以下、本発明の第一の実施形態である音声制御装置34を備えたパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の表枠14及び中枠13が開いた状態を斜め前方から見た斜視図であり、図2は、パチンコ機1の正面図である。尚、以下の説明において、図2の紙面手前側を「パチンコ機1の正面側」、紙面奥行き側を「パチンコ機1の背面側」とする。
はじめに、パチンコ機1の概略構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技場の島設備(図示外)に配設され、パチンコ機1の本体を支持する正面視略長方形状の外枠12を備えている。そして、この外枠12の外枠左柱部12a近傍に、中枠13の左柱部近傍が軸支されるようになっている。
この中枠13は、正面視略長方形状の金属製のアングル部材からなる。この中枠13の左柱部が、上ヒンジ22及び下ヒンジ21を介して外枠12の外枠左柱部12a近傍に軸支されることにより、中枠13が外枠12に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。そして、中枠13の上半分には遊技盤2が配設されている。さらに、中枠13の正面側における遊技盤2の下方には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受け入れる上皿5が設けられており、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。また、当該下皿6の右側には、発射機による遊技球の発射を調節する発射ハンドル7が設けられている。そして、遊技盤2の正面側には、正面視略矩形状の表枠14が設けられている。
また、パチンコ機1の中枠13の背面側にはセンターカバー27が設けられており、当該パチンコ機1を構成する各部を制御するための後述する主基板41、サブ統合基板58、電源基板42、音声制御装置34等の多数の制御装置(図3参照)を保護している。本発明では、この音声制御装置34の構造に特徴を有するが、詳細は後述する。また、センターカバー27の下方には下部カバー28が設けられており、パチンコ機1を動作させるための様々な部品が保護されている。さらに、センターカバー27の上方には、遊技機設置島から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク29が設けられている。
次に、表枠14について説明する。図2に示すように、表枠14は正面視略長方形状であり、遊技盤2の遊技領域4を前側から視認し得るように、略中央に開口部が開設されている。この開口部には透明板であるガラス窓23(図1参照)が嵌め込まれており、当該ガラス窓23を介して遊技領域4を視認可能となっている。そして、表枠14の表枠左側端部14a(図1参照)が中枠13の左柱部の近傍に軸支されることにより、表枠14が中枠13に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。また、表枠14の左上部にはスピーカ32が、右上部にはスピーカ33がそれぞれ配設されており、2つのスピーカ32,33は配線によって音声制御装置34(図3参照)に接続されている。そして、スピーカ32,33からは音声制御装置34の制御によって様々な音が発生する。また、表枠14の前面には演出用の電飾ランプ63(図3参照)が多数設けられている。
次に、遊技盤2について説明する。発射ハンドル7の操作により、発射手段である発射機(図示外)から発射された遊技球が遊技盤2及びガラス窓23によって形成された空間を流下する。この遊技盤2は、中枠13の裏面側に固定された遊技盤固定枠の遊技盤用開口部(図示外)の正面側に支持され、ガラス窓23を略中央に保持した表枠14によって保護されている。図1に示すように、遊技盤2の正面には、外レール3に囲まれ、発射手段によって発射された遊技球が流下する正面視略円形状の遊技領域4が設けられている。
そして、図2に示すように、この遊技領域4の略中央には、液晶表示装置36や各種ランプ及びLEDを備えた図柄表示装置8が設けられている。また、この図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、当該特別図柄始動電動役物15の左右には普通図柄始動ゲート19,20がそれぞれ配設されている。そして、普通図柄始動ゲート19の左方には普通入賞口10が、普通図柄始動ゲート20の右方には普通入賞口11が設けられている。さらに、特別図柄始動電動役物15の下方には大入賞口16が設けられており、当該大入賞口16の下方には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球が回収されるアウト口30が設けられている。
次に、図柄表示装置8について説明する。図2に示すように、図柄表示装置8の下部には4つのLEDから構成される特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、その右隣には、2つの7セグメントLEDから構成される特別図柄表示部25が設けられている。また、図柄表示装置8の上部には4つのLEDから構成される普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、その上方には普通図柄表示部24が設けられている。そして、図柄表示装置8は中央に液晶表示装置36を備えており、この液晶表示装置36により動画やメッセージ等様々な映像が表示される。
