JP6537893B2 - グロープラグ - Google Patents

グロープラグ Download PDF

Info

Publication number
JP6537893B2
JP6537893B2 JP2015108060A JP2015108060A JP6537893B2 JP 6537893 B2 JP6537893 B2 JP 6537893B2 JP 2015108060 A JP2015108060 A JP 2015108060A JP 2015108060 A JP2015108060 A JP 2015108060A JP 6537893 B2 JP6537893 B2 JP 6537893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cross
section
tube
central axis
end side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015108060A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016223651A (ja
Inventor
裕太 渡辺
裕太 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2015108060A priority Critical patent/JP6537893B2/ja
Publication of JP2016223651A publication Critical patent/JP2016223651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6537893B2 publication Critical patent/JP6537893B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)

Description

本発明は、グロープラグに関する。
グロープラグとしては、シースヒータを用いたグロープラグが知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。グロープラグのシースヒータは、先端側に閉塞部を有するチューブと、チューブの内側に設けられた発熱コイルとを備える。
特開2001−330249号公報 特開2013−152035号公報
特許文献1,2のグロープラグでは、シースヒータにおける部位間の温度差に起因する熱応力によってグロープラグの耐久性が低下することについて十分に対策されていなかった。特に、シースヒータの先端側にはチューブ先端とチューブ側面との2つの放熱経路があるとともに、チューブの体積は先端側において後端側より比較的に大きいため、シースヒータの先端側の温度は後端側より低下しやすい。その結果、シースヒータの先端側と後端側との間に温度差が発生しやすい。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]先端側から後端側へと延びた筒状を成し、前記先端側に閉塞部を有するチューブと、前記チューブの内側に設けられ、前記先端側から前記後端側へと延びた螺旋状を成し、通電によって発熱する発熱コイルとを有するシースヒータを備え、前記チューブの中心軸を通り、前記中心軸に沿って前記シースヒータを切断した断面において、前記発熱コイルは、前記チューブから離れた位置に現れる部位のうち前記発熱コイルとは異なる部材と接合された部位を除く複数の断面部を有し、前記複数の断面部は、前記先端側から1番目に位置する先頭断面部と、前記先端側から2番目以降に位置する複数の後続断面部とを含む、グロープラグであって、前記先頭断面部の断面積A1と、前記複数の後続断面部の平均断面積Amとの関係は、0.5≦A1/Am≦0.7を満たし、前記断面において、前記中心軸に直交する方向における前記先頭断面部と前記チューブとの最短距離L1は、前記中心軸に直交する方向における前記複数の後続断面部と前記チューブとのそれぞれの最短距離を平均した平均値Lmより短いことを特徴とするグロープラグ。この形態によれば、シースヒータの昇温特性を維持しながら、発熱コイルの先端側における発熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータの先端側と後端側との間の温度差を低減できる。その結果、グロープラグの耐久性を向上させることができる。またこの形態によれば、発熱コイルの先端側からチューブの先端側へと伝わる熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータの昇温特性を向上させることができる。
(1)本発明の一形態は、先端側から後端側へと延びた筒状を成し、前記先端側に閉塞部を有するチューブと;前記チューブの内側に設けられ、前記先端側から前記後端側へと延びた螺旋状を成し、通電によって発熱する発熱コイルとを有するシースヒータを備えるグロープラグを提供する。このグロープラグでは、前記チューブの中心軸を通る位置で前記シースヒータを切断した断面において、前記発熱コイルは、前記チューブから離れた位置に現れる部位のうち前記発熱コイルとは異なる部材と接合された部位を除く複数の断面部を有する。前記複数の断面部は、前記先端側から1番目に位置する先頭断面部と;前記先端側から2番目以降に位置する複数の後続断面部とを含む。このグロープラグにおいて、前記先頭断面部の断面積A1と、前記複数の後続断面部の平均断面積Amとの関係は、0.5≦A1/Am≦0.7を満たす。この形態によれば、シースヒータの昇温特性を維持しながら、発熱コイルの先端側における発熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータの先端側と後端側との間の温度差を低減できる。その結果、グロープラグの耐久性を向上させることができる。
