JP5293904B1 - 塩味増強剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の塩味増強剤は、細胞壁の少なくとも一部が破壊されており140メッシュを通過する植物組織の微粉砕物と、メイラード反応生成物および含硫化合物類とを含有する風味成分と、を含み、特に、前記植物組織の微粉砕物が、下記一般式(1)で示すステロールまたはステロール脂肪酸エステルを含有する場合、優れた塩味増強効果を奏し、食塩の使用量を減じても、先味のインパクトと後味の持続性を強めることができ、飲食品の味を損なうことなく食塩の使用量を減じることができる。
【化1】
Figure 0005293904
(但し、式(1)中、R1は水素原子または脂肪酸残基、R2は二重結合を有さない炭化水素基を表す。)

Description

本発明は、飲食品の呈味改良技術に関し、さらに詳しくは、食塩とともに飲食品に添加することで、塩味を減ずることなく食塩の使用量を低減することができる塩味増強剤、その製造方法、前記塩味増強剤を用いた塩味増強飲食品、並びに飲食品における塩味増強方法に関するものである。
食塩は、飲食品の旨味、コクなどとともに食品に不可欠の塩味を付与し、さらに隠し味として微量を添加することで食材の風味を引き立てたるために使用される欠かせない調味料である。また、食塩は、生命の維持に欠かせないナトリウムと塩素からできており、ヒトや動物の健康面においても欠かせない食材である。しかし、その反面で、食塩の摂り過ぎは、高血圧や胃がんなどの様々な生活習慣病の原因になるとされ、近年では、食塩の添加量を制限した減塩食品が注目されている。
しかし、単に食塩の使用量を減じただけの飲食品では、塩味が薄くなるばかりでなく、食品全体の風味が低下し、ぼやけた風味になってしまう。具体的には、飲食品を飲んだり食べたりした際の、先味のインパクトと、後味の持続性の両方を維持したまま、食塩の使用量を減じることが肝要である。
従来、飲食品における減塩については、例えば、特許文献1には、食塩(塩化ナトリウム)の一部を塩化カリウムに置き換えた低ナトリウム塩味調味料が開示されている。また、特許文献2には、シャロットやオニオンをアルコール性溶媒で抽出し、抽出液から溶媒を除去した抽出物からなり、調理食品の風味を増強し、また、調理食品の製造工程で生ずるロースト感、酸味、エキス感、粉っぽさ等の要素をマスキングし、カレーやシチュー、ホワイトソースなどの調理食品が本来持っている豊かな調理感と深いコクを賦与する呈味賦与剤が開示されている。さらに、特許文献3には、オランダセンニチまたはキバナオランダセンニチの全草または花頭から抽出または蒸留により採取したスピラントール含有抽出物と、ガーリック、オニオンなどのアリウム属植物とを組み合わせてなる、塩味やコクなどの呈味増強剤が開示されている。また、特許文献4には、蛋白質を加水分解処理および脱アミド処理して得られる酸性ペプチドを有効成分として含有する、飲食品の塩味増強剤が開示されている。
特開昭59−198953号公報 特開2002−186448号公報 特許第4508932号公報 特許第4445691号公報
上記のように、従来からも、飲食品における減塩方法が種々検討、提案されてきた。しかし、塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムに置き換える方法では、先味にインパクトがないうえに、後味に不快な苦味やエグ味があることから、塩化カリウムの使用には限界がある。また、植物の抽出物などを用いた上記呈味賦与剤や呈味増強剤では、旨味などの風味の改善、向上効果は見られるものの、塩味増強効果の点では、必ずしも満足できるものではなかった。さらに、酸性ペプチドを有効成分とする食塩味増強剤では、酸やアルカリを用いた化学処理や酵素処理による加水分解および脱アミド処理などの多くの工程が必要であり、製造工程が煩雑で、また製造に時間もかかる、さらには製造コストが高くつく、という問題があった。
本発明は、上記のような、従来における、飲食品の塩味増強技術に関する状況に鑑み、優れた塩味増強効果を奏し、食塩の使用量を減じても、先味のインパクトと、後味の持続性を強めることができる塩味増強剤であって、簡便な製造工程により得ることができる塩味増強剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、飲食品の風味に関し、種々研究をしているなかで、加熱調理時に生ずるコク、とりわけ、タマネギの加熱調理時に生ずる強いコクを有する植物エキスを開発した(特開2010−142147号公報および特開2010−142148号公報参照。)。この食品は、Brix値70程度に濃縮したタマネギ原料を薄膜状に拡げた状態で流動させながら、品温が140℃に到達するまで加熱調理することによって得られる。この方法により得られたタマネギエキスは、タマネギを加熱した時に得られる濃厚な甘味と、コクに寄与する香気成分とを豊富に含む。そのため、該タマネギエキスを添加することにより強いコクが付与された食品を提供することができる。
しかし、前記の方法では、加熱調理時の品温が140℃を超えると、過熱による焦げ付き等が発生し、得られるタマネギエキスの品質が著しく低下してしまうことから、加熱は140℃までに制限されていた。ところが、前記タマネギエキスを製造する際の加熱温度が140℃を超えると、前記のとおりタマネギエキスとしての品質は低下するものの、この過熱されたタマネギエキスを食塩とともに調味料や飲食品に添加すると、塩味が著しく増強され、食塩の添加量を減じても、先味のインパクトと、後味の持続性との両方を兼ね備えた風味を付与することができる、との全く意外かつ驚くべき知見を得た。これより、上記したタマネギエキスの製造において、加熱調理時に、品温が140℃を超えて過熱処理した場合に得られるタマネギエキス中の植物組織の微粉砕物および風味成分に、優れた塩味増強効果があることを見出した。本発明者らは、このような知見に基づき、本発明を完成するに至った。
さらに本発明者らは、前記植物組織の微粉砕物は、破壊された植物細胞の細胞壁から外部へ露出または流出した状態で存在するステロールまたはステロール脂肪酸エステルなど(以下、これらをまとめて「ステロール類」ということもある。)が、風味成分の吸着および放出機能を有することも見出した。また本発明者らは、前記塩味増強効果を発揮する風味成分が、タマネギなどのユリ科植物由来の含硫化合物類(スルフィド類、チオフェン類等)および加熱調理時に生ずるメイラード反応生成物(フラン類、アルデヒド類、ピラジン類等)であること、さらには、前記含硫化合物類やメイラード反応生成物が、前記破壊された植物組織の細胞壁から外部へ露出または流出した前記ステロール類に吸着、保持され、かつ食したときに放出されて塩味増強効果を発揮することなども見出した。本発明は、これら数々の知見に基いて完成されたものである。
即ち、本発明の第一は、細胞壁の少なくとも一部が破壊されており140メッシュ(140mesh;USA)を通過するタマネギおよび/またはニンニクであるユリ科野菜の植物組織の微粉砕物と、メイラード反応生成物としてフルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラールおよびフルフリルアルコールからなるフラン類並びに含硫化合物類としてジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドおよびアリルメチルジスルフィドからなるスルフィド類を含む風味成分と、を含有する塩味増強剤に関する。
好ましい実施態様では、前記植物組織の微粉砕物を、乾燥物換算で0.9〜10.0重量%含む。
好ましい実施態様では、植物組織の微粉砕物が、前記破壊された細胞壁から外部へ露出または流出した状態で存在するステロール類を含む。
好ましい実施態様では、前記ステロール類が、下記一般式(1)で示すステロールまたはステロール脂肪酸エステルを含有する。
Figure 0005293904
(但し、式(1)中、R1は水素原子または脂肪酸残基、R2は二重結合を有さない炭化水素基を表す。)。
好ましい実施態様では、前記ステロールまたはステロール脂肪酸エステルが、β−シトステロールまたはβ−シトステロール脂肪酸エステルである
ましい実施態様では、前記ユリ科野菜の植物組織の微粉砕物が、ユリ科野菜をすり潰すこと、ユリ科野菜を搾汁すること、ユリ科野菜を生のまま酵素処理すること、またはユリ科野菜の乾燥物に水を加えた後に酵素処理することにより得られたものである。
好ましい実施態様では、前記風味成分として、加熱調理により増強された風味を含む。
好ましい実施態様では、ガスクロマトグラフにおける前記フラン類のピーク面積の合計が、塩味増強剤にデカンを1ppm添加混合した時のデカンのピーク面積の2.0倍以上である。
好ましい実施態様では、ガスクロマトグラフにおける酢酸のピーク面積が、塩味増強剤にデカンを1ppm添加混合した時のデカンのピーク面積の0.28倍以下である。
好ましい実施態様では、ガスクロマトグラフにおける前記スルフィド類のピーク面積の合計が、塩味増強剤にデカンを1ppm添加混合した時のデカンのピーク面積の2.76倍以上である。
好ましい実施態様では、本発明の塩味増強剤は、水分を含むペースト状である。
別の好ましい実施態様では、本発明の塩味増強剤は、賦形剤を含む粉末状である。
本発明の第二は、上記本発明の塩味増強剤を製造する方法であって、ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキスを加熱して得る塩味増強剤を製造する方法に関する。
好ましい実施態様では、前記ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキスを、加熱装置の加熱容器内に導入し、該容器に設けた加熱面に強制的に接触させ、略均一な薄膜状に拡げた状態で該加熱面に沿って流動させながら加熱調理する。
好ましい実施態様では、前記加熱温度が160℃以上である
さらに、本発明の第三は、上記本発明の塩味増強剤を飲食品に添加する飲食品の塩味増強方法に関する。
従来から、飲食品の減塩については、先に具体的に述べた先行技術文献に記載された各種提案以外にも、各種酵母エキス、各種フレーバーといった減塩のための添加剤、調味料があった。しかし、それらによる塩味増強効果は少なく、すなわち、食塩100重量%に対して置き換えられる割合は、おおむね10%程度に止まっていた。これに対し、本発明の塩味増強剤は、20%を超える、優れた塩味増強効果を発揮することもできる。また、加熱により呈味成分(メイラード反応生成物)を増強した本発明の塩味増強剤は、より優れた塩味増強効果を発揮しうる。従って、本発明の塩味増強剤を飲食品に添加することで、食塩の使用量を減じても、先味のインパクトと、後味の持続性を強めることができる。また、本発明によれば、飲食品の風味を損なうことなく、使用する食塩を減量することができ、食塩の過剰摂取による生活習慣病などのリスクを低減することができる。さらに、本発明の塩味増強剤は、複雑な製造工程を必要とすることなく、簡便な製造工程により得ることができる。