次に、図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主に主基板41、音声制御装置34、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中間基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。そして、音声制御装置34は、音基板44、第一メモリ基板120、及び第二メモリ基板130により構成されている。この制御部40は、パチンコ機1の裏側(背面側)に設けられており、センターカバー27(図1参照)によって保護されている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中間基板47等のサブ基板、及び特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72が接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中間基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中間基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート19,20を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73,74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口10,11に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ76,77、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59及び特別図柄記憶数表示LED60、1つのLEDで構成された普通図柄表示部24、2つの7セグメントLEDから構成された特別図柄表示部25が接続されている。そして、中間基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御を受ける表示部等への中継とを行っている。
次いで、サブ統合基板58について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、音基板44、及び電飾基板46に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出制御基板43、音基板44、及び電飾基板46の総合的な制御を行っている。
次いで、電飾基板46及び演出制御基板43について説明する。電飾基板46はCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵し、電飾ランプ63の制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM、ROM、VDP等を内蔵している。そして、CPU43aは、サブ統合基板58から受信するコマンドに従ってVDPに表示制御データを出力し、VDPは入力された表示制御データに応じて液晶表示装置36へ画像データ(RGBデータ)を出力する。これにより、液晶表示装置36の表示態様が制御される。
次いで、音声制御装置34について説明する。音声制御装置34は、音基板44、第一メモリ基板120、及び第二メモリ基板130により構成されている。そして、音基板44は、CPU、RAM、ROM等を有する音声制御ユニット79と、音声信号を出力する音声制御LSI80とを備えている。また、音基板44には、1GBのROM121,122(図4参照)を備えた2GBの第一メモリ基板120と、1GBのROM131,132(図4参照)を備えた2GBの第二メモリ基板130とが接続されている。そして、2つのメモリ基板120,130内のROMには音源データが記憶されており、音声制御LSI80はメモリ基板120,130から必要な音源データを読み出して音声信号を生成し、スピーカ32,33へ出力する。
次に、図4を参照して、本発明の要部である音基板44、第一メモリ基板120、及び第二メモリ基板130の詳細について説明する。図4は、第一の実施形態の音声制御装置34の詳細を示すブロック図である。尚、図4ではデータバス及びアドレスバスを1本の線で表現しているが、実際は複数の信号線からなる。そして、説明の簡略化のため、以下でも同様に複数の信号線を1本の線で表現するものとする。
まず、音基板44について説明する。音基板44は、音声制御ユニット79、音声制御LSI80、及び増幅回路81から構成されている。そして、音声制御ユニット79は、音声制御CPU91、音声制御RAM92、及び音声制御ROM93からなる。音声制御ROM93は、スピーカ32,33の音声制御プログラムや、音声の発生態様を制御するデータ等を記憶しており、音声制御CPU91へ信号やデータを送信する。また、音声制御RAM92も同様に音声制御CPU91へ接続されており、各種カウンタ、フラグ、データ、信号等が一時的に記憶される。そして、音声制御CPU91は、スピーカ32,33による音声の発生態様を制御するコマンドをサブ統合基板58から受信し、受信したコマンドに基づいて音声制御LSI80へ制御信号を出力する。
また、音声制御LSI80はデータバス幅が64ビットであり、表示制御CPU91から入力された制御信号に応じて、後述するメモリ基板120,130内のROMから必要な音源データを読み出す。そして、音声信号を生成し、生成した音声信号をパチンコ機1の遊技状態に同期させて増幅回路81へ出力する。
次いで、音基板44のデータバス86,87、及びアドレスバス88,89について説明する。音基板44で使用されている音声制御LSI80のデータバス幅は64ビットである。ここで、第一の実施形態の音基板44では、この64ビットの音声制御LSI80に32ビットのメモリ基板120,130を接続するために、2つのコネクタ84,85が設けられている。そして、音声制御LSI80とコネクタ84とは32ビットのデータバス86によって接続されており、音声制御LSI80とコネクタ85との間も同様に32ビットのデータバス87によって接続されている。そして、コネクタ84から音声制御LSI80へ接続されているデータバス86のデータバス幅(32ビット)と、コネクタ85から音声制御LSI80へ接続されているデータバス87のデータバス幅(32ビット)との合計が、音声制御LSIのデータバス幅(64ビット)に等しくなっている。
次いで、第一メモリ基板120及び第二メモリ基板130について説明する。第一メモリ基板120には、32ビットのROM121,122と、デコード回路124とが設けられており、コネクタ129により他の基板に接続される。デコード回路124は、アドレスバス126の一部であるデコード回路入力線123により送信されるチップセレクト信号に応じて、2つのROM121,122内の1つを選択するための回路である。そして、デコード回路124とROM121とはチップセレクト信号線127により接続されており、デコード回路124とROM122との間も同様にチップセレクト信号線128により接続されている。また、アドレスバス126がコネクタ129からROM121,122へ接続されると共に、データバス幅が32ビットのデータバス125が、コネクタ129からROM121,122へ接続されている。
