JP2020118384A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】急速昇温性を向上できるグロープラグを提供すること。【解決手段】グロープラグは、チューブに先端部が接合されるWやMoを主成分とする先端コイルと、先端コイルの後端部に接合される後端コイルと、を備える。先端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R1と、後端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R2とは、R1>R2の関係を満たし、後端コイルの先端と後端コイルの後端との間の20℃における抵抗値に対する、後端コイルの先端から後端コイルの後端までの軸線方向の距離の半分の第1位置と後端コイルの先端との間の20℃における抵抗値の割合は50%よりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明はグロープラグに関し、特に発熱温度を高温化できるグロープラグに関するものである。
グロープラグは、圧縮着火方式によるディーゼルエンジン等の内燃機関の補助熱源として用いられる。グロープラグは、内燃機関の始動性を向上させるため、短時間で所定温度まで昇温させる性能(以下「急速昇温性」と称す)が要求される。また、グロープラグは、内燃機関の規制が厳格化される中、発熱温度の高温化も求められている。特許文献1には、中軸の先端にコイルが接合されたグロープラグにおいて、発熱温度の高温化の要求に応えるため、FeCrAl合金やNiCr合金よりも高融点のWやMoを主成分とする耐熱金属をコイルに用いる技術が開示されている。
国際公開第2014/206847号
しかしながら、WやMo等の耐熱金属の抵抗比はNiCr合金の抵抗比に比べて大きいので、上記従来の技術では、所定温度まで上昇させるためにコイルに一定電圧を印加すると、コイルの抵抗が急激に増加して電流値が急激に低下する。ここで、抵抗比とは、「コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比」であり、抵抗比の値が大きくなるほど高温での抵抗値が大きくなる。そして、発熱量は電流値の2乗に比例するので、短時間で所定温度まで昇温させ難く、急速昇温性に欠けるという問題点がある。
これに対し、耐熱金属からなるコイル(先端コイル)の後端側に、耐熱金属の抵抗比よりも小さい抵抗比のFeCrAl合金やNiCr合金からなる後端コイルを接合することが考えられる。これにより、コイル全体の抵抗値を過度に増加させることなく先端コイルを所定温度まで上昇させることができ、急速昇温性を確保できる。さらにグロープラグの急速昇温性を向上させる技術が求められている。
本発明はこの要求に応えるためになされたものであり、急速昇温性を向上できるグロープラグを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のグロープラグは、軸線方向に延びる金属製のコイルと、コイルの後端部に接続する中軸と、コイル及び中軸の先端側を収容してコイルが電気的に接続されると共に先端部が閉じた金属製のチューブと、を備えるものであり、コイルは、チューブの先端部に自身の先端部が接合されると共にWやMoを主成分とする先端コイルと、先端コイルの後端部に接合される後端コイルと、を有し、先端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R1と、後端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R2とは、R1>R2の関係を満たし、後端コイルの先端と後端コイルの後端との間の20℃における抵抗値に対する、後端コイルの先端から後端コイルの後端までの軸線方向の距離の半分の第1位置と後端コイルの先端との間の20℃における抵抗値の割合は50%よりも大きい。
請求項1記載のグロープラグによれば、後端コイルの先端と後端コイルの後端との間の20℃における抵抗値に対する、後端コイルの先端から後端コイルの後端までの軸線方向の距離の半分の第1位置と後端コイルの先端との間の20℃における抵抗値の割合を50%よりも大きくすることにより、後端コイルの先端から第1位置までの発熱量を、第1位置から後端コイルの後端までの発熱量よりも大きくできる。これにより、後端コイルの先端から第1位置までの部位と先端コイルとの温度勾配を小さくできる。その結果、昇温時に先端コイルから後端コイルに熱伝導し難くなるので、先端コイルを昇温し易くできる。よって、先端コイルの急速昇温性を向上できる。