本発明に使用する加熱装置の1実施形態の概略を示し、(a)は側断面図、(b)は図1(a)におけるI−I線断面図である。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
本発明の塩味増強剤は、細胞壁の少なくとも一部が破壊されており140メッシュ(140mesh;USA)を通過するユリ科野菜の植物組織の微粉砕物(以下、単に「植物組織微粉砕物」ともいう。)と、メイラード反応生成物および含硫化合物類を含む風味成分と、を含有し、好ましくは、前記植物組織微粉砕物が、乾燥物換算で0.9〜10.0重量%含まれる。
前記ユリ科野菜の植物組織から得られる微粉砕物は、ユリ科野菜に所定の処理を施して、その植物組織を破壊、分解して得られるものである。この植物組織微粉砕物は、固体状でも、液体に分散した状態でも、水溶液に溶解した状態でもよい。
本発明における、前記植物組織微粉砕物とは、ユリ科野菜の植物組織の細胞壁および細胞膜が破壊され、植物細胞が分解されること含む概念である。従って、ユリ科野菜の植物組織微粉砕物には、ユリ科野菜に対して所定の処理を行って、その少なくとも一部の植物細胞が破壊、分解され、他の植物細胞から遊離した状態になった植物細胞の各種成分が含まれる。前記植物組織の粉砕は、物理的(機械的)方法、化学的方法および酵素による方法など、細胞を破壊し、植物細胞内に含まれているステロール類を細胞壁から外部へ露出または流出させることができる方法であれば、いずれの方法でもよい。
本発明において、前記ユリ科野菜の植物組織から前記のような微粉砕物を得るための具体的手段としては、例えば、ユリ科野菜をすり潰すこと、ユリ科野菜を搾汁すること、ユリ科野菜を生のまま酵素処理すること、またはユリ科野菜の乾燥物に水を加えた後、酵素処理することなどが挙げられる。さらに、本発明の植物組織微粉砕物は、少なくとも植物組織の細胞壁および細胞膜が破壊されて、細胞中に含まれているステロール類が細胞壁から外部へ露出または流出した状態にある。このような植物組織微粉砕物を得るための手段は、ユリ科野菜の種類や処理量に応じて適当な手段を選択すればよいが、140メッシュを通過する微粉砕物の量が多くなり、歩留まりが良好となる観点から、適宜、酵素分解処理を施すことが好ましい。酵素処理において、酵素としては、植物組織を壊すことができるものであればよく、例えば、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、グルコアミラーゼなどが挙げられるが、特に限定はない。これらの酵素は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。また、酵素処理を施す程度も特に限定はない。
本発明では、前記のように、植物組織の粉砕物のうち、140メッシュ(140mesh;USA)を通過する微粉砕物を使用する。なお、本発明において「140mesh;USA」は、USA(米国)規格のメッシュサイズを意味し、該メッシュを通過するか否かは、粉砕された植物組織の大きさを示す指標である。
ユリ科野菜の植物組織の粉砕物であっても、140メッシュ(140mesh;USA)を通過しない粗粉砕物には、上記したような本発明が目的とするメイラード反応性生物や含硫化合物類などの塩味増強成分の吸着および放出効果が顕著ではなく、除去しておく方が好ましい。この理由は必ずしも究明できてはいないが、そのような粗粉砕物には、セルロース、ペクチン等の粗粒の植物組織が多く含まれる一方で、破壊された植物細胞の細胞壁から外部へ露出または流出し、メイラード反応性生物や含硫化合物類の吸着や放出作用に寄与するステロール類が少ないことが原因ではないかと考えられる。
また、本発明において、前記のような粗粉砕物の除去のためには、篩やフィルタープレス等公知の方法を用いればよい。ただし、フィルタープレスなどの加圧ろ過を行うと目詰まりして目開きが小さくなり、140メッシュ以下の微粉砕物の収率が著しく低下する場合もある。そこで、140メッシュの篩でろ過することが好ましい。前記織微粉砕物の収率低下を防ぐためには、植物組織を十分に破壊しておくことが好ましい。
また、前記のような植物組織微粉砕物を得るための手段として酵素処理を施した場合、140メッシュを通過する微粉砕物が十分に含まれていて、篩に通さずに、そのまま使用することもできる場合もある。この場合、あらかじめ140メッシュを通過する成分の割合をサンプリングによって測定し、充分な量が含まれることを確認しておけばよい。
本発明に用いるユリ科野菜の品種、産地、収穫時期は、特に限定されない。また、ユリ科野菜の貯蔵方法、貯蔵期間についても特に限定されない。ユリ科野菜としてはタマネギ、ニンニク、ネギ、ニラ、ワケギ、チャイブ、エシャロット、アサツキ等が挙げられる。これらのユリ科野菜の中でもタマネギ、ニンニクが好ましく、タマネギがより好ましい。その理由は必ずしも明らかではないが、タマネギやニンニクから得られる植物組織微粉砕物は、塩味増強剤に含まれるメイラード反応生成物および含硫化合物類の吸着能が高く、かつ食して口中で放出されるまで、前記メイラード反応生成物および含硫化合物類が散逸しにくく、しかも口中では前記メイラード反応生成物および含硫化合物類が放出され易いのではないかと考えられる。
前記一般式(1)で示すステロールまたはステロール脂肪酸エステルの具体例としては、カンペステロールまたはカンペステロール脂肪酸エステル、β−シトステロールまたはβ−シトステロール脂肪酸エステル、コレステロールまたはコレステロール脂肪酸エステルが挙げられる。これらの中でも、塩味増強剤に含まれるメイラード反応生成物および含硫化合物類の吸着能及び放出能の点で、β−シトステロールまたはβ−シトステロール脂肪酸エステルが好ましい。
また、前記ステロール脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸などのC18の不飽和脂肪酸が挙げられる。
《植物組織微粉砕物中のステロール類による風味成分吸着能の確認》
1.植物組織微粉砕物の調製
(1)搾汁
タマネギピューレ14,000g(100重量%)を搾汁機(Juice Extractor GOLD GP−E1503、GREEN POWER Co.Ltd.製)で搾汁し、搾汁液12,385g(88.5重量%)と残渣1,150g(8.2重量%)を得た。
(2)遠心分離
前記で得られた搾汁液を、遠心分離(himac CF7D、日立工機株式会社、条件: 6574G,10分,15℃)により上清と沈殿物とに分離し、上清11,934g(85.24重量%)と沈殿物451g(3.22重量%)を得た。
(3)篩分け
前記沈殿物を、140メッシュ(140mesh;USA)の篩を用い、篩を通過するもの(植物組織微粉砕物)と篩を通過しないもの(植物組織粗粉砕物)とに分離し、植物組織微粉砕物366g(2.6重量%)と植物組織粗粉砕物85g(0.61重量%)を得た。
2.植物組織微粉砕物の成分分析
前記で得られた植物組織微粉砕物の5成分を分析した。結果を下記表1に示す。
Figure 0005293904
3.脂質画分とそれ以外の画分の風味成分吸着能
(1)ベンゼンを用いた、植物組織微粉砕物からの脂質画分の抽出
植物組織微粉砕物100gにベンゼン100g(113.6ml)を添加し、混合した後、超音波処理を30分行った。1日間放置して抽出を行い、遠心分離により上清(ベンゼン抽出画分)と沈殿物とに分離した。抽出したベンゼン画分からベンゼンを揮発除去し、黄色に着色した油様液体(1.7g)を得た。一方、沈殿物には、さらにベンゼン100g(113.6ml)を添加し、前記と同様に抽出、遠心分離、ベンゼンの揮発除去を行い、同じく黄色に着色した油様液体(1g)を得た。さらに、上記ベンゼン抽出後の沈殿物にベンゼン100g(113.6ml)を添加し、前記と同様に抽出、遠心分離、ベンゼンの揮発除去を行い、同じく黄色に着色した油様液体(0.56g)を得た。
上記の抽出、遠心分離、ベンゼンの揮発除去からなる工程を6回繰り返すことで、植物組織微粉砕物100gに含まれる脂質画分のほぼ100%を回収した。回収された脂質画分の合計は5g(植物組織微粉砕物全体の5重量%)であった。
(2)脂質画分(ベンゼン抽出画分)とそれ以外の画分についての風味成分吸着能試験
上記のように分画した植物組織微粉砕物中の脂質画分とそれ以外の画分(ベンゼン不溶画分)とのいずれに風味成分の吸着効果があるのかを調べた。
(a)試験方法
植物組織微粉砕物0.3g(乾燥重量;0.05g)、ベンゼン不溶画分(0.05g)およびベンゼン抽出画分(0.01g)に、それぞれメチルプロピルジスルフィド10.2μlを添加し、90℃で1.5時間加熱後に残った匂いを調べた。なお、比較のためメチルプロピルジスルフィドを添加せず、同様の試験を行った。また、用いた植物組織微粉砕物は、エタノールで2回、水で3回洗浄し、原料由来のスルフィド臭を除去して試験を行った。
(b)試験結果
上記風味成分吸着能の試験結果を下記表2に示す。
Figure 0005293904
(c)考察
以上の結果、植物組織微粉砕物の脂質画分(ベンゼン抽出画分)中に、強い吸着効果を有する成分が含まれていることが分かる。
4.植物組織微粉砕物の脂質画分(ベンゼン抽出画分)の組成
ベンゼン抽出画分は、常温で液状であり、わずかに濁っていることから、主成分は中性脂肪であること、そしてワックスが微量に含まれていることが推測できる。また、一般的に植物の脂質画分には、リン脂質、ステロール類が微量に含まれていることが知られている。
5.一般的に植物に含まれている脂質画分中の各成分の風味成分吸着能
一般的に植物に含まれている脂質画分中の各成分の風味成分吸着能について、試薬を用い、以下の方法により調べた。
(1)試薬
下記表3に示す試薬を用いた。
Figure 0005293904
(2)試験方法
試薬(WAX500mg、リン脂質15mg、液油500mg、ステロール類各10mg)を量りとり、WAX、リン脂質を溶解させるため50℃のウォーターバスで全ての水準を5分間加熱し、スパチュラで混合した。加熱後、室温に取り出し、メチルプロピルジスルフィドを0.01g(10.2μl)添加、攪拌し、5分間室温で放置した。その後、100mlの水を添加し、90℃で3.5時間加熱し、そのときの風味成分の匂いの強さを官能で評価し、吸着能を調べた。