また、第二メモリ基板130も、第一メモリ基板120と同様に、32ビットのROM131,132とデコード回路134とを有し、コネクタ139により他の基板に接続される。そして、デコード回路入力線133により送信されるチップセレクト信号に応じて、2つのROM131,132の内の一方がデコード回路134により選択されると共に、チップセレクト信号線137,138が、デコード回路134とROM131,132との間にそれぞれ接続されている。また、コネクタ139及びROM131,132は、32ビットのデータバス135と、アドレスバス136とにより接続されている。
尚、第一メモリ基板120に設けられているROM121,122、及び第二メモリ基板130に設けられているROM131,132は、いずれも電気的書き換えが可能なフラッシュROMである。従って、古い遊技機の部品を利用して新しい種類の遊技機を製造する際に、ROM121,122、及びROM131,132の内容を書き換えて用いることで、コストの削減を行うことができる。
このような構成の音声制御装置34によると、データバス幅が64ビットである音声制御LSI80と、データバス幅が32ビットである2つのメモリ基板120,130とを、簡易な構成で接続することができる。従って、32ビットのメモリ基板の在庫が多数残っている場合、64ビットのメモリ基板を新たに製造する必要がなく、32ビットである2つのメモリ基板120,130を音基板44に接続することで音声制御装置34を構成することができる。また、32ビットのメモリ基板は、32ビットの音声制御LSI、及び64ビットの音声制御LSI80のいずれにも接続させることができるため、メモリ基板の共通化を実現でき、製造コストを削減することができる。ここで、音声制御装置34において使用される音源データには、GM規格対応音源、PCM音源、FM音源、ソフト音源、ゲーム音源等の種々の音源データがある。本発明に係る音声制御装置34によると、音基板44に接続されているメモリ基板を他の音源データが記憶されたメモリ基板に差し替えるだけで、音源データの種類や規格に関わらず、複数種類の遊技機の音声を制御することができる。
また、データバス幅を変換する回路を用いることで、データバス幅が異なる音声制御LSI80とメモリ基板とを相互に接続する場合には、変換回路を備えた中継基板等を新たに製造する必要があり、コストを要する。しかし、本発明によると、安価な部材を用いた簡易な構成でメモリ基板の共通化を実現することができる。
尚、第一の実施形態における主基板41が本発明の「メイン制御基板」に相当し、スピーカ32,33が「発音手段」に相当する。また、音声制御ユニット79及び音声制御LSI80が「音声制御コントローラ」に相当し、メモリ基板120,130のコネクタ129,139が「接続部」に相当する。
次に、本発明の第二の実施形態の音声制御装置234について、図5を参照して説明する。図5は、第二の実施形態の音声制御装置234の詳細を示すブロック図である。尚、第二の実施形態である音声制御装置234では、第一の実施形態の音声制御装置34とは異なり、音基板44に対して4つのメモリ基板220,230,240,250が2つの中継基板201,211を介して接続されている。また、第二の実施形態であるパチンコ機の構成要素は、音声制御装置234に中継基板201,211が設けられている点、及びメモリ基板220,230,240,250に並列に2つずつ搭載されているROMが8ビットであり、メモリ基板にデコード回路が設けられていない点以外は、第一の実施形態であるパチンコ機1と同じである。よって、パチンコ機1と共通する構成要素については同一の符号を付し、図1及び図2に示す機械的構成の説明、及び図3に示す電気的構成の説明についてはこれを省略又は簡略化するものとする。
まず、メモリ基板220,230,240,250について説明する。メモリ基板220には、8ビットのROM221,222が並列に設けられている。これにより、第一の実施形態のメモリ基板120,130とは異なり、2つのROM221,222の一方を選択するためのデコード回路を設けずに、データバス幅が16ビットのメモリ基板を構成している。このROM221,222とコネクタ229との間はデータバス及びアドレスバスにより接続されており、メモリ基板220はコネクタ229により他の基板に接続される。尚、メモリ基板230にはROM231,232、及びコネクタ239が、メモリ基板240にはROM241,242、及びコネクタ249が、メモリ基板250にはROM251,252、及びコネクタ259が、メモリ基板220と同様に設けられている。
次いで、中継基板201,211について説明する。中継基板201には、音基板44のコネクタに接続されるコネクタ209と、メモリ基板のコネクタに接続される2つのコネクタ207,208とが設けられている。そして、コネクタ209から延びるデータバス幅32ビットのデータバス203は、中継基板201の内部で分岐し、コネクタ207,208へ接続されている。同様に、コネクタ209から延びるアドレスバス204も分岐して、コネクタ207,208へ接続されている。これにより、16ビットである2つのメモリ基板220,230を音基板44へ接続することを可能にしている。尚、中継基板211にも、中継基板201と同様に3つのコネクタ217〜219が設けられている。そして、メモリ基板240,250を、データバス213及びアドレスバス214により音基板44へ接続する。
このような構成の音声制御装置234によると、2つの中継基板201,211を用いることで、データバス幅が16ビットである4つのメモリ基板220,230,240,250を、データバス幅が64ビットである音声制御LSI80に接続することができる。すなわち、音基板44のコネクタ84,85のデータバス86,87(32ビット)よりもデータバス幅が小さいメモリ基板を使用して音声制御装置234を構成することができる。従って、16ビットのメモリ基板の在庫が多数残っている場合、64ビットのメモリ基板を新たに製造する必要がなく、16ビットのメモリ基板220,230,240,250をそのまま使用することができる。
