JP2014212750A - にんにく含有調味料 - Google Patents

にんにく含有調味料 Download PDF

Info

Publication number
JP2014212750A
JP2014212750A JP2013093986A JP2013093986A JP2014212750A JP 2014212750 A JP2014212750 A JP 2014212750A JP 2013093986 A JP2013093986 A JP 2013093986A JP 2013093986 A JP2013093986 A JP 2013093986A JP 2014212750 A JP2014212750 A JP 2014212750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
garlic
soy sauce
tomato
seasoning
flavor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013093986A
Other languages
English (en)
Inventor
洋平 篠崎
Yohei Shinozaki
洋平 篠崎
仲原 丈晴
Takeharu Nakahara
丈晴 仲原
日登美 熊谷
Hitomi Kumagai
日登美 熊谷
真 赤尾
Makoto Akao
真 赤尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikkoman Corp
Nihon University
Original Assignee
Kikkoman Corp
Nihon University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikkoman Corp, Nihon University filed Critical Kikkoman Corp
Priority to JP2013093986A priority Critical patent/JP2014212750A/ja
Publication of JP2014212750A publication Critical patent/JP2014212750A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • A23L1/22

Landscapes

  • Seasonings (AREA)

Abstract

【課題】にんにくと醤油および/またはトマトを含む調味料の鋭い風味を抑えられ、まろやかな風味を有し、甘味が増強され、食材の風味を生かしながら幅広い食品に適したにんにく含有調味料を提供。【解決手段】醤油および/またはトマトを含む調味料に対し、急速加熱処理を行ったにんにくを添加することにより、まろやかな風味を有し、甘味が増強されたにんにく含有調味料であって、急速加熱処理を行った水抽出物またはエタノール抽出物と0.01〜5.0%(w/v)含有することを特徴とするにんにく含有調味料を提供する。【選択図】なし

