JP5719419B2 - 点火プラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に使用され、イオン電流の検知に利用される点火プラグ及びその製造方法に関する。
点火プラグは、内燃機関(エンジン)等に取付けられ、燃焼室内の混合気等への着火のために用いられる。一般に点火プラグは、軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、軸孔の先端側に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に固定される接地電極とを備えている。また、絶縁体は、主体金具の内周に挿入された上で、主体金具の後端部を径方向内側に屈曲させ、加締め部を形成することにより主体金具に固定されている。加えて、接地電極の先端部と中心電極の先端部との間には間隙が形成されており、当該間隙に高電圧を印加し、火花放電を生じさせることで混合気等への着火がなされるようになっている。
ところで、間隙に対する電圧の印加に伴い、加締め部に高強度の電界が形成されることがある。そして、電界の形成により、加締め部及び絶縁体間において局部破壊され、加締め部の周囲に存在する気体がイオン化することで、加締め部の後端部から絶縁体の外周面を這うようにしてコロナ放電が発生することがある。着火性の面では、コロナ放電の発生は特に問題とはならない。しかしながら、混合気等の燃焼に伴い前記間隙を流れるイオン電流を検出することで、混合気等の燃焼状態やノッキングの発生状態を検出する装置においては、コロナ放電の発生により、イオン電流にノイズが生じてしまい、燃焼状態等の検出精度が低下してしまうおそれがある。
そこで、コロナ放電の発生を抑制すべく、加締め部と絶縁体との間の隙間に、抵抗値の比較的大きな充填層を設けたり、絶縁体のうち加締め部と対向する部位に、主体金具と電気的に接続された導電性皮膜を設けたりする手法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開平11−233234号公報
しかしながら、本願発明者が鋭意検討したところ、上記手法では、コロナ放電の発生を十分に抑制できないことが判明した。
また近年では、燃費性能の向上等を図るために、筒内圧力が比較的高くされた高圧縮、高過給エンジンが提案されている。このようなエンジンにおいては、火花放電を生じさせるために必要な電圧(放電電圧)がより大きなものとなり、加締め部における電界強度も増大するため、コロナ放電の発生がより懸念される。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、コロナ放電の発生をより確実に抑制することができ、イオン電流の検知精度を高めることができる点火プラグ及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の点火プラグは、筒状の主体金具と、
軸線方向に貫通する軸孔を有するとともに、前記主体金具の内周に設けられ、自身の後端部に前記主体金具の後端から露出する後端側胴部を具備する絶縁体とを備え、
前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により、前記主体金具と前記絶縁体とが固定された、イオン電流の検知に利用される点火プラグであって、
前記加締め部と前記絶縁体との間に形成された隙間に充填される絶縁性の充填部材を有し、
前記充填部材は、前記後端側胴部の外周面の少なくとも一部における周方向全域と、前記加締め部の外表面のうち前記軸線方向後端側から視認可能な面である後端側面の全域とを覆うことを特徴とする。
尚、「加締め部の後端側面」とあるのは、加締め部の外表面のうち、軸線方向後端側から加締め部に向けて軸線と平行な直線を引いたときにおいて、前記直線と最初に交差可能な面ということができる。
上記構成1によれば、電界強度の高い加締め部の後端部から広範囲において、コロナ放電の発生に必要となる気体がほとんど存在しない状態とすることができる。従って、コロナ放電の発生をより確実に抑制することができ、イオン電流の検知精度を高めることができる。
構成2.本構成の点火プラグは、上記構成1において、前記軸孔の先端側に挿通される中心電極と、
前記主体金具の先端部に配置され、前記中心電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
前記充填部材のうち前記加締め部よりも後端側に位置する部位の前記軸線に沿った長さLが、前記間隙の大きさGよりも大きいことを特徴とする。
間隙の大きさGが大きいほど、加締め部の後端部における電界強度が増大し、コロナ放電が発生しやすくなる。
この点を踏まえて、上記構成2によれば、充填部材のうち加締め部よりも後端側に位置する部位の軸線に沿った長さLが、間隙の大きさGよりも大きなものとされている。これにより、間隙の大きさGが大きい(つまり、加締め部の後端部における電界強度が高い)ほど、加締め部の後端部からより広範囲において気体がほとんど存在しない状態とすることができる。その結果、コロナ放電の発生を一層確実に抑制することができる。
