JP6771985B2 - グロープラグ - Google Patents

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Description

本発明は、グロープラグに関する。
従来、シース管内に発熱コイルのみを備えるグロープラグや、シース管内に発熱コイルと制御コイルと、を備えるグロープラグが知られている(特許文献1)。特許文献1記載の発熱コイルと制御コイルとを備えるグロープラグでは、発熱コイルとしてモリブデン(Mo)やタングステン(W)を主成分とするコイルを用い、制御コイルとしてコバルト(Co)-ニッケル(Ni)-鉄(Fe)系合金等に代表されるCoまたはNiを主成分とする金属材料からなるコイルを用いている。このグロープラグでは、先端コイルの温度変化による抵抗値変化(抵抗比)が後端コイルよりも小さく、昇温時(比較的低温時)には、制御コイルの抵抗値が発熱コイルの抵抗値よりも低くなることで発熱コイルがより発熱するが、グロープラグが昇温されて温度が飽和した際には、制御コイルの抵抗値が発熱コイルの抵抗値よりも高くなり、発熱コイルの発熱を制御することができる。一方、このようなグロープラグに対し、特許文献2には、例えば、コバルト(Co)−ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金からなる先端コイルと、ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金からなる後端コイルと、を備え、先端コイルの抵抗比を後端コイルの抵抗比よりも大きくすることで、グロープラグの先端側の温度変化を制御回路に正確に伝達可能なグロープラグが記載されている。
国際公開第2011/162074号公報 特開2004−191040号
近年、グロープラグの温度を1000℃より高い温度で維持するような制御(以下、高温制御とも言う)が望まれている。しかし、特許文献2に記載のグロープラグでは、グロープラグの温度を1000℃において維持するような制御が想定された構成となっている(特許文献2、図4)。そのため、グロープラグに対して上述のような高温制御を行うと、例えばコバルト(Co)−ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金からなる先端コイルの融点が比較的低いために、先端コイルが溶損するおそれがあった。そのため、このようなグロープラグにおいて、高温制御が行われた場合であっても先端コイルが溶損することを抑制可能な技術が求められていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延び、先端が閉じられたシース管と;前記シース管の内部に挿入された棒状の中軸と;前記シース管内に配置され、前記シース管の先端側内壁面に接続された螺旋状の先端コイルと;前記シース管内に配置され、前記先端コイルの後端部と前記中軸の先端部との間に接続された螺旋状の後端コイルと、を備えるグロープラグが提供される。このグロープラグは、前記先端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R1と、前記後端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R2とは、R1>R2の関係を満たし;前記先端コイルの主成分は、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)であることを特徴とする。また、前記先端コイルの前記抵抗比R1は5.0以上であり、前記後端コイルの前記抵抗比R2は0.80以上1.2以下であることを特徴とする。
この形態のグロープラグによれば、先端コイルの温度変化による抵抗値の変化R1が後端コイルの温度変化による抵抗値の変化R2よりも大きいために、先端コイルの温度変化を制御回路へ正確に伝達することができる。また、先端コイルの主成分は、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)であるため、高温制御が行われた場合における先端コイルの溶損を抑制することができる。また、先端コイルの抵抗比R1を5.0以上とし、後端コイルの抵抗比R2は0.80以上1.2以下とすれば、グロープラグの先端側の温度が変化すると、先端コイルの抵抗値が大きく変化する一方、グロープラグの後端側の温度が変化しても、後端コイルの抵抗値変化は小さい。そのため、後端コイルの及ぼす影響を抑制しつつ、グロープラグの先端側の温度変化を制御回路へ適切(正確)に伝達することができる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記先端コイルの20℃における抵抗値と前記後端コイルの20℃における抵抗値の合計値は、0.275(Ω)よりも大きくてもよい。グロープラグに11Vの電圧が印加された場合にシース管の先端部の表面温度を昇温開始から3秒以内で1000℃以上に到達させるような急速昇温が行われたとしても、先端コイルの主成分をタングステン(W)またはモリブデン(Mo)とすることで、高温制御が行われた場合と同様に、先端コイルの溶損を抑制することが可能となるが、急速昇温が行われることによって、制御回路に過剰な電流(以下、過電流とも言う)が流れるおそれがある。しかし、この形態のグロープラグによれば、急速昇温が行われた場合であっても制御回路に過剰な電流が流れることを抑制できる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記先端コイルの20℃における抵抗値と前記後端コイルの20℃における抵抗値の合計値は、0.600(Ω)以下であってもよい。この形態のグロープラグによれば、先端コイル及び後端コイルに十分に電流を流すことができるため、グロープラグを効果的に発熱させることができる。そのため、急速昇温に適したグロープラグを提供できる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記後端コイルの20℃における抵抗値は、前記先端コイルの20℃における抵抗値よりも大きくてもよい。この形態のグロープラグによれば、グロープラグの昇温初期には後端コイルが先端コイルよりも発熱するため、昇温過程において先端コイルの熱が後端コイルに伝達されることを抑制することができ、先端コイルによってグロープラグの先端側を効果的に発熱させることができるので、グロープラグをより急速に昇温させることができる。
(5)上記形態のグロープラグにおいて、前記後端コイルの20℃における抵抗値は、前記先端コイルの20℃における抵抗値の6倍以下であってもよい。この形態のグロープラグによれば、グロープラグをより急速に昇温させることができるとともに、後端コイルが過度に発熱することで消費電力が増加することを抑制できる。