Description

まろやかな風味と増強された甘味を有するにんにく含有調味料に関する。
にんにくは独特の香気成分・呈味成分を有し、また健康機能性にも優れているため、古来より様々な料理にスパイス・調味料として、あるいは滋養強壮を目的として使用されてきた(例えば、非特許文献1参照)。
にんにくを調味料として使用する際には、生のまま刻んだもの、またはすり潰したものを調理に使用する他、近年では脱臭や、にんにくの香気成分の前駆体であるアリインを含有させたにんにくを得ることを目的とした種々の加工方法が開示されている。
例えば、にんにくに高周波を短時間照射することにより無臭化にんにくを得る製造方法(例えば、特許文献1参照)、にんにくの可食部にpHが3以下となるように酸性物質を混合して粉砕することを特徴とするアリイン含有量の高い脱臭にんにくの製造方法(例えば、特許文献2参照)、予めブランチング処理したにんにくを水抽出して得た抽出液の濃縮物とグルタミン酸塩及び/または5’−リボヌクレオタイド塩とを含有することを特徴とするこく味調味料(例えば、特許文献3参照)などが開示されている。いずれも脱臭されたにんにくまたはにんにく抽出物を得ること、にんにく由来のこく味調味料を得ることを目的としたものであるが、にんにく含有調味料の風味向上・呈味改善を目的としたものではなく、醤油やトマトを含む調味料中に含有させた際の効果は不明であった。
一方にんにく醤油は、家庭で、または加工食品として、一般的には生のにんにくを皮だけ剥く、あるいは刻む、すり下ろす等して醤油に加えることにより作られる。
にんにく醤油の製造方法としては、生にんにくを生醤油または醤油諸味に浸漬し、低温で一定期間保持して、にんにく成分を生醤油中または醤油諸味中に溶出、溶解させた後、にんにくを除去することを特徴とするにんにく醤油の製造方法、(例えば、特許文献4参照)、醤油の製造工程において、仕込の工程、大豆の蒸煮工程のいずれかの工程で、地下茎の根菜類の原料を蒸しまたはつぶしたものを混合してなる醤油の製造方法(例えば、特許文献5参照)、γ−グルタミルペプチドを含有し、γ−グルタミル−S−(アリル)−システイン、γ−グルタミル−S−(2−プロペニル)−システイン及びγ−グルタミル−S−(メチル)−システインの合計量中のγ−グルタミル−S−(メチル)−システイン含有量が10〜27質量%である液体調味料(例えば、特許文献6参照)等が開示されているが、醤油やにんにくの風味が強くまろやかさに欠ける、玉ねぎ等のにんにくとは異なる刺激味のある副原料を加える必要があるなど、風味の面でなお課題があった。
近年、消費者は素材の風味を生かすまろやかな風味を持つ食品を好み、醤油についてもまろやかな風味を持つ醤油の製造方法が開示されている。例えば、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得られる有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる濃縮有機酸発酵液を添加した醤油(例えば、特許文献7参照)、調味用の液汁1重量部に対して、糖類を0.1〜2重量部混入させた混合液を、アルカリ性物質を加えてアルカリ性にした後に、加熱処理を行うことにより酸性にしたことを特徴とする食品調味料(例えば、特許文献8参照)が開示されているが、にんにくと醤油双方の風味がまろやかであり、さらに甘味に優れたにんにく含有調味料を得ようとする試みはなされていなかった。
他方、トマトとにんにくについては、トマトソース、トマトケチャップ、チリソース等のトマトを含む調味料ににんにくが使用されている他、調理の際に予め刻んだにんにくを炒めて香りを出した後にトマトと混合する等、各国の料理で使用されている組み合わせである。
しかし、トマトを含む調味料にはトマト特有の青臭さや、トマト自体の酸味、ケチャップに添加される食酢の刺激臭などの鋭い風味を有しており、しばしば好まれない要因となっていた。これらの鋭い風味を解決するためにトマトを含む調味料へ急速加熱したにんにくを添加しようとの試みはなされておらず、その効果も不明であった。