構成3.本構成の点火プラグは、上記構成2において、前記長さLが2.5mm以上であることを特徴とする。
上記構成3によれば、加締め部の後端部から一層広範囲において、気体がほとんど存在しない状態とすることができる。従って、コロナ放電の発生をより一層確実に抑制することができる。
構成4.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記主体金具は、内燃機関への取付けの際に工具が係合される工具係合面を外周に有するとともに、前記加締め部よりも先端側に位置する工具係合部を具備し、
前記充填部材は、前記加締め部の外表面の全域、及び、前記工具係合面の外表面のうち前記加締め部と前記工具係合面との間に位置する面の少なくとも一部を覆うことを特徴とする。
上記構成4によれば、加締め部の後端部から極めて広範囲において、気体がほとんど存在しない状態とすることができる。従って、コロナ放電の発生抑制効果を著しく高めることができる。
構成5.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記充填部材は、樹脂からなることを特徴とする。
上記構成5によれば、硬化前(液状)の樹脂により、加締め部及び絶縁体間に形成された隙間をより確実に埋めることができる。従って、樹脂の硬化後において、加締め部の後端部近傍に気体が存在してしまうことを極めて効果的に防止できる。その結果、コロナ放電の発生抑制効果をより確実に発揮させることができる。
構成6.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記充填部材は、ゴムからなることを特徴とする。
上記構成6によれば、硬化前のゴムにより、加締め部及び絶縁体間に形成された隙間をより確実に埋めることができる。そのため、ゴムの硬化後おいて、加締め部の後端部近傍に気体が存在してしまうことを極めて効果的に防止できる。その結果、コロナ放電の発生抑制効果をより確実に発揮させることができる。
また、硬化後のゴムは弾性変形するため、内燃機関等の動作に伴う振動が加えられた際において、主体金具及び絶縁体と充填部材との間に隙間が形成されてしまう(気体が存在してしまう)ことをより確実に防止できる。その結果、コロナ放電の発生を一層確実に、かつ、一層長期間に亘って抑制することができる。
構成7.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、前記主体金具は、内燃機関への取付けの際に工具が係合されるとともに、前記加締め部よりも先端側に位置する工具係合部を有し、
前記軸線と直交する平面に、前記充填部材の最外周部と前記工具係合部の最外周部とを前記軸線に沿って投影したとき、前記充填部材の最外周部の投影線が、前記工具係合部の最外周部の投影線と一致する、又は、前記工具係合部の最外周部の投影線よりも内側に位置することを特徴とする。
上記構成7によれば、充填部材の存在によって、工具係合部に対する工具の係合に支障が生じてしまうことを防止できる。従って、点火プラグの取付・取外を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
構成8.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至7のいずれかにおいて、前記絶縁体は、絶縁性セラミックからなる本体部を備え、
前記充填部材のうち前記後端側胴部の外周面を覆う部位の少なくとも一部は、前記本体部と直接接触していることを特徴とする。
上記構成8によれば、絶縁体に対する充填部材の密着性をより高めることができる。従って、振動が加えられた際などにおいて、絶縁体と充填部材との間に隙間が形成されてしまう(気体が存在してしまう)ことを一層確実に防止できる。その結果、コロナ放電の発生をより一層確実に、かつ、より一層長期間に亘って抑制することができる。
構成9.本構成の点火プラグの製造方法は、上記構成1乃至8のいずれかに記載の点火プラグの製造方法であって、
前記充填部材を形成する充填部材形成工程を含み、
前記充填部材形成工程は、前記加締め部及び前記後端側胴部の外周に配置された型と、前記主体金具と、前記絶縁体とにより形成されたキャビティに対して、固化後に前記充填部材となる可塑化材料を加圧充填する工程を含むことを特徴とする。
上記構成9によれば、キャビティに対して可塑化材料を加圧充填することで、充填部材内における気泡の形成を抑制でき、また、絶縁体及び主体金具に対して充填部材をより確実に密着させることができる。その結果、絶縁体及び主体金具と充填部材との間に気体が存在してしまうことをより確実に防止でき、充填部材を設けることによるコロナ放電の発生抑制効果を一層確実に発揮させることができる。
構成10.本構成の点火プラグの製造方法は、上記構成1乃至8のいずれかに記載の点火プラグの製造方法であって、
前記充填部材を形成する充填部材形成工程を含み、
前記充填部材形成工程は、前記加締め部及び前記後端側胴部の外周に配置された型と、前記主体金具と、前記絶縁体とにより形成されたキャビティに対して、固化後に前記充填部材となる可塑化材料を投入する工程と、
前記可塑化材料に真空脱泡を行う工程とを含むことを特徴とする。
