JP5295901B2 - 二重容器用注出キャップ及び、当該注出キャップ付き二重容器 - Google Patents

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本発明は、内容物を充填する内層体と、この内層体を収納する外層体からなる二重容器に装着される注出キャップ及び、当該注出キャップ付き二重容器に関するものである。
注出キャップ付き二重容器としては、例えば、内容物が充填される空間を形成し内容物の減少によって減容可能な内層体と、この内層体を剥離可能に収納する変形及び復元の可能な外層体とを有し、この外層体の口部に形成された貫通孔を通して内層体との間に空気が導入される二重容器に、逆止弁を配した注出路を備える注出キャップを装着したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−12012号公報
こうした従来の注出キャップ付き二重容器によれば、その注出路内に逆止弁が配置されているため、内容物の注出に伴い内層体の充填空間に負圧が生じても、この充填空間には外気が入り込まないため、内容物の品質保持という点で有効である。
本発明は、上述のような事実認識に基づきなされたものであり、その目的とするところは、外層体の口部に形成した貫通孔を通して内層体との間に効果的に空気を導入することができる新規な二重容器用注出キャップ及び、当該キャップ付き二重容器を提供することにある。
本発明である、二重容器用注出キャップは、外層体の口部に装着される装着部を有し前記口部に形成された貫通孔を通して内層体との間に空気が導入される二重容器に装着される注出キャップであって、
当該キャップの内側には、内層体の内側に形成された内容物を充填する空間を外界に通じさせる注出路が形成されていると共に、この注出路には、当該注出路を開閉する逆止弁が設けられ、更に、キャップの内側には、外層体の貫通孔を外界に通じさせる通気路が形成されていると共に、この通気路には、当該通気路を開閉する逆止弁が設けられ、
前記注出路及び前記通気路に設けられた逆止弁を一体に構成し、
前記注出路に、該注出路を開閉する前記逆止弁の開放動作を規制するピン状の部位を垂下させるとともに該ピン状の部位を前記キャップと一体に形成したことを特徴とするものである。
また、本発明である、注出キャップ付き二重容器は、上述した注出キャップと、内容物が充填される内層体と、この内層体を収納する外層体とを有し、当該外層体の口部に形成された貫通孔を通して内層体との間に空気が導入される二重容器とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、通気路を外界に通じさせる外気導入口は、注出キャップの外表面の様々な位置に形成できることから、例えば、キャップ外側面やキャップ上端面に形成することができる。また、上述した通気路には、当該通気路を開閉する逆止弁を設けることができる。こうした逆止弁としては、例えば、注出路の周りに形成された環状の通気路を封止し、弾性を有する環状の弁体としてなる弾性弁が挙げられる。
また、本発明によれば、前記注出路及び前記通気路に設けられた逆止弁を一体に構成することも可能である。こうした逆止弁としては、例えば、注出路を封止する弁体が複数の弾性片を介して上述の環状の弾性部に一体に連結された弁体を備える3点弁が挙げられる。
更に、本発明によれば、前記注出路に、前記逆止弁の開放動作を規制するピン状の部位を垂下させることも可能である。この場合、逆止弁の開放動作が規制されるため、外気との接触を抑えることができると共に、流量も制限することができる。
本発明によれば、注出キャップの内側に形成された注出路に逆止弁が設けられているため、内層体の充填空間から内容物が注出されることで充填空間内に負圧が生じても外気が入り込む現象を抑えることできる。従って、本発明によれば、従来と同様、内容物の品質保持という点で有効である。
加えて、本発明によれば、注出キャップの内側に、外層体の貫通孔を外界に通じさせる通気路が形成されているため、外層体の口部に形成した貫通孔を通して内層体との間に効果的に空気を導入することができる。
従って、本発明によれば、注出キャップが装着される二重容器として、例えば、内容物が充填される空間を形成し内容物の減少によって減容可能な内層体と、この内層体を収納する変形及び復元の可能な外層体とを有し、当該外層体の口部に形成された貫通孔を通して内層体との間に空気が導入される二重容器を採用した場合、内容物の注出に伴い内層体が減容化されるとき、当該内層体の周囲は大気圧に近い状態に保たれることから、効率的な注出を実現することができる。