特公昭40−12464号公報 特開2011−10612号公報 特開昭59−210864号公報 特開平1−181763号公報 特開平7−236447号公報 特開2011−41508号公報 特開2007−267719号公報 特開2003−174854号公報
「隠し味の科学」,第1版,東京化学同人,1992年9月,p.49、p.208〜209、p.239
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、にんにくと醤油および/またはトマトを含む調味料の鋭い風味を抑えられ、まろやかな風味を有し、甘味が増強され、食材の風味を生かしながら幅広い食品に適したにんにく含有調味料を提供することにある。にんにく含有調味料としては、例えばにんにく醤油、トマトを含む調味料(トマトソース、トマトケチャップ、チリソース、ドレッシング等)が挙げられる。
本発明者らは、これまでに無いまろやかな風味と甘味が増強されたにんにく醤油、トマトソース、トマトケチャップ、チリソース等のにんにく含有調味料を得るため、鋭意検討した結果、生にんにくを丸ごと急速加熱した後、水又はエタノールにより抽出した抽出物を、あるいは急速加熱したにんにくそのものを、醤油および/またはトマトを含む調味料に添加する事により、驚くべきことに、にんにくだけでなく、醤油、トマト、トマトを含む調味料中の、それぞれの酸味や塩味、刺激臭、強い香り等の鋭い風味が抑えられ、まろやかな風味を有し、甘味が増強され、食材の風味生かしながら幅広い食品に適したにんにく含有調味料が得られることを見出した。また、その寄与成分の一つと考えられるアリインが、醤油およびトマトを含む調味料中にて、安定に保存可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
1)急速加熱処理を行ったにんにくを調味料に添加して得られる、まろやかな風味と増強された甘味を有するにんにく含有調味料、
2)急速加熱処理を行ったにんにくの水抽出物またはエタノール抽出物を0.01〜5.0%(w/v)含有することを特徴とする、1)に記載のにんにく含有調味料、
3)急速加熱処理を行ったにんにくを0.1〜50%(w/v)含有することを特徴とする、1)に記載のにんにく含有調味料、
4)アリインを0.0002〜0.1%(w/v)含有することを特徴とする、1)〜3)のいずれかに記載のにんにく含有調味料、
に関する。
本発明によれば、にんにくの風味のみならず、醤油、トマトを含む調味料の鋭い風味を改善し、まろやかな風味を付与することから、様々な食事の場面で使用する機会が増える。また、上記調味料の甘味が増強されているため、糖類などの使用を抑えることができ、摂取カロリーを低減する用途にも有用である。さらに、古来より健康機能性が報告されているにんにく成分の摂取機会が増えることで、健康を増進する面からも、非常に有用な調味料である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、にんにくのみならず、醤油、トマトを含む調味料の鋭い風味を抑え、甘味を増強したにんにく含有調味料を得ることを目的とし、醤油および/またはトマトを含む調味料中に急速加熱したにんにくを含有させることを特徴とする。
本明細書における「急速加熱」とは、高温短時間の加熱処理のことをいう。加熱処理方法としては、蒸す、煮る、電子レンジ処理などが挙げられ、処理時間は蒸す場合は100〜400℃で0.5〜80秒、煮る場合は85〜100℃で10〜80秒、電子レンジの場合は500〜1200Wで10〜40秒の加熱処理が好ましい。上記の加熱時間により、にんにくに含まれる各酵素が失活し、にんにく自身の有する酵素により生成する刺激臭を抑えられるだけでなく、生にんにくの風味を減少させることができ、醤油やトマトを含む調味料の風味をまろやかにしたり、甘味を向上したりする効果が向上する。加熱時間が長過ぎると、加熱による風味劣化が生じる。
にんにくを急速加熱処理する際には、生にんにくを丸ごと用いるのが好ましい。生にんにくは皮付きのままでも、剥皮した状態でも良い。にんにくに傷が付き、細胞が壊れると風味劣化が生じるため好ましくない。なお、急速加熱後はにんにくを破砕してもよく、工業化においては、加熱と破砕が同時並行的に行われてもよい。
