の絶縁体11の一般部の平均外径が1.4mmに設定された比較例1では、短絡の発生したサンプルが確認された。これは、発熱コイル9や制御コイル10の一般部の外径に比べて絶縁体11の外径が比較的細く、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2が大きいため、スウェージング加工により発熱コイル9や制御コイル10が途中で曲がってしまったり、偏芯してしまうことが原因であった。但し、比較例1では、絶縁体11の外径が細く、絶縁体11の先端が発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの先の方まで挿通されるため(図9参照)、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bが1mmと比較的小さく、発熱コイル9の先端部近傍に対するスウェージング加工の影響が抑えられ、発熱コイル9の先端部近傍にやや不均一な変形のみられるサンプルがいくつか確認されたのみであった。このため、耐久性に関しては、断線等の発生までに6000サイクルを要し、比較的優れている。しかしながら、比較例1では、短絡したサンプルが存在していることに加え、スウェージング加工による発熱コイル9や制御コイル10の変形が不均一になりやすいため、ヒータ昇温特性に関しては、通電開始から6秒後の到達温度が平均850℃±50℃と、発熱温度のばらつきが三者のうちで最も大きいものとなった。
一方、スウェージング加工後の絶縁体11の一般部の平均外径が1.8mmに設定された比較例2では、発熱コイル9や制御コイル10の一般部の外径に比べて絶縁体11の外径が比較的太く、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2が小さいため、スウェージング加工により発熱コイル9や制御コイル10に大きな曲がりや偏芯が発生せず、短絡の発生したサンプルは確認されなかった。このため、ヒータ昇温特性に関しては、通電開始から6秒後の到達温度が平均850℃±40℃と、比較例1に比べ発熱温度のばらつきがやや小さかった。しかしながら、比較例2では、絶縁体11の先端が発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの先の方まで挿通されないため(図10参照)、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bが2mmと比較的大きく、スウェージング加工後における発熱コイル9の先端部近傍の変形量が非常に大きいサンプルがいくつか確認された。これらのサンプルでは、不均一に変形してしまった部位において太さにもバラツキが生じ、細くなった部分で抵抗値が大きくなり、そこで早期断線が発生したため、比較例2では、通電耐久試験の結果が3000サイクルとなり、耐久性に関して三者のうちで最も悪い結果が得られた。
これに対し、本発明を具現化した実施例1,2では、絶縁体11の先端に先端側テーパ部11aが形成されているため、コイル−絶縁体間クリアランスC1,C2を比較的小さく保ちつつも、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aのより先端側まで絶縁体11の先端を挿通させることができる。さらに、本実施例1,2では、絶縁体11の先端側テーパ部11aの外周部と、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの内周部とのクリアランスをより小さくできるため、上記比較例1以上に、発熱コイル9の先端部近傍に対するスウェージング加工の影響を抑えることができ、どのサンプルにも、発熱コイル9の先端部近傍における不均一な変形はみられなかった。通電耐久試験の結果に関しても、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bが0mmの実施例1、及び、距離Bが1mmの実施例2とも、比較例1と同様、6000サイクルとなり、優れたものであった。また、比較例2と同様に、発熱コイル9や制御コイル10に大きな曲がりや偏芯が発生しないため、短絡の発生したサンプルは確認されなかった。加えて、本実施例1,2では、各サンプル毎の発熱コイル9の変形がより均一となりやすいため、ヒータ昇温特性に関しては、通電開始から6秒後の到達温度が平均850℃±30℃と、発熱温度のばらつきが三者のうちで最も小さいものとなった。
次に、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bと、シースヒータ3の性能との関係について検証した結果を表5に示す。ここでは、上記同様の方法により、コイル先端の変形量及び耐久性について検証している。
Figure 0005302183
表5には、スウェージング加工後の絶縁体11の一般部の平均外径が1.8mmに設定されたシースヒータ3において、絶縁体11の先端側テーパ部11aの軸線C方向における長さT(図3参照)を変化させることにより、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bを異ならせた各種態様例(実施例3〜6及び比較例3〜5)の検証結果が示されている。これら検証結果は、上記実施例3〜6及び比較例3〜5に係り、それぞれ20本ずつ作製されたサンプルの測定結果に基づくものである。なお、比較例5(B=2.00mm)では、先端側テーパ部11aの長さTが0mmとなり、実質的に先端側テーパ部11aのない構成となっている。
表5から分かるように、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bが、0mm(実施例3)、0.50mm(実施例4)、0.75mm(実施例5)、1.00mm(実施例6)と、上記関係式(1)を満たすように設定されているものでは、どのサンプルにも、発熱コイル9の先端部近傍における不均一な変形はみられなかった。このため、通電耐久試験の結果に関しても、実施例3〜6全てにおいて断線等の発生までに6000サイクルを要し、耐久性に優れたものとなった。