前記通気路に、当該通気路を開閉する逆止弁を設けた場合、注出キャップの装着部が外層体の口部に密着した状態で装着されていると、逆止弁から内層体と外層体との間に至るまでの間は、要求される分だけの空気のみを導入させることができる。
また、前記注出路及び前記通気路に設けられた逆止弁を一体に構成すれば、部品点数の削減を図りつつ、上述のような顕著な効果を発揮させることができる。
更に、前記注出路に、前記逆止弁の開放動作を規制するピン状の部位を垂下させれば、逆止弁に係る弁体のストロークを短く抑えることができるので、注出に際して内層体に外気が入り込む現象を抑制することができると共に、流量も制限することができる。
(a)〜(c)はそれぞれ、本発明の第1の形態である、注出キャップ付きデラミボトルを示す平面図、注出前の状態を一部断面で示す側面図及び注出後の状態を一部断面で示す側面図である。 同形態に係る注出キャップを示す要部拡大図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態に係る底部材を示す斜視図及び底面図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態に係る複合逆止弁を示す斜視図及び底面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、本発明の第2の形態である、注出キャップ付きデラミボトルを示す平面図及び、注出前の状態を一部断面で示す側面図及び注出後の状態を一部断面で示す側面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、本発明の第3の形態である、注出キャップ付きデラミボトルを示す平面図、注出前の状態を一部断面で示す側面図及び注出後の状態を一部断面で示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明である、注出キャップ付き二重容器を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の形態である、注出キャップ10付きデラミボトル1である。
デラミボトル1は、お醤油等の液状の調味料に代表される内容物Cが充填される空間(以下、「充填空間」)S1を形成し内容物Cの減少によって減容可能な合成樹脂製の内層体2と、この内層体2を収納する空間(以下、「収納空間」)S2を形成し変形及び復元の可能な合成樹脂製の外層体3とを有し、内層体2及び外層体3の少なくとも一部が接着等により固定されている。なお、本形態では、内層体2の底部2bが外層体3の底部3bに形成されたピンチラインで挟持されることで固定されているが、例えば、内層体2の側面と外層体3の側面との一部を軸線方向に沿って線状に固定することも可能である。
内層体2は、少なくとも、その上端2aが図2に示すように、外層体3の口部3aの上端3eに一体に連結されている。これにより、外層体3の口部3aに形成された貫通孔hを通して内層体2との間に空気が導入されることで、本形態では、同図や図1(b)に示すように、外層体3の口部上端3eから底部側を起点に外層体3の内面から内層体2を剥離させることができる。
符号11は、図2に示すように、外層体3の口部3aに装着される装着筒11aを有し、キャップ軸線(ボトル軸線)Oに直交する向きに突出するノズル11bが形成された本体である。なお、本形態において、装着筒11aは、同図に示すように、口部3aに設けたおねじ部に螺合するめねじ部を有し、口部3aに対してねじ嵌合するが、本発明に従えば、凹凸や段差等による引っ掛かりによって固定される、所謂、アンダーカット嵌合とすることもできる。
本体11は、装着筒11aに取り囲まれた天面11fに下方に向かって垂下する筒状部11cを有し、その内側には、当該筒状部11cの下端をノズル11bの先端に連通させることで注出口A1を形成する注出路R1が形成されている。加えて、本体11の内側には、筒状部11cが垂下する天面11fの周囲の一部を注出口A1と対向する外側面に連通させることで外気導入口A2を形成する通気路R3が形成されている。
符号12は、装着筒11aの内側に固定されることで、本体11との間に、後述の複合逆止弁13を収納するための空間を形成する底部材である。底部材12は、図3等に示すように、外筒部12aと内筒部12bとが環状の仕切壁12cを介して一体に連結されている。外筒部12aは、装着筒11aの内側に設けられた環状の段部11dに引っ掛かることで嵌合保持されている。これにより、底部材12は、本体11に対して抜け止め保持される。