請求項2記載のグロープラグによれば、後端コイルの先端から第1位置までの軸線方向の距離の半分の第2位置と後端コイルの先端との間の20℃における抵抗値である第1抵抗値は、第2位置と第1位置との間の20℃における第2抵抗値よりも大きい。これにより後端コイルの先端から第2位置までの発熱量を、第2位置から第1位置までの発熱量よりも大きくできるので、後端コイルの先端から第2位置までの部位と先端コイルとの温度勾配をさらに小さくできる。よって、請求項1の効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項3記載のグロープラグによれば、第1位置から後端コイルの後端までの軸線方向の距離の半分の第3位置と第1位置との間の20℃における抵抗値を第3抵抗値とし、第3位置と後端コイルの後端との間の20℃における抵抗値を第4抵抗値としたとき、第1抵抗値を最も大きくすることにより、後端コイルの先端から第2位置までの部位と先端コイルとの温度勾配をさらに小さくできる。よって、請求項2の効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項4記載のグロープラグによれば、後端コイルは第2抵抗値が2番目に大きいので、後端コイルの先端から第2位置までの部位と第2位置から第1位置までの部位との温度勾配も小さくできる。よって、請求項3の効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項5記載のグロープラグによれば、後端コイルは、第1位置から後端コイルの後端までの部位の最小のピッチよりもピッチの小さい部位が、後端コイルの先端と第1位置との間に存在する。これにより、後端コイルの先端と第1位置との間のピッチの小さい部位の軸線方向の単位長さ当たりの展開長を、第1位置と後端コイルの後端との間の軸線方向の単位長さ当たりの展開長よりも長くできる。展開長の長い部位を後端コイルの先端と第1位置との間に設けることにより、後端コイルの先端から第1位置までの熱伝導を抑制できるので、請求項1から4のいずれかの効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項6記載のグロープラグによれば、後端コイルは、後端コイルの先端から第1位置までの部位の最大のピッチが、第1位置から後端コイルの後端までの部位の最小のピッチよりも小さい。これにより、後端コイルの先端から第1位置までの展開長を、第1位置から後端コイルの後端までの展開長よりも長くできる。その結果、後端コイルの先端から第1位置までの熱伝導をさらに抑制できるので、請求項5の効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項7記載のグロープラグによれば、後端コイルは、第1位置から後端コイルの後端までの部位の最小の線径よりも線径の小さい部位が、後端コイルの先端と第1位置との間に存在する。これにより、後端コイルの先端と第1位置との間の線径の小さい部位の断面積を、第1位置と後端コイルの後端との間の線径の小さい部位の断面積よりも小さくできる。断面積の小さい部位を後端コイルの先端と第1位置との間に設けることにより、後端コイルの先端から第1位置までの熱伝導を抑制できるので、請求項1から6のいずれかの効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項8記載のグロープラグによれば、後端コイルは、後端コイルの先端から第1位置までの部位の最大の線径が、第1位置から後端コイルの後端までの部位の最小の線径よりも小さい。これにより後端コイルの先端から第1位置までの熱伝導をさらに抑制できるので、請求項7の効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項9記載のグロープラグによれば、後端コイルは、自身の最小のピッチが、先端コイルの最大のピッチよりも大きいので、軸線方向の単位長さ当たりの先端コイルの展開長を、軸線方向の単位長さ当たりの後端コイルの展開長よりも長くできる。その結果、先端コイルを発熱させ易くできるので、請求項1から8のいずれかの効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