また、音声制御装置234では、4つのメモリ基板220,230,240,250に設けられているコネクタ229,239,249,259は、中継基板201,211のコネクタ207,208,217,218及び音基板44のコネクタ84,85の全てに接続できる構造となっている。これにより、メモリ基板と音基板との接続の自由度を向上させている。
次に、本発明の第三の実施形態である音声制御装置334について、図6を参照して説明する。図6は、第三の実施形態の音声制御装置334の詳細を示すブロック図である。尚、第三の実施形態である音声制御装置334では、第二の実施形態とは異なり、4つのメモリ基板320,330,340,350に並列に2つずつ設けられているROMのデータバス幅が16ビットであり、中継基板301,311にデコード回路305,315が設けられている。尚、第一及び第二の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化するものとする。
まず、メモリ基板320,330,340,350について説明する。メモリ基板320には、16ビットのROM321,322が並列に設けられている。これにより、データバス幅が32ビットのメモリ基板を構成している。このROM321,322とコネクタ329との間はデータバス及びアドレスバスにより接続されており、メモリ基板320はこのコネクタ329により他の基板に接続される。尚、メモリ基板330にはROM331,332、及びコネクタ339が、メモリ基板340にはROM341,342、及びコネクタ349が、メモリ基板350にはROM351,352、及びコネクタ359が、メモリ基板320と同様に設けられている。
次いで、中継基板301,311について説明する。中継基板301には、音基板44のコネクタに接続されるコネクタ309と、メモリ基板のコネクタに接続される2つのコネクタ307,308とが設けられている。そして、コネクタ309とコネクタ307との間、及びコネクタ309とコネクタ308との間は、共にデータバス幅が32ビットのデータバス303によって接続されている。また、中継基板301には、2つのメモリ基板320,330の内のいずれか一方を選択するための回路であるデコード回路305が設けられている。そして、コネクタ309とコネクタ307との間、及びコネクタ309とコネクタ308との間は、このデコード回路305を介してアドレスバス304により接続されており、デコード回路305は一方のメモリ基板を選択する信号を生成して出力する。これにより、32ビットである2つのメモリ基板320,330を音基板44へ接続することを可能にしている。尚、中継基板311にも、中継基板301と同様に3つのコネクタ317〜319及びデコード回路315が設けられている。そして、2つのメモリ基板340,350を、データバス313及びアドレスバス314により音基板44へ接続する。
このような構成の音声制御装置334によると、音声制御LSI80のデータバス幅とは異なるデータバス幅のメモリ基板を音基板44に接続できる。これに加えて、中継基板301,311にデコード回路305,315が設けられているため、中継基板301,311に設けられた全てのコネクタのデータバス幅が同一となる。従って、音基板44におけるコネクタ84,85のデータバス幅と、メモリ基板のデータバス幅とが同じである場合でも、音基板44のコネクタの数よりも多い数のメモリ基板を使用して音声制御装置334を構成することができる。また、音声制御装置334では、4つのメモリ基板320,330,340,350に設けられているコネクタ329,339,349,359は、中継基板301,311のコネクタ307,308,317,318及び演出制御基板43のコネクタ84,85の全てに接続できる構造となっている。よって、メモリ基板2つを直接音基板44へ接続することもできるし、中継基板301,311を介することでより多くのメモリ基板を音基板44へ接続することもできる。
次に、本発明の第四の実施形態である音声制御装置434について、図7を参照して説明する。図7は、第四の実施形態である音声制御装置434の詳細を示すブロック図である。尚、第四の実施形態である音声制御装置434では、第一〜第三の実施形態とは異なり、音基板444にデコード回路490が設けられている。また、第一〜第三の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化するものとする。
まず、メモリ基板420,430,440について説明する。メモリ基板420には、8ビットのROM421〜424が並列に設けられている。これにより、データバス幅が32ビットのメモリ基板を構成している。そして、このROM421〜424とコネクタ429との間はデータバス及びアドレスバスにより接続されており、メモリ基板420はこの32ビットのコネクタ429により他の基板に接続される。また、メモリ基板430には16ビットのROM431,432、及びコネクタ439が、メモリ基板440には16ビットのROM441,442、及びコネクタ449がそれぞれ設けられており、データバス幅が32ビットのメモリ基板を構成している。このように、メモリ基板に搭載されるROMの個数は適宜変更が可能である。
次いで、音基板444について説明する。第四の実施形態の音基板444は、第一〜第三の実施形態の音基板44とは異なり、3つのコネクタ483〜485とデコード回路490とを備えている。そして、音声制御LSI80とコネクタ484,485との間は、デコード回路490を介してアドレスバス489により接続されている。そして、音声制御LSI80とコネクタ483との間はアドレスバス488により接続されている。また、音声制御LSI80は32ビットのデータバス486によりコネクタ483へ接続されると共に、同じく32ビットのデータバス487によりコネクタ484,485へ接続されている。
このような構成の音声制御装置434によると、音声制御LSI80から振り分けられたアドレスが、音基板444に設けられたデコード回路490によってデコードされる。すなわち、メモリ基板の選択やチャンネルの振り分けを行うデコード回路の配設位置は、メモリ基板や中継基板に限られず、音基板であってもよい。
