JP5296489B2 - グロープラグ及びそのグロープラグの製造方法 - Google Patents

グロープラグ及びそのグロープラグの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの予熱に使用するグロープラグ及びそのグロープラグの製造方法に関する。
従来のグロープラグを図10に基づき説明する。グロープラグ100は、筒状の主体金具200と、主体金具200の中心を貫くシーズヒータ300とから概略構成される。
前記シーズヒータ300は、先端側がほぼ半球状に閉じ後端側が開口した筒状形態である金属製のシーズチューブ300aと、そのシーズチューブ300aの後端開口側から当該シーズチューブ内に自己の先端側を臨ませた円柱状の通電端子軸300bと、その通電端子軸300bに自己の後端が接続されると共に先端が前記シーズチューブ300aの先端内面に接続されてなる抵抗線コイル300cと、前記シーズチューブ300a内で前記通電端子軸300bの先端側と抵抗線コイル300cとを埋設する絶縁粉末300d(例えばマグネシアの粉末)と、前記通電端子軸300bと前記シーズチューブ300aの後端開口との間に環状に配置され当該シーズチューブ300aを密封する封止部材300e(例えば絶縁可能・弾性変形可能なゴムパッキン)と、から概略構成される(特許文献1)。
特開2004−264013号公報
シーズヒータ300の封止部材300eには、シーズチューブ300aの内部に水分や油分を浸入させないという重要な機能がある。この機能が低下し(以下、「シール不良」ともいう。)、もしシーズチューブ300aの内部に水分や油分が浸入すると、グロープラグ100に通電し、シーズヒータ300を発熱させた際、それらが蒸発・膨張し、最悪の場合シーズチューブ300aが破損する。
そのためシーズチューブ300aの後端開口部内周面の面粗度を高めて封止部材300eとの密着性を高める等の対策が施されているが、それでもシール不良の発生が防げないことがある。その原因を探求したところ、シーズチューブ300aの後端開口の内周と封止部材300eの間に細かな絶縁粉末300dが入り込み介在していることが確認された。このような絶縁粉末300dの介在は、通電端子軸300bの外周と封止部材300eの間でも同様に起こり得る。
本来、絶縁粉末300dは、製造過程において、シーズチューブ300a内へ充填された後、軸方向へのプレスにより適度に押し固められていて舞い上がりにくい状態になっている。しかしながら前述の絶縁粉末の介在は、絶縁粉末の表面に固まりきれなかったものが粉末状態のまま残存し、その絶縁粉末300dが封止部材300eを装填する工程で舞い上がり、それが封止部材300eと入れ替わりに外部に排出される空気に乗って封止部材300eとシーズチューブ300a或は封止部材300eと通電端子軸300bとの間に介在し、そのまま残存したものと考えられる。
本発明は、軸方向に延び、先端側が閉じ後端側が開口した筒状形態である金属製のシーズチューブと、そのシーズチューブの後端側から当該シーズチューブ内に自己の先端側を臨ませた柱状の通電端子軸と、その通電端子軸に自己の後端が接続されると共に先端が前記シーズチューブの先端内面に接続されてなる抵抗線コイルと、前記シーズチューブ内で前記通電端子軸の先端側と抵抗線コイルとを埋設する絶縁粉末と、前記通電端子軸と前記シーズチューブの後端開口との間に環状に配置され、当該シーズチューブを密封する封止部材と、を備えたグロープラグであって、
前記封止部材の先端側の端面と前記絶縁粉末の後端側の端面との間のシーズチューブ内の体積V(通電端子軸領域含まず。以下、同じ)と、前記シーズチューブの後端開口縁から絶縁粉末の後端側の端面までの間のシーズチューブ内の体積V(通電端子軸領域含まず。以下、同じ)が、V/V≧1/3であることを特徴とする。
また、好ましくは、前記封止部材のシーズチューブと接した部分における軸方向の長さを3mm以上にするとよい。
また、好ましくは、前記通電端子軸の前記絶縁粉末に埋設された部分の長さを10mm以上にするとよい。