(3)試験結果
吸着試験の結果を下記表4に示す。
Figure 0005293904
(4)考察
以上の結果、風味成分を強く吸着する物質は、コレステロールおよびβ−シトステロールのコレステロール類である。
6.ステロール骨格と風味成分吸着能との関係、植物組織微粉砕物の風味成分吸着能とステロール類の風味成分吸着能との比較
ステロールの骨格の違いによる風味成分の吸着能の影響を調べるため、上記試験に使用したコレステロールやβ−シトステロールのように、一般式(1)における側鎖R2に二重結合を含まないステロールと、前記側鎖R2に二重結合を含むステロール(スチグマステロール、エルゴステロール)とにおける匂い吸着能を調べた。
また、ステロール類単独の場合と、ステロール類を含む本発明の植物組織微粉砕物とにおける風味成分吸着能とを比較した。
(1)風味成分吸着能試験
(a)使用材料
(i)吸着材
植物組織微粉砕物:前記「1.植物組織微粉砕物の調製」で得た植物組織微粉砕物をエーテルで2回および水で2回洗浄したものを用いた。
β−シトステロール:試薬
スチグマステロール:試薬
コレステロール:試薬
エルゴステロール:試薬
(ii)風味成分
メチルプロピルジスルフィド:試薬
(b)試料
(i)吸着材単独または風味成分単独(標準)。
(ii)吸着材に風味成分を添加。
(c)試験方法
各吸着材を0.05g秤量し、風味成分としてのメチルプロピルジスルフィド20μlを添加、攪拌し、10分静置した。その後、10mlの水を添加し、室温で4.5時間、または90℃で4.5時間、開放加熱した。その後、再度水で10mlにメスアップし、バイアル瓶に封入し、ヘッドスペース(HS)GCで分析した。
なお、各試料を3回作製し、それぞれHSGCを実施して、その平均値を出した。
同様に、標準として、吸着材または風味成分を単独で、室温で4.5時間放置した場合についても同様にHSGCを実施した。
<HSGC測定条件>
HSGCによる分析については、以下の装置および分析条件で行った。

ガスクロマトグラフ装置:島津製作所製、GC−2014
分析手法:昇温分析法
カラム:TC−WAX
カラムサイズ:30m×0.25mm
キャリアーガス:ヘリウム
検出器:FID
ヘッドスペース:Perkin Elmer 社製、TurboMatrix40

ガスクロマトグラフ条件
イニシャル温度:40℃
イニシャル温度保持時間:2分間
昇温スピード:100℃まで毎分5℃、その後240℃まで毎分10℃
最終温度:240℃
最終温度保持時間:5分間
キャリアーガス:ヘリウム 157.5kPa
キャリアーガス流量:2.49ml/min

ヘッドスペース条件
加温温度:40℃
加温時間:20分
加圧時間:5分
引き抜き時間:0.5分
注入:0.15分
ニードル温度:95℃
トランスファー:95℃
(c)試験結果
上記HSGCの結果を下記表5に示す。
Figure 0005293904
(2)考察
各吸着材単独または風味成分単独の試料を室温にて4.5時間放置した場合には、メチルプロピルジスルフィドのみがHSGCにて検出され、メチルプロピルジスルフィド以外の試料からはメチルジプロピルジスルフィドは検出されなかった。つまり、メチルプロピルジスルフィドを添加する前の各吸着材のいずれにも、風味成分であるメチルプロピルジスルフィドは含まれておらず、また風味成分としてのメチルプロピルジスルフィドは、室温にて4.5時間放置しても完全には揮発しないことが分かる。
しかし、メチルプロピルジスルフィドのみの試料は、90℃にて4.5時間加熱後には、HSGCにてピークが検出されなかった。つまり、メチルプロピルジスルフィドのみでは、90℃にて4.5時間の加熱により、揮発してしまう。
これに対して、植物組織微粉砕物にメチルプロピルジスルフィドを添加した試料、コレステロールにメチルプロピルジスルフィドを添加した試料、β−シトステロールにメチルプロピルジスルフィドを添加した試料からは、90℃にて4.5時間加熱後にも、メチルプロピルジスルフィドのピークが検出された。しかし、スチグマステロールにメチルプロピルジスルフィドを添加した試料、エルゴステロールにメチルプロピルジスルフィドを添加した試料からは、90℃にて4.5時間加熱後には、ほとんどメチルプロピルジスルフィドのピークが検出されなかった。
以上のことから、側鎖に二重結合を有しないβ−シトステロールやコレステロールは風味成分の強い吸着能を有し、加熱による風味成分の揮発を抑制するのに対し、側鎖に二重結合を有するスチグマステロールやエルゴステロールは殆ど吸着能を有さず、加熱による風味成分の揮発を抑制する効果が低いことが分かった。このことから、ステロールによる風味成分の吸着能には、ステロール骨格の側鎖の構造が影響していると考えられる。
さらに、表5に示すとおり、β−シトステロール単独の場合に較べて、同じ量を用いた場合であっても、植物組織微粉砕物のほうが、風味成分吸着能が高いことが分かる。
本発明の塩味増強剤は、ユリ科野菜を原料とするが、前記ユリ科野菜以外の素材を加えることも可能である。例えば、ユリ科野菜以外の野菜類、果実類、畜肉類やそのエキス類、また、穀粉類、乳製品類、各種の調味料類、香辛料類、油脂等の食品素材を挙げることができる。これらの素材は、液体状であればそのまま混合すれば良く、粉末状であればタマネギなどのユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキス(以下、「搾汁液など」ともいう。)に溶解または分散して使用できるが、固形状である場合は3mm程度以下に破砕して混合する必要がある。また、これらの素材は、濃縮前のユリ科野菜の搾汁液などに添加しても良いし、濃縮後に添加しても良い。また、加熱により得られた塩味増強剤に添加することも可能である。
本発明の塩味増強剤は、前記植物組織微粉砕物を乾燥物換算で0.9〜10.0重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.9〜5.0重量%である。前記植物組織微粉砕物の含有量が0.9重量%未満であると、塩味増強剤における後味の持続性効果が薄れ、塩味増強効果が低下する傾向があり、また、10.0重量%を超えると植物組織微粉砕物が多くなるため加熱処理で局所過熱が発生し、異味異臭をもったコゲが発生し、風味のバランスが崩れて塩味増強効果が低下する傾向がある。
なお、本発明では、ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液の濃縮物を140メッシュの篩でこし、篩を通過した液を6574G、15分の条件で遠心分離して得た沈殿物において、この沈殿物中に含まれる水分値を測定し、沈殿物中に含まれる水分以外の重量を植物組織微粉砕物の乾燥物重量とする。即ち、この乾燥物重量を本発明では植物組織微粉砕物の乾燥物換算重量と定義する。なお、濃縮物の140メッシュ通過物に関しては、水分60%以上、6574G、15分の条件で遠心分離する。水分が低いと濃縮物の粘度により、植物組織微粉砕物が沈殿し難くなるためである。
水分値の測定は一般的な水分測定装置でよく、例えば、CEM社製「SMART SYSTEM5」を用いて測定できる。
植物組織微粉砕物中の前記ステロールまたはステロール脂肪酸エステルの分離・分析方法としては、酸分解、けん化および抽出後、カラムクロマトグラフィーにより精製処理し、ガスクロマトグラフ法(GC法)により分析することができる。また脂肪酸の分析は、けん化およびメチルエステル化後、ガスクロマトグラフ法(GC法)により行うことができる。以下に測定例を挙げる。
<植物組織微粉砕物の分取方法>
タマネギを食品粉砕機(アーシェル・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド製、「コミトロール(登録商標)プロセッサ」)を用いて0.19mmの大きさに粉砕してタマネギピューレを得、このタマネギピューレを遠心分離(1870G,20分)する。沈殿を回収し、金属メッシュ(目開き106μm、140mesh)で濾す。メッシュを通過した画分について、さらに遠心機で遠心(6574G、15分)する。この沈殿を回収し、40℃の真空加熱機にて、水分含量が約75%になるまで濃縮し、タマネギ植物組織微粉砕物とする。
<総ステロールの分析方法>
タマネギ植物組織微粉砕物にエタノールを加え、攪拌する。これに塩酸(5mol/l)を加え、80℃で30分間、酸分解を行なう。これに水酸化カリウムのエタノール溶液(1 mol/l)を加えてけん化した後、水とジエチルエーテルを加えて不けん化物の抽出を行なった。エーテル層を分離し、水洗、脱水ろ過を行なった後、カラムクロマトグラフィーによる精製処理を行なう。水洗、脱水ろ過を行なったエーテル層をシリカカートリッジカラムに通し、ジエチルエーテルおよびヘキサンの混液(15:85)でカラムを洗浄した後、ジエチルエーテルおよびヘキサン混液(35:65)で溶出させる。これに内標準(5α−コレスタン)を添加した後、溶媒を留去する。これをヘキサンに溶解させた後、ガスクロマトグラフ法(水素炎イオン検出器)によりステロール量を測定する。9種類のステロール総量を総ステロール量とする。9種類のステロールはコレステロール、ブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、7−エルゴステノール、β−シトステロール、イソフコステロール、7−スチグマステノール、アベナステロールである。
<遊離ステロールの分析方法>
タマネギ植物組織微粉砕物にクロロホルム−メタノール溶液(2:1)を加えて還流を行ない、脂質の抽出を行なう。この抽出液から溶媒を留去した後、これをヘキサンに溶解させ、カラムクロマトグラフを用いて精製処理を行なう。ヘキサン溶液をシリカカートリッジカラムに通し、ジエチルエーテルおよびヘキサンの混液(15:85)でカラムを洗浄した後、ジエチルエーテルおよびヘキサン混液(35:65)で溶出させる。これに内標準(5α−コレスタン)を添加した後、溶媒を留去する。これをヘキサンに溶解させた後、ガスクロマトグラフ法(水素炎イオン検出器)によりステロール量を測定する。9種類の遊離型ステロール総量を遊離型総ステロール量とする。9種類のステロールはコレステロール、ブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、7−エルゴステノール、β−シトステロール、イソフコステロール、7−スチグマステノール、アベナステロールである。
