<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤20が搭載されている。遊技盤20には前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口23,下作動口24,スルーゲート25、可変表示ユニット26、メイン表示部33及び役物用表示部34等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されていると共に、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。電動役物24aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口24への入賞が可能となる。
可変入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。開閉扉22bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部33及び役物用表示部34は、遊技領域の下部側に設けられている。メイン表示部33では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部33にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部33にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部33は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部33にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部34では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部34にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置31が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。このセンターフレーム32は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置31の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面Gの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置31では、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部33において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われる。そして、例えば、遊技結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置31では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部33及び図柄表示装置31にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム32の前面側における左上部分には、メイン表示部33及び図柄表示装置31に対応した第1保留発光部(第1保留ランプ部)35が設けられている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム32の右上部分には、役物用表示部34に対応した第2保留発光部(第2保留ランプ部)36が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留発光部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部35,36の機能が図柄表示装置31の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤20には、レール部37が取り付けられており、当該レール部37により誘導レールが構成され、内枠において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に発射操作手段として設けられた発射ハンドル41が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部42が形成されている。窓部42は、略楕円形状をなし、図示しない窓パネルが嵌め込まれている。窓パネルは、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部42の周囲には、複数の発光手段が設けられている。具体的には、窓部42の上方には、横方向の中央部分、その左右両側、及び左右の隅角部分のそれぞれに発光部44a〜44cが設けられている。また、窓部42の左右の側方から下方に亘っても複数の発光部44d〜44kが設けられている。これら各発光部44a〜44kは、LEDといった発光体が搭載された発光用基板と、前扉枠14の表面を構成するとともに対応する発光体の光の照射方向の先側に設けられた発光カバーと、を備えており、当該発光カバーが光を透過可能に形成されていることで発光体から照射された光をパチンコ機10前方から視認可能となっている。また、各発光体として、複数種類の色の光を照射可能なものが用いられているが、単一の色の光を照射するものが用いられていてもよい。
また、窓部42の周囲には、上記各発光部44a〜44kの他に、演出に応じたメロディや遊技状態に応じた効果音といった、音(音声を含む)を出力するためのスピーカ部45が設けられている。スピーカ部45は、前扉枠14の上側の各隅角部分に1個ずつ設けられているが、これに限定されることはなく、前扉枠14の下側や外枠11側に設けられていてもよい。各スピーカ部45は、音出力手段(又は可聴音出力手段)としてのスピーカ装置と、前扉枠14の表面を構成するとともに対応するスピーカ装置の音の出力先側に設けられたスピーカカバーと、を備えており、当該スピーカカバーが音をパチンコ機10前方へ伝播可能に形成されている。
前扉枠14における窓部42の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部46と下側膨出部47とが上下に並設されている。上側膨出部46内側には上方に開口した上皿46aが設けられており、下側膨出部47内側には同じく上方に開口した下皿47aが設けられている。上皿46aは、裏パックユニットに設けられた払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿47aは、上皿46a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿46a及び下皿47aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
内枠の背面側には、主制御装置と、音光制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図2のブロック図に基づき説明する。
主制御装置50は、遊技の主たる制御を司る主制御基板51と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)55と、を具備している。主制御基板51には、メインMPU52が搭載されている。メインMPU52には、制御部及び演算部を含む中央演算処理装置であるCPUの他に、ROM53及びRWM54が内蔵されている。
ROM53は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM53は、メインMPU52により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM54は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM53よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM54は、ROM53内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、メインMPU52又は主制御基板51には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、メインMPU52に対してROM53及びRWM54が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
メインMPU52には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。メインMPU52の入力側には、停電監視基板55、払出制御装置61及び各種入賞検知センサ56a〜56hなどが接続されている。停電監視基板55には電源及び発射制御装置63が接続されており、メインMPU52には停電監視基板55を介して電力が供給される。また、各種入賞検知センサ56a〜56hの検知結果に基づいて、メインMPU52において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、メインMPU52では、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート25への入賞に基づいてサポート抽選を実行する。
メインMPU52の出力側には、停電監視基板55、払出制御装置61及び音光制御装置71が接続されている。払出制御装置61には、例えば、上記入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音光制御装置71には、変動用コマンド、種別コマンド、最終停止コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
また、メインMPU52の出力側には、可変入賞装置22の開閉扉22bを開閉動作させる可変入賞駆動部57、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる役物駆動部58、メイン表示部33及び役物用表示部34が接続されている。主制御基板51には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてメインMPU52は各種駆動部の駆動制御を実行する。また、図示による説明は省略するが、第1保留発光部35及び第2保留発光部36の発光制御もメインMPU52により行われる。
停電監視基板55は、主制御基板51と電源及び発射制御装置63とを中継し、また電源及び発射制御装置63から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置61は、主制御装置50から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置62により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置63は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板51や払出制御装置61等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置63は、遊技球発射機構64の発射制御を担うものであり、発射ハンドル41に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構64を駆動する。
音光制御装置71は、主制御装置50から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた発光部44a〜44k及びスピーカ部45を駆動制御するとともに、表示制御装置72を制御するものである。表示制御装置72では、音光制御装置71から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置31の表示制御を実行する。
<メインMPU52にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、メインMPU52にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図3を用いて説明する。
メインMPU52は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、役物用表示部34の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図3に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部33及び図柄表示装置31における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RWM54の抽選用カウンタエリア54aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア54bに格納される。
保留格納エリア54bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部33の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM53における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口22aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置22の1回の開放態様が、大入賞口22aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構64が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置22の1回の開放が行われた場合には、大入賞口22aに対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置22の1回の開放が行われた場合には、大入賞口22aへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口22aの開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口22aの開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口22aの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口24の電動役物24aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物24aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物24aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口24よりも上作動口23への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口23よりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口24への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート25への入賞に基づき役物用表示部34にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部34における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM53における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、低入賞高確大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、最有利大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置31における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置31の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM53のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部33における変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置31における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とをメインMPU52において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部33における変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM53の変動表示時間テーブル記憶エリア(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRWM54に設けられた電役保留エリア54cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<メインMPU52にて実行される各種処理について>
次に、メインMPU52にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるメインMPU52の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図4のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRWM54のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてメインMPU52の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置63に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RWM54の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RWM54の初期化として当該RWM54をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRWM54の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音光制御装置71に送信する。また、払出制御装置61のRWMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置61に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、メインMPU52はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RWM54の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図5のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、メインMPU52にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板51には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とメインMPU52との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをメインMPU52にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からメインMPU52に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。メインMPU52では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、メインMPU52における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はメインMPU52における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、メインMPU52の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板55から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部57,58に行うための処理を実行する。例えば、大入賞口22aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部57への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口24の電動役物24aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には役物駆動部58への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ56a〜56hから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口21、大入賞口22a、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RWM54に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射ハンドル41に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ56a〜56hの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア54bに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、その時点における大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア54bに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、それら各処理の結果に応じた継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音光制御装置71に送信するとともに、メイン表示部33における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、メイン表示部33及び図柄表示装置31にて遊技回用の演出が開始される。