上記構成10によれば、可塑化材料に真空脱泡を行うことで、充填部材内における気泡の形成を抑制でき、また、絶縁体及び主体金具に対して充填部材をより確実に密着させることができる。その結果、絶縁碍子及び主体金具と充填部材との間において気体が存在してしまうことをより確実に防止でき、コロナ放電の発生を一層確実に抑制することができる。
構成11.本構成の点火プラグの製造方法は、上記構成8に記載の点火プラグの製造方法であって、
前記絶縁体は、絶縁性セラミックからなる本体部を備え、
前記本体部の外周に釉薬層を形成する釉薬層形成工程と、
前記釉薬層の一部を除去し、前記充填部材のうち前記後端側胴部の外周面を覆う部位の少なくとも一部と、前記本体部の外周面とを直接接触可能とする釉薬層除去工程とを含むことを特徴とする。
上記構成11によれば、釉薬層を設けることで、絶縁体の表面を這った異常放電(フラッシュオーバー)の発生を抑制しつつ、上記構成8と同様に、絶縁体に対する充填部材の密着性をより高めることができる。
構成12.本構成の点火プラグの製造方法は、上記構成11において、前記釉薬層除去工程に際しては、サンドブラスト法により前記釉薬層の除去を行うことを特徴とする。
上記構成12によれば、サンドブラスト法により釉薬層の除去が行われるため、本体部のうち釉薬層が除去された部位における表面粗度を増大させることができる。従って、絶縁体(本体部)に対する充填部材の密着性をより一層向上させることができる。その結果、その結果、コロナ放電の発生抑制効果をさらに高めることができる。
点火プラグの構成を示す一部破断正面図である。 点火プラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 充填部材の構成を示す一部破断拡大正面図である。 充填部材の別例を示す一部破断拡大正面図である。 充填部材の別例を示す一部破断拡大正面図である。 充填部材の別例を示す一部破断拡大正面図である。 充填部材の最外周部及び工具係合部の最外周部の投影図である。 後端側胴部に対する充填部材の接触状態を示す拡大断面図である。 充填部材形成工程を説明するため拡大断面図である。 充填部材形成工程を説明するための拡大断面図である。 点火プラグの別例を示す一部破断正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、点火プラグ1を示す一部破断正面図である。点火プラグ1は、図示しない内燃機関等に取付けられており、火花放電を生じさせることで混合気等への着火を行うものである。
尚、本実施形態において、点火プラグ1は、イオン電流の検知にも利用されている。詳述すると、点火プラグ1は、図示しない所定の電圧印加装置(例えば、コンデンサ)に接続されており、火花放電後に前記電圧印加装置により後述する間隙28に対して電圧が印加される。そして、このときに点火プラグ1を流れるイオン電流が、図示しない検知手段により検知されるようになっている。尚、検知されたイオン電流に基づいて失火やノッキングが検出される。
次に、図1等を参酌しつつ、点火プラグ1の構成を説明する。尚、図1では、点火プラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を点火プラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
点火プラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、絶縁性セラミック(例えば、アルミナ等)を焼成してなる筒状の本体部2Aと、本体部2Aの後端側外周に設けられた釉薬層2Bとを備えている。また、絶縁碍子2は、その外形部において、主体金具3の後端から露出する後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って延びる軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。中心電極5は、熱伝導性に優れる金属〔例えば、銅や銅合金、純ニッケル(Ni)等〕からなる内層5Aと、Niを主成分とする合金からなる外層5Bとを備えている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。
加えて、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグ1を内燃機関等に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には座部16が外周側に向けて突出形成されており、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。
さらに、主体金具3の後端側には、断面六角形状の工具係合部19が設けられている。工具係合部19は、その外周に、軸線CL1と平行な方向に延び、主体金具3を内燃機関等に取付ける際にレンチ等の工具が係合される複数の工具係合面19Aを備えている(図3参照)。また、主体金具3の後端部には、径方向内側に向けて屈曲する加締め部20が設けられている。