<脂肪酸組成の分析方法>
タマネギ植物組織微粉砕物に水酸化ナトリウムのメタノール溶液(0.5mol/l)を加えてけん化した後、三ふっ化ホウ素メタノール錯体のメタノール溶液を加えてメチルエステル化する。これにヘキサンと飽和食塩水を加えてヘキサン層を分取する。このヘキサン層をガスクロマトグラフ法(水素炎イオン検出器)により検出、測定する。
<メイラード反応生成物>
本発明の塩味増強剤におけるメイラード反応生成物は、野菜などを加熱調理したときに生ずる褐変の原因物質でもあるが、本発明においては、塩味増強効果を発揮する重要な成分である。メイラード反応生成物としては、例えば、フラン類、アルデヒド類、ピラジン類などの香気成分が挙げられる。
前記フラン類としては、例えばフルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールなどが挙げられる。前記アルデヒド類としては、例えばペンタナール、ヘキサナール、2−メチル−2−ブテナール、2−メチル−2−ペンテナール、ノナナール、メチルチオアセトアルデヒドなどが挙げられる。前記ピラジン類としては、例えばピラジン、メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、エチルピラジンなどが挙げられる。
<含硫化合物類>
本発明における含硫化合物類は、塩味増強剤において、前記メイラード反応生成物とともに、塩味増強効果を発揮する重要な成分である。
前記含硫化合物類としては、例えば、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、プロペニルプロピルジスルフィド、ジプロピルジスルフィド、アリルイソプロピルスルフィド、メチルイソプロピルジスルフィド、ジアリルスルフィドなどのスルフィド類、2−アセチルメチルチオフェン、2−メチルチオフェン、3−メチルチオフェン、2,4−ジメチルチオフェン、2,5−ジメチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、2−エチルチオフェン、2−(t−ブチル)−3−メチルチオフェン、2,5−ジエチルチオフェンなどのチオフェン類、3,4−ジメチル−2,5−ジハイドロチオフェン−2−オン、ジハイドロ−3(2H)−チオフェノン、2−[(メチルジチオ)メチル]フラン、ジメチルフルフォキサイド、3,5−ジエチル−1,2,4−トリチオランなどが挙げられる。
<フラン類の含有量>
本発明の塩味増強剤におけるフラン類量は、ガスクロマトグラフにおけるフルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラールおよびフルフリルアルコールのピーク面積の合計が、塩味増強剤中にデカンを1ppm添加混合したときのデカンのピーク面積に対して2.0倍以上であると好ましい。フルフリルアルコール、5−メチルフルフラール、2−アセチルフラン、フルフラールは、いずれも加熱条件下で糖とアミノ酸がメイラード反応を起こすことによって生成する物質であり、これらの成分が塩味増強効果に寄与していると推定される。
<酢酸の含有量>
加熱によってフラン類を生成させる場合、フラン類は多ければ多いほど塩味増強効果は強くなると考えられる。しかし、実際には品温180℃といった高温加熱を行うとコゲ臭や苦味が強くなり、風味のバランスが崩れて塩味増強効果が低下してしまう。この際、相関して酢酸量が増えることがわかっており、ガスクロマトグラフにおける酢酸のピーク面積が、塩味増強剤中にデカンを1ppm添加混合したときのデカンのピーク面積の0.46倍以上の状態になるまで高温加熱すると、塩味増強剤中のコゲ臭や苦味が増え、塩味増強効果は著しく低下する。即ち、酢酸量は、コゲ臭、苦味の指標となり得る。前記酢酸のピーク面積は、0.28倍以下が好ましい。
<含硫化合物類の含有量>
含硫化合物類量は、塩味増強効果が強くなることから、主な含硫化合物として、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、塩味増強剤中にデカンを1ppm添加混合したときのデカンのピーク面積に対して2.76倍以上が好ましく、より好ましくは2.91倍以上である。
なお、ここでいうデカンは、本発明の塩味増強剤中の風味成分である前記のような各種香気成分を定量的に測定するための内部標準物質として、塩味増強剤中に1ppmの濃度で添加するものである。本発明における前記香気成分量は、ガスクロマトグラフのデカンのピーク面積に対して、該当する成分のピーク面積の割合を計算することによって定量化している。ガスクロマトグラフによる分析の具体的な条件は、以下の通りである。
《香気成分量の測定法》
<指標香気成分>
1)フラン類:
フルフラール、
2−アセチルフラン、
5−メチルフルフラール、
フルフリルアルコール
2)酢酸
3)含硫化合物類:
アリルメチルジスルフィド、
ジメチルトリスルフィド、
ジメチルジスルフィド
<GC/MS測定方法>
ガスクロマトグラフ装置:Agilent Technologies社製 6890N
分析手法:昇温分析法
カラム:HP−INNOWAX
カラムサイズ:60m×0.25mm
キャリアーガス:ヘリウム
検出器(MS): Agilent Technologies社製 5973inert
ガスクロマトグラフ条件:
イニシャル温度:40℃
イニシャル温度保持時間:2分間
昇温スピード:100℃まで毎分3℃、その後240℃まで毎分5℃
最終温度:240℃
最終温度保持時間:30分間
キャリアーガス:ヘリウム 206kPa
キャリアーガス流量:2.1ml/min
MS(検出器条件):イオン源温度 230℃、四重極温度 150℃
インジェクション条件:
インジェクション装置:GERSTEL社製 「TDS」
Cold trap material:シリカキャピラリー
Sample Tube Material:Tenax TA
TDS条件:
イニシャル温度:20℃
イニシャル温度保持時間:1分間
昇温スピード:毎分60℃
最終温度240℃
最終温度保持時間:5分間
CIS条件:
イニシャル温度:−100℃
インシャル温度保持時間:0.2分
昇温スピード:毎秒12℃
最終温度:240℃
最終温度保持時間:10分間
Tenax TAチューブへのヘッドスペースガス吸着条件
トラップ管:Tenax TA (GERSTEL社製)
サンプル品温:40℃
内部標準:デカン1ppm(和光純薬工業株式会社製、「040−21602」)
キャリアーガス:窒素
キャリアーガス流量:100ml/min
吸着時間:20分
水抜きガス:窒素
水抜きガス流量:150ml/minで5分間、その後100ml/minで10分間
<測定手順>
サンプル(塩味増強剤)25gに蒸留水25gを加え、さらにデカンの濃度が1ppmになるように添加し、よく攪拌したものをフラスコに投入して、上述の吸着条件に基づきトラップ管にタマネギエキスのヘッドスペースガスの吸着を行う。ヘッドスペースガスを吸着したトラップ管を、インジェクション装置(GERSTEL社製、「TDS」)にセットし、上述のガスクロマトグラフ分析条件に基づきガスクロマトグラフ分析を行う。
<デカン濃度1ppmに調整する方法>
デカン濃度を1ppmにするために、エタノール100mlにデカンを137μl添加した溶液を、サンプル25gに対して25μl添加してよく攪拌する。
《塩味増強剤の製造方法》
本発明に係る塩味増強剤は、上記のような植物組織微粉砕物、メイラード反応生成物および含硫化合物類をそれぞれ別に調製し、混合してもよいが、生産性などを考慮すると、以下のように、ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキスであって、140メッシュ(140mesh;USA)を通過しない固形分を実質的に含まないものを加熱調理して製造することが好ましい。なお、各成分をそれぞれ別に調製する場合の植物組織微粉砕物は、植物を搾汁し、および/または酵素分解し、篩い分け後、アルコール、水などにより洗浄され、由来植物に起因する風味を除去して用いることが好ましい。
140メッシュ(140mesh;USA)を通過しない植物組織粗粉砕物を実質的に含まないようにするためには、ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液を、濃縮する場合はその前に、濃縮しない場合はそれらを加熱装置の加熱容器内に導入する前に、140メッシュ(140mesh;USA)を通過する固形分を分取すればよい。分取する方法としては、前記のように、篩やフィルタープレス等を用いてろ過すればよい。
前記ユリ科野菜のすり潰し液は、生のユリ科野菜を公知の手段ですり潰すことで得ることができる。また、前記すり潰し液では、ユリ科野菜を加熱してからすり潰してもよいし、すり潰した液を必要に応じて裏ごししてピュレ状のとろみのある半液体状にしてもよい。前記ユリ科野菜の搾汁液は、原料となる生のユリ科野菜を適当な方法によりカットしたり、すり潰したり、さらには破砕して細かくした後、圧搾または遠心分離することにより得ることができる。前記ユリ科野菜の酵素処理液は、前記すり潰し液、搾汁液、生のユリ科野菜をカットしたり破砕したもの、ユリ科野菜の乾燥物を水戻ししたものなどに酵素を作用させて植物細胞を溶解して得ることができる。また、前記ユリ科野菜搾汁液としては、乾燥ユリ科野菜素材を水戻しして回収した液を用いても良い。また、酵素処理液を使用する場合は、酵素処理が充分で140メッシュを通過しない固形分が少なければ、そのまま使用しても良い。
ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液などを濃縮する方法は、特に限定されず、常圧下で加熱しながら煮詰めて作製しても良いし、また減圧下で濃縮してもよい。濃縮度については、濃縮後に流動性を保つ範囲内であれば良く、具体的には、水溶性固形分濃度を示すBrixの値で90%以下であれば良い。その後の加熱工程で効率良く風味成分(塩味増強成分)を発現させるためには、Brix値で60〜85%に濃縮するのがより好ましい。Brix値が60%より低いと風味成分が発現しにくい場合があり、また85%より高いとコゲが発生しやすくなる場合がある。
加熱調理は、より強い塩味増強効果をもたらすためには、被加熱処理物である前記ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキスであって、140メッシュ(140mesh;USA)を通過しない植物組織粗粉砕物を実質的に含まないものに対して十分な加熱を行うことと、コゲ臭や苦味を多く発生させないことが重要であると考えられる。そのためには、ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキスを、加熱装置の加熱容器内に導入し、該容器に設けた加熱面に強制的に接触させ、略均一な薄膜状に拡げた状態で該加熱面に沿って流動させながら、所定の品温に到達するまで加熱することが好ましい。