また、特図特電制御処理では、1遊技回の実行中にはその遊技回の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンド(又は確定コマンド)を音光制御装置71に送信する。また、特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音光制御装置71に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されること(又は可変入賞装置22が開放状態となること)を示す開放コマンドを音光制御装置71に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されること(又は可変入賞装置22が閉鎖状態となること)を示す閉鎖コマンドを音光制御装置71に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音光制御装置71に送信するとともに、開閉実行モード後の当否抽選モードやサポートモードを設定するための処理を実行する。
タイマ割込み処理においてステップS214の特図特電制御処理を実行した後は、ステップS215にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート25への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口24の電動役物24aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部33に係る保留情報の増減個数を第1保留発光部35に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部34に係る保留情報の増減個数を第2保留発光部36に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部33の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部34の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置31の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出制御装置61から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。メインMPU52では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。メインMPU52では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<演出の実行制御に係る電気的構成>
次に、演出の実行制御に係る電気的構成について、図6のブロック図を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、主制御装置50からの指示に基づき演出の実行を制御するための制御装置として、音光制御装置71及び表示制御装置72を備えている。音光制御装置71は、図6に示すように、サブMPU82が搭載された音光制御基板81を備えている。サブMPU82には、制御部及び演算部を含む中央演算処理装置であるCPU83の他に、直接用ROM84及びRWM85が内蔵されている。これらCPU83、直接用ROM84及びRWM85はバスを介して相互に接続されている。
直接用ROM84は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該直接用ROM84は、各種の制御プログラムやそのプログラムに応じた処理の実行に際して利用される固定値データを記憶しており、CPU83は、直接用ROM84に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行することで、主制御装置50からの指示に基づく演出の実行を制御する。直接用ROM84は、サブMPU82内の内部バスを介してCPU83と接続されていることに起因して、そのデータ容量を増大化することが比較的困難であり、具体的にはそのデータ容量は2Mバイトとなっている。
RWM85は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に直接用ROM84よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM85は、直接用ROM84内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。なお、サブMPU82に対して直接用ROM84及びRWM85が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
サブMPU82では、主制御装置50からの指示に基づき、所定期間における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容に応じたコマンドを表示制御装置72に送信する。かかるコマンドは、サブMPU82と表示MPU102とを接続するように設けられた信号経路が利用される。
表示制御装置72は、表示MPU102、描画LSIとして設けられたVDP103及び画像用ROM104が搭載された表示制御基板101を備えており、表示MPU102ではサブMPU82から受信したコマンドに応じて所定期間における表示演出の内容を決定し、その決定した表示演出の内容に応じた内部コマンドをVDP103に対して定期的に送信する。
VDP103では、表示MPU102から受信した内部コマンドに応じて画像用ROM104から画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用して各画像の更新タイミングにおける描画データを作成する。そして、その作成した描画データに応じた描画信号を図柄表示装置31に出力することで、各更新タイミングに対応した画像を図柄表示装置31の表示画面Gにて表示させる。
音光制御装置71の説明に戻り、サブMPU82は、所定期間における演出の内容を決定した場合、表示制御装置72だけでなく各種発光部44a〜44kの発光制御を実行する。この場合、図6では、サブMPU82と各種発光部44a〜44kとが直接接続されているように記載されているが、これに限定されることはなく、サブMPU82と各種発光部44a〜44kとの間に駆動回路が介在していてもよく、中継基板が介在していてもよい。
サブMPU82は、所定期間における演出の内容を決定した場合、スピーカ部45の駆動制御を実行する。かかるスピーカ部45の駆動制御に際しては、音出力LSI86及び共通用ROM87が利用される。
共通用ROM87は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該共通用ROM87は、CPU83に直接接続されているのではなく、音出力LSI86に対して外付けされていることに起因して、そのデータ容量を増大化することは直接用ROM84に比べて容易であり、具体的にはそのデータ容量は1Gビットとなっている。但し、このデータ容量は任意であり、500Mビットや、4Gビットであってもよい。
音出力LSI86は、I/F91と、レジスタ92と、音データ処理部93と、DAC94と、データ転送部95と、を備えており、サブMPU82から送信されるデータに従ってスピーカ部45から音を出力するための制御を実行する。
I/F91は、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB1を介してサブMPU82との間で音出力LSI86が通信を行うためのインターフェースである。このI/F91に接続されたバスB1は8本の信号経路L1〜L8から構成されており、各信号経路L1〜L8を介して、サブMPU82と音出力LSI86との間でデータの送受信が行われる。
レジスタ92は、音出力LSI86にて利用される各種データを一時的に記憶するための記憶手段としての機能を有しており、記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリを読み書き両用として利用するように構成されている。また、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に、直接用ROM84及び共通用ROM87よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。
当該レジスタ92は、複数のデータを同時に記憶保持可能なように、多数バイトのデータ容量を有しており、キロバイト又はメガバイトの単位のデータ容量を有している。具体的には、10キロバイト程度のデータ容量を有している。
音データ処理部93は、サブMPU82から送信されレジスタ92に記憶されているシーケンスデータ及びパラメータデータを音の出力を行う上で利用可能なように変換するとともに、その変換結果の内容と共通用ROM87から読み出された音データとを利用してデジタル楽音データを作成する機能を有する。ちなみに、シーケンスデータには、一連の音の出力開始タイミングや出力順序を示す時間データが含まれており、パラメータデータには、所定のタイミングにおける音の音高、音量及び音色などを定めるデータが含まれている。
また、音データ処理部93は、同時に複数の異なる音を出力可能とするように複数の発音チャンネルの機能を有しており、発音チャンネル毎に作成したデジタル楽音データを合成してデジタル合成楽音データを作成する機能を有する。なお、複数の発音チャンネルとして、16チャンネル分の機能を有しているが、このチャンネル数は任意である。また、仮想トラックを利用することにより、実際の発音チャンネル数よりも多い数のトラック(例えば64トラック)を利用可能となっているが、かかる仮想トラックを利用しない構成としてもよい。
DAC94は、デジタル/アナログコンバータである。DAC94では、音データ処理部93にて作成されたデジタル楽音データ又はデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換したものをアナログ音声信号としてスピーカ部45に出力する機能を有している。
データ転送部95は、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB2を介して共通用ROM87と接続されており、当該共通用ROM87から読み出したデータをレジスタ92に転送する機能を有している。このデータ転送部95と共通用ROM87との間に設けられたバスB2は16本の信号経路から構成されており、その信号経路の数はサブMPU82とI/F91との間のバスB1よりも多い数となっている。そして、データ転送部95と共通用ROM87との間のデータの通信速度は、サブMPU82とI/F91との間のデータの通信速度よりも速いものとなっている。データ転送部95では、音データ処理部93においてシーケンスデータ及びパラメータデータから変換されたデータに基づき、音の出力に必要な音データを共通用ROM87から読み出し、レジスタ92に記憶させる。
ここで、データ転送部95は、音データ処理部93において必要な音データをレジスタ92に転送する機能だけでなく、サブMPU82において必要なデータを共通用ROM87から読み出してレジスタ92に記憶させるとともに、そのレジスタ92に記憶させたデータをサブMPU82に転送する機能を有している。かかるデータ転送に係る構成について以下に説明する。
<直接用ROM84及び共通用ROM87のデータ構成>
先ず、直接用ROM84及び共通用ROM87のデータ構成について、図7を参照しながら説明する。図7(a)は直接用ROM84のデータ構成を説明するための説明図であり、図7(b)は共通用ROM87のデータ構成を説明するための説明図である。
図7(a)に示すように、直接用ROM84には、サブMPU82のCPU83にて演出制御用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)が予め記憶されている。これらプログラム及び処理用データには、各演出を実行するために利用されるデータテーブルや、音出力LSI86に提供するためのシーケンスデータ及びパラメータデータを含む。当該CPU83にて演出制御用の処理を実行するために必要なプログラム及び処理用データは、直接用ROM84に全て記憶されている。
直接用ROM84には、プログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)だけでなく、各種発光部44a〜44kの発光制御を行うために利用される発光データ(1),発光データ(2),・・・,発光データ(Q)が予め記憶されている。これら各発光データには、所定の演出の期間において、各種発光部44a〜44kのうち点灯対象となる発光部の種類、点灯期間、及び点灯順序の情報が設定されており、これらの発光パターンの内容が各発光データの種類に応じて異なっている。直接用ROM84に記憶されている各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
一方、図7(b)に示すように、共通用ROM87には、スピーカ部45から所定の音を出力するために利用される音データ(1),音データ(2),・・・,音データ(S)が予め記憶されている。これら各音データは、各種の音色に対応する楽器によって実際に発音させたメロディや音をサンプリングして得られた波形データを含むとともに、歌詞付きのメロディについては各種の音色に対応する楽器によって発音させたメロディの他に、音声をサンプリングして得られた波形データを含む。音データは、共通用ROM87に全て記憶されている。
ここで、音データの詳細について、図8を参照しながら説明する。図8(a)は音の波形の一例をアナログ信号で示す図であり、図8(b)はその波形をデジタル信号で示す図である。
音データは、図8(a)に示すようなアナログ信号を、パルス符号変調(PCM)により、図8(b)に示すように、所定のサンプリング周波数及び所定の量子化信号数でパルス列に変換されたデジタル信号のデータである。具体的には、サンプリング周波数は44.1kHzであるとともに、量子化信号数は16bitである。したがって、1sec間のアナログ信号からなる音の波形データは、1×44.1k×16bitのデータ量となる。ちなみに、この場合のサンプリング周期T1は、22.7μsecとなる。
音データは、パルス符号変調された1パルス分のデータ、すなわち1サンプル分のデータ毎に共通用ROM87から読み出し可能に設定されている。つまり、1サンプル分のデータ毎にアドレス設定がなされており、音出力LSI86のデータ転送部95は1サンプル分のデータ単位で共通用ROM87からのデータ転送を行うことができるようになっている。
なお、サンプリング周波数は、良好な標本化を実現できるのであれば、44.1kHzに限定されることはなく、例えば32kHz、48kHz又は96kHzであってもよい。また、量子化信号数も16bitに限定されることはなく、良好な量子化を実現できるのであれば、16bit以外のビット数であってもよい。
図7(b)の説明に戻り、共通用ROM87には、音データ(1),音データ(2),・・・音データ(S)だけでなく、発光データ(Q+1),発光データ(Q+2),・・・,発光データ(R)が予め記憶されている。これら各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
上記のようにサブMPU82にて利用される発光データは、当該サブMPU82のCPU83に対してバスを介して直接接続された直接用ROM84だけではなく、音出力LSI86に接続された共通用ROM87にも記憶されている。換言すれば、発光データは、直接用ROM84と、共通用ROM87とに分配して記憶されている。
このように共通用ROM87に対して発光データを記憶させておくことで、直接用ROM84の記憶容量を増加させなくても、発光データのデータ容量を増加させることが可能となる。特に、直接用ROM84は、既に説明したとおり、サブMPU82内の内部バスを介してCPU83と接続されていることに起因して、そのデータ容量を増大化することが比較的困難であり、データ容量を増大化しようとするとその内部バス幅の拡張を要することとなり、それへの対応は容易なものではない。これに対して、共通用ROM87は、既に説明したとおり、CPU83に直接接続されているのではなく、音出力LSI86に対して外付けされていることに起因して、そのデータ容量を増大化することは比較的容易である。そして、当該共通用ROM87に発光データを記憶させることで、発光データのデータ容量の増大化に良好に対処することが可能となる。
また、基本的にROMへのデータ設定に際しては、全データ容量の数%程度(例えば2%程度)がブランク(未使用の領域)となっている。この場合に、例えば共通用ROM87のデータ容量が1Gビットであると仮定した場合、ブランクは20Mビットとなる。このデータ容量は、直接用ROM84のデータ容量である2Mバイトに比べて大きなデータ容量である。本構成によれば、このようなブランクを利用して発光データを分配して保存しておくことが可能となる。
さらにまた、音データは所定期間分のメロディや音声に対応したものであるため、一連の出力を行うためのデータ容量は比較的大きなものとなる。そうすると、音データはデータ容量の融通がききづらいものとなり、この点からも共通用ROM87にブランクが生じ易くなる。そして、本構成によれば、このようなブランクを利用して発光データを分配して保存しておくことが可能となる。
共通用ROM87に記憶されている発光データは、サブMPU82にて利用されるものであり、当該サブMPU82にて利用する必要が生じた際に、サブMPU82からの転送指示に応じて音出力LSI86にて共通用ROM87からの発光データの読み出しが行われ、その読み出された発光データがサブMPU82に転送される。そして、この転送に際しては、サブMPU82と音出力LSI86とを接続するバスB1が利用される。つまり、サブMPU82から音出力LSI86、又は音出力LSI86からサブMPU82へデータ転送を行うための信号経路を利用して、共通用ROM87に分配して記憶されている発光データがサブMPU82に転送される。これにより、例えば直接用ROM84とは別のROMをサブMPU82に対して外付けし、且つそのROMに余剰となる発光データを記憶させる構成に比べて、信号経路の数を増加させることなく余剰となる発光データを記憶しておくことが可能となる。
サブMPU82にて利用されるプログラム及び処理用データと、発光データとのうち、プログラム及び処理用データはその全てを直接用ROM84に記憶させておき、発光データの一部を共通用ROM87に記憶させておく構成とすることにより、データの配分を良好に行うことが可能となる。つまり、プログラム及び処理用データを共通用ROM87へ配分してしまうと、そのプログラム及び処理用データをサブMPU82のRWM85に転送してくるためのプログラム及び処理用データが別途必要になりプログラムの設計が煩雑なものとなる。これに対して、発光データは、元々、その発光データが記憶されているアドレスを把握して、そのアドレスに基づき発光データを読み出して転送させ、それを利用可能なように展開するという方式であるため、発光データを配分したとしてもプログラムの設計が煩雑なものとなりにくい。
また、サブMPU82は、主制御装置50から演出系のコマンドが送信された場合、先ずプログラムを利用してそのコマンドに対応した所定の処理を実行し、その所定の処理の実行過程で発光データを利用して各種発光部44a〜44kを制御する。つまり、プログラムは主制御装置50からのコマンドの受信に対して突発的に読み出す必要があり読み出されるタイミングの任意性が高いのに対して、発光データは所定の処理の実行過程で利用されるため読み出されるタイミングの任意性が低い。また、プログラムを利用した所定の処理の実行を前提として発光データが利用されるため、読み出しの優先度はプログラムの方が高く、プログラムの読み出しが遅延されてしまうと処理待ち状態となってしまう。このような事情において、プログラムは直接用ROM84に記憶されており、発光データの少なくとも一部が共通用ROM87に記憶されていることで、プログラムは音出力LSI86の状態に関係なくサブMPU82にて独自に読み出すことができるようにしながら、プログラムに比べてデータ量が大きくなり易い発光データについてデータ量の増大化を良好に実現することが可能となる。
さらにまた、発光データの全てを共通用ROM87に記憶させるのではなく、発光データの一部を直接用ROM84に記憶させるとともに、残りを共通用ROM87に記憶させる構成であるため、共通用ROM87のデータ容量を極端に増加させることを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
<音出力LSI86のレジスタ92の構成>
次に、サブMPU82から音出力LSI86に音の出力指示を行うとともに、共通用ROM87に記憶された音データを音出力LSI86からサブMPU82に転送するために利用されるレジスタ92の構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、レジスタ92の構成を説明するための概念図である。
図9に示すように、音出力LSI86のレジスタ92には、サブMPU82による音出力LSI86への音の出力指示を行う際にデータ設定が行われるエリア111〜115と、サブMPU82からのデータ転送指示に基づき共通用ROM87から読み出したデータを一時的に記憶保持しておくためのバッファ116〜120と、音出力LSI86に対してデータ転送指示を行う際にデータ設定が行われるエリア121と、音出力LSI86の内部状態をサブMPU82において認識するためのエリア122と、がそれぞれ別に設けられている。
上記各エリア111〜122について詳細には、音の出力指示を行う際にデータ設定が行われるエリアとして、第1パラメータ用のエリア111、第2パラメータ用のエリア112、第3パラメータ用のエリア113及び第4パラメータ用のエリア114といったパラメータ用のエリア111〜114を複数備えている。また、その他に、シーケンスデータ用のエリア115を備えている。
各パラメータ用のエリア111〜114には、メロディや効果音の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納されるとともに、音声の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納される。このようにパラメータ用のエリア111〜114が複数設けられていることにより、複数の音を同時発音可能となっている。また、シーケンスデータ用のエリア115には、既に説明したシーケンスデータが格納される。
