JP6362431B2 - グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法 - Google Patents

グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6362431B2
JP6362431B2 JP2014114770A JP2014114770A JP6362431B2 JP 6362431 B2 JP6362431 B2 JP 6362431B2 JP 2014114770 A JP2014114770 A JP 2014114770A JP 2014114770 A JP2014114770 A JP 2014114770A JP 6362431 B2 JP6362431 B2 JP 6362431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal shell
sheath heater
end side
sheath
glow plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014114770A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015230102A (ja
Inventor
祐毅 金城
祐毅 金城
晴彦 阿部
晴彦 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2014114770A priority Critical patent/JP6362431B2/ja
Publication of JP2015230102A publication Critical patent/JP2015230102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6362431B2 publication Critical patent/JP6362431B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)

Description

本発明は、グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法に関する。
加熱装置の1つとして、円柱状のシースヒータが筒状の主体金具に圧入されたグロープラグが知られている。特許文献1には、シースヒータと主体金具との間の密着性を確保して気密漏れを防止しながら、シースヒータを主体金具に圧入する際の荷重を安定させてシースヒータおよび主体金具の損傷(変形および破損など)を防止するために、主体金具の内面のうちシースヒータを圧入させる圧入面の全域にめっき層を形成することが記載されている。特許文献2には、シースヒータと主体金具との接合強度を向上させるために、シースヒータを主体金具に圧入する際、シースヒータと主体金具との間の圧入面の一部に焼き付けまたは溶着を生じさせることが記載されている。
近年、ディーゼルエンジンにおけるマルチバルブ化や直噴化などに対応するために、グロープラグの全体形状としては、より細く、より長い形状が求められている(例えば、特許文献3を参照)。そのため、主体金具の部位のうちシースヒータが圧入される部位の肉厚は、グロープラグ全体の形状に応じて薄くなる傾向にある。
昭63−259323号公報 平4−80521号公報 特開2006−284084号公報
特許文献1のグロープラグでは、めっき層によって主体金具の圧入面が滑らかになり過ぎるため、主体金具に対するシースヒータの接合強度が不足するという課題があった。主体金具に対するシースヒータの接合強度が不足する場合、エンジンに取り付けられたスパークプラグにおいて、エンジンの燃料圧力によって主体金具からシースヒータが抜け落ちる虞がある。特許文献2のグロープラグでは、焼き付けまたは溶着を圧入面に生じさせる必要があるため、シースヒータと主体金具との間の密着性を確保することが困難であるという課題があった。グロープラグ全体の形状に応じて主体金具の肉厚が薄くなる場合、シースヒータと主体金具との接合強度が低下するため、特許文献1,2の課題はより顕著になる。このような課題は、グロープラグに限らず、シースヒータが主体金具に圧入された他の加熱装置においても共通する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、円柱状のシースヒータと;前記シースヒータが圧入された筒状の主体金具と、を備える加熱装置が提供される。この加熱装置において、前記主体金具は、前記主体金具の素地が前記シースヒータと直接的に接する第1の内面と;前記素地がめっき層を介して前記シースヒータと接する第2の内面とを有する。この形態によれば、第1の内面においてシースヒータとの摩擦力を増大させることによって、主体金具に対するシースヒータの接合強度を向上させるとともに、第2の内面においてシースヒータとの密着性を向上させることによって、主体金具とシースヒータとの間の気密漏れを防止できる。