仕切壁12cには、その下端から垂下する環状のシール部12dが一体に設けられている。シール部12は、図2に示すように、デラミボトル1の注出口(内層体2の開口部)の内側に嵌合することで、内層体2に充填された内容物Cの漏れを防止する。また、外筒部12a及び仕切壁12cには、図3(b)に示すように、通気路R3を口部3aと装着筒11aとの間の隙間(通気路)R4に通じさせる複数の開口部(通気路)R5が形成されている。
なお、本発明に従えば、開口部(通気路)R5は、少なくとも一つ形成してあればよい。また、本形態では、装着筒11aの下端内周面f11は、同図に示すように、口部3aの基部3cと全周に亘って接触することで、口部3aとの間に形成された通気路R4を密閉するが、装着筒11aの下端内周面f11を基部3cに接触させることなく、通気路R4を外界に開放させることも可能である。
複合逆止弁13は、変形及び復元の可能な合成樹脂からなり、筒体部13aを有する。この筒体部13aの内側に形成された貫通孔は、本体11から垂下する筒状部11cに嵌合することで、内層体2の充填空間S1を注出路R1に通じさせる貫通路(注出路)R2を形成する。筒体部13aは、その外周面に沿ってキャップ軸線(ボトル軸線)O周りに環状の膨出部13bが一体に設けられている。膨出部13bは、図2に示すように、底部材12の内筒部12bに形成された環状の凹部12b1に引っ掛かることで嵌合保持されている。これにより、複合逆止弁13は、底部材12に対して抜け止め保持される。
また、筒体部13aの下端側開口部には、図4(b)に示すように、その内側に複数(本形態では3つ)の弾性片13cを介して連結された弁体13dが一体に設けられていることで、所謂、3点弁が構成されている。弁体13dは通常、図2に示すように、底部材12の内筒部12bに形成された下端内周面12fに着座することで開口部A0を封止するが、内層体2(充填空間S1)の内圧が上昇すると、弁体13dが弾性片13cの付勢力に抗して上昇することで開口部A0を開放する。即ち、筒体部13aの下端側開口部に弾性片13cで連結された弁体13dからなる3点弁が注出路R1(R2)の逆止弁として機能する。
これに対し、筒体部13aの上端側開口部には、同図に示すように、その外側に径方向外向きに環状に延在する弁体13eからなる弾性弁が一体に設けられている。弾性弁は通常、図2に示すように、弁体13eが本体11の天面11fに着座することで通気路R3を封止するが、外層体3を押し潰して内容物Cを注出した後、外層体3を緩めて復元動作を行うことで、本体11と底部材12との間の空間の内圧が減少すると、弁体13eが自己の付勢力に抗して引き下げられることで通気路R3を通じさせる。即ち、筒体部13aの上端側開口部に設けられた弁体13eからなる弾性弁が通気路R3(R4,R5)の逆止弁として機能する。
なお、本形態に係る、複合逆止弁13は、弾性弁の弁体13eが連結される基部13gから筒体部13aを取り囲むように環状の固定部13hが一体に垂下している。この固定部13hは、底部材12の仕切壁12cから内筒部12bを取り囲むように一体に起立する筒状の突出部12eによって、内筒部12bと共に挟持されている。
このように、本形態に係る、注出キャップ10は、本体11、底部材12及び複合逆止弁13からなる。これにより、注出キャップ10は、その内側に、逆止弁を備える注出路R1,R2と、逆止弁を備える通気路R3〜R5とを備える注出キャップとしてなる。
なお、図1(a)に示す符号14は、デラミボトル1の注出口(内層体2の開口部)に対して取り外し可能に嵌合保持されている中栓である。中栓14は出荷当初、同図に示すように、注出キャップ10とデラミボトル1とに介在することで、当該デラミボトル1を封止する。これにより、使用前の段階では、中栓14を取り付けたままの状態とすることで、流通時等での漏れを防止し、使用の際には、注出キャップ10をデラミボトル1から取り外した後、中栓14を外してから再度注出キャップ10を取り付けることで、内容物Cの注出が可能となる。
本形態によれば、注出キャップ10の内側に形成された注出路R1,R2に弁体13dを備える弾性弁が設けられているため、内層体2の充填空間S2から内容物Cが注出されることで充填空間S2内に負圧が生じても外気が入り込む現象を抑えることできる。従って、本形態によれば、従来と同様、内容物Cの品質保持という点で有効である。
加えて、本形態によれば、注出キャップ10の内側に、外層体3の貫通孔hを外界に通じさせる通気路R4〜R5が形成されているため、同形態の如く、外層体3の口部3aに形成した貫通孔hを通して内層体2との間に効果的に空気を導入することができる。