(2)上記形態のグロープラグでは、前記断面において、前記中心軸に直交する方向における前記先頭断面部と前記チューブとの最短距離L1は、前記中心軸に直交する方向における前記複数の後続断面部と前記チューブとのそれぞれの最短距離を平均した平均値Lmより短くてもよい。この形態によれば、発熱コイルの先端側からチューブの先端側へと伝わる熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータの昇温特性を向上させることができる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記最短距離L1と前記平均値Lmとの関係は、0.0<L1/Lm≦0.5を満たしてもよい。この形態によれば、シースヒータの昇温特性を十分に向上させることができる。
(4)上記形態のグロープラグでは、前記断面において、前記中心軸に直交する方向における前記中心軸から前記先頭断面部の外周までの最長長さR1は、前記中心軸に直交する方向における前記中心軸から前記複数の後続断面部の外周までのそれぞれの最長長さを平均した平均値Rmより大きくてもよい。この形態によれば、発熱コイルの先端側からチューブの先端側へと伝わる熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータの昇温特性を向上させることができる。
本発明は、グロープラグとは異なる種々の形態で実現可能であり、例えば、シースヒータ、並びに、グロープラグを製造する製造方法などの形態で実現可能である。
グロープラグの構成を示す説明図である。 シースヒータの先端側における断面を示す説明図である。 グロープラグを評価した結果を示す表である。 第2実施形態におけるシースヒータの先端側における断面を示す説明図である。
A.第1実施形態
A1.グロープラグの構成
図1は、グロープラグ10の構成を示す説明図である。グロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示しない)の始動時における着火を補助する熱源として機能する加熱装置である。
図1には、グロープラグ10の中心軸CLを境界として、紙面右側にグロープラグ10の外観形状が図示され、紙面左側にグロープラグ10の断面形状が図示されている。本実施形態の説明では、グロープラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
図1には、XYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸は、互いに直交する3つの空間軸として、X軸、Y軸およびZ軸を有する。本実施形態では、Z軸は、グロープラグ10の中心軸CLに沿った軸である。図1のXYZ軸は、他の図におけるXYZ軸に対応する。
グロープラグ10は、中軸200と、主体金具500と、シースヒータ800とを主に備える。シースヒータ800を備えるグロープラグ10は、メタルグロープラグとも呼ばれる。本実施形態では、グロープラグ10の中心軸CLは、中軸200、主体金具500、およびシースヒータ800の各部材における中心軸でもある。
グロープラグ10の中軸200は、主体金具500の内側に設けられ、中心軸CLを中心に先端側から後端側へと延びた棒状を成す導体である。中軸200は、グロープラグ10の外部からシースヒータ800へと電力を中継する。本実施形態では、中軸200は、円柱状を成す。本実施形態では、中軸200の材質は、ステンレス鋼である。
中軸200は、先端部210と、後端部290とを有する。中軸200の先端部210は、中軸200の先端側を構成し、シースヒータ800に接続されている。中軸200の後端部290は、中軸200の後端側を構成し、主体金具500の後端側から突出している。本実施形態では、後端部290には、雄ねじが形成されている。本実施形態では、後端部290には、先端側から順に、絶縁ゴム製の環状部材であるOリング460と、絶縁樹脂製の筒状部材である絶縁ブッシュ410と、金属製の筒状部材であるリング300と、金属製のナット100とが組み付けられている。
グロープラグ10の主体金具500は、中心軸CLを中心に先端側から後端側へと延びた筒状を成す導体である。本実施形態では、主体金具500の材質は、炭素鋼である。主体金具500は、軸孔部510と、工具係合部560と、ねじ部570とを有する。
主体金具500の軸孔部510は、中心軸CLを中心に後端側から先端側へと貫通する貫通孔である。軸孔部510は、中軸200との間に間隙を形成する。軸孔部510の先端側には、シースヒータ800が圧入されている。
主体金具500の工具係合部560は、グロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に係り合うことが可能に構成された部位である。本実施形態では、工具係合部560は、XY平面に沿った断面形状が多角形(例えば、六角形)を成す外周面を有する。
主体金具500のねじ部570は、工具係合部560より先端側に位置し、内燃機関(図示しない)に対して嵌り合う雄ねじが外周面に形成された部位である。本実施形態では、ねじ部570に形成された雄ネねじの呼び径は、M8である。他の実施形態では、ねじ部570の呼び径は、M8より小さくてもよいし、M8より大きくてもよい。