(2)上記形態の加熱装置において、前記第1の内面の面積Aと、前記第2の内面の面積Bとの関係は、B/(A+B)≧0.15を満たしてもよい。この形態によれば、シースヒータを損傷させることなく、主体金具に対するシースヒータの接合強度を向上させるとともに、主体金具とシースヒータとの間の気密漏れを防止できる。
(3)上記形態の加熱装置において、前記主体金具は、外周面にネジ部を有するとともに、軸線方向に後端側から先端側へと延びた筒状を成し;前記シースヒータは、前記主体金具の前記先端側から突出し;前記第1の内面および前記第2の内面は、前記ネジ部より前記先端側に位置してもよい。この形態によれば、ネジ部より肉厚を確保しにくい先端側に第1の内面および第2の内面が位置する場合であっても、主体金具に対するシースヒータの接合強度を向上させるとともに、主体金具とシースヒータとの間の気密漏れを防止できる。
本発明の一形態によれば、円柱状のシースヒータが筒状の主体金具に圧入された加熱装置を製造する、加熱装置の製造方法が提供される。この加熱装置の製造方法は、前記シースヒータを前記主体金具に圧入する前に、前記主体金具の内面を部分的にめっきするメッキ工程と;前記メッキ工程を行った後、前記主体金具の前記内面のうち、前記主体金具の素地が露出している第1の内面と、前記素地の上にめっき層が形成されている第2の内面とを、前記シースヒータに接触させることによって、前記主体金具に前記シースヒータを圧入する圧入工程とを備える。この形態によれば、めっき層を介在させない内面においてシースヒータとの摩擦力を増大させることによって、主体金具に対するシースヒータの接合強度を向上させるとともに、めっき層を介在させる内面においてシースヒータとの密着性を向上させることによって、主体金具とシースヒータとの間の気密漏れを防止できる。
本発明は、加熱装置およびその製造方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ディーゼルエンジンに用いられるグロープラグ(メタルグロープラグ)、流体(例えば、水、燃料など)を加熱するヒータ、ならびに、触媒活性用のヒータなどの形態で実現することができる。
グロープラグの構成を示す説明図である。 主体金具の先端側を中心にグロープラグの部分断面を示す説明図である。 グロープラグの製造方法を示す工程図である。 グロープラグの特性を評価した結果を示す表である。 グロープラグの特性を評価した結果を示す表である。 グロープラグの特性を評価した結果を示す表である。 グロープラグの特性を評価した結果を示す表である。 第2実施形態におけるグロープラグの構成を示す説明図である。
A.第1実施形態
A1.グロープラグの構成
図1は、グロープラグ10の構成を示す説明図である。グロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示しない)の始動時における着火を補助する熱源として機能する加熱装置である。
図1には、グロープラグ10の中心線CLを境界として、紙面右側にグロープラグ10の外観形状が図示され、紙面左側にグロープラグ10の断面形状が図示されている。本実施形態の説明では、グロープラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
図1には、XYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸は、互いに直交する3つの空間軸として、X軸、Y軸およびZ軸を有する。X軸に沿ったX軸方向のうち、+X軸方向は、正の方向であり、−X軸方向は、負の方向である。Y軸に沿ったY軸方向のうち、+Y軸方向は、正の方向であり、−Y軸方向は、負の方向である。本実施形態では、Z軸は、グロープラグ10の中心線CLに沿った軸である。Z軸に沿ったZ軸方向(軸線方向)のうち、+Z軸方向は、正の方向であり、−Z軸方向は、負の方向である。+Z軸方向は、後端側に向かう方向であり、−Z軸方向は先端側に向かう方向である。図1のXYZ軸は、他の図におけるXYZ軸に対応する。
グロープラグ10は、中軸200と、主体金具500と、シースヒータ800とを備える。グロープラグ10は、シースヒータ800を備えることから、メタルグロープラグとも呼ばれる。本実施形態では、グロープラグ10の中心線CLは、中軸200、主体金具500、およびシースヒータ800の各部材における中心線でもある。
グロープラグ10の中軸200は、主体金具500の内側に設けられた導体である。本実施形態では、中軸200は、中心線CLを中心とする円柱状を成す金属製の導体である。中軸200は、シースヒータ800へと電力を中継する。