請求項10記載のグロープラグによれば、チューブは軸線方向の後端側に向かって外径が拡径する拡径部を備えているので、拡径部よりも先端側のチューブの断面積を、拡径部よりも後端側のチューブの断面積よりも小さくできる。後端コイルのうち第1位置から後端コイルの後端までの部位の外側に、拡径部の少なくとも一部を存在させることにより、後端コイルの先端から第1位置までの部位の外側に位置するチューブを、第1位置から後端コイルの後端までの部位の外側に位置するチューブよりも熱伝導し難くできる。チューブの熱伝導を抑制して後端コイルと先端コイルとの温度勾配をさらに小さくできるので、請求項1から9のいずれかの効果に加え、急速昇温性をさらに向上できる。
グロープラグの片側断面図である。 一部を拡大したグロープラグの断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1及び図2を参照して本発明の一実施の形態におけるグロープラグ10について説明する。図1はグロープラグ10の片側断面図であり、図2は一部を拡大したグロープラグ10の軸線Oを含む断面図である。図1及び図2では、紙面下側をグロープラグ10の先端側、紙面上側をグロープラグ10の後端側という。図2では、中軸20及びコイル50は、軸線Oに沿って切断されていない状態が図示されている。
図1に示すようにグロープラグ10は中軸20、チューブ40及びコイル50を備えている。これらの部材はグロープラグ10の軸線Oに沿って組み付けられている。グロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示せず)の始動時などに用いられる補助熱源である。
中軸20は円柱形状の金属製の導体であり、コイル50に電力を供給するための部材である。中軸20は先端部にコイル50が電気的に接続されている。中軸20は、後端部が主体金具30から突出した状態で主体金具30に挿入されている。
中軸20は、本実施形態では、後端部に雄ねじからなる接続部21が形成されている。中軸20は、後端部に、先端側から順に絶縁ゴム製のOリング22、合成樹脂製の筒状部材である絶縁体23、金属製の筒状部材であるリング24、金属製のナット25が組み付けられている。接続部21は、バッテリ等の電源から電力を供給するケーブルのコネクタ(図示せず)が接続される部位である。ナット25は、接続されたコネクタ(図示せず)を固定するための部材である。
主体金具30は炭素鋼等により形成される略円筒形状の部材である。主体金具30は、軸線Oに沿って軸孔31が貫通し、外周面にねじ部32が形成されている。主体金具30は、ねじ部32よりも後端側に工具係合部33が形成されている。軸孔31は中軸20が挿入される貫通孔である。軸孔31の直径は中軸20の外径より大きいので、中軸20と軸孔31との間に空隙が形成される。ねじ部32は、内燃機関(図示せず)に嵌まり合う雄ねじである。工具係合部33は、ねじ部32を内燃機関のねじ穴(図示せず)に嵌めたり外したりするときに用いる工具(図示せず)が関わり合う形状(例えば六角形)をなす部位である。
主体金具30は、軸孔31の後端側において、Oリング22及び絶縁体23を介して中軸20を保持する。絶縁体23にリング24が接した状態で中軸20にリング24が加締められることで、絶縁体23は軸方向の位置が固定される。絶縁体23によって主体金具30の後端側とリング24とが絶縁される。主体金具30は、軸孔31の先端側にチューブ40が固定されている。
チューブ40は先端部41が閉じた金属製の筒状体である。チューブ40は軸孔31に圧入されることで、主体金具30に固定される。チューブ40の材料は、例えばニッケル基合金、ステンレス鋼などの耐熱合金が挙げられる。本実施形態では、チューブ40の肉厚は、先端部41を除き、全長に亘って同一である。チューブ40は、後端側へ向かうにつれて拡径する拡径部42が、後端側に設けられている。
チューブ40は中軸20の先端側が挿入されている。チューブ40の内径は中軸20の外径より大きいので、中軸20とチューブ40との間に空隙が形成される。シール材34は、中軸20の先端側とチューブ40の後端との間に挟まれた円筒形状の絶縁部材である。シール材34は中軸20とチューブ40との間隔を維持し、中軸20とチューブ40との間を密閉する。コイル50は軸線Oに沿ってチューブ40に収容されている。絶縁粉末60はチューブ40に充填されている。