ちなみに、音出力LSI86は、16チャンネル分の機能を有しているため、一のパラメータ用のエリアには複数(具体的には4個)のチャンネル分のパラメータデータが格納される。また、仮想トラックを利用する構成においては、一のパラメータ用のエリアにより多くの数のパラメータが格納されるようにしてもよい。
サブMPU82から音出力LSI86へのデータ転送指示を行う際にデータ設定が行われるエリアとして、転送指示用エリア121が設けられている。転送指示用エリア121には、サブMPU82において必要な発光データのアドレスデータが格納されるとともに、共通用ROM87から音出力LSI86に読み出された発光データのサブMPU82への転送指示を与えるデータが格納される。
サブMPU82からのデータ転送指示に基づき共通用ROM87から読み出したデータを一時的に記憶保持しておくためのエリアとして、外部読み出し用のバッファ116〜120が複数設けられている。サブMPU82において必要な発光データは、外部読み出し用のバッファ116〜120に一旦格納され、所定の読み出しタイミングとなった際にサブMPU82に転送される。
音出力LSI86の内部状態をサブMPU82において認識するためのエリアとして、フラグ用エリア122が設けられている。フラグ用エリア122としては、例えば読み出し完了フラグが設けられており、サブMPU82からのデータ転送指示に対して、対応するデータの共通用ROM87から外部読み出し用のバッファ116〜120への転送が完了した場合に、当該読み出し完了フラグに「1」が格納され、その事実がサブMPU82において把握される。
上記各エリア111〜115,121〜122及び各バッファ116〜120はいずれもサブMPU82からアクセス可能なエリアであるが、それら各エリア111〜115,121〜122やバッファ116〜120に同時にアクセスされるのではなく、アクセス可能な対象が切り換えられる構成となっている。つまり、サブMPU82において同時にアクセス可能なエリアの数は、サブMPU82と音出力LSI86との間のバスB1を構成する信号経路L1〜L8の数に対応している(バスB1の各信号経路L1〜L8については図6参照)。
具体的には、バスB1を構成する第1信号経路L1に対応する第1エリア131として、第1パラメータ用のエリア111及び一の外部読み出し用のバッファ116が割り当てられており、バスB1を構成する第2信号経路L2に対応する第2エリア132として、第2パラメータ用のエリア112及び一の外部読み出し用のバッファ117が割り当てられており、バスB1を構成する第3信号経路L3に対応する第3エリア133として、第3パラメータ用のエリア113及び一の外部読み出し用のバッファ118が割り当てられており、バスB1を構成する第4信号経路L4に対応する第4エリア134として、第4パラメータ用のエリア114及び一の外部読み出し用のバッファ119が割り当てられている。また、バスB1を構成する第5信号経路L5に対応する第5エリア135として、シーケンスデータ用のエリア115及び一の外部読み出し用のバッファ120が割り当てられている。
バスB1を構成する第6信号経路L6に対応するエリアとして、転送指示用エリア121が割り当てられており、バスB1を構成する第7信号経路L7に対応するエリアとして、フラグ用エリア122が割り当てられている。
レジスタ92に対しては、第1エリア131〜第5エリア135のそれぞれに対応させてセレクタ136が設けられており、当該セレクタ136により第1エリア131〜第5エリア135としてサブMPU82がアクセス可能なエリアが切り換えられるようになっている。そして、この切り換えは、バスB1を構成する第8信号経路L8に対応させてレジスタ92に設けられたセレクタ用エリア137への二値の切り換えを通じて行われる。
詳細には、セレクタ用エリア137の情報が初期値である「0」である場合には、セレクタ136によるアクセス対象のエリアの設定により、第1エリア131〜第5エリア135は音出力制御用のエリア111〜115に対応したものとなる。つまり、セレクタ用エリア137の情報が初期値である場合には、サブMPU82は、各パラメータ用のエリア111〜114と、シーケンスデータ用のエリア115とにアクセス可能であり、音出力LSI86に対して音の出力指示を行うことが可能な状態となる。すなわち、音出力LSI86はサブMPU82に対して第1の干渉状態となる。
セレクタ用エリア137の情報が切換実行値である「1」である場合には、セレクタ136によるアクセス対象のエリアの設定により、第1エリア131〜第5エリア135は外部読み出し用のバッファ116〜120に対応したものとなる。つまり、セレクタ用エリア137の情報が切換実行値である場合には、サブMPU82は、外部読み出し用のバッファ116〜120にアクセス可能であり、転送指示を行ったデータの読み出しを行うことが可能な状態となる。すなわち、音出力LSI86はサブMPU82に対して第2の干渉状態となる。
一方、転送指示用エリア121、フラグ用エリア122及びセレクタ用エリア137は、セレクタ136による切換対象となっていない。したがって、音出力LSI86がいずれの干渉状態であっても、サブMPU82は転送指示用エリア121、フラグ用エリア122及びセレクタ用エリア137にアクセス可能となっている。
<サブMPU82にて実行される各種処理について>
次に、サブMPU82にてプログラムに基づき実行される処理を説明する。
サブMPU82では、動作電力が供給されている状況では、定期的(例えば2msec)に演出制御処理を実行する。ちなみに、演出制御処理を実行する前段階において、当該演出制御処理を実行するためのプログラムが直接用ROM84から読み出されている。
演出制御処理では、図10のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、主制御装置50から演出系のコマンドを受信しているか否かを判定する。この演出系のコマンドとしては、既に説明した、変動用コマンド及び種別コマンドの組合せと、最終停止コマンドと、オープニングコマンドと、開放コマンドと、閉鎖コマンドと、エンディングコマンドと、が含まれる。いずれかの演出系のコマンドを受信している場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、データテーブルの読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、今回受信した演出系のコマンドに対応したデータテーブルを直接用ROM84から読み出す。当該データテーブルは、直接用ROM84においてプログラム及び処理用データとして記憶されており、演出の種類に応じて複数種類設定されている。そして、サブMPU82では、このデータテーブルを参照しながら、それに定められている処理を実行することで、各演出における発光制御及び音出力制御を実行する。具体的には、データテーブルには、対応する演出の概要が時間の経過に即して定められており、サブMPU82ではデータテーブルを参照することで、読み出すべき発光データの種類の情報、実行すべき発光データの種類や内容の情報、出力指示すべきシーケンスデータやパラメータデータの種類の情報を把握する。ちなみに、サブMPU82では、データテーブルのポインタの更新を利用して、各処理タイミングにおいてデータテーブルの参照すべき情報を特定する。
続くステップS303では、表示系コマンドの出力処理を実行する。当該出力処理では、ステップS302にて読み出したデータテーブルに対して1対1で対応する表示系コマンドを直接用ROM84から読み出し、その読み出した表示系コマンドを表示制御装置72に出力する。これにより、表示制御装置72において今回の実行指示に係る表示演出に対応した画像を図柄表示装置31に表示させることが可能となる。なお、表示系コマンドは、直接用ROM84においてプログラム及び処理用データとして記憶されている。
ステップS301にて否定判定をした場合、又はステップS303の処理を実行した場合には、ステップS304にて、データテーブルの情報に基づき、発光データの転送指示タイミングであるか否かを判定する。転送指示タイミングである場合には、ステップS305にて、データテーブルの情報に基づき、今回の転送指示タイミングに対応した発光データが直接用ROM84及び共通用ROM87のうち直接用ROM84に記憶されているか否かを判定する。
直接用ROM84である場合には、ステップS306にて、直接用ROM84に対して転送指示を与えることで、今回の転送指示対象の発光データを付属のRWM85に読み出させて展開させる。これにより、当該発光データを利用した発光制御を実行することが可能となる。
一方、共通用ROM87である場合には、ステップS307にて、音出力LSI86への読み出しアドレスの設定処理を実行する。具体的には、共通用ROM87において今回の転送指示対象の発光データが記憶されているアドレスデータを直接用ROM84のプログラム及び処理用データから読み出し、その読み出したアドレスデータを、バスB1を介して音出力LSI86に送信する。音出力LSI86に送信されたアドレスデータは、音出力LSI86のレジスタ92における転送指示用エリア121に保存される。
続くステップS308では、RWM85へのフラグ設定を通じて、発光データの転送待ち状態に設定する。当該転送待ち状態の設定が行われることで、音出力LSI86に対して発光データの転送指示を与えた後であって、その転送待ち状態であることをサブMPU82において認識することが可能となる。
ステップS304にて否定判定をした場合、ステップ306の処理を実行した場合、又はステップS308の処理を実行した場合には、ステップS309に進む。ステップS309では、データテーブルの情報に基づき、発光制御の実行タイミングであるか否かを判定する。発光制御の実行タイミングである場合には、ステップS310にて、RWM85に展開されている発光データの内容を確認し、続くステップS311にて、その確認した発光データに応じた発光制御を各種発光部44a〜44kに対して実行する。
ステップS309にて否定判定をした場合、又はステップS311の処理を実行した場合には、ステップS312に進む。ステップS312では、データテーブルの情報に基づき、音出力制御の実行タイミングであるか否かを判定する。音出力制御の実行タイミングである場合には、ステップS313にて、今回の音出力制御対象のシーケンスデータ及びパラメータデータを直接用ROM84のプログラム及び処理用データから読み出し、続くステップS314にて、その読み出したシーケンスデータ及びパラメータデータをバスB1を介して音出力LSI86に送信する。この場合、音出力LSI86は第1の干渉状態となっており、音出力LSI86に送信されたパラメータデータは音出力LSI86のレジスタ92における対応するパラメータ用のエリア111〜114に保存されるとともに、シーケンスデータは音出力LSI86のレジスタ92におけるシーケンスデータ用のエリア115に保存される。
ステップS312にて否定判定をした場合、又はステップS314の処理を実行した場合には、ステップS315に進む。ステップS315では、発光データの転送待ち状態であるか否かを判定する。発光データの転送待ち状態である場合には、ステップS316にて、発光データの転送用処理を実行する。
ステップS315にて否定判定をした場合、又はステップS316の処理を実行した場合には、ステップS317に進む。ステップS317では、音出力中信号を受信しているか否かを判定する。音出力中信号は、音出力LSI86においてサブMPU82からの出力指示に係る音の出力を実行できている状況で定期的に音出力LSI86からバスB1を介して出力される信号であり、サブMPU82では当該演出制御処理とは別の処理にてその音出力中信号を定期的に監視している。そして、本来なら受信しているはずの状況で音出力中信号を受信していない場合に、ステップS317にて音出力中信号を受信していないと判定する。
音出力中信号を受信している場合には、ステップS317にて肯定判定をし、そのまま本演出制御処理を終了する。一方、音出力中信号を受信していない場合には、ステップS318にて非出力時の処理を実行した後に、本演出制御処理を終了する。非出力時の処理では、音の出力が良好に実行できない状況であることを示す報知用の処理を実行する。当該報知用の処理としては、例えば所定の発光部を所定の態様で発光させる構成が考えられ、それに加えて又は代えて、表示制御装置72へのエラーコマンドの出力を通じて、図柄表示装置31にてエラー表示を行わせる構成が考えられる。
次に、ステップS316の発光データの転送用処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS401では、読み出し用のウェイト時間をセット後であるか否かを判定する。読み出し用のウェイト時間は、サブMPU82からのデータ転送指示に対して音出力LSI86のデータ転送部95がその転送指示に係る発光データを共通用ROM87から読み出してレジスタ92の外部読み出し用のバッファ116〜120へのデータ書き込みを完了するまで、当該外部読み出し用のバッファ116〜120へのアクセスをサブMPU82において待機するための時間である。具体的には、音出力LSI86のレジスタ92における転送指示用エリア121に対する読み出しアドレスの設定を完了するとともに、レジスタ92においてサブMPU82がアクセス可能なエリアをデータ転送用に設定(すなわち、音出力LSI86を第2の干渉状態に設定)してから、サンプリング周期×n(nは2以上の整数)が経過するまで、外部読み出し用のバッファ116〜120へのアクセスをサブMPU82において待機するための時間として設定されている。なお、上記サンプリング周期×nの具体的な時間は任意であるが、例えば48サンプル周期以上、待機するように設定されていてもよい。
ステップS401にて否定判定をした場合には、ステップS402に進む。ステップS402では、音出力LSI86のレジスタ92に対する読み出しアドレスの設定が完了しているか否かを判定する。この設定が完了していない場合にはそのまま本転送用処理を終了する。
設定が完了している場合には、ステップS403にて、音出力LSI86のレジスタ92におけるセレクタ用エリア137の情報を「0」から「1」に切り換えるように信号出力を行うことで、レジスタ92においてサブMPU82がアクセス可能なエリアをデータ転送用に設定(すなわち、音出力LSI86を第2の干渉状態に設定)する。また、続くステップS404にて、読み出し用のウェイト時間に対応した数値情報をRWM85の所定のタイマカウンタにセットする。ここでセットされた読み出し用のウェイト時間は、定期的に減算されるように更新され、具体的には演出制御処理(図10)が起動される度に減算される。その後、本転送用処理を終了する。
ここで、既に説明したとおり、サブMPU82において演出制御処理(図10)のステップS302にて読み出されるデータテーブルには、読み出すべき発光データの種類の情報、実行すべき発光データの種類や内容の情報、出力指示すべきシーケンスデータやパラメータデータの種類の情報が設定されている。この場合に、当該データテーブルでは、音出力LSI86が第1の干渉状態である場合に外部読み出し用のバッファ116〜120からのデータ読み出しを実行しないように、且つ音出力LSI86が第2の干渉状態である場合に音出力に係るシーケンスデータ及びパラメータデータの設定が実行されないように、各処理の実行タイミングが事前に(すなわち、パチンコ機10の設計段階で)設定されている。
例えば、サブMPU82において共通用ROM87からの発光データの読み出しを行う場合には、その転送指示が行われてから当該転送指示に係る発光データの読み出しが完了するまでの区間には音出力に係るシーケンスデータ及びパラメータデータの設定が実行されないようにデータテーブルが設定されている。当該区間として具体的には、読み出し用のアドレスの設定が完了するまでに要する時間と、アクセス可能なエリアをデータ転送用に設定するまでに要する時間と、読み出し用のウェイト時間と、外部読み出し用のバッファ116〜120から発光データを読み出すのに要する時間と、の和の時間分の区間が設定されている。
ステップS404にて読み出し用のウェイト時間がセットされることで、次回の発光データの転送用処理では、ステップS401にて肯定判定をしてステップS405に進む。ステップS405では、音出力LSI86からサブMPU82に向けてデータ転送中であるか否かを判定する。データ転送中ではない場合には、ステップS406にて、読み出し用のウェイト時間が経過したか否かを判定する。経過していない場合には、そのまま本転送用処理を終了する。
経過している場合には、ステップS407にて、音出力LSI86のレジスタ92におけるフラグ用エリア122に設けられた読み出し完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の転送指示に係る発光データの外部読み出し用のバッファ116〜120への転送が完了しているか否かを判定する。読み出し完了フラグに「1」がセットされていない場合には、そのまま本転送用処理を終了する。
読み出し完了フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS408にてデータ転送の開始指示を実行した後に、本転送用処理を終了する。当該転送指示は、バスB1の第6信号経路L6を通じて信号出力を行うことで行われ、当該転送指示に係るデータ(例えば、転送を開始すべきことを示すデータ、転送先のアドレスのデータ)は、音出力LSI86のレジスタ92における転送指示用エリア121に保存される。
上記のように転送指示が行われることで、音出力LSI86に対して、外部読み出し用のバッファ116〜120に読み出されている発光データをRWM85に転送させる。この転送に際しては、サブMPU82と音出力LSI86とを接続するバスB1のうち第1〜第5信号経路L1〜L5を利用して発光データの転送が行われるため、単一の信号経路を利用して転送が行われる場合に比べて転送速度を速めることが可能となる。なお、一回の転送指示に対して転送される発光データのデータ容量は任意であるが、例えば192バイトのデータ容量の発光データが外部読み出し用のバッファ116〜120に区分けして転送されるとともに、それら区分けされた発光データが複数の信号経路L1〜L5を介して同時に転送される。
また、データ転送の開始指示に際しては、今回の転送指示に係る発光データをRWM85のいずれのアドレスのエリアに書き込むべきかを示す情報を音出力LSI86に供給する。これにより、RWM85においてサブMPU82が指示したアドレスのエリアに対して発光データが転送される。この場合に、共通用ROM87には複数種類の発光データが記憶されている。したがって、共通用ROM87に予め記憶されている発光データであって所定のタイミングでRWM85に書き込まれた発光データは、その使用後において、共通用ROM87に予め記憶されている発光データであって上記所定のタイミングとは異なるタイミングでRWM85に他の発光データを書き込む場合に上書きにより少なくとも一部が消去される。
データ転送の開始指示を実行した場合、次回の発光データの転送用処理では、ステップS405にて肯定判定をしてステップS409に進む。ステップS409では、今回の転送指示に係る発光データのデータ転送が完了しているか否かを判定する。ちなみに、ステップS408にてデータ転送の開始指示が実行された場合、次回の発光データの転送用処理が実行されるタイミングではその開始指示に係る発光データの転送が完了しているように、当該発光データの転送用処理の実行周期と、バスB1の第1〜第5信号経路L1〜L5を介したデータ転送の転送速度とが設定されているため、基本的にステップS409にて否定判定をすることはない。但し、何らかの理由でデータ転送が遅れた場合や、ノイズの影響でデータ転送を良好に完了できなかった場合に再度データ転送を実行し直した場合などには、ステップS409にて否定判定をすることがある。
ステップS409にて否定判定をした場合にはそのまま本転送用処理を終了し、ステップS409にて肯定判定をした場合にはステップS410に進む。ステップS410では、音出力LSI86のレジスタ92におけるセレクタ用エリア137の情報を「1」から「0」に切り換えるように信号出力を行うことで、レジスタ92においてサブMPU82がアクセス可能なエリアを音出力制御用に設定(すなわち、音出力LSI86を第1の干渉状態に設定)する。その後、本転送用処理を終了する。
<音出力LSI86の音データ処理部93における動作>
次に、音出力LSI86の音データ処理部93における動作について図12のフローチャートを参照しながら説明する。
音データ処理部93は、サブMPU82及びデータ転送部95とは独立して動作する専用回路として設けられており、サブMPU82から送信されたシーケンスデータ及びパラメータデータに基づいてデジタル楽音データを作成し、その作成したデジタル楽音データをDAC94に供給することで、スピーカ部45から歌詞無しのメロディ、歌詞付きのメロディ、効果音及び音声を出力するものである。
その動作を詳細に説明すると、先ず処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータがレジスタ92における各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115に格納されているか否かを判定する(ステップS501)。この判定に際しては、例えば、シーケンスデータ用のエリア115及びパラメータ用のエリア111〜114には、サブMPU82からの信号出力により新たにシーケンスデータ及びパラメータデータが設定された場合に「1」がセットされるとともに、音データ処理部93において処理した際に「0」がセットされるエリアが設けられており、音データ処理部93ではそのエリアのデータに基づいて、処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータが存在しているか否かを判定する。
処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータが存在している場合(ステップS501:YES)には、処理対象のシーケンスデータに含まれる時間データに従って、各パラメータデータを、レジスタ92に設けられた各発音チャンネル用のエリアのうち、シーケンスデータにより定められた対応するエリアに書き込む(ステップS502)。ちなみに、音データ処理部93は、セレクタ136の状態に関係なく、各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115にアクセス可能となっている。
1回に設定されるシーケンスデータ及び各パラメータデータは、複数の発音チャンネルについて連続する複数サンプル分のデジタル楽音データを作成可能なデータとして設定されている。そして、シーケンスデータに含まれる時間データに従うことで、各発音チャンネル用のエリアに対して、対応する複数サンプル分のパラメータデータが1サンプル分ずつ時系列で書き込まれる。