加えて、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3に対してその後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間には滑石(タルク)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及び滑石25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2に示すように、主体金具3の先端部26には、棒状の接地電極27が設けられている。接地電極27は、自身の基端部が主体金具3の先端部26に溶接されるとともに、自身の中間部分にて曲げ返されて、自身の先端側側面が中心電極5の先端部と対向している。そして、接地電極27の先端部と中心電極5の先端部との間には、間隙28が形成されており、当該間隙28に電圧が印加されることで、間隙28において軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。尚、本実施形態において、間隙28の大きさGは、所定数値範囲内(例えば、0.3mm以上2.0mm以下)とされている。
加えて、図3に示すように、加締め部20の後端部と絶縁碍子2の外周面との間に形成された隙間SPに、絶縁性の充填部材31が充填されている。充填部材31は、耐熱性に優れる絶縁性のゴム(例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムなど)や、耐熱性に優れる絶縁性の樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)により形成されている。
さらに、充填部材31は、後端側胴部10の外周面の少なくとも一部における周方向全域と、加締め部20の外表面のうち軸線CL1方向後端側から視認可能な面である後端側面20Aの全域とを覆うように構成されている。また、本実施形態において、充填部材31は、加締め部20の外表面のうち前記後端側面20Aよりも先端側に位置する面を覆っており、その結果、加締め部20の外表面全域を覆っている。加えて、充填部材31は、工具係合部19の外表面のうち加締め部20と工具係合面19Aとの間に位置し、軸線CL1方向先端側に向けて外周側に傾斜する傾斜面19Bをも覆うように構成されている。
また、充填部材31のうち加締め部20よりも後端側に位置する部位の軸線CL1に沿った長さLは、間隙28の大きさGよりも大きなものとされており、特に本実施形態では、長さLが2.5mm以上とされている。
尚、必ずしも長さLを2.5mm以上とする必要はなく、例えば、図4に示すように、長さLが2.5mm未満となるように充填部材32を構成してもよい。また、必ずしも長さLを間隙28の大きさGよりも大きくする必要はなく、例えば、図5に示すように、長さLが間隙の大きさG以下となるように充填部材33を構成してもよい。
さらに、充填部材31は必ずしも加締め部20の全域及び前記傾斜面19Bを覆う必要はなく、図6に示すように、充填部材34が、加締め部20の後端側面20A全域、及び、後端側胴部10の外周面のみを覆うように構成してもよい。
図3に戻り、本実施形態における充填部材31は、その外周部が断面六角形状をなしており、工具係合部19の外周部における断面形状と同一の断面形状となるように構成されている。すなわち、図7に示すように、軸線CL1と直交する平面VSに、充填部材31の最外周部と工具係合部19の最外周部とを軸線CL1に沿って投影したとき、充填部材31の最外周部の投影線PL1が、工具係合部19の最外周部の投影線PL2と一致するように構成されている。尚、投影線PL1が投影線PL2よりも内側に位置するように構成してもよい。すなわち、充填部材31が、工具係合部19の外周よりも外周側に位置しないように構成されていればよい。
さらに、本実施形態では、図8に示すように、後端側胴部10は、その後端側外周に釉薬層2Bを備えている一方で、その先端側外周に釉薬層2Bは備えておらず、本体部2Aが露出している。そして、充填部材31のうち後端側胴部10の外周面を覆う部位の少なくとも一部(本実施形態では、後端側胴部10の外周面を覆う部位の全域)が、本体部2Aと直接接触している。尚、本実施形態では、端子電極6及び主体金具3間における、後端側胴部10の外表面を這った放電(フラッシュオーバー)の発生を抑制するために、後端側胴部10の後端側の広範囲に釉薬層2Bが設けられている。その一方で、充填部材31のうち後端側胴部10の外周面を覆う部位の全域を本体部2Aに対して直接接触させるべく(換言すれば、広範囲に設けられた釉薬層2Bとの接触を防止すべく)、前記長さLが十分に小さなもの(例えば、後端側胴部10の軸線CL1に沿った長さの半分以下)とされている。