急速加熱処理後のにんにくは、さらに裏ごしまたは微細化処理または磨砕処理を行ってもよい。破砕・磨砕等を行うことでペースト状の急速加熱にんにくが得られ、各種食品加工において扱いやすくなる。これらの方法としては、制限なく従来公知の裏ごし機、摩砕機、粉砕機、ホモジェナイザーなどを用いることができる。
急速加熱処理にんにくから、にんにく抽出物を調製してもよい。にんにく抽出物の調製は、水・エタノールを用いて物理的な攪拌・破砕、固液抽出、超音波処理、還流による抽出、加熱、浸漬、浸出、煎出、マイクロ波処理等の公知の方法により行うことができる。抽出処理したものをそのまま使用することも可能であるが、活性炭処理、クロマトグラフィー、液々分配、蒸留、ゲルろ過、遠心分離、精密ろ過等により精製してもよい。
抽出処理した液状または半固体状の抽出物を、乾燥させて粉末状にしてもよい。乾燥は公知の凍結乾燥、スプレードライ、ドラムドライなどの方法により行うことができる。乾燥後、水またはエタノールに再溶解し、密閉容器中で10〜120分、60〜100℃で再加熱を行った後に、さらに乾燥させた粉末はにんにくの風味が少なく、かつ、にんにく含有調味料をまろやかにする効果が高いので好ましい。
急速加熱にんにくを食品に添加する際には、急速加熱にんにくの水抽出物およびエタノール抽出物の場合、0.01〜10.0%(w/v)が好ましく0.01〜5.0%(w/v)がより好ましく0.1〜1.5%(w/v)が特に好ましい。急速加熱にんにくを破砕せずに添加する場合は、にんにく中の寄与成分が添加した食品中に拡散し効果を発揮させる観点から、0.1〜50%(w/v)が好ましい。
本発明における「調味料」とは、調味に用いる材料であり、例えば味噌や醤油、砂糖、食塩、食酢、ドレッシング、ソース、トマトケチャップ、マヨネーズ等が挙げられる。調味料としては、急速加熱にんにくを添加することにより、鋭い風味を抑え、甘味を増強する効果がより得られやすい、醤油および/またはトマトを含む調味料が好ましい。
本明細書における「トマトを含む調味料」とは、加工されたトマト原料であるトマト果汁やダイストマト、トマトピューレ、トマトペースト、トマトエキス等を含む調味料や、トマトペースト・トマトピューレ等のように調味料用途として用いられる加工されたトマト原料そのもの、青果のトマト果実を含む調味料をいう。ダイストマトは、トマトの果実の皮、種子等を除去し、ダイス状に切り、加熱殺菌したものをいう。トマト果汁は、トマトの果実を破砕して搾汁または裏ごし等をし、皮、種子等を除去し、加熱殺菌などを経て得られる。トマトピューレやトマトペーストは、トマト果汁を濃縮したものをいう。濃縮方法としては、制限無く公知の加熱による濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、膜濃縮などが用いられる。トマトエキスは、リコピンが多く含有された濃縮トマト果汁を適宜希釈し、色素やパルプ分を除く遠心分離や精密膜ろ過などを実施して得られた透過液を、さらに濃縮したものをいう。トマトを含む調味料としては、汎用的に用いられているトマトピューレまたはトマトペースト、トマトケチャップ等が好ましい。各種トマトは色素成分以外の呈味や風味を考慮して組み合わせて用いることができる。
本明細書における「醤油」は、日本農林規格で定められるしょうゆ、こいくちしょうゆ、うすくちしょうゆ、たまりしょうゆ、さいしこみしょうゆ、しろしょうゆ、生揚げ、アミノ酸液等を含み、また減塩しょうゆ、うす塩しょうゆ、昆布しょうゆ、刺身しょうゆ、だししょうゆ、土佐しょうゆ、甘口しょうゆ、台湾産しょうゆ、中国産しょうゆ、韓国産しょうゆ、カンジャン、魚醤、ナンプラー、ケチャップマニス、ケチャップアシンを含む。風味の観点からは特にこいくちしょうゆが好ましい。