また、ここで書き込みが行われるパラメータデータには、対応する発音チャンネル及び対応する出力タイミングにおいて必要となる音データのアドレスが設定されている。データ転送部95は、セレクタ136の状態に関係なく、各発音チャンネル用のエリアにアクセス可能であり、直近のサンプル分のパラメータデータに設定されているアドレスの音データを共通用ROM87から読み出してレジスタ92に書き込む。
なお、上記複数サンプルは、一連の音(例えばメロディについてその開始から終了まで)の全部であっても一部であってもよいが、一度に転送するデータ量を抑える上では一部であることが好ましい。また、音データ処理部93では、既に受け取っているシーケンスデータ及びパラメータデータに従って一連の音の出力を行っている途中であっても、サブMPU82からの指示に基づき中止し、新たな一連の音の出力を開始可能な構成としてもよい。
音データ処理部93では、音出力LSI86に設けられた図示しないクロック回路からの信号入力に基づきデジタル楽音データの作成タイミングであるか否かを判定する(ステップS503)。このクロック回路からの信号出力周期はサンプリング周期に対応している。
作成タイミングである場合(ステップS503:YES)には、各発音チャンネルについて、該当するサンプルのパラメータデータと、データ転送部95により既にレジスタ92に転送されている音データとに基づき、デジタル楽音データを作成する(ステップS504)。また、それら各発音チャンネルに対して作成した各デジタル楽音データを合成してデジタル合成楽音データを作成する(ステップS505)。ちなみに、各発音チャンネル用のエリアに書き込まれているパラメータデータのうちデジタル楽音データの作成が完了したものは消去され、直近のサンプル分のパラメータデータが更新される。
音データ処理部93では、音出力LSI86に設けられた図示しないクロック回路であってステップS503の場合とは異なるタイミングで信号出力を行うクロック回路からの信号入力に基づきデジタル合成楽音データの出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS506)。このクロック回路からの信号出力周期はサンプリング周期に対応している。
出力タイミングである場合(ステップS506:YES)には、今回の出力に対応した作成済みのデジタル合成楽音データをDAC94に供給する(ステップS507)。DAC94では、音データ処理部93から供給されてくるデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換してアナログ楽音信号としてそれをスピーカ部45に出力する。これにより、当該スピーカ部45から所定の音が出力される。なお、複数種類の音が同時に出力されない場合もあり、この場合にはデジタル合成楽音データの作成は行われず、単一のデジタル楽音データがDAC94に供給されて、それに対応する単一の音がスピーカ部45から出力される。
音データ処理部93では、データ転送部95からレジスタ92への音データの転送が必要に応じて行われているか否か、及びDAC94からスピーカ部45へのアナログ楽音信号の出力が行われているか否かといった監視を行うことを通じて音の出力中であるか否かを判定する(ステップS508)。そして、音の出力中である場合(ステップS508:YES)に、サブMPU82と音出力LSI86とを接続するバスB1を介して音出力中信号を出力する。この場合、バスB1において利用する信号経路は、サブMPU82からセレクタ用エリア137にアクセスする場合に利用される第8信号経路L8であり、サブMPU82において当該第8信号経路L8を介した信号出力を行わないタイミングで、音出力中信号の出力が行われる。
<音出力LSI86のデータ転送部95における動作>
次に、音出力LSI86のデータ転送部95における動作について図13のフローチャートを参照しながら説明する。
データ転送部95は、サブMPU82及び音データ処理部93とは独立して動作する専用回路として設けられており、既に説明したように、レジスタ92に書き込まれたパラメータデータに基づいて、共通用ROM87からレジスタ92への音データの転送を実行する。また、サブMPU82から送信された読み出しアドレスに基づいて、共通用ROM87からレジスタ92の外部読み出し用のバッファ116〜120への発光データの転送と、その転送した発光データのサブMPU82への転送とを実行する。
その動作を詳細に説明すると、データ転送部95では先ず、音出力LSI86に設けられた図示しないクロック回路であってステップS503やステップS506の場合とは異なるタイミングで信号出力を行うクロック回路からの信号入力に基づき、音データの転送タイミングであるか否かを判定する(ステップS601)。このクロック回路からの信号出力周期はサンプリング周期に対応している。
転送タイミングである場合(ステップS601:YES)には、既に説明したとおり、各発音チャンネル用のエリアにおいて、直近のサンプル分のパラメータデータに設定されているアドレスの音データを共通用ROM87から読み出してレジスタ92に書き込む(ステップS602)。
データ転送部95では、レジスタ92における転送指示用エリア121に未処理のアドレスデータが設定されているか否かを判定する(ステップS603)。ちなみに、データ転送部95は、セレクタ136の状態に関係なく、転送指示用エリア121にアクセス可能となっている。
未処理のアドレスデータが設定されている場合(ステップS603:YES)には、そのアドレスに対応した発光データをレジスタ92における外部読み出し用のバッファ116〜120に読み出す(ステップS604)。この場合、外部読み出し用のバッファ116〜120には発光データの読み出しの優先度が予め設定されており、最も優先度の高いバッファ116のデータ容量を超える発光データを転送する必要がある場合には次に優先度の高いバッファ117も含めて発光データの転送先として設定され、さらにそれら両バッファ116,117のデータ容量を超える発光データを転送する必要がある場合にはその次に優先度の高いバッファ118も含めて発光データの転送先として設定される。そして、最大で各外部読み出し用のバッファ116〜120のデータ容量を合計した分の発光データまでを一度の転送対象として設定することが可能となっている。この点、1回の転送対象として設定される発光データには、各外部読み出し用のバッファ116〜120のデータ容量を合計した分を上限として、様々なデータ容量のものが含まれる。但し、上記構成に限定されることはなく、各外部読み出し用のバッファ116〜120において共通用ROM87からの発光データの転送先のアドレスが、サブMPU82から上記読み出しアドレス(すなわち、アドレスデータ)とともに指示される構成としてもよい。
データ転送部95では、共通用ROM87から外部読み出し用のバッファ116〜120への発光データの読み出し中であるか否かを判定するとともに(ステップS605)、読み出し中である場合(ステップS605:YES)にはその読み出しが完了したか否かを判定する(ステップS606)。そして、読み出しが完了している場合(ステップS606:YES)には、レジスタ92のフラグ用エリア122に設けられた読み出し完了フラグに「1」をセットする(ステップS607)。
データ転送部95ではサブMPU82からデータ転送の開始指示が行われているか否かを判定する(ステップS608)。データ転送の開始指示が行われている場合(ステップS608:YES)には、外部読み出し用のバッファ116〜120に格納されている今回の転送指示対象に係る発光データをサブMPU82に転送する(ステップS609)。この場合、RWM85においてサブMPU82から指示されているアドレスのエリアに対して発光データを転送する。
データ転送部95では、発光データの転送が完了しているか否かを判定する(ステップS610)。発光データの転送が完了している場合(ステップS610:YES)には、レジスタ92のフラグ用エリア122に設けられた読み出し完了フラグを「0」クリアする(ステップS611)。
<共通用ROM87に記憶された発光データがサブMPU82に転送される様子>
次に、共通用ROM87に記憶された発光データがサブMPU82に転送される様子について、図14のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図14(a)はレジスタ92における転送指示用エリア121に対するアドレスデータの設定状況を示しており、図14(b)は外部読み出し用のバッファ116〜120に対する発光データの読み出し状況を示しており、図14(c)は読み出し完了フラグの情報の設定状況を示し、図14(d)はレジスタ92においてサブMPU82がアクセス可能なエリアの設定状況を示し、図14(e)は読み出しアドレスの設定が行われている状況を示し、図14(f)はセレクタ用エリア137への設定が行われている状況を示し、図14(g)は外部読み出し用のバッファ116〜120からの発光データの読み出しが行われている状況を示し、図14(h)はシーケンスデータ及びパラメータデータの設定状況を示す。
t1のタイミングで、サブMPU82による音出力LSI86に対する読み出しアドレスの設定が開始され、t2のタイミングで当該アドレスの設定が完了する。当該アドレスの設定が完了することで、当該アドレスに対応した発光データの共通用ROM87から外部読み出し用のバッファ116〜120への転送が開始される。また、読み出しアドレスの設定が完了したタイミングである上記t2のタイミングで、レジスタ92におけるセレクタ用エリア137の「0」から「1」への切り換えが開始される。そして、t3のタイミングで、サブMPU82においてアクセス可能なエリアが、音出力制御用のエリア111〜115から外部読み出し用のバッファ116〜120に切り換えられる。
つまり、音出力LSI86の状態が第1の干渉状態から第2の干渉状態に切り換えられるとともに、かかる干渉状態の切り換えは、転送指示に係る発光データの読み出しアドレスの設定が完了した後に行われる。これにより、読み出しのアドレスの設定を行うタイミングと重複しながら、シーケンスデータやパラメータデータの設定を行うことが可能となり、読み出しアドレスの設定が完了するよりも前のタイミングで外部読み出し用のバッファ116〜120への切り換えが行われる構成に比べて、シーケンスデータやパラメータデータの設定を行う時間的な余裕が生じる。
上記t3のタイミングでは、アクセス可能なエリアが切り換えられるだけでなく、サブMPU82において読み出し用のウェイト時間T2の計測が開始される。その後、t4のタイミングで、外部読み出し用のバッファ116〜120への発光データの読み出しが完了し、読み出し完了フラグに「1」がセットされた状態となる。但し、このt4のタイミングでは、サブMPU82において読み出し用のウェイト時間T2の計測が行われている途中であるため、外部読み出し用のバッファ116〜120からの発光データの読み出しは完了されない。その後、t5のタイミングで、読み出し用のウェイト時間T2の計測が完了することで、外部読み出し用のバッファ116〜120からサブMPU82への発光データの転送が開始される。
上記のように外部読み出し用のバッファ116〜120からの発光データの読み出しが開始されるための条件として、音出力LSI86にて読み出し完了フラグに「1」がセットされることだけでなく、サブMPU82において読み出し用のウェイト時間T2の計測が完了することを条件としていることにより、実際には外部読み出し用のバッファ116〜120への発光データの転送が完了していないにも関わらず電気的なノイズの影響などで読み出し完了フラグに「1」がセットされた場合に、外部読み出し用のバッファ116〜120からの発光データの読み出しが開始されてしまうことが防止される。また、サブMPU82において読み出し用のウェイト時間T2の計測が完了することだけでなく、音出力LSI86にて読み出し完了フラグに「1」がセットされることを条件としていることにより、何らかの通信異常などを原因として外部読み出し用のバッファ116〜120への発光データの読み出しに要する時間が、読み出し用のウェイト時間T2を越えた場合に、発光データの読み出しが完了していないにも関わらず外部読み出し用のバッファ116〜120からの読み出しが開始されてしまうことが防止される。
その後、t6のタイミングで、今回の転送指示に係る発光データの読み出しが完了することで、読み出し完了フラグが「0」クリアされるとともに、レジスタ92におけるセレクタ用エリア137の「1」から「0」への切り換えが開始される。そして、t7のタイミングで、サブMPU82においてアクセス可能なエリアが、外部読み出し用のバッファ116〜120から音出力制御用のエリア111〜115に切り換えられる。
ここで、図14(h)に示すように、レジスタ92のシーケンスデータ用のエリア115及び各パラメータ用のエリア111〜114には、読み出しアドレスの設定に基づく発光データの転送指示が行われてから、当該転送指示に係る発光データのサブMPU82への転送が完了し、音出力LSI86が第1の干渉状態に復帰した後のタイミングであるt8のタイミングまで、シーケンスデータSD1及びパラメータデータPD1が設定され続ける。このt8のタイミングは、当該シーケンスデータSD1及びパラメータデータPD1に基づく音の出力が行われている期間中であり、その期間中においてサブMPU82からの信号出力に基づき、新たなシーケンスデータSD2及びパラメータデータPD2がシーケンスデータ用のエリア115及び各パラメータ用のエリア111〜114に設定される。
つまり、共通用ROM87の発光データのサブMPU82への読み出しが行われる期間と重なることとなる音の出力期間については、それに対応するシーケンスデータ及びパラメータデータが、上記読み出しが行われる期間が開始される前に設定されるとともに、その設定されたシーケンスデータ及びパラメータデータによりデジタル楽音データを作成可能な期間が、上記読み出しが行われる期間が終了し(すなわち、サブMPU82への転送が完了し)、音出力LSI86が第1の干渉状態に復帰した後まで含むように構成されている。これにより、音出力LSI86において発光データの転送を行うために音出力LSI86が第2の干渉状態に設定されている期間であっても、音の出力を途切れさせることなく、継続させることが可能となる。
<音データの転送タイミングと発光データの転送タイミングとの関係について>
次に、音データの転送タイミングと発光データの転送タイミングとの関係について、図15(A)のタイミングチャートを参照しながら説明する。
既に説明したとおり、音データは、サンプリング周期に対応させて、各発音チャンネルについて1サンプル分ずつ共通用ROM87からレジスタ92に読み出される。図15(A)について具体的に説明すると、t1のタイミングからt3のタイミング、t3のタイミングからt5のタイミング、及びt7のタイミングからt9のタイミングといったように、サンプリング周期T1が経過する度に音データの送信が開始される。ちなみに、t6のタイミングとt7のタイミングとの間には複数のサンプリング周期分の期間が存在している。
各タイミングにおける音データの送信に要する時間(t1〜t2の時間、t3〜t4の時間、t5〜t6の時間、t7〜t8の時間、及びt9〜t10の時間)はT3となっており、この送信期間T3はサンプリング周期T1に比べて十分に短い時間となっている。ちなみに、出力対象となっている一連の音の種類に応じて発音チャンネルの数が相違することがあり、発音チャンネルの数に応じて送信期間T3は変動することがある。この場合に、最大数の発音チャンネル分の音データが送信される場合であっても、その送信期間T3はサンプリング周期T1に比べて十分に短い時間となっている。
上記のように一連の音分の音データが所定数のサンプルずつ、具体的には「1サンプル」×「使用される発音チャンネル数」ずつ、サンプリング周期に対応させて時分割で送信される構成においては、各送信単位の音データ間に当該音データが送信されない期間が生じる。この送信されない期間を利用して発光データの送信が行われる。
具体的には、一の送信単位の音データについてレジスタ92への転送が完了したt2のタイミングよりも後のタイミングであって、次の送信単位の音データについてレジスタ92への転送が開始されるt3のタイミングよりも前のタイミングであるt11のタイミングで、共通用ROM87からレジスタ92への発光データの転送が開始される。そして、上記次の送信単位の音データについてレジスタ92への転送が開始されるt3のタイミングよりも前のタイミングであるt12のタイミングで、当該発光データの転送が完了する。これにより、サンプリング周期が存在することによるデータ転送の空き時間を利用して、発光データをレジスタ92に転送することができる。
上記のようにレジスタ92へ転送された発光データは、既に説明したとおり、サブMPU82において読み出し用のウェイト時間の計測が完了するとともに、音出力LSI86において読み出し完了フラグに「1」がセットされることを条件に、サブMPU82に転送される。この場合、当該発光データのサブMPU82への転送は、当該発光データのレジスタ92への転送が完了してから複数のサンプリング周期分の時間が経過した後に開始される。
図15(A)について具体的に説明すると、t7のタイミングで転送が開始された送信単位の音データの転送完了後であるt13のタイミングでサブMPU82に向けて転送が開始される。そして、次の送信単位の音データについてレジスタ92への転送が開始されるt9のタイミングよりも前のタイミングであるt14のタイミングで、サブMPU82に向けた当該発光データの転送が完了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
共通用ROM87に対して、音出力LSI86にて利用される音データだけでなく、サブMPU82にて利用される発光データを記憶させておく構成としたことで、サブMPU82に直接接続された直接用ROM84の記憶容量を増加させなくても、発光データのデータ容量を増加させることが可能となる。特に、直接用ROM84は、サブMPU82内の内部バスを介してCPU83と接続されていることに起因して、そのデータ容量を増大化することが比較的困難であり、データ容量を増大化しようとするとその内部バス幅の拡張を要することとなり、それへの対応は容易なものではない。これに対して、共通用ROM87は、CPU83に直接接続されているのではなく、音出力LSI86に対して外付けされていることに起因して、そのデータ容量を増大化することは比較的容易である。そして、当該共通用ROM87に発光データを記憶させることで、発光データのデータ容量の増大化に良好に対処することが可能となる。
共通用ROM87から音出力LSI86に読み出された発光データは、音の出力指示を行うためのシーケンスデータやパラメータデータをサブMPU82から音出力LSI86に送信するバスB1を介してサブMPU82に転送される。また、音の出力が行われていることを示す信号もバスB1を介して音出力LSI86からサブMPU82に送信される。これにより、サブMPU82及び音出力LSI86にて各種制御を実行するために設けられたバスB1を利用して、共通用ROM87に記憶された発光データがサブMPU82に転送されるため、当該発光データを転送するためのハード構成の簡素化を図ることができる。
音出力LSI86のレジスタ92には、音の出力指示を行うためにサブMPU82から送信されるシーケンスデータ及びパラメータデータを記憶させる、すなわち音出力指示を行うためにサブMPU82にアクセスされるパラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115と、サブMPU82に送信するための発光データを記憶させる、すなわち発光データの読み出しを行うためにサブMPU82にアクセスされる外部読み出し用のバッファ116〜120とが個別に設けられている。これにより、音出力制御用のデータと発光データとを音出力LSI86側にて個別に記憶しておくことが可能であるため、サブMPU82からの音出力指示のタイミング及び共通用ROM87からの発光データの読み出しタイミングの調整を行い易くなる。
音出力LSI86にはセレクタ136が設けられており、サブMPU82においてアクセス可能なエリアが、パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115と、外部読み出し用のバッファ116〜120との間で切り換えられる。これにより、サブMPU82においてアクセス可能なアドレス数を、バスB1の信号経路L1〜L8の数を抑えながら増加させることが可能となる。よって、データの通信に係るハード構成の簡素化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
サブMPU82においてパラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115にアクセス可能な第1の干渉状態と、外部読み出し用のバッファ116〜120にアクセス可能な第2の干渉状態との間の切り換えが、サブMPU82による指示に基づき実行される。これにより、サブMPU82からの音出力指示のタイミング及び共通用ROM87からの発光データの読み出しタイミングの調整を行い易くなる。
音出力LSI86のレジスタ92には、セレクタ用エリア137が設けられており、当該セレクタ用エリア137にサブMPU82がアクセスして当該エリア137の情報を切り換えることで、第1の干渉状態と第2の干渉状態との間での切り換えが行われるとともに、いずれの干渉状態であってもサブMPU82がアクセス可能となっている。これにより、干渉状態の切り換えに関してサブMPU82の処理負荷の軽減が図られる。特に、セレクタ用エリア137の二値切換を通じて干渉状態の切り換えが行われるため、処理負荷を軽減する効果が高められる。
音出力LSI86は、共通用ROM87から時分割データ(又は時分割の情報)として音データを読み出すとともに、1の時分割データを読み出してから次の時分割データを読み出すまでの間において発光データの読み出しを行う。これにより、共通用ROM87から音データを読み出すタイミングと、発光データを読み出すタイミングとの調整を行い易くなる。
また、音データの時分割による読み出しは、そのサンプリング周期に基づいて定期的に行われ、その定期的な読み出しを阻害しないようにして発光データの読み出しが行われる。音データについては時分割で区分けして送信される点で、その読み出しが遅れると、音の出力を良好に行えなくなる可能性が高い。この場合に、音データの時分割による定期的な読み出しを阻害しないようにしながら発光データの読み出しが行われるため、音の出力を良好に行えるようにしながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、時分割データは、所定数のサンプル分、具体的には1サンプル分の音データである。つまり、デジタル信号化された音データは時分割で読み出されるものであり、その時分割で読み出される構成を利用して、発光データの読み出しが行われる。これにより、音データの読み出しに係る空き時間を有効に利用して、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