次に、上記のように構成されてなる点火プラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め製造しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等を施すことにより概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。そして、直棒状の接地電極27を主体金具中間体に抵抗溶接するとともに、抵抗溶接時に生じた、いわゆる「ダレ」を除去した上で、転造によって主体金具中間体の所定部位にねじ部15を形成する。これにより、接地電極27が接合された主体金具3が得られる。尚、ねじ部15の形成後、耐食性の向上を図るべく、主体金具3及び接地電極27の表面に、亜鉛めっきやNiめっきを設けることとしてもよい。また、耐食性の更なる向上を図るべく、亜鉛めっきやNiめっきの表面に、さらにクロメート処理を施すこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、本体部2Aを成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、本体部2Aが得られる。
また、前記主体金具3等とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金に鍛造加工を施すことで中心電極5を作製する。
次に、加熱焼成工程において、上記のようにして得られた本体部2A及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9は、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが、抵抗体7を挟むようにして本体部2Aの軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱されることで焼成される。また、本実施形態では、加熱焼成時において、後端側胴部10の外周面全域に釉薬層2Bが同時に焼成される。すなわち、後端側胴部10の外周面に釉薬層2Bを形成する釉薬層形成工程は、前記加熱焼成工程に含まれている。尚、釉薬層2Bの形成により、本体部2A及び釉薬層2Bを有する絶縁碍子2が得られる。また、釉薬層形成工程を、加熱焼成工程の前又は後に設けてもよい。
次いで、釉薬層除去工程において、釉薬層2Bのうち後端側胴部10の先端側に位置する部分を除去し、後端側胴部10の先端側において、本体部2Aを外部に露出させる。これにより、後に設けられる充填部材31のうち後端側胴部10の外周面を覆う部位の少なくとも一部(本実施形態では、充填部材31のうち後端側胴部10の外周面を覆う部位の全域)と、本体部2Aとが直接接触可能とされる。尚、本実施形態では、サンドブラスト法により、釉薬層2Bの除去が行われる。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
次に、充填部材形成工程において、主体金具3の後端部に、充填部材31を形成する。すなわち、図9に示すように、まず、加締め部20及び後端側胴部10の外周に、内周面が工具係合部19の断面形状と同一の六角形状をなす筒状の型MD1を配置する。次いで、型MD1の内周面と、主体金具3の外表面と、絶縁碍子2(後端側胴部10)の外周面との間に形成されたキャビティCA1に対して、所定の押出機(図示せず)により固化後に充填部材31となる可塑化材料PM1を加圧充填する。その後、充填部材31の形成材料をゴムとした場合には、熱風や高周波等により加硫することで可塑化材料PM1を固化させ、充填部材31の形成材料を樹脂(例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)とした場合には、加熱により可塑化材料PM1を固化させる。その後、型MD1を取外すとともに、不要部分の切除等を行うことにより、充填部材31が形成される。
尚、充填部材31の形成材料を樹脂とした場合には、図10に示すように、型MD2と、主体金具3と、絶縁碍子2(後端側胴部10)との間に形成されたキャビティCA2に対して、固化後に充填部材31となる可塑化材料PM2を投入するとともに、可塑化材料PM2の周囲を真空状態とし、可塑化材料PM2に真空脱泡を行うこととしてもよい。尚、真空脱泡後、可塑化材料PM2の周囲を大気圧に戻した上で、可塑化材料PM2を加熱することにより、可塑化材料PM2が固化され、充填部材31が形成される。
充填部材31の形成後、接地電極27の中間部分を中心電極5側に屈曲させるとともに、中心電極5及び接地電極27間の間隙28の大きさを調整することにより、上述した点火プラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、後端側胴部10の外周面の少なくとも一部における周方向全域と、加締め部20の後端側面20Aの全域とが、充填部材31で覆われるように構成されている。従って、電界強度の高い加締め部20の後端部から広範囲において、コロナ放電の発生に必要となる気体がほとんど存在しない状態とすることができる。従って、コロナ放電の発生をより確実に抑制することができ、イオン電流の検知精度を高めることができる。
特に本実施形態では、充填部材31のうち加締め部20よりも後端側に位置する部位の軸線CL1に沿った長さLが、間隙28の大きさGよりも大きなものとされている。これにより、間隙28の大きさGが大きい(つまり、加締め部20の後端部における電界強度が高い)ほど、加締め部20の後端部からより広範囲において気体がほとんど存在しない状態とすることができる。その結果、コロナ放電の発生を一層確実に抑制することができる。
