(遊技機の説明)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技機について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、後述する発射装置211(図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部21が配設されている。画像表示部21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示部21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、始動口25、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
始動口25は、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。始動口25は、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する特別図柄表示器31)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
始動口25は、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じていると、始動口25の入口へ案内される開口幅が相対的に狭いため、遊技球が始動口25へ入り難い。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開くと、始動口25の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が始動口25へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、点灯または点滅しながら一対の羽根部が規定時間(例えば、6秒間)開き、規定回数(例えば、3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、始動口25の下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、15回または2回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。図2は、遊技機1に配設された表示器3の一例を示す説明図である。図2に示されるように、表示器3は、特別図柄表示器31、特別図柄保留表示器32、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35を備えている。
特別図柄表示器31は、始動口25に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動し、その抽選結果を表示する。普通図柄表示器33は、ゲート27を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動し、その抽選結果を表示する。特別図柄保留表示器32は、特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器34は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。遊技状態表示器35は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。遊技機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)が設定されている。
図1に戻り、遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図5参照)が遊技球を電動発射する。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ56は、光の照射方向を変更可能にして、当該照射方向を変えることによる演出を行ってもかまわない。
図3は、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン57および演出キー58を示す部分平面図である。演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出キー58は、中央キーと略十字に配列された複数のキーとを有する。演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、演出キー58の4つの周囲キー及び中央キーを操作することにより、画像表示部21に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能である。
次に、図4を参照して、遊技機1での動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示されるように、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、始動口25に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)および特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータや、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御部400に送る。また、詳述はしないが、メイン制御部100は、電動チューリップ26の開閉制御、特別図柄抽選の結果に応じた大入賞口28の開閉制御、遊技球が入賞した場所(始動口25、大入賞口28、および普通入賞口29)に応じた払出制御部300対する指示、遊技球の発射に関する発射制御部200の制御等を行う。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、始動口スイッチ111、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、特別図柄表示器31、特別図柄保留表示器32、普通図柄表示器33、および普通図柄保留表示器34が接続されている。
始動口スイッチ111は、始動口25へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、始動口25への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、特別図柄表示器31に表示する。メイン制御部100は、始動口25への遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、特別図柄保留表示器32に表示する。メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器33に表示する。そして、メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選を保留にしている保留回数を、普通図柄保留表示器34に表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。そして、払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。なお、詳細は後述するが、ROM402は、物理的には1つのROMモジュール700(図5参照)上に実装され、後述する画像音響制御部500のROM502及びランプ制御部600のROM602と同一のROMモジュール700上に実装されている。