これに対し、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bが、1.25mm(比較例3)、1.50mm(比較例4)、2.00mm(比較例5)と、上記関係式(1)を満たさないものでは、絶縁体11の先端に先端側テーパ部11aが形成されない構成と同様に、スウェージング加工後における発熱コイル9の先端部近傍の変形量が大きいサンプルがいくつか確認された。このため、通電耐久試験の結果は、比較例3で4000サイクル、比較例4,5で3000サイクルとなり、耐久性に関しても実施例3〜6よりも悪い結果が得られた。
以上の結果から分かるように、チューブ−コイル間における短絡の発生を低減させるためには、絶縁体11の径を太くして、発熱コイル9や制御コイル10の曲がりや偏芯を抑えれば良い。また、発熱コイル9の先端部近傍における不均一な変形の発生を低減させるためには、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aのより先端側まで絶縁体11の先端を挿通させ、スウェージング加工時における発熱コイル9の先端部近傍の変形量を小さく抑えれば良いことが分かる。つまり、両者の性能を併せ持つには、本実施形態のように、絶縁体11を比較的太いものとするとともに、その先端に先端側テーパ部11aを形成して、当該先端側テーパ部11aを発熱コイル9のテーパ状縮径部9aのより先端側まで挿通させれば良い。このようにすることで、グロープラグ1の耐久性の向上を図るとともに、ヒータ昇温特性のばらつきを抑制することができる。なお、仮にスウェージング加工の際にシースチューブ7内で絶縁体11が粉々に折れてしまったとしても、当該加工時に絶縁体11が発熱コイル9及び制御コイル10に挿通されていることにより、当該加工による発熱コイル9等への影響は極力抑えられる。
また、比較例1の結果から、絶縁体11の外径が比較的細く、当該絶縁体11と発熱コイル9のテーパ状縮径部9aとの間に、ある程度の隙間ができても、絶縁体11の先端を発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの先の方まで挿通し、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bを1mm以下(B≦1mm)に抑えれば、耐久性にはあまり影響を与えないことが分かる。同様に、表5に示した検証結果から、先端側テーパ部11aの長さTを変化させても、シースチューブ7の先端内面から絶縁体11の先端部11bまでの距離Bを1mm以下(B≦1mm)に抑えれば、耐久性にはあまり影響を与えないことが分かる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)グロープラグ1の形状など各種構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、シースチューブ7は、大径部7bが省略され、その外径が略一定のストレート形態のものであってもよい。また、上記実施形態では、発熱コイル9及び制御コイル10によりコイル部材が構成されているが、これに限らず、例えば制御コイル10を省略した構成であってもよい。
また、グロープラグ1の製造方法に関しても、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、スウェージング工程においては、一般的に、シースチューブ7を先端側から後端側まで後端方向に向かってスウェージングする正方向スウェージングや、シースチューブ7を後端側から先端側まで先端方向に向かってスウェージングする逆方向スウェージングなどが行われる。しかし、本実施形態においては、このスウェージングの方向に関しては特に限定されず、例えば、両方向に、又は、正逆いずれか一方向にのみ行う構成としてもよい。
(b)シースチューブ7、発熱コイル9、制御コイル10及び絶縁体11の寸法に関しては、上記関係式(2),(3)を満たしていれば、どのような組合せであってもよい。
(c)絶縁体11の形状に関しても上記実施形態に限定されるものではない。例えば、絶縁体11の先端側に形成された先端側テーパ部11aに代えて、図8に示すように、絶縁体11の一般部の外径よりも細径でかつ軸線C方向に沿って同一径となる細径部40を備えた構成としてもよい。このような構成でも上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。但し、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの内周部とのクリアランスをより小さくするためには、絶縁体11の先端がテーパ状に形成されている方がより好ましい。
また、上記実施形態では、絶縁体11の先端側のみがテーパ形状となっているが、これに限らず、絶縁体11の後端側に、先端側テーパ部11aと同一のテーパ部が形成された構成としてもよい。このようにすれば、絶縁体11の両端部に同一のテーパ部が形成されることとなり、発熱コイル9及び制御コイル10への絶縁体11の挿通作業を行うに際し、先端側テーパ部11aの有無を確認するといった絶縁体11の方向選別作業が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
さらに、上記実施形態では、絶縁体11の先端側テーパ部11aのテーパ角αが20°、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aのテーパ角βが15°に設定されている。これに限らず、絶縁体11の先端側テーパ部11aのテーパ角αが、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aのテーパ角β以上となるように設定されていれば良い。但し、両テーパ角の差がありすぎると、スウェージング加工による影響を低減させる上述したような作用効果を得ることが難しくなるため、次式(4)の関係を満たすように設定されていることが好ましい。
