以下、図1〜27を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種装置の処理フロー等は、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
<第一の実施形態>
以下、本発明の第一の実施形態である、演出制御装置35を備えたパチンコ機1について、図面を参照して説明する。
まず、図1及び図2を参照し、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の表枠14及び中枠13が開いた状態を斜め前方から見た斜視図であり、図2は、パチンコ機1の正面図である。尚、以下の説明において、図2の紙面手前側を「パチンコ機1の正面側」、紙面奥行き側を「パチンコ機1の背面側」とする。
はじめに、パチンコ機1の概略構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技場の島設備(図示外)に配設され、パチンコ機1の本体を支持する正面視略長方形状の外枠12を備えている。外枠12は、パチンコ機1の本体を支持し、遊技場の島設備(図示外)に取り付けられる枠部材である。そして、この外枠12の外枠左柱部12a近傍に、中枠13の左柱部近傍が軸支されるようになっている。
この中枠13は、正面視略長方形状の金属製のアングル部材からなる。この中枠13の左柱部が、上ヒンジ22及び下ヒンジ21を介して外枠12の外枠左柱部12a近傍に軸支されることにより、中枠13が外枠12に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。そして、中枠13の上半分には遊技盤2が配設されている。さらに、中枠13の正面側における遊技盤2の下方には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受け入れる上皿5が設けられており、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。当該下皿6の右側には、発射機による遊技球の発射を調節する発射ハンドル7が設けられている。また、当該遊技盤2の正面側には、正面視略矩形状の表枠14が設けられている。
また、パチンコ機1の中枠13の背面側にはセンターカバー27が設けられており、当該パチンコ機1を構成する各部を制御するための後述する主基板41、サブ統合基板58、電源基板42、演出制御装置35等の多数の制御機器(図3参照)を保護している。本発明では、この演出制御装置35の構造に特徴を有するが、詳細は後述する。また、センターカバー27の下方には下部カバー28が設けられており、パチンコ機1を動作させるための様々な部品が保護されている。さらに、センターカバー27の上方には、遊技機設置島から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク29が設けられている。
次に、表枠14について説明する。図2に示すように、表枠14は正面視略長方形状であり、遊技盤2の遊技領域4を前側から視認し得るように、略中央に開口部が開設されている。この開口部には透明版であるガラス窓23(図1参照)が嵌め込まれており、当該ガラス窓23を介して遊技領域4を視認可能となっている。そして、表枠14の表枠左側端部14a(図1参照)が中枠13の左柱部の近傍に軸支されることにより、表枠14が中枠13に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。また、表枠14の左上部にはスピーカ32が、右上部にはスピーカ33がそれぞれ配設されており、2つのスピーカ32,33は配線によって副制御基板43(図3参照)に接続されている。そして、スピーカ32,33からは副制御基板43の制御によって様々な音が発生する。また、表枠14の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。
次に、遊技盤2について説明する。発射ハンドル7の操作により、発射手段である発射機(図示外)から発射された遊技球が遊技盤2及びガラス窓23によって形成された空間を流下する。この遊技盤2は、中枠13の裏面側に固定された遊技盤固定枠の遊技盤用開口部(図示外)の正面側に支持され、ガラス窓23を略中央に保持した表枠14によって保護されている。図1に示すように、遊技盤2の正面には、外レール3に囲まれ、発射手段によって発射された遊技球が流下する正面視略円形状の遊技領域4が設けられている。
そして、図2に示すように、この遊技領域4の略中央には、液晶表示装置36や各種ランプ及びLEDを備えた図柄表示装置8が設けられている。また、この図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、当該特別図柄始動電動役物15の左右には普通図柄始動ゲート19,20がそれぞれ配設されている。そして、普通図柄始動ゲート19の左方には普通入賞口10が、普通図柄始動ゲート20の右方には普通入賞口11が設けられている。さらに、特別図柄始動電動役物15の下方には大入賞口16が設けられており、当該大入賞口16の下方には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球が回収されるアウト口30が設けられている。
次に、図柄表示装置8について説明する。図2に示すように、図柄表示装置8の下部には4つのLEDから構成される特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、その右隣には、2つの7セグメントLEDから構成される特別図柄表示部25が設けられている。また、図柄表示装置8の上部には4つのLEDから構成される普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、その上方には普通図柄表示部24が設けられている。そして、図柄表示装置8は、中央に液晶表示装置36を備えている。この液晶表示装置36には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を報知するために、3つのデモ図柄を表示する。そして、このデモ図柄には、遊技者の目を惹くように特別図柄表示部25に表示される特別図柄よりも大きい図柄が用いられている。
次に、図3を参照し、パチンコ機1の電気的構成について説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主に主基板41、電源基板42、サブ統合基板58、払出制御基板45、中間基板47、及び演出制御装置35から構成されている。そして、演出制御装置35は、副制御基板43とメモリ基板120とから構成されている。
なお、この制御部40は、パチンコ機1の裏側(背面側)に設けられており、センターカバー27(図1参照)によって保護されている。
次に、図3を参照し、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、及び他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中間基板47等のサブ基板、及び特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72が接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中間基板47について説明する。図3に示すように、払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中間基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート19,20を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73,74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口10,11に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ76,77、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59及び特別図柄記憶数表示LED60、1つのLEDで構成された普通図柄表示部24、2つの7セグメントLEDから構成された特別図柄表示部25が接続されている。そして、中間基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御を受ける表示部等への中継とを行っている。