サブMPU82と音出力LSI86とは音光制御基板81に設けられている。これにより、共通用ROM87に記憶された発光データをサブMPU82に転送する場合において、その転送途中におけるノイズの影響を抑えながら当該発光データの転送を行うことができる。
<第2の実施の形態>
上記実施の形態では、一の発音チャンネルについて、デジタル楽音データの作成周期がサンプリング周期に対応させて設定されているとともに、共通用ROM87からの音データの読み出しが1サンプル分ずつサンプリング周期に対応させて行われる構成とした。これに代えて、本実施の形態では、デジタル楽音データの作成周期が、予め定められた特定の複数(例えば「3」)のサンプリング周期分(以下、当該周期分を1フレーム分ともいう)に対応させて設定されているとともに、共通用ROM87からの音データの読み出しが当該特定の複数のサンプル分(つまり、1フレーム分)ずつ、上記1フレーム分の周期に対応させて行われる。
具体的には、音データ処理部93では、図12のステップS503の判定を行う場合に、音出力LSI86に設けられたクロック回路からの信号入力を肯定判定に際してのトリガとするが、当該クロック回路からの信号出力周期が、上記1フレーム分の周期に対応している。また、ステップS506の判定を行う場合に、音出力LSI86に設けられたクロック回路からの信号入力を肯定判定に際してのトリガとするが、当該クロック回路からの信号出力周期も、上記1フレーム分の周期に対応している。
データ転送部95についても同様に、図13のステップS601の判定を行う場合に、音出力LSI86に設けられたクロック回路からの信号入力を肯定判定に際してのトリガとするが、当該クロック回路からの信号出力周期が、上記1フレーム分の周期に対応している。
上記のように、一の発音チャンネルについて、共通用ROM87に対する1回の転送指示に対して当該共通用ROM87から転送される音データの単位を、特定の複数のサンプリング周期分である1フレーム分とすることで、1サンプルずつ音データの転送が行われる場合に比べて、それに付属させるヘッダ情報を減らすことが可能となる。
上記構成の場合における音データの転送タイミングと発光データの転送タイミングとの関係について、図15(B)のタイミングチャートを参照しながら説明する。
既に説明したとおり、音データは、1フレーム分の周期に対応させて、各発音チャンネルについて1フレーム分ずつ共通用ROM87からレジスタ92に読み出される。図15(B)について具体的に説明すると、t1のタイミングからt3のタイミングといったように、1フレーム分の周期T4が経過する度に音データの送信が開始される。
各タイミングにおける音データの送信に要する時間(t1〜t2の時間、及びt3〜t4の時間)はT5となっており、この送信期間T5は1フレーム分の周期T4に比べて十分に短い時間となっている。ちなみに、出力対象となっている一連の音の種類に応じて発音チャンネルの数が相違することがあり、発音チャンネルの数に応じて送信期間T5は変動することがある。この場合に、最大数の発音チャンネル分の音データが送信される場合であっても、その送信期間T5は1フレーム分の周期T4に比べて十分に短い時間となっている。
上記のように一連の音分の音データが所定数のフレーム分ずつ、具体的には「1フレーム分(特定の複数のサンプル分)」×「使用される発音チャンネル数」ずつ、1フレーム分の周期に対応させて時分割で送信される構成においては、各送信単位の音データ間に当該音データが送信されない期間が生じるとともに、この送信されない期間は上記第1の実施の形態の場合よりも長くなる。そして、この送信されない期間を利用して発光データの送信が行われる。
具体的には、一の送信単位の音データについてレジスタ92への転送が完了したt2のタイミングよりも後のタイミングであって、次の送信単位の音データについてレジスタ92への転送が開始されるt3のタイミングよりも前のタイミングであるt5のタイミングで、共通用ROM87からレジスタ92への発光データの転送が開始される。そして、上記次の送信単位の音データについてレジスタ92への転送が開始されるt3のタイミングよりも前のタイミングであるt6のタイミングで、当該発光データの転送が完了する。これにより、1フレーム分の周期が存在することによるデータ転送の空き時間を利用して、発光データをレジスタ92に転送することができるとともに、その転送を上記第1の実施の形態よりも余裕を持って行うことが可能となる。また、1回の転送指示に対して送信される発光データのデータ量を上記第1の実施の形態よりも多くすることが可能となる。
ちなみに、レジスタ92に転送された発光データは上記第1の実施の形態と同様に、サブMPU82において読み出し用のウェイト時間の計測が完了するとともに、音出力LSI86において読み出し完了フラグに「1」がセットされることを条件に、サブMPU82に転送される。また、当該発光データのサブMPU82への転送が、音データの転送期間の全てと重ならないように行われる点についても上記第1の実施の形態と同様である。
なお、本実施の形態において、音データの読み出しが行われる場合において、一の時分割のデータに含まれるサンプル数は特定の複数で固定されている必要はなく、一の時分割のデータと次の時分割のデータとで含まれるサンプル数が異なっていてもよい。例えば、発光データの転送を間に挟むこととなる2つの時分割のデータの少なくとも一方は、発光データの転送を間に挟まない場合に比べて含まれるサンプル数が少ない構成としてもよい。この場合、一度に読み出す発光データのデータ容量を増加させることが可能となる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。
ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)発光データの一部が直接用ROM84に記憶されており、残りが共通用ROM87に記憶されている構成に限定されることはなく、発光データの全部が共通用ROM87に記憶されている構成としてもよい。
(2)音データだけでなく発光データも共通用ROM87から時分割で読み出される構成としてもよい。すなわち、共通用ROM87に記憶されている第1の情報及び第2の情報のいずれもが時分割で読み出される構成としてもよい。この場合、各情報の読み出しタイミングが重ならないようにタイミングを調整する手段を設ける構成としてもよく、各情報の読み出し周期をそれぞれ一定にするとともに各情報の読み出しタイミングが重ならないようにそれらの読み出し周期を設定するようにしてもよい。
(3)音出力LSI86に接続された共通用ROM87に記憶されるデータは、音データと発光データとの組合せに限定されない。例えば、音出力LSI86にて利用される音データとサブMPU82にて利用されるプログラムとの組合せであってもよい。当該構成において、プログラムの一部を直接用ROM84に記憶するとともに、残りを共通用ROM87に記憶する構成においては、少なくとも初期起動用のプログラムは直接用ROM84に記憶しておき、このプログラムに基づく処理の実行中において後に続く処理用のプログラムを共通用ROM87から読み出すようにすればよい。一方、プログラムの全部を共通用ROM87に記憶する構成においては、初期起動時にはその初期起動用のプログラムが共通用ROM87から音出力LSI86を通じて転送されるように回路を設ける構成としてもよく、ブート用のメモリを別途設ける構成としてもよい。
また、音出力LSI86にて利用される音データと、サブMPU82にて利用されるプログラムと、サブMPU82にて利用される発光データとの組合せとしてもよい。この場合に、プログラム及び発光データの全てを共通用ROM87に記憶させる構成においては、直接用ROM84は不要となる。また、サブMPU82にて利用されるプログラムのうち、ブート用のプログラムのみはサブMPU82のCPU83に直接接続されたメモリに予め記憶させ、それ以外は共通用ROM87に記憶させる構成としてもよい。
(4)サブMPU82において利用されるプログラム又はデータが格納されるメモリは、音出力LSI86に接続されたメモリではなく、表示MPU102又は描画LSIとして設けられたVDP103に接続されたメモリであってもよい。
(4−1)例えば、画像用ROM104に、画像データとともに、サブMPU82のプログラム及び発光データの少なくとも一方が記憶される構成としてもよい。この場合、サブMPU82とVDP103とを、表示MPU102を介することなく電気的に接続し、さらにVDP103にて画像用ROM104から発光データを読み出すとともにその発光データをVDP103からサブMPU82に送信する構成としてもよい。また、これに代えて、サブMPU82と表示MPU102との信号経路を双方向通信可能とするとともに、表示MPU102とVDP103との信号経路も双方向通信可能とし、VDP103が画像用ROM104から読み出した発光データが表示MPU102を介してサブMPU82に送信される構成としてもよい。この場合、サブMPU82とVDP103とを直接接続する構成に比べて、既存の信号経路を利用することが可能となる。
ここで、画像データは表示画面Gに表示する画像の更新タイミングに応じて読み出されるものであり、複数の更新タイミングを含む画像の更新期間においては各更新タイミングにて利用される画像データを時分割のデータと見なすことができる。そして、当該構成においては、画像データが時分割で読み出される合間の時間を利用して、サブMPU82において利用する情報が画像用ROM104から読み出される構成とすることが好ましい。
(4−2)また、例えば、表示MPU102に内蔵されたプログラム用ROMに対して、サブMPU82のプログラム及び発光データの少なくとも一方が記憶される構成としてもよい。当該構成においては、サブMPU82と表示MPU102との信号経路を双方向通信可能とすることで、既存の信号経路を利用することが可能となる。
ちなみに、上記(4−1)及び(4−2)の構成では、異なる複数の制御装置間において共通のROMを有することとなる。
(5)プログラムを利用して所定の処理を実行する複数のCPU間で共通のROMを利用する構成としてもよい。この場合、1のCPUは遊技の進行に伴って共通のROMからのプログラムの読み出しを適宜行うようにするとともに、他のCPUは電源立ち上げ時などに必要なプログラムをまとめて読み出す構成としてもよい。
(6)音データを利用して音の出力制御を実行する制御手段と、画像データを利用して画像の表示制御を実行する制御手段との間で、予めデータを記憶する共通のメモリが利用される構成としてもよい。例えば、音出力LSI86と、描画LSIとして設けられたVDP103との間で、共通のROMが利用される構成としてもよい。本構成においては、音出力LSI86に接続されたROMに、音データとともに画像データの少なくとも一部が記憶される構成としてもよく、これに代えて、VDP103に接続されたROMに、画像データとともに音データの少なくとも一部が記憶される構成としてもよい。この場合、音出力LSI86とVDP103とが、それらの従属するMPU82,102を介することなく直接接続される構成としてもよく、従属するMPU82,102を介して接続される構成としてもよい。
また、例えば1の制御基板上に、MPUと、音出力LSIと、描画LSIとが設けられた構成において、上記のように共通のメモリを有する構成を適用してもよい。また、上記のように共通のメモリに対して音データと画像データとが予め記憶される構成においては、音データの読み出しを時分割で行うとともに、画像データの読み出しも時分割で行い、さらにそれらの時分割のタイミングが重複しないように調整する構成としてもよい。
(7)セレクタ用エリア137に対する情報の切り換えによるサブMPU82のアクセス可能なエリアの切り換え対象となるエリアは、各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115といった音出力制御用のエリア、すなわち音出力LSI86において制御対象の機器であるスピーカ部45の音出力制御を指示するためのエリアの全てである必要はなく、一部であってもよい。
例えば、所定期間における制御対象の機器の動作の流れを指示するためのデータが設定されるシーケンスデータ用のエリア115は、切り換え対象のエリアから除外し、音出力LSI86がいずれの干渉状態であってもサブMPU82がアクセス可能な構成としてもよい。この場合、発光データの転送用の干渉状態(すなわち、第1の干渉状態)となったとしても、制御対象の機器の動作の流れを指示することが可能となる。
また、シーケンスデータ用のエリア115に加えて、各パラメータ用のエリア111〜114の一部も切り換え対象のエリアから除外し、音出力LSI86がいずれの干渉状態であってもサブMPU82がアクセス可能な構成としてもよい。この場合、発光データの転送用の干渉状態(すなわち、第1の干渉状態)となったとしても、複数の発音チャンネルのうち一部に対するパラメータの設定を依然として行うことが可能となる。
(8)共通用ROM87が音出力LSI86に直接接続されており、サブMPU82には直接接続されていない構成としたが、これに代えて、音出力LSI86とサブMPU82とを繋ぐバスに対して共通用ROM87が接続されている構成としてもよい。この場合、音出力LSI86とサブMPU82とが共通用ROM87に同時にアクセスしないように、両者のアクセスタイミングを調整する回路を別途設けることが好ましい。
(9)音出力中信号を音出力LSI86からサブMPU82に送信するための信号経路は、サブMPU82からセレクタ用エリア137にアクセスする場合に利用される第8信号経路L8に限定されることはなく、シーケンスデータ又はパラメータデータがサブMPU82から送信されるとともに、発光データが音出力LSI86から送信される場合に利用される信号経路L1〜L5であってもよい。
(10)上記実施の形態のように直接用ROM84及び共通用ROM87のそれぞれに発光データを予め記憶させる構成においては、直接用ROM84には共通用ROM87に比べて実行対象として選択される任意性が高い発光データを予め記憶させておく構成としてもよい。
(10−1)例えば、遊技回の開始タイミングは作動口23,24への遊技球の入賞タイミングに依存するものであり、遊技回の開始時における発光データは、遊技回の途中、例えばリーチ時の発光データや、開閉実行モード中の発光データに比べて、実行対象として選択される任意性が高い。したがって、遊技回の開始時に利用される発光データを直接用ROM84に記憶させ、リーチ時や開閉実行モード中といったその後に続く発光データを共通用ROM87に記憶させる。これにより、突発的に遊技回を開始させる必要が生じた場合には直接用ROM84から発光データを読み出せばよいためその発光データに基づく発光制御の開始タイミングを早めることができ、その後に続く遊技内容に即した発光データについては実行対象となるタイミングが事前に分かるため、その発光データについては事前に共通用ROM87から読み出すようにすればよい。
(10−2)上記(10−1)の構成に加えて又は代えて、異常報知用の発光データを直接用ROM84に記憶させる構成としてもよい。予め定められた異常事象を検知した場合に実行される異常報知も、異常事象の発生タイミングが任意であることに関連して、その実行タイミングの任意性が高い。したがって、異常報知用の発光データを直接用ROM84に記憶させておくことで、異常事象の発生に対して異常報知を迅速に開始させることが可能となる。
ちなみに、異常報知が行われる場合の具体的な構成としては、例えば主制御装置50からサブMPU82に対して異常コマンドが送信され、当該サブMPU82では演出制御処理(図10)におけるステップS301にて異常コマンドを受信したと判定した場合、ステップS302にて異常報知用のデータテーブルを読み出し、そのデータテーブルに従って発光制御を実行する構成が考えられる。
また、上記のような異常報知用の発光データを、直接用ROM84に記憶させる構成において、例えば異常報知の前側の発光制御に対応した発光データは直接用ROM84に記憶させておくとともに、後側の発光制御に対応した発光データを共通用ROM87に記憶させる構成としてもよい。この場合、直接用ROM84から読み出した発光データを利用して前側の発光制御が行われている期間において、後側の発光制御に対応した発光データを共通用ROM87から事前に読み出しておく構成とすることで、異常報知用の発光データを分配して記憶させておきながら、当該発光データを利用した発光制御を迅速且つ連続的に実行することが可能となる。
(10−3)上記(10−1)及び上記(10−2)の構成に加えて又は代えて、音出力LSI86の異常を報知するための発光データを、直接用ROM84に記憶させる構成としてもよい。
また、上記(10−1)〜(10―3)の構成を、分配して記憶させる情報の対象が発光データではない構成に適用してもよい。例えば、画像データを分配して記憶させる構成に適用してもよく、音データを分配して記憶させる構成に適用してもよく、プログラムを分配して記憶させる構成に適用してもよい。
(11)共通用ROM87からの音データの読み出しが時分割で行われない構成としてもよい。例えば、一連のメロディ、一連の効果音、一連の音声をスピーカ部45から出力させるのに必要な音データを共通用ROM87からまとめて読み出し、当該音データの読み出しを行わない期間を利用して発光データを読み出す構成としてもよい。但し、発光データの読み出しタイミングを調整する上では、上記各実施の形態のように音データが時分割で読み出されるとともに1の時分割のデータを読み出してから次の時分割のデータが読み出されるまでの間の時間を利用して発光データを読み出す構成とすることが好ましい。
(12)音出力LSI86における音源の方式は上記実施の形態におけるものに限定されることはなく、例えば波形メモリ方式、FM方式又はAM方式などを採用してもよい。
また、音出力LSI86を専用回路として設けるのではなく、CPUを有し、プログラムに従った処理を実行することで、上記実施の形態における動作を実現する構成としてもよく、音データ処理部93とデータ転送部95とのそれぞれに対応させてCPUを有し、それぞれがプログラムに従った処理を実行することで、上記実施の形態における動作を実現する構成としてもよい。この場合、プログラムが音データとともに共通用ROM87に記憶されていてもよく、プログラムは共通用ROM87とは別に設けられたROMに記憶されている構成としてもよい。
(13)バスB1を利用して音出力LSI86のレジスタ92にサブMPU82がアクセスする構成は、上記実施の形態の構成に限定されない。例えば、レジスタ92のいずれのエリアにアクセスする場合であってもバスB1の全ての信号経路L1〜L8を利用してパラレルで情報の伝送が行われる構成としてもよい。この場合であっても、信号経路L1〜L8の数と、サブMPU82においてアクセス可能なアドレスの数との関係に鑑みて、セレクタ136を利用したアクセス可能なエリアの切り換えが行われる構成とすることが好ましい。
(14)共通用ROM87から読み出された音データはレジスタ92に転送されるのではなく、音データ処理部93に転送される構成としてもよい。この場合、共通用ROM87から音出力LSI86に向けて音データが転送されている期間と、共通用ROM87から音出力LSI86に向けて発光データが転送されている期間とが重ならないように各タイミングを調整すればよく、音出力LSI86からサブMPU82に向けて発光データが転送されている期間は音データが共通用ROM87から転送されている期間と重複しても構わない。
また、上記構成に加えて、シーケンスデータ及びパラメータデータを解析した後のデータは、レジスタ92に保存されるのではなく、音データ処理部93にて保存され、音データ処理部93からの指示に基づきデータ転送部95が音データの転送を実行する構成としてもよい。
(15)音出力LSI86における干渉状態の切り換えが全てサブMPU82からの指示に基づき行われる構成に代えて、例えば第1の干渉状態から第2の干渉状態への切り換えはサブMPU82からの指示に基づき行われ、第2の干渉状態から第1の干渉状態への切り換えは音出力LSI86からサブMPU82への発光データの転送が完了したタイミング又はその後に、音出力LSI86にて行われる構成としてもよい。
(16)音出力LSI86において音の出力制御だけでなく、画像の表示制御も行われる構成としてもよい。この場合、音出力LSI86に対する干渉状態として、音出力制御用の干渉状態、画像表示制御用の干渉状態、及びデータ転送用の干渉状態を含めて3種類以上の干渉状態が設定されていてもよい。
(17)サブMPU82にて利用される発光データ及びプログラムの直接用ROM84及び共通用ROM87への振分態様は、上記各実施の形態におけるものに限定されることはなく、例えば開閉実行モード中に利用される発光データ及びプログラムは共通用ROM87に記憶させておき、開閉実行モードではない状態にて利用される発光データ及びプログラムを直接用ROM84に記憶させておく構成としてもよい。この場合、サブMPU82にて利用されるタイミングの任意性が高い発光データ及びプログラムは早期に読み出しを完了することができる直接用ROM84に記憶させておき、当選結果となる遊技回が実行された後に利用タイミングが発生する発光データ及びプログラムは共通用ROM87に分配させておくことが可能となる。
(18)上記各実施の形態では、各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115と、各外部読み出し用のバッファ116〜120との間でサブMPU82からアクセス可能なエリアを切り換える場合に、セレクタ用エリア137の情報を切り換えることで当該切り換えをまとめて行える構成としたが、これに限定されることはなく、各切り換え対象毎にセレクタ用エリア137が設けられていもよく、所定の組合せ毎にセレクタ用エリア137が設けられていてもよい。これらの場合、サブMPU82においてアクセス可能なエリアの切り換えをより細かく行うことが可能となり、例えば音出力LSI86に指示を与えるための一部のデータについては、各外部読み出し用のバッファ116〜120の一部のバッファからデータを読み出している状況で書き込むことが可能となる。
(19)上記各実施の形態では、セレクタ用エリア137の情報を切り換えることで、サブMPU82においてアクセス可能なエリアが、各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115と、各外部読み出し用のバッファ116〜120との間で切り換えられる構成としたが、これに限定されることはなく、例えばセレクタ用エリア137の情報を切り換えることで、サブMPU82がレジスタ92に対してデータを書き込み可能な状態と、レジスタ92からデータを読み出し可能な状態との間での切り換えが行われる構成としてもよい。