グロープラグ10のシースヒータ800は、電気エネルギを熱エネルギに変換することによって熱を発生させる発熱装置である。シースヒータ800は、中心軸CLを中心に先端側から後端側へと延びた棒状を成す。シースヒータ800は、チューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル840と、絶縁粉末870とを備える。
シースヒータ800のチューブ810は、中心軸CLを中心に先端側から後端側に延びた筒状を成す。チューブ810の先端側は、主体金具500の先端側から突出している。チューブ810の後端側は、主体金具500の先端側に固定されている。本実施形態では、チューブ810の後端側は、主体金具500の軸孔部510に圧入されている。
チューブ810は、筒状の一端を閉塞する閉塞部812を先端側に有する。閉塞部812の内側には、発熱コイル820が接合されている。閉塞部812は、チューブ810と発熱コイル820とを溶接することによって形成された部位である。
チューブ810の後端側は、開放された形状である。チューブ810の後端側には、絶縁ゴム製の筒状部材であるパッキン600を介して中軸200が挿入されている。
本実施形態では、チューブ810の材質は、ニッケル基合金(例えば、インコネル601(「INCONEL」は登録商標))である。他の実施形態では、チューブ810の材質は、ステンレス鋼であってもよい。本実施形態では、チューブ810の外径は、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って5mmの位置において、約3.50mm(ミリメートル)である。本実施形態では、チューブ810の内径は、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って5mmの位置において、約2.60mmである。
シースヒータ800の発熱コイル820は、チューブ810の内側に設けられ、通電によって発熱するコイルである。発熱コイル820は、中心軸CLを中心に先端側から後端側へと延びた螺旋状を成す。発熱コイル820の先端側は、チューブ810の閉塞部812に接合されている。発熱コイル820の後端側は、制御コイル840に接合されている。本実施形態では、発熱コイル820は、チューブ810および制御コイル840とそれぞれ溶接によって接合されている。
本実施形態では、発熱コイル820の材質は、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金である。本実施形態では、発熱コイル820のコイル外径は、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って5mmの位置において、約1.89mmである。
シースヒータ800の制御コイル840は、チューブ810の内側に設けられ、発熱コイル820による発熱を制御するコイルである。制御コイル840の先端側は、発熱コイル820に接合されている。制御コイル840の後端側は、中軸200の先端部210に接続されている。なお、他の実施形態では、制御コイル840を設けることなく、発熱コイル820の後端側が、中軸200の先端部210に対して直接的に接続されていてもよい。
シースヒータ800の絶縁粉末870は、電気絶縁性を有する粉末である。本実施例では、絶縁粉末870の材質は、酸化マグネシウム(MgO)である。絶縁粉末870は、チューブ810の内側に充填され、中軸200と、チューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル840との各隙間を電気的に絶縁する。
図2は、シースヒータ800の先端側における断面を示す説明図である。図2の断面は、中心軸CLを通る位置でシースヒータ800を切断した断面である。図2の断面には、チューブ810の閉塞部812と側壁部814とが現れる。チューブ810の側壁部814は、中心軸CLに沿った壁面である。本実施形態では、図2の断面には、溶接部830が現れる。溶接部830は、発熱コイル820と制御コイル840との溶接によって形成され、発熱コイル820と制御コイル840とを固定する部位である。
発熱コイル820は、図2の断面においてチューブ810から離れた位置に現れる部位のうち発熱コイル820とは異なる部材と接合された部位を除く複数の断面部821,822,823,824,825,826,827,828を有する。チューブ810の断面部821は、先端側から1番目に位置する先頭断面部である。チューブ810の断面部822,823,824,825,826,827,828は、先端から2番目以降に位置する複数の後続断面部である。後続断面部の数は、2つ以上であればよく、本実施形態では、7つである。なお、図2の断面に現れる溶接部830は、発熱コイル820とは異なる部材である制御コイル840と接合された部位であり、後続断面部に相当しない。また、シースヒータ800の切断位置によっては、発熱コイル820の部位として、チューブ810の閉塞部812の内側に接合された部位が断面に現れる場合がある。この閉塞部812に接合された部位は、発熱コイル820とは異なる部材であるチューブ810と接合された部位であり、先頭断面部に相当しない。
グロープラグの耐久性を向上させる観点から、断面部(先頭断面部)821の断面積A1と、複数の断面部(後続断面部)822,823,824,825,826,827,828の平均断面積Amとの関係は、0.5≦A1/Am≦0.7を満たすことが好ましい。本実施形態では、平均断面積Amは、断面部822の断面積A2と、断面部823の断面積A3と、断面部824の断面積A4と、断面部825の断面積A5と、断面部826の断面積A6と、断面部827の断面積A7と、断面部828の断面積A8との平均値である。