また、好ましくは、前記シーズチューブの後端開口縁から先端側に向けて大径部を形成するか又は封止部材の胴部の後端側外周に大径部を突設してそれより小径な部分との境界に段部を形成し、該段部により封止部材の嵌合深さを規定するとよい。
また、本発明は、シーズヒータを備えたグロープラグの製造方法であって、
前記シーズヒータは、
軸方向に延び、先端側が閉じ後端側が開口した筒状形態である金属製のシーズチューブと、
そのシーズチューブの後端側から当該シーズチューブ内に自己の先端側を臨ませた柱状の通電端子軸と、
その通電端子軸に自己の後端が接続されると共に先端が前記シーズチューブの先端内面に接続されてなる抵抗線コイルと、
前記シーズチューブ内で前記通電端子軸の先端側と抵抗線コイルとを埋設するとともに押し固められた絶縁粉末と、
前記通電端子軸と前記シーズチューブの後端開口との間に環状に配置され、当該シーズチューブを密封する封止部材と、を有し、
該シーズヒータは、
押し固めた絶縁粉末内に前記通電端子軸の先端側と抵抗線コイルが埋設されたシーズチューブに対し、前記絶縁粉末と前記封止部材の間が離間するように前記シーズチューブの後端に当該封止部材を装填する装填工程と、
前記封止部材が装填されたシーズチューブに対し、前記シーズチューブのスウェージングを行い、前記絶縁粉末の端面と前記シーズチューブの後端内周面と前記通電端子軸の外周面と前記封止部材とによって形成される空間(体積V)と、前記絶縁粉末の端面と前記シーズチューブの後端内周面と前記通電端子軸の外周面と前記シーズチューブの後端開口縁までで形成される仮想空間(体積V)が、V/V≧1/3となるようにしたスウェージング工程と、
を有することを特徴とする。
また、好ましくは、前記シーズチューブに対するスウェージング工程は、シーズチューブの後方部位を絞って縮径する第1工程と、その第1工程の後に通電端子軸を保持して残りの部分を縮径する第2工程と、からなるようにするとよい。
また、好ましくは、前記スウェージング工程の第1工程は、前記封止部材が装填された前記シーズチューブの後端をスウェージングする工程にするとよい。
本発明のグロープラグは、封止部材と絶縁粉末の間のシーズチューブ内の体積Vと、後端開口縁から絶縁粉末の間のシーズチューブ内の体積Vを、V/V≧1/3とすることにより、封止部材と絶縁粉末の間の空間が十分な緩衝領域になるため、封止部材のシール性能に影響を与えない程度に絶縁粉末の舞い上がりが抑制される。このことは後述する試験により確認されている。なお、この絶縁粉末の舞い上がりを抑制する効果は、前記V/Vが1/3より大きくなるほど顕著であるが、その反面V/Vの増加は、封止部材とシーズチューブの接触面積(封止部材のシール面積)の減少につながるから、V/Vの上限は、封止部材が接触によるシール効果を損なわない範囲に自ずと限定される。
また、前記のように、封止部材のシーズチューブと接した部分における軸方向の長さを3mm以上にすると、封止部材のシール効果が十分に確保できるため、上記の効果と相俟ってシール性能に優れたグロープラグが提供できる。
また、前記のように、通電端子軸の絶縁粉末に埋設された部分の長さを10mm以上にすると、通電端子軸と絶縁粉末の一体性が確実になるため、通電端子軸を保持してシーズチューブのスウェージングを行う場合に有用性を発揮する。
また、前記のように、前記シーズチューブの後端開口縁から先端側に向けて大径部を形成するか又は封止部材の胴部の後端側外周に大径部を突設してそれより小径な部分との境界に段部を形成し、該段部により封止部材の嵌合深さを規定すれば、前記空間の体積V の精度が出しやすい。
[実施形態1]
以下に本発明の実施形態1を図1〜図7を参照しつつ説明する。なお、図1はグロープラグの縦断面図、図2はスウェージング前のシーズヒータを示す縦断面図、図3〜図7は封止部材の他の形態を示す要部の縦断面図である。
グロープラグ1は、図1に示したように、筒状の主体金具2と、主体金具2の中心を貫くシーズヒータ3とから概略構成される。