(6)上記形態のグロープラグにおいて、前記先端コイルの前記抵抗比R1は5.0以上であり;前記後端コイルの前記抵抗比R2は0.80以上1.2以下であってもよい。この形態のグロープラグによれば、グロープラグの先端側の温度が変化すると、先端コイルの抵抗値が大きく変化する。一方、グロープラグの後端側の温度が変化しても、後端コイルの抵抗値変化は小さい。そのため、後端コイルの及ぼす影響を抑制しつつ、グロープラグの先端側の温度変化を制御回路へ適切(正確)に伝達することができる。
(7)上記形態のグロープラグにおいて、前記後端コイルは、鉄(Fe)とクロム(Cr)とアルミニウム(Al)とを含む合金または、ニッケル(Ni)とクロム(Cr)とを含む合金からなってもよい。この形態のグロープラグによれば、後端コイルの抵抗比R2が小さいため、グロープラグの先端側の温度変化を制御回路へ正確に伝達することができる。
(8)上記形態のグロープラグにおいて、後端コイルの線径は、前記先端コイルの線径よりも大きくてもよい。この形態のグロープラグによれば、グロープラグの昇温過程において後端コイルが過度に発熱することを抑制することができ、急速昇温に適したグロープラグを提供することができる。
(9)上記形態のグロープラグにおいて、前記先端コイルにおける、前記シース管の前記先端側内壁面から前記後端コイルとの接続部までの前記軸線に沿った長さL1と、前記後端コイルにおける、前記先端コイルとの接続部から前記中軸の先端面までの前記軸線に沿った長さL2とは、L1<L2の関係を満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、先端コイルの長さL1が後端コイルの長さL2よりも短いため、グロープラグにおいて、先端コイルが加熱する領域を小さくすることができる。そのため、グロープラグの消費電力を低減させることができる。
(10)上記形態のグロープラグにおいて、前記先端コイルの螺旋部分の平均ピッチP1と、前記後端コイルの螺旋部分の平均ピッチP2とは、P2/P1≧3.5の関係を満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、グロープラグの発熱を先端コイルの位置する先端側に集中させることができるので、グロープラグの消費電力を低減させることができる。
(11)上記形態のグロープラグにおいて、前記先端コイルの1000℃を超えた所定温度における抵抗値は、前記後端コイルの1000℃を超えた前記所定温度における抵抗値よりも高くてもよい。この形態のグロープラグによれば、先端コイルの1000℃を超えた所定温度における抵抗値が、後端コイルの1000℃を超えた前記所定温度における抵抗値以下である場合と比較して、先端コイルを1000℃を超えた温度に発熱させるために後端コイルで消費される電力を低減することができるので、グロープラグの消費電力を低減させることができる。
本発明は、上述したグロープラグとしての形態以外にも、例えば、グロープラグの製造方法や、グロープラグを備える点火装置など、種々の形態で実現することが可能である。
本発明の一実施形態としてのグロープラグを備えるグロープラグ制御装置を示すブロック図。 グロープラグを示す説明図。 シースヒータの詳細な構成を示す断面図。 実験1の結果を示す図。 実験2の結果を示す図。 実験3の結果を示す図。 実験4の結果を示す図。
A.実施形態:
A1.グロープラグ制御装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態としてのグロープラグ制御装置21を示すブロック図である。グロープラグ制御装置21は、グロープラグ10と、制御部32と、スイッチ33と、を備えている。なお、図1では、グロープラグ10を1つのみ示しているが、実際のエンジンには複数の気筒が設けられており、各気筒に対応してグロープラグ10やスイッチ33が設けられる。
制御部32は、CPUやROM、RAM等を有するマイクロコンピュータとして構成されている。制御部32はPWM(Pulse Width Modulation)制御によりグロープラグ10への通電を制御する。制御部32は、入力された電圧に基づいてグロープラグ10への印加電圧を算出することができる。スイッチ33は、制御部32からの指示に従い、バッテリVAからグロープラグ10に対する通電のオン・オフを切り替える。スイッチ33は、電流検知機能を有するFET(Field Effect Transistor)を、NPN型トランジスタ等を介して動作させるように構成されており、制御部32は、印加電圧と、スイッチ33によって測定されるグロープラグ10に流れる電流と、から、グロープラグ10の抵抗値を得る。更に、本実施形態では、制御部32は、エンジンキーがオンされた際に、グロープラグ10を急速昇温させるプリグロー通電と、プリグロー通電の後に、グロープラグ10を所定時間に亘って所定温度において維持するアフターグロー通電と、を行うことが可能である。
プリグロー通電では、制御部32は、グロープラグ10に11Vの電圧を印加することにより、印加開始から3秒以内で、グロープラグ10のシース管の先端(後述)から軸線方向ODの後端側に2mmの位置における表面温度を1000℃以上に到達させる、急速昇温を行う。このプリグロー通電では、制御部32は、グロープラグ10に投入する電力と経過時間との関係を示す曲線を、予め作成した基準となる曲線に一致させることで、グロープラグ10を急速に目標温度まで昇温させる。具体的には、予め定めた基準とする曲線を示す関係式又はテーブルを用い、通電開始からの経過時間に応じた各時点においての投入すべき電力を求める。制御部32は、グロープラグ10に流れる電流と、その時点においての投入すべき電力の値との関係から、グロープラグ10に印加すべき電圧を求め、PWM制御により、グロープラグ10に印加する電圧を制御する。これにより、基準とする曲線と同じカーブを描くようにして電力の投入が行われ、昇温過程の各時点までに投入された電力の積算量に応じ、グロープラグ10が発熱する。したがって、基準とする曲線に沿った電力の投入が完了すれば、グロープラグ10は基準曲線通りの時間で目標温度に到達する。
また、アフターグロー通電においては、比較的長期間(例えば、180秒程度)の間、グロープラグ10のシース管の表面温度が1000℃より高い温度になるように、グロープラグ10に対する供給電力が調節される。このアフターグロー通電では、制御部32は、グロープラグ10の抵抗値が、グロープラグ10を目標の温度とした際の抵抗値(目標抵抗値)と一致するように、グロープラグ10に対する通電を制御する(高温制御)。具体的には、制御部32は、グロープラグ10の現在の抵抗値と目標抵抗値との差分から、例えば、PI(Proportional-Integral)制御により、グロープラグ10に印加すべき実行電圧を算出し、算出した実行電圧に基づいてパルス幅をパルス周期で割ったデューティ比を設定して、通電を制御する。
A2.グロープラグの構成:
図2は、グロープラグ10を示す説明図である。グロープラグ10は、熱を発生させるシースヒータ(発熱装置)800を備え、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示せず)の始動時における点火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、シースヒータ800の他、中軸200と、主体金具500とを備える。これらグロープラグ10を構成する部材は、グロープラグ10の軸線方向ODに沿って組み付けられている。図2では、軸線Oから紙面右側に外観構成を図示し、軸線Oから紙面左側に断面構成を図示した。なお、本明細書では、グロープラグ10におけるシースヒータ800側を「先端側」と呼び、係合部材100側を「後端側」と呼ぶ。
主体金具500は、炭素鋼を筒状に成形した部材である。主体金具500は、先端側の端部においてシースヒータ800を保持する。また、主体金具500は、後端側の端部において絶縁部材410及びO(オー)リング460を介して中軸200を保持する。絶縁部材410の軸線Oに沿った位置は、絶縁部材410の後端に接するリング300が中軸200に加締められることで固定される。更に、主体金具500の軸孔510内には、絶縁部材410からシースヒータ800に至る中軸200の部位が配置される。軸孔510は、軸線Oに沿って形成された貫通孔であり、中軸200よりも大きな径を有する。軸孔510内に中軸200が位置決めされた状態で、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。軸孔510の先端側には、シースヒータ800が圧入されて接合されている。主体金具500は、工具係合部520と、雄ネジ部540とを備える。主体金具500の工具係合部520は、グロープラグ10の取り付け及び取り外しに用いられる工具(図示しない)に係合する。雄ネジ部540は、内燃機関(図示しない)に形成された雌ネジに嵌り合う。
中軸200は、導電材料で円柱状(棒状)に成形された部材である。中軸200は、主体金具500の軸孔510に挿入された状態で軸線Oに沿って組み付けられる。中軸200は、先端側に形成された先端部210と、後端側に設けられた雄ネジ部290とを備える。先端部210は、シースヒータ800の内部に挿入される。雄ネジ部290は、主体金具500から後端側に突出している。雄ネジ部290には、係合部材100が嵌り合う。
図3は、シースヒータ800の詳細な構成を示す断面図である。シースヒータ800は、シースヒータ800の内部に中軸200の先端部210が挿入された状態で、主体金具500の軸孔510内に圧入されている。シースヒータ800は、シース管810と、先端コイル820と、後端コイル830と、絶縁体870とを備える。
シース管810は、軸線方向ODに延び、先端811が閉じられた筒状部材である。シース管810は、先端コイル820と、後端コイル830と、絶縁体870と、を内包する。シース管810は、外側に向けて丸く形成された先端部813と、先端部813とは反対側に開口した端部である後端部819とを備える。この後端部819からシース管810の内部に中軸200の先端部210が挿入されている。シース管810は、パッキン600及び絶縁体870によって中軸200と電気的に絶縁される。一方、シース管810は、主体金具500と接触して電気的に接続されている。シース管810は、例えば、鉄(Fe)とクロム(Cr)と炭素(C)とを含有するオーステナイト系ステンレス材料や、インコネル(「INCONEL」は登録商標)、Alloy602(ドイツ工業規格(DIN)で規定されたDIN2.4633合金に相当)といったNi基合金によって形成されている。
絶縁体870は、電気絶縁性を有する絶縁材料の粉末である。絶縁体870としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)の粉末が用いられる。絶縁体870は、シース管810と、先端コイル820及び後端コイル830との間に充填(配置)され、シース管810と、先端コイル820と、後端コイル830と、中軸200との各隙間を電気的に絶縁する。
先端コイル820は、シース管810の内側に軸線方向ODに沿って配置され、通電によって発熱する。先端コイル820は、先端側のコイル端部である先端部821と、後端側のコイル端部である後端部829とを備える。先端部821は、シース管810の先端部813の内壁面812に溶接されることによりシース管810と電気的に接続される。後端部829は、先端コイル820と後端コイル830とが溶接されることによって形成された接続部840を介して、後端コイル830と電気的に接続される。先端コイル820は、例えば、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)や、タングステン(W)合金により形成されており、主成分としてタングステン(W)またはモリブデン(Mo)を含んでいる。なお、本実施形態における主成分とは、含有率(質量%)が50質量%以上の物質をいう。本実施形態では、先端コイル820はタングステン(W)により形成されている。
後端コイル830は、先端側のコイル端部である先端部831と、後端側のコイル端部である後端部839とを備える。先端部831は、接続部840を介して先端コイル820と電気的に接続される。後端部839は、中軸200の先端部210に接合されることにより中軸200と電気的に接続される。後端コイル830は、例えば、ニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金や、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金により形成されており、本実施形態では、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金により形成されている。
ここで、先端コイル820と後端コイル830とは、温度変化による抵抗値の変化(抵抗比)が次の式(1)を満たすように構成されている。
先端コイル820の20℃での抵抗値R120に対する1000℃での抵抗値R11000の比であるR11000/R120(以下、抵抗比R1)と、後端コイル830の20℃での抵抗値R220に対する1000℃での抵抗値R21000の比であるR21000/R220(以下、抵抗比R2)とは、以下の式(1)の関係を満たしている。本実施形態では、先端コイル820の抵抗比R1は5.0以上であり、後端コイル830の抵抗比R2は0.80以上1.2以下である。
R1>R2・・・式(1)
以下、式(1)を満たしており、先端コイル820の主成分がタングステン(W)又はモリブデン(Mo)であるグロープラグ10の仕様を、「仕様1」とも呼ぶ。