本実施形態では、複数の断面部(後続断面部)822,823,824,825,826,827,828の断面積のうち、最大の断面積Amaxと最小の断面積Aminとの関係は、1.0<Amax/Amin≦1.5を満たしている。なお、Amax/Aminが1.5を超える場合、後続断面部の一部の断面積が極大化する一方、後続端面部の一部の断面積が先頭断面部の断面積に近くなるため、発熱コイルの先端側における発熱量を増加させる効果を得られない可能性がある。また、この場合、後続断面部同士の間隔が狭くなるため、後続断面部同士が接触する可能性がある。
グロープラグの昇温特性を向上させる観点から、図2の断面において、断面部(先頭断面部)821と側壁部814との最短距離L1は、複数の断面部(後続断面部)822,823,824,825,826,827,828と側壁部814とのそれぞれの最短距離を平均した平均値Lmより短いことが好ましい。さらに、最短距離L1と平均値Lmとの関係は、0.0<L1/Lm≦0.5を満たすことがいっそう好ましい。
最短距離L1は、中心軸CLに直交する方向における断面部821とチューブ810との最短距離である。また、本実施形態では、最短距離の平均値Lmは、中心軸CLに直交する方向における断面部822とチューブ810との最短距離L2と、中心軸CLに直交する方向における断面部823とチューブ810との最短距離L3と、中心軸CLに直交する方向における断面部824とチューブ810との最短距離L4と、中心軸CLに直交する方向における断面部825とチューブ810との最短距離L5と、中心軸CLに直交する方向における断面部826とチューブ810との最短距離L6と、中心軸CLに直交する方向における断面部827とチューブ810との最短距離L7と、中心軸CLに直交する方向における断面部828とチューブ810との最短距離L8との平均値である。
グロープラグの昇温特性を向上させる観点から、図2の断面において、中心軸CLから断面部(先頭断面部)821の外周までの最長長さR1は、中心軸CLから複数の断面部(後続断面部)822,823,824,825,826,827,828の外周までのそれぞれの最長長さを平均した平均値Rmより大きいことが好ましい。
最長長さR1は、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部821までの最長長さである。また、本実施形態では、最長長さの平均値Rmは、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部822までの最長長さR2と、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部823までの最長長さR3と、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部824までの最長長さR4と、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部825までの最長長さR5と、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部826までの最長長さR6と、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部827までの最長長さR7と、中心軸CLに直交する方向における中心軸CLから断面部828までの最長長さR8と、の平均値である。
A2.グロープラグの製造方法
グロープラグ10を製造する場合、本実施形態では、製造者は、まず、シースヒータ800を作成する。シースヒータ800を作成する場合、製造者は、金属板を筒状に加工することによってチューブ810を作成する。金属板からチューブ810を作成する手法としては、例えば、金属板を丸めてアーク溶接する手法、金属板を深絞りする手法などがある。チューブ810を作成した後、製造者は、中軸200と一体化された制御コイル840および発熱コイル820をチューブ810の内側に配置する。その後、製造者は、チューブ810の先端部210と発熱コイル820の先端部210とを溶接する。これよって、チューブ810に閉塞部812が形成される。その後、製造者は、チューブ810の内側に絶縁粉末870を充填する。これにより、シースヒータ800が作成される。
チューブ810に絶縁粉末870を充填した後、製造者は、チャックおよび回転ダイスを備えるスウェージング装置を用いて、シースヒータ800に対してスウェージング加工を施すことによって、シースヒータ800の径を調整する。スウェージング加工では、製造者は、シースヒータ800に固定された中軸200をチャックに把持した後、チャックを移動させることによってシースヒータ800を中心軸CLに沿って移動させながら、回転ダイスによってチューブ810の周囲に打撃を加える。これによって、シースヒータ800の径は、所定の径に調整される。
スウェージング加工において、回転ダイスによる打撃のストロークおよび打撃数、回転ダイスを構成するダイスの数、ならびに、チャックによる送り速度などを調整することによって、「断面部(先頭断面部)821の断面積A1と、複数の断面部(後続断面部)822,823,824,825,826,827,828の平均断面積Amとの関係」、「断面部(先頭断面部)821と側壁部814との最短距離L1と、複数の断面部(後続断面部)822,823,824,825,826,827,828と側壁部814とのそれぞれの最短距離を平均した平均値Lmとの関係」、ならびに、「中心軸CLから断面部(先頭断面部)821の外周までの最長長さR1と、中心軸CLから複数の断面部(後続断面部)822,823,824,825,826,827,828の外周までのそれぞれの最長長さを平均した平均値Rmとの関係」を、所定の数値範囲内の値に調整することができる。