(20)上作動口23への入賞に係る保留情報と下作動口24への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口24への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口23への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口23に対応した第1作動口と、下作動口24に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル41の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、メイン表示部33に、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(21)上作動口23への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口24への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。また、作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(22)主制御装置50から出力されるコマンドに基づいて、音光制御装置71により表示制御装置72が制御される構成に代えて、主制御装置50から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置72が音光制御装置71を制御する構成としてもよい。また、音光制御装置71と表示制御装置72とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置50に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置50に集約されていてもよい。また、主制御装置50から音光制御装置71に出力されるコマンドの構成や、音光制御装置71から表示制御装置72に出力されるコマンドの構成も任意である。
(23)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置31に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(24)上記各実施の形態では、主制御装置50において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部33における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置50において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の表示態様、表示継続時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置50では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、表示継続時間の決定及び種別判定を行った場合に、時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。
(25)上記各実施の形態では、メイン表示部33において各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、メイン表示部33を不具備としてもよく、いずれの遊技結果であってもメイン表示部33において共通の停止結果が表示される構成としてもよく、メイン表示部33において停止結果がランダムに表示されることで、結果的にメイン表示部33の表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(26)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.プログラム及びデータのうち少なくとも一方である第1制御用の情報(プログラム及び処理用データ、発光データ)を利用して第1の制御を実行する第1制御手段(サブMPU82)と、
プログラム及びデータのうち少なくとも一方である第2制御用の情報(音データ)を予め記憶する情報記憶手段(共通用ROM87)と、
当該情報記憶手段に記憶された前記第2制御用の情報を利用して第2の制御を実行する第2制御手段(音出力LSI86)と、
を備えており、
前記第1制御手段において利用される前記第1制御用の情報の少なくとも一部は、前記情報記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、情報記憶手段には、第2制御手段にて利用される第2制御用の情報だけでなく、第1制御手段にて利用される第1制御用の情報の少なくとも一部が記憶される。このように第1制御手段及び第2制御手段にとって共通に利用される情報記憶手段を設けることにより、記憶手段の数を抑えながら予め記憶させておく情報量を増大化させることが可能となる。よって、予め情報を記憶しておく構成の好適化を図ることが可能となる。
特徴A2.前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で通信を行う場合に利用される第1経路(バスB1)と、
前記第2制御手段において前記情報記憶手段から情報を読み出す場合に利用される第2経路(バスB2)と、
を備えており、
前記情報記憶手段に記憶されている前記第1制御用の情報が前記第1制御手段にて利用される場合、当該第1制御用の情報は前記第2経路を介して前記第2制御手段に読み出された後に、前記第1経路を介して前記第1制御手段に読み出されることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2の遊技機では、第1制御手段と第2制御手段との間で第1経路を利用して通信が行われることで各種制御が実行されるとともに、第2制御手段は第2経路を利用して情報記憶手段から読み出した第2制御用の情報を利用して第2の制御を実行する。この場合に、情報記憶手段に記憶された第1制御用の情報を第1制御手段に転送する場合、上記第1経路及び第2経路が利用される。これにより、第1制御手段及び第2制御手段にて各種制御を実行するために設けられた経路を利用して、情報記憶手段から第1制御手段への情報の転送が行われるため、当該情報を転送するためのハード構成の簡素化を図りながら、上記特徴A1にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A3.前記第1制御手段は、前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のプログラムを利用して所定の処理を実行するとともに、前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のデータを利用して前記所定の処理を実行することで第1機器(各種発光部44a〜44k)の動作を制御するものであり、
前記第1制御用のプログラムは、前記第1制御手段に対して接続された第1制御用の記憶手段(直接用ROM84)に予め記憶されており、
前記第1制御用のデータの少なくとも一部が、前記情報記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3の遊技機では、第1制御手段はプログラムを利用して所定の処理を実行するとともに第1制御用のデータを利用して第1機器の動作を制御するものであるため、第1の制御として多様な制御を行うことが可能となる。この場合に、第1制御手段にて利用される第1制御用の情報のうち、プログラムは第1制御用の記憶手段に記憶されており、第1制御用のデータの少なくとも一部が情報記憶手段に記憶されている。これにより、プログラムの読み出しに関して構成が複雑化してしまうことを抑制することで所定の処理の実行を良好に担保しながら、プログラムに比べてデータ量が大きくなり易い第1制御用のデータについてデータ量の増大化を良好に実現することが可能となる。
特徴A4.遊技者による操作に基づき発生する操作結果に応じて遊技の進行を制御するとともに当該操作結果に応じた制御を実行するように上流側指示情報(各種コマンド)を前記第1制御手段に向けて送信する上流側制御手段(主制御装置50)を備え、
前記第1制御手段は、前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のプログラムを利用して所定の処理(演出制御処理)を実行することで、前記上流側指示情報に応じた制御内容を決定するとともに、その決定された制御内容に従った動作を前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のデータを利用して前記第1機器に行わせるものであり、
前記第1制御用のプログラムは、前記第1制御手段に対して接続された第1制御用の記憶手段(直接用ROM84)に予め記憶されており、
前記第1制御用のデータの少なくとも一部が、前記情報記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A4によれば、上流側制御手段から上流側指示情報が送信された場合、第1制御手段では先ずプログラムを利用してその上流側指示情報に対応した所定の処理を実行し、その所定の処理の実行過程でデータを利用して第1機器の動作を制御する。つまり、第1制御用のプログラムは上流側指示情報の受信に対して突発的に読み出す必要があり読み出されるタイミングの任意性が高いのに対して、第1制御用のデータは所定の処理の実行過程で利用されるため読み出されるタイミングの任意性が低い。さらにまた、プログラムを利用した所定の処理の実行を前提として第1制御用のデータが利用されるため、読み出しの優先度は第1制御用のプログラムの方が高く、プログラムの読み出しが遅延されてしまうと処理待ち状態となってしまう。このような事情において、第1制御用のプログラムは第1制御用の記憶手段に記憶されており、第1制御用のデータの少なくとも一部が情報記憶手段に記憶されている。これにより、第1制御用のプログラムは第2制御手段の状態に関係なく第1制御手段にて独自に読み出すことができるようにしながら、プログラムに比べてデータ量が大きくなり易い第1制御用のデータについてデータ量の増大化を良好に実現することが可能となる。
特徴A5.前記第1制御用のデータは、一部が前記第1制御用の記憶手段に予め記憶されているとともに、一部が前記情報記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1制御用のデータが第1制御用の記憶手段及び情報記憶手段のそれぞれに配分されて記憶されているため、情報記憶手段の記憶容量を極端に増加させることを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A6.前記第2制御手段は、前記第1経路を通じて前記第1制御手段から送信される動作指示情報(シーケンスデータ及びパラメータデータ)に基づいて、前記第2制御用の情報を利用して第2機器(スピーカ部45)の動作を制御するものであることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、動作指示情報を第1制御手段から第2制御手段に送信する第1経路を利用して、情報記憶手段から第1制御手段への情報の転送が行われるため、当該情報を転送するためのハード構成の簡素化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
なお、上記特徴A6のより具体的な構成としては、「前記第2制御手段は、前記第1経路を通じて前記第1制御手段から送信される情報に基づいて、プログラムを利用することなく且つ前記第2制御用の情報である第2制御用のデータを利用して前記第2機器の動作を制御するものである」という構成が考えられる。
特徴A7.前記第2制御手段は、前記第2機器の動作状況に対応した情報を、前記第1経路を通じて送信し、
前記第1制御手段は、前記動作状況に対応した情報の受信結果に応じた処理(ステップS318の処理)を実行するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第2機器の動作を良好に制御するとともにその動作状況を第1制御手段に認識させるために双方向の通信を可能とするように設けられた第1経路を利用して、情報記憶手段から読み出した第1制御用の情報の第2制御手段から第1制御手段への転送を行うことができる。
特徴A8.前記第2制御手段は、前記動作指示情報を記憶しておく動作指示用の記憶領域(各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115)を有するとともに、前記情報記憶手段から読み出した前記第1制御用の情報を前記第1制御手段に送信するタイミングとなるまで記憶しておく送信待ち用の記憶領域(外部読み出し用のバッファ116〜120)を有する第2制御用の記憶手段(レジスタ92)を備えていることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第2制御手段は、第1制御手段側から受信した動作指示情報と、情報記憶手段から読み出した第1制御用の情報とを個別に記憶しておくことが可能であるため、第1制御手段からの動作指示情報の送信タイミング及び情報記憶手段からの第1制御用の情報の読み出しタイミングの調整を行い易くなる。
特徴A9.前記第2制御手段は、前記動作指示情報が前記第1経路を通じて前記第2制御手段に送信される第1状態(第1の干渉状態)と、前記情報記憶手段から読み出された前記第1制御用の情報が前記第1経路を通じて前記第1制御手段に送信される第2状態(第2の干渉状態)とのいずれかに選択する選択手段(セレクタ136)を備えていることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、同一の第1経路を利用して、第2制御手段に向けた動作指示情報の送信、及び第1制御手段に向けた第1制御用の情報の送信が行われるため、情報の送信に係るハード構成の簡素化が図られる。
特徴A10.前記第1制御手段は、前記選択手段により選択される状態を切り換える切換手段(サブMPU82におけるステップS403の処理及びステップS410の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第1経路の通信の状態について第1状態と第2状態との間の切り換えが第1制御手段により行われるため、第2制御手段側に向けた動作指示情報の送信タイミングと、第1制御手段側に向けた第1制御用の情報の送信タイミングとの調整を行い易くなる。
特徴A11.前記第2制御用の記憶手段は、前記選択手段により選択される状態に対応した情報を記憶する選択対象の記憶領域(セレクタ用エリア137)を有しており、
前記切換手段は、前記第2制御手段に対して情報を送信することに基づいて前記選択対象の記憶領域の情報を切り換えるとともに、前記選択手段により前記第1状態が選択されている状況及び前記第2状態が選択されている状況のいずれであっても前記選択対象の記憶領域の情報を切り換え可能であることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第1制御手段は第1経路の通信状態の切り換えに際して第2制御手段における選択対象の記憶領域の情報を切り換えるだけでよいため、当該切換に関して第1制御手段の制御負荷の低減が図られる。
特徴A12.前記第1制御手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記第1制御用の情報を読み出す場合に、当該第1制御用の情報の読み出し指示情報を前記第2制御手段に送信する読み出し指示手段(サブMPU82におけるステップS307の処理を実行する機能)を備えており、
前記切換手段は、前記選択手段により選択される状態を前記第1状態から前記第2状態に切り換える場合、前記読み出し指示手段による前記読み出し指示情報の送信が完了した後に当該切り換えを実行するものであることを特徴とする特徴A10又はA11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1経路の通信状態を第1状態から第2状態に切り換える場合に、第1状態が維持されている期間を長く確保することが可能となり、第2制御手段側に向けた動作指示情報の送信タイミングを設定する上での時間的な余裕が生まれる。
特徴A13.前記第1制御手段は、
前記情報記憶手段に記憶された前記第1制御用の情報を読み出す場合に、当該第1制御用の情報の読み出し指示情報を前記第2制御手段に送信する読み出し指示手段(サブMPU82におけるステップS307の処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段から前記第2制御手段に読み出された前記第1制御用の情報の前記第1制御手段への転送を指示する転送指示情報を前記第2制御手段に送信する転送指示手段(サブMPU82におけるステップS408の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記第2制御手段は、前記読み出し指示情報により指示された情報の前記情報記憶手段からの読み出しが完了した場合に完了情報を設定する完了情報設定手段(データ転送部95におけるステップS607の処理を実行する機能)を備えており、
前記転送指示手段は、前記読み出し指示手段から前記読み出し指示情報が送信された後において、予め定められた転送指示待ち期間の計測を開始する計測手段(RWM85、サブMPU82におけるステップS404の処理を実行する機能)を備えており、当該計測手段による前記転送指示待ち期間の計測が完了するとともに前記完了情報が設定されている場合に、前記転送指示情報を前記第2制御手段に送信するものであることを特徴とする特徴A2乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1制御手段からの読み出し指示に対応した情報の第2制御手段への読み出しが完了していないにも関わらず、完了情報の設定が電気的なノイズなどの影響で行われた場合であっても、第1制御手段側における転送指示待ち時間の計測が完了することが転送指示情報の送信の条件となっているため、第2制御手段から第1制御手段への情報の転送が開始されない。
また、第2制御手段において情報記憶手段からの第1制御用の情報の読み出しが何らかの理由で予定より遅れてしまい、転送指示待ち時間を経過したにも関わらず当該情報の読み出しが完了していないとしても、第2制御手段において完了情報が設定されることが転送指示情報の送信の条件となっているため、第2制御手段から第1制御手段への情報の転送が開始されない。
以上より、本構成によれば、情報記憶手段に記憶されている第1制御用の情報の第1制御手段への転送を正確に行うことが可能となる。
特徴A14.前記第2制御手段は、
前記第2制御用の情報を利用して第2機器の動作を制御する動作制御手段(音データ処理部93)と、
前記第1制御手段からの転送指示に基づき前記情報記憶手段に記憶されている前記第1制御用の情報を読み出すとともにその読み出した情報を前記第1制御手段に送信する転送実行手段(データ転送部95)と、
を備えており、
前記動作制御手段は、前記転送実行手段により前記第1制御用の情報の転送が行われる期間であっても前記第2機器の動作を制御することが可能であることを特徴とする特徴A2乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、情報記憶手段に記憶された第1制御用の情報が送信される期間であっても第2機器を動作させることが可能であるため、情報記憶手段に記憶された第1制御用の情報の転送タイミングを調整し易くなる。
特徴A15.前記動作制御手段は、前記第1経路を通じて前記第1制御手段から送信される動作指示情報(シーケンスデータ及びパラメータデータ)に基づいて、前記第2制御用の情報を利用して前記第2機器の動作を制御するものであり、
前記第1制御手段は、前記転送実行手段により前記第1制御用の情報の転送が行われる場合、少なくとも前記第1経路を通じた前記第1制御用の情報の送信が開始される前において、当該送信の完了後のタイミングまで前記第2機器の動作を制御するのに必要な情報量の前記動作指示情報を送信するものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、第1制御用の情報の転送が行われる期間であっても、第1制御手段からの動作指示に応じた動作を第2機器に行わせることが可能となる。特に、必要な情報量を含む動作指示情報が事前に送信される構成であるため、上記転送が行われる期間の途中で動作指示情報の送信を割り込んで行う必要はなく、当該動作指示情報の送信に係る構成の複雑化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A16.前記第2制御用の情報のうち前記第2制御手段において所定期間の範囲内で利用される所定期間対応の情報(一連の音データ)を、前記情報記憶手段から時分割で読み出す時分割用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS601及びステップS602の処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記第1制御用の情報のうち特定情報(1度に読み出される発光データ)を前記情報記憶手段から読み出すとともに、前記時分割用の読み出し手段において1の時分割の情報(第1の実施の形態では1サンプル分の音データ、第2の実施の形態では複数サンプル分の音データ)が読み出されてから次の時分割の情報が読み出されるまでの間に当該読み出しを行う特定情報用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS603及びステップS604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、情報記憶手段から第2制御用の情報を読み出すタイミングと、第1制御用の情報を読み出すタイミングとの調整を行い易くなる。
特徴A17.前記所定期間対応の情報は3個以上の前記時分割の情報を含むとともに、前記時分割用の読み出し手段は前記時分割の情報の読み出しを特定期間毎に定期的に実行するものであり、
前記特定情報用の読み出し手段は、前記特定情報の前記情報記憶手段からの読み出しを、前記特定期間の範囲内で行うものであることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、第2制御用の情報については時分割の情報として区分けして送信される点で、その読み出しが遅れると、第2制御手段における第2制御を良好に行えなくなる可能性が高い。この場合に、時分割の情報の定期的な読み出しを阻害しないようにしながら第1制御用の情報に係る特定情報の読み出しが行われるため、第2制御を良好に実行できるようにしながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A18.前記第2制御用の情報は、所定のサンプリング周波数で標本化及び量子化された音データであり、
前記第2制御手段は、前記音データを利用してデジタル楽音データを作成するとともに、その作成したデジタル楽音データを利用して音出力手段から所定の音を出力させるものであり、