以上のように構成された本実施形態のグロープラグ10は、先端コイル820の温度変化による抵抗値の変化R1と、後端コイル830の温度変化による抵抗値の変化R2と、が上述の式(1)の関係を満たすため、先端コイル820の温度変化による抵抗値の変化R1が後端コイル830の温度変化による抵抗値の変化R2よりも小さい場合(R1<R2)と比較して、先端コイル820の温度変化をグロープラグ制御装置21(制御部32)へ正確に伝達することができる。また、先端コイル820の主成分は、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)であるため、高温制御が行われた場合であっても、先端コイル820の溶損を抑制することができる。
なお、本実施形態のグロープラグ10は、更に、以下の仕様2〜12のうち、1以上の仕様を満たしていることが好ましい。以下に、各仕様と、その仕様を満たすことが好ましい理由とについて説明する。
<仕様2>
先端コイル820の20℃における抵抗値R120と後端コイル830の20℃における抵抗値R220の合計値(R120+R220)は、0.275(Ω)より大きい。
グロープラグ10に11Vの電圧を印加してシース管810の先端部の表面温度を昇温開始から3秒以内で1000℃に到達させるような急速昇温が行われたとしても、先端コイル820の主成分をタングステン(W)またはモリブデン(Mo)とすることで、高温制御が行われた場合と同様に、先端コイル820の溶損を抑制することが可能となる。一方、このような急速昇温が行われた場合には、合計値(R120+R220)が0.275(Ω)以下であると、グロープラグ10には40(A)以上の電流が流れることになる。このような場合には、グロープラグ制御装置21の備える制御回路に過電流が流れることによって、制御回路が断線するおそれがある。しかし、合計値(R120+R220)が0.275(Ω)より大きければ、急速昇温が行われた場合であっても、制御回路の断線を抑制できる。
<仕様3>
先端コイル820の20℃における抵抗値と後端コイル830の20℃における抵抗値の合計値は、0.600(Ω)以下である。
グロープラグ10に一定の電圧が印加された場合には、抵抗値R(Ω)が大きくなるにつれて、電流値I(A)は小さくなる。ここで、発熱量P(W)は、抵抗値R(Ω)と電流値I(A)の2乗(I)とが乗算された値であるため、グロープラグ10の抵抗値Rが大きくなると、発熱量Pは電流値の2乗に比例して大きく低下してしまう。しかし、抵抗値の合計値(R120+R220)が0.600(Ω)以下である場合には、電流値が小さくなることを抑制できるので、先端コイル820及び後端コイル830に十分に電流を流すことができる。そのため、グロープラグ10を効果的に発熱させることができ、急速昇温に適したグロープラグ10を提供できる。
<仕様4>
後端コイル830の20℃における抵抗値は、先端コイル820の20℃における抵抗値よりも大きい。
本仕様を満たす場合には、グロープラグ10の昇温初期には後端コイル830が先端コイル820よりも発熱する。そのため、昇温過程において先端コイル820の熱が後端コイル830に伝達されることを抑制することができるので、先端コイル820によってグロープラグ10の先端側を効果的に発熱させることができ、グロープラグ10をより急速に昇温させることができる。
<仕様5>
後端コイル830の20℃における抵抗値は、先端コイル820の20℃における抵抗値の6倍以下であってもよい。
本仕様を満たすグロープラグ10では、先端コイル820及び後端コイル830に十分に電流を流すことができるため、グロープラグ10を効果的に発熱させることができる。そのため、急速昇温に適したグロープラグ10を提供できる。また、後端コイル830が過度に発熱することで消費電力が増加することを抑制できる。
<仕様6>
先端コイル820の抵抗比R1は5.0以上であり、後端コイル830の抵抗比R2は0.80以上1.2以下である。
本仕様を満たすグロープラグ10では、先端コイル820の位置するグロープラグ10の先端側の温度が変化すると、先端コイル820の抵抗値が大きく変化する。一方、後端コイル830の位置するグロープラグ10の後端側の温度が変化しても、後端コイル830の抵抗値変化は小さい。そのため、後端コイル830の影響を抑制しつつ、グロープラグ10の先端側の温度変化を制御回路へ正確に伝達することができる。なお、本実施形態のグロープラグ10は、本仕様を満たしている。
<仕様7>
後端コイル830は、鉄(Fe)とクロム(Cr)とアルミニウム(Al)とを含む合金または、ニッケル(Ni)とクロム(Cr)とを含む合金からなる。
仕様6を満たすグロープラグ10では、後端コイル830の抵抗比R2が小さいため、グロープラグ10の先端側の温度変化を制御回路へより正確に伝達することができる。なお、本実施形態のグロープラグ10は、本仕様を満たしている。
<仕様8>
後端コイル830の線径は、先端コイル820の線径よりも大きい。
この仕様を満たせば、グロープラグ10の昇温過程において後端コイル830が過度に発熱することを抑制することができ、急速昇温に適したグロープラグ10を提供することができる。なお、本実施形態のグロープラグ10では、先端コイル820の線径がΦ0.2mmであり、後端コイル830の線径がΦ0.4mmであり、本仕様を満たしている。
<仕様9>
図3には、先端コイル820における、シース管810の先端側内壁面812から後端コイル830との接続部840までの軸線Oに沿った長さL1と、後端コイル830における、先端コイル820との接続部840から中軸200の先端面211までの軸線Oに沿った長さL2と、が示されている。長さL1と長さL2とは、以下の式(2)を満たす。
L1<L2・・・式(2)
上述の式(2)を満たすグロープラグ10では、先端コイル820の長さL1が後端コイル830の長さL2よりも短いため、先端コイル820が加熱する領域を小さくすることができ、グロープラグ10の発熱を先端コイル820の位置する先端側に集中させることができる。そのため、グロープラグ10の消費電力を低減させることができる。
<仕様10>
先端コイル820の螺旋部分の平均ピッチP1と、後端コイル830の螺旋部分の平均ピッチP2とは、以下の式(3)の関係を満たしている。なお、ピッチとは、コイルの螺旋部分の間隔(例えば、先端コイル820では図3に示す間隔p1、後端コイル830では図3に示す間隔p2)をいう。平均ピッチとは、コイルの螺旋部分の間隔が安定している箇所における、間隔の平均値である。本実施形態では、先端コイル820の平均ピッチP1は、シース管810の先端側内壁面812から後端側に3巻き分の螺旋部分と、接続部840から先端811側に3巻き分の螺旋部分と、を除いた、図3にT1で示す部分における、螺旋部分の間隔を平均することにより求められる。後端コイル830の平均ピッチP2は、接続部840から後端側に1巻き分の螺旋部分と、中軸200の先端面211から先端側に1巻き分の螺旋部分と、を除いた、図3にT2で示す部分における螺旋部分の間隔を平均することにより求められる。