図2に示すようにコイル50は、先端コイル51及び後端コイル52を備えている。先端コイル51は、チューブ40の先端部41に接合されている。先端コイル51の材料としては、WやMoを主成分とする耐熱金属からなる。なお、これらの元素の単体、又は、これらの元素のいずれかを主成分とする合金を、先端コイル51として用いることができる。「WやMoを主成分」とは、先端コイル51の材料全体の含有量に対するW又はMoの合計の含有量が50wt%以上であることをいう。
後端コイル52は、溶融部53により先端コイル51の後端部に接合されている。中軸20は、後端コイル52及び先端コイル51を介してチューブ40と電気的に接続されている。本実施形態では、後端コイル52の後端部が中軸20に接合されているが、必ずしもこれに限られるものではない。後端コイル52の後端部と中軸20との間に、別の導体を介在させることは当然可能である。
後端コイル52は、先端コイル51の抵抗比R1より小さい抵抗比R2をもつ導電材料で形成されている。抵抗値R1は先端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比であり、抵抗比R2は後端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である。抵抗値は4端子法により測定される値のことをいう。後端コイル52の材料としては、例えばFeCrAl合金、NiCr合金などが挙げられる。
後端コイル52の先端54は、溶融部53と後端コイル52との境界である。後端コイル52の後端55は、中軸20の先端20aが後端コイル52に重なる位置である。第1位置56は、後端コイル52の先端54から後端55までの軸線方向の距離(L1+L2+L3+L4)の半分の位置である。第2位置57は、後端コイル52の先端54から第1位置56までの軸線方向の距離(L1+L2)の半分の位置である。第3位置58は、第1位置56から後端55までの軸線方向の距離(L3+L4)の半分の位置である。距離L1,L2,L3,L4は等しい。
絶縁粉末60は電気絶縁性を有し、且つ、高温下で熱伝導性を有する粉末である。絶縁粉末60は、コイル50とチューブ40との間、中軸20とチューブ40との間、コイル50の内側に充填される。絶縁粉末60は、コイル50からチューブ40へ熱を移動させる機能、コイル50とチューブ40との短絡を防ぐ機能、コイル50を振動し難くして断線を防ぐ機能がある。絶縁粉末60としては、例えばMgO、Al等の酸化物粉末が挙げられる。MgO、Al等の酸化物粉末に加え、CaO,ZrO及びSiO,Si等の粉末を添加できる。
グロープラグ10は、例えば次のようにして製造される。まず、所定の組成を有する抵抗発熱線をコイル状に加工し、先端コイル51及び後端コイル52をそれぞれ製造する。次いで、溶接により溶融部53を形成して先端コイル51と後端コイル52との端部同士を接合し、コイル50とする。次いで、コイル50のうち後端コイル52を中軸20に接合する。
一方、所定の組成を有する金属鋼管をチューブ40の最終寸法よりも大径に形成し、かつ、その先端を他の部分よりも減径させて、先端が開口した先窄まり状のチューブ前駆体を製造する。チューブ前駆体の内部に中軸20と一体となったコイル50を挿入し、チューブ前駆体の先窄まり状の開口部にコイル50の先端を配置する。チューブ前駆体の開口部を溶融してチューブ前駆体の先端を閉塞し、チューブ40の先端部41に先端コイル51の先端部が接合されたヒータ前駆体を形成する。
次に、ヒータ前駆体のチューブ40内に絶縁粉末60を充填した後、チューブ40の後端の開口部と中軸20との間にシール材34を挿入して、チューブ40を封止する。次いで、チューブ40が所定の外径になるまでチューブ40にスウェージング加工を施す。スウェージング加工後のチューブ40を主体金具30の軸孔31に圧入固定し、中軸20の後端から主体金具30と中軸20との間にOリング22及び絶縁体23を嵌め込む。リング24で中軸20を加締めてグロープラグ10を得る。
グロープラグ10の接続部21と主体金具30との間に電圧Vを印加すると、先端コイル51の抵抗値R及び後端コイル52の抵抗値Rの和R+Rで電圧Vを除した電流Iが、コイル50に流れる。単位時間当たりの先端コイル51の発熱量はR・Iであり、単位時間当たりの後端コイル52の発熱量はR・Iである。本実施形態では、コイル50は、後端コイル52の20℃における抵抗値Rが、先端コイル51の20℃における抵抗値Rよりも大きい値に設定されている。