本発明のにんにく含有調味料は、様々な食材と共に、つけたり、かけたり、調理に使用することが可能である。また任意の飲食品に配合することができる。例えば、味噌、もろみ風調味料、しょうゆ加工品、みりん、つゆ、たれ、和風だし、洋風だし、中華だし、コンソメ、ドレッシング、パスタソース、ハンバーグソース、ウスターソースおよびその他ソース等の調味料、パン類、麺類、冷凍食品、レトルト食品、フリーズドライ食品、乳製品、スープ類、各種発酵食品等の任意の加工食品に添加して用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
<急速加熱にんにく抽出物の調製>
にんにく3gに対して20秒で電子レンジ加熱(960W)を行った後、にんにく重量と等量の水を加え、ミキサー(NM−800、仲佐社製)で15秒破砕した。ガーゼでろ過後、ろ液を15,000×g、20分、4℃にて遠心分離した。上清をデカンテーションし、凍結乾燥(EYELA FDU−2000、東京理化器械社製)したものを水抽出物とした。水抽出物1gに対し25mlの水を加え、さらにエタノールを225ml加え10分間、室温で撹拌した。撹拌後、15,000×g、20分、4℃にて遠心分離し、上清をロータリーエバポレーターで35℃にて濃縮乾固した。乾固後、水を少量加えて再溶解し凍結乾燥したものをエタノール抽出物とした。水抽出物およびエタノール抽出物を水に溶解し、さらに1時間湯煎で加熱した後、再度凍結乾燥したものを、にんにく加熱処理水抽出物およびにんにく加熱処理エタノール抽出物とした。
<アリインの分析>
サンプル3gに対し湯煎により加熱後、内部標準として1mM S−ethyl−L−cysteine sulfoxide(ECSO)を加え、メタノール/クロロホルム/0.1M炭酸水素ナトリウム(12:5:3、v/v/v)中にてポリトロンホモジナイザーで磨砕後、二重のガーゼでろ過し、さらにグラスフィルターでろ過後、ろ液に等倍量のクロロホルム/超純水(2:1、v/v)を加えた。混合後一晩放置し、上層である水層を分取した。試料溶液に50mM Fmoc溶液を等量添加し、撹拌後、室温・暗所で10分間インキュベートした。全量の3/4倍量の反応停止液(アセトニトリル/超純水/酢酸(55:42.5:2.5、v/v/v))を加え、1,000×g、5分、25℃にて遠心分離した。上清に同量のペンタンを加え、ペンタン層(上層)を除去することでFmocの加水分解物を取り除いた。このペンタン層を取り除く作業を3度繰り返し、下層を0.45μmメンブレンフィルター(メルク社製)でろ過し、ろ液をHPLCにより分析した。
<HPLC分析条件>
装 置:Empower3(日本ウォーターズ社製)
検出器:2475 MultiλFluorescence Detector
(ウォーターズ社製)
カラム:COSMOSIL Packed Column 5C18−AR−II
4.6mm×150mm(ナカライテスク社製)
カラム温度:40℃
流 速:1ml/min
移動相:酢酸緩衝液(pH4.4)とメタノール/アセトニトリル混合液
(メタノール/アセトニトリル=42/2.5)の比が61:39(v/v)
注入体積:10μl
上記HPLC条件にて、にんにく加熱処理水抽出物およびにんにく加熱処理エタノール抽出物中のアリイン濃度を分析したところ、にんにく加熱処理水抽出物中には2%(w/w)、にんにく加熱処理エタノール抽出物中には10%(w/w)のアリインがそれぞれ含有されていた。
<にんにく加熱処理水抽出物の醤油およびトマトケチャップへの添加>
醤油として市販の醤油(特選丸大豆醤油、キッコーマン食品社製)とトマトケチャップ(日本デルモンテ社製)を用意した。醤油100ml、トマトケチャップ100mlに対して、にんにく加熱処理水抽出物を0.01〜5.0%(w/v)となるように混合し、試験品1〜10を調製した。
<官能評価>
にんにく加熱処理水抽出物のまろやかさおよび甘味の増強効果を評価するため、試験品1〜10を官能評価に用いた。対照品1を醤油、対照品2をトマトケチャップとし、官能評価は訓練され識別能力を有するパネル5名による評点法で行った。評点は下記の基準に従い、パネリスト間の平均評点を算出した。官能評価結果を表1〜2に示す。
(甘味の評価)
1:対照品のほうが、かなり甘味が強い
2:対照品のほうが、やや甘味が強い
3:同等
4:試験品のほうが、やや甘味が強い
5:試験品のほうが、かなり甘味が強い