前記シーズヒータ3は、軸方向に延び、先端側がほぼ半球状に閉じ後端側が開口した筒状形態である金属製のシーズチューブ3aと、そのシーズチューブ3aの後端側から当該シーズチューブ3a内に自己の先端側を臨ませた柱状の通電端子軸3bと、その通電端子軸3bに自己の後端が接続されると共に先端が前記シーズチューブ3aの先端内面に接続されてなる抵抗線コイル3cと、前記シーズチューブ3a内で充填され前記通電端子軸3bの先端側(好ましくは10mm以上)と抵抗線コイル3cとを埋設する絶縁粉末3d(例えばマグネシアの粉末)と、前記通電端子軸3bと前記シーズチューブ3aの後端開口との間に環状に配置され、当該シーズチューブ3aを密封する封止部材3e(例えば絶縁可能・弾性変形可能なゴムパッキン)と、からなる。
なお、図1において、3fは通電端子軸3bに装着する絶縁環、3gは通電端子軸3bに螺合する丸ナットである。
前記封止部材3eは、シーズチューブ3aの後端開口に締まり嵌めに適する大きさに形成した環状のゴムパッキンであり、図1に示したように、通電端子軸3bが通る丸い中心孔3e−1を有する。
シーズチューブ3aに封止部材3eを嵌めた図1の状態では、封止部材3eと絶縁粉末3dの間に前記通電端子軸3bの領域を含まない体積V の空間S が形成されており、その体積V は、シーズチューブ3aの後端開口縁から絶縁粉末3dまでの前記通電端子軸3bの領域を含まないシーズチューブ3a内の体積V(封止部材3eで塞がっている部分も空間とみなした仮想空間)に対して1/3倍以上の大きさになっている。
封止部材3eは、切り口が四角形である単純な環状形態のもの以外に、例えば図3に示したように先端外周部分に面取り状の外テーパ部3e−2を設けて体積V の空間S が形成されるようにしてもよい。この実施形態のように封止部材の先端外周部分に面取り状の外テーパ部3e−2を形成した場合には、シーズチューブ3aに封止部材3eを装着する際、外テーパ部3e−2の傾斜がガイド的役割を果たす。従って、切り口が四角形で角がある封止部材に生じ得るシーズチューブ3aによる角部の巻き込み現象が生じにくい。なお、シーズチューブ3aによる角部の巻き込み現象は、封止部材3eに亀裂を生じさせるおそれがあり、シール不良の原因になるため好ましくない。
図4に示した封止部材3eは、先端外周部分と同一形状の外テーパ部3e−2を後端外周部分にも形成したものであり、こうすることにより封止部材3eの上下(表裏)の区別をなくし、装着の作業性を向上させることができる。
図5に示した封止部材3eは、前記外テーパ部3e−2と同趣旨の内テーパ部3e−3を中心孔3e−1の端部周縁に形成したものであり、この内テーパ部3e−3によって通電端子軸3bによる角部の巻き込みを回避し、封止部材3eの亀裂を防ぐことができる。なお、図5の封止部材3eは、図4と同じく先端側と後端側のそれぞれに外テーパ部3e−2と内テーパ部3e−3を設けて上下(表裏)の区別をなくしたが、図3の封止部材3eに対して先端側にのみ内テーパ部3e−3を設けるようにしてもよい。
図6に示した封止部材3eは、前記外テーパ部3e−2を曲面にしたものであり、その効果は図3と同じである。また、図7に示した封止部材3eは、図6の封止部材3eを使用して前記空間S を大きくするようにしたものであり、封止部材3eの端面と絶縁粉末3dの端面とを接触させない図1の態様との組み合わせに相当する。もちろん図3〜図5の実施形態でも図1の態様と組み合わせて、封止部材3eの端面と絶縁粉末3dの端面とを接触させないようにしてもよい。
次に、グロープラグ1の製造方法についてシーズヒータ3を中心に説明する。
まず、従来公知の方法を用いて、押し固めた絶縁粉末3d内に前記通電端子軸3bの一部と抵抗線コイル3cが埋設された状態になっているシーズチューブ3aを製造する。例えば、通電端子軸3bと抵抗線コイル3cを溶接により接合した後、抵抗線コイル3cの先端をシーズチューブ3aの先端内面に溶接し、その状態のシーズチューブ3aに絶縁粉末3dを充填してプレスで必要固さに押し固める。なお、ここまでの工程はどのような順序でもよく、特に限定されない。