次いで、サブ統合基板58について説明する。図3に示すように、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御装置35に接続されている。このうちCPU581は、主基板41から送信されるコマンドを受信し、主基板41からの要求に応じて演出制御装置35を制御し、液晶表示装置36、電飾ランプ63、スピーカ32、33の制御を行っている。また、RAM582は、CPU581が処理を行う際に必要な記憶領域であり、ROM583は、CPU581の動作プログラムが格納されている記憶領域である。
次いで演出制御装置35について説明する。図3に示すように、演出制御装置35は、副制御基板43とメモリ基板120とから構成される。ここで副制御基板43には、報知態様を制御するコントローラユニット48が備えられており、このコントローラユニット48により、液晶表示装置36、スピーカ32、33、電飾ランプ63の制御が行われる。なおこのコントローラユニットには、演出制御用CPU(図示外)、演出制御専用LSI(図示外)が含まれている。
次に、図4を参照し、本発明の要部である演出制御装置35の電気的構成について説明する。図4は、第一の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図である。図4に示すように、演出制御装置35は、副制御基板43とメモリ基板205とからなる。尚、図4においてはアドレスバス(チップセレクト信号を含む。以下同じ。)及びデータバスを1本の線で表現しているが、実際はバス幅数の信号線からなる。そして、説明の簡略化のため、以降の図においても同様に複数の信号線を1本の線で表現するものとする。
まず、副制御基板43について説明する。副制御基板43は、音声及び表示の制御機能を有するCPU204(以下、「音声・表示兼用制御CPU」という。)、RAM201、ROM202、発振器203、コネクタ210からなる。ここで、音声・表示兼用制御CPU204は32bitのデータバス幅を有する半導体素子であり、スピーカ32、33及び液晶表示装置36が接続されている。そしてサブ統合基板58からの要求に応じ、スピーカ32、33からの音声出力及び液晶表示装置36による映像表示を制御する。また、音声・表示兼用制御CPU204のアドレスバス222、データバス上位16bit223、データバス下位16bit224はそれぞれコネクタ210に接続されている。
また、RAM201は音声・表示兼用制御CPU204がプログラムを実行する際に必要な一時記憶素子であり、ROM202は音声・表示兼用制御CPU204の動作プログラムが格納されている不揮発性記憶素子であり、発振器203は音声・表示兼用制御CPU204に定周期クロックを供給するための発振素子であり、コネクタ210はメモリ基板205との接続が可能な形態を有する着脱可能な治具である。
次に、メモリ基板205について説明する。メモリ基板205は、ROM11と、ROM12と、コネクタ211からなる。ここで、ROM11及びROM12は16bitのデータバス幅を有している不揮発性記憶素子であり、音声出力に必要な音源データ(以降、「音源データ」という。)、及び映像表示に必要なデータ(以降、「表示映像データ」という。)が記憶されている。これらは、音声・表示兼用制御CPU204の音声出力制御及び液晶表示機制御の際に逐次読み出される。また、双方のROM11、ROM12のアドレスバスはメモリ基板上221において電気的に結線されコネクタ211に接続されており、データバス225、226はそれぞれ独立してコネクタ211に接続されている。またコネクタ211は副制御基板43との接続が可能な形態を有する着脱可能な治具である。
さらに、副制御基板43とメモリ基板205とを結合することにより、副制御基板43とメモリ基板205におけるアドレスバス(222〜221)、及びデータバス(223〜225、224〜226)が接続される。
さらに、音声・表示兼用制御CPU204のデータバス幅を「A」とし、ROM11、ROM12のデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
次に、図5を参照し、音声・表示兼用制御CPU204がメモリ基板205から音源データ及び表示映像データを読み出す場合の動作について説明する。図5は、メモリ読み出し処理のフローチャートを示したものである。図5によると、音声・表示兼用制御CPU204がメモリ基板205から音源データ及び表示映像データを読み出す音声・表示兼用制御CPU204は、ROM11とROM12からそれぞれ16bitずつデータを読み出す(S201)。そして、検出できる32ビットデータとなるように、ROM11から読み出したデータを上位16bit、ROM12から読み出したデータを下位16bitと認識する(S201)。
このような処理を行うことにより、コントローラユニットとROMとでデータバス幅の異なる場合においても、複数のROMのデータバス幅の合計とコントローラユニットのデータバス幅が同一であればデータの授受が可能となる。このことは、機能追加による負荷増大のためにコントローラユニットのデータバス幅を増加させなければならない場合に効果的である。理由は、通常であれば付随するROMもデータバス幅を変更する必要があるところ、上記構成とすることにより、既存のROMが在庫を多く抱えているような場合でも継続使用できるからである。さらに、既存のハードウェアを利用しつつ音声出力態様や映像出力態様のみを変更したい場合に、メモリ基板を変更することにより実現できるため経済的である。
<第二の実施形態>
次に、図6及び図7を参照し、本発明の第二の実施形態について説明する。図6は、第二の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図であり、図7は、メモリ読み出し処理のフローチャートである。なお、以降においては、第一の実施形態にて説明した図1〜図5と重複する部分については同一の符号を付し、又は省略、簡略化するものとする。
はじめに、図6を参照し、演出制御装置35の電気的構成について説明する。演出制御装置35は、副制御基板43、メモリ基板302、303、中継基板304からなる。
まず、副制御基板43について説明する。副制御基板43は、音・表示兼用制御CPU301と、RAM201と、ROM22と、発振器23と、コネクタ310とからなる。これらは第一の実施形態と同一であるため説明を省略する。
次に、メモリ基板302、303について説明する。メモリ基板は、第一メモリ基板302、第二メモリ基板303からなり、双方は同一の電気的構成を有する。そしてそれぞれ2つのROM(第一メモリ基板302:ROM21及びROM22。第二メモリ基板303:ROM23及びROM24。)、デコーダ回路(第一メモリ基板302:デコーダ回路201。第二メモリ基板303:デコーダ回路202)、コネクタ(第一メモリ基板302:コネクタ312。第二メモリ基板303:コネクタ314)からなる。ここでROM21〜ROM24は16bitのデータバス幅を有する不揮発性記憶素子であり、ROM21及びROM22には音源データが記憶されており、ROM23及びROM24には表示映像データが記憶されている。ここでデコーダ回路201及びデコーダ回路202はアドレスバス中チップセレクト信号(図示外)により制御され、同一メモリ基板が備える2つのROMのうち一方のアドレスバスのみを有効とすることができるものである。