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57または演出キー58が押下操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。さらに、メイン制御部100が、特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部400は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部400は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。なお、詳細は後述するが、ROM502は、ROM402と同様、物理的にはROMモジュール700上に実装されている。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部21に表示する画像およびスピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部21において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部21に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行う。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部21に表示する。また、CPU501は、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。なお、詳細は後述するが、ROM602は、ROM402及びROM502と同様、物理的にはROMモジュール700上に実装されている。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
(ROMモジュールに関する説明)
次に、図5から図9を参照して、遊技機1における各制御装置によって利用されるROMモジュールついて、説明する。図5は、複数の制御CPUに接続されるROMモジュールについて説明するための説明図である。図5では、ROMモジュールの一例として、図4における演出制御部400のROM402と、画像音響制御部500のROM502と、ランプ制御部600のROM602とが、1つのROMモジュール700に実装されている様子が示されている。各ROMは、種々のデータを格納するための読み取り専用メモリであり、例えば、EEPROMが用いられる。各ROMは、例えば、128MBの容量を有する。ROMモジュール700は、例えば、演出制御部400を構成する基板に備えられたスロット(コネクタ)に装着されることによって、演出制御部400のCPU401、画像音響制御部500のCPU501、及び、ランプ制御部600のCPU601からアクセスされる。
図5に示されるように、ROMモジュール700は、モジュール基板701と、ROM702と、ROM703と、ROM704とを備えている。各ROMは、一般的なROM(不揮発性の半導体メモリ)であり、モジュール基板701上に実装される。各ROMの信号ピン(各ROMの複数のアドレスピン、複数のデータピン及びチップセレクトピン)は、ROMモジュール700を構成するモジュール基板701上に配線された導線を介して、ROMモジュール700の複数の端子(後述する入出力端子721、チップセレクト信号入力端子722等を含む端子)にそれぞれ接続される。図5に示されるように、各ROMは、各制御CPUと1対1で接続される。すなわち、ROMモジュール700は、各ROMと各制御CPUとを1対1に接続するための複数の端子を備えている。
具体的には、ROMモジュール700は、CPU401からのチップセレクト信号を入力するためのチップセレクト信号入力端子722と、CPU401からのアドレス指定を受け付けるための複数の端子(アドレス入力端子)とCPU401へデータ出力するための複数の端子(データ入出力端子)とを含む入出力端子721と、CPU401からのリード信号を入力するためのリード信号入力端子723とを有する。そして、ROMモジュール700の上記チップセレクト信号入力端子722は、モジュール基板701上に配線された導線を介して、ROM702のチップセレクトピンに接続される。同様に、ROMモジュール700の入出力端子721(複数のアドレス入力端子及び複数のデータ入出力端子)は、モジュール基板701上に配線された導線を介して、ROM702の複数のアドレスピン及びデータ入出力ピン(ここでは、アドレスピン及びデータ入出力ピンを総称してA/Dピンと呼ぶことにする)にそれぞれ接続される。また、同様に、ROMモジュール700の上記リード信号入力端子723は、モジュール基板701上に配線された導線を介して、ROM702のリード信号入力ピンに接続される。
また、図5に示されるように、CPU401と上記入出力端子721とは、A/D(アドレス・データ)信号線92により接続される。ここで、A/D信号線92は、CPUからのアドレス指定に関する信号を送信する複数のアドレス信号線と、ROMからのデータに関する信号を送信する複数のデータ信号線とを含む。A/D信号線92の実体は、ROMモジュール700が装着される基板(例えば、演出制御部400を構成する基板)上に配線された複数の導線である。また、CPU401と上記チップセレクト信号入力端子722とは、チップセレクト(CS)信号線72により接続され、CS信号線72は、ROMモジュール700が装着される基板上に配線された導線である。また、CPU401と上記リード信号入力端子723とは、リード(READ)信号線82により接続され、リード信号線82は、ROMモジュール700が装着される基板上に配線された導線である。
同様に、ROMモジュール700は、CPU501からのチップセレクト信号を入力するためのチップセレクト信号入力端子732と、CPU501からのアドレス指定とCPU501へデータ出力のための入出力端子731と、CPU501からのリード信号を入力するためのリード信号入力端子733とを有する。チップセレクト信号入力端子732、入出力端子731、及び、リード信号入力端子733は、同様に、それぞれROM703のチップセレクトピン、A/Dピン、リード信号入力ピンに接続される。CPU501と入出力端子731とは、A/D信号線93で接続され、CPU501とチップセレクト信号入力端子732とは、CS信号線73で接続され、CPU501とリード信号入力端子733とは、リード信号線83で接続される。さらに、CPU601とROM704も同様に、A/D信号線94、CS信号線74、及び、リード信号線84を介して、1対1で接続される。
CPU401が、ROM702の一部に格納されたデータを取得する場合、CPU401は、A/D信号線92(の一部のアドレス信号線)を介してROM702に対してアドレスを指定する。この場合、CPU401は、CS信号線72を介してチップセレクト信号を、リード信号線82を介してリード信号をROM702に対して送信する。具体的には、CPU401は、CS信号線72を非アクティブ(LOWレベル)にするとともに、リード信号線82を非アクティブ(LOWレベル)にする。チップセレクト信号及びリード信号を受信したROM702は、指定されたアドレスに格納されたデータをA/D信号線92(の一部のデータ信号線)を介してCPU401に送信する。これにより、CPU401は、ROM702に格納されたデータを取得することができる。