シースヒータ800に対してスウェージング加工を施した後、製造者は、グロープラグ10を組み立てる。具体的には、製造者は、中軸200が固定されたシースヒータ800を、主体金具500の軸孔部510に圧入することによって固定するとともに、主体金具500の後端部にOリング460、絶縁ブッシュ410、リング300を中軸200に嵌め込む。その後、製造者は、ナット100を中軸200の後端部290に螺合させることによって固定する。これらの工程を経て、グロープラグ10が完成する。
A3.評価試験
図3は、グロープラグを評価した結果を示す表である。図3の評価試験では、試験者は、断面積比A1/Amと間隙比L1/Lmとが異なる複数のグロープラグである試料S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8について評価を行った。各試料の構成は、断面積比A1/Amと間隙比L1/Lmとが異なる点を除き、上述したグロープラグ10と同様である。なお、試料S1〜S8の後段断面部の数は、本実施形態と同様に7つである。
断面積比A1/Amを算出する際、試験者は、まず、中心軸を通る位置でグロープラグを切断した後、その半断面の撮像データを取得した。その後、試験者は、その撮像データを二階調化した後、測定対象となる断面部である先頭断面部および後続断面部のピクセル数をそれぞれ計測した。試験者は、これらのピクセル数の比に基づいて断面積比A1/Amを算出した。断面積比A1/Amを算出する他の手法としては、半断面の撮像データから先頭断面部および後続断面部の面積を求める手法を用いることができる。
間隙比L1/Lmを算出する際、試験者は、断面積比A1/Amの算出で取得した判断面の撮像データから、測定対象となる断面部である先頭断面部および後続断面部とチューブとの距離を測定し、これらの距離に基づいて間隙比L1/Lmを算出した。最大長さR1および最長長さの平均値Rmについても、同様に算出することができる。
昇温特性を評価するため、試験者は、11ボルト(V)の電圧を各試料に印加し、印加開始から2秒後におけるチューブ810の温度T1をPR熱電対によって測定した。温度T1は、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って2mmの位置におけるチューブ810の表面温度である。
試験者は、次の評価基準を用いて各試料の昇温特性を評価した。
<昇温特性の評価基準>
◎(優):1050℃<T1≦1100℃
○(良):1000℃<T1≦1050℃
×(可):950℃<T1≦1000℃
××(不可):T1≦950℃
温度分布を評価するため、試験者は、11ボルトの電圧を各試料に2秒間印加した後、5ボルトの電圧を各試料に28秒間印加し、印加開始から30秒後におけるチューブ810の温度T2,T3,T4をPR熱電対によって測定した。温度T2は、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って2mmの位置におけるチューブ810の表面温度である。温度T3は、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って4mmの位置におけるチューブ810の表面温度である。温度T4は、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って6mmの位置におけるチューブ810の表面温度である。
試験者は、次の評価基準を用いて各試料の温度分布を評価した。
<温度分布の評価基準>
○(良):|T2−T3|≦10℃、かつ、|T3−T4|≦10℃
×(不可):上記「○(良)」の条件を満たさない場合
耐久性を評価するため、試験者は、次の工程1,2を1サイクルとして耐久試験を実施した。
(工程1):各試料に電圧を調整しながら印加することによって、シースヒータ800の先端から中心軸CLに沿って2mmの位置におけるチューブ810の表面温度を、印加開始から2秒後に1000℃とした後、180秒間、チューブ810の表面温度を1100℃に維持
(工程2):120秒間、送風によってシースヒータ800を冷却
試験者は、次の評価基準を用いて各試料の耐久性を評価した。
○(良):10000サイクル以上で発熱コイル820または制御コイル840が断線
×(不可):10000サイクル未満で発熱コイル820または制御コイル840が断線
図3の評価試験によれば、試料S1〜S4のように0.5≦A1/Am≦0.7を満たすことによって、シースヒータ800の昇温特性を維持しながら、チューブ810の表面において温度差を抑制した温度分布を実現でき、その結果、グロープラグ10の耐久性を向上させることができた。また、試料S2,S4のように0.0<L1/Lm≦0.5を満たすことによって、シースヒータ800の昇温特性を向上させることができた。
A4.効果
以上説明した第1実施形態によれば、0.5≦A1/Am≦0.7を満たすため、シースヒータ800の昇温特性を維持しながら、発熱コイル820の先端側の発熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータ800の先端側と後端側との間の温度差を低減できる。その結果、グロープラグ10の耐久性を向上させることができる。