また、第一メモリ基板302(第二メモリ基板303)上に配置されているROMのアドレスバスはそれぞれ324(326)において電気的に結線され、デコーダ回路201(デコーダ回路202)を経由してコネクタ312(314)に接続されている。またデータバスはそれぞれ325(327)において電気的に結線され、コネクタ312(314)に接続されている。
次に、中継基板304について説明する。中継基板304は、コネクタ311、313、315からなる。そして、中継基板304を挟み副制御基板43と第一メモリ基板302と第二メモリ基板303とが接続されることにより、副制御基板43上のアドレスバス321と第一メモリ基板302のアドレスバス324と第二メモリ基板303のアドレスバス326が中継基板304上328において電気的に接続される。また、副制御基板43上のデータバス上位16bit322と第一メモリ基板上のデータバス325、及び副制御基板43上のデータバス下位16bit323と第二メモリ基板上のデータバス327が電気的に接続される。
さらに、音声・表示兼用制御CPU301のデータバス幅を「A」とし、ROM21〜24のデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
以上のように、第二の実施形態は第一の実施形態と比較し、中継基板が追加され、メモリ基板がそれぞれ2つずつのROMとデコーダ回路を有している点で異なっている。
次に、図7を参照し、音声・表示兼用制御CPU301がROMから音源データ及び表示映像データを読み出す場合の動作について説明する。
はじめに、音・表示兼用制御CPU301が制御処理を行うに際し、必要とする音源データ及び表示映像データのうち上位16bitが第一メモリ基板302上の2つのROM(ROM21、ROM22)のうちどちらに記憶されているかが判断される(S301)。ここで、ROM21に記憶されている場合(S301:YES)、次に、必要とする音源データ及び表示映像データのうち下位16bitが第二メモリ基板303上の2つのROM(ROM23、ROM24)のうちどちらに記憶されているかが判断される(S303)。ここで、ROM23に記憶されている場合(S303:YES)、次に、ROM21及びROM23に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路201及びデコーダ回路202が調整される(S307)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM21から読み出したデータを上位16bit、ROM23から読み出したデータを下位16bitと認識する(S315)。また、必要とする音源データ及び表示映像データのうち上位16bitがROM21に記憶されており(S301:YES)、下位16bitがROM24に記憶されている場合(S303:NO)、ROM21及びROM24に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路201及びデコーダ回路202が調整される(S309)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM21から読み出したデータを上位16bit、ROM24から読み出したデータを下位16bitと認識する(S317)。また、必要とする音源データ及び表示映像データのうち上位16bitがROM22に記憶されており(S301:NO)、下位16bitがROM23に記憶されている場合(S305:YES)、ROM22及びROM23に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路201及びデコーダ回路202が調整される(S311)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM22から読み出したデータを上位16bit、ROM23から読み出したデータを下位16bitと認識する(S319)。また、必要とする音源データ及び表示映像データのうち上位16bitがROM22に記憶されており(S301:NO)、下位16bitがROM24に記憶されている場合(S305:NO)、ROM22及びROM24に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路201及びデコーダ回路202が調整される(S313)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM22から読み出したデータを上位16bit、ROM23から読み出したデータを下位16bitと認識する(S321)。
このような処理をおこなうことにより第一の実施形態と同様の効果が得られるとともに、中継基板の使用により、コントローラユニットがより多くのメモリ空間にアクセスでき、大量のデータを読み出すことができるようになることから、より多様で複雑な音声出力処理や映像表示処理が可能となる。
<第三の実施形態>
次に、図8〜図10を参照し、本発明の第三の実施形態について説明する。図8は、第三の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図であり、図9は、音声制御LSI402のメモリ読み出し処理のフローチャートであり、図10は、表示制御LSI404のメモリ読み出し処理のフローチャートである。なお、以降においては、第一〜第二の実施形態にて説明した図1〜図7と重複する部分については同一の符号を付し、又は省略、簡略化するものとする。
はじめに、図8を参照し、演出制御装置35の電気的構成について説明する。演出制御装置35は、副制御基板43と、メモリ基板405、406からなる。
まず、副制御基板43について説明する。副制御基板43は、音声制御CPU401、音声制御LSI402、表示制御CPU403、表示制御LSI404、RAM201、ROM22、発振器203、コネクタ410、411からなる。ここで、音声制御LSI402は16bitデータバス幅を有する半導体素子であり、音声制御CPU401からの要求に従い、スピーカ(図示外)を制御して音声を出力させる。また、表示制御LSI404は32bitデータバス幅を有する半導体素子であり、表示制御CPU403からの要求に従い、液晶表示機(図示外)を制御して映像を表示させる。
また、音声制御LSI402のアドレスバス431及びデータバス432はコネクタ410に接続される。また、表示制御LSI404のアドレスバス421は基板上424で分岐し、コネクタ410、411に接続される。また、データバス上位16bit422はコネクタ410に接続され、データバス下位16bit423はコネクタ411に接続されている。その他に関する説明は、第一及び第二の実施形態と同一であるため説明を省略する。
次に、メモリ基板405、406ついて説明する。メモリ基板は、第一メモリ基板405、第二メモリ基板406からなり、それぞれ2つのROM(第一メモリ基板405:ROM31及びROM32。第二メモリ基板406:ROM33及びROM34。)、デコーダ回路31(第二メモリ基板406)、コネクタ(第一メモリ基板405:コネクタ412。第二メモリ基板406:コネクタ413)からなる。ここでROM31〜ROM34は16bitのデータバス幅を有する不揮発性記憶素子であり、ROM31には音源データが記憶されており、ROM32〜ROM34には表示映像データが記憶されている。
また、第一メモリ基板405上に配置されているROM31及びROM32におけるアドレスバス427、429、及びデータバス428、430は、直接コネクタ412に接続される。また、第二メモリ基板406上に配置されているROM33及びROM34における双方のアドレスバスは425において電気的に結線され、デコーダ回路31を介してコネクタ413に接続されている。また、データバスは426において電気的に結線され、コネクタ413に接続されている。