中軸200は、先端側に設けられた先端部210と、後端側に設けられた後端部290とを有する。中軸200の先端部210は、主体金具500の先端側に接合されたシースヒータ800の内側に挿入されている。中軸200の後端部290は、主体金具500の後端側から突出している。本実施形態では、後端部290には、雄ネジが形成されている。本実施形態では、後端部290には、先端側から順に、絶縁ゴム製の環状部材であるOリング460と、絶縁樹脂製の筒状部材である絶縁ブッシュ410と、金属製の筒状部材であるリング300と、金属製のナット100とが組み付けられている。
グロープラグ10のシースヒータ800は、電気エネルギを熱エネルギに変換することによって熱を発生させる発熱装置である。シースヒータ800は、中心線CLを中心に後端側から先端側に延びた円柱状を成す。シースヒータ800は、シースチューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル840と、絶縁粉末870とを備える。
シースヒータ800のシースチューブ810は、中心線CLを中心に後端側から先端側に延びた円筒状を成す金属製の導体である。シースチューブ810の先端側は、閉塞された形状であり、主体金具500の先端側から突出している。シースチューブ810の先端側における内側には、発熱コイル820が接合されている。シースチューブ810の後端側は、開放された形状であり、主体金具500に圧入されている。シースチューブ810の後端側における内側には、絶縁ゴム製の筒状部材であるパッキン600を介して中軸200が挿入されている。
本実施形態では、シースチューブ810の材質は、ニッケル基合金である。他の実施形態では、シースチューブ810の材質は、ステンレス鋼であってもよい。本実施形態では、シースチューブ810の外径は、約4.0mm(ミリメートル)である。本実施形態では、シースチューブ810の側面における肉厚は、約0.5mmである。
シースヒータ800の発熱コイル820は、シースチューブ810の内側に設けられ、通電によって発熱するコイルである。発熱コイル820の先端側は、シースチューブ810の内側に溶接によって接合されている。発熱コイル820の後端側は、溶接によって制御コイル840に接合されている。
シースヒータ800の制御コイル840は、シースチューブ810の内側に設けられ、発熱コイル820による発熱を制御するコイルである。制御コイル840の先端側は、溶接によって発熱コイル820に接合されている。制御コイル840の後端側は、中軸200の先端部210に接続されている。
シースヒータ800の絶縁粉末870は、電気絶縁性を有する粉末である。本実施例では、絶縁粉末870は、酸化マグネシウム(MgO)から主に成る。絶縁粉末870は、シースチューブ810の内側に充填され、中軸200と、シースチューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル840との各隙間を電気的に絶縁する。
グロープラグ10の主体金具500は、中心線CLを中心に後端側から先端側へと延びた筒状を成す金属製の導体である。主体金具500は、中心線CLを中心に延びた貫通孔を構成する部位として、軸孔部510と、軸孔部520と、軸孔部530とを有する。主体金具500は、軸孔部510,520,530の他、工具係合部560と、ネジ部570と、円筒部580と、先端部590とを有する。
主体金具500の軸孔部510は、中心線CLを中心に後端側から先端側へ向けて、シースヒータ800の外径より大きな内径を有する。軸孔部510は、中軸200およびシースヒータ800との間に空隙を形成する。
主体金具500の軸孔部520は、軸孔部510より先端側に位置し、軸孔部520には、シースヒータ800が圧入されている。軸孔部520の内径は、シースヒータ800を圧入可能にするためシースヒータ800の外径より小さい。
主体金具500の軸孔部530は、軸孔部520より先端側に位置し、シースヒータ800の外径より大きな内径を有する。軸孔部530は、シースヒータ800との間に空隙を形成する。
主体金具500の工具係合部560は、グロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に係り合うことが可能に構成された部位である。本実施形態では、工具係合部560は、XY平面に沿った断面形状が多角形(例えば、六角形)を成す外周面を有する。
主体金具500のネジ部570は、工具係合部560より先端側に位置し、内燃機関(図示しない)に対して嵌り合う雄ネジが外周面に形成された部位である。本実施形態では、ネジ部570に形成された雄ネジの呼び径は、M8である。他の実施形態では、ネジ部570の呼び径は、M8より小さくてもよいし、M8より大きくてもよい。
主体金具500の円筒部580は、ネジ部570より先端側に位置し、円柱状を成す部位である。主体金具500の先端部590は、主体金具500の先端側における端部である。
図2は、主体金具500の先端側を中心にグロープラグ10の部分断面を示す説明図である。図2では、+Y軸方向の片側断面のみが図示され、−Y軸方向の片側断面が省略されている。