次に、本発明の第五の実施形態である音声制御装置534について、図8乃至図10を参照して説明する。図8は、第五の実施形態である音声制御装置534の詳細を示すブロック図であり、図9は、音声制御CPU91に入力されるID情報と、音声制御CPU91が認識する記憶容量との関係を示す図である。また、図10は、ID情報を用いない場合のメモリマップとID情報を用いた場合のメモリマップとを比較した図である。尚、第一及び第二の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化するものとする。第五の実施形態である音声制御装置534では、容量の異なる複数種類のメモリ基板を1つの音基板544へ接続することができる点に特徴を有する。
以下、図8を参照して、音声制御装置534の構成について説明する。まず、音基板544について説明する。音基板544には、音声制御ユニット79と、音声制御LSI80と、増幅回路81とが設けられている。そして、音声制御ユニット79は、音声制御CPU91と、音声制御RAM92と、音声制御ROM93とからなる。第五の実施形態の音基板544に設けられている音声制御CPU91は、記憶容量が8GBのメモリに対応可能なCPUである。そして、この音声制御CPU91にはアドレスバス及びデータバスが接続されており、アドレス信号及びデータ信号を出力する。このアドレス信号には、複数のメモリ基板の中の1つを選択するためのメモリ基板選択用信号と、メモリ基板に設けられた複数のROMの内の1つを選択するためのチップセレクト信号とが含まれており、後述する第一デコード回路525,535及び第二デコード回路501によりデコードされる。そして、後述するメモリ基板520,530内の各ROMは、入力されたチップセレクト信号によってアクセスされているか否かを認識し、アクセスされている場合にデータアクセスが可能となる。ここで、本実施の形態の音声制御CPU91は、音基板544に接続されているメモリ基板の容量を、メモリ基板に記憶されているID情報を用いて認識する。また、音基板544にはコネクタ588が設けられており、このコネクタ588を介して中継基板500又はメモリ基板520,530を接続することができる。
次いで、記憶容量が4GBであるメモリ基板520について説明する。メモリ基板520には、記憶容量が1GBであるROM521〜524と、第一デコード回路525とが設けられており、コネクタ518により他の基板に接続される。第一デコード回路525は、アドレスバスにより送信されるチップセレクト信号に応じて、4つのROM521〜524の中の1つを選択するための回路である。そして、第一デコード回路525とROM521〜524とはチップセレクト信号線により接続されており、コネクタ518から第一デコード回路525へはアドレスバスの一部であるデコード回路入力線が接続されている。さらに、コネクタ518からROM521〜524へはアドレスバス及びデータバスが接続されている。ここで、図8に示すブロック図ではコネクタ518から延びる線を一本で表現しているが、実際は複数のアドレスバス及びデータバスからなる。また、メモリ基板520に搭載されているROM521〜524が4つであるため、コネクタ518から第一デコード回路525へ接続されているデコード回路入力線は、実際は2本である。
また、メモリ基板520には、自身の記憶容量を示すID情報を記憶しているID情報格納部526が設けられている。このID情報格納部526内におけるID0信号線527は電源電位に、ID1信号線528はグランド電位に接続されており、これにより自身の記憶容量が4GBであることを示すが、この詳細は後述する。そして、ID0信号線527及びID1信号線528は共にコネクタ518に接続されている。
次いで、記憶容量が2GBであるメモリ基板530について説明する。メモリ基板530には、記憶容量が1GBであるROM531,532と、第一デコード回路535とが設けられており、コネクタ519により他の基板に接続される。このメモリ基板530における第一デコード回路535は、4GBであるメモリ基板520の第一デコード回路525とは異なり、2つのROM531,532のいずれかを選択するための回路である。そして、コネクタ519からROM531,532へはアドレスバス及びデータバスが、コネクタ519から第一デコード回路535へはアドレスバスの一部であるデコード回路入力線が、第一デコード回路535からROM531,532へはチップセレクト信号線がそれぞれ接続されている。
また、メモリ基板530にも、自身の記憶容量を示すID情報格納部536が設けられている。そして、コネクタ519からID情報格納部536へID0信号線537及びID1信号線538が接続されており、これら2本の信号線が共にグランド電位に接続されることで、自身の記憶容量が2GBであることを示す。この詳細は後述する。
次いで、中継基板500について説明する。中継基板500には、第二デコード回路501と、ID情報デコード回路502とが設けられている。そして、音基板544のコネクタ588へ接続されるコネクタ515と、メモリ基板520,530が接続されるコネクタ516,517とを備えている。
そして、ID情報デコード回路502は、メモリ基板520のID情報格納部526、及びメモリ基板530のID情報格納部536から、端子1A,1B,2A,2Bを介して入力されるID情報をデコードし、モード信号を生成して第二デコード回路501へ出力する。このモードとしては、コネクタ516及びコネクタ517に接続されているメモリ基板の記憶容量に応じて4種類のモードが設定されており、モードに対応したモード信号が出力される。具体的には、コネクタ516及びコネクタ517の両方に2GBのメモリ基板が接続されている場合に「モード0」、コネクタ516に4GB且つコネクタ517に2GBのメモリ基板が接続されている場合に「モード1」、コネクタ516に2GB且つコネクタ517に4GBのメモリ基板が接続されている場合に「モード2」、コネクタ516及びコネクタ517の両方に4GBのメモリ基板が接続されている。場合に「モード3」を示すモード信号が出力される。本実施の形態では、コネクタ516に4GBのメモリ基板520が、また、コネクタ517に2GBのメモリ基板530が接続されているため、ID情報デコード回路502から第二デコード回路501へは「モード1」を示すモード信号が出力される。
また、ID情報デコード回路502から音声制御CPU91へは、中継基板500に接続されている2つのメモリ基板の記憶容量を示すID情報が出力される。音声制御CPU91は、コネクタ588を介して接続されているメモリ基板の記憶容量を、このID情報に基づいて認識する。