後端コイル52は先端コイル51の抵抗比R1よりも小さい抵抗比R2をもつので、コイル50の発熱による温度上昇に伴い、先端コイル51の抵抗値Rが後端コイル52の抵抗値Rよりも大きくなる。その結果、先端コイル51の単位時間当たりの発熱量R・Iを、後端コイル52の単位時間当たりの発熱量R・Iより大きくできる。
先端コイル51はW,Moを主成分とする耐熱金属により形成されているので、発熱温度を高温化できる。先端コイル51に後端コイル52が接合されているので、コイル50の抵抗値を過度に増加させることなく先端コイル51を所定温度(例えば1000℃)まで急速に上昇させることができる。
後端コイル52の温度は先端コイル51の温度よりも低いので、先端コイル51から後端コイル52へ移動する熱が、先端コイル51の昇温を抑制する。先端コイル51から後端コイル52への熱伝導を抑制するために、グロープラグ10は後端コイル52に抵抗値の異なる部位を設けている。具体的には、後端コイル52の先端54と後端コイル52の後端55との間の20℃における抵抗値に対する、後端コイル52の先端54と第1位置56との間の20℃における抵抗値の割合が、50%よりも大きい。
これにより後端コイル52の先端54から第1位置56までの発熱量を、第1位置56から後端コイル52の後端55までの発熱量よりも大きくできる。その結果、後端コイル52の先端54から第1位置56までの部位と先端コイル51との温度勾配を小さくできる。昇温時に先端コイル51から後端コイル52に熱伝導し難くなるので、先端コイル51の急速昇温性を向上できる。また、後端コイル52に抵抗値の異なる部位を設けて先端コイル51の急速昇温性を向上させるので、グロープラグ10の発熱温度の高温化に主に寄与する先端コイル51の設計の自由度を高めることができる。
後端コイル52は、先端54と第2位置57との間の20℃における抵抗値である第1抵抗値が、第2位置57と第1位置56との間の20℃における第2抵抗値よりも大きい。これにより後端コイル52の先端54から第2位置57までの発熱量を、第2位置57から第1位置56までの発熱量よりも大きくできる。その結果、後端コイル52の先端54から第2位置57までの部位と先端コイル51との温度勾配をさらに小さくできる。よって、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
後端コイル52は、第1位置56と第3位置58との間の20℃における抵抗値を第3抵抗値とし、第3位置58と後端55との間の20℃における抵抗値を第4抵抗値としたとき、第1抵抗値(先端54と第2位置57との間の20℃における抵抗値)が最も大きい。これにより後端コイル52の先端54から第2位置57までの部位と先端コイル51との温度勾配をさらに小さくできるので、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
グロープラグ10は、第2抵抗値(第2位置57と第1位置56との間の20℃における抵抗値)が2番目に大きい。これにより後端コイル52の先端54から第2位置57までの部位と第2位置57から第1位置56までの部位との温度勾配も小さくできる。よって、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
本実施形態では、後端コイル52は先端54から後端55まで組成が同一であり、後端コイル52の先端側のピッチを後端側のピッチよりも小さくすることにより、第1抵抗値が最も大きく、第2抵抗値が2番目に大きくなるようにする。これにより後端コイル52の構造を簡素化できる。後端コイル52のピッチとは、この明細書では後端コイル52の線間の隙間のことをいう。先端コイル51のピッチも同様に、先端コイル51の線間の隙間のことをいう。
後端コイル52は、第1位置56から後端55までの部位の最小のピッチP1よりもピッチの小さい部位が、先端54と第1位置56との間に存在する。これにより後端コイル52の先端54と第1位置56との間のピッチの小さい部位の軸線方向の単位長さ当たりの展開長を、第1位置56と後端コイル52の後端55との間の軸線方向の単位長さ当たりの展開長よりも長くできる。その結果、後端コイル52の先端54から第1位置56までの熱伝導を抑制できるので、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