主体金具500は、素地502と、めっき層504とを有する。主体金具500の素地502は、主体金具500の各部を形成する。本実施形態では、素地502の材質は、炭素鋼である。主体金具500のめっき層504は、素地502の表面のうち、少なくとも軸孔部520の表面の一部に形成されている。本実施形態では、めっき層504は、工具係合部560から、ネジ部570、円筒部580、先端部590および軸孔部530を経て、軸孔部520の先端側に至る範囲に形成されている。本実施形態では、めっき層504の材質は、亜鉛(Zn)である。他の実施形態では、めっき層504の材質は、ニッケル(Ni)であってもよいし、亜鉛(Zn)−ニッケル(Ni)合金であってもよい。
主体金具500は、軸孔部520の一部として、内面521と内面522とを有する。主体金具500の内面521は、素地502がシースヒータ800と直接的に接する第1の内面である。主体金具500の内面522は、素地502がめっき層504を介してシースヒータ800と接する第2の内面である。本実施形態では、内面521および内面522は、ネジ部570より先端側に位置する。
本実施形態では、内面522は、内面521より先端側に位置する。他の実施形態では、内面522は、内面521より後端側に位置してもよい。他の実施形態では、内面522は、内面521と混在してもよい。他の実施形態では、内面521および内面522は、先端側から後端側に向けて交互に存在してもよい。他の実施形態では、内面521および内面522は、軸孔部520の内周方向にわたって交互に存在してもよい。
主体金具500に対してシースヒータ800を挿入する作業性を向上させる観点から、内面522は、軸孔部520の部位のうちシースヒータ800の挿入を受け入れる側(本実施形態では先端側)に位置することが好ましい。めっき層504によって軸孔部520に内面522を形成する作業性を向上させる観点から、内面522は、軸孔部520の部位のうち先端部590側に位置することが好ましい。
内面521の面積Aと内面522の面積Bとの関係は、B/(A+B)≧0.15を満たすことが好ましい。値B/(A+B)は、0.95以下であることが好ましく、0.90以下であることがいっそう好ましい。値B/(A+B)に関する評価については後述する。
A2.グロープラグの製造方法
図3は、グロープラグ10の製造方法を示す工程図である。グロープラグ10を製造する際には、製造者は、グロープラグ10を構成する各種部材を用意する(工程P110)。本実施形態では、製造者は、グロープラグ10の部材の1つとして、めっき層504が形成されていない主体金具500を用意する。
各種部材を用意した後(工程P110)、製造者は、主体金具500にめっき層504を形成するメッキ工程(工程P142)を行う。メッキ工程(工程P142)において、製造者は、主体金具500の内面を部分的にめっきする。これによって、主体金具500の軸孔部520には、内面521および内面522が形成される。軸孔部520の内面521は、素地502が露出している第1の内面である。軸孔部520の内面522は、素地502の上にめっき層504が形成されている内面である。本実施形態では、製造者は、工具係合部560から、ネジ部570、円筒部580、先端部590および軸孔部530を経て、軸孔部520の先端側にわたって、めっき層504を形成する。本実施形態では、めっき層504の材質は、亜鉛(Zn)である。
メッキ工程(工程P142)を行った後、製造者は、主体金具500にシースヒータ800を圧入する圧入工程(工程P144)を行う。圧入工程(工程P144)において、製造者は、主体金具500の内面521および内面522をシースヒータ800に接触させることによって、主体金具500にシースヒータ800を圧入する。これによって、軸孔部520の内面521では、素地502がシースヒータ800と直接的に接し、軸孔部520の内面522では、素地502がめっき層504を介してシースヒータ800と接する。本実施形態では、製造者は、シースヒータ800に中軸200を挿入した状態で、主体金具500の先端部590側から軸孔部520へとシースヒータ800を圧入する。
主体金具500にシースヒータ800を圧入した後(工程P144)、製造者は、主体金具500に各種部材(例えば、ナット100およびリング300など)を取り付ける(工程P180)。これらの工程を経て、グロープラグ10が完成する。
A3.グロープラグの評価
図4、図5、図6および図7は、グロープラグ10の特性を評価した結果を示す表である。試験者は、評価対象となるグロープラグ10として、値B/(A+B)が異なる複数の試料を用意した。本評価試験では、試験者は、グロープラグ10の仕様ごとに50個の試料を用意した。
図4〜図7に示すめっき割合は、値B/(A+B)を百分率として表す値である。めっき割合0%は、値B/(A+B)が0.00であることを示す。すなわち、めっき割合0%の試料では、主体金具500の軸孔部520に、素地502がめっき層504を介してシースヒータ800と接する内面522が存在しない。めっき割合100%は、値B/(A+B)が1.00であることを示す。すなわち、めっき割合100%の試料では、主体金具500の軸孔部520に、素地502がシースヒータ800と直接的に接する内面521が存在しない。