前記時分割の情報は、所定数のサンプル分の音データであることを特徴とする特徴A16又はA17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、デジタル信号化された音データは時分割で読み出されるものであり、その時分割で読み出される構成を利用して、第1制御用の情報に係る特定情報の読み出しが行われる。これにより、音データの読み出しに係る空き時間を有効に利用して、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A19.前記第1制御手段と前記第2制御手段とは同一の制御基板(音光制御基板81)に設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、転送途中でのノイズの影響を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
上記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの汎用制御素子及びROMなどの読み出し専用の記憶素子を備えており、読み出し専用の記憶素子から読み出したプログラムに従って汎用制御素子にて処理が実行されることに基づき一連の遊技が制御されている。なお、汎用制御素子や読み出し専用の記憶素子などが1チップ化されたものも知られている。
上記遊技機では、一の汎用制御素子における処理負荷を軽減すべく、汎用制御素子を別に備えた構成や、所定の処理を実行するための専用回路として設けられた専用制御素子を備えた構成も知られている。
前者の構成について例示すると、遊技を統括管理するための主制御装置に一の汎用制御素子が設けられているとともに、スピーカ、ランプ及び表示装置などを利用した演出を制御するためのサブ制御装置に一の汎用制御素子が設けられている構成が知られている。この場合、主制御装置及びサブ制御装置のそれぞれに読み出し専用の記憶素子が設けられており、主制御装置の汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラムに基づき主たる制御を実行するとともに、サブ制御装置の汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラム及び主制御装置から入力したデータに基づき演出の実行を制御する。
また、後者の構成について例示すると、スピーカなどを利用した演出を制御するための制御装置に、一の汎用制御素子が設けられているとともに、音データを利用した音出力制御を行うことでスピーカから所定の音を出力させる専用制御素子が設けられている構成が知られている。この場合、汎用制御素子及び専用制御素子のそれぞれに読み出し専用の記憶素子が設けられており、汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラムに基づき所定期間分の音の出力内容を決定する制御を実行するとともに、専用制御素子では対応する記憶素子から読み出した音データを利用して上記汎用制御素子からの指令に応じた音を出力させるための制御を実行する。
なお、このような汎用制御素子と専用制御素子とを利用した制御は、スピーカからの音の出力制御以外にも、例えば液晶表示装置などの表示装置における画像の表示制御においても利用されている。
ここで、上記遊技機においては、遊技への注目度を高める必要があり、その一手法として遊技内容を多様化又は複雑化させる手法が考えられる。しかしながら、このような手法を採用するためにプログラムや制御データの容量が増大化した場合に、それに対して読み出し専用の記憶素子の数や容量を単純に増大化していくと、それだけコストが増大化してしまう。また、プログラムや制御データの容量が増大化しないとしても、遊技機のコストを抑えるためには、読み出し専用の記憶素子の数又は容量を低減することが好ましい。
<特徴B群>
特徴B1.プログラム及びデータのうち少なくとも一方である第1制御用の情報(プログラム及び処理用データ、発光データ)を利用して第1の制御を実行する第1制御手段(サブMPU82)と、
プログラム及びデータのうち少なくとも一方である第2制御用の情報(音データ)を利用して第2の制御を実行する第2制御手段(音出力LSI86)と、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で通信を行う場合に利用される特定経路(バスB1)と、
前記第1制御用の情報の少なくとも一部を予め記憶する情報記憶手段(共通用ROM87)と、
前記情報記憶手段に記憶された前記第1制御用の情報を、前記特定経路を通じて前記第1制御手段側に送信する転送実行手段(データ転送部95)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1制御手段と第2制御手段との間で通信を行う場合に利用される特定経路を通じて、第1制御用の情報が第1制御手段側に送信される。これにより、特定経路の兼用が図られ、第1制御手段にて利用される情報の容量の増大化を良好に実現することが可能となる。
特徴B2.前記第1制御手段は、前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のプログラムを利用して所定の処理を実行するとともに、前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のデータを利用して前記所定の処理を実行することで第1機器(各種発光部44a〜44k)の動作を制御するものであり、
前記第1制御用のプログラムは、前記第1制御手段に対して接続された第1制御用の記憶手段(直接用ROM84)に予め記憶されており、
前記第1制御用のデータの少なくとも一部が、前記情報記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2の遊技機では、第1制御手段はプログラムを利用して所定の処理を実行するとともに第1制御用のデータを利用して第1機器の動作を制御するものであるため、第1の制御として多様な制御を行うことが可能となる。この場合に、第1制御手段にて利用される第1制御用の情報のうち、プログラムは第1制御用の記憶手段に記憶されており、第1制御用のデータの少なくとも一部が情報記憶手段に記憶されている。これにより、プログラムの読み出しに関して構成が複雑化してしまうことを抑制することで所定の処理の実行を良好に担保しながら、プログラムに比べてデータ量が大きくなり易い第1制御用のデータについてデータ量の増大化を良好に実現することが可能となる。
特徴B3.遊技者による操作に基づき発生する操作結果に応じて遊技の進行を制御するとともに当該操作結果に応じた制御を実行するように上流側指示情報(各種コマンド)を前記第1制御手段に向けて送信する上流側制御手段(主制御装置50)を備え、
前記第1制御手段は、前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のプログラムを利用して所定の処理(演出制御処理)を実行することで、前記上流側指示情報に応じた制御内容を決定するとともに、その決定された制御内容に従った動作を前記第1制御用の情報の一部である第1制御用のデータを利用して前記第1機器に行わせるものであり、
前記第1制御用のプログラムは、前記第1制御手段に対して接続された第1制御用の記憶手段(直接用ROM84)に予め記憶されており、
前記第1制御用のデータの少なくとも一部が、前記情報記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B3によれば、上流側制御手段から上流側指示情報が送信された場合、第1制御手段では先ずプログラムを利用してその上流側指示情報に対応した所定の処理を実行し、その所定の処理の実行課程でデータを利用して第1機器の動作を制御する。つまり、第1制御用のプログラムは上流側指示情報の受信に対して突発的に読み出す必要があり読み出されるタイミングの任意性が高いのに対して、第1制御用のデータは所定の処理の実行過程で利用されるため読み出されるタイミングの任意性が低い。さらにまた、プログラムを利用した所定の処理の実行を前提として第1制御用のデータが利用されるため、読み出しの優先度は第1制御用のプログラムの方が高く、プログラムの読み出しが遅延されてしまうと処理待ち状態となってしまう。このような事情において、第1制御用のプログラムは第1制御用の記憶手段に記憶されており、第1制御用のデータの少なくとも一部が情報記憶手段に記憶されている。これにより、第1制御用のプログラムは第2制御手段の状態に関係なく第1制御手段にて独自に読み出すことができるようにしながら、プログラムに比べてデータ量が大きくなり易い第1制御用のデータについてデータ量の増大化を良好に実現することが可能となる。
特徴B4.前記第1制御用のデータは、一部が前記第1制御用の記憶手段に予め記憶されているとともに、一部が前記情報記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1制御用のデータが第1制御用の記憶手段及び情報記憶手段のそれぞれに配分されて記憶されているため、情報記憶手段の記憶容量を極端に増加させることを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B5.前記第2制御手段は、前記特定経路を通じて前記第1制御手段から送信される動作指示情報(シーケンスデータ及びパラメータデータ)に基づいて、第2機器(スピーカ部45)の動作を制御するものであることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、動作指示情報を第1制御手段から第2制御手段に送信する特定経路を利用して、情報記憶手段から第1制御手段への情報の転送が行われるため、当該情報を転送するためのハード構成の簡素化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
なお、上記特徴B5のより具体的な構成としては、「前記第2制御手段は、前記特定経路を通じて前記第1制御手段から送信される情報に基づいて、プログラムを利用することなく且つ第2制御用のデータを利用して前記第2機器の動作を制御するものである」という構成が考えられる。
特徴B6.前記第2制御手段は、前記第2機器の動作状況に対応した情報を、前記特定経路を通じて送信し、
前記第1制御手段は、前記動作状況に対応した情報の受信結果に応じた処理(ステップS318の処理)を実行するものであることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第2機器の動作を良好に制御するとともにその動作状況を第1制御手段に認識させるために双方向の通信を可能とするように設けられた特定経路を利用して、情報記憶手段から読み出した第1制御用の情報の第2制御手段から第1制御手段への転送を行うことができる。
特徴B7.前記第2制御手段は、前記動作指示情報を記憶しておく動作指示用の記憶領域(各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115)を有するとともに、前記情報記憶手段から読み出した前記第1制御用の情報を前記転送実行手段が前記第1制御手段に送信するタイミングとなるまで記憶しておく送信待ち用の記憶領域(外部読み出し用のバッファ116〜120)を有する第2制御用の記憶手段(レジスタ92)を備えていることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第2制御手段は、第1制御手段側から受信した動作指示情報と、情報記憶手段から読み出した第1制御用の情報とを個別に記憶しておくことが可能であるため、第1制御手段からの動作指示情報の送信タイミング及び情報記憶手段からの第1制御用の情報の読み出しタイミングの調整を行い易くなる。
特徴B8.前記第2制御手段は、前記動作指示情報が前記特定経路を通じて前記第2制御手段に送信される第1状態(第1の干渉状態)と、前記情報記憶手段から読み出された前記第1制御用の情報が前記転送実行手段により前記特定経路を通じて前記第1制御手段に送信される第2状態(第2の干渉状態)とのいずれかに選択する選択手段(セレクタ136)を備えていることを特徴とする特徴B5乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、同一の特定経路を利用して、第2制御手段に向けた動作指示情報の送信、及び第1制御手段に向けた第1制御用の情報の送信が行われるため、情報の送信に係るハード構成の簡素化が図られる。
特徴B9.前記第1制御手段は、前記選択手段により選択される状態を切り換える切換手段(サブMPU82におけるステップS403の処理及びステップS410の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特定経路の通信の状態について第1状態と第2状態との間の切り換えが第1制御手段により行われるため、第2制御手段側に向けた動作指示情報の送信タイミングと、第1制御手段側に向けた第1制御用の情報の送信タイミングとの調整を行い易くなる。
特徴B10.前記第2制御用の記憶手段は、前記選択手段により選択される状態に対応した情報を記憶する選択対象の記憶領域(セレクタ用エリア137)を有しており、
前記切換手段は、前記第2制御手段に対して情報を送信することに基づいて前記選択対象の記憶領域の情報を切り換えるとともに、前記選択手段により前記第1状態が選択されている状況及び前記第2状態が選択されている状況のいずれであっても前記選択対象の記憶領域の情報を切り換え可能であることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1制御手段は特定経路の通信状態の切り換えに際して第2制御手段における選択対象の記憶領域の情報を切り換えるだけでよいため、当該切換に関して第1制御手段の制御負荷の低減が図られる。
特徴B11.前記第1制御手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記第1制御用の情報を読み出す場合に、当該第1制御用の情報の読み出し指示情報を前記第2制御手段に送信する読み出し指示手段(サブMPU82におけるステップS307の処理を実行する機能)を備えており、
前記切換手段は、前記選択手段により選択される状態を前記第1状態から前記第2状態に切り換える場合、前記読み出し指示手段による前記読み出し指示情報の送信が完了した後に当該切り換えを実行するものであることを特徴とする特徴B9又はB10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、特定経路の通信状態を第1状態から第2状態に切り換える場合に、第1状態が維持されている期間を長く確保することが可能となり、第2制御手段側に向けた動作指示情報の送信タイミングを設定する上での時間的な余裕が生まれる。
特徴B12.前記第1制御手段は、
前記情報記憶手段に記憶された前記第1制御用の情報を読み出す場合に、当該第1制御用の情報の読み出し指示情報を前記第2制御手段に送信する読み出し指示手段(サブMPU82におけるステップS307の処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段から前記第2制御手段に読み出された前記第1制御用の情報の前記第1制御手段への転送を指示する転送指示情報を前記転送実行手段に送信する転送指示手段(サブMPU82におけるステップS408の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記転送実行手段は、前記読み出し指示情報により指示された情報の前記情報記憶手段からの読み出しが完了した場合に完了情報を設定する完了情報設定手段(データ転送部95におけるステップS607の処理を実行する機能)を備えており、
前記転送指示手段は、前記読み出し指示手段から前記読み出し指示情報が送信された後において、予め定められた転送指示待ち期間の計測を開始する計測手段(RWM85、サブMPU82におけるステップS404の処理を実行する機能)を備えており、当該計測手段による前記転送指示待ち期間の計測が完了するとともに前記完了情報が設定されている場合に、前記転送指示情報を前記転送実行手段に送信するものであることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、第1制御手段からの読み出し指示に対応した情報の第2制御手段への読み出しが完了していないにも関わらず、完了情報の設定が電気的なノイズなどの影響で行われた場合であっても、第1制御手段側における転送指示待ち時間の計測が完了することが転送指示情報の送信の条件となっているため、第2制御手段から第1制御手段への情報の転送が開始されない。
また、第2制御手段において情報記憶手段からの第1制御用の情報の読み出しが何らかの理由で予定より遅れてしまい、転送指示待ち時間を経過したにも関わらず当該情報の読み出しが完了していないとしても、第2制御手段において完了情報が設定されることが転送指示情報の送信の条件となっているため、第2制御手段から第1制御手段への情報の転送が開始されない。
以上より、本構成によれば、情報記憶手段に記憶されている第1制御用の情報の第1制御手段への転送を正確に行うことが可能となる。
特徴B13.前記第2制御手段は、前記転送実行手段を備えているとともに、前記第2制御用の情報を利用して第2機器の動作を制御する動作制御手段(音データ処理部93)を備えており、
前記動作制御手段は、前記転送実行手段により前記第1制御用の情報の転送が行われる期間であっても前記第2機器の動作を制御することが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、情報記憶手段に記憶された第1制御用の情報が送信される期間であっても第2機器を動作させることが可能であるため、情報記憶手段に記憶された第1制御用の情報の転送タイミングを調整し易くなる。
特徴B14.前記動作制御手段は、前記特定経路を通じて前記第1制御手段から送信される動作指示情報(シーケンスデータ及びパラメータデータ)に基づいて、前記第2制御用の情報を利用して前記第2機器の動作を制御するものであり、
前記第1制御手段は、前記転送実行手段により前記第1制御用の情報の転送が行われる場合、少なくとも前記特定経路を通じた前記第1制御用の情報の送信が開始される前において、当該送信の完了後のタイミングまで前記第2機器の動作を制御するのに必要な情報量の前記動作指示情報を送信するものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、第1制御用の情報の転送が行われる期間であっても、第1制御手段からの動作指示に応じた動作を第2機器に行わせることが可能となる。特に、必要な情報量を含む動作指示情報が事前に送信される構成であるため、上記転送が行われる期間の途中で動作指示情報の送信を割り込んで行う必要はなく、当該動作指示情報の送信に係る構成の複雑化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
上記特徴B群の発明は以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの汎用制御素子及びROMなどの読み出し専用の記憶素子を備えており、読み出し専用の記憶素子から読み出したプログラムに従って汎用制御素子にて処理が実行されることに基づき一連の遊技が制御されている。なお、汎用制御素子や読み出し用の記憶素子などが1チップ化されて一の制御素子として設けられたものも知られている。
上記遊技機では、一の汎用制御素子における処理負荷を軽減すべく、汎用制御素子を別に備えた構成や、所定の処理を実行するための専用回路として設けられた専用制御素子を備えた構成も知られている。
前者の構成について例示すると、遊技を統括管理するための主制御装置に一の汎用制御素子が設けられているとともに、スピーカ、ランプ及び表示装置などを利用した演出を制御するためのサブ制御装置に一の汎用制御素子が設けられている構成が知られている。この場合、主制御装置及びサブ制御装置のそれぞれに読み出し専用の記憶素子が設けられており、主制御装置の汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラムに基づき主たる制御を実行するとともに、サブ制御装置の汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラム及び主制御装置から入力したデータに基づき演出の実行を制御する。
また、後者の構成について例示すると、スピーカなどを利用した演出を制御するための制御装置に、一の汎用制御素子が設けられているとともに、音データを利用した音出力制御を行うことでスピーカから所定の音を出力させる専用制御素子が設けられている構成が知られている。この場合、汎用制御素子及び専用制御素子のそれぞれに読み出し専用の記憶素子が設けられており、汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラムに基づき所定期間分の音の出力内容を決定する制御を実行するとともに、専用制御素子では対応する記憶素子から読み出した音データを利用して上記汎用制御素子からの指令に応じた音を出力させるための制御を実行する。
なお、このような汎用制御素子と専用制御素子とを利用した制御は、スピーカからの音の出力制御以外にも、例えば液晶表示装置などの表示装置における画像の表示制御において利用されている。
ここで、所定の制御素子にて利用されるプログラム又は制御データの容量を増大化させるべく、所定の制御素子に対して記憶素子を新たに集積するのではなく、当該所定の制御素子とは別に設けられた記憶素子に増大化させた分のプログラム又は制御データを記憶させることが考えられる。この場合、所定の制御素子の設計を大きく変更することなく、上記容量の増大化を図ることが可能となる。しかしながら、上記別に設けられた記憶素子から信号を入力するために所定の制御素子の入力端子の数を増やすとなると、当該入力端子の数の増加に伴う設計の変更が必要なる。
<特徴C群>
特徴C1.指示出し側の制御手段(サブMPU82)及び指示受け側の制御手段(音出力LSI86)を備え、前記指示出し側の制御手段の指示に基づき前記指示受け側の制御手段にて特定制御(スピーカ部45からの音の出力制御)が実行される遊技機において、
前記指示受け側の制御手段は、
前記指示出し側の制御手段により特定経路(バスB1)を介してアクセスされる受け側記憶手段(レジスタ92)と、
第1特定制御を実行する第1実行手段(音データ処理部93)と、
前記第1特定制御の場合とは異なる対象を制御するために第2特定制御を実行する第2実行手段(データ転送部95における発光データを読み出して転送する機能)と、
前記第1実行手段に前記第1特定制御を実行させるために前記指示出し側の制御手段が前記受け側記憶手段にアクセスする第1の干渉状態、及び前記第2実行手段に前記第2特定制御を実行させるために前記指示出し側の制御手段が前記受け側記憶手段にアクセスする第2の干渉状態を含めた複数の干渉状態から実行対象の干渉状態を選択する選択手段(セレクタ136)と、