P2/P1≧3.5・・・式(3)
仕様10(上述の式(3))を満たすグロープラグ10では、グロープラグ10の発熱を先端コイル820の位置する先端側に集中させることができるので、グロープラグ10の消費電力を低減させることができる。なお、平均ピッチP1と平均ピッチP2とは、P2/P1≧4.0の関係を満たすことがより好ましい。
<仕様11>
先端コイル820の1000℃を超えた所定温度における抵抗値は、後端コイル830の1000℃を超えた前記所定温度における抵抗値よりも高い。
この仕様11を満たせば、先端コイル820の1000℃を超えた所定温度における抵抗値が、後端コイル830の1000℃を超えた前記所定温度における抵抗値以下である場合と比較して、先端コイル820を1000℃を超えた温度に発熱させるために後端コイル830で消費される電力を低減することができるので、グロープラグ10の消費電力を低減させることができる。
<仕様12>
先端コイル820の長さL1は、6.0mm以下である。
先端コイル820の長さL1が6.0mm以下である場合には、エンジンヘッドにグロープラグ10が装着された状態において先端コイル820が燃焼室内に位置するので、燃焼室内において先端コイル820を効率的に発熱させることができる。そのため、グロープラグ10の消費電力を低減させることができる。なお、本実施形態のグロープラグ10では、先端コイルの長さL1は5.0mm以下である。
以下では、上述の仕様1を満たすようにすることで、高温制御が行われた場合における先端コイル820の溶損を抑制することが可能な根拠について、実験1の結果に基づいて説明する。また、上述の仕様2又は上述の仕様3を満たすようにすることで急速昇温に適したグロープラグ10を提供可能な根拠について、実験2の結果に基づいて説明する。また、上述の仕様8又は上述の仕様9(式(2))を満たすようにすることで、急速昇温に適したグロープラグ10を提供可能な根拠を、実験3の結果に基づいて説明する。更に、上述の仕様9(式(2))又は上述の仕様10(式(3))を満たすようにすることで、グロープラグ10の消費電力を低減させることが可能な根拠について、実験4の結果に基づいて説明する。
B.実験内容及びその実験結果:
B1.実験1の内容及びその結果:
図4は、実験1の結果を示す図である。図4には、先端コイル820の材質と、後端コイル830の材質と、先端コイル820の20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R1と、後端コイル830の20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R2との関係(大小関係)と、判定結果と、が示されている。この実験では、先端コイル820の材質と後端コイル830の材質の組合せを異ならせたグロープラグ10のサンプル1〜6を作製し、コイルの材質がコイルの溶損に与える影響を調査した。なお、サンプル1〜6は、いずれも上述の式(1)の関係を満たしている。
<コイル線径>
先端コイルの線径:直径0.20(mm)
後端コイルの線径:直径0.40(mm)
<コイル長さL1、L2>
先端コイルの長さ:L1=7(mm)
後端コイルの長さ:L2=12(mm)
<平均ピッチ及びピッチ比>
先端コイルの平均ピッチP1:0.30(mm)
後端コイルの平均ピッチP2:2.5(mm)
平均ピッチ比P2/P1=8.33
実験1では、サンプル1〜6について、次の工程1、2を1サイクルとして合計6000サイクルのサイクル試験を行った。温度は、熱電対を用いて測定した。
(工程1):各サンプルに11Vの電圧を印加することによって、シースヒータ800(シース管810)の先端811から軸線方向OD後端側に2mmの位置におけるシース管810の表面温度を、印加開始から2秒後に1000℃とした後、シース管810の表面温度を1100℃に維持。印加開始から180秒後に電圧の印加を停止。印加を開始した温度は、常温(約20℃)である。
(工程2):電圧の印加を停止した後、送風によってシースヒータ800を120秒間冷却。
6000サイクル後の先端コイル820を観察し、以下の基準で各サンプルを判定した。
○:先端コイルが断線しておらず、かつ、先端コイルにおける試験後の線径の最小値が試験前の線径の0.8倍以下には至っておらず、かつ、先端コイルにおける試験後の抵抗値が試験前の抵抗値の0.9倍以下には至っていない。
△:先端コイルが断線しておらず、かつ、先端コイルにおける試験後の線径の最小値が試験前の線径の0.8倍以下である、又は、先端コイルが断線しておらず、かつ、先端コイルにおける試験後の抵抗値が試験前の抵抗値の0.9倍以下である。
×:6000サイクルに至る前に先端コイルが断線。
判定結果が「○」又は「△」のサンプルでは、先端コイル820の溶損が抑制されているといえる。
実験1の結果、先端コイル820の材質がタングステン(W)であり後端コイル830の材質がニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金であるサンプル1と、先端コイル820の材質がタングステン(W)であり後端コイル830の材質がニッケル(Ni)−タングステン(W)合金であるサンプル3は、どちらのサンプルも先端コイル820が断線していなかった。また、サンプル1とサンプル3は、先端コイル820における試験後の線径の最小値が試験前の線径の0.8倍以下には至っておらず、かつ、先端コイル820における試験後の抵抗値が試験前の抵抗値の0.9倍以下には至っていなかった。そのため、サンプル1とサンプル3は「○」と判定した。先端コイル820の材質がモリブデン(Mo)であり後端コイル830の材質が鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金であるサンプル2は、先端コイル820が断線していなかった。また、サンプル2は、先端コイル820における試験後の線径の最小値が試験前の線径の0.8倍以下であり、先端コイル820における試験後の抵抗値が試験前の抵抗値の0.9倍以下であった。そのため、サンプル2は「△」と判定した。一方、先端コイル820の材質がコバルト(Co)−ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金であり、後端コイル830の材質が鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金であるサンプル4と、先端コイル820の材質がコバルト(Co)−ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金であり、後端コイル830の材質がニッケル(Ni)であるサンプル5と、先端コイル820の材質がニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金であり、後端コイル830の材質が鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金であるサンプル6は、先端コイル820が断線していた。そのため、サンプル4〜6は「×」と判定した。