同様に、CPU501が、ROM703の一部に格納されたデータを取得する場合、CPU501は、A/D信号線93(の一部のアドレス信号線)を介してROM703に対してアドレスを指定する。この場合、CPU501は、CS信号線73を介してチップセレクト信号を、リード信号線83を介してリード信号をROM703に対して送信する。チップセレクト信号及びリード信号を受信したROM703は、指定されたアドレスに格納されたデータをA/D信号線93(の一部のデータ信号線)を介してCPU501に送信する。これにより、CPU501は、ROM703に格納されたデータを取得することができる。
以上のように、ROMモジュール700は、ROM毎にチップセレクト信号入力端子を備えており、各ROMは、外部の複数のCPUからそれぞれ独立してアクセスされることができる。このように、複数のROMを1つのモジュールとして実装し、各CPUが当該モジュール上のそれぞれに割り当てられたROMにアクセスすることにより、複数のROMをCPUが実装された基板に個別に実装する場合に比べて、CPUが実装された基板のソケット(CPUが実装された基板に設けられた、ROMと電気的に接続するための接点)の数を削減することができる。また、ROMを実装するための当該基板上の面積を削減することができる。これにより、実装上のコストを低減することができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、CPUとROMとを1対1で接続したが、他の実施形態では、ROMモジュール700上のROMを複数のグループに分け、各CPUとそれぞれのグループ化されたROMとを接続してもよい。例えば、ROM702及びROM705をCPU401からアクセスされるROMとして構成し、ROM704をCPU501からアクセスされるROMとして構成してもよい。図6は、ROMモジュール700上に実装された複数のROMを1つのCPUで利用し、他のROMを別のCPUで利用する場合の例を示した図である。
図6に示されるように、CPU401に接続されたA/D信号線92は、入出力端子721を介してROM702に接続されるとともに、途中で分岐することによって、入出力端子751を介してROM705にも接続される。CPU401に接続されたCS信号線72aは、チップセレクト信号入力端子722を介してROM702に接続され、CPU401に接続されたCS信号線72bは、チップセレクト信号入力端子752を介してROM705に接続される。さらに、CPU401に接続されたリード信号線82は、リード信号入力端子723を介してROM702に接続されるとともに、途中で分岐することによって、リード信号入力端子753を介してROM705にも接続される。このようにして、CPU401は、ROM702及びROM705と電気的に接続される。
一方、CPU501は、A/D信号線94、CS信号線74、及び、リード信号線84を介して、ROM704に接続される。
CPU401は、ROM702及びROM705にそれぞれ次のようにしてアクセスする。すなわち、CPU401は、ROM702の所望のアドレスに格納されたデータを取得する場合、A/D信号線92で所望のアドレスを指定するとともに、CS信号線72aを介して、ROM702に対してチップセレクト信号を送信する。チップセレクト信号を受信したROM702は、CPU401に対してA/D信号線92を介して、データを出力する。これにより、CPU401は、ROM702の所望のアドレスに格納されたデータを取得する。一方、CPU401は、ROM705の所望のアドレスに格納されたデータを取得する場合、A/D信号線92で所望のアドレスを指定するとともに、CS信号線72bを介して、ROM705に対してチップセレクト信号を送信する。そして、チップセレクト信号を受信したROM705は、CPU401に対してA/D信号線92を介して、データを出力する。この場合において、チップセレクト信号を受信していないROM702は、CPU401に対してデータを出力しない。これにより、CPU401は、ROM705の所望のアドレスに格納されたデータを取得する。
また、異なる接続形態としては、例えば、1本のCS信号線をROM702及びROM703のチップセレクト信号入力端子に接続してもよい。図7は、CPU401とROM702及びROM705との接続形態の一例を示した図である。図7に示されるように、CS信号線72cは、チップセレクト信号入力端子722及びチップセレクト信号入力端子752に接続される。この場合において、チップセレクト信号入力端子752への信号をインバータ(信号がLowならHighにHighならLowに変換する回路)により反転させる。このように接続することにより、CS信号線72cの信号がLowの場合、ROM702へのチップセレクト信号がアクティブになり、CS信号線72cの信号がHighの場合、ROM705へのチップセレクト信号がアクティブになる。これにより、CPU401は、ROM702又はROM705にアクセスすることができ、ROM702又はROM705の所望のアドレスにアクセスすることができる。
また、別の接続形態としては、例えば、アドレス信号線が32本の信号線(A0〜A31)で構成されている場合、信号線A0〜A15をROM702に接続し、信号線A16〜A31をROM705に接続することが考えられる。図8は、CPU401とROM702及びROM705との接続形態の他の例を示した図である。図8に示されるように、CPU401に接続されたCS信号線72は、チップセレクト信号入力端子722を介してROM702に接続されるとともに、途中で分岐してチップセレクト信号入力端子752を介してROM705に接続される。一方、信号線A0〜A15は入出力端子721を介してROM702に接続され、信号線A16〜A31は入出力端子751を介してROM705に接続される。そして、CPU401は、ROM702にアクセスする場合、CS信号線72を介してチップセレクト信号を送信するとともに、信号線A0〜A15を用いてROM702の所望のアドレスを指定する。CPU401は、ROM705にアクセスする場合、CS信号線72を介してチップセレクト信号を送信するとともに、信号線A16〜A31を用いてROM705の所望のアドレスを指定する。
以上のように、CPUとROMモジュール700とを接続する配線を変更することにより、ROMモジュール700上の複数のROMを1つのCPUで利用することができる。これにより、例えば、図6や図7で示されるように、必要に応じて1つのCPUが利用するROMの容量を拡張することができる。
なお、上記他の実施形態では、CPUとROMモジュールとの間の配線をROMモジュールの外部の基板上で変更することにより、1つのCPUで複数のROMを利用する場合について述べた。別の実施形態では、ROMモジュール上での配線により、予めROMをグループ化してもよい。例えば、図8に示されるチップセレクト信号入力端子に対する接続を図9に示されるように、ROMモジュールの内部の配線を変更することにより、実現してもよい。図9は、図7に示される接続形態をROMモジュール内に実装した例を示す図である。すなわち、ROMモジュールは、2つのROM(ROM702及びROM705)へのチップセレクト信号を入力するための1つのチップセレクト信号入力端子722と、他のROMへのチップセレクト信号を入力するための他のチップセレクト信号入力端子742とを備えてもよい。
また、上記では複数のROMをモジュール化する場合について述べたが、上記ROMはRAMに置き換えることができる。また、本発明は、遊技機に限らず他の情報処理装置においても利用することができる。例えば、本発明は、パーソナルコンピュータやゲーム機等にも利用することができる。