を備えており、
前記指示出し側の制御手段は、前記選択手段により選択される干渉状態を切り換える切換手段(サブMPU82におけるステップS403の処理及びステップS410の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、指示出し側の制御手段の指示に基づき指示受け側の制御手段では第1特定制御だけでなく第2特定制御も実行されるため、制御対象が多様化し、遊技内容を多様化又は複雑化させることが可能となる。この場合に、選択手段により指示出し側の制御手段による干渉状態が選択される構成であり、第1特定制御を実行させるために受け側記憶手段にアクセスする場合及び第2特定制御を実行させるために受け側記憶手段にアクセスする場合のいずれであっても、指示出し側の制御手段は同一の特定経路を利用する。これにより、指示出し側の制御手段によるアクセスに係るハード構成の簡素化を図りながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
さらにまた、干渉状態の切り換えが指示出し側の制御手段により行われるため、第1特定制御を実行させるためにアクセスするタイミングと、第2特定制御を実行させるためにアクセスするタイミングとの調整を行い易くなる。
以上より、指示出し側の制御手段と指示受け側の制御手段との間の通信に係る構成を良好なものとしながら、指示受け側の制御手段に複数の機能を付与することが可能となる。
特徴C2.前記受け側記憶手段は、前記第1の干渉状態において前記指示出し側の制御手段がアクセスする第1記憶領域(各パラメータ用のエリア111〜114及びシーケンスデータ用のエリア115)を有するとともに、前記第2の干渉状態において前記指示出し側の制御手段がアクセスする第2記憶領域(外部読み出し用のバッファ116〜120)を有しており、
前記選択手段は、前記特定経路を介して前記指示出し側の制御手段がアクセスする対象の記憶領域を、前記第1の干渉状態を選択している場合に前記第1記憶領域とするとともに、前記第2の干渉状態を選択している場合に前記第2記憶領域とするものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第1の干渉状態において指示出し側の制御手段がアクセスする第1記憶領域と、第2の干渉状態において指示出し側の制御手段がアクセスする第2記憶領域とが個別に設けられているため、第1特定制御を実行させるために指示出し側の制御手段がアクセスするタイミング及び第2特定制御を実行させるために指示出し側の制御手段がアクセスするタイミングの調整を行い易くなる。
特徴C3.前記受け側記憶手段は、前記選択手段により選択される干渉状態に対応した情報を記憶する選択対象の記憶領域(セレクタ用エリア137)を有しており、
前記切換手段は、前記指示受け側の制御手段に対して情報を送信することに基づいて前記選択対象の記憶領域の情報を切り換えるとともに、前記選択手段により前記第1の干渉状態が選択されている状況及び前記第2の干渉状態が選択されている状況のいずれであっても前記選択対象の記憶領域の情報を切り換え可能であることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、指示出し側の制御手段は干渉状態の切り換えに際して指示受け側の制御手段における選択対象の記憶領域の情報を切り換えるだけでよいため、当該切換に関して指示出し側の制御手段の処理負荷の低減が図られる。
特徴C4.前記第2の干渉状態は、前記指示出し側の制御手段が前記受け側記憶手段にアクセスすることで当該受け側記憶手段に記憶されている情報を読み出す状態であり、
前記指示出し側の制御手段は、前記受け側記憶手段に記憶された情報を読み出す場合に、当該情報の読み出し指示情報を前記指示受け側の制御手段に送信する読み出し指示手段(サブMPU82におけるステップS307の処理を実行する機能)を備えており、
前記切換手段は、前記選択手段により選択される状態を前記第1の干渉状態から前記第2の干渉状態に切り換える場合、前記読み出し指示手段による前記読み出し指示情報の送信が完了した後に当該切り換えを実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、干渉状態を第1の干渉状態から第2の干渉状態に切り換える場合に、第1の干渉状態が維持されている期間を長く確保することが可能となり、第1の干渉状態において指示出し側の制御手段がアクセスする上での時間的な余裕が生まれる。
特徴C5.前記第1実行手段は、前記第1特定制御として所定の機器(スピーカ部45)の動作を制御する構成であるとともに、前記干渉状態が前記第2の干渉状態であっても前記所定の機器の動作を制御することが可能であることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、第2の干渉状態であっても所定の機器を動作させることが可能であるため、第2の干渉状態の設定タイミングを調整し易くなる。
特徴C6.前記第1実行手段は、前記指示出し側の制御手段から送信される動作指示情報に基づいて、所定の機器(スピーカ部45)の動作を制御するものであり、
前記指示出し側の制御手段は、前記第2の干渉状態とする場合、当該第2の干渉状態に切り換える前において、当該切り換えようとしている第2の干渉状態の終了後のタイミングまで前記所定の機器の動作を制御するのに必要な情報量の前記動作指示情報を、送信するものであることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第2の干渉状態であっても、指示出し側の制御手段からの動作指示に応じた動作を所定の機器に行わせることが可能となる。特に、必要な情報量を含む動作指示情報が事前に送信される構成であるため、第2の干渉状態の途中で動作指示情報の送信を割り込んで行う必要はなく、当該動作指示情報の送信に係る構成の複雑化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C7.前記指示出し側の制御手段は、プログラムを利用して所定の処理を実行するものである一方、前記指示受け側の制御手段は、プログラムを利用することなく前記指示出し側の制御手段からの指示に基づき前記第1特定制御及び前記第2特定制御を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、指示出し側の制御手段として汎用制御素子を設けるとともに、指示受け側の制御手段として専用制御素子を設けた構成において、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
上記特徴C群の発明は以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、単一の制御手段における処理負荷を軽減すべく、指示出し側の制御手段と、指示受け側の制御手段と、を備えた構成が知られている。
当該構成について例示すると、スピーカなどを利用した演出を制御するための制御装置に、指示出し側の制御手段として、演出内容を決定するための処理を実行する汎用制御素子が設けられているとともに、指示受け側の制御手段として、汎用制御素子から受けた指示に基づきスピーカから所定の音を出力させる専用制御素子が設けられている構成が知られている。
この場合、汎用制御素子及び専用制御素子のそれぞれに読み出し専用の記憶素子が設けられており、汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラムに基づき所定期間分の音の出力内容を決定する制御を実行するとともに、専用制御素子では対応する記憶素子から読み出した音データを利用して上記汎用制御素子からの指示に応じた音を出力させるための制御を実行する。
なお、このような汎用制御素子と専用制御素子とを利用した制御は、スピーカからの音の出力制御以外にも、例えば液晶表示装置などの表示装置における画像の表示制御において利用されている。
ここで、上記遊技機においては、遊技への注目度を高める必要があり、その一手法として遊技内容を多様化又は複雑化させる手法が考えられ、このような手法を採用するために指示受け側の制御手段に複数の機能を付与することが考えられる。そして、指示受け側の制御手段において複数の機能が付与されると、当該指示受け側の制御手段と指示出し側の制御手段との間で各機能に応じた情報の通信が行われることとなる。この場合に、当該機能の増加に伴って指示出し側の制御手段と指示受け側の制御手段との間の信号経路の数を増加させると、信号の通信に係る既存のハード構成を大きく変更させる必要が生じてしまい好ましくない。
<特徴D群>
特徴D1.プログラム及びデータのうち少なくとも一方である情報を予め記憶する情報記憶手段(共通用ROM87)と、
当該情報記憶手段から第1制御用の情報(発光データ)を所定経路(バスB2)を介して読み出すとともに、当該第1制御用の情報とは異なる第2制御用の情報(音データ)を前記所定経路を介して読み出す読み出し手段(データ転送部95における共通用ROM87からデータを読み出す機能)と、
当該読み出し手段により読み出された前記第1制御用の情報を利用して第1の制御(ステップS309〜ステップS311の処理に基づく発光制御)を実行する第1制御手段(サブMPU82)と、
前記読み出し手段により読み出された前記第2制御用の情報を利用して第2の制御(ステップS503〜ステップS507の処理に基づく音出力制御)を実行する第2制御手段(音出力LSI86)と、
を備え、
前記読み出し手段は、
前記第2制御用の情報のうち前記第2制御手段において所定期間の範囲内で利用される所定期間対応の情報(一連の音データ)を、前記情報記憶手段から時分割で読み出す時分割用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS601及びステップS602の処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記第1制御用の情報のうちの少なくとも一部である特定情報(1度に読み出される発光データ)を、前記時分割用の読み出し手段において1の時分割の情報(第1の実施の形態では1サンプル分の音データ、第2の実施の形態では複数サンプル分の音データ)が読み出されてから次の時分割の情報が読み出されるまでの間に読み出す特定情報用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS603及びステップS604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、情報記憶手段に第1制御用の情報及び第2制御用の情報を予め記憶させる構成であるため、それぞれの情報を異なる記憶手段に記憶させる構成に比べて、記憶手段の数を抑えながら予め記憶させておく情報量を増大化させることが可能となる。
また、第2制御用の情報は時分割で読み出されるとともに、第1制御用の情報はその時分割で読み出される間を利用して読み出される。これにより、情報記憶手段に第1制御用の情報及び第2制御用の情報を予め記憶させておく構成において、当該情報記憶手段から第1制御用の情報を読み出すタイミングと、第2制御用の情報を読み出すタイミングとの調整を図り易くなる。
以上より、予め情報を記憶しておく構成の好適化を図ることが可能となる。
特徴D2.前記第2制御手段は、前記特定情報用の読み出し手段により前記特定情報の読み出しが行われている間は、既に読み出されている時分割の情報を利用して前記第2の制御を実行するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、第2制御手段における第2制御の連続的な実行を担保しながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴D3.前記所定期間対応の情報は3個以上の前記時分割の情報を含むとともに、前記時分割用の読み出し手段は前記時分割の情報の読み出しを特定期間毎に定期的に実行するものであり、
前記特定情報用の読み出し手段は、前記特定情報の前記情報記憶手段からの読み出しを、前記特定期間の範囲内で行うものであることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、第2制御用の情報については時分割の情報として区分けして送信される点で、その読み出しが遅れると、第2制御手段における第2制御を良好に行えなくなる可能性が高い。この場合に、時分割の情報の定期的な読み出しを阻害しないようにしながら第1制御用の情報に係る特定情報の読み出しが行われるため、第2制御を良好に実行できるようにしながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴D4.前記第2制御用の情報は、所定のサンプリング周波数で標本化及び量子化された音データであり、
前記第2制御手段は、前記音データを利用してデジタル楽音データを作成するとともに、その作成したデジタル楽音データを利用して音出力手段から所定の音を出力させるものであり、
前記時分割の情報は、所定数のサンプル分の音データであることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、デジタル信号化された音データは時分割で読み出されるものであり、その時分割で読み出される構成を利用して、第1制御用の情報に係る特定情報の読み出しが行われる。これにより、音データの読み出しに係る空き時間を有効に利用して、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴D5.前記時分割の情報は、1サンプル分の音データであることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、音データの読み出しが行われない期間が生じ易くなり、第1制御用の情報を読み出すタイミングを調整し易くなる。
特徴D6.前記時分割の情報は、複数サンプル分の音データであるとともに、各時分割の情報間において含まれるサンプル数が同一であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D6によれば、1サンプル分ずつ音データが読み出される構成に比べて、データの読み出しに際して付属することとなるデータ量を削減することが可能となる。この場合に、各時分割の情報間において含まれるサンプル数が同一であるため、時分割の情報を定期的に読み出すことが可能となり、時分割間の期間のいずれであっても一定の空き時間が生じることとなる。よって、第1制御用の情報の読み出しタイミングをいずれのタイミングとしたとしても、その情報量を調整する必要がない。
特徴D7.所定の機器(各種発光部44a〜44k、スピーカ部45)を制御するために利用されるデータを予め記憶する情報記憶手段(共通用ROM87)と、
当該情報記憶手段から第1制御用のデータ(発光データ)を所定経路(バスB2)を介して読み出すとともに、当該第1制御用のデータとは制御対象の機器が異なる第2制御用のデータ(音データ)を前記所定経路を介して読み出す読み出し手段(データ転送部95における共通用ROM87からデータを読み出す機能)と、
当該読み出し手段により読み出された前記第1制御用のデータを利用して第1機器(各種発光部44a〜44k)の動作を制御する第1制御手段(サブMPU82)と、
前記読み出し手段により読み出された前記第2制御用のデータを利用して第2機器(スピーカ部45)の動作を制御する第2制御手段(音出力LSI86)と、
を備え、
前記読み出し手段は、
前記第2制御用のデータのうち前記第2制御手段において所定期間の範囲内で利用される所定期間対応のデータ(一連の音データ)を、前記情報記憶手段から時分割で読み出す時分割用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS601及びステップS602の処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記第1制御用のデータのうちの少なくとも一部である特定データ(1度に読み出される発光データ)を、前記時分割用の読み出し手段において1の時分割のデータ(第1の実施の形態では1サンプル分の音データ、第2の実施の形態では複数サンプル分の音データ)が読み出されてから次の時分割のデータが読み出されるまでの間に読み出す特定データ用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS603及びステップS604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D7によれば、情報記憶手段に第1制御用のデータ及び第2制御用のデータを予め記憶させる構成であるため、それぞれのデータを異なる記憶手段に記憶させる構成に比べて、記憶手段の数を抑えながら予め記憶させておく情報量を増大化させることが可能となる。
また、第2制御用のデータは時分割で読み出されるとともに、第1制御用のデータはその時分割で読み出される間を利用して読み出される。これにより、情報記憶手段に第1制御用のデータ及び第2制御用のデータを予め記憶させておく構成において、当該情報記憶手段から第1制御用のデータを読み出すタイミングと、第2制御用のデータを読み出すタイミングとの調整を図り易くなる。
以上より、予めデータを記憶しておく構成の好適化を図ることが可能となる。
特徴D8.プログラム及びデータのうち少なくとも一方である情報を予め記憶する情報記憶手段(共通用ROM87)と、
当該情報記憶手段から第1制御用の情報(発光データ)を所定経路(バスB2)を介して読み出すとともに、当該第1制御用の情報とは異なる第2制御用の情報(音データ)を前記所定経路を介して読み出す読み出し手段(データ転送部95における共通用ROM87からデータを読み出す機能)と、
当該読み出し手段により読み出された前記第1制御用の情報を利用して第1の制御(ステップS309〜ステップS311の処理に基づく発光制御)を実行する第1制御手段(サブMPU82)と、
前記読み出し手段により読み出された前記第2制御用の情報を利用して第2の制御(ステップS503〜ステップS507の処理に基づく音出力制御)を実行する第2制御手段(音出力LSI86)と、
を備え、
前記読み出し手段は、
前記第2制御用の情報のうち前記第2制御手段において所定期間の範囲内で利用される所定期間対応の情報(一連の音データ)を、前記情報記憶手段から分割して読み出す分割用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS601及びステップS602の処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記第1制御用の情報のうちの少なくとも一部である特定情報(1度に読み出される発光データ)を、前記分割用の読み出し手段において1の分割の情報(第1の実施の形態では1サンプル分の音データ、第2の実施の形態では複数サンプル分の音データ)が読み出されてから次の分割の情報が読み出されるまでの間に読み出す特定情報用の読み出し手段(データ転送部95におけるステップS603及びステップS604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D8によれば、情報記憶手段に第1制御用の情報及び第2制御用の情報を予め記憶させる構成であるため、それぞれの情報を異なる記憶手段に記憶させる構成に比べて、記憶手段の数を抑えながら予め記憶させておく情報量を増大化させることが可能となる。
また、第2制御用の情報は分割で読み出されるとともに、第1制御用の情報はその分割で読み出される間を利用して読み出される。これにより、情報記憶手段に第1制御用の情報及び第2制御用の情報を予め記憶させておく構成において、当該情報記憶手段から第1制御用の情報を読み出すタイミングと、第2制御用の情報を読み出すタイミングとの調整を図り易くなる。
以上より、予め情報を記憶しておく構成の好適化を図ることが可能となる。
上記特徴D群の発明は以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの汎用制御素子及びROMなどの読み出し専用の記憶素子を備えており、読み出し専用の記憶素子から読み出したプログラムに従って汎用制御素子にて処理が実行されることに基づき一連の遊技が制御されている。なお、汎用制御素子や読み出し専用の記憶素子などが1チップ化されたものも知られている。
上記遊技機では、一の汎用制御素子における処理負荷を軽減すべく、汎用制御素子を別に備えた構成や、所定の処理を実行するための専用回路として設けられた専用制御素子を備えた構成も知られている。
前者の構成について例示すると、遊技を統括管理するための主制御装置に一の汎用制御素子が設けられているとともに、スピーカ、ランプ及び表示装置などを利用した演出を制御するためのサブ制御装置に一の汎用制御素子が設けられている構成が知られている。この場合、主制御装置及びサブ制御装置のそれぞれに読み出し専用の記憶素子が設けられており、主制御装置の汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラムに基づき主たる制御を実行するとともに、サブ制御装置の汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラム及び主制御装置から入力したデータに基づき演出の実行を制御する。
また、後者の構成について例示すると、スピーカなどを利用した演出を制御するための制御装置に、一の汎用制御素子が設けられているとともに、音データを利用した音出力制御を行うことでスピーカから所定の音を出力させる専用制御素子が設けられている構成が知られている。この場合、汎用制御素子及び専用制御素子のそれぞれに読み出し専用の記憶素子が設けられており、汎用制御素子では対応する記憶素子から読み出したプログラムに基づき所定期間分の音の出力内容を決定する制御を実行するとともに、専用制御素子では対応する記憶素子から読み出した音データを利用して上記汎用制御素子からの指令に応じた音を出力させるための制御を実行する。
なお、このような汎用制御素子と専用制御素子とを利用した制御は、スピーカからの音の出力制御以外にも、例えば液晶表示装置などの表示装置における画像の表示制御において利用されている。
ここで、上記遊技機においては、遊技への注目度を高める必要があり、その一手法として遊技内容を多様化又は複雑化させる手法が考えられる。しかしながら、このような手法を採用するためにプログラムや制御データの容量が増大化した場合に、それに対して読み出し専用の記憶素子の数や容量を単純に増大化していくと、それだけコストが増大化してしまう。また、プログラムや制御データの容量が増大化しないとしても、遊技機のコストを抑えるためには、読み出し専用の記憶素子の数又は容量を低減することが好ましい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。