また、長さLが2.5mm以上とされているため、加締め部20の後端部から一層広範囲において、気体がほとんど存在しない状態とすることができる。従って、コロナ放電の発生をより一層確実に抑制することができる。
さらに、本実施形態では、加締め部20の外表面全域と傾斜面19Bとが充填部材31で覆われている。従って、コロナ放電の発生抑制効果を著しく高めることができる。
加えて、充填部材31を樹脂により形成した場合には、硬化前(液状)の樹脂により、前記隙間SPをより確実に埋めることができる。従って、樹脂の硬化後において加締め部20の後端部近傍に気体が存在してしまうことを極めて効果的に防止できる。その結果、コロナ放電の発生抑制効果をより確実に発揮させることができる。
また、充填部材31をゴムにより形成した場合には、硬化前のゴムにより、前記隙間SPをより確実に埋めることができる。従って、ゴムの硬化後において、加締め部20の後端部近傍に気体が存在してしまうことを極めて効果的に防止できる。その結果、コロナ放電の発生抑制効果をより確実に発揮させることができる。併せて、硬化後のゴムは弾性変形するため、内燃機関等の動作に伴う振動が加えられた際において、主体金具3及び絶縁碍子2と充填部材31との間に隙間が形成されてしまう(気体が存在してしまう)ことをより確実に防止できる。その結果、コロナ放電の発生を一層確実に、かつ、一層長期間に亘って抑制することができる。
併せて、軸線CL1と直交する平面VSに、充填部材31の最外周部と工具係合部19の最外周部とを投影したとき、充填部材31の最外周部の投影線PL1が、工具係合部19の最外周部の投影線PL2と一致する、又は、投影線PL2よりも内側に位置するように構成されている。従って、充填部材31の存在によって、工具係合部19に対する工具の係合に支障が生じてしまうことを防止できる。その結果、点火プラグ1の取付・取外を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
また、充填部材31のうち後端側胴部10の外周面を覆う部位の少なくとも一部は、本体部2Aと直接接触しているため、絶縁碍子2に対する充填部材31の密着性をより高めることができる。従って、振動が加えられた際などにおいて、絶縁碍子2と充填部材31との間に隙間が形成されてしまう(気体が存在してしまう)ことを一層確実に防止できる。その結果、コロナ放電の発生をより一層確実に、かつ、より一層長期間に亘って抑制することができる。
また、充填部材形成工程において、キャビティCA1に対して可塑化材料PM1を加圧充填する場合には、絶縁碍子2及び主体金具3に対して充填部材31をより確実に密着させることができる。その結果、絶縁碍子2及び主体金具3と充填部材31との間に気体が存在してしまうことをより確実に防止でき、充填部材31を設けることによるコロナ放電の発生抑制効果を一層確実に発揮させることができる。
さらに、充填部材形成工程において、可塑化材料PM2に真空脱泡を行う場合には、可塑化材料を加圧充填する場合と同様に、絶縁碍子2及び主体金具3に対して充填部材31をより確実に密着させることができる。その結果、絶縁碍子2等と充填部材31との間において気体が存在してしまうことをより確実に防止でき、コロナ放電の発生を一層確実に抑制することができる。
加えて、サンドブラスト法により釉薬層2Bの除去が行われるため、本体部2Aのうち釉薬層2Bが除去された部位における表面粗度を増大させることができる。従って、絶縁碍子2(本体部2A)に対する充填部材31の密着性をより一層向上させることができる。その結果、その結果、コロナ放電の発生抑制効果をさらに高めることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、充填部材の配置位置を種々異なるものとした点火プラグのサンプルを作製した。そして、各サンプルを所定のチャンバーに取付けるとともに、チャンバー内の圧力を0.4MPa、1MPa、2MPa、又は、4MPaとした。その上で、サンプルにおいて火花放電を発生可能な電圧を印加した際に、主体金具の後端部から後端側胴部の外周面を這う形のコロナ放電が生じるか否かを確認した。尚、チャンバー内の圧力が大きいほど火花放電を発生可能な電圧(要求電圧)は大きなものとなり、加締め部の後端部における電界が強くなる。つまり、チャンバー内の圧力が大きいほどコロナ放電はより発生しやすくなる。従って、チャンバー内の圧力がより大きなときに、コロナ放電の発生が確認されなかったサンプルほど、コロナ放電の発生抑制効果に優れるといえる。表1に、各サンプルにおけるコロナ放電の発生の有無を示す。尚、表1において、「○」と示したのは、コロナ放電の発生が確認されなかったことを表し、「×」と示したのは、コロナ放電の発生が確認されたことを表す。
また、サンプルは、次のように構成した。すなわち、サンプル1は、充填部材を設けることなく構成した。サンプル2については、充填部材を、加締め部及び絶縁碍子間の隙間のみに設けた。サンプル3(1),3(2)については、充填部材を、前記隙間と、後端側胴部の外周面の一部における周方向全域とに設けた。サンプル4(1)〜4(6)については、充填部材を、前記隙間と、後端側胴部の外周面の一部における周方向全域と、加締め部の後端側面全域とに設けた(図6に示す構成と同様のものとした)。サンプル5(1)〜5(6)については、充填部材を、前記隙間と後端側胴部の外周面の一部における周方向全域と、加締め部の外表面全域と、工具係合部の傾斜面とに設けた(図3〜5に示す構成と同様のものとした)。
