JP5295374B2 - 加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱装置に関し、とりわけグリル、ロースタ、オーブンなどの加熱庫において誘導電流式ヒータを熱源に用いた加熱装置を採用した加熱調理器に関する。
いわゆるIHクッキングヒータ(Induction Heating:電磁誘導加熱式調理器)の多くは、焼き魚などを調理するための加熱庫を有する。加熱庫は、一般にはグリル、ロースタあるいはオーブンとも呼ばれる。焼き魚(特に秋刀魚の塩焼きなど)は、高温の加熱源からの輻射熱により表面をこんがりと焼き、高温の空気により魚の内部まで十分に加熱して調理されたものが美味しいとされている。
また、特に秋刀魚の塩焼きなどの調理中に、魚から多くの脂(可燃性油分)が出るが、これを受ける脂受け皿が必要であり、さらに脂受け皿で受けた魚の脂が発火しないように、脂受け皿および脂を発火温度より低い温度に維持しなければならない。なお、これは焼き魚の調理に限らず、肉類を調理する場合も同様である。このような加熱庫内での調理はグリル調理ともいう。
IHクッキングヒータの加熱庫は、一般に、加熱庫内の上方と下方にシーズヒータやラジエントヒータなどの電気ヒータ(抵抗体に電流が流れたときのジュール熱により発熱するので「抵抗式ヒータ」ともいう。)が設けられ、電気ヒータの給電端子は加熱庫の外部に設けられた電源と電気的に接続され、電源から電気ヒータに電力が供給されて電気ヒータは加熱される。そして電気ヒータに供給された電力は、電気ヒータで熱エネルギに変換され、その熱エネルギにより加熱庫内部の食品が直接的に、高温に加熱された空気を介して食品が加熱調理される。このような構成の加熱調理器は、IHクッキングヒータに限らず、オーブントースタやオーブンレンジなども同様の構成をしていることが多い。
このような電気ヒータを用いた加熱調理器の構成は簡便ではあるが、電気ヒータが加熱庫内に固定されているため、調理後の清掃を困難にし、清掃性に改善の余地があった。すなわちIHクッキングヒータに限らずオーブンレンジなどの他の任意の形態の加熱調理器おいても、清掃性の改善に対する要求は高い。これは食品を扱う調理器にとっては本質的な要求である。
そこで食品の加熱源となる金属を非接触式に誘導加熱するオーブンあるいはオーブンレンジがこれまでにも提案されており、加熱源が加熱庫に対して着脱可能なものも知られている。
たとえば特許文献1において、誘導加熱技術を利用した従来のオーブンは、磁性体で構成される庫の上面および下面に対向して配置された加熱コイルを有し、加熱コイルに高周波電流を流すことによって加熱庫が加熱する。庫は着脱可能となっているため、これにより清掃性を向上させることができる。
また特許文献2によれば、誘導加熱技術を利用した別の従来式オーブンレンジが提案されている。このオーブンレンジにおいては、耐熱ガラス等の絶縁性耐熱板からなる仕切板を用いて、加熱室の内部と機械的および電気的に遮断された誘導加熱コイルが、加熱室の底部に設けられ、仕切板の上には誘導加熱コイルに対向して金属製の発熱体が配置されている。発熱体は閉ループを形成する帯状の金属体として構成されているので、誘導電流を効率的に発生させるとともに、金属体の放熱面積を自由に設定することができる。なお、特許文献2に記載の発熱体も同様に、加熱室内において着脱自在に配置されている。
さらに特許文献3に記載された誘導加熱技術を利用したさらに別の従来のオーブンレンジは、取り出し自在に構成されたオーブン皿の外周部分を左右2ヶ所から誘導加熱するために誘導加熱手段が設けられている。オーブン皿は、少なくともその被加熱部分にホーロー(琺瑯)被膜を施した鉄板などの磁性体を有する。また誘導加熱手段は、裁縫ミシン等で用いられるボビンのように巻かれたコイルと、コイルの発生する磁束をオーブン皿に効率的に供給するコアとから構成されている。コアはたとえばU字型であり、磁束はコアおよびオーブン皿の外周部分により閉磁路を形成し、高周波磁束が他の部分に漏れないようにしている。オーブン皿は、その下面側が磁性ステンレス等の磁性材料で構成され、その上面側がアルミまたは銅等の高熱伝導材料で構成されている。コイルおよびコアで発生する磁束により磁性材料が誘導加熱され、この発生熱は、高熱伝導材料からなるオーブン皿全体に伝達される。
特開2003−282221号公報(段落[0008]〜[0009]、図2) 特開平8−138864号公報(段落[0024]〜[0028]、図1、図3) 特開平6−18044号公報(段落[0020]、[0029]〜[0036]、図1、図2、図5〜図7)
このような従来から知られている誘導加熱技術を用いた加熱庫を、IHクッキングヒータなどのグリル調理を行う加熱庫に使用する場合、以下の問題点があった。
特許文献1に記載された従来の加熱調理器では、加熱庫の内側にコ字状の磁性体を挿入し、上面と下面にコイルを設けて、コ字状の磁性体の上面と下面を誘導加熱するので、魚などの食材から出る脂が発火しないようにするためには、下面を発火温度(約250℃)以下にする必要があり、下面の磁性体を十分に高温にすることができず、輻射を利用したグリル調理に適さないという問題点があった。
また、特許文献2に記載された従来の加熱調理器では、誘導加熱によって加熱される帯状金属が閉ループを構成するため、効率良く誘導加熱され、また高温に加熱することができるが、グリル調理を行うために帯状金属からの輻射熱を利用しようとすると、帯状金属から放射される赤外線が食材に照射されるようにするために、脂受け用の皿を帯状金属とコイルの間に設ける必要がある。この場合、帯状金属には磁束が到達して誘導加熱されるが、脂受け皿は誘導加熱されないようにする必要がある。そのためには脂受け皿をセラミックスなどの絶縁物で構成する必要があった。セラミックス皿は強度の観点から厚くする必要があり、また脂受け皿上の脂が発火しないようにするために脂受け皿の温度を脂の発火点以下に抑える必要があり、帯状金属と脂受け皿の距離を大きくしなければならない。そのためコイルと帯状金属の距離が大きくなり帯状金属を効率良く誘導加熱することができないという問題点があった。
また、特許文献3に記載された従来の加熱調理器では、オーブン皿を加熱してフライパン調理を行うため、グリル調理には適さないが、オーブン皿を高温に加熱してそこからの輻射熱を利用してグリル調理を行おうと試みることも可能である。しかし、特許文献3に記載された従来の加熱調理器ではオーブン皿の側面に設けたコイルによって、オーブン皿の側壁面が加熱されるに過ぎず、オーブン皿の中央部は高熱伝導材料であるアルミや銅によって側面からの伝熱により加熱されるため、十分に高温にするためには高熱伝導材料の厚みを極めて厚くしなければならず、その結果、加熱庫内の有効体積が減少し、またオーブン皿の熱容量が大きくなるため温度上昇に時間がかかるといった問題点があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、着脱可能なヒータにより加熱庫の清掃性を高めるとともに、その上で上記のようなグリル調理における食材からの脂を受ける脂受け皿の問題を解決するために、ヒータを加熱するための誘導加熱手段を加熱庫の側面に配置しつつ、加熱庫内のヒータ全域に渡って十分な高温加熱を可能にする加熱装置を得るものである。
本発明に係る加熱装置は、箱状の加熱庫と、前記加熱庫の内部に配置された電気的に閉じた導電体からなるヒータと、前記加熱庫の外部に配置されたコイルと、前記コイルに高周波電流を供給する電源回路と、前記コイルから生じる高周波磁束が前記ヒータと鎖交するように配置された磁性体とを有する。
本発明に係る加熱装置は、電気的に閉じた導電体からなるヒータに、電磁誘導により誘導電流を流して、誘導電流によるジュール熱でヒータを加熱することができる。
本発明に係る実施の形態1による加熱調理器を示す断面図である。 実施の形態1による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 実施の形態1による加熱調理器の断熱部材を示す斜視図である。 図2のコイルに流れるコイル電流と、ヒータに流れる誘導電流の流れる方向を示す概略斜視図である。 実施の形態1による誘導加熱手段の部分的な拡大垂直断面である。 実施の形態1による加熱調理器のヒータを示す平面図であって、(a)および(b)はそれぞれ、ヒータを構造的および機能的に示すものである。 実施の形態1の変形例による加熱調理器を示す図1と同様の断面図である。 実施の形態1の変形例による誘導加熱手段の図5と同様の拡大垂直断面である。 実施の形態1において実験に用いた誘導加熱手段の断面図である。 実施の形態1において実験に用いた誘導加熱手段の平面図であって、ヒータの温度測定位置を示す。 図10に示す各温度測定位置において、実験で測定されたヒータの温度上昇をプロットしたグラフである。 本発明に係る実施の形態2による加熱調理器を示す断面図である。 実施の形態2による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 実施の形態2における実験で測定されたヒータの温度上昇をプロットしたグラフである。 実施の形態2の変形例による加熱調理器を示す断面図である。 実施の形態2の別の変形例による加熱調理器の磁性体の長さとヒータの給電部の温度上昇との関係を示すグラフである。 実施の形態2の別の変形例による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 本発明に係る実施の形態3による加熱調理器を示す断面図である。 実施の形態3による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 実施の形態3による誘導加熱手段の部分的な拡大垂直断面である。 