サンプル1〜3とサンプル4〜6の実験の結果から、先端コイル820の材質がタングステン(W)又はモリブデン(Mo)である場合には、後端コイル830の材質にかかわらず、高温制御が行われた場合における先端コイル820の溶損が抑制されることが示された。また、サンプル1〜3の結果から、先端コイル820の材質がタングステン(W)である場合には、先端コイル820がモリブデン(Mo)である場合と比較して、高温制御が行われた場合における先端コイル820の線径の減少や、先端コイル820の抵抗値の減少が抑制されることが示された。
B2.実験2の内容及びその結果:
図5は、実験2の結果を示す図である。図5には、先端コイル820の20℃における抵抗値R120と後端コイル830の20℃における抵抗値R220の合計値(合計値(R120+R220))と、急速昇温性の判定結果と、突入電流(インラッシュカレント、inrush current)の判定結果と、総合判定結果と、が示されている。この実験では、合計値(R120+R220)が、急速昇温性と突入電流に与える影響を調査した。なお、サンプル7〜10は、いずれも上述の式(1)の関係を満たしており、また、以下に示すように、サンプル7〜10の先端コイル820の材質はタングステン(W)であることから、サンプル7〜10は上述の仕様1を満たしている。
<コイル材質>
先端コイルの材質:タングステン(W)
後端コイルの材質:鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金
<コイル長さL1、L2>
先端コイルの長さ:L1=7(mm)
後端コイルの長さ:L2=12(mm)
<平均ピッチ及びピッチ比>
先端コイルの平均ピッチP1:0.30(mm)
後端コイルの平均ピッチP2:2.5(mm)
平均ピッチ比P2/P1=8.33
実験2では、合計値(R120+R220)による急速昇温性を評価するため、サンプル7〜10に11Vの電圧を印加して、シース管810の先端811から軸線方向OD後端側に2mmの位置におけるシース管810の表面温度が、印加を開始してから1000℃に到達するまでの時間を測定した。温度は、熱電対を用いて測定した。なお、印加を開始した温度は、常温(約20℃)である。
1000℃に到達するまでの時間の測定結果により、以下の基準で各サンプルの急速昇温性を判定した。
○:印加開始から、1.9秒以内で1000℃に到達。
△:印加開始から、1.9秒より長く3秒以内で1000℃に到達。
×:印加開始から、3秒より長い時間で1000℃に到達。
印加開始から3秒以内で1000℃に到達するサンプル(判定結果が「○」又は「△」のサンプル)では、十分な急速昇温性を有しているといえる。また、印加開始から1.9秒以内で1000℃に到達するサンプル(判定結果が「○」のサンプル)は、印加開始から3秒よりも短い時間で1000℃に到達可能であるため、急速昇温により適しているといえる。
また、実験2では、サンプル7〜10について11Vの電圧を印加した際に流れる電流(突入電流)を測定することによって、以下の基準で各サンプルの突入電流を判定した。
○:急速昇温が行われた場合に制御回路に流れる電流が40(A)未満。
×:急速昇温が行われた場合に制御回路に流れる電流が40(A)以上。
判定結果が「○」のサンプルでは、急速昇温が行われた場合にグロープラグ制御装置21の備える制御回路に過剰な電流が流れることが抑制され、制御回路の断線が抑制できるといえる。
更に、急速昇温性の判定結果と突入電流の判定結果から、各サンプルを以下の基準により総合判定した。
○:急速昇温性の判定結果が「○」であり、かつ、突入電流の判定結果が「○」である。
×:急速昇温性の判定結果と突入電流の判定結果の少なくとも一方が「△」又は「×」である。
総合判定結果が「○」であるサンプルは、急速昇温に適しており、かつ、急速昇温が行われた場合であっても制御回路の断線が抑制可能であるといえる。
実験2の結果、急速昇温性についてみると、合計値(R120+R220)が0.275(Ω)であるサンプル7と、0.280(Ω)であるサンプル8と、0.600(Ω)であるサンプル9では、印加開始から1.9秒以内で1000℃に到達していた。サンプル7〜9は「○」と判定した。合計値が0.605(Ω)のサンプル10では、印加開始から1.9秒よりも長く3秒以内で1000℃に到達していた。サンプル10は「△」と判定した。この結果から、サンプル7〜10は、いずれも、シース管810の先端811から軸線方向OD後端側に2mmの位置におけるシース管810の表面温度を、昇温開始から3秒以内で1000℃以上に到達させるような、急速昇温が可能であることが示された。特に、合計値が0.600(Ω)以下であるサンプル7〜9は、1.9秒以内で1000℃に到達可能であることから、合計値を0.600(Ω)以下とすることで、すなわち、上述の仕様3を満たすようにすることで、急速昇温に適したグロープラグ10を提供できることが示された。
また、突入電流についてみると、合計値が0.275(Ω)よりも大きいサンプル8〜10では、突入電流が40(A)未満であった。そのため、サンプル8〜10は「○」と判定した。一方、合計値が0.275(Ω)のサンプル7では、突入電流が40(A)以上であった。そのため、サンプル7は「×」と判定した。この結果から、合計値を0.275(Ω)より大きくすることで、すなわち、上述の仕様2を満たすようにすることで、急速昇温が行われた場合であっても制御回路に過剰な電流が流れることを抑制できることが示された。
以上の実験の結果より、サンプル8、9は「○」と総合判定し、サンプル7、10は「×」と総合判定した。この結果は、上述の仕様2及び仕様3を満たすグロープラグ10は、急速昇温に適しており、かつ、急速昇温が行われた場合であっても制御回路の断線が抑制可能なグロープラグ10であることを示している。
B3.実験3の内容及びその結果:
図6は、実験3の結果を示す図である。図6には、先端コイル820の線径d1と、後端コイル830の線径d2と、先端コイル820の線径d1と後端コイル830の線径d2の大小関係と、判定結果と、が示されている。この実験3では、先端コイル820の線径d1と後端コイル830の線径d2の大小関係が急速昇温性に与える影響を調査した。なお、サンプル11〜13は、いずれも上述の式(1)の関係を満たしており、以下に示すように、サンプル11〜13の先端コイル820の材質はタングステン(W)であることから、サンプル11〜13は上述の仕様1を満たしている。
<コイル材質>
先端コイルの材質:タングステン(W)
後端コイルの材質:ニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金