均一な加熱処理を施す手段としては、前記被加熱処理物を加熱装置の加熱容器内に導入し、該容器に設けた加熱面に強制的に接触させ、略均一な厚さの薄い膜状に拡げた状態で該加熱面に沿って流動させながら、所定の品温に到達するまで加熱処理できるものであればよい。所定の品温には、なるべく早く到達するほうが、コゲ臭や苦味が少なくなり、塩味増強効果も強くなるので好ましい。
加熱調理温度は、品温が140℃を超え且つ180℃以下に達するまで実施することが好ましく、150〜180℃がより好ましく、さらに好ましくは155℃〜170℃である。加熱調理温度が180℃を超えると、過熱により焦げ付き等が発生し、得られる塩味増強剤の品質は著しく低下する場合がある。また、140℃以下ではメイラード反応の進行が遅いためフルフリルアルコール、5−メチルフルフラール、2−アセチルフラン、フルフラールなどのフラン類の生成量は少なく、目的とする塩味増強剤を得ることができない場合がある。さらには、原料の状態や目的とする塩味増強剤の品質に応じて、上記の加熱温度で一定時間保持することもできる。品温150℃〜180℃で加熱調理した塩味増強剤は、強い調理香やコクの付与効果も確認される。
上記加熱装置の例を挙げれば、例えば図1に示すような二重筒加熱装置10を用いることができる。この二重筒加熱装置10は、それぞれ加熱用のジャケットを有する内筒12および外筒13の内外二本の円筒から加熱容器11を構成し、内筒12の外壁面12aと外筒13の内壁面13aとの二つの壁面間に、被加熱処理物の流路となる円筒状の間隙14を形成するとともに、間隙14に連通して、被加熱処理物の供給口14aと、加熱容器11内で加熱処理された被加熱処理物の排出口14bとが、それぞれ設けられている。この二重筒加熱装置10では、内筒12と外筒13とを相対的に回転させてもよい。その場合は、内筒12または外筒13の一方のみを回転させて他方は固定しておいても良いし、内筒12、外筒13の両方を互いに反対方向に回転させても良い。
また、加熱については、内筒12、外筒13の両方に加熱ジャケットを設けた両面加熱式でも良いし、いずれか一方のみに加熱ジャケットを設けて片面加熱としても良い。この二重筒加熱装置10では、内筒12および外筒13の内外二本の円筒のいずれか一方のジャケットまたは両方のジャケットに蒸気を導入し、供給口14aから加熱容器11内にポンプなどを用いて被加熱処理物を圧入すると、被加熱処理物は内筒12および/または外筒13からの加熱を受けながら、内筒12と外筒13との間の間隙14内を薄膜状となって排出口14bに向かって流動し、排出される。この時、内外二本の円筒12、13を相対的に回転させると、加熱容器11内に導入された被加熱処理物は、相対的に回転する内筒12と外筒13との間の間隙14内を、内筒12の外壁面12aと外筒13の内壁面13aとの相対的移動方向(回転方向)に対して直交する方向(回転軸方向)に流動し、排出口14bから排出される。
この二重筒加熱装置10では、内筒12の外径寸法と外筒13の内径寸法により間隙14の幅dを調整し、加熱容器11の間隙14内を流動する被加熱処理物の膜厚を調整することができる。また、加熱具合は、内筒12および/または外筒13のジャケットに導入する蒸気圧と、前記膜厚(間隙14の幅d)に加えて、加熱容器11への被加熱処理物の単位時間当たりの圧入量(流量)で調整できる。さらに、複数の二重筒加熱装置10を連設する、または二重筒加熱装置10の排出口14bから排出された被加熱処理物を再度供給口14aに圧入することを繰り返して循環させることにより、被加熱処理物が所定の品温および時間に到達して目的とする加工状態になるまで、加熱処理を繰り返し行うこともできる。
加熱面に沿って薄膜状に流動する被加熱処理物の膜厚は、通常は0.5〜125mmの範囲内となることが好ましい。前記膜厚が、125mmを超えると、薄膜状で流動する被加熱処理物の内部まで均一に加熱ができない場合があり、加熱面から遠いところではメイラード反応が進行しにくいため、フルフリルアルコール、5−メチルフルフラール、2−アセチルフラン、フルフラールなどのフラン類の生成量は少なく、目的とする塩味増強剤を得ることができない。また、0.5mm未満では過熱により焦げ付き等が発生し、得られる塩味増強剤の品質が著しく低下する場合がある。使用する加熱装置の構造にもよるが、被加熱処理物に対する加熱制御の容易さを考慮すると、前記膜厚は1mm〜30mmがより好ましく、2mm〜15mmとするのがさらに好ましい。
上記のような本発明に係る塩味増強剤は、食塩とともに飲食品に添加することで、食塩の使用量を減じても、先味のインパクトと、後味の持続性に優れた飲食品を提供することができる。
本発明の塩味増強剤の形態としては、例えば水分を含むペースト状であってもよいし、粉末状に加工してもよい。
前記水分を含むペースト状の塩味増強剤は、ユリ科野菜の搾汁液などに含まれる植物組織の粉砕物として、140メッシュを通過しない粗粉砕物が殆どない状態の微粉砕物を得た後、水分を除去することなく、これに別途調製したメイラード反応生成物および含硫化合物類を混合撹拌する方法、または、ユリ科野菜の搾汁液などを濃縮したエキスを加熱処理したものを、所望の水分になるまで濃縮する方法などにより得ることができる。
また、粉末状の塩味増強剤にあっては、前記植物組織微粉砕物、メイラード反応生成物および含硫化合物類をブレンドする方法、前記のようにして得られたペースト状物を乾燥し、水分を除去する方法、さらには前記ブレンドした混合物または乾燥品に、デキストリンなどの賦形剤を加えて混合したものであってもよい。
前記ペースト状または粉末状の塩味増強剤は、対象の飲食品の種類や食塩量にもよるが、乾燥物換算で前記植物組織微粉砕物が飲食品全体中0.0009〜0.3重量%となるように使用することが好ましい。塩味増強剤を過剰に添加すると、異味が発現する場合がある。
本発明の塩味増強剤は、これを直接、対象となる飲食品に添加して使用してもよいし、調味料、香味料に添加した塩味増強調味料、塩味増強香味料として、飲食品に添加してもよい。本発明の塩味増強剤を飲食品に添加することで、食塩の使用量を減じても、先味のインパクトと、後味の持続性を強めることができる。
前記塩味増強調味料としては、例えば、醤油類、ウスターソース、中濃ソース等のソース類、味噌、みりん、ドレッシング類、そば、うどん、ラーメン、パスタ等のつゆやタレ、マヨネーズ、トマトケチャップ、酵母エキス、畜肉エキス、魚介エキスなどが挙げられる。
前記塩味増強香味料としては、例えば、ビーフフレーバー、ポークフレーバー、カニフレーバー、カツオブシフレーバー、ニボシフレーバー、チキンフレーバー、バターフレーバーなどが挙げられる。
また、本発明の対象となる飲食品としては、特に制限はなく幅広い食品に利用可能であるが、例えば、漬物(塩漬け、たくあん漬け、糠みそ漬け、みそ漬け、奈良漬け、福神漬け、ラッキョウ漬け、梅干し等)、米飯調理食品(おかゆ、雑炊、お茶漬け等)、その他の農産加工食品、飲料(トマトジュース、野菜ジュース、コーンスープ等)、水産加工食品(魚肉ハム・ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、みりん干し、佃煮、さきイカ等)、畜肉加工食品(ハンバーグ、ハム・ソーセージ、餃子等)、乳製品(乳、チーズ、チーズソース、クリーム、バター等)、インスタント食品、麺類、パン類、菓子類(ポテトチップス、煎餅、クッキー等)、塩蔵品(新巻きザケ、塩マス、たらこ、かずのこ、キャビア、いくら、すじこ等)、塩辛類(イカ塩辛、カツオ塩辛、ウニ塩辛等)など、スープ類(味噌汁、お吸い物、コンソメスープ、卵スープ、ワカメスープ、ポタージュスープ等)、カレー等の調理食品等が挙げられる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
(1)タマネギエキスの作製
タマネギ3000kgを、外皮を除去して水洗いし、食品粉砕機(アーシェル・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド製、「コミトロール(登録商標)プロセッサ」)を用いて3mm程度の大きさに粉砕した。その後、スクリュープレス機で圧搾し、約2000kgのタマネギ搾汁液を得た。
図1で例示される加熱装置10を用いて上記タマネギ搾汁液の減圧濃縮を行った。タマネギ搾汁液600kgはあらかじめタンクに投入しておき、タンク直下に接続したポンプを用いて、流量毎時500kgの条件でタマネギ搾汁液を加熱装置10に供給した。加熱装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分170回、壁面12a、13aの温度を125℃の条件に設定した。加熱装置10で加熱されたタマネギ搾汁液を−0.055〜−0.065MPaの減圧条件に設定した蒸発缶に供給し、水分を蒸発させた後、再びタンクに供給した。この循環加熱減圧濃縮を10時間行い、Brix71%まで濃縮したタマネギエキス約50kgを得た。
(2)タマネギエキス混合液の作製
(1)で得られたタマネギエキスと上白糖とを表6に示す配合で混ぜ合わせ、タマネギエキス混合液を作製した。このタマネギエキス混合液に含まれる140メッシュを通過する植物組織微粉砕物は乾燥物換算で1.0%であった。
Figure 0005293904
(3)塩味増強剤の製造
加熱装置として、ポータブルリアクターTPR1−TVS−N2−500(耐圧硝子工業株式会社製)を用いて表7に示す加熱条件にて、タマネギエキス混合液の加熱処理を行い、塩味増強剤を製造した(下記実施例1および比較例1〜5)。なお、ポータブルリアクターでの加熱は、予め温水を150℃程度まで加熱し、装置を十分に温めた後に実施した。また、実施例1および比較例2、3、5においては、設定品温に到達後、すぐに常圧下に取り出し、冷却した。また、実施例2においては、二重筒加熱装置を用いてタマネギエキス混合液の加熱処理を行い、塩味増強剤を製造した。
(実施例1)