実施の形態3の変形例による誘導加熱手段の図20と同様の拡大垂直断面である。 実施の形態3の別の変形例による誘導加熱手段の図20と同様の拡大垂直断面である。 本発明に係る実施の形態4による加熱調理器を示す断面図である。 実施の形態4による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 実施の形態4の変形例による加熱調理器を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態5による加熱調理器を示す断面図であって、(a)および(b)はそれぞれ可動部が固定部に対して閉じた状態および開いた状態を示す。 実施の形態5による誘導加熱手段の斜視図である。 実施の形態5による誘導加熱手段の図27のA−A線から見た拡大垂直断面である。 本発明に係る実施の形態6による加熱調理器を示す断面図である。 実施の形態6による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 実施の形態6の変形例による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 実施の形態6の別の変形例による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 実施の形態6の別の変形例によるプレート状の下側ヒータの全体的な斜視図である。 図33のプレート状の下側ヒータの断面図である。 実施の形態6のさらに別の変形例による加熱調理器の主要部を示す斜視図である。 図35の加熱調理器のヒータを示す展開図である。 図35の加熱調理器のヒータを示す断面図である。 実施の形態6のさらに別の変形例による加熱調理器の主要部を示す断面図である。 実施の形態6のさらに別の変形例による加熱調理器の主要部を示す断面図である。
1:加熱調理器(加熱装置)、10:加熱庫(箱状筐体)、12a:上壁、12b:下壁、14a,14b:側壁、16:前壁、18:後壁、20:ヒータ、22:低抵抗部、24:給電部、25:冷却部、26:高抵抗部(ヒータ部)、30:コイル、32:磁性体、34:断熱部材、36:溝部(開口部)、37:焼き網、38:脂受け皿、40:基部、42:側部、44:延長部、45:断熱部材、50:固定部、52:可動部、54:ヒータ取り出し口、56:気密容器、58:下側ヒータ、59:切込み、70:箱型密閉容器、72:蓋部、73:蓋部本体、74:容器部、75:容器部本体、φ1,φ2:磁束。
本発明は、任意の加熱装置全般に関するものであり、産業用の焼成炉や乾燥炉などにも適用可能であるが、民生用の加熱調理器としても同等に利用することができる。以下、添付図面を参照して、本発明に係る加熱装置の具体例として、加熱調理器の実施の形態について説明する。各実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば、「上」、「下」、「右」、および「左」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。また以下の添付図面において、同様の構成部品については同様の符号を用いて参照する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1の加熱調理器を示す断面図である。図2は、図1の主要な構成部品を概略的に示した斜視図である。なお、本発明の各実施の形態に示す加熱調理器1は、IHクッキングヒータに好適に用いられ、とりわけグリル調理を行う加熱庫として有用であるが、オーブンレンジやオーブントースタなどの他の形態を有する加熱調理器に採用することができ、グリル調理の他、オーブン調理などのさまざまな加熱調理に利用することができる。
本発明に係る実施の形態1の加熱調理器1は、図1および図2に示すように加熱庫(箱状筐体)10を有する。加熱庫10は、上壁12a、下壁12b、垂直方向に延びる左右の側壁14a,14b、および前壁および後壁(図示せず)を有する。加熱調理器1は、加熱庫10の内部の上方および下方において電気的な閉ループ(閉回路)を構成する金属体からなる着脱可能なヒータ20a,20bと、左右の側壁14a,14bに沿って配設されたコイル30a,30bと、各コイル30a,30bに隣接して配置された磁性材料からなるフェライトコアなどの磁性体32とを有する。
コイル30a,30bは、たとえば直径が0.3mmの銅線を樹脂などで被覆したものを19本撚り線にしたいわゆるリッツ線を、側壁14a,14bに平行な平面上にほぼ長方形状(各角部が湾曲した長方形状またはほぼ楕円形状も含む)に、たとえば複数回(25回)捲回して形成されたものである。これらの複数のリッツ線は、長方形の各辺に沿って捲回され、同一方向の電流(磁束)を形成する。一方、磁性体32は、図2において電流が同一方向に流れるように配置された複数のリッツ線をコ字状に包囲するように配設される。同様に図示のように、2つの磁性体32が、上方および下方に配置されたヒータ20a,20bに対して平行に対向配置されている。
磁性体32は、たとえば一般的なIHクッキングヒータの加熱コイルの周囲に通常用いられるフェライトコアと同等の磁性材料を用いて形成することができる。またコ字状の磁性体32の内側には、コ字状の断熱部材34が設けられている。すなわちコイル30a,30bは、ヒータ20a,20bに対向する部分において、図1および図2に示すように磁性体32と断熱部材34によって挟まれた構造を有する。
なお断熱部材34は、図3に示すように、ガラスウールやセラミックウールなどの断熱材34aとセラミックス34bの二層構造を有し、加熱庫10の側壁14a,14bの一部についてはセラミックス34bで構成してもよく、鉄またはステンレス等の金属で構成してもよい。
このように構成された断熱部材34によれば、コイル30a,30bおよび磁性体32は、加熱庫10の内部の高温の空気から断熱される。なお断熱材34aは、上記の他、空気層であってもよいし、空気流であってもよい。このように構成されたコイル30a,30b、磁性体32、断熱部材34が図1に示すように加熱庫10の側壁14a,14bの一部となるように配置される。一方、加熱庫10の残りの壁面(上壁12aおよび下壁12bなどを含む)は、鉄またはステンレス等の金属、あるいはセラミックスまたはガラスなどの絶縁材料など耐熱性材料を用いて構成される。さらに図示しない加熱庫10の前壁および後壁により閉じられる。すなわち加熱庫10は、耐熱性材料からなる上壁12a、下壁12b、側壁14a,14b、前壁および後壁によって閉じられた筐体を構成する。なお、加熱庫10の前壁は、食品等の出し入れなどのために開閉自在の前扉(ここでは図示せず)を有する。
またヒータ20a,20bは、図に示すように、断熱部材34の水平方向に延びる溝部(開口部)36内に挿入されて支持される。このときヒータ20a,20bは、断熱部材34の溝部36上に載置されているに過ぎず、開閉自在な前壁から着脱可能である。同様に、加熱庫10の内部には食材を載せるための焼き網37、および食材から出る脂を受けるための脂受け皿38が前壁を介して配置される。焼き網37および脂受け皿38の構造および材質は、従来式のIHクッキングヒータの加熱庫に用いられる構造および材質と同等のものを使用することができる。同様に、加熱庫10の側壁14a,14b等の内面には、防汚効果および遠赤外線効果を目的とした各種コーティングを施しておくことが好ましい。
次に動作について説明する。コイル30a,30bに図示しない電源回路から20〜100kHzの高周波電流が供給されると、コイル30a,30bの周囲に高周波磁束が発生する。磁性体32で包囲されたコイル30a,30bから生じた高周波磁束は、コ字状の磁性体32と、ヒータ20a,20bおよび溝部(開口部)36とを通る磁気回路を形成するとともに、ヒータ20a,20bに鎖交する。このとき、電気的な閉じた(閉ループを構成する)ヒータ20a,20bに、鎖交した高周波磁束による誘導電流が発生し、誘導電流によるジュール熱がヒータ20a,20b全体に均一に発生する。このようにヒータ20a,20bの全体が均一に加熱されるため、加熱庫10に収容された食品をむらなく加熱することができる。電源回路からコイル30a,30bに十分な電力(たとえば合わせて2kW)を供給すると、ヒータ20a,20bは800℃以上に加熱され、放射赤外線により食品を直接的に加熱することができる。
またヒータ20a,20bは、その周囲の空気を加熱し、対流により加熱庫10の内部の空気が一様に高温になるので、高温空気により食品を間接的に加熱することができる。
このように加熱庫10に収容された食品は、ヒータ20a,20bからの輻射熱および高温の空気により加熱され、グリル調理される。
加熱により食材から生じる脂は、下側ヒータ20bより下方に設置された脂受け皿38によって受容される。本発明の加熱調理器1は、下側ヒータ20bに誘導電流を流してジュール熱により加熱するものであり、前掲特許文献1および2に記載された従来式の加熱調理器のように誘導加熱を加熱原理とするものではない。したがって、脂受け皿38を金属材料で形成しても下側ヒータ20bにより直接的に加熱されることはなく、下側ヒータ20bと脂受け皿38の間に実質的な距離を設けることにより、脂受け皿38の温度を脂の発火温度より低く抑えることができる。
なお、本発明で採用する誘導電流で生じるジュール熱による加熱は、一般のIHクッキングヒータのトッププレート上に載置された鍋に対する誘導加熱とは原理的に異なり、「誘導加熱」と呼べないかも知れないが、電磁誘導によって流れる「誘導電流」で生じるジュール熱による加熱であるため、本願では敢えて誘導加熱として扱うこととする。そして電磁誘導により、ヒータ20a,20bに誘導電流を流すためのコイル30a,30bおよび磁性体32を、ここでは「誘導加熱手段」と呼ぶこととする。なお、上述のヒータ20a,20bの入力電力および温度は一例であり、ヒータ20a,20bの温度は入力電力およびヒータの放熱面積(表面積)等をパラメータとして決まるものである。