さらに、副制御基板43とメモリ基板405、406とを結合することにより、副制御基板43とメモリ基板405、406におけるアドレスバス(431〜427、424〜429〜425)、及びデータバス(432〜428、422〜430、423〜426)が接続される。
さらに、音声制御LSI402のデータバス幅とROMのデータバス幅は同一であり、表示制御LSI404のデータバス幅を「A」とし、ROMのデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
以上のように、第三の実施形態は第一の実施形態又は第二の実施形態と比較し、スピーカを制御するコントローラユニットと液晶表示機を制御するコントローラユニットが別個独立となっている点で異なっている。
次に、図9及び図10を参照し、演出制御装置35がROMから音源データ及び表示映像データを読み出す場合における動作について説明する。
はじめに、図9を参照し、音声制御LSI402によりROMからデータが読み出される場合について説明する。音声制御LSI402はROM31のデータを読み出すが、音声制御LSI402とROM31のデータバス幅は共に16bitであるためデータ変換なしに読み出すことが可能である(S411)。
次に、図10を参照し、表示制御LSI404によりROMからデータが読み出される場合について説明する。はじめに、表示制御LSI403が制御処理を行うに際し、必要とする表示映像データのうち下位16bitが第二メモリ基板406上の2つのROM(ROM33及びROM34)のうちどちらに記憶されているかが判断される(S401)。ここで、ROM33に記憶されている場合(S401:YES)、次に、ROM33に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路301が調整される(S403)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM32から読み出したデータを上位16bit、ROM33から読み出したデータを下位16bitと認識する(S407)。また、必要とする表示映像データのうち下位16bitがROM34に記憶されている場合(S401:NO)、次に、ROM34に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路301が調整される(S405)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM32から読み出したデータを上位16bit、ROM34から読み出したデータを下位16bitと認識する(S409)。
このような処理を行うことにより、第一及び第二の実施形態と同様の効果が得られるとともに、データバス幅の異なる2つのコントローラユニットが副制御基板上に混在するような構成である場合でも、双方からのROMへのアクセスが可能となる。
次に、本実施形態の変形例について図11を参照し説明する。図11は、第三の実施形態の変形例の演出制御装置35を示すブロック図である。図に示すように、第二メモリ基板406の代わりに第三メモリ基板440を用いた構成も有効である。ここで第三メモリ基板440は、4つのROM(ROM330、ROM340、ROM350、ROM360)、デコーダ回路302、コネクタ441を備える。ここで、ROM330〜ROM360は16bitのデータバス幅を有する不揮発性記憶素子であり、表示映像データが記憶されている。また、デコーダ回路302はアドレスバス中チップセレクト信号(図示外)により制御され、第三メモリ基板が備える4つのROMのうちいずれか一つのアドレスバスのみを有効とすることができるものである。そしてROM330〜360におけるアドレスバスは451〜453において電気的に結線され、デコーダ回路302を介してコネクタ441に接続されている。また、データバスは461〜463において電気的に結線され、コネクタ441に接続されている。さらに、副制御基板43と第三メモリ基板440とを結合することにより、副制御基板43と第三メモリ基板440におけるアドレスバス(424〜451〜452〜453)、及びデータバス(423〜461〜462〜463)が接続される。さらに、表示制御LSI404のデータバス幅を「A」とし、ROMのデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
このような構成とすることにより、本構成と比較し、コントローラユニットがより多くのメモリ空間にアクセスでき、大量のデータを読み出すことができるようになることから、より多様で複雑な映像表示処理が可能となる。
さらに、本実施形態の変形例について図12を参照し説明する。図12は、第三の実施形態の変形例の演出制御装置35を示すブロック図である。図に示すように、第二メモリ基板の代わりに第一メモリ基板405と同様の構成を有する第四メモリ基板470と、中継基板471とを用いた構成も有効である。ここで、第四メモリ基板470は、2つのROM(ROM370、ROM380)、コネクタ472を備える。また中継基板471は、デコーダ回路303、コネクタ473、474を備える。ここで、ROM370〜380は、16bitのデータバス幅を有する不揮発性記憶素子であり、表示映像データが記憶されている。また、デコーダ回路303はアドレスバス中チップセレクト信号(図示外)により制御され、第四メモリ基板が備える2つのROMのうちいずれか一つのアドレスバスのみを有効とすることができるものである。そして中継基板471を挟み副制御基板43と第四メモリ基板470とを接続することにより、ROM370〜380におけるアドレスバス483、485は481において電気的に結線され、デコーダ回路303を介して表示制御LSI404におけるアドレスバス424と接続され(424〜481〜483〜485)、データバス484、486は482において電気的に結線され、表示制御LSI404におけるデータバス423と接続される(423〜482〜484〜486)。さらに、表示制御LSI404のデータバス幅を「A」とし、ROMのデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
このような構成とすることにより、本構成と比較し、第一メモリ基板と同様の構成を有するメモリ基板を異なるバス構成のコネクタに接続して使用することが可能となり、共通のメモリ基板を流用することができる点において経済的である。
なお、図示しないが、本実施形態において副制御基板がコントローラユニット毎に分割可能なようにコネクタを備える構成も可能である。このような構成とすることにより、複数のコントローラユニット中一部のみを変更することが可能となり、既存のハードウェアを有効活用できる点において経済的である。
<第四の実施形態>
次に、図13〜図15を参照し、本発明の第四の実施形態について説明する。図13は、第四の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図であり、図14は、表示制御LSI504のメモリ読み出し処理のフローチャートであり、図15は、音声制御LSI502のメモリ読み出し処理のフローチャートである。なお、以降においては、第一〜第三の実施形態にて説明した図1〜図12と重複する部分については同一の符号を付し、又は省略、簡略化するものとする。
はじめに、図13を参照し、演出制御装置35の電気的構成について説明する。演出制御装置35は、副制御基板43と、メモリ基板505、506からなる。
まず、副制御基板43について説明する。副制御基板43は、音声制御CPU501、音声制御LSI502、表示制御CPU503、表示制御LSI504、RAM201、ROM202、発振器203、コネクタ510、512からなる。ここで、音声制御LSI502は32bitデータバス幅を有する半導体素子であり、表示制御LSI504は64bitデータバス幅を有する半導体素子である。また、音声制御LSI502におけるアドレスバスと表示制御LSI504におけるアドレスバスは、524、及び525において電気的に結線され、コネクタ510、512に接続されている。また、音声制御LSI502のデータバスと表示制御LSI504のデータバス上位16bit521は、523において電気的に結線され、コネクタ510に接続されている。また、表示制御LSI504のデータバス下位16bit522は、コネクタ512に接続されている。さらに、ROM読み出し中通知信号用配線5310(以降、「通知信号」という。)により音声制御LSI502と表示制御LSI504とが接続されており、表示制御LSI504からの出力レベルを音声制御LSI502にて検知できるようになっている。その他に関する説明は、第一〜第三の実施形態と同一であるため、省略する。