後端コイル52は、先端54から第1位置56までの部位の最大のピッチP2が、第1位置56から後端55までの部位の最小のピッチP1よりも小さい。これにより後端コイル52の先端54から第1位置56までの展開長を、第1位置56から後端コイル52の後端55までの展開長よりも長くできる。その結果、後端コイル52の先端54から第1位置56までの熱伝導をさらに抑制できるので、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
後端コイル52は、第1位置56から後端55までの部位の最小の線径D1よりも線径の小さい部位が、先端54と第1位置56との間に存在する。これにより後端コイル52の先端54と第1位置56との間の線径の小さい部位の断面積を、第1位置56と後端コイル52の後端55との間の線径の小さい部位の断面積よりも小さくできる。その結果、後端コイル52の先端54から第1位置56までの熱伝導を抑制できるので、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
なお、後端コイル52の線径は、軸線Oを含む断面上に現出した切断面の円相当径である。後端コイル52の切断面は、SEM等の顕微鏡を用いて観察される。後端コイル52の切断面の断面積は、画像解析ソフト(例えばSoft Imaging System GmbH社製Analysis Five)を用い、視野内の画像を2値化処理して算出できる。後端コイル52の線径は、チューブ40に施すスウェージング加工の圧力によって調整できる。これに限られるものではなく、線径を部分的に予め異ならせた後端コイル52を用いても良い。
後端コイル52は、先端54から第1位置56までの部位の最大の線径D2が、第1位置56から後端55までの部位の最小の線径D1よりも小さい。これにより後端コイル52の先端54から第1位置56までの熱伝導をさらに抑制できるので、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
後端コイル52は、後端コイル52の最小のピッチP3が、先端コイル51の最大のピッチP4よりも大きいので、軸線方向の単位長さ当たりの先端コイル51の展開長を、軸線方向の単位長さ当たりの後端コイル52の展開長よりも長くできる。その結果、先端コイル51を発熱させ易くできるので、急速昇温性をさらに向上できる。
チューブ40の拡径部42は軸線方向の後端側に向かって外径が拡径するので、拡径部42よりも先端側のチューブ40の断面積を、拡径部42よりも後端側のチューブ40の断面積よりも小さくできる。これにより拡径部42よりも先端側のチューブ40は、拡径部42よりも後端側のチューブ40よりも熱伝導し難くなる。後端コイル52のうち第1位置56から後端55までの部位の外側に、拡径部42の少なくとも一部が存在するので、先端54から第1位置56までの部位の外側に位置するチューブ40は、第1位置56から後端55までの部位の外側に位置するチューブ40よりも熱伝導し難くなる。これにより後端コイル52と先端コイル51との温度勾配をさらに小さくできるので、先端コイル51の急速昇温性をさらに向上できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明はこの実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、チューブ40の形状は筒状である限り特に限定されず、軸線Oに直交する断面が円形状、楕円形状、多角形状等であってもよい。また、コイル50の線径や直径、チューブ40の厚さや直径は、コイル50やチューブ40の熱容量などを考慮して適宜設定できる。
実施形態では、後端コイル52は先端54から後端55まで組成が同一であり、後端コイル52の先端側のピッチを後端側のピッチよりも小さくして後端コイル52の抵抗値を設定する場合について説明した。しかし、後端コイル52の抵抗値を設定する手段は必ずしもこれに限られるものではない。他の手段を採用することは当然可能である。
他の手段としては、例えば、後端コイルの先端側の線径を後端側の線径よりも小さくする手段、20℃における比抵抗の異なる材料で作られた複数のコイルを直列に接合して後端コイルを作り、比抵抗の高い方のコイルを先端側に配置する手段が挙げられる。これらの場合も、抵抗値の異なる部位を後端コイルに設けることにより、先端コイル51と後端コイルとの温度勾配を小さくできる。