さらに、サンプル4(1)〜4(6),5(1)〜5(6)については、間隙の大きさG(mm)、及び、充填部材のうち加締め部よりも後端側に位置する部位の軸線に沿った長さL(mm)を種々変更した。
表1に示すように、加締め部及び絶縁碍子間の隙間、後端側胴部の外周面の一部における周方向全域、及び、加締め部の後端側面全域に充填部材を設けたサンプル4(1)〜4(6),5(1)〜5(6)については、チャンバー内の圧力を0.4MPaとしたときにおいてコロナ放電が発生せず、コロナ放電の発生抑制効果が良好であることが分かった。これは、加締め部の後端部から比較的広範囲(つまり、電界強度の比較的高い範囲)において、コロナ放電の発生に必要となる気体がほとんど存在しなくなったためであると考えられる。
また、長さLを間隙の大きさGよりも大きくしたサンプル〔サンプル4(2)〜4(6),5(2)〜5(6)〕は、長さLを間隙の大きさG以下としたサンプル〔サンプル4(1),5(1)〕と比較して、チャンバー内の圧力をより大きくしたとき、つまり、サンプルに対する印加電圧をより大きくしたときにおいても、コロナ放電を効果的に抑制できることが確認された。これは、間隙の大きさGが大きいほど、加締め部における電界強度が増大し、コロナ放電が発生しやすくなるところ、長さLを間隙の大きさGよりも大きくしたことで、加締め部における電界強度が高いときほど、加締め部の後端部からより広範囲において気体がほとんど存在しない状態となったためであると考えられる。
さらに、長さLを2.5mm以上としたサンプル〔サンプル4(4)〜4(6),5(4)〜5(6)〕は、コロナ放電の抑制効果が一層良好となることが確認された。これは、加締め部の後端部から一層広範囲において気体が存在しなくなったためであると考えられる。
加えて、加締め部及び絶縁碍子間の隙間と、後端側胴部の外周面の一部における周方向全域と、及び、加締め部の外表面全域と、工具係合部の傾斜面とに充填部材を設けたサンプル〔サンプル5(1)〜5(6)〕は、サンプル4(1)〜4(6)と比較して、一層優れたコロナ放電の発生抑制効果を有することが分かった。これは、加締め部の後端部から極めて広範囲において気体がほとんど存在しなくなったためであると考えられる。
上記試験の結果より、コロナ放電の発生抑制を図るべく、充填部材を、加締め部と絶縁碍子との間に形成された隙間に充填するとともに、後端側胴部の外周面の少なくとも一部における周方向全域と、加締め部の後端側面全域とを充填部材で覆うことが好ましいといえる。
さらに、コロナ放電の発生抑制効果をより高めるという観点から、長さLを間隙の大きさGよりも大きくしたり、長さLを2.5mm以上としたり、加締め部の外表面全域と工具係合面の外表面のうち加締め部と工具係合面との間に位置する面の少なくとも一部とを前記充填部材で覆ったりすることがより好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、図11に示すように、絶縁碍子2の軸孔4の内面に金属コーティング50が施してある。この金属コーティング50は、金属コーティング50と絶縁碍子2の間に隙間が発生しないように施されている。一方、軸孔4内に延びる端子電極6と金属コーティング50との間には、軸孔4内に延びる端子電極6と絶縁碍子2の熱膨張差を吸収するため、隙間が設けられている。この図11の点火プラグによれば、絶縁碍子2と金属コーティング50の間に隙間が無いため、絶縁碍子2と金属コーティング50との間にコロナ放電の発生に必要となる空間が存在しない状態とすることができる。図1の点火プラグでは、中心電極5と絶縁碍子2の間、及び、端子電極6と絶縁碍子2の間に隙間が発生する場合があり、隙間が発生した場合、中心電極5と絶縁碍子2の間、及び、端子電極6と絶縁碍子2の間にコロナ放電が発生する虞がある。図11の点火プラグによれば、コロナ放電の発生をより一層確実に抑制することができ、イオン電流の検知精度を高めることができる。この図11の点火プラグにおける金属コーティング50は、Cu,Ni,Ag,Pt,Rh,Au,W,Co,Be,Ir,Zn,Mg,Al,Moから選ばれる1種の金属、又は、1種以上の金属を主成分とする合金により形成された層である。
(b)上記実施形態において、後端側胴部10に設けられた充填部材31は、絶縁碍子2の本体部2Aと直接接触するように構成されているが、充填部材31は、必ずしも本体部2Aと直接接触していなくてもよい。従って、例えば、釉薬層2Bが大径部11の後端側の一部まで連続的に存在する場合等では、充填部材31が釉薬層2Bと接触していてもよい。
(c)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(d)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等としてもよい。