また、最短距離L1が最短距離の平均値Lmより短い場合、発熱コイル820の先端側からチューブ810の先端側へと伝わる熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータ800の昇温特性を向上させることができる。さらに、0.0<L1/Lm≦0.5を満たす場合、シースヒータ800の昇温特性を十分に向上させることができる。
また、最大長さR1が最大長さの平均値Rmより大きい場合、発熱コイル820の先端側からチューブ810の先端側へと伝わる熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータ800の昇温特性を向上させることができる。
B.第2実施形態
図4は、第2実施形態におけるシースヒータ800Bの先端側における断面を示す説明図である。第2実施形態のグロープラグ10は、シースヒータ800に代えてシースヒータ800Bを備える点を除き、第1実施形態と同様である。
第2実施形態のシースヒータ800Bは、最大長さR1と最大長さの平均値Rmとが同等の大きさである点、ならびに、チューブ810の先端側の内径が第1実施形態より小さい点を除き、第1実施形態と同様である。シースヒータ800Bでは、最大長さR1と最大長さの平均値Rmとが同等の大きさであるが、チューブ810の先端側の内径が第1実施形態より小さいため、最短距離L1と最短距離の平均値Lmとの関係は、第1実施形態と同様である。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、シースヒータ800Bの昇温特性を維持しながら、発熱コイル820の先端側の発熱量を増加させることができる。したがって、シースヒータ800Bの先端側と後端側との間の温度差を低減できる。その結果、グロープラグ10の耐久性を向上させることができる。
C.他の実施形態
本発明は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせを行うことが可能である。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除することが可能である。
例えば、グロープラグ10のシースチューブは、第1実施形態のチューブ810と第2実施形態の発熱コイル820とを組み合わせた構成であってもよいし、第2実施形態のチューブ810と第1実施形態の発熱コイル820とを組み合わせた構成であってもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態では、チューブ810内に発熱コイル820および制御コイル840が配置され、発熱コイル820および制御コイル840が溶接部830で接合されつつ、発熱コイル820の先端側がチューブ810に接続され、制御コイル840の後端側が中軸200に接続されている。これに対して、他の実施形態では、チューブ内に制御コイルを設けることなく、発熱コイルがチューブ内に配置され、発熱コイルの先端側がチューブに接続され、発熱コイルの後端側が中軸の先端部に対して直接的に接続されていてもよい。この場合、先頭断面部および複数の後続断面部を含む「複数の断面部」は、中心軸を通る断面(図2に相当する断面)において、チューブから離れた位置に現れる部位のうち発熱コイルとは異なる部材と接合された部位を除く断面部である。この場合、中軸に接続された発熱コイルの一部の断面は、発熱コイルとは異なる部材である中軸と接合された部位であり、後続断面部に相当しない。
また、第1実施形態および第2実施形態では、シースヒータ800における各部の値は、グロープラグ10の製造時におけるシースヒータ800に対するスウェージング加工によって調整される。これに対して、他の実施形態では、発熱コイルの形状およびチューブの形状の少なくとも一方を調整することによって、シースヒータ800における各部の値が調整されてもよい。
10…グロープラグ
100…ナット
200…中軸
210…先端部
290…後端部
300…リング
410…絶縁ブッシュ
460…Oリング
500…主体金具
510…軸孔部
560…工具係合部
570…ねじ部
600…パッキン
800,800B…シースヒータ
810…チューブ
812…閉塞部
814…側壁部
820…発熱コイル
821…断面部(先頭断面部)
822〜826…断面部(後続断面部)
827,828…断面部
830…溶接部
840…制御コイル
870…絶縁粉末

Claims (3)

  1. 先端側から後端側へと延びた筒状を成し、前記先端側に閉塞部を有するチューブと、
    前記チューブの内側に設けられ、前記先端側から前記後端側へと延びた螺旋状を成し、通電によって発熱する発熱コイルと
    を有するシースヒータを備え、
    前記チューブの中心軸を通り、前記中心軸に沿って前記シースヒータを切断した断面において、前記発熱コイルは、前記チューブから離れた位置に現れる部位のうち前記発熱コイルとは異なる部材と接合された部位を除く複数の断面部を有し、
    前記複数の断面部は、
    前記先端側から1番目に位置する先頭断面部と、
    前記先端側から2番目以降に位置する複数の後続断面部と
    を含む、グロープラグであって、
    前記先頭断面部の断面積A1と、前記複数の後続断面部の平均断面積Amとの関係は、0.5≦A1/Am≦0.7を満たし、