実施形態では、チューブ40に拡径部42が形成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。拡径部42を省略して、チューブ40を全長に亘って(先端部41を除き)同一径にすることは当然可能である。
実施形態では、先端部41を除き、チューブ40の肉厚が全長に亘って同一である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。肉厚が異なるチューブ40を採用することは当然可能である。
10 グロープラグ
20 中軸
40 チューブ
41 先端部
42 拡径部
50 コイル
51 先端コイル
52 後端コイル
54 後端コイルの先端
55 後端コイルの後端
56 第1位置
57 第2位置
58 第3位置
D1,D2 線径
L1,L2,L3,L4 距離
P1,P2,P3,P4 ピッチ
O 軸線

Claims (10)

  1. 軸線方向に延びる金属製のコイルと、
    前記コイルの後端部に接続する中軸と、
    前記コイル及び前記中軸の先端側を収容して前記コイルが電気的に接続されると共に先端部が閉じた金属製のチューブと、を備えるグロープラグであって、
    前記コイルは、前記チューブの前記先端部に自身の先端部が接合されると共にWやMoを主成分とする先端コイルと、前記先端コイルの後端部に接合される後端コイルと、を有し、
    前記先端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R1と、前記後端コイルの20℃での抵抗値に対する1000℃での抵抗値の比である抵抗比R2とは、R1>R2の関係を満たし、
    前記後端コイルの先端と前記後端コイルの後端との間の20℃における抵抗値に対する、前記後端コイルの前記先端から前記後端コイルの前記後端までの前記軸線方向の距離の半分の第1位置と前記後端コイルの前記先端との間の20℃における抵抗値の割合は50%よりも大きいグロープラグ。
  2. 前記後端コイルの前記先端から前記第1位置までの前記軸線方向の距離の半分の第2位置と前記後端コイルの前記先端との間の20℃における抵抗値である第1抵抗値は、前記第2位置と前記第1位置との間の20℃における第2抵抗値よりも大きい請求項1記載のグロープラグ。
  3. 前記第1位置から前記後端コイルの前記後端までの前記軸線方向の距離の半分の第3位置と前記第1位置との間の20℃における抵抗値を第3抵抗値とし、
    前記第3位置と前記後端コイルの前記後端との間の20℃における抵抗値を第4抵抗値としたとき、
    前記後端コイルは、前記第1抵抗値が最も大きい請求項2記載のグロープラグ。
  4. 前記後端コイルは、前記第2抵抗値が2番目に大きい請求項3記載のグロープラグ。
  5. 前記後端コイルは、前記第1位置から前記後端コイルの前記後端までの部位の最小のピッチよりもピッチの小さい部位が、前記後端コイルの前記先端と前記第1位置との間に存在する請求項1から4のいずれかに記載のグロープラグ。
  6. 前記後端コイルは、前記後端コイルの前記先端から前記第1位置までの部位の最大のピッチが、前記第1位置から前記後端コイルの前記後端までの部位の最小のピッチよりも小さい請求項5記載のグロープラグ。
  7. 前記後端コイルは、前記第1位置から前記後端コイルの前記後端までの部位の最小の線径よりも線径の小さい部位が、前記後端コイルの前記先端と前記第1位置との間に存在する請求項1から6のいずれかに記載のグロープラグ。
  8. 前記後端コイルは、前記後端コイルの前記先端から前記第1位置までの部位の最大の線径が、前記第1位置から前記後端コイルの前記後端までの部位の最小の線径よりも小さい請求項7記載のグロープラグ。
  9. 前記後端コイルは、自身の最小のピッチが、前記先端コイルの最大のピッチよりも大きい請求項1から8のいずれかに記載のグロープラグ。
  10. 前記チューブは、軸線方向の後端側に向かって外径が拡径する拡径部を備え、
    前記拡径部は、前記後端コイルのうち前記第1位置から前記後端コイルの前記後端までの部位の外側に、少なくとも一部が存在する請求項1から9のいずれかに記載のグロープラグ。
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