本発明の電源回路については詳細に説明しないが、一般的なIHクッキングヒータなどの誘導加熱装置で採用されている電源回路と同様のものを利用することができ、たとえば、ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路、一石共振回路などを用いて構成することができる。したがって、各実施の形態において電源回路について詳細に説明しなくても、当業者ならば容易に理解されるように、たとえばハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路を用いた場合には共振コンデンサがコイルと直列に接続され、一石共振回路の場合には共振コンデンサがコイルと並列に接続され、こうした周知事項については本発明に係る加熱調理器1の各実施の形態においても当然に適用される。
またコイル30a,30bは、個別の電源回路からそれぞれ電力供給を受けてもよいし、コイル30a,30bを並列あるいは直列に接続して同一の電源回路から電力供給を受けてもよい。なお、コイル30a,30bを並列または直列に接続する場合には、電流の方向を考慮して接続の向きを決定する必要があるが、これについては後述する。
図4はコイル30a,30bに流れるコイル電流の方向と、コイル電流によって発生する磁束の方向と、電磁誘導によってヒータ20a,20bに流れる誘導電流の方向を示したものである。図を解りやすくするために、コイル30a,30bおよびヒータ20a,20b以外の構成要素を省略して示す。図4でコイル電流と誘導電流は、コイル30a,30bおよびヒータ20a,20bに上書きして図示する。コイル電流と誘導電流の流れる方向は駆動周波数で変化するが、図4ではある瞬間のものを示す。コイル30a,30bに図4に示す方向にコイル電流が流れると、コイル30a,30bの周囲に磁束が発生する。この磁束は電気的な閉ループを構成するヒータ20a,20bと鎖交するのでヒータ20a、ヒータ20bには電磁誘導により起電力が発生し、誘導電流がヒータ20a,20bそれぞれの閉ループを流れる。すなわち、これは変圧器と同じ原理であり、コイル30a,30bが変圧器の一次側コイル、ヒータ20a,20bが変圧器の二次側コイルと考えることもできる。以上のような原理によりヒータ20a,20bは加熱されるので、図1および図2のように、並列あるいは直列に接続された2つのコイル30a,30bを1つの電源回路で駆動する場合、各コイル30a,30bは、コイル電流が図4に示すような方向に流れるように接続する必要がある。一方、個別の電源回路を用いて各コイル30a,30bを独立して駆動する場合、図4のようにコイル電流の位相(方向)を設定すると最大のヒータ加熱効率を実現することができ、位相(方向)を互いにずらすことにより任意の(調節可能な)ヒータ加熱効率を実現することができる。
図5は、コイル30と磁性体32(断熱部材34およびヒータ20を含む)からなる誘導加熱手段の部分的な拡大垂直断面であって、図1に示す加熱調理器1の4つのうち1つの誘導加熱手段を示すものである。図5のヒータ20は、磁束と鎖交する部分のみ図示されている。
コイル30に高周波電流を流すと、コイル30の周囲に高周波磁束が発生する。高周波磁束はコ字状の磁性体32とコ字の開口部からなる磁気回路を通る。ここで「コ字状の磁性体32」とは、コイル30に沿って延びる基部40と、基部40の両端から垂直に延びる一対の側部42a,42bとを有し、側部42a,42bの間には開口部36を形成するものをいう。
コ字状の磁性体32の開口部36を通る磁束は、図5に示すように、ヒータ20を通過しない磁束φ1とヒータ20を通過する磁束φ2とを含む。磁束φ1は、電気的に閉じたヒータ20に誘導電流を流すために極めて有効な磁束である。一方、磁束φ2は、ヒータ20に誘導電流を流すことにも寄与するが、ヒータ20の一部に渦電流を発生させるので、ヒータ20は、誘導電流に加えて、渦電流によるジュール熱により加熱される。したがって、ヒータ20が閉ループの延びる方向に沿って均一な材質および形状を有する場合には、ヒータ20の温度はコイル30a,30bに隣接する磁束と鎖交する部分においてより高くなり、それ以外の部分においてより低くなる。コイル30a,30bに隣接するヒータ20の部分も加熱調理器1の加熱庫10の内部の空気を温めるのに役立つのでエネルギ損失にはならないが、コイル30を保護するために断熱部材34の断熱層を厚くするか、あるいはコイル30(および磁性体32)とヒータ20との間に空気層を設けて風を流すなどにより断熱性を高める必要がある。
図6(a)および図6(b)は実施の形態1の加熱調理器1に好適なヒータ20を示す平面図である。図6(a)はヒータ20を構造的に示し、図6(b)は機能的に示す。なお、本発明の加熱調理器1に使用されるヒータ20は、図6(a)および図6(b)に示すものに限定されることはなく、電気的な閉ループを構成するヒータ20であれば任意の形状、構造、材質を有するものであってもよい。図6(a)に示すように、好適なヒータ20は構造的に2種類の部分に分かれる。すなわちヒータ20は、その両端部(すなわちコイル30a,30bに隣接する部分)に電気抵抗の小さな低抵抗部22を有し、ヒータ20の中央部は電気抵抗の大きな高抵抗部26を有する。ここでいう電気抵抗の高低は、低抵抗部22と高抵抗部26の単位長さあたりの電気抵抗の相対的な高低である。
たとえば、同一金属で作製する場合は、低抵抗部22を中身の詰まった棒(中実棒)で作製し、高抵抗部26をパイプ(中空棒)で作製し、これらを溶接などの方法で接続してもよい。また、異種の金属で作製する場合は、低抵抗部22を銅等の電気抵抗のより低い金属で作製し、高抵抗部26をステンレスなどの電気抵抗のより高い金属で作製してもよい。
また構造および材質の両方が互いに異なる高抵抗部26と低抵抗部22を作製してもよい。具体的には、低抵抗部22を外径6mmの銅あるいは銅合金からなる中実棒で作製し、高抵抗部26を外径6mm、半径方向の厚み0.3〜1mmのステンレスパイプ(中空棒)で作製し、これらを溶接あるいはロウ付けにより接続してヒータ20を作製してもよい。
なお、ここで「電気抵抗」とは、ヒータ20に流れる誘導電流の所定周波数に対するヒータの電気抵抗であるので、表皮効果の影響により、中実棒より中空棒で作製した方がより小さい電気抵抗を実現する場合には、パイプ(中空棒)を用いて低抵抗部22を形成してもよい。
図6に示すようなヒータ20の外形形状、たとえば曲げ回数は任意であるが、シーズヒータ等とは異なり、ヒータ20内部に電熱線などの構造部品を含まないため、折り曲げ加工等による破損の虞が極めて少なく、任意の所望形状を有するヒータ20を安価で作製することができる。また、このように作製したヒータ20は、防汚効果あるいは保護効果などを目的として、その表面に各種コーティングを行ってもよい。
ヒータ20を機能的に側面から説明する。図6(a)の低抵抗部22は、図6(b)に示すように給電部24と冷却部25とからなる。また図6(a)の高抵抗部26はヒータ部26ともいう。
次に動作について説明する。ヒータ20は、上述のように、ともに中実銅棒の給電部24と冷却部25からなる低抵抗部22と、ステンレスパイプからなる高抵抗部26(ヒータ部)とを有するものとする。ヒータ20は、図1および図2に示すように、その給電部24を断熱部材34の溝部(開口部)36内に挿入することにより加熱庫10に設置される。
電源回路からコイル30に高周波電流が供給されると、コイル30の周囲に高周波磁束が形成され、給電部24が磁束と鎖交してヒータ20内に誘導電流を形成する。このとき給電部24は、誘導電流および渦電流により生じるジュール熱で加熱されるが、電気抵抗が小さいため誘導電流により生じるジュール熱は比較的に小さい。また渦電流による加熱も電気抵抗が小さい材質であれば小さく、非磁性体である銅であれば渦電流による加熱を十分に小さくすることができる。
なお給電部24は、断熱部材34の溝部36に載置(断熱部材34に包囲)されているため、冷却部25に比べ放熱性が劣る。また冷却部25は、給電部24と同じ構造および材質を有するが、周囲が空気で包囲されているため放熱性が良好である。また冷却部25は、電気抵抗が小さくなるように構成されているので、誘導電流のジュール熱による発熱も小さく、比較的に低い温度に維持される。
一方、ヒータ部26は全体的に空気に露出しているので、周辺空気による放熱性は冷却部25と同じであるが、その電気抵抗が相対的に大きいので、誘導電流のジュール熱による発熱は冷却部25より大きくなる。したがって食材は、ヒータ部26からの輻射熱によって効率的にグリル調理される。また、高温となるヒータ部26に比して、冷却部25は、自らの発熱も小さく、ヒータ部26から伝わる熱を周辺空気に効率的に放熱するので、ヒータ部26から冷却部25を介して給電部24に伝わる熱を極力抑え、給電部24が高温になることを防ぐことができる。
次に磁気回路を構成する磁性体32について説明する。図5に示すように、コイル30に高周波電流を供給すると、コイル30の周囲に磁束が発生し、コ字状の磁性体32および開口部36を通る閉じた磁気回路を形成する。上述のように、図5に示す磁束φ1はヒータ20を通過せず、磁束φ2はヒータ20を通過して誘導電流をヒータ20内に形成する。より多くの誘導電流をヒータ20内に形成するためには、磁束φ1ができるだけ大きいことが好ましい。
ヒータ20の給電部24における渦電流によるジュール熱を抑制するためにも、磁束φ2を極力小さくし、磁束φ1の割合を実質的に大きくすることが好ましい。