前記ポータブルリアクターを用いて、前記タマネギエキス混合液300gの加熱処理を行った。ジャケット温度は180℃に設定し、回転数1060rpmで攪拌しながら加熱を行った。品温が160℃になるまで加熱し、塩味増強剤を得た。品温が160℃に到達するまでに要した時間は12分であった。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して2.46倍、酢酸のピーク面積は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して0.26倍であった。さらに含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して3.88倍であった。また、塩味増強剤中のタマネギ植物組織微粉砕物量は1%であった。
(実施例2)
図1で例示される加熱装置を用いて、前記タマネギエキス混合液の加熱処理を行った。加熱装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約10mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分400回、壁面13aの温度を177℃の条件に設定した。また、タマネギエキス混合液20kgを蒸気ジャケット付きタンクに投入し、品温90℃まで攪拌しながら予備加熱を行った。このタマネギエキス混合液を、ポンプにより毎時60Lの流量で定量的に加熱装置10に供給し、品温160℃に加熱後、あらかじめ加熱装置10に接続した容積1.5Lの配管を通過させた後、プレート式熱交換器(株式会社イズミフードマシナリ製、NS08LSR−005−6−W)で品温70℃に冷却し、塩味増強剤を6kg得た。なお、加熱装置10に接続した容積1.5Lの配管は160℃のオイルバスにつけて品温低下を防いだ。また、加熱時の内圧については、プレート式熱交換器の直後に背圧弁を接続し、0.7MPaの条件で実施した。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して2.80倍、酢酸のピーク面積は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して0.10倍であった。さらに含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して6.92倍であった。また、塩味増強剤中のタマネギ植物組織微粉砕物は1%であった。
(比較例1)
前記ポータブルリアクターを用いて、前記タマネギエキス混合液300gの加熱処理を行った。ジャケット温度は140℃に設定し、回転数1060rpmで攪拌しながら加熱を行った。品温が110℃になるまでに7分を要した。品温が110℃付近になったら、110℃より品温が上がらないようにジャケット温度を制御しながら、70分間110℃でホールドし、塩味増強剤を得た。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して0.22倍、さらに含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して8.74倍であった。酢酸についてはほとんど検出されなかった。
(比較例2)
前記ポータブルリアクターを用いて、前記タマネギエキス混合液300gの加熱処理を行った。ジャケット温度は170℃に設定し、回転数1060rpmで攪拌しながら加熱を行った。品温が150℃になるまで加熱し、塩味増強剤を得た。品温が150℃に到達するまでに要した時間は11分であった。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して1.41倍、さらに含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して4.58倍であった。酢酸についてはほとんど検出されなかった。
(比較例3)
前記ポータブルリアクターを用いて、前記タマネギエキス混合液300gの加熱処理を行った。ジャケット温度は200℃に設定し、回転数1060rpmで攪拌しながら加熱を行った。品温が180℃になるまで加熱し、塩味増強剤を得た。品温が180℃に到達するまでに要した時間は14分であった。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して9.52倍、さらに含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して3.56倍であった。また、酢酸のピーク面積は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して0.48倍であった。
(比較例4)
前記ポータブルリアクターを用いて、前記タマネギエキス混合液300gの加熱処理を行った。ジャケット温度は180℃に設定し、回転数1060rpmで攪拌しながら加熱を行った。品温が160℃になるまでに14分を要した。品温が160℃付近になったら、160℃より品温が上がらないようにジャケット温度を制御しながら、10分間160℃でホールドし、塩味増強剤を得た。
得られた塩味増強剤について、上述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して8.32倍、さらに含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して2.06倍であった。また、酢酸のピーク面積は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して0.92倍であった。
(比較例5)
前記ポータブルリアクターを用いて、前記タマネギエキス混合液300gの加熱処理を行った。ジャケット温度は220℃に設定し、回転数1060rpmで攪拌しながら加熱を行った。品温が200℃になるまで加熱し、塩味増強剤を得た。品温が200℃に到達するまでに要した時間は15分30秒であった。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5―メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して10.06倍、さらに含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して1.18倍であった。また、酢酸のピーク面積は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して1.72倍であった。
以上の実施例1、2および比較例1〜5における加熱条件および得られた塩味増強剤中の指標香気成分量をまとめて表7に示す。
Figure 0005293904
(実施例3、4、比較例6〜10:加熱条件およびフラン類量、酢酸量が塩味増強効果に及ぼす影響)
塩味増強剤製造時の加熱条件および塩味増強剤中のフラン類量、酢酸量に相関するコゲ臭や苦味が塩味増強効果に及ぼす影響を確認するため、実施例1、2および比較例1〜5の塩味増強剤を用いて、表8に示す配合でコンソメスープを作製した(それぞれ実施例3、4、比較例6〜10とする。)。また、表9に示す配合で、比較対象のコンソメスープを作製した。
Figure 0005293904
Figure 0005293904
上記のようにして作製したコンソメスープについて、10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。評価は、コンソメスープの温度を60℃に調整し、表10の評価基準に従って行った(最大50点、最小10点)。結果を指標香気成分量とともに表11に示す。
Figure 0005293904
Figure 0005293904
表11に示すとおり、実施例1、2の塩味増強剤を用いた実施例3、4のコンソメスープにおいては、比較例1〜5の塩味増強剤を用いた比較例6〜10のコンソメスープに比べて先味のインパクト、後味の持続性が十分に感じられ、塩味増強効果が強かった。特に、二重筒加熱装置を用いて製造した実施例2の塩味増強剤を添加した実施例4のコンソメスープにおいては、ポータブルリアクターを用いて製造した実施例1の塩味増強剤を添加した実施例3よりもさらに塩味増強効果が強かった。また、実施例3、4のコンソメスープは比較対象のコンソメスープよりも塩味増強効果が強かった。実施例3、4のコンソメスープの食塩濃度は0.55%、比較対象のコンソメスープの食塩濃度は0.65%であることから、実施例1、2の塩味増強剤は、比較対象のコンソメスープの食塩0.65%中の0.1%以上の塩味を増強しており、塩味増強効果は15.3%(0.1/0.65)以上であった。これに対し、加熱処理温度が低い比較例1、2の塩味増強剤を添加した比較例6、7のコンソメスープは先味のインパクト、後味の持続性が弱く、また加熱処理温度が高い、または加熱処理時間が長い比較例3〜5の塩味増強剤を添加した比較例8〜10のコンソメスープは、コゲ臭や苦味を感じ、風味のバランスが崩れていた。
《植物組織微粉砕物および植物の種類が塩味増強効果に及ぼす影響についての検討》
塩味増強剤中の植物組織微粉砕物および由来植物の種類が塩味増強効果に及ぼす影響を確認するため、以下の要領で植物組織微粉砕物を変化させた塩味増強剤を作製した。
(1)タマネギ、ニンニクからの植物組織微粉砕物の調製
(a)タマネギ植物組織微粉砕物
すりおろしたタマネギ30kgを搾汁機(juice extractor GP−E1503 ; GREEN POWER)で搾汁した。搾汁液を遠心機で遠心(6574G、15分)し、沈殿966gを得た。沈殿を金属メッシュ(目開き106μm、140mesh)で濾した。メッシュを通過した画分について、さらに遠心機で遠心(6574G, 15分)し、沈殿780gを回収し、タマネギ植物組織微粉砕物とした。このタマネギ植物組織微粉砕物の水分含量は80%、乾燥物重量は156gであった。
(b)ニンニク植物組織微粉砕物
市販のニンニクを適当な大きさに切り、搾汁機(パワージューサー;SHOP JAPAN)で搾汁した。搾汁液を遠心機で遠心(6574G, 15分)し、沈殿を得た。沈殿を金属メッシュ(目開き106μm、140mesh)で濾した。メッシュを通過した画分について、さらに遠心機で遠心(6574G、15分)し、沈殿54gを回収し、ニンニク植物組織微粉砕物とした。このニンニク植物組織微粉砕物の水分含量は70%、乾燥物重量は16.5gであった。
(2)植物組織微粉砕物0%のタマネギエキスの調製
段落[0094]「(2)タマネギエキス混合液の作製」と同様の方法で作製したタマネギエキス混合液1200gに水1200gを加えて2倍に希釈した。これを遠心(6574G,15分)し、上清2150gを得た。上清2150gをエバポレーターで減圧濃縮(0〜10mbar)した。Brix値70%、重量が1150gになったところで、減圧濃縮を止め、これを植物組織微粉砕物0%のタマネギエキスとした。