<先端コイルの20℃における抵抗値R120と後端コイルの20℃における抵抗値R220の合計値>
合計値(R120+R220)=0.35(Ω)
<コイル長さL1、L2>
先端コイルの長さ:L1=7(mm)
後端コイルの長さ:L2=12(mm)
実験3では、実験2と同様に、サンプル11〜13に11Vの電圧を印加して、シース管810の先端811から軸線方向OD後端側に2mmの位置におけるシース管810の表面温度が、印加を開始してから1000℃に到達するまでの時間を測定した。急速昇温性は、以下の基準により判定した。なお、印加を開始した温度は、常温(約20℃)である。
判定は、以下の基準により行った。
○:印加開始から、1.8秒以内で1000℃に到達
△:印加開始から、1.8秒より長く3秒以内で1000℃に到達
×:印加開始から、3秒より長い時間で1000℃に到達
印加開始から3秒以内で1000℃に到達するサンプル(判定結果が「○」又は「△」のサンプル)では、十分な急速昇温性を有しているといえる。また、印加開始から1.8秒以内で1000℃に到達するサンプル(判定結果が「○」のサンプル)は、急速昇温にいっそう適しているといえる。
実験3の結果、後端コイル830の線径d2が先端コイル820の線径d1よりも大きいサンプル11、12では、印加開始から1.8秒以内で1000℃に到達していた。サンプル11、12は「○」と判定した。一方、後端コイル830の線径d2が先端コイル820の線径d1よりも小さいサンプル13では、印加開始から1.8秒よりも長く3秒以内で1000℃に到達していた。サンプル10は「△」と判定した。
この結果から、サンプル11〜13は、いずれも、シース管810の先端811から軸線方向OD後端側に2mmの位置におけるシース管810の表面温度を、昇温開始から3秒以内で1000℃以上に到達させるような、急速昇温が可能であることが示された。特に、後端コイル830の線径d2が先端コイル820の線径d1がよりも大きいサンプル11、12は、1.8秒以内で1000℃に到達可能であることから、後端コイル830の線径d2を先端コイル820の線径d1よりも大きくすることで、すなわち、上述の仕様8を満たすようにすることで、急速昇温にいっそう適したグロープラグ10を提供できることが示された。
B4.実験4の内容及びその実験結果:
図7は、実験4の結果を示す図である。図7には、先端コイル820の平均ピッチP1(mm)と、後端コイル830の平均ピッチP2(mm)と、平均ピッチP1と平均ピッチP2との比P2/P1と、先端コイル820の長さL1と後端コイル830の長さL2との関係(長短関係)と、判定結果と、が示されている。この実験では、同じピッチ比を有し、コイルの長さL1とL2との長短関係が異なるサンプル15とサンプル26とを用いて、コイルの長さの長短関係が消費電力に与える影響を調査した。また、コイルの長さL1がコイルの長さL2よりも長く、比P2/P1がそれぞれ異なるサンプル14〜25を用いて、比P2/P1が消費電力に与える影響を調査した。なお、サンプル14〜26は、いずれも上述の式(1)の関係を満たしており、以下に示すように、サンプル14〜26の先端コイル820の材質はタングステン(W)であることから、サンプル14〜26は上述の仕様1を満たしている。また、サンプル14〜25において、先端コイル820の20℃における抵抗値R120は、0.08(Ω)以上0.15(Ω)以下であり、後端コイル830の20℃における抵抗値R220は、0.22(Ω)以上0.45(Ω)以下である。すなわち、サンプル14〜25は、上述の仕様2〜5を満たしている。
<コイル材質及び線径>
先端コイルの材質:タングステン(W)
先端コイルの線径:直径0.20(mm)
後端コイルの材質:鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金
後端コイルの線径:直径0.40(mm)
<コイル長さL1、L2>
サンプル1〜12:L1=5(mm)、L2=18(mm)
サンプル13:L1=18(mm)、L2=5(mm)
実験では、サンプル14〜26について、シース管810の先端811から軸線方向ODの後端側に2mmの位置におけるシース管810の表面温度が、1000℃に飽和する電圧を印加した場合の電流値を測定して、電圧値と電流値から、消費される電力値(消費電力)を算出した。温度は、熱電対を用いて測定した。判定は、急速昇温が可能である一般的なグロープラグの消費電力(おおよそ33W以上)を基準として、以下のように行った。
◎:消費電力が28(W)以下(急速昇温が可能である一般的なグロープラグと比較して、消費電力がより低減)
○:消費電力が28(W)より大きく、かつ33W未満(急速昇温が可能である一般的なグロープラグと比較して、消費電力が低減)
×:消費電力が33(W)以上(急速昇温が可能である一般的なグロープラグと比較して、消費電力が同等)
<長短関係が消費電力に与える影響>
同じピッチ比を有するサンプル15とサンプル26との実験の結果、先端コイル820の長さL1が後端コイル830の長さL2よりも短いサンプル15では、消費電力が28W以下であった。そのためサンプル15は「◎」と判定した。一方、先端コイル820の長さL1が後端コイル830の長さL2よりも長いサンプル26では、消費電力が33W以上であった。そのため、サンプル13は「×」と判定した。サンプル26では、先端コイル820の長さL1が後端コイル830の長さL2よりも長いために、先端コイル820を発熱させてシース管810表面の温度を1000℃まで到達させるまでに、多くの電力が消費されたと考えられる。
先端コイル820が後端コイル830よりも長いと、グロープラグ10の先端側に発熱を集中させることが困難な場合があり、先端側を発熱させようとすると、グロープラグ10に大きな電力を印加しなければならず、消費電力が大きくなるおそれがある。しかし、以上の実験結果より、先端コイル820の長さL1を後端コイル830の長さL2よりも短くすることにより、すなわち、上述の仕様9を満たすようにすることにより、グロープラグ10の消費電力を低減可能であることが示された。
<平均ピッチの比P2/P1が消費電力に与える影響>
コイルの長さL1がコイルの長さL2よりも長く、平均ピッチの比P2/P1がそれぞれ異なるサンプル14〜25の実験の結果、平均ピッチの比P2/P1の値が3.5以上であるサンプル14〜25では、消費電力が33W未満であった。その中でも、平均ピッチの比P2/P1の値が4.0以上であるサンプル14〜22では、消費電力が28W以下であった。サンプル14〜22は、「◎」と判定し、サンプル23、24は「○」と判定した。
以上の実験結果より、平均ピッチP1と平均ピッチP2とは、P2/P1≧3.5の関係(仕様10(式(3)))を満たすことにより、グロープラグ10の消費電力を低減可能であることが示された。また、P2/P1≧4.0の関係を満たすことにより、グロープラグ10の消費電力をより低減可能であることが示された。