図7は、磁束φ1の割合が大きくなるように改良された加熱調理器1を示し、これは磁性体32の形状が異なる点を除き、基本的に図1の加熱調理器1と同様のものである。また図8は、コイル30、磁性体32、断熱部材34およびヒータ20からなる誘導加熱手段の図5と同様の部分的な拡大垂直断面であって、磁束φ1の割合が大きくなるように改良された磁性体32を示すものである。図8の磁性体32は、その形状が異なる点以外は、基本的に図5の磁性体32と同じものである。
図5の磁性体32の断面形状はコ字状であったが、図7および図8の磁性体32は断面形状がC字状に形成されている。ここで「C字状の磁性体」とは、コイル30に沿って延びる基部40と、基部の両端から垂直に延びる一対の側部42a,42bと、各側部42a,42bの先端部から互いに対して延びる一対の延長部44a,44bとを有するものをいう。すなわち図8に示す磁性体32の断面形状は、長方形の一辺がその辺の中央付近で中断された形状である。なお磁性体32の断面形状は長方形状に限るものでなく、台形形状や楕円形状など他の任意の形状であってもよい。
図7および図8に示すように、磁性体32の断面形状をC字状にすると、磁束φ1が通る磁気回路の磁気抵抗が小さくなるため、コイル30の周囲に発生した磁束は磁束φ1の経路を多く通るようになり、磁束φ2の経路を通る磁束は少なくなる。したがって、磁性体32の断面形状を図7のようなC字状にする方が、図5のようなコ字状にした場合に比べ、ヒータ20の給電部24の渦電流による発熱を低減することができる。このように磁性体32の断面形状をC字状にすることがより好ましい。ただし、断熱部材34の溝部(開口部)36の幅が同じである場合、磁性体32の断面形状をC字状にすると、磁性体32を形成するためにより多くの構成材料を必要とするので、磁性体32の作製に要するコストは高くなる。一方、上述したようにヒータ20の給電部24の温度を低減するために、ヒータ20の給電部24およびヒータ部26を異なる構造にするか、あるいは異種の材料を使用する必要はなく、その場合には、ヒータの製造コストを低くすることができる。すなわち、磁性体32の断面形状をコ字状にするかC字状にするかは、ヒータ20の製造コストなど他の要素も考慮して決定すればよい。
C字状の断面形状を有する磁性体32は、その開口部36(延長部44間の距離)が小さいほど好ましく、究極的には開口部36の延長部間距離がゼロであり、O字状であるのがもっとも好ましい。ただし、開口部36を設けることなく、磁性体32の断面をO字状とすれば、ヒータ20を磁性体32から取り外すことができない。そのため、ヒータを着脱可能にするには機構上の工夫が必要となる。またC字状の磁性体32の開口部36を小さくするために、ヒータ20は、円形の断面形状を有する棒やパイプの代わりに金属板を用いて作製してもよい。たとえば、厚さ2mm程度の非磁性のステンレス板で図6のような形状のヒータ20を作製すれば、外径6mmの棒やパイプを用いた場合に比べ、C字状の磁性体32の開口部36(延長部間の距離)を4mm小さくすることができる。
次に実験結果について示す。図2に示す構造の加熱調理器1を作製してコイル30a,30bに高周波電流を供給したときのヒータ20a,20bの温度上昇を測定した。ただし、実験では図2に示した加熱庫10の上壁12aおよび前壁は開放して行った。その理由はヒータ20a,20bの温度上昇を直接熱電対で測定するために、加熱庫10内の温度があまりに高温となるのを回避するためである。図9は、実験に用いた加熱庫10の誘導加熱手段の断面図を示す。図9の縮尺は実際に作製したものをほぼ忠実に図示した。磁性体32は、図9に示した通りコ字状の断面を有し、図中の紙面の奥行き方向に60mmの長さを有する。磁性体32はフェライトコアであり、5mmの厚みを有する。断熱部材34はセラミックウールであり、10mmの厚みを有する。またコイル30は、図2に示すように直径0.3mmの被覆銅線を19本撚りにしたリッツ線を25回巻いて作製した。コイル30a,30bは図2のように加熱庫10の左右両側に配置され、これら2個のコイル30a,30bは並列に接続し、ハーフブリッジ型の電源回路により25kHzの高周波電流を供給した。ヒータ20は直径6mmの円形の断面形状を有する。図9から分かるように、ヒータ20はコ字状磁性体32の開口部36に近いところに配置されたため、図5に示したようにヒータ20を通過しない磁束φ1が十分に大きいものではなかったと思われる。図10は実験に用いたヒータ20の構造を示す。図10においても縮尺は実際に作製したものをほぼ忠実に示した。ヒータは図6に示したように、2種類の異なる材質および構造からなる部材を用いて作製した。図10において、低抵抗部22は直径6mmの銅棒であり、高抵抗部26は外径6mm、内径4mm、半径方向の厚み1mmの非磁性ステンレスSUS304のパイプである。銅棒(低抵抗部22)とステンレスパイプ(高抵抗部26)は、金ロウによりロウ付けして接続した。図10のヒータ20の左右に破線で囲んで示した部分は加熱庫10に設置したとき断熱部材34の溝部36に挿入される部分である。したがって作製したヒータ20には図6(b)に示したような冷却部25は存在しない。また図10のヒータ20に黒丸で示したA〜Dは熱電対を取り付けて温度測定を行った位置である。熱電対はそれぞれの位置にカプトンテープを巻いて取り付けた。カプトンテープの耐熱温度による制限から、温度測定は400℃以下の範囲で行った。
図11は、図2のように構成した加熱庫10において、電源回路に1kWの電力を入力したときのヒータ20の各温度測定位置での温度変化を示したものである。ヒータ20の温度測定は、図2において、上側のヒータ20aでは図10のA,B,C,Dの測定点における温度を測定し、下側のヒータ20bではA,B,Cの測定点における温度を測定した。図11で「給電部」と示したものは、測定点A,Bの上昇温度であり、「ヒータ部」と示したのは測定点C,Dの上昇温度である。上側および下側ヒータ20a,20bの給電部24およびヒータ部26の各測定点における温度はほぼ同じであるので、図11においては上側ヒータ20aまたは下側ヒータ20bを区別することなくプロットした。
図11から明らかなように、図2に示す加熱調理器1のヒータ20により加熱調理することができる。ヒータ部26の温度が各測定点とも同じ温度であることから、ヒータ部26がヒータ20にループ状に流れる誘導電流によるジュール熱で発熱していることが分かる。ヒータ部26の温度上昇は急峻である。これはヒータ部26がステンレスパイプで構成されているため熱容量が小さいことも一因である。加熱開始後、たとえば2分後の時点において、ヒータ部26の温度は給電部24の温度より実質的に高く、ヒータ部26は、明らかに自らの発熱によるものであり、給電部24からの伝熱によるものではない。
このことからも前掲特許文献3と本発明は、同様に磁性体のコアを使用し、側面から高周波磁束を供給している点で共通するが、明らかに異なる技術に基づくものであることが理解できる。すなわち特許文献3ではヒータとなるオーブン皿の壁面を積極的に磁気回路の一部として誘導加熱しているのに対し、本発明はヒータ20の給電部24を積極的には磁気回路の一部とはせず、ヒータ20の閉ループを磁束すなわち磁気回路と鎖交するようにしている。
なお、給電部24は温度上昇が緩やかではあるが、最終的にはヒータ部26の温度より高くなっている。その要因は、給電部24がこれを通過する磁束による渦電流で生じるジュール熱で発熱していることの他、図10に示すように、給電部24と接するヒータ部26の一部も断熱部材34の溝部36内に受容されているため、溝部36内に受容されたヒータ部26の一部において、温度測定を行ったヒータ部26の部分(測定点C,D)よりも放熱性が悪く、そのヒータ部26の温度より高温になっていることに起因するものと思われる。したがって、この高温のヒータ部26の熱が給電部24に伝熱し、同じく放熱性の悪い給電部24の温度を高くしているものと考えられる。換言すると、給電部24の温度を低下させるためには図6(b)に示したように冷却部25を設けることが有効である。なお、図11の実験結果で示したヒータ部26の温度はグリル調理を行うには低いが、加熱庫10の上壁12aおよび前壁も塞いで加熱庫10内の空気温度が高くなるようにして、入力電力をさらに大きくすればグリル調理に適した温度にすることができることは言うまでもない。
なお、図1および図2の加熱調理器1の加熱庫10において、コイル30a,30bの磁性体32が設けられていない部分で発生する磁束によって、加熱庫10の側壁14a,14bが鉄板などの金属である場合、側壁14a,14bも誘導加熱されるが、これにより加熱庫10の内部の空気温度を効率良く上昇させることができる。
以上のように、本発明の加熱調理器1によれば、加熱庫10の側壁14a,14bに誘導加熱手段を設け、電気的な閉ループを形成するヒータ20a,20bを加熱庫10の内部に着脱可能に配置し、側壁14a,14bから高周波磁束を供給してヒータ20a,20bに誘導電流を流し、誘導電流によりヒータ20a,20bの全体を加熱するようにしたので、加熱庫10の清掃性が向上するとともに、下側ヒータ20bの下方に金属製の脂受け皿38を、下側ヒータ20bから十分離して配置することができる。
なお、必ずしも2つの上側および下側のヒータ20a,20bを加熱庫10内に配設する必要はなく、用途に応じて上側ヒータ20aまたは下側ヒータ20bのいずれか一方だけを配置してもよい。その場合、本実施の形態に係る平面状に捲回されたコイル30であっても、上側ヒータ20aまたは下側ヒータ20bに隣接するように単一の誘導加熱手段を設ければよい。以下の実施の形態においても同様である。
実施の形態2.