本評価試験では、試験者は、めっき割合を算出する際、蛍光X線分析装置を用いて、軸孔部520におけるめっき層504の厚さを測定した。蛍光X線分析装置による測定点は、主体金具500の軸孔部520の内面のうち、中心線CLに沿った異なる3つの領域上にそれぞれ0.2mm間隔で並ぶ点である。試験者は、3つの領域から得た測定値を用いて、同じZ軸上の位置から得た3つの測定値の平均値を算出した。3つの測定値の平均値が0.5μm(マイクロメートル)以上である場合、試験者は、これらの測定値が得られた軸孔部520におけるZ軸上の全周にわたって、めっき層504が存在すると判断した。試験者は、このような、めっき層504の有無の判断に基づいて、めっき割合を算出した。
試験者は、図4の試料として、次の仕様を満たす主体金具500およびシースヒータ800を用いて、めっき割合が異なる複数の試料を作製した。
・ネジ部570の呼び径:M8
・円筒部580における外径(金具外径)ODf:6.7mm
・素地502の材質:炭素鋼
・めっき層504の材質:Zn(亜鉛)
・シースチューブ810の外径(チューブ外径)ODt:4.0mm
試験者は、図5の試料として、次の仕様を満たす主体金具500およびシースヒータ800を用いて、めっき割合が異なる複数の試料を作製した。
・ネジ部570の呼び径:M10
・円筒部580における外径(金具外径)ODf:8.3mm
・素地502の材質:炭素鋼
・めっき層504の材質:Zn(亜鉛)
・シースチューブ810の外径(チューブ外径)ODt:4.0mm
試験者は、図6の試料として、次の仕様を満たす主体金具500およびシースヒータ800を用いて、めっき割合が異なる複数の試料を作製した。
・ネジ部570の呼び径:M8
・円筒部580における外径(金具外径)ODf:6.7mm
・素地502の材質:炭素鋼
・めっき層504の材質:Zn−Ni(亜鉛−ニッケル合金)
・シースチューブ810の外径(チューブ外径)ODt:4.0mm
試験者は、図7の試料として、次の仕様を満たす主体金具500およびシースヒータ800を用いて、めっき割合が異なる複数の試料を作製した。
・ネジ部570の呼び径:M10
・円筒部580における外径(金具外径)ODf:8.3mm
・素地502の材質:炭素鋼
・めっき層504の材質:Zn−Ni(亜鉛−ニッケル合金)
・シースチューブ810の外径(チューブ外径)ODt:4.0mm
試験者は、グロープラグ10の気密性を評価するために、各試料に対して気密試験を行った。気密試験において、試験者は、日本工業規格JIS5103−1992に規定された気密試験に準拠して、シリンダーヘッドに相当する試験台にグロープラグ10を取り付けた後、グロープラグ10の先端側から4MPa(メガパスカル)の空気圧を15秒間加えている間、主体金具500の内部から空気が漏れるか否かを調べた。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の気密性を評価した。
○(良):50個全ての試料に空気の漏れ無し
×(劣):1個以上の試料に空気の漏れ有り
試験者は、グロープラグ10におけるシースチューブ810の変形を評価するために、ネジ部570において中心線CLを中心にグロープラグ10を回転させて、シースチューブ810が描く軌跡の直径を測定した。試験者は、次の評価基準に基づいて、各試料におけるシースチューブ810の変形を評価した。
<ネジ部570の呼び径がM8の場合>
○(良):シースチューブ810が描く軌跡の直径が0.5mm以下
×(劣):シースチューブ810が描く軌跡の直径が0.5mm超過
<ネジ部570の呼び径がM10の場合>
○(良):シースチューブ810が描く軌跡の直径が0.7mm以下
×(劣):シースチューブ810が描く軌跡の直径が0.7mm超過
試験者は、主体金具500からシースチューブ810を引き抜くために必要な抜け荷重を評価するために、主体金具500を把持した状態でシースチューブ810に圧力を加え、シースチューブ810が主体金具500から抜ける際の荷重を測定した。試験者は、抜け荷重の下限規格を150kgf(重量キログラム)(1471N(ニュートン))として、シースチューブ810の抜け荷重から工程能力指数(Cp)を算出した。試験者は、次の評価基準に基づいて、各試料におけるシースチューブ810の抜け荷重を評価した。
○(良):1.33≦Cp
△(可):1.00≦Cp<1.33
×(劣):Cp<1.00
図4〜図7に示す結果によれば、グロープラグ10の気密性を確保する観点から、めっき割合が5%以上であること、すなわち、値B/(A+B)が0.05以上であることが好ましい。また、シースチューブ810の変形を抑制する観点から、めっき割合が15%以上であること、すなわち、値B/(A+B)が0.15以上であることが好ましい。また、シースチューブ810の抜け荷重を十分に確保する観点から、めっき割合が95%以下であること、すなわち、値B/(A+B)が0.95以下であることが好ましく、めっき割合が90%以下であること、すなわち、値B/(A+B)が0.90以下であることがいっそう好ましい。