次に、通電端子軸3bの後端に封止部材3eの中心孔3e−1を嵌め合わせ、封止部材3eをそのまま押し下げてシーズチューブ3aの後端に嵌め入れる。そしてシーズチューブ3aの後端開口縁と封止部材3eの後端がほぼ同じ高さに揃った図2の状態で封止部材3eの押し込みを止める(装填工程)。
なお、封止部材3eのスウェージング前の厚さtは、後のスウェージングに伴う増分を見込んで、シーズチューブ3aの後端開口縁から絶縁粉末3dの間の高さhに対し、ほぼ1/2〜1/3に設定されている。そうすることによりスウェージング後の前記体積VとVの比を約1/3にすることができる。ここで封止部材3eのスウェージングに伴う厚さtの増分は、封止部材3eの材質とスウェージング率により、計算上若しくは試作の実施により特定できる。
次に、封止部材3eを装着したシーズチューブ3aをスウェージングにより縮径する。斯かるスウェージング工程は、次の第1工程と第2工程とからなる。
まず、第1工程は、シーズチューブ3aをチャックで保持しつつ、封止部材3eが装着された箇所と、それよりも先端側の絶縁粉末3dが充填され内部に通電端子軸3bを有する部分(特にその後端寄りの部位)をスウェージングする、というものである。
なお、通常、シーズチューブ3aのスウェージングは、シーズチューブ3aを横に寝かせた状態にして行うが、そうした場合にはスウェージングの段階でシーズチューブ3aの後端開口の内周と封止部材3eの間に絶縁粉末が入り込む可能性がある。これに対しシーズチューブ3aを図2のように立てた状態にしてスウェージングを行うことにより、スウェージング段階でのシーズチューブ3aの後端開口の内周と封止部材3eの間に絶縁粉末が入り込む可能性を激減させることができる。従って、シーズチューブ3aを図2のように立てた状態にしてスウェージングを行う方法と、本願発明とを組み合わせて実施することにより、シーズチューブ3aのシール不良対策としてより大きな効果を得ることができる。もちろん、シーズチューブ3aを図2のように立てた状態にしてスウェージングを行う方法は、既存のグロープラグの製造方法に適用してもシーズチューブ3aのシール不良対策として有効である。
続く第2工程は、通電端子軸3bの後方部位をチャックで保持しつつシーズチューブ3aの残りの部分を縮径する、というものである。この第2工程では通電端子軸3bの絶縁粉末3dへの埋め込み量を10mm以上にするとよい。その根拠は、通電端子軸3bの埋め込み量を変えてスウェージングを行った次の試験にある。なお、第2工程は、必ずしも第1工程の残余の部位のみを1度にスウェージングすることに限られず、第1工程においてスウェージングした箇所をさらにスウェージングしてもよく、複数回にわたってスウェージングを行ってもよい。
試験に際して、まず、通電端子軸3bの埋め込み量を5mm、7mm、10mm、15mm、20mmに設定したスウェージング前のシーズヒータ3を500個ずつ用意し、シーズチューブ3aをチャックで保持してその後端寄りの部位(通電端子軸3bを有する部分)をスウェージングする(第1工程)。次に、通電端子軸3bをチャックで保持し、第1工程でスウェージングした箇所を含めてシーズチューブ3aの残りの部分をスウェージングする(第2工程)。そして、その第2工程で、通電端子軸3bが絶縁粉末3dから抜けるか否かを確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0005296489
表1の結果からスウェージングの第2工程で通電端子軸3bを保持するには、通電端子軸3bの埋め込み量を10mm以上に設定するのがよい。
しかして本発明者は、スウェージングしたシーズチューブ3aの前記空間S の体積V と、後端開口縁から絶縁粉末3dの間のシーズチューブ3a内の前記体積Vの比と、絶縁粉末の舞い上がりとの関係を調べるため、V/Vの値が、1/2、1/3、1/4、1/5であるシーズヒータ3を製造し、後にシーズチューブ3aをめくって封止部材3eの周囲に付着する絶縁粉末の有無を目視により確認すると共に封止部材3eの先端からどのくらいの位置にまで絶縁粉末が達しているかを測定した。製造したシーズチューブ3aは、内径=3.6mm、後端開口縁から絶縁粉末3dまでの高さh =6.0mmである。なお、比較のため、空間S を設けない従来型のシーズヒータ3も製造し、同様の確認と測定を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0005296489