次に、メモリ基板505、506について説明する。メモリ基板は、第一メモリ基板505と、第二メモリ基板506とからなり、それぞれ、ROM41及びROM42を備えている。ここでROM41及びROM42は32bitのデータバス幅を有する不揮発性記憶素子であり、ROM41には音源データ及び表示映像データが記憶されており、ROM42には表示映像データが記憶されている。そして、それぞれのアドレスバス及びデータバスは、コネクタに直接接続されている。
さらに、副制御基板43とメモリ基板505、506とを結合することにより、副制御基板43とメモリ基板505、506におけるアドレスバス(524〜526、525〜528)、及びデータバス(523〜527、522〜529)が接続される。
さらに、音声制御LSI502のデータバス幅とROMのデータバス幅は同一であり、表示制御LSI504のデータバス幅を「A」とし、ROMのデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
以上のように、第四の実施形態は第三の実施形態と比較し、スピーカを制御するコントローラユニットと液晶表示機を制御するコントローラユニットとのデータバス幅が異なっており、且つ、通知信号5310を有する点で異なっている。
次に、図14及び図15を参照し、演出制御装置35がROMから音源データ及び表示映像データを読み出す動作について説明する。
はじめに、図14を参照し、表示制御LSI504によりROMからデータが読み出される場合について説明する。まず、音声制御LSI502にROM読み出し中であることを通知するため、通知信号5310をアクティブ状態とする(S501)。ここでアクティブ状態とは信号線があらかじめ定めた電位レベルに保持された状態であり、以降では電圧レベルがHi(3.3V、5V等)の状態を指すものとする。通知信号5310による制御を行う理由は、表示制御LSI504と音声制御LSI502との双方が同時に同一のROMにアクセスする状況が発生した場合、異なるデータが読み出されてしまう可能性があり、排他処理によりこの現象を回避するためである。次に、表示制御LSI504が検出できる64ビットデータのうち上位32bitが第一ROMから読み出され、下位32bitが第二ROMから読み出される(S503)。そしてデータの読み出しが終了すると、通知信号をアクティブ状態から元の状態(Low(0V)状態を指すものとする。)に戻す(S505)。
次に、図15を参照し、音声制御LSI502によりROMからデータが読み出される場合について説明する。音声制御LSI502は、ROMからのデータ読み出しを開始する前に、通知信号5310の状態がHi状態であるか否かを判断する(S507)。ここで通知信号がHi状態の場合は、表示制御LSI504がROMデータを読み出し中であると判断し、ROMデータ読み出しを終了するタイミング、すなわち通知信号がHi状態からLow状態となるまでROMの読み出し処理を行わず待機する(S507:NO)。そして、通知信号がLow状態となった(すなわち、表示制御LSI504がROM読み出しを終了した)ことを確認した後(S507:YES)、ROM41より32bitデータの読み出し処理を行う(S509)。
このような処理を行うことにより第三の実施形態と同様の効果が得られるとともに、異なる二つ以上のコントローラユニットが存在し、且つこれらから同一のROMに同時にアクセスする状況が発生する可能性がある場合でも、衝突を回避することが可能となる。
次に、本実施形態の変形例について図16を参照し説明する。図16は、第四の実施形態の変形例の演出制御装置35を示すブロック図である。図に示すように、第一メモリ基板及び第二メモリ基板406の代わりに第三メモリ基板530及び第四メモリ基板531を用いた構成も有効である。ここで第三メモリ基板530は、4つのROM(ROM430、ROM440、ROM450、ROM460)、デコーダ回路401、コネクタ532を備える。また、第四メモリ基板531は、4つのROM(ROM470、ROM480、ROM490、ROM500)、デコーダ回路402、コネクタ533を備える。ここで、ROM430〜ROM500は32bitのデータバス幅を有する不揮発性記憶素子であり、ROM430〜460には音源データ及び表示映像データが記憶されており、ROM470〜ROM500には表示映像データが記憶されている。また、デコーダ回路401、402はアドレスバス中チップセレクト信号(図示外)により制御され、第三メモリ基板530及び第四メモリ基板531が備えるそれぞれ4つのROMのうちいずれか一つのアドレスバスのみを有効とすることができるものである。そしてROM430〜460におけるアドレスバスは540〜542において電気的に結線され、デコーダ回路401を介してコネクタ532に接続されており、ROM470〜500におけるアドレスバスは550〜552において電気的に結線され、デコーダ回路402を介してコネクタ533に接続されている。またROM430〜460におけるデータバスは543〜545において電気的に結線され、コネクタ532に接続されており、ROM470〜500におけるデータバスは553〜555において電気的に結線され、コネクタ533に接続されている。さらに、副制御基板43と第三メモリ基板530とを結合することにより、副制御基板43と第三メモリ基板530におけるアドレスバス(524〜540〜541〜542)、及びデータバス(523〜543〜544〜545)が接続され、副制御基板43と第四メモリ基板531とを結合することにより、副制御基板43と第四メモリ基板531におけるアドレスバス(525〜550〜551〜552)、及びデータバス(522〜553〜554〜555)が接続される。さらに、音声制御LSI502及び表示制御LSI504のデータバス幅を「A」とし、ROMのデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
このような構成とすることにより、本構成と比較し、コントローラユニットがより多くのメモリ空間にアクセスでき、大量のデータを読み出すことができるようになることから、より多様で複雑な映像表示処理が可能となる。
<第五の実施形態>
次に、図17〜19を参照し、本発明の第五の実施形態について説明する。図17は、第五の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図であり、図18は、表示制御LSI604のメモリ読み出し処理のフローチャートであり、図19は、音声制御LSI602のメモリ読み出し処理のフローチャートである。なお、以降においては、第一〜第四の実施形態にて説明した図1〜図16と重複する部分については同一の符号を付し、又は省略、簡略化するものとする。
はじめに、図17を参照し、演出制御装置35の電気的構成について説明する。演出制御装置35は、副制御基板43と、メモリ基板とからなる。