    前記断面において、前記中心軸に直交する方向における前記先頭断面部と前記チューブとの最短距離L1は、前記中心軸に直交する方向における前記複数の後続断面部と前記チューブとのそれぞれの最短距離を平均した平均値Lmより短いことを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記最短距離L1と前記平均値Lmとの関係は、0.0<L1/Lm≦0.5を満たす、請求項に記載のグロープラグ。
  3. 前記断面において、前記中心軸に直交する方向における前記中心軸から前記先頭断面部の外周までの最長長さR1は、前記中心軸に直交する方向における前記中心軸から前記複数の後続断面部の外周までのそれぞれの最長長さを平均した平均値Rmより大きい、請求項1または請求項2に記載のグロープラグ。
JP2015108060A 2015-05-28 2015-05-28 グロープラグ Active JP6537893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015108060A JP6537893B2 (ja) 2015-05-28 2015-05-28 グロープラグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015108060A JP6537893B2 (ja) 2015-05-28 2015-05-28 グロープラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016223651A JP2016223651A (ja) 2016-12-28
JP6537893B2 true JP6537893B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=57745619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015108060A Active JP6537893B2 (ja) 2015-05-28 2015-05-28 グロープラグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6537893B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019032151A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ
JP7090570B2 (ja) * 2019-02-27 2022-06-24 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1175444B (it) * 1984-03-09 1987-07-01 Magneti Marelli Spa Candela ad incandescenza per motori diesel per autoveicoli
DE4301252A1 (de) * 1993-01-19 1994-07-21 Beru Werk Ruprecht Gmbh Co A Stabflammglühkerze
JP2009158432A (ja) * 2007-12-28 2009-07-16 Ngk Spark Plug Co Ltd シースヒータ及びグロープラグ
WO2011162074A1 (ja) * 2010-06-22 2011-12-29 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ及びその製造方法、並びに、加熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016223651A (ja) 2016-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6064039A (en) Glow plug with small-diameter sheath tube enclosing heating and control coils
JP6537893B2 (ja) グロープラグ
JP6280853B2 (ja) グロープラグ
JP6392000B2 (ja) グロープラグ
JP6356981B2 (ja) グロープラグ及び内燃機関
JP6312542B2 (ja) グロープラグ
JP6587501B2 (ja) グロープラグ
JP6110670B2 (ja) グロープラグ
JP6068988B2 (ja) グロープラグの製造方法
JP6279925B2 (ja) グロープラグ
JP6960848B2 (ja) グロープラグ
EP3299719B1 (en) Glow plug
JP6771985B2 (ja) グロープラグ
JP6426376B2 (ja) グロープラグ
JP4510588B2 (ja) グロープラグ
JP2008261577A (ja) グロープラグ及びその製造方法
JP6965153B2 (ja) グロープラグ
EP3396249B1 (en) Glow plug
JP6426346B2 (ja) グロープラグ
JP6731331B2 (ja) グロープラグ
JP6042625B2 (ja) グロープラグの製造方法及びグロープラグ
JP6541548B2 (ja) グロープラグ
JP6689022B2 (ja) グロープラグ
JP4960183B2 (ja) グロープラグの製造方法
JP2005273955A (ja) シーズ型グロープラグ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6537893

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250