(3)植物組織微粉砕物0%のタマネギエキス
前記植物組織微粉砕物0%のタマネギエキス400gを植物組織微粉砕物0%(乾燥物重量)のタマネギエキスとした。
(4)ニンニク植物組織微粉砕物1%のタマネギエキス
前記(1)で得られたニンニク植物組織微粉砕物13.2gを、前記(2)で得られた植物組織微粉砕物0%のタマネギエキス386.8gに添加(ニンニク固形分乾燥物重量で1%添加)したところ、Brix値はほぼ70%であったことから、これをニンニク植物組織微粉砕物1%(乾燥物重量)のタマネギエキスとした。
(5)植物組織微粉砕物5%、10%、15%(乾燥物重量)のタマネギエキスの調製
(a)タマネギ植物組織微粉砕物5%タマネギエキス
前記(1)で得たタマネギ植物組織微粉砕物100gを、段落[0093]の「(1)タマネギエキスの作製」で作製したタマネギエキス371.2gに添加したところ、Brix値が70%に満たなかったので、これを加熱してBrix値を調整した。Brix値が70%、重量が400gになったところで加熱を止め、タマネギ植物組織微粉砕物5%(乾燥物重量)のタマネギエキスとした。
(b)タマネギ植物組織微粉砕物10%タマネギエキス
前記(1)で得たタマネギ植物組織微粉砕物200gをタマネギエキス342.8gに添加したところ、Brix値が70%に満たなかったので、これを加熱してBrix値を調整した。Brix値が70%、重量が400gになったところで加熱を止め、タマネギ植物組織微粉砕物10%(乾燥物重量)のタマネギエキスとした。
(c)タマネギ植物組織微粉砕物15%のタマネギエキス
前記(1)で得たタマネギ植物組織微粉砕物300gをタマネギエキス314.28gに添加したところ、Brix値が70%に満たなかったので、これを加熱してBrix値を調整した。Brix値が70%、重量が400gになったところで加熱を止め、タマネギ植物組織微粉砕物15%(乾燥物重量)のタマネギエキスとした。
(6)塩味増強剤の製造
上記のようにして植物組織微粉砕物量を調整したタマネギエキス300gを、ポータブルリアクターにて品温160℃にて加熱処理し、下記実施例5〜7および比較例11、12の塩味増強剤を得た。尚、ポータブルリアクターでの加熱は、予め温水を150℃程度まで加熱し、装置を十分に温めた後に実施した。また、設定品温に到達後、すぐに常圧下に取り出し、冷却した。ジャケット温度は180℃に設定し、攪拌は1060rpmにて実施した。160℃に到達するまでの時間は概ね14分から16分であった。
(比較例11)
植物組織微粉砕物0%のタマネギエキスを上記の条件で加熱し、比較例11の塩味増強剤を得た。
(実施例5)
タマネギ植物組織微粉砕物5%のタマネギエキスを上記の条件で加熱し、実施例5の塩味増強剤を得た。
(実施例6)
タマネギ植物組織微粉砕物10%のタマネギエキスを上記の条件で加熱し、実施例6の塩味増強剤を得た。
(比較例12)
タマネギ植物組織微粉砕物15%のタマネギエキスを上記の条件で加熱し、比較例12の塩味増強剤を得た。しかし、この場合、植物組織微粉砕物が多すぎたため、局部加熱がおこり、加熱面にこげが多量に発生した。
(実施例7)
ニンニク植物組織微粉砕物1%を添加したタマネギエキスを上記の条件で加熱し、実施例7の塩味増強剤を得た。
(実施例8〜11、比較例13、14)
植物組織微粉砕物および由来植物の種類が塩味増強効果に及ぼす影響を評価するため、実施例1、5〜7および比較例11、12の塩味増強剤を用いて、表8に示す配合でコンソメスープを作製した(それぞれ実施例8〜11、比較例13、14とする。)。こうして作製したコンソメスープについて、10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。評価は、コンソメスープの温度を60℃に調整し、表9に示す比較対象のコンソメスープと比べ、表10の評価基準に従って評価を行った(最大50点、最小10点)。結果を指標香気成分量とともに表12に示す。
Figure 0005293904
表12に示すとおり、植物組織微粉砕物を含有する実施例1、5〜7の塩味増強剤を添加した実施例8〜11のコンソメスープは、比較例13、14に比べて先味のインパクト、後味の持続性が十分に感じられ、比較対象のコンソメスープと比べて塩味増強効果が強かった。また、実施例8〜11のコンソメスープの食塩濃度は0.55%、表9に示す比較対照のコンソメスープの食塩濃度は0.65%であることから、実施例5〜7の塩味増強剤は、比較対象のコンソメスープの食塩0.65%中の0.1%以上の塩味を増強しており、塩味増強効果は15.3%(0.1/0.65)以上であった。また、タマネギ植物組織微粉砕物とニンニク植物組織微粉砕物との間に、塩味増強効果の差は大きくなく、何れを用いた塩味増強剤も塩味増強効果が認められた。これに対して、植物組織微粉砕物を含まない比較例11の塩味増強剤を添加した比較例13のコンソメスープでは、先味がある程度強くあるだけで、後味が弱いため、塩味増強効果はそれほど強く感じなかった。塩味増強剤の植物組織微粉砕物量を増やすと5重量%程度までは塩味増強効果が強まるが、10重量%になると弱くなった。さらに、比較例12の塩味増強剤のように植物組織微粉砕物が15重量%にまで増えると、固形分が加熱面に付着し、コゲが発生してしまい、風味としては強いカラメル臭、渋みが突出し、風味のバランスが崩れ、塩味増強効果は弱くなってしまった。
(実施例12、13、比較例15〜19)
塩味増強剤製造時の加熱条件および塩味増強剤中のフラン類量、含硫化合物類量および酢酸量に相関するコゲ臭や苦味が塩味増強効果に及ぼす影響を確認するため、実施例1、2および比較例1〜5の塩味増強剤を用いて、表13に示す配合でチーズソースを作製した(それぞれ実施例12、13、比較例15〜19とする。)。また、表14に示す配合で、比較対象のチーズソースを作製した。なお、表13、表14にあるチキンブイヨンは、チキンコンソメ(味の素株式会社製)5.3gを430gのお湯に溶解させて用いた。また、チーズソースの塩濃度は、アタゴ社製のデジタル塩分計「ES−421」を用いて測定した。
Figure 0005293904
Figure 0005293904
上記のようにして作製したチーズソースについて、10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。評価は、チーズソースの温度を60℃に調整し、表14に示す比較対象のチーズソースと比べ、表10の評価基準に従って行った(最大50点、最小10点)。結果を表15に示す。
Figure 0005293904
表15に示すとおり、実施例1、2の塩味増強剤を用いた実施例12、13のチーズソースは、比較例1〜5の塩味増強剤を用いた比較例15〜19のチーズソースに比べて先味のインパクト、後味の持続性が十分に感じられ、塩味増強効果が強く、また、チーズの風味も強く感じた。実施例12、13のチーズソースは、表14に示す比較対象のチーズソースと比べても塩味増強効果が強かった。また、実施例12、13のチーズソースの食塩濃度は0.65%、表14に示す比較対象のチーズソースの食塩濃度は0.75%であることから、実施例1、2の塩味増強剤は、表14に示す比較対象のチーズソースの食塩0.75%中の0.1%以上の塩味を増強しており、塩味増強効果は13.3%(0.1/0.75)以上であった。特に二重筒加熱装置を用いて製造した実施例2の塩味増強剤を添加した実施例13のチーズソースは、ポータブルリアクターを用いて製造した実施例1の塩味増強剤を添加した実施例12よりもさらに塩味増強効果が強かった。これに対し、加熱処理温度が低い比較例1,2の塩味増強剤を添加した実施例15、16のチーズソースは先味のインパクト、後味の持続性が弱く、また、加熱処理温度が高い、または加熱時間が長い比較例3〜5の塩味増強剤を添加した比較例17〜19のチーズソースは、コゲ臭や苦味を感じ、風味のバランスが崩れていた。
(実施例14〜16、比較例20、21)
植物組織微粉砕物および由来植物の種類が塩味増強剤に及ぼす影響を評価するため、実施例1、5〜7および比較例11,12の塩味増強剤を用いて、表13に示す配合でチーズソース作製した(それぞれ実施例12、14〜16、比較例20、21とする。)。こうして作製したチーズソースについて、10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価を行った。評価はチーズソースの温度を60℃に調整し、表14に示す比較対象のチーズソースと比べ、表10の評価基準に従って行った(最大50点、最小10点)。評価結果を実施例12の結果とともに表16に示す。
Figure 0005293904
表16に示すとおり、植物組織微粉砕物を含有する実施例1、5〜7の塩味増強剤を添加した実施例12、14〜16のチーズソースにおいては、比較例20、21に比べて先味のインパクト、後味の持続性が十分に感じられ、塩味増強効果が強く、また、塩味増強効果だけでなく、チーズの風味が強く増強されていると感じた。実施例12、14〜16のチーズソースは、表14に示す比較対象のチーズソースと比べても塩味増強効果が強かった。また、実施例12、14〜16のチーズソースの食塩濃度は0.65%、前記表14に示す比較対象のチーズソースの食塩濃度は0.75%であることから、実施例1、5〜7の塩味増強剤は比較対象のチーズソースの食塩0.75%中の0.1%以上の塩味を増強しており、塩味増強効果は13.3%(0.1/0.75)以上であった。また、タマネギ植物組織微粉砕物とニンニク植物組織微粉砕物の差はそれほどなく、それぞれを含む塩味増強剤のいずれも塩味増強効果が認められた。これに対して、植物組織微粉砕物を含まない比較例11の塩味増強剤を添加した比較例20のチーズソースでは、先味がある程度感じられるだけで、後味が弱いため、塩味増強効果はそれほど強く感じられなかった。塩味増強剤における植物組織微粉砕物量を増やすと5重量%程度までは塩味増強効果が強まるが、10重量%になると弱くなった。さらに、比較例12の塩味増強剤のように植物組織微粉砕物が15重量%にまで増えると、植物組織微粉砕物が加熱装置の加熱壁面に付着し、コゲが発生してしまい、風味としては強いカラメル臭、渋みが突出し、風味のバランスが崩れ、塩味増強効果は弱くなった。
(製造例1:酵素処理による風味保持材の作製)