まず、副制御基板43について説明する。副制御基板43は、音声制御CPU601、音声制御LSI602、表示制御CPU603、表示制御LSI604、RAM201、ROM202、発振器203、コネクタ611、612、613からなる。ここで、音声制御LSI602は64bitデータバス幅を有する半導体素子であり、表示制御LSI604は64bitデータバス幅を有する半導体素子である。また、音声制御LSI602におけるアドレスバスと表示制御LSI604におけるアドレスバスは、副制御基板上621、622、623において電気的に結線され、コネクタ611、612、613に接続されている。また、音声制御LSI502のデータバス上位16bit624はコネクタ611に接続されている。また、音声制御LSI602のデータバス下位16bitと表示制御LSI604のデータバス上位16bitは、625において電気的に結線され、コネクタ612に接続されている。また、表示制御LSI604のデータバス下位16bit626は、コネクタ613に接続されている。さらに、通知信号641により音声制御LSI602と表示制御LSI604とが接続されている。その他に関する説明は、第一〜四の実施例と同一であるため、省略する。
次に、メモリ基板605〜607について説明する。メモリ基板は、第一メモリ基板605、第二メモリ基板606、第三メモリ基板607からなり、それぞれ、ROM51、ROM52、ROM53を備えている。ここでROM51〜ROM53は32bitのデータバス幅を有する不揮発性記憶素子であり、ROM51には音源データが記憶されており、ROM53には表示映像データが記憶されており、ROM52には音源データ及び表示映像データが記憶されている。そしてそれぞれのアドレスバス及びデータバスはコネクタ614〜616に直接接続されている。
さらに、副制御基板43とメモリ基板605〜607とを結合することにより、副制御基板43とメモリ基板605〜607におけるアドレスバス(621〜622〜623〜631〜633〜635)、及びデータバス(624〜632、625〜634、626〜636)が接続される。
さらに、音声制御LSI602及び表示制御LSI604のデータバス幅を「A」とし、ROMのデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
以上のように、第五の実施形態は第四の実施形態と比較し、異なるLSIのデータバス幅が同一である点、及びメモリ基板が3つとなっている点で大きく異なっている。
次に、図18及び19を参照し、演出制御装置35がROMから音源データ及び表示映像データを読み出す動作について説明する。
はじめに、図18を参照し、表示制御LSI604によりROMからデータが読み出される場合について説明する。まず、第四の実施形態の場合と同様、音声制御LSI602にROM読み出し中であることを通知するため、通知信号をアクティブ状態に設定する(S601)。次に、表示制御LSI604が検出できる64ビットデータのうち上位32bitがROM52から読み出され、下位32bitがROM53から読み出される(S603)。そしてデータの読み出しが終了すると、通知信号をアクティブ状態から元の状態に戻す(S605)。
次に、図19を参照し、音声制御LSI602によりROMからデータが読み出される場合について説明する。第四の実施形態の場合と同様、ROMからのデータ読み出しを開始する前に、通知信号の状態がHi状態であるか否かを判断する(S607)。ここで通知信号がHi状態の場合は、Low状態となるまでROMの読み出し処理を行わず待機する(S607:NO)。そして、通知信号がLow状態となったことを確認した後(S607:YES)、音声制御LSI602が検出できる64ビットデータのうち上位32bitがROM51から読み出され、下位32bitがROM52から読み出される(S611)。
このような処理を行うことにより、第四の実施形態と同様、異なる二つ以上のコントローラユニットが存在し、且つ同一のROMに異なる報知態様のデータが記憶されているような場合においても、コントローラユニットのROMへのアクセス衝突を回避することが可能となる。
<第六の実施形態>
次に、図20〜図22を参照し、演出制御装置35の第六の実施形態について説明する。図20は、第六の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図であり、図21は、表示制御LSI704のメモリ読み出し処理のフローチャートであり、図22は、音声制御LSI702のメモリ読み出し処理のフローチャートである。なお、以降においては、第一〜第五の実施形態にて説明した図1〜図19と重複する部分については同一の符号を付し、又は省略、簡略化するものとする。
はじめに、演出制御装置35の電気的構成について説明する。演出制御装置35は、副制御基板43と、メモリ基板705、706と、中継基板707とからなる。
まず、副制御基板43について説明する。副制御基板43は、音声制御CPU701、音声制御LSI702、表示制御CPU703、表示制御LSI704、RAM201、ROM202、発振器203、コネクタ711、712からなる。そして、通知信号741により音声制御LSI702と表示制御LSI704とが接続されており、表示制御LSI704からの信号出力を音声制御LSI702にて検知できるようになっている。その他の部分に関しては第三の実施形態と同一であるため省略する。
次に、メモリ基板705、706について説明する。メモリ基板は、第一メモリ基板705、第二メモリ基板706からなり、それぞれ2つのROM(第一メモリ基板705:ROM61及びROM62。第二メモリ基板706:ROM63及びROM64。)、デコーダ回路601(第二メモリ基板706)、コネクタ(第一メモリ基板705:コネクタ717。第二メモリ基板706:コネクタ718)を備えている。そしてROM61及びROM62には音源データ及び表示映像データが記憶されており、ROM63及びROM64には表示映像データが記憶されている。その他の部分に関しては第三の実施形態と同様の電気的構成であるため省略する。
次に、中継基板707について説明する。中継基板707は、コネクタ713〜716、及びデコーダ回路602からなる。そして、副制御基板43と第一メモリ基板705と第二メモリ基板706が中継基板707を介して接続されることにより、副制御基板43とメモリ基板705、706におけるアドレスバス(721〜723〜726〜728〜730)、及びデータバス(722〜724〜727〜729、725〜731)が接続される。
さらに、音声制御LSI702のデータバス幅とROMのデータバス幅は同一であり、表示制御LSI704のデータバス幅を「A」とし、ROMのデータバス幅を「B」とすると、「A=B+B」の関係が成立している。
以上のように、第六の実施形態は第三の実施形態と比較し、副制御基板43上に通知信号741を備えている点、及び副制御基板43とメモリ基板705、706との間に中継基板707が接続されているという点で大きく異なっている。
次に、図21及び図22を参照し、演出制御装置35がROMから音源データ及び表示映像データを読み出す動作について説明する。
はじめに、図21を参照し、表示制御LSI704によりROMからデータが読み出される場合について説明する。まず、第五の実施形態と同様、音声制御LSI702にROM読み出し中であることを通知するため、通知信号741をアクティブ状態に設定する(S701)。次に、表示制御LSI704が制御処理を行うに際し、必要とする表示映像データのうち上位16bitが第一メモリ基板705上の2つのROM(ROM61、ROM62)のうちどちらに記憶されているかが判断される(S703)。ここで、ROM61に記憶されている場合(S703:YES)、次に、必要とする表示映像データのうち下位16bitが第二メモリ基板706上の2つのROM(ROM63、ROM64)のうちどちらに記憶されているかが判断される(S705)。ここで、ROM63に記憶されている場合(S705:YES)、次に、ROM61及びROM63に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路601及びデコーダ回路602が調整される(S709)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM61から読み出したデータを上位16bit、ROM63から読み出したデータを下位16bitと認識する(S717)。