図12は、本発明に係る実施の形態2の加熱調理器1を示す断面図である。図13は、図12の主要部について示した斜視図である。実施の形態2の加熱調理器1は、加熱庫10の一方の側壁14のみに配置されたコイルを用いて、電気的な閉ループを構成するヒータ20に高周波磁束を供給する点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態2の加熱調理器1を示す図12および図13と、実施の形態1の加熱調理器1を示す図1および図2とを比較すれば明らかであるように、実施の形態2の加熱調理器1の加熱庫10は、実施の形態1の加熱調理器1の加熱庫10の誘導加熱手段を1組のみ有する。これは本発明の加熱調理器1のヒータの加熱原理が、高周波磁束と電気的な閉ループを構成するヒータを鎖交させることにより、ヒータの閉ループに電磁誘導により誘導電流を流すことによるものであることから容易に理解できる。したがって、本実施の形態では誘導加熱手段であるコイルおよびその周囲の構成が1組の場合について述べるが、実施の形態1に示したように2組であってもよく、また3組あるいはそれ以上であってもよいことを意味する。また実施の形態1で有効であると述べたことは実施の形態2の加熱調理器1に適用しても当然有効である。
図12において加熱庫10のコイル30を設けていない側壁14bには、ヒータ20a,20bを保持するための溝部39が設けられる。側壁14bは鉄などの金属材料で構成されるものであってもよいが、金属材料である場合にはヒータ20a,20bと電気的に絶縁するために、側壁14bまたはヒータ20a,20bの少なくとも一方に絶縁材料からなるコーティングを施す必要がある。一般に、加熱庫10の内壁面およびヒータ20a,20bに防汚効果、保護効果、遠赤外線効果などを得るためのコーティングが為されるから、これらのコーティングにより電気的絶縁を行ってもよい。
次に実験結果を示す。図14は図13に示す加熱庫10におけるヒータ20の温度上昇を示したものである。実施の形態2の実験条件は、単一の誘導加熱手段を用いて加熱した点を除き、実施の形態1で説明したものと同様である。入力電力は500Wである。図14のグラフから分かるように、給電部24の温度上昇がヒータ部26の温度上昇に比べ大きくなっている。なお図14に示す実験結果では、上側ヒータ20aおよび下側ヒータ20bの温度上昇が異なったため、それぞれのヒータ20a,20bを個別にプロットした。上側ヒータ20aおよび下側ヒータ20bの温度上昇が異なった理由は、上側ヒータ20aおよび下側ヒータ20bのそれぞれの誘導加熱手段の部分での位置関係が同じになっておらず、一方に電力が入りやすくなっていたためと考えられる。ヒータ部26の温度上昇は約6分経過後に飽和しているが、給電部24の温度は上昇し続けている。したがって、ヒータ部26の温度上昇は給電部24からの伝熱によるものではなく、自らの発熱によるものであると考えられる。
実施の形態1および2の加熱調理器1を示す図11および図14を比較すると、実施の形態2の図14において、給電部24の温度上昇がヒータ部26の温度上昇より明らかに大きくなっている。その理由は以下のように考えられる。すなわち、ヒータ部26の温度は入力電力に依存するところ、図11の実施の形態1においては1kWの電力が入力されたのに対し、図14の実施の形態2においては500Wの電力が入力されたのであるから、ヒータ部26の発熱量が半分になり、それに伴い温度上昇も小さくなった。一方、給電部24は実施の形態1および2のいずれの場合も、1つの誘導加熱手段が担当する電力は500Wであるので、1つの給電部24において高周波磁束が給電部24を通過することによって、給電部24に発生する渦電流による発熱量は図11の場合であっても図14の場合であっても同等と考えられる。そのため図14の場合は入力電力が半分であるにも関わらず、図11の場合と同じように給電部24の温度が上昇したと考えられる。したがって、本実施の形態で示すように誘導加熱手段であるコイル30とその周囲の構成を1組とする場合は、給電部24が負担する電力が大きくなるので、実施の形態1で示したように磁性体をC字状にするなどして、ヒータ20を通過して鎖交する磁束の割合を減少し、ヒータ20を通過せずに鎖交する磁束の割合を増加することが有効である。
これにより、ヒータ20に給電部24を1つしか設けない場合であっても、給電部24の温度上昇を低減するとともに、ヒータ部26の温度上昇を増大させることができる。給電部24が1つしか設けられない場合、誘導加熱手段であるコイル30とその周囲の構成が1組しか必要としないので、低コスト化が図れるといったメリットを有するとともに、誘導加熱手段を加熱庫10の側壁14に配置するだけではなく、図15に示す加熱庫10の前壁16や後壁18に配置することもできるので、加熱調理器1の構造上の自由度が上がるといったメリットもある。図15は、誘導加熱手段を後壁18に配置した加熱調理器1を示す断面図である。磁性体32の断面形状をC字状にしてヒータ20a,20bの給電部24の温度上昇が小さくなるように構成されている。また前壁16は、筐体(加熱庫10)の開閉自在な前壁16であり、調理中の内部を観察できるように一部がガラスで構成された前扉17を有する。後壁18に配置したヒータ20の加熱動作原理は、上記実施の形態で説明したような誘導加熱手段を側壁14に配置したヒータ20と同様である。
なお、本実施の形態で示した実験では誘導加熱手段が1組しか設けられないにも関わらず、ヒータ20は、図6および図10に示すものと同様、左右に2つの低抵抗部22を有するものを用いた。このように構成することにより、ユーザはヒータ20の向きを意識することなく、ヒータ20を加熱庫10内に容易に設置することができるので、ユーザの煩雑な設置作業を解消または緩和し、設置の向きの間違い(設置方向の錯誤)による誤動作を防ぐことができる。
図16は、ヒータ20の給電部24を1ヶ所に設けた場合と、2ヶ所に設けた場合のヒータ20の給電部24の温度上昇を比較して示した図である。
図16の横軸は磁性体32の長さを示し、磁性体32の長さが60mmのときの給電部24を1ヶ所に設けた場合の温度上昇値は、図14の実験結果から読み取ったものであり、同様に磁性体32の長さが60mmのときの給電部24を2ヶ所に設けた場合の温度上昇値は、図11の実験結果か読み取ったものである。すなわち実験に用いた加熱庫の構造などの条件は、上記実施の形態1および本実施の形態2で述べたとおりである。図16の縦軸は電力を入力してから30秒後の給電部24の温度上昇を、磁性体32の長さが60mmで給電部24を1ヶ所に設けた場合の温度上昇を100として、すなわち相対値として示したものである。入力電力は、給電部24を1ヶ所に設けた場合には500W、給電部24を2ヶ所に設けた場合には1kWである。すなわち給電部24の1ヶ所あたり500Wを担当している。また電力を入力してから30秒後の温度上昇を読み取った理由は、放熱の影響をできるだけ小さくするために、給電部24があまり高温になっていない時点で比較するためである。またヒータ20は上側と下側の2個あり、給電部24を2ヶ所に設けたときは1個のヒータ20に2ヶ所に給電部24を有するが、図16の温度上昇値はこれらの各給電部24の値を平均したものである。
図16から分かるように、給電部24を2ヶ所に設けた場合の方が、給電部24を1ヶ所に設けた場合よりも給電部24の温度上昇が小さい。また磁性体32がより長いほど、給電部24の温度上昇はより小さくなるが、磁性体32の長さには比例せず、図16の実験結果では、磁性体32の長さが120mm以上でほぼ飽和している。一方、給電部24を1ヶ所に設けたときに磁性体32の長さが120mmである場合と、給電部24を2ヶ所に設けたときに磁性体32の長さが60mmである場合とは、給電部24の温度上昇がほぼ等しくなっている。しかし、これは加熱調理器1にたとえば1kWの電力を入力する場合、給電部24を2ヶ所に設けたときは、1ヶ所あたりの給電部24が500Wを担当するので、給電部24の温度上昇は図16に示した通りになるが、給電部24を1ヶ所に設けたときは1ヶ所あたりの給電部24が1kWを担当しなければならず、給電部24の温度上昇は図16に示した値の2倍になることを意味する。