乾燥タマネギを含む表17記載の配合した物120kgを45℃で6時間、酵素処理を実施後、酵素を失活させるため90℃で10分加熱し、タマネギ酵素処理液116kgを得た。使用した酵素はすべて新日本化学工業株式会社製のものを用いた。このタマネギ酵素処理液を金属メッシュ(目開き106μm、140mesh)で濾し、タマネギ酵素処理ろ過液110kgを得た。このろ液100g中に含まれるタマネギ植物組織微粉砕物量を調べるため、ろ液100gを遠心機で遠心(6574G,15分)したところ、タマネギ植物組織微粉砕物は15g含まれており、このタマネギ植物組織微粉砕物からなる風味保持材の水分含量は80%であった。
Figure 0005293904
(製造例2:酵素処理液を用いた風味保持材の作製)
図1で例示される加熱装置10を用いて、製造例1で得られたタマネギ酵素処理ろ過液の減圧濃縮を行った。タマネギ酵素処理ろ過液100kgはあらかじめタンクに投入してから、タンク直下に接続したポンプを用いて、流量毎時500kgの条件でタマネギ搾汁液を加熱装置10に供給した。加熱装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分170回、壁面12a、13aの温度を125℃の条件に設定した。加熱装置10で加熱されたタマネギ搾汁液を、−0.055〜−0.065MPaの減圧条件に設定した蒸発缶に供給し、水分を蒸発させた後、再び前記タンクに供給した。この循環加熱減圧濃縮を1.8時間行い、Brix70%まで濃縮したタマネギエキスA約18kgを得た。このタマネギエキスA100gにはタマネギ植物組織微粉砕物(乾燥物換算)12.7gが含まれていた。
(実施例17)
実施例1に用いた加熱前のタマネギエキス(タマネギ植物組織微粉砕物(乾燥物重量)1%)に、前記タマネギエキスA(タマネギ植物組織微粉砕物(乾燥物重量)12.7%)を混ぜ合わせ、タマネギ植物組織微粉砕物(乾燥物重量)を5%に調整したタマネギエキスA−1を作製した。
次いで、このタマネギエキスA−1を加熱装置であるポータブルリアクターを用い、実施例1と同様にして、品温160℃に達温するまで加熱して塩味増強剤を得た。品温が160℃に到達するまでに要した時間は12分であった。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して3.73倍、酢酸のピーク面積は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して0.11倍であった。さらに、含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して2.91倍であった。また、塩味増強剤中のタマネギ植物組織微粉砕物は5%(乾燥物重量)であった。
(実施例18)
実施例17と同様に、実施例1に用いた加熱前のタマネギエキス(タマネギ植物組織微粉砕物(乾燥物重量)1%)にタマネギエキスA(タマネギ植物組織微粉砕物(乾燥物重量)12.7%)を混ぜ合わせ、タマネギ植物組織微粉砕物(乾燥物重量)を10%に調整したタマネギエキスB−1を作製した。
次いで、このタマネギエキスB−1を加熱装置であるポータブルリアクターを用い、実施例17と同様にして、品温160℃に達温するまで加熱して塩味増強剤を得た。品温が160℃に到達するまでに要した時間は12分であった。
得られた塩味増強剤について、既述の分析条件でガスクロマトグラフ分析を行ったところ、フルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコールのピーク面積の合計は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して3.81倍、酢酸のピーク面積は、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して0.19倍であった。さらに、含硫化合物類は、アリルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドのピーク面積の合計が、内部標準物質であるデカンのピーク面積に対して3.09倍であった。また、塩味増強剤中のタマネギ植物組織微粉砕物は10%(乾燥物重量)であった。
(実施例19、20)
実施例17、18で得られた塩味増強剤を用いて、表8に示す配合でコンソメスープを作製した(それぞれ実施例19、20とする。)。こうして作製したコンソメスープについて、10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。評価は、コンソメスープの温度を60℃に調整し、表9に示す比較対象のコンソメスープと比べ、表10の評価基準に従って行った(最大50点、最小10点)。結果を表18に示す。
Figure 0005293904
表18に示すとおり、実施例17、18の塩味増強剤を添加した実施例19、20のコンソメスープは、先味のインパクト、後味の持続性が十分に感じられ、比較対象のコンソメスープと比べて塩味増強効果が強かった。また、実施例19、20のコンソメスープの食塩濃度は0.55%、比較対象のコンソメスープの食塩濃度は0.65%であることから、実施例17、18の塩味増強剤は比較対象のコンソメスープの食塩0.65%中の0.1%以上の塩味を増強しており、塩味増強効果は15.3%(0.1/0.65)以上であった。
(実施例21、22)
実施例17、18で得られた塩味増強剤を用いて、表13に示す配合でチーズソース作製した(それぞれ実施例21、22とする。)。こうして作製したチーズソースについて、10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価を行った。評価はチーズソースの温度を60℃に調整し、表14に示す比較対象のチーズソースと比べ、表10の評価基準に従って行った(最大50点、最小10点)。結果を表19に示す。
表19に示すとおり、実施例17、18の塩味増強剤を添加した実施例21、22のチーズソースは、先味のインパクト、後味の持続性が十分に感じられ、比較対象のチーズソースと比べて塩味増強効果が強かった。また、塩味増強効果だけでなく、チーズの風味が強く増強されていると感じた。さらに、実施例21、22のチーズソースの食塩濃度は0.65%、比較対象のチーズソースの食塩濃度は0.75%であることから、実施例17、18の塩味増強剤は比較対象のチーズソースの食塩0.75%中の0.1%以上の塩味を増強しており、塩味増強効果は13.3%(0.1/0.75)以上であった。
Figure 0005293904
10 二重筒加熱装置
11 加熱容器
12 内筒
12a 外壁面
13 外筒
13a 内壁面
14 間隙
14a 供給口
14b 排出口

Claims (16)

  1. 細胞壁の少なくとも一部が破壊されており140メッシュ(140mesh;USA)を通過するタマネギおよび/またはニンニクであるユリ科野菜の植物組織の微粉砕物と、メイラード反応生成物としてフルフラール、2−アセチルフラン、5−メチルフルフラールおよびフルフリルアルコールからなるフラン類並びに含硫化合物類としてジメチルトリスルフィド、ジメチルジスルフィドおよびアリルメチルジスルフィドからなるスルフィド類を含む風味成分と、を含有する塩味増強剤。
  2. 前記植物組織の微粉砕物を、乾燥物換算で0.9〜10.0重量%含む請求項1記載の塩味増強剤。
  3. 前記植物組織の微粉砕物が、前記破壊された細胞壁から外部へ露出または流出した状態で存在するステロール類を含む請求項1または2に記載の塩味増強剤。
  4. 前記ステロール類が、下記一般式(1)で示すステロールまたはステロール脂肪酸エステルを含有する請求項3に記載の塩味増強剤。
    Figure 0005293904
    (但し、式(1)中、R1は水素原子または脂肪酸残基、R2は二重結合を有さない炭化水素基を表す。)
  5. 前記ステロールまたはステロール脂肪酸エステルが、β−シトステロールまたはβ−シトステロール脂肪酸エステルである請求項4に記載の塩味増強剤。
  6. 前記ユリ科野菜の植物組織の微粉砕物が、ユリ科野菜をすり潰すこと、ユリ科野菜を搾汁すること、ユリ科野菜を生のまま酵素処理すること、またはユリ科野菜の乾燥物に水を加えた後に酵素処理することにより得られたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
  7. 前記風味成分として、加熱調理により増強された風味を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
  8. スクロマトグラフにおける前記フラン類のピーク面積の合計が、塩味増強剤にデカンを1ppm添加混合した時のデカンのピーク面積の2.0倍以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
  9. ガスクロマトグラフにおける酢酸のピーク面積が、塩味増強剤にデカンを1ppm添加混合した時のデカンのピーク面積の0.28倍以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
  10. スクロマトグラフにおける前記スルフィド類のピーク面積の合計が、塩味増強剤にデカンを1ppm添加混合した時のデカンのピーク面積の2.76倍以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
  11. 水分を含むペースト状である請求項1〜10のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
  12. 賦形剤を含む粉末状である請求項1〜10のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の塩味増強剤を製造する方法であって、ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキスを加熱して得る、塩味増強剤の製造方法。
  14. 前記ユリ科野菜のすり潰し液、搾汁液、酵素処理液またはこれらの液を濃縮したエキスを、加熱装置の加熱容器内に導入し、該容器に設けた加熱面に強制的に接触させ、略均一な薄膜状に拡げた状態で該加熱面に沿って流動させながら加熱調理する請求項13に記載の塩味増強剤を製造する方法。
  15. 加熱温度が160℃以上である請求項13または14に記載の塩味増強剤の製造方法。
  16. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の塩味増強剤を飲食品に添加する、飲食品の塩味増強方法。
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