そして、第二デコード回路501は、音基板544の音声制御CPU91、メモリ基板520の第一デコード回路525、及びメモリ基板530の第一デコード回路535にアドレスバスを介して接続されている。この第二デコード回路501は、ID情報デコード回路502から入力されるモード信号に応じてマッピングを決定するが、先述したモード信号に基づいてマッピングを行うことにより、アドレスに空きが生じることなく連続するようにマッピングを決定することができる。そして、チップセレクト信号の上位ビットに位置するメモリ基板選択用信号に応じて、2つのメモリ基板520,530のいずれか一方を選択する。尚、中継基板500において、コネクタ516,517からコネクタ515へはデータバスが接続されている。
次に、図8及び図9を参照して、音声制御CPU91に入力されるID情報と、メモリ基板520,530の記憶容量との関係について説明する。図8に示すように、音声制御CPU91からコネクタ588へは、ID0及びID1の2つの端子が接続されている。そして、音基板544へは、4GBのメモリ基板520若しくは2GBのメモリ基板530を直接接続することができ、中継基板100を介して2つのメモリ基板を接続することもできる。また、先述したように、4GBのメモリ基板520のID情報格納部526において、ID0信号線527は電源電位(High)に、ID1信号線528はグランド電位(Low)に接続されている。また、2GBのメモリ基板530のID情報格納部536において、ID0信号線537及びID1信号線538は共にグランド電位(Low)に接続されている。
そして、中継基板500を介さずに、メモリ基板520,530を直接音基板544へ接続した場合、ID0信号線527,537が音声制御CPU91のID0へ接続され、ID1信号線528,538が音声制御CPU91のID1へ接続される。すると、音声制御CPU91において認識されるメモリ基板の容量は、図5に示すように、ID0及びID1が共に「Low」である場合には2GBとなり、ID0が「High」、ID1が「Low」である場合には4GBとなる。
また、中継基板500を介して2つのメモリ基板を音基板544へ接続した場合、メモリ基板520のID0信号線527は1Aに、ID1信号線528は1Bに入力される。また、メモリ基板530のID0信号線537は2Aに、ID1信号線538は2Bに入力される。そして、2つのメモリ基板520,530のID情報がID情報デコード回路502により変換されて、音声制御CPU91のID0及びID1へ出力される。
そして、図5に示すように、中継基板500のコネクタ516,517の両方に2GBのメモリ基板530が接続されると、音声制御CPU91のID0には「High」が、ID1には「Low」が入力され、音声制御CPU91はメモリ基板の容量を4GBであると認識する。また、コネクタ516に4GBのメモリ基板520が、コネクタ517に2GBのメモリ基板530が接続されると、ID0には「Low」が、ID1には「High」が入力され、容量が6GBであると認識される。また、コネクタ516に4GB、コネクタ517に2GBのメモリ基板が接続された場合にも同様に、ID0には「Low」が、ID1には「High」が入力される。そして、コネクタ516,517の両方に4GBのメモリ基板520が接続されると、ID0及びID1には共に「High」が入力されて、容量が8GBであると認識される。このように、音声制御CPU91は、ID0及びID1により入力されるID情報に基づいてメモリ基板の記憶容量を認識し、各制御を行うことができる。
次に、図10を参照して、中継基板500においてデコードする際にID情報を利用したことの効果について説明する。図10に示すように、中継基板500においてデコードする際にID情報を用いない方法では、2GBのメモリ基板530を、中継基板500を介して2つ音基板544に接続させた際に、メモリマップに空きが生じるという問題がある。同様に、コネクタ516に2GBのメモリ基板530を、コネクタ517に4GBのメモリ基板520を接続させた場合にもメモリマップに空きが生じる。そして、音声制御CPU91は、接続されているメモリ基板の容量が4GBであると認識していても、4GBのメモリ基板520が1つ接続されている場合と、2GBのメモリ基板530が2つ接続されている場合とでメモリマップが異なるため、問題が生じていた。また、接続されているメモリ基板の容量が6GBである場合にも、コネクタ516,517のどちらに4GBのメモリ基板520が接続されているのかを判別することができなかった。
一方で、本実施の形態では、中継基板500においてデコードする際にID情報を使用し、アドレスに空きを生じさせることなく連続してマッピングを決定することができる。これにより、4GBのメモリ基板520を1つ使用した場合と、2GBのメモリ基板530を2つ使用した場合とで、メモリマップが同一となる。同様に、4GBのメモリ基板520及び2GBのメモリ基板530を1つずつ使用した場合には、コネクタ516,517のどちらに4GBのメモリ基板530を接続してもメモリマップが同一となる。従って、音基板544に接続するメモリ基板の種類や数を変更した場合でも、音基板544を再設計する必要がない。すなわち、音基板544に汎用性を持たせることができる。
以上説明したように、第五の実施形態の音声制御装置534によると、複数のROMの中の1つを選択する信号を生成する第一デコード回路525,535を、メモリ基板520,530に設けたため、容量の異なる複数種類のメモリ基板を音基板544に接続することができる。さらに、2つのメモリ基板と音基板544とを接続するための中継基板500に、2つのメモリ基板のうちの1つを選択する信号を生成する第二デコード回路501を設けることで、音基板544に2つのメモリ基板を接続することを可能にしている。
また、メモリ基板520,530には自身の記憶容量を示すID情報が記憶されており、音声制御装置534は、このID情報を用いることでメモリ基板の容量に応じた制御を行うことができる。詳細には、まず、音基板544に接続されているメモリ基板の容量が、このID情報によって音声制御CPU91に認識されるため、メモリ基板の容量に応じた制御を行うことができる。また、中継基板500の第二デコード回路501は、ID情報に基づいたモード信号により連続してマッピングを決定することができる。従って、複数種類のパチンコ機に対して音基板544を共通に使用することができる。