1…点火プラグ、2…絶縁碍子(絶縁体)、2A…本体部、2B…釉薬層、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、10…後端側胴部、19…工具係合部、19A…工具係合面、20…加締め部、28…間隙、31…充填部材、CA1,CA2…キャビティ、CL1…軸線、MD1,MD2…型、PM1,PM2…可塑化材料、SP…隙間。

Claims (12)

  1. 筒状の主体金具と、
    軸線方向に貫通する軸孔を有するとともに、前記主体金具の内周に設けられ、自身の後端部に前記主体金具の後端から露出する後端側胴部を具備する絶縁体とを備え、
    前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により、前記主体金具と前記絶縁体とが固定された、イオン電流の検知に利用される点火プラグであって、
    前記加締め部と前記絶縁体との間に形成された隙間に充填される絶縁性の充填部材を有し、
    前記充填部材は、前記後端側胴部の外周面の少なくとも一部における周方向全域と、前記加締め部の外表面のうち前記軸線方向後端側から視認可能な面である後端側面の全域とを覆うことを特徴とする点火プラグ。
  2. 前記軸孔の先端側に挿通される中心電極と、
    前記主体金具の先端部に配置され、前記中心電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
    前記充填部材のうち前記加締め部よりも後端側に位置する部位の前記軸線に沿った長さLが、前記間隙の大きさGよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の点火プラグ。
  3. 前記長さLが2.5mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の点火プラグ。
  4. 前記主体金具は、内燃機関への取付けの際に工具が係合される工具係合面を外周に有するとともに、前記加締め部よりも先端側に位置する工具係合部を具備し、
    前記充填部材は、前記加締め部の外表面の全域、及び、前記工具係合面の外表面のうち前記加締め部と前記工具係合面との間に位置する面の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  5. 前記充填部材は、樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  6. 前記充填部材は、ゴムからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  7. 前記主体金具は、内燃機関への取付けの際に工具が係合されるとともに、前記加締め部よりも先端側に位置する工具係合部を有し、
    前記軸線と直交する平面に、前記充填部材の最外周部と前記工具係合部の最外周部とを前記軸線に沿って投影したとき、前記充填部材の最外周部の投影線が、前記工具係合部の最外周部の投影線と一致する、又は、前記工具係合部の最外周部の投影線よりも内側に位置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  8. 前記絶縁体は、絶縁性セラミックからなる本体部を備え、
    前記充填部材のうち前記後端側胴部の外周面を覆う部位の少なくとも一部は、前記本体部と直接接触していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の点火プラグの製造方法であって、
    前記充填部材を形成する充填部材形成工程を含み、
    前記充填部材形成工程は、前記加締め部及び前記後端側胴部の外周に配置された型と、前記主体金具と、前記絶縁体とにより形成されたキャビティに対して、固化後に前記充填部材となる可塑化材料を加圧充填する工程を含むことを特徴とする点火プラグの製造方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の点火プラグの製造方法であって、
    前記充填部材を形成する充填部材形成工程を含み、
    前記充填部材形成工程は、前記加締め部及び前記後端側胴部の外周に配置された型と、前記主体金具と、前記絶縁体とにより形成されたキャビティに対して、固化後に前記充填部材となる可塑化材料を投入する工程と、
    前記可塑化材料に真空脱泡を行う工程とを含むことを特徴とする点火プラグの製造方法。
  11. 請求項8に記載の点火プラグの製造方法であって、
    前記絶縁体は、絶縁性セラミックからなる本体部を備え、
    前記本体部の外周に釉薬層を形成する釉薬層形成工程と、
    前記釉薬層の一部を除去し、前記充填部材のうち前記後端側胴部の外周面を覆う部位の少なくとも一部と、前記本体部の外周面とを直接接触可能とする釉薬層除去工程とを含むことを特徴とする点火プラグの製造方法。
  12. 前記釉薬層除去工程に際しては、サンドブラスト法により前記釉薬層の除去を行うことを特徴とする請求項11に記載の点火プラグの製造方法。
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