すなわち磁性体32の長さの合計が同じであっても、給電部24を1ヶ所に設けた場合よりも2ヶ所に設けた場合の方が有利であると言える。これは、ヒータ20にとっては、給電部24は電源であり、電源の数が多い方が誘導電流を流すのに有利なためであると考えられる。当然のことながら、磁性体32の断面形状をコ字状ではなく、C字状にするなどにより給電部24の温度上昇は低下するが、その場合であっても給電部24の数が多い方が給電部24の温度上昇を小さくするのに有利である。しかし、給電部24が加熱庫10の後壁18や前壁16を含む側壁14のいずれかにのみあるというのは、構造がシンプルであり、構造上の自由度が大きくなるという点、さらには低コスト化の点でも有利である。
図17はヒータ20に給電部を2ヶ所に設け、誘導加熱手段が加熱庫10の後壁18にある加熱調理器1を示す斜視図である。図17は図2と同様に主要部のみを示したものであり、さらに分かりやすくするために断熱部材34も省略して示した。したがって加熱庫10として当然必要な側壁14などの図1に図示したものは、図17に示す加熱庫10も同様に有する。ヒータ20a,20bはそれぞれ加熱庫の後壁18に隣接して給電部24を2ヶ所に有する。コイル30は加熱庫10の後壁18に隣接して、その外部に1つ設けられ、コイル30の合計4箇所にコ字状の磁性体32が設けられる。同様に、磁性体32の断面形状はC字状であってもよい。
コイル30に高周波電流を流すと、高周波磁束が発生し、それぞれの磁性体32を有する部分を通じて磁束はヒータ20a、ヒータ20bと鎖交し、ヒータ20a,20bに電磁誘導により誘導電流が流れる。ヒータ20a、ヒータ20bはそれぞれ給電部24が2ヶ所あるので、加熱庫10の後壁18のみからの給電でありながら、給電部24の温度を低くして、ヒータ部26の温度を高温にすることができる。
実施の形態3.
図18は、本発明に係る実施の形態3の加熱調理器1を示す断面図である。図19は、図18の主要部について示した斜視図である。実施の形態3の加熱調理器1は、磁性体32の周囲に導線を螺旋状に捲回して構成されたコイル30を用いて、電気的な閉ループを構成するヒータ20に高周波磁束を供給する点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図18および図19においてコイル30a〜30dは、コ字状の断面形状を有する磁性体32の一辺(基部)の周囲にリッツ線などの導線を螺旋状に巻いて形成されている。なお、図19ではコイル30a、30cのみが図示されているが、コイル30b、コイル30dは隠れているため図示されていないが、図18に示すように存在している。コイル30a〜30dはそれぞれ独立した電源回路(図示せず)により高周波電流を供給してもよい。また、コイル30aおよびコイル30cを1組、コイル30bおよびコイル30dを別の1組として並列あるいは直列に接続して2個の電源回路により高周波電流を流してもよいし、あるいはコイル30aおよびコイル30bを1組、コイル30cおよびコイル30dを別の1組として並列あるいは直列に接続して2個の電源回路により高周波電流を流してもよい。さらには4個すべてのコイル30a〜30dを並列あるいは直列、さらには並列と直列の組み合わせにより接続して1個の電源回路により高周波電流を流してもよい。
各コイル30a〜30dは、ヒータ20a,20bには実施の形態1の図4に示すような方向に誘導電流が流れるように接続することが好ましい。また各コイル30a〜30dに個別の電源回路から高周波電流を供給する場合や、コイル30aとコイル30bを1組、コイル30cとコイル30dを別の1組として並列あるいは直列に接続して2個の電源回路により高周波電流を供給する場合には、上側ヒータ20aおよび下側ヒータ20bをそれぞれ個別に加熱制御することができるので、たとえば上側ヒータ20aおよび下側ヒータ20bの加熱温度を調整し、あるいは調理の目的に合わせて一方のヒータ20のみ加熱することもできる。
図20および図21は本実施の形態3のコイル30によって発生する磁束の様子を示したものである。図20は磁性体32がコ字状の断面形状を有するときの断面図であり、図21はC字状の断面形状を有するときの断面図である。
図から分かるように磁束φ1,φ2は、上記実施の形態1および2に示したコイル30と同様に発生する。したがって、本実施の形態3のコイル30を上記実施の形態1および2に説明したコイル30と置き換えて使用することが可能であり、上記実施の形態1および2で述べたことは本実施の形態3のコイル30を用いた場合であっても同様に適用される。また図22に示すようにコイル30は磁性体32の図20や図21とは異なる辺(基部40の両端から垂直に延びる一対の側部42)に巻いたものであってもよい。
実施の形態4.
図23は、本発明に係る実施の形態4の加熱調理器1を示す断面図である。図24は、図23の主要部について示した斜視図である。実施の形態4の加熱調理器1は、隣接する2つの磁性体32の周囲に導線を螺旋状に捲回して構成されたコイル30を用いて、電気的な閉ループを構成するヒータ20に高周波磁束を供給する点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図23および図24において、加熱庫10の側壁14にコ字状の断面形状を有する磁性体32が、実施の形態1と同様に4つ設けられており、コイル30aおよび30bはそれぞれ加熱庫10の右側および左側に設けた2つの磁性体32の互いに対向した側部42をリッツ線などの導線を螺旋状に巻いて形成されている。すなわち実施の形態4の導線は、加熱庫10の一方の側壁14に配設された隣接する2つの磁性体32の側部42に螺旋状に捲回されている。このように形成されたコイル30aおよび30bに高周波電流を流すと、上記実施の形態で示したように磁束が発生し、磁束は電気的な閉ループを構成するヒータ20a,20bと鎖交して、ヒータ20a,20bに誘導電流を流し、これを加熱する。なお、図23および図24では、コ字状の断面形状を有する磁性体32について示したが、C字状など他の断面形状を有する磁性体32を用いてもよい。
また図25は、隣接する2つのコ字状の磁性体32を一体に形成したE字状の磁性体32を用いた加熱調理器1の断面図を示す図である。すなわち図25の磁性体32は、基部40と、基部40の両端および中央から垂直に延びる一対の側部42a,42bおよび芯部42cとを有する。また、図25の磁性体32は、側部42a,42bと芯部42cの間に2つの溝部(開口部)36a,36bを有し、それぞれの溝部36a,36bにヒータ20a,20bが挿入されている。
このように実施の形態4のE字状の磁性体32は、コ字状の磁性体2個を重ね合わせたものとみなすことができるから、図25に示す加熱調理器1と図23に示す加熱調理器1とは実質的に同一のものである。すなわちE字状の磁性体32は、コ字状の磁性体2個を一体としたものであり、コ字状の磁性体32として扱うことができる。したがってE字状の磁性体32を用いた場合であっても、E字の上半分および下半分をC字状のようにするなど、他の実施の形態に示す他の断面形状の要素を組み合わせた形状であってもよい。また実施の形態1の平面状コイルの場合であっても、図25に示したようなE字状の磁性体32を使用することも可能である。
実施の形態5.