C.変形例:
・変形例1:
上述の実施形態では、先端コイル820の抵抗比R1は5.0以上であり、後端コイル830の抵抗比R2は0.80以上1.2以下である。これに対し、抵抗比R1と抵抗比R2とが上述の式(1)を満たしていれば、先端コイル820の抵抗比R1と、後端コイル830の抵抗比R2とは、他の値であってもよい。例えば、抵抗比R1は、4.0、3.5であってもよく、抵抗比R2は、0.7、2.0であってもよい。なお、抵抗比R2が、1.0である場合には、グロープラグ10の先端側の温度変化を制御回路へ伝達するにあたり、後端コイル830の抵抗値変化が与える影響を、いっそう抑制することができる。
・変形例2:
後端コイル830は、抵抗比R1と抵抗比R2とが上述の式(1)を満たす材料により構成されていれば、ニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金や、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金以外の合金や金属から構成されていてもよい。
・変形例3:
後端コイル830の線径は、先端コイル820の線径よりも小さくてもよい。
・変形例4:
先端コイル820の長さL1は、6.0mmより長くてもよい。
・変形例5:
上述の実施形態では、グロープラグ10の後端コイル830は、1つのコイルにより構成されている。これに対し、グロープラグ10の後端コイル830は、複数のコイルが接続されることにより構成されていてもよい。この場合、上述の式(1)の関係を満たすように、複数のコイルにより後端コイル830を構成すれば、上述の実施形態と同様の効果を奏する。また、先端コイル820との接続部840から中軸200の先端面211までの軸線Oに沿った複数の後端コイル830の合計長さL2とが上述の式(2)を満たすように構成すれば、グロープラグ10の消費電力を低減することができる。なお、コイルの平均ピッチP2/P1とが、上述の式(3)の関係を満たすように、複数のコイルにより後端コイル830を構成しても、グロープラグ10の消費電力を低減することができる。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組合せを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…グロープラグ
21…グロープラグ制御装置
32…制御部
33…スイッチ
100…係合部材
200…中軸
210…先端部
211…先端面
290…雄ネジ部
300…リング
410…絶縁部材
460…Oリング
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ネジ部
800…シースヒータ
810…シース管
811…先端
812…内壁面
813…先端部
819…後端部
820…先端コイル
821…先端部
829…後端部
830…後端コイル
831…先端部
839…後端部
840…接続部
870…絶縁体
O…軸線
OD…軸線方向
VA…バッテリ

Claims (10)

  1. 軸線方向に延び、先端が閉じられたシース管と、
    前記シース管の内部に挿入された棒状の中軸と、
    前記シース管内に配置され、前記シース管の先端側内壁面に接続された螺旋状の先端コイルと、
    前記シース管内に配置され、前記先端コイルの後端部と前記中軸の先端部との間に接続された螺旋状の後端コイルと、を備えるグロープラグであって、
    前記先端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R1と、前記後端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R2とは、R1>R2の関係を満たし、
    前記先端コイルの主成分は、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)であり、
    前記先端コイルの前記抵抗比R1は5.0以上であり、
    前記後端コイルの前記抵抗比R2は0.80以上1.2以下であることを特徴とする、
    グロープラグ。
  2. 請求項1に記載のグロープラグであって、
    前記先端コイルの20℃における抵抗値と前記後端コイルの20℃における抵抗値の合計値は、0.275(Ω)よりも大きいことを特徴とする、グロープラグ。
  3. 請求項2に記載のグロープラグであって、
    前記先端コイルの20℃における抵抗値と前記後端コイルの20℃における抵抗値の合計値は、0.600(Ω)以下であることを特徴とする、グロープラグ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    前記後端コイルの20℃における抵抗値は、前記先端コイルの20℃における抵抗値よりも大きいことを特徴とする、グロープラグ。
  5. 請求項4に記載のグロープラグであって、
    前記後端コイルの20℃における抵抗値は、前記先端コイルの20℃における抵抗値の6倍以下であることを特徴とする、グロープラグ。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    前記後端コイルは、鉄(Fe)とクロム(Cr)とアルミニウム(Al)とを含む合金または、ニッケル(Ni)とクロム(Cr)とを含む合金からなることを特徴とする、グロープラグ。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    前記後端コイルの線径は、前記先端コイルの線径よりも大きいことを特徴とする、グロープラグ。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    前記先端コイルにおける、前記シース管の前記先端側内壁面から前記後端コイルとの接続部までの前記軸線に沿った長さL1と、前記後端コイルにおける、前記先端コイルとの接続部から前記中軸の先端面までの前記軸線に沿った長さL2とは、L1<L2の関係を満たすことを特徴とする、グロープラグ。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    前記先端コイルの螺旋部分の平均ピッチP1と、前記後端コイルの螺旋部分の平均ピッチP2とは、P2/P1≧3.5の関係を満たすことを特徴とする、グロープラグ。
  10. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    前記先端コイルの1000℃を超えた所定温度における抵抗値は、前記後端コイルの1000℃を超えた前記所定温度における抵抗値よりも高いことを特徴とする、グロープラグ。
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