表2の結果に示されているように、V/Vの値が、「1/4」、「1/5」或は空間S を設けない「0」のときの絶縁粉末の舞い上がりが発生した箇所は、封止部材3eの下端から1mm以上であり、シール効果に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、V/Vの値が「1/3」のとき、絶縁粉末の舞い上がりは目視で確認されたものの、その量はごく僅かでありシール効果に影響を及ぼすほどのものではなかった。また、V/Vの値が「1/2」のとき、絶縁粉末の舞い上がりは目視で確認されなかった。よって、V/V ≧1/3となるように封止部材3eを装着することは、絶縁粉末の舞い上がりによるシール不良対策として有効である。
以上のようにして製造したシーズヒータ3について、封止部材3eによるシール性能を確認するため、次の(a)〜(d)の手順で試験を実施した。なお、シーズヒータ3のサンプルは、封止部材3eのシーズチューブ3aに嵌った部分のスウェージング後における軸方向の長さを2mm、3mm、4mmに設定したものであり、それぞれを10個ずつ製造した。
(a)シーズチューブ3aの外径を計測する。
(b)130℃のエンジンオイル中に100時間浸漬する。
(c)その後、11Vの電圧で180秒間通電する。
(d)シーズチューブ3aの外径を再度計測し、加熱・通電前の外径と比較する。
上記試験の結果を表3に示す。
Figure 0005296489
以上の結果から封止部材3eのシール性能は、封止部材3eのシーズチューブ3aに嵌った部分のスウェージング後における軸方向の長さが3mm以上で安定することが確認できた。
上記のようにして製造したシーズヒータ3の前記シーズチューブ3aを主体金具2に例えば圧入し、次に、通電端子軸3bに絶縁環3fと丸ナット3gを装着して締め付ける。そうすることにより、シール性能に優れたグロープラグ1ができる。
[実施形態2]
図8,図9は実施形態2を示すシーズヒータの縦断面図である。前記実施形態1は、シーズチューブ3aの後端開口縁とほぼ同一の高さになるまで封止部材3eを押し込みスウェージングをして空間S を形成したが、実施形態2のシーズヒータ3は、図8に示したように、前記シーズチューブ3aの後端開口縁から先端側に向けて大径部3a−1を形成してそれより小径な部分との境界に段部3a−2を形成し、一方、封止部材3eをシーズチューブ3aの前記大径部3a−1に嵌まる形状に形成したものであり、該段部3a−2に当たって封止部材3eの嵌合深さが規定されるようにしてある。斯かる構成において、段部3a−2の位置を絶縁粉末3dから前記高さh となるところに設定しておけば、封止部材3eの先端がほぼ正確に位置決めされるため、空間S の体積V の精度が出しやすい。
また、実施形態2に含まれる他のシーズヒータ3は、図9に示したように、前記封止部材3eの胴部の後端側外周にフランジ状の大径部3e−4を突設してそれより小径な部分との境界に段部3e−5を形成し、該段部3e−5により封止部材3eの嵌合深さが規定されるようにしてある。斯かる構成にすることにより、シーズチューブ3aに対する嵌合深さをほぼ正確にすることができるため、空間S の体積V の精度が出しやすい。
グロープラグの縦断面図である。 スウェージング前のシーズヒータを示す縦断面図である。 封止部材の他の形態を示す要部の縦断面図である。 封止部材の他の形態を示す要部の縦断面図である。 封止部材の他の形態を示す要部の縦断面図である。 封止部材の他の形態を示す要部の縦断面図である。 封止部材の他の形態を示す要部の縦断面図である。 実施形態2を示すシーズヒータの縦断面図である。 実施形態2を示すシーズヒータの縦断面図である。 従来のグロープラグを示す縦断面図である。
1 …グロープラグ
3 …シーズヒータ
3a …シーズチューブ
3b …通電端子軸
3c …抵抗線コイル
3d …絶縁粉末
3e …封止部材