また、必要とする表示映像データのうち上位16bitがROM61に記憶されており(S703:YES)、下位16bitがROM64に記憶されている場合(S705:NO)、ROM61及びROM64に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路201及びデコーダ回路202が調整される(S711)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM61から読み出したデータを上位16bit、ROM64から読み出したデータを下位16bitと認識する(S719)。また、必要とする音源データ及び表示映像データのうち上位16bitがROM62に記憶されており(S703:NO)、下位16bitがROM63に記憶されている場合(S707:YES)、ROM62及びROM63に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路601及びデコーダ回路602が調整される(S713)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM62から読み出したデータを上位16bit、ROM63から読み出したデータを下位16bitと認識する(S721)。また、必要とする表示映像データのうち上位16bitがROM62に記憶されており(S703:NO)、下位16bitがROM64に記憶されている場合(S707:NO)、ROM62及びROM64に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路601及びデコーダ回路602が調整される(S715)。そしてこの状態で、データをROMから読み出し、ROM62から読み出したデータを上位16bit、ROM64から読み出したデータを下位16bitと認識する(S723)。
次に、図22を参照し、音声制御LSI702によりROMからデータが読み出される場合について説明する。第五の実施形態と同様、ROMからのデータ読み出しを開始する前に、通知信号の状態がHi状態であるか否かを判断する(S731)。ここで通知信号がHi状態の場合は、Low状態となるまでROMの読み出し処理を行わず待機する(S731:NO)。そして、通知信号がLow状態となったことを確認した後(S731:YES)、音声制御LSI702が制御処理を行うに際し、必要とする音源データが第一メモリ基板705上の2つのROM(ROM61、ROM62)のどちらに記憶されているかが判断される(S735)。ここで、ROM61に記憶されている場合(S735:YES)、次に、ROM61に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路601が調整される(S737)。そしてこの状態で読み出したデータを音声制御LSI702が検出できる16bitデータとして認識する(S741)。また、必要とする音源データがROM62に記憶されている場合(S735:NO)、次に、ROM62に接続されているアドレスバスのみが有効となるようにデコーダ回路601が調整される(S739)。そしてこの状態で読み出したデータを音声制御LSI702が検出できる16bitデータとして認識する(S743)。
このような処理を行うことにより第三の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、中継基板の使用により、コントローラユニットがより多くのメモリ空間にアクセスでき、大量のデータを読み出すことができるようになることから、より多様で複雑な音声出力処理や映像表示処理が可能となる。特に、デコーダ回路が配置されていないようなメモリ基板を使用する場合においても、中継基板自体にデコーダ回路を配置することにより、中継基板を使用した第二の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第七の実施形態>
次に、図23〜図26を参照し、第七の実施形態について説明する。図23は、第七の実施形態の演出制御装置35の詳細を示すブロック図であり、図24は、メモリ読み出し処理時におけるタイミングチャートであり、図25は、音声・電飾・表示制御LSI804のメモリ読み出し処理のフローチャートであり、図26は、音声・電飾・表示制御LSI804の内部処理のフローチャートである。なお、以降においては、第一〜第六の実施形態にて説明した図1〜図22と重複する部分については同一の符号を付し、又は省略、簡略化するものとする。
はじめに、図23を参照し、演出制御装置35の電気的構成について説明する。演出制御装置35は、副制御基板43と、メモリ基板805からなる。
まず、副制御基板43について説明する。副制御基板43は、音声制御CPU801と、電飾制御CPU802と、表示制御CPU803と、音声・電飾・表示制御LSI804と、RAM201と、ROM202と、発振器203とからなる。ここで、音声制御CPU801はサブ統合基板58からの音声出力要求に応じ、音声・電飾・表示制御LSI804に対して具体的なスピーカ制御指示を実行するための半導体素子であり、電飾制御CPU802はサブ統合基板58からの電飾ランプ点灯要求に応じ、音声・電飾・表示制御LSI804に対して具体的な電飾ランプ制御指示を実行するための半導体素子であり、表示制御CPU803はサブ結合基板58からの映像表示要求に応じ、音声・電飾・表示制御LSI804に対して具体的な液晶表示機制御指示を実行するための半導体素子である。また、音声・電飾・表示制御LSIは、音声制御CPU801、電飾制御CPU802、及び表示制御CPU803(以降、以上3つを総称し「制御CPU」という。)からの要求に応じ、接続されているスピーカ(図示外)、電飾ランプ(図示外)、及び液晶表示装置(図示外)の制御を実行するための半導体素子である。ここで、音声・電飾・表示制御LSI804は、内部にアドレスバスの接続先をスイッチングするアナログスイッチ821と、当該アナログスイッチ821を周期的に切り替える制御器822と、音声・電飾・表示制御LSIに接続される合計3組のデータバス及びアドレスバスの値を一定時間保持する、レジスタ72、レジスタ73、レジスタ74を備えている。
また、音声制御CPU801、電飾制御CPU802、及び表示制御CPU803におけるアドレスバス及びデータバスは、それぞれ音声・電飾・表示制御LSIにおけるレジスタ72、レジスタ73、及びレジスタ74と接続されている。また、音声・電飾・表示制御LSI804におけるアナログスイッチ821から延びるアドレスバス及びデータバスは、コネクタ811に接続されている。
次に、メモリ基板805について説明する。メモリ基板805はROM71を備えており、音源データ、電飾ランプの表示態様データ(以降、「電飾データ」という。)及び表示映像データが記憶されている。そしてROM71のアドレスバス及びデータバスがコネクタ812と接続されている。
さらに、副制御基板43とメモリ基板805とを結合することにより、副制御基板43とROM71におけるアドレスバス、データバスが接続される。
なお、本実施形態においては、制御CPUにおける外部メモリアクセス時間が120ns、ROMのメモリアクセス時間が40nsである状態を想定している。ここで、メモリアクセス時間について、図24のタイミングチャートを参照し説明する。
制御CPUについてのメモリアクセス時間とは、ROMに特定アドレスに相当するデータの読み出し要求を行ってから、実際にデータを読み出すことができるまでに要する時間と定義される。ここで、チップセレクト信号901は、制御CPUがROMにデータ読み出し要求を行う際に先行して変位させるため、制御CPUのメモリアクセス時間は、チップセレクトがHi状態からLow状態に変位(904)してから、実際にCPUがROMのデータを読み出し、処理を終了する(チップセレクト信号がLow状態からHi状態に再変位させる(905))までの時間(906)を指す。