(風味のまろやかさの評価)
1:対照品のほうが、かなりまろやかな風味である
2:対照品のほうが、ややまろやかな風味である
3:同等
4:試験品のほうが、ややまろやかな風味である
5:試験品のほうが、かなりまろやかな風味である
Figure 2014212750
表1の官能評価結果より、にんにく加熱処理水抽出物を添加した醤油において、0.01%の添加から風味のまろやかさ、甘味の向上が見られ、0.1%以上の添加でより顕著な風味のまろやかさ、甘味の向上が見られた。5%添加した試験品5では、風味のまろやかさ、甘味の向上が見られるものの、にんにく自体の有する呈味が強くなり、評価が下がる傾向が見られた。
Figure 2014212750
表2の官能評価結果より、にんにく加熱処理水抽出物を添加したトマトケチャップにおいても、0.01%の添加から風味のまろやかさ、甘味の向上が見られ、0.1%以上の添加でより顕著な風味のまろやかさ、甘味の向上が見られた。5%添加した試験品10では、風味のまろやかさ、甘味の向上が見られるものの、にんにく自体の有する呈味が強くなり、評価が下がる傾向が見られた。以上の結果より、急速加熱したにんにくの水抽出物を醤油、トマトを含む調味料に添加することにより、まろやかな風味を有し甘味が向上したにんにく含有調味料が得られることが示された。
<アリインの保存性>
にんにくの皮を剥き、重量を測定後、生のまま密閉瓶に入れ、醤油(こいくちしょうゆ、キッコーマン食品社製)を加えた生にんにく浸漬醤油を対照品3とした。対照品3を4℃において1〜16週間浸漬を行った。また、醤油原液に100mMのアリインを等量混合し、50mMアリイン溶液としたものをアリイン添加醤油(試験品11)として、常温および4℃にて2ヶ月間保存し、経時的にアリイン残存量の測定を行った。アリイン添加トマトピューレ(試験品12)は、トマトピューレ中にアリインが0.05mmol/gとなるよう調製し、7日目まで、アリイン残存量を測定した。アリイン残存率(%)は、保存開始日のアリイン量に対するアリイン残存量の百分率として表した。
Figure 2014212750
表3にアリインの保存性試験結果を示す。生にんにく浸漬醤油中では、4℃で4週間保存後にアリインの顕著な減少が見られ、16週間後には検出下限以下となった。一方、アリイン添加醤油を4℃で保存した場合は、4週間まで減少は見られず、8週間保存後も86%の保存率であった。アリイン添加醤油を室温で保存した場合は、8週間まで保存した場合も約70%のアリインを保持していた。アリイン添加トマトピューレでは1週間4℃で保存率は86%であった。
以上より、単に生にんにくを浸漬したにんにくしょうゆ中では、アリインの顕著な減少が見られ、アリインそのものを醤油、トマトに添加した場合は良好な保存性を示したことから、生にんにく由来の酵素等によりアリインが分解したことが考えられた。そのため、急速加熱したにんにくを醤油、トマトに添加した場合も同様にアリインを安定的に含有させることが可能であり、まろやかさや甘味の増強効果を保持できることが考えられた。
<急速加熱方法の検討>
電子レンジ加熱処理として、にんにくの皮を剥き、重量を測定後、960Wで生にんにく3gあたり10〜30 秒加熱した。煮る加熱処理としては、にんにくの皮を剥き、重量を測定後、鍋に水300mlを入れ、沸騰後、にんにくを入れ、にんにく新鮮物重量3gあたり30〜60秒加熱した。蒸す加熱処理としては、にんにくの皮を剥き、重量を測定後、蒸し器に水500mlを入れ、沸騰後、蒸し器の上ににんにくを置き、にんにく新鮮物重量3gあたり30〜60秒加熱した。
<アリインの分析>
アリインの分析は実施例1記載の方法に従い実施した。結果を表4に示す。
Figure 2014212750
表4より、電子レンジ加熱では20秒、蒸す加熱では20秒、煮る加熱では45秒の時に最もアリイン含量が高くなった。本試験結果より、短時間の電子レンジ加熱や、蒸す加熱、煮る加熱いずれの条件でも風味に優れ、アリインを顕著に含む急速加熱にんにくを得られることが分かった。
近年、アリインは、無臭でありながら生理活性を示すことが報告されている。またにんにくはその他にも様々な機能性成分を有することから、本調味料は風味だけでなく、健康面でも優れた機能性を有する調味料であることが考えられた。