A4.効果
以上説明した第1実施形態によれば、主体金具500は、素地502がシースヒータ800と直接的に接する内面521と、素地502がめっき層504を介してシースヒータ800と接する内面522とを有する。そのため、内面521においてシースヒータ800との摩擦力を増大させることによって、主体金具500に対するシースヒータ800の接合強度を向上させるとともに、内面522においてシースヒータ800との密着性を向上させることによって、主体金具500とシースヒータ800との間の気密漏れを防止できる。
また、B/(A+B)≧0.15を満たすことによって、シースヒータ800を損傷させることなく、主体金具500に対するシースヒータ800の接合強度を向上させるとともに、主体金具500とシースヒータ800との間の気密漏れを防止できる。
また、ネジ部570より肉厚を確保しにくい円筒部580に内面521および内面522が位置する場合であっても、主体金具500に対するシースヒータ800の接合強度を向上させるとともに、主体金具500とシースヒータ800との間の気密漏れを防止できる。
B.第2実施形態
図8は、第2実施形態におけるグロープラグ10Bの構成を示す説明図である。グロープラグ10Bは、軸孔部520がネジ部570の内側に位置する点を除き、第1実施形態のグロープラグ10と同様である。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、内面521においてシースヒータ800との摩擦力を増大させることによって、主体金具500に対するシースヒータ800の接合強度を向上させるするとともに、内面522においてシースヒータ800との密着性を向上させることによって、主体金具500とシースヒータ800との間の気密漏れを防止できる。
C.他の実施形態
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本発明は、グロープラグ(メタルグロープラグ)への適用に限らず、流体(例えば、水、燃料など)を加熱するヒータ、ならびに、触媒活性用のヒータなど、他の加熱装置に適用できる。加熱装置を固定する手法は、ネジ部570を利用する固定に限らず、加熱装置の外周に設けたフランジ(突出部)の貫通孔にボルトを通すことによる手法であってもよい。
10,10B…グロープラグ
100…ナット
200…中軸
210…先端部
290…後端部
300…リング
410…絶縁ブッシュ
460…Oリング
500…主体金具
502…素地
504…めっき層
510…軸孔部
520…軸孔部
521…内面(第1の内面)
522…内面(第2の内面)
530…軸孔部
560…工具係合部
570…ネジ部
580…円筒部
590…先端部
600…パッキン
800…シースヒータ
810…シースチューブ
820…発熱コイル
840…制御コイル
870…絶縁粉末

Claims (5)

  1. 金属製のシースチューブを有する円柱状のシースヒータと、
    前記シースチューブ先端側に圧入された筒状の主体金具と、を備える加熱装置であって、
    前記主体金具は、
    前記主体金具の素地が前記シースチューブと直接的に接する第1の内面と、
    前記素地がめっき層を介して前記シースチューブと接する第2の内面と
    を有し、
    前記第2の内面は前記第1の内面より先端側に位置することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記第1の内面の面積Aと、前記第2の内面の面積Bとの関係は、B/(A+B)≧0.15を満たす、請求項1に記載の加熱装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の加熱装置であって、
    前記主体金具は、外周面にネジ部を有するとともに、軸線方向に後端側から先端側へと延びた筒状を成し、
    前記シースヒータは、前記主体金具の前記先端側から突出し、
    前記第1の内面および前記第2の内面は、前記ネジ部より前記先端側に位置する、加熱装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の加熱装置を備えるグロープラグ。
  5. 金属製のシースチューブを有する円柱状のシースヒータが筒状の主体金具の先端側に圧入された加熱装置を製造する、加熱装置の製造方法であって、
    前記シースヒータを前記主体金具に圧入する前に、前記主体金具の内面の先端側を部分的にめっきするメッキ工程と、
    前記メッキ工程を行った後、前記主体金具の前記内面のうち、前記主体金具の素地が露出している第1の内面と、前記第1の内面より先端側に位置し、前記素地の上にめっき層が形成されている第2の内面とを、前記シースチューブに接触させることによって、前記主体金具に先端側から前記シースヒータを圧入する圧入工程と