β≦α≦β+10° …(4)
特に、発熱コイル9のテーパ状縮径部9aの内周部とのクリアランスをより小さくするためには、両テーパ角が同一(α=β)と設定することが好ましい。
(d)絶縁体11の材質に関しても上記実施形態に限定されるものではなく、例えば絶縁体11が酸化マグネシウムなど他の絶縁性材料から形成されていてもよい。
(e)上記実施形態においては、制御コイル10と発熱コイル9について、一般部の外径及び内径がそれぞれ等しいものを使用しているが、本発明はこれに限定されることなく、種々寸法が異なるものを使用してもよい。なお、本発明を効果的に採用できる構成例としては、制御コイルと発熱コイルのうち、柔らかく変形しやすいもの(例えば、コイルを構成するヤング率が低い方のもの)に対して一般部とする例が挙げられる。
(a)は本実施形態のグロープラグを示す全体図であり、(b)はその縦断面図である。 シースヒータを説明するための部分拡大断面図である。 シースヒータの先端部近傍を説明するための模式図である。 一試作例の測定データを示すグラフである。 一試作例の測定データを示すグラフである。 一試作例の測定データを示すグラフである。 試作例の測定データを示すグラフである。 別の実施形態におけるシースヒータの先端部近傍を説明するための模式図である。 従来のシースヒータの先端部近傍を説明するための模式図である。 従来のシースヒータの先端部近傍を説明するための模式図である。
符号の説明
1…グロープラグ、2…主体金具、3…シースヒータ、7…シースチューブ、9…発熱コイル、9a…テーパ状縮径部、10…制御コイル、11…絶縁体、11a…先端側テーパ部、12…絶縁粉末、C1,C2…コイル−絶縁体間クリアランス、D1,D2…チューブ−コイル間クリアランス。

Claims (5)

  1. 軸線方向に延び、先端部が閉塞した筒状のシースチューブと、
    抵抗発熱線よりなり、前記シースチューブ内にその軸線に沿って配置されるとともに、前記シースチューブの先端に接合されたコイル部材と、
    前記シースチューブ内に充填される絶縁粉末とを有し、
    スウェージング加工を経て形成されるグロープラグであって、
    前記スウェージング加工に先立って、絶縁性材料よりなる棒状の絶縁体が前記コイル部材に挿通されるともに、
    前記絶縁体の先端側には、自身の一般部の外径よりも細径となる細径部が形成され、当該細径部が前記コイル部材の先端寄り部位のテーパ状縮径部の内側に挿通された状態で前記スウェージング加工が行われ、
    前記絶縁体の先端部が、前記スウェージング加工が施される軸線方向所定区間のうちの先端側端部位置よりも先端側に位置し、
    前記絶縁体の細径部が、自身の先端部に向けてテーパ状に縮径したテーパ部となっており、
    前記絶縁体のテーパ部の外周部と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角αとし、
    前記コイル部材のテーパ状縮径部の内周部を結ぶ接線と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角βとしたとき、
    β<α≦β+10°
    の関係を満たすことを特徴とするグロープラグ。
  2. 軸線方向に対して前記シースチューブの先端内面から前記絶縁体の先端部までの距離をBとしたとき、
    0≦B≦1(mm)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記シースチューブの一般部の内径と、前記コイル部材の一般部の外径との径差をDxとしたとき、
    0.4mm≦Dx≦1.1mm
    の関係を満たすとともに、
    前記コイル部材の一般部の内径と、前記絶縁体の一般部の外径との径差をCxとしたとき、
    Cx≦0.3×Dx
    の関係を満たすように形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のグロープラグ。
  4. 前記絶縁体の後端側に、前記先端側の細径部と同一の細径部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のグロープラグ。
  5. 軸線方向に延びる筒状のシースチューブ内に、抵抗発熱線よりなるコイル部材をその軸線に沿って配置する配置工程と、
    前記シースチューブの先端を閉塞させるとともに当該先端部に前記コイル部材の先端を接合する接合工程と、
    前記シースチューブ内に絶縁粉末を充填する充填工程と、
    前記シースチューブにスウェージング加工を施すスウェージング工程とを備えたグロープラグの製造方法であって、
    前記スウェージング工程に先立って、絶縁性材料よりなる棒状の絶縁体を前記コイル部材に挿通する挿通工程を備え、
    前記絶縁体の先端側に形成され、自身の一般部の外径よりも細径となる細径部が、前記挿通工程において、前記コイル部材の先端寄り部位のテーパ状縮径部の内側に挿通された状態となることによって、
    前記スウェージング工程において、前記スウェージング加工が施される軸線方向所定区間のうちの先端側端部位置が、前記絶縁体の先端部の位置よりも後端側となるようにし、
    前記絶縁体の細径部が、自身の先端部に向けてテーパ状に縮径したテーパ部となっており、
    前記絶縁体のテーパ部の外周部と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角αとし、
    前記コイル部材のテーパ状縮径部の内周部を結ぶ接線と軸線とがなす角のうち小なる角度をテーパ角βとしたとき、
    β<α≦β+10°
    の関係を満たすようにしたことを特徴とするグロープラグの製造方法。
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