図26は、本発明に係る実施の形態5の加熱調理器1を示す断面図である。また図27および図28は、実施の形態5の誘導加熱手段の斜視図および断面図である。実施の形態5の加熱調理器1は、ヒータ20の周囲全体を包囲可能な磁性体32有する点を除いて、実施の形態2の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
上記実施の形態1〜4においては、加熱調理器1は、ヒータ20と磁束を鎖交させるために、コ字状あるいはC字状の断面形状を有する磁性体32を有するものとし、ヒータ20と鎖交する磁束には、ヒータ20を通過せずに鎖交する磁束φ1と、ヒータ20を通過して鎖交する磁束φ2とがあり、ヒータ20を通過せずに鎖交する磁束φ1の方がヒータ20の給電部24に渦電流による発熱を生じさせないので好ましいことを説明した。本実施の形態5ではヒータ20を通過せずに鎖交する磁束を最も多くすることができる加熱調理器1について説明する
図26は、実施の形態2の図15に示した加熱調理器1と同様、加熱庫10の後壁18に設けた誘導加熱手段を有する加熱調理器1を図示するが、他の実施の形態に示したように加熱庫10の左右側壁14の一方あるいは両方に設けたものであってもよい。またコイル30は、磁性体32にリッツ線などの導線を螺旋状に巻いた場合について示したが、実施の形態1および2に示したように導線を平面状に巻いたコイルであってもよい。図26の加熱調理器1は誘導加熱手段であるコイル30a、30cとその周囲の構造が、図15の加熱調理器1とは異なるが、他の部分は同様である。
コイル30a、30cは、断面形状が開口部36のないO字状の磁性体32の一部に導線を螺旋状に巻いて形成している。そしてO字状の磁性体32の内側は断熱部材34が設けられ、磁性体32およびコイル30a,30cが高温にさらされることがないようになっている。またO字状の磁性体32の外側で加熱庫10の内壁面に相当する部分には断熱部材45が設けられ、磁性体32が加熱庫10内の高温の空気から断熱されるようになっている。O字状の磁性体32の内側の断熱部材34の内側には、ヒータ20a,20bの給電部24を収納するための溝部36が形成されている。そしてO字状の磁性体32およびその内側と外側の断熱部材34の一部は、分離されて平行移動可能な可動部52を構成している。
すなわち実施の形態5の誘導加熱手段は、図27および図28に示すように、加熱庫10に固定された固定部50と、固定部50に対してスライド移動可能に配置された可動部52とを有する。固定部50は、コイル30と、コ字状の磁性体32と、ヒータ20の給電部24を収容する溝部36を含む断熱部材34とを有する。一方、可動部52は、固定部50のコ字状の磁性体32と協働して連続した閉磁路φ1を形成する磁性体32と、断熱部材45とを有する。すなわち、可動部52が閉口位置にスライド移動したとき、可動部52の磁性体32および固定部50のコ字状の磁性体32が一体となって連続した閉磁路φ1を形成する。
図26(a)は、可動部52が閉じた位置にあり、ヒータ20a,20bに誘導電流を流して加熱するときの状態を示したものである。また図26(b)は、可動部52が開いた位置にあり、ヒータ20a,20bが着脱可能である状態を示す。可動部52は手動あるいは図示しない機械式機構により自動で作動させてもよい。
図27は、固定部50および可動部52を含む誘導加熱手段の具体的構成を示す斜視図である。図27は下側ヒータ20bのための誘導加熱手段を示すが、上側ヒータ20aのための誘導加熱手段も同様の構造を用いることができる。図中、ヒータ20bの給電部24を中心に示すが、他の実施の形態で上述したように、ヒータ20bは電気的な閉ループを構成するものである。図27は、固定部50に対して開いた位置にある可動部52を示したものである。図27に示すように、固定部50にある磁性体32は、その周囲が断熱部材34に覆われており、可動部52に対向する部分、および図示されていない可動部52の裏側の一部のみ磁性体32が露出している。なお磁性体32が露出する部分は、薄い保護部材などにより覆ってもよい。断熱部材34の内側の溝部36は箱状になっており、可動部52を閉じると、ヒータ取り出し口54以外の部分においては、加熱庫10の内部は完全に閉ざされるようになっている。ヒータ取り出し口54は可動部52を閉じたとき、その形状がヒータ20の断面形状と一致するように構成され、ヒータ20の給電部24を溝部36に収納して取り付けて可動部52を閉じると、加熱庫10内の空気と溝部36内の空気とが交流しないように構成されている。しかし、ヒータ取り出し口54とヒータ20との間に隙間が存在し、加熱庫10内の高温の空気が溝部36の方に流入する虞がある場合は、溝部36の内部に加熱庫10の外部から空気を送る送風手段を設け、溝部36の内部を冷却してもよいし、送風手段により溝部36の内部の気圧を加熱庫10内の気圧より高くして、加熱庫10内の高温の空気が溝部36に流入しないようにしてもよい。このような構造により、ヒータ20を着脱可能で、O字状の断面形状を有する磁性体32を実現することができる。
図28は、断面形状がO字状の磁性体32を用いた場合の磁束の様子を示したもので、図26(a)に示す加熱調理器1の下側ヒータ20bの誘導加熱手段の周囲を拡大して示したものである。図28に示すように、コイル30cに高周波電流を流したときに発生する磁束φ1のほとんどがO字状の磁性体32を通る。したがって、ほとんどの磁束がヒータ20bを通過せずにヒータ20bと鎖交する磁束φ1となる。その結果、ヒータ20bは、その給電部24に渦電流による発熱が生じることなく、磁束φ1による電磁誘導により誘導電流が流れ、渦電流ではなく、誘導電流が流れることによるジュール熱で高温に加熱される。
なお、本実施の形態5では断面形状がO字状の磁性体を用いてヒータ20を着脱可能にした場合について述べたが、着脱可能とはせずに加熱庫10の内部に固定される場合であってもメリットがある。すなわち電気的な閉ループを構成するヒータ20の給電部24を加熱庫10の外側に導き、加熱庫10の外側でO字状の磁性体32を用いた誘導加熱手段により電力を供給してヒータ20に誘導電流を流してヒータ20を加熱する。この場合、加熱庫10内から見た構造は、周知のIHクッキングヒータで広く用いられているシーズヒータと同じである。しかしシーズヒータは、ステンレスなどの金属パイプ内部に電熱線と電熱線の周囲にセラミックスを有しており構造が複雑である。また、従来のシーズヒータにおいては、金属パイプ内部に電熱線を有しているため、棒状のシーズヒータを曲げて好みの形状を作製しようとしても曲げ半径などに制限があり、曲げ回数が増加するとコスト高になる。さらに、シーズヒータは金属パイプの内部にセラミックスが詰まっているため熱容量が大きく温度上昇に時間がかかる。しかし本発明のヒータ20は、たとえばステンレスのパイプで作製することができるので、曲げ半径の制限もシーズヒータより緩やかであり、曲げ回数が増加してもシーズヒータよりはるかに安価に製造できる。またパイプであれば熱容量が小さいので、シーズヒータより早く温度を上昇させることができる。以上のように、シーズヒータに対する本発明に係るヒータ20のメリットは、上記他の実施の形態に示したコ字状またはC字状の磁性体32を用いた場合でも同様であるが、ヒータ20を着脱自在とせずに加熱庫10に固定して使用する場合には、実施の形態5に係るO字状断面を有する磁性体32を用いることにより、給電部24が渦電流により発熱することを極力抑えることができる。
なお、実施の形態ではコイルは磁性体32の一部に導線を螺旋状に巻いて形成した場合について示したが、実施の形態1あるいは実施の形態4に示したようなコイルであってもよい。
実施の形態6.