また、ID情報は2ビットの情報であるため、音基板544に対する2種類のメモリ基板520,530の全ての接続方式に対して、単純な構成で容量を認識することができる。また、音声制御CPU91を制御するためのプログラムに関しては、音基板544内の音声制御ROM93に記憶されているため、音基板544を他の種類のパチンコ機に使用する場合でも、音声制御CPU91の制御プログラムを変更・追加せずにそのまま使用することができる。
次に、本発明の第六の実施形態である音声制御装置634について、図11を参照して説明する。図11は、第六の実施形態である音声制御装置634の詳細を示すブロック図である。尚、第六の実施形態の音声制御装置634は、中継基板600の構造が第五の実施形態の中継基板500と異なるのみであり、あらかじめ設定された容量のメモリ基板が接続されているか否かの判断を、ID情報を用いて簡易な構成で行うことができる点に特徴を有する。よって、第五の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化するものとする。
図11に示すように、第六の実施形態の音声制御装置634における中継基板600には、コネクタ616,617に接続される2つのメモリ基板のうちの1つを選択するための第二デコード回路201と、コネクタ616,617を介して入力されるID情報を変換して音基板544の音声制御CPU91に出力するID情報変換回路602とが設けられている。そして、このID情報変換回路602には、トランジスタ605及びフォトカプラ610が設けられている。フォトカプラ610は、発光ダイオード611とフォトトランジスタ612とからなるICであり、これを用いることによって入力信号と出力信号とが電気的に絶縁されるため、電気的ノイズを避けることができる。
次いで、ID情報変換回路602の回路構造について説明する。まず、トランジスタ605のベースは端子1A及び端子ID1に、コレクタは電源電位に接続されており、エミッタは、フォトカプラ610における発光ダイオード611のアノードに接続されている。また、発光ダイオード611のカソードは端子2Aに接続されている。そして、フォトカプラ610におけるフォトトランジスタ612のコレクタは電源電位及び端子ID0に、エミッタはグランドに接続されている。また、端子1B及び端子2Bは共にグランドに接続されている。
次いで、ID情報変換回路602から音声制御CPU91に出力される信号について説明する。4GBのメモリ基板520のID0信号線527は電源電位に接続されているため、端子1Aを介してID0信号線527に接続されている音声制御CPU91側の端子ID1へは、「High」を示す信号が出力される。そして、トランジスタ605では、ベースとエミッタとの間にベースを正とする電圧がかかるため、トランジスタ605に電流が流れて、フォトカプラ610の発光ダイオード611が発光する。すると、フォトカプラ610におけるフォトトランジスタ612に電流が流れるため、音声制御CPU91側の端子ID0へは「Low」を示す信号が出力される。
そして、音声制御CPU91は、端子ID0に「Low」が、端子ID1に「High」が入力されることで、中継基板600のコネクタ616側に4GBのメモリ基板520が、コネクタ617側に2GBのメモリ基板530が接続されていることを認識する。また、サブ統合基板58のROM583には、音基板544に接続されるべき正規のメモリ基板の容量を示す情報が記憶されており、音声制御CPU91に出力される。そして、音声制御CPU91は、中継基板600から入力される信号により認識されたメモリ基板の容量と、サブ統合基板58から入力される信号により認識された容量とが整合しているか否かの判断を行う。この結果、整合していると判断された場合には、認識された容量に基づいてスピーカ32,33の制御を行うことができる。
このように、メモリ基板520,530に記憶されたID情報を利用して、あらかじめサブ統合基板58に設定されている正規のメモリ基板の容量と、実際に音基板544に接続されたメモリ基板の容量とが整合しているか否かの判断を行うことができる。そして、この判断結果に基づいてスピーカ32,33の制御を行うことができる。ここで、図11に示すID情報変換回路602の回路構成はこれに限られず、適宜変更が可能であることは勿論である。尚、サブ統合基板58のROM583が本発明の「適正記憶容量記憶手段」に相当し、音声制御CPU91が「適正記憶容量判断手段」に相当する。
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。例えば、第一〜第六の実施形態では、音声制御CPU91の制御に必要な音声制御プログラムは音声制御ユニット79の音声制御ROM93に記憶されているが、音声制御プログラムを記憶したメモリ基板を音基板に対して着脱可能に設けることもできる。
また、第一〜第三の実施形態の音基板44には、メモリ基板若しくは中継基板を接続するために2つのコネクタ84,85が設けられており、各コネクタから音声制御LSI80へ32ビットのデータバス86,87が接続されているが、音基板44に設けられるコネクタの数は2つに限られない。例えば、メモリ基板若しくは中継基板を接続するためのコネクタを音基板44に4つ配設し、各コネクタから音声制御LSI80へ16ビットのデータバスを接続することで、16ビットのメモリ基板4つを64ビットの音声制御LSI80へ接続することもできる。すなわち、第二、第三の実施形態では、音基板44に接続するメモリ基板の数を増やすために中継基板を用いているが、音基板44のコネクタの数を増やすことで、接続するメモリ基板の数を増やすこともできる。また、中継基板の構造を変更することで、3枚以上のメモリ基板を音基板44に接続することもできる。このように、接続のバリエーションは上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態に示した各基板及びICのデータバス幅は一例に過ぎず、適宜変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施の形態の音声制御LSI80のビット数は64ビットであるが、8ビット、16ビット、32ビット、128ビット、256ビット等、他の値であっても本発明が適用できる。同様に、CPU、メモリ基板、及びメモリ基板に内蔵されるROMに関しても、8ビット、16ビット、32ビット、64ビット、128ビット、256ビット等、データバス幅が異なる場合であっても本発明を適用することができる。同様に、上記実施形態の音声制御CPU91は最大8GB対応のCPUであるが、これを変更することも可能である。また、第五、第六の実施形態では4GBのメモリ基板520及び2GBのメモリ基板530を音基板44に接続する場合について説明したが、6GBや8GB等、様々な容量のメモリ基板を用いる場合であっても本発明が適用できるのは勿論である。