また、ROMについてのメモリアクセス時間とは、CPUからデータの読み出し要求を検知してから、実際に要求に応じたデータを出力できるまでに要する時間と定義される。従って、CPUからデータの読み出し要求(すなわち、チップセレクト信号のLow状態への変位(904))を検出してから、アドレスバスの値に相当するデータを出力できる(907)までに要する時間(908)を指す。
従って本実施形態の場合、CPUが読み出し要求を行ってから、実際にデータを読み出せるまでに要する時間(906)が120nsであり、ROMがCPUからの読み出し要求を検出してから、実際にアドレスに相当するデータを送信できるまでに要する時間(908)が40nsであることを想定している。なお本想定時間は、CPU及びROMの形態に応じて変更が可能である。但し、転送速度の高速化の必要性があり、例えばROM読み出し時間がCPUの変更に伴い短縮されるような場合においては、その短縮時間に応じて、読み出し速度や送信速度の高速化のためROM出力時間も40nsより短い時間とすることが望ましい(特に転送速度の高速化の目的がなければ、本想定時間より長い時間に設定してもかまわない)。
次に、図25及び26を参照し、演出制御装置35がROMから音源データ、電飾データ及び表示映像データを読み出す動作について、音声制御CPU701がROMからデータを読み出す場合を例に説明する。なお、動作詳細は制御CPU全てにおいて共通である。
まず前提として、制御器822はアナログスイッチ821を周期的に制御し、レジスタ72〜レジスタ74とROM71との接続状況を切り替えている。すなわち、内部管理するタイマーのクリアリセットを行い(S1001)、次にタイムアップをスタートする(S1003)。そして、40ns経過しているか否かの監視を行い(S1005)、経過していない場合(S1005:NO)は、経過するまで待機する。そして、40ns経過したことを確認すると(S1005:YES)、次に、レジスタ「72〜ROM71」→「レジスタ73〜ROM71」→「レジスタ74〜ROM71」の順で、アナログスイッチ821を切り替える(S1009)。
このような状態において、はじめに、レジスタ72は音声制御CPU801からROM71に対するデータ読み出し要求、すなわち音声制御CPU801のチップセレクト信号(901)の状態がLow状態(904)となる場合を監視し(S1051)、Hi状態である場合(S1051:NO)は、Low状態となるまで待機する。そして、読み出し要求があった(すなわち信号がLow状態(904)となった)場合(S1051:YES)、次に、レジスタ72は、音声制御CPU801が出力したアドレスバスの値を保持する(S1053)。次に、レジスタ72は、制御器822により制御されているアナログスイッチ821が、音声制御CPU801〜ROM71間で電気的に接続(ON)しているか否かを確認する(S1055)。そして、ONしていない場合(S1055:NO)は、ONするまでその状況を保持する。そして、レジスタ72がアナログスイッチ821のONを認識すると(S1055:YES)、次に、ROM71のメモリアクセス時間である40ns(908)経過を監視し(S1059)、未経過の場合(S1059:NO)は、経過するまで待機する。なおこの時間経過(S1059:YES)により、ROM71は音声制御CPU801からの要求アドレスに相当するデータ(903)を出力できる状態となる。次に、レジスタ72は、40ns(908)経過した後、ROM72の出力するデータの値を保持し(S1063)、チップセレクト信号(901)がHi状態(905)となっているか否かを監視する(S1065)。そしてLow状態の場合(S1065:NO)、Hi状態となるまで待機する。理由は、音声制御CPU801がチップセレクト信号(901)をHi状態(905)に制御した場合、音声制御CPU801がデータを認識でき、データ読み出し処理を完了したことを意味しているからである。そしてHi状態を検出した後(S1065:YES)、レジスタ72に保持していた値を解放(S1067)し、処理を終了する。
このような処理を行うことにより、複数のコントローラユニットから共通のメモリへのアクセスが可能となる。また通常、コントローラユニットのメモリアクセス時間がメモリのメモリアクセス時間と比較して低速である場合、全体としてのメモリ読み出し時間はコントローラユニットに依存してしまうが、本実施形態により、メモリ側でアクセス余剰時間を他のコントローラユニットに対してのアクセスに割り当てることが可能となり、全体としてより高速なメモリ読み出し時間を実現できる。
次に、本実施形態の変形例について図27を参照し説明する。図27は、第七の実施形態の変形例の演出制御装置35を示すブロック図である。図に示すように、上記制御器822及びアナログスイッチ821の代わりに、セレクタ830と、セレクタ830からの出力信号により制御CPUとの接続状況が制御されるスイッチ841とを用いた構成も有効である。ここでセレクタ830は、音声・電飾・制御LSI804の外部に配置し、制御CPUからの信号を排他制御できるマルチプレクサ素子である。そしてセレクタ830入力信号は、音声制御CPU801、電飾制御CPU832、表示制御CPU833にそれぞれ接続されており(831、832、833)、セレクタ830出力信号が音声・電飾・表示制御LSI804に接続されている。また、音声・電飾・表示制御LSI804は内部にスイッチ841を備えており、外部セレクタ830からの信号によりスイッチを切り替え、レジスタ72、レジスタ73、レジスタ74のうちいずれかのアドレスバスとメモリ基板805のアドレスバスとを電気的に接続できるようになっている。
このような状態において、制御CPUのうちのいずれかがROM71のデータを読み出す場合、はじめにセレクタ830にスイッチ切替要求信号を出力し、次に、ROM読み出し処理を実行する。ここで、他の制御CPUから同時にスイッチ切替要求がない場合は、セレクタ830は要求のあった制御CPUのアドレスバスとメモリ基板805上ROM71のアドレスバス間のスイッチをONする。一方、他の制御CPUから同時にスイッチ切替要求があった場合、セレクタ830は要求のあった制御CPUのうちいずれかのアドレスバスとメモリ基板805上ROM71のアドレスバス間のスイッチをONする。このような排他制御を行うことにより、制御CPUからのスイッチ切替要求を調整し、択一的にスイッチを制御することができるようになる。
このような構成とすることにより、本構成と比較し、制御CPUの直接的なスイッチ制御が可能となるため、制御器822による複雑なスイッチ切替え制御が不要となるばかりでなく、制御CPU間全体のアクセス頻度が低い場合は、高速なROM71へのアクセスが可能となる。
また、第一〜第七の実施形態におけるROMは、16bit又は32bitのデータバス幅のものを使用しているが、こられのデータバス幅に限定されるものではなく、その他のデータバス幅のROMを使用してもよい。
また、第一〜第七の実施形態におけるメモリ基板に搭載されているROMの数は1又は2であるが、これらの数に限定されるものではなく、3以上搭載されていてもよい。なお、メモリ基板に搭載されているROMの数の合計はおおよそ8以下であることが望ましいが、この限りではない。
また、第一〜第七の実施形態における音声制御LSI、表示制御LSI、音声・表示兼用制御CPU、音声・表示兼用制御LSIのデータバス幅は16bit、32bit、64bit等となっているが、これらのデータバス幅に限定されるものではなく、その他の値であってもよい。
また、第二〜第七の実施形態において、音声制御LSI、表示制御LSI等のデータバス幅とROMのデータバス幅とが「A=B+B」の関係となっているが、この関係に限定されるものではなく、「B」とは異なる数「C」「D」「E」により「A=C+D」「A=E+E+E」等の関係である場合であってもよい。
また、第七の実施形態において、制御CPUは音声制御CPU、電飾制御CPU、及び表示制御CPUとから構成されているが、この構成に限定されるものではなく、この中のうちいずれか2種類のCPUからなる構成であってもよいし、新たなCPU追加により4種類のCPUからなる構成であってもよい。