3a−1…大径部
3a−2…段部
3e−4…大径部
3e−5…段部

Claims (7)

  1. 軸方向に延び、先端側が閉じ後端側が開口した筒状形態である金属製のシーズチューブと、
    そのシーズチューブの後端側から当該シーズチューブ内に自己の先端側を臨ませた柱状の通電端子軸と、
    その通電端子軸に自己の後端が接続されると共に先端が前記シーズチューブの先端内面に接続されてなる抵抗線コイルと、
    前記シーズチューブ内で前記通電端子軸の先端側と抵抗線コイルとを埋設する絶縁粉末と、
    前記通電端子軸と前記シーズチューブの後端開口との間に環状に配置され、当該シーズチューブを密封する封止部材と、を備えたグロープラグであって、
    前記封止部材の先端側の端面と前記絶縁粉末の後端側の端面との間のシーズチューブ内の体積V(通電端子軸領域含まず。)と、前記シーズチューブの後端開口縁から絶縁粉末の後端側の端面までの間のシーズチューブ内の体積V(通電端子軸領域含まず。)が、V/V≧1/3であることを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記封止部材のシーズチューブと接した部分における軸方向の長さが3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記通電端子軸の前記絶縁粉末に埋設された部分の長さが10mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグロープラグ。
  4. 前記シーズチューブの後端開口縁から先端側に向けて大径部を形成するか又は封止部材の胴部の後端側外周に大径部を突設してそれより小径な部分との境界に段部を形成し、該段部により封止部材の嵌合深さを規定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のグロープラグ。
  5. シーズヒータを備えたグロープラグの製造方法であって、
    前記シーズヒータは、
    軸方向に延び、先端側が閉じ後端側が開口した筒状形態である金属製のシーズチューブと、
    そのシーズチューブの後端側から当該シーズチューブ内に自己の先端側を臨ませた柱状の通電端子軸と、
    その通電端子軸に自己の後端が接続されると共に先端が前記シーズチューブの先端内面に接続されてなる抵抗線コイルと、
    前記シーズチューブ内で前記通電端子軸の先端側と抵抗線コイルとを埋設するとともに押し固められた絶縁粉末と、
    前記通電端子軸と前記シーズチューブの後端開口との間に環状に配置され、当該シーズチューブを密封する封止部材と、を有し、
    該シーズヒータは、
    押し固めた絶縁粉末内に前記通電端子軸の先端側と抵抗線コイルが埋設されたシーズチューブに対し、前記絶縁粉末と前記封止部材の間が離間するように前記シーズチューブの後端に当該封止部材を装填する装填工程と、
    前記封止部材が装填されたシーズチューブに対し、前記シーズチューブのスウェージングを行い、前記絶縁粉末の端面と前記シーズチューブの後端内周面と前記通電端子軸の外周面と前記封止部材とによって形成される空間(体積V)と、前記絶縁粉末の端面と前記シーズチューブの後端内周面と前記通電端子軸の外周面と前記シーズチューブの後端開口縁までで形成される仮想空間(体積V)が、V/V≧1/3となるようにしたスウェージング工程と、
    を有することを特徴とするグロープラグの製造方法。
  6. 前記シーズチューブに対するスウェージング工程は、シーズチューブの後方部位を絞って縮径する第1工程と、その第1工程の後に通電端子軸を保持して残りの部分を縮径する第2工程と、からなることを特徴とする請求項5に記載のグロープラグの製造方法。
  7. 前記スウェージング工程の第1工程は、前記封止部材が装填された前記シーズチューブの後端をスウェージングする工程であることを特徴とする請求項6に記載のグロープラグの製造方法。
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