    を備える、加熱装置の製造方法。
JP2014114770A 2014-06-03 2014-06-03 グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法 Active JP6362431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014114770A JP6362431B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014114770A JP6362431B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015230102A JP2015230102A (ja) 2015-12-21
JP6362431B2 true JP6362431B2 (ja) 2018-07-25

Family

ID=54886974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014114770A Active JP6362431B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6362431B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2537228B2 (ja) * 1987-04-16 1996-09-25 日本特殊陶業株式会社 シ−ズグロ−プラグ
EP1158245A1 (en) * 2000-05-26 2001-11-28 Federal-Mogul Ignition Srl Glow plug for diesel engines and process for its manufacture
JP3816073B2 (ja) * 2003-01-28 2006-08-30 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ及びグロープラグの製造方法
JP5557488B2 (ja) * 2009-08-05 2014-07-23 日本特殊陶業株式会社 セラミックグロープラグ
JP2012149799A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ用主体金具の製造方法及びグロープラグの製造方法
JP2013257103A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法及びグロープラグの製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015230102A (ja) 2015-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6017027B2 (ja) スパークプラグ
JP5719419B2 (ja) 点火プラグ及びその製造方法
CN103348546B (zh) 火花塞制造方法
JP2007247994A (ja) セラミックグロープラグおよびセラミックグロープラグの製造方法
WO2015198555A1 (ja) スパークプラグ
JP5296677B2 (ja) スパークプラグ
JP6392000B2 (ja) グロープラグ
JP6362431B2 (ja) グロープラグおよび加熱装置ならびにその製造方法
JP6942159B2 (ja) 点火プラグ
EP2889972B1 (en) Sparkplug
US9197038B1 (en) Spark plug and method of manufacturing the same
US9742157B2 (en) Spark plug
JP6903717B2 (ja) 点火プラグ
CN110011183B (zh) 火花塞
JP6426376B2 (ja) グロープラグ
WO2015111381A1 (ja) スパークプラグ
JP2015152222A (ja) グロープラグ
JP6329470B2 (ja) 点火プラグ
JP7045161B2 (ja) グロープラグ
US20140361679A1 (en) Spark plug for internal combustion engine and method of manufacturing the same
JP6345214B2 (ja) 点火プラグ
JP2019032151A (ja) グロープラグ
JP2005273955A (ja) シーズ型グロープラグ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160530

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6362431

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250