また、メモリ基板には1個以上のROMが搭載されていればよく、搭載されるROMの個数や容量は上記実施形態によって限定されるものではない。例えば、第一の実施形態では、第一メモリ基板120及び第二メモリ基板130に32ビットのROMを2つずつ搭載し、デコード回路124,134によって一方のROMを選択する信号を生成することで32ビットのメモリ基板を構成している。しかし、第一の実施形態のメモリ基板においても、第二の実施形態におけるメモリ基板と同様にデコード回路を設けず、16ビットのROM2つや8ビットのROM4つを並列に接続することで32ビットのメモリ基板を構成することもできる。さらには、32ビットのROMを1つ搭載したメモリ基板を接続させることもできる。また、第五、第六の実施形態に使用したROMの容量は全て1GBであり、4GBのメモリ基板にはROMが4つ、2GBのメモリ基板にはROMが2つ搭載されているが、ROMの容量や個数は適宜変更が可能である。そして、搭載するROMを容量の大きいROMに変更することでROMの数を減らすことができ、一方で、容量の小さいROMの在庫が余っている状況であれば、使用するROMの数を増やすことで容量の大きいメモリ基板を作製することができる。
また、第五の実施形態では、メモリ基板520,530のコネクタ518,519は、中継基板500のコネクタ516,517及び音基板544のコネクタ588の両方に接続できる構造となっている。よって、中継基板500を介して複数のメモリ基板を音基板544に接続することもできるし、1つのメモリ基板を直接音基板544に接続することもできる。これにより、メモリ基板の接続の自由度を向上させることを実現している。
一方で、複数種類のコネクタを用いることもでき、これにより、接続すべきメモリ基板の容量が決定している場合に、接続の間違いを減らすことができる。具体的には、4GBのメモリ基板520専用のコネクタの形状と、2GBのメモリ基板530専用のコネクタの形状とを異なるものにすることで、4GB専用のコネクタには2GBのメモリ基板が接続できなくなり、間違いが減る。また、プログラムROMを搭載したメモリ基板のコネクタと、音源データが記憶されたROMを搭載したメモリ基板のコネクタとを異なる形状とすれば、各メモリ基板を適切に音基板544へ接続させることができる。これにより、同一種類のメモリ基板内の接続の自由度や、部品の再利用という面での自由度を保持しつつ、異なる種類のメモリ基板が接続されることを防止することができる。
また、複数種類のコネクタを用いた場合には、各コネクタ間に物理的な互換性がなくても、信号ラインを同じにして互換性を持たせてもよい。さらに、全てのコネクタ間に信号ラインの互換性を持たせるのではなく、複数種類のコネクタのうち、一部のコネクタ間のみ信号ラインを同じにして、その他のコネクタ間には互換性を持たせないように構成してもよい。これにより、信号ラインの互換性があるコネクタとないコネクタとを区分けすることができるため、互換性のあるコネクタ間では接続の自由度を向上させることができ、さらに、互換性のないコネクタ同士を接続することによる動作の不具合や、接続ミス等を防止することができる。
また、複数種類のコネクタを用いた場合、全てのコネクタ間に物理的な互換性を持たせるのではなく、複数種類のコネクタのうち、一部のコネクタ間のみに物理的な互換性を持たせて、その他のコネクタ間には物理的な互換性を持たせないように構成することもできる。さらに、全てのコネクタ間の形状に互換性を持たせるのではなく、複数種類のコネクタのうち、一部のコネクタ間の形状のみに互換性を持たせて、その他のコネクタ間については形状に互換性を持たせないようにしてもよい。これにより、互換性があるコネクタと、互換性がないコネクタとを区分けすることができ、互換性のあるコネクタ間での接続の自由度を向上させつつ、接続ミスを防止することができる。
また、コネクタの形状が異なる複数種類のメモリ基板を接続可能とするために、音基板側、若しくは中継基板側にあらかじめ複数種類のコネクタを設けておくこともできる。具体的には、1つの音基板にコネクタA及びコネクタBをあらかじめ設けておき、接続するメモリ基板に設けられているコネクタがコネクタAであれば、音基板のコネクタAに嵌め合わせる。その後、この音声制御装置を他の種類の遊技機に適用する際に、接続するメモリ基板に設けられているコネクタがコネクタBであった場合には、音基板のコネクタBに嵌め合わせる。これにより、記憶容量の異なる複数種類のメモリ基板を音基板に接続できることに加えて、コネクタの形状が異なる複数種類のメモリ基板を1つの音基板に接続することができ、1つのメモリ基板を複数種類の音基板に接続することも可能となる。すなわち、音基板及びメモリ基板の汎用性を向上させることができる。従って、部品の再利用や設計のし易さ等の面でのコストの削減をより容易に行うことができる。
また、音基板44はその他の基板、例えば、サブ統合基板58、主基板41、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中間基板47等と分離している必要は無く、いずれかの基板と一体型になっている複合ユニットであってもよい。また、メモリ基板に搭載されるICはフラッシュROMに限られず、EPROM、EEPROM等のROMであってもよいし、ROM以外の記憶媒体であってもよい。また、1つの遊技機用音声制御装置に複数種類のROMを用いてもよいし、1つのメモリ基板に複数種類のROMを用いてもよい。さらには、1つのメモリ基板に異なる種類の記憶媒体を複数用いることも可能である。従って、例えば1つのメモリ基板にEPROM及びEEPROMを搭載することもできるし、1つのメモリ基板に、特定の種類のROMと、ROM以外の他の記憶媒体とを両方搭載することもできる。