図29は、本発明に係る実施の形態6の加熱調理器1を示す断面図である。図30は、図29の主要部について示した斜視図である。実施の形態6の加熱調理器1は、ヒータ20a,20bが加熱調理器1の加熱庫10の側壁14に沿って設けられ、食材を側方から加熱できる点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
上記実施の形態1〜5ではヒータ20が加熱庫10内にほぼ水平に設置され、食材を上下から加熱する加熱調理器1について示したが、本実施の形態6では他の形態のヒータ20を有する加熱調理器1について以下説明する。なお本実施の形態においても加熱の原理は、上記実施の形態で説明したものと同じであり、誘導加熱手段の形態は上記各実施の形態で述べたものを用いることができる。
また図31は、実施の形態6の変形例によるヒータ20を有する加熱調理器1の主要部を示す斜視図である。図31において、ヒータ20a〜20dは中実銅棒などの低抵抗の金属部材により形成された給電部24と、タングステンなどの高融点材料を薄板状などの高抵抗を有する形状に成形したヒータ部28とからなる。ヒータ部28は、合成石英または透光性セラミックスなどからなる気密容器56の内側に収納され、気密容器56の内部にはアルゴンなどの不活性ガスが充填されている。上記実施の形態と同様、コイル30に高周波電流を流すと電磁誘導によりヒータ20a〜20dに誘導電流が流れ、ヒータ部28が加熱される。ヒータ部28は、高融点材料により形成されており、気密容器56の内部に不活性ガスが充填されているので、1000〜2000℃の高温に加熱することができ、ヒータ部28から多くの近赤外線や遠赤外線が放射される。すなわちハロゲンランプなどの電球と同様に発光、発熱し、赤外線を多く放射する。この赤外線による輻射加熱により食材がグリル調理される。
図32は、実施の形態6のさらに別の変形例によるヒータを有する加熱調理器1の主要部を示す斜視図である。図32において、上側ヒータ20a,20bは図31に示したものと同一である。下側ヒータ58は、厚さ2mm程度のステンレス等の金属板に図32に示すような切込み59が設けられている。切込み59は、電気的に絶縁が保たれる程度の幅であってよい。
図32のような構成の加熱調理器1は、たとえばハンバーグの調理などに適している。すなわち下側ヒータ58の上にハンバーグなどの食材を載せて、各コイル30a,30bに高周波電流を流して、各ヒータ20a,20b、58を加熱する。下側ヒータ58は、たとえば、200℃程度に加熱されハンバーグ等の食材をフライパン加熱する。ハンバーグ等の食材から出る脂は下側ヒータ58に設けた切込み59から下方に落ち、下側ヒータ58の下方に設けられた図示していない脂受け皿で受けられる。一方、上側ヒータ20a,20bは上述のように赤外線を放射し、ハンバーグ等の食材を輻射加熱する。
また下側ヒータ58は、図33および図34に示すように、その高抵抗部の上面および下面を金属またはセラミックスなどの絶縁物からなるクラッド部材175で覆って、切込み59が露出しないプレート状の構造としてもよい。ここで図33は切込み59が露出しないプレート状の下側ヒータ58の全体的な斜視図であり、図34はその断面図である。すなわち下側ヒータ58は、切込み59を設けた金属板に金属またはセラミックスなどの絶縁物からなるクラッド部材175で覆う(挟持または包囲する)ことにより形成することができる。ただし、金属製のクラッド部材175を用いる場合には、下側ヒータ58とクラッド部材175との間に絶縁物を配置して、電気的に絶縁する必要がある。
さらに、図35は実施の形態6のさらに別の変形例によるヒータ20を有する加熱調理器1の主要部を示す斜視図である。図35に示すヒータ20は、箱型密閉容器70の蓋部72および容器部74の内部に形成されている。箱型密閉容器70はいわゆるオーブンあるいは釜であり、蓋部72と容器部74を加熱することにより、箱型密閉容器70の内部に入れた食材をオーブン調理や釜調理する。
図36は、容器部74の内部に形成されるヒータ20の展開図であり、破線で示した部分で折り曲げると容器部74の内部に形成される形状となる。蓋部72のヒータ20についても同様である。ヒータ20は低抵抗部22と高抵抗部26からなり、低抵抗部22は上記実施の形態に示したように銅棒などで構成され給電部および冷却部を含む。高抵抗部26は、ステンレスまたはアルミニウムなどの金属板を図36のような形状に加工して得られる。図37は箱型密閉容器70の断面図である。図37に示す蓋部72および容器部74は、セラミックスなどの絶縁物で形成された蓋部本体73および容器部本体75と、これらの内部に配設された図35に示したようなヒータ20の高抵抗部26とを有する。
蓋部本体73および容器部本体75は、ステンレスまたはアルミニウムなどの金属で形成してもよいが、その場合には、高抵抗部26と電気的に絶縁する必要があるので、セラミックスシートなどの耐熱性絶縁物(図示せず)を高抵抗部26と蓋部本体73および容器部本体75との間に挟んだ後、ヒータ20の高抵抗部26を蓋部72および容器部74の内部に配設する必要がある。たとえば、蓋部本体73および容器部本体75をアルミニウムで形成する場合には、アルミニウムを陽極酸化処理(アルマイト処理)することで、アルミニウム表面にアルミナ(酸化アルミニウム)層を形成できるので、別途耐熱性絶縁物を必要とせず、安価に製造することができる。図35に示す加熱調理器1のコイル30に高周波電流を流すと箱型密閉容器70の蓋部本体73および容器部本体75の内部に配置されたヒータ20に誘導電流が流れて発熱し、箱型密閉容器70内に収容された食材が加熱調理される。なお、オーブン調理であっても加熱温度は300℃以下程度、すなわちアルミニウムの融点以下であるから、上記のように蓋部72および容器部74をアルミニウムにより安価に製造することができる。
図38は、実施の形態6のさらに別の変形例によるヒータを有する加熱調理器1の主要部を示す斜視図である。図38において、上側ヒータ20は図2に示したものと同一であり、下側ヒータ58は図32に示したものと同一である。上側ヒータ20は、通常、食材から離間して加熱するので、高抵抗部をパイプ(中空棒)で作製したものが好ましい。一方、下側ヒータ58は、食材を載置して(接触した状態で)加熱する場合、均一な加熱を実現するために表面積の大きい金属板で高抵抗部を形成したものが好適である。このように上側ヒータおよび下側ヒータは、互いに異なる形態(形状、寸法、配置位置)を有するヒータであってもよく、着脱可能としたことから、ユーザは加熱調理すべき食材に適切なものを選択して使用することができる。
図39は、実施の形態6のさらに別の変形例による加熱調理器1を示す断面図である。実施の形態3の図18に示す加熱調理器1において、コイル30a,30bは側壁14a,14bに配設されているのに対し、図39に示す加熱調理器1は、そのコイル30a,30bが上壁12aおよび下壁12bに設けられている点が異なり、その他の構成および動作は実施の形態3と同様である。
換言すると、これまで説明した各実施の形態において、コイル30を含む誘導加熱手段が加熱庫10の側壁14a,14bに設けられる場合について説明したが、図39のように誘導加熱手段加熱庫10の上壁12aおよび下壁12bに設けても本発明を適用することができる。なお、繰り返しになるが、当然のことながら前壁および後壁に設けてもよく、側壁には左右の側壁だけでなく前壁、後壁も含まれると解すべきである。

以上のように本発明の加熱調理器1にあっては、加熱庫10内のヒータ20を着脱可能としたので、清掃性が向上するだけでなく、調理の目的に合わせてさまざまな形態のヒータ20を用いることができるので、多機能な加熱調理器1を実現することができる。

Claims (15)

  1. 箱状の加熱庫と、
    前記加熱庫の内部に配置された電気的に閉じた導電体からなるヒータと、
    前記加熱庫の外部に配置されたコイルと、
    前記コイルに高周波電流を供給する電源回路と、
    前記コイルから生じる高周波磁束が前記ヒータと鎖交するように配置された磁性体とを備え
    前記磁性体は開口部を有し、前記開口部に前記ヒータの一部が挿入されることを特徴とする加熱装置。
  2. コイルおよび磁性体は、加熱庫を構成する壁部に沿って配置され、
    前記コイルから生じた高周波磁束により、ヒータに誘導電流が流れることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. コイルは、導線を平面上に捲回して構成され、
    磁性体は、同一方向に電流が流れる複数の導線を包囲することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. コイルは、導線を磁性体の少なくとも一部の周囲に螺旋状に捲回して構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の加熱装置。
  5. 磁性体は、コ字状の断面を有し、
    ヒータの一部が前記コ字状の開口部内に挿入されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の加熱装置。
  6. 磁性体は、C字状の断面を有し、
    ヒータの一部が前記C字状の開口部内に挿入されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の加熱装置。
  7. ヒータは、給電部を有し、
    磁性体は、前記給電部の全体を包囲することを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の加熱装置。
  8. ヒータは、低抵抗部および高抵抗部からなり、
    コイルから生じる高周波磁束は、前記低抵抗部と鎖交することを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の加熱装置。
  9. 低抵抗部および高抵抗部は、それぞれ中実および中空の金属で形成されることを特徴とする請求項に記載の加熱装置。
  10. 高抵抗部は、切り込みが設けられた金属板であることを特徴とする請求項に記載の加熱装置。
  11. ヒータは、高抵抗部を内設するプレート状部材を有することを特徴とする請求項10に記載の加熱装置。
  12. 高抵抗部を内設する箱形容器を有することを特徴とする請求項10に記載の加熱装置。
  13. 低抵抗部は、加熱庫内の空気に曝される冷却部を有することを特徴とする請求項8または9に記載の加熱装置。
  14. 加熱庫は、金属材料で構成され、加熱庫の内壁またはヒータの少なくとも一方に絶縁材料からなるコーティングが形成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載の加熱装置。
  15. ヒータは加熱庫に対し着脱可能であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載の加熱装置。
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