従って、本形態の如く、注出キャップ10が装着される二重容器として、内容物Cが充填される空間S1を形成し内容物Cの減少によって減容可能な内層体2と、この内層体2を収納する変形及び復元の可能な外層体3とを有し、当該外層体3の口部3aに形成された貫通孔hを通して内層体2との間に空気が導入されるデラミボトル1を採用した場合、内容物Cの注出に伴い内層体2が減容化されるとき、当該内層体2の周囲は大気圧に近い状態に保たれることから、効率的な注出を実現することができる。
また、本形態の如く、通気路R4〜R5に、当該通気路路R4〜R5を開閉する弁体13eを備える3点弁を設けた場合、注出キャップ10の装着部11aが外層体3の口部3aに密着した状態で装着されていると、逆止弁13eから内層体2と外層体3との間に至るまでの通気路R4,R5は外層体3の復元に伴い要求される空気のみを導入させることができる。
また、本形態の如く、注出路R1,R2及び通気路R4〜R5に設けられた逆止弁13d,13eを一体に構成すれば、部品点数の削減を図りつつ、上述のような顕著な効果を発揮させることができる。
図5は、本発明の第2の形態である、注出キャップ20付きデラミボトル1である。なお、本形態において、第1の形態と同一の部分は、同一の符号をもって、その説明を省略する。
本形態は、同図に示すように、外気導入口A2が本体11の上端面に開口するように形成されている。加えて、本形態では、本体11に2つのノズル部11bが一体に設けられている。これにより、注出路R1は、内径寸法の異なる2つの注出路R1(a),R1(b)に分岐し、異なる量の注出を可能とする。更に、2つの注出路R1(a),R1(b)を対向する向きに設けたことで、注出路R1(a)又はR1(b)のいずれか一方を注出がなされる本来の注出路として機能させると同時に、反対側の注出路R1(b)又はR1(a)を通気路として機能させることができる。
図6は、本発明の第3の形態である、注出キャップ30付きデラミボトル1である。本形態は、第2の形態の変形例であり、他の形態と同一の部分は、同一の符号をもって、その説明を省略する。
本形態の注出キャップ30では、のピン状の部位11gが注出路R1の天面から注出路R2に向かって一体に垂下している。ピン状の部位11gは、その下端が弁体13dの上昇を抑えることで、当該注出路R1,R2の開閉を司る弁体13dを備える逆止弁(3点弁)の開放動作を規制する。こうした構成によれば、当該逆止弁に係る弁体13dのストロークを短く抑えることができるので、注出に際して内層体2に外気が入り込む現象を更に効果的に抑制することができる。
上述したところは、本発明の一形態を示したに過ぎず、特許請求の範囲内において、種々の変更を加えることができる。例えば、本発明に係る、二重容器の内層体は、必ずしも本形態の如く、収縮等によって減容化されるものに限定されない。このため、内層体と外層体としては、変形及び復元の可能なものに限らず、変形を伴わない剛性の高いものを採用することができる。更に、上述の各形態に採用された各構成はそれぞれ、互いに適宜組み合わせることができる。
本発明は、粘性の低い液体は勿論、シャンプーやコンディショナー或いは液体石鹸等の粘性のある内容物を充填するための二重容器に採用することができる。
1 デラミボトル
2 内層体
3 外層体
3 外層体口部
10 注出キャップ(第1の形態)
11 本体
11a 装着筒
11g ピン状の部位
12 底部材
13 複合逆止弁
13a 筒体部
13d 注出路用逆止弁(弁体)
13e 通気路用逆止弁(弁体)
20 注出キャップ(第2の形態)
30 注出キャップ(第3の形態)
1 注出口
2 外気導入口
h 貫通孔
1,R2 注出路
3〜5 通気路

Claims (2)

  1. 外層体の口部に装着される装着部を有し前記口部に形成された貫通孔を通して内層体との間に空気が導入される二重容器に装着される注出キャップであって、
    当該キャップの内側には、内層体の内側に形成された内容物を充填する空間を外界に通じさせる注出路が形成されていると共に、この注出路には、当該注出路を開閉する逆止弁が設けられ、更に、キャップの内側には、外層体の貫通孔を外界に通じさせる通気路が形成されていると共に、この通気路には、当該通気路を開閉する逆止弁が設けられ、
    前記注出路及び前記通気路に設けられた逆止弁を一体に構成し、
    前記注出路に、該注出路を開閉する前記逆止弁の開放動作を規制するピン状の部位を垂下させるとともに該ピン状の部位を前記キャップと一体に形成したことを特徴とする二重容器用注出キャップ。
  2. 請求項1に記載の注出キャップと、内容物が充填される内層体と、この内層体を収納する外層体とを有し、当該外層体の口部に形成された貫通孔を通して内層体との間に空気が導入される二重容器とを備えることを特徴とする注出キャップ付き二重容器。
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