Claims (4)

  1. 急速加熱処理を行ったにんにくを調味料に添加して得られる、まろやかな風味と増強された甘味を有するにんにく含有調味料。
  2. 急速加熱処理を行ったにんにくの水抽出物またはエタノール抽出物を0.01〜5.0%(w/v)含有することを特徴とする、請求項1に記載のにんにく含有調味料。
  3. 急速加熱処理を行ったにんにくを0.1〜50%(w/v)含有することを特徴とする、請求項1に記載のにんにく含有調味料。
  4. アリインを0.0002〜0.1%(w/v)含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のにんにく含有調味料。
JP2013093986A 2013-04-26 2013-04-26 にんにく含有調味料 Pending JP2014212750A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013093986A JP2014212750A (ja) 2013-04-26 2013-04-26 にんにく含有調味料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013093986A JP2014212750A (ja) 2013-04-26 2013-04-26 にんにく含有調味料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014212750A true JP2014212750A (ja) 2014-11-17

Family

ID=51939127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013093986A Pending JP2014212750A (ja) 2013-04-26 2013-04-26 にんにく含有調味料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014212750A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018183109A (ja) * 2017-04-27 2018-11-22 株式会社てまひま堂 にんにく卵黄の製造方法とこの方法により製造されたにんにく卵黄
JP2019030278A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 株式会社てまひま堂 乾燥にんにく粉末の製造方法とこの方法により製造された乾燥にんにく粉末
JP2019201559A (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 株式会社食工房のだ屋 ニンニク由来加工物の製造方法及びニンニク由来加工物
JP2020129993A (ja) * 2019-02-14 2020-08-31 株式会社アセラ 風味改良剤
KR102720595B1 (ko) * 2024-03-18 2024-10-24 주식회사 금수푸드테크 마늘을 활용한 식물성 크레아틴 성분 추출 방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5277873U (ja) * 1975-12-09 1977-06-10
JP2000166498A (ja) * 1998-12-09 2000-06-20 House Foods Corp 焙煎ガーリックペーストの製造方法
WO2006067906A1 (ja) * 2004-12-24 2006-06-29 Yugen Kaisha Konno International 蓮からの抽出エキスを含有してなる組成物
JP2006345824A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Schnee Weisse:Kk 海洋深層水とフカヒレとからなる組成物と該組成物を使用した食品用栄養補助材、化粧品および栄養補助食品
JP2012070647A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Takeshi Saito 食品の不快臭マスキング剤、及びマスキング方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5277873U (ja) * 1975-12-09 1977-06-10
JP2000166498A (ja) * 1998-12-09 2000-06-20 House Foods Corp 焙煎ガーリックペーストの製造方法
WO2006067906A1 (ja) * 2004-12-24 2006-06-29 Yugen Kaisha Konno International 蓮からの抽出エキスを含有してなる組成物
JP2006345824A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Schnee Weisse:Kk 海洋深層水とフカヒレとからなる組成物と該組成物を使用した食品用栄養補助材、化粧品および栄養補助食品
JP2012070647A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Takeshi Saito 食品の不快臭マスキング剤、及びマスキング方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018183109A (ja) * 2017-04-27 2018-11-22 株式会社てまひま堂 にんにく卵黄の製造方法とこの方法により製造されたにんにく卵黄
JP2019030278A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 株式会社てまひま堂 乾燥にんにく粉末の製造方法とこの方法により製造された乾燥にんにく粉末
JP2019201559A (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 株式会社食工房のだ屋 ニンニク由来加工物の製造方法及びニンニク由来加工物
JP7113404B2 (ja) 2018-05-21 2022-08-05 株式会社食工房のだ屋 ニンニク由来加工物の製造方法
JP2020129993A (ja) * 2019-02-14 2020-08-31 株式会社アセラ 風味改良剤
KR102720595B1 (ko) * 2024-03-18 2024-10-24 주식회사 금수푸드테크 마늘을 활용한 식물성 크레아틴 성분 추출 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2454950B1 (en) Onion extract, and process for production thereof
JP5817094B2 (ja) トマト加工品及びその製造方法
JP7142836B2 (ja) 具材入り液状調味料
WO2013103031A1 (ja) 塩味増強剤
JP2012095596A (ja) 醤油様調味料
KR100883639B1 (ko) 닭두루치기 또는 닭도리탕용 양념장의 제조방법 및 이것을이용한 닭두루치기의 조리방법
KR101026732B1 (ko) 오미자소스의 제조방법 및 이를 통해 제조된 오미자소스
JP2014212750A (ja) にんにく含有調味料
JP6945282B2 (ja) 不快臭の消臭方法、並びに、加工食品の製造方法
JP6435097B2 (ja) トマト含有調味料
JP6068068B2 (ja) 液体調味料
JP2011229524A (ja) 塩味増強剤およびこれを含む昆布エキス
JP5989301B2 (ja) 調味料
JP5101727B2 (ja) 醤油様調味料
KR101068882B1 (ko) 자색고구마김치의 제조방법
KR102133648B1 (ko) 오미자 추출물을 함유하는 양념육 제조 방법
JP2002186455A (ja) 食品、飲料又は調味料
KR102462072B1 (ko) 돼지갈비용 소스 조성물 및 이의 제조방법
JP3761047B2 (ja) 調味料
KR102391528B1 (ko) 명란이 함유된 마요네즈 드레싱 소스 제조방법
JP6230043B2 (ja) チキンエキス含有スープ
JP7088482B2 (ja) 具材入り乳化液状調味料
JP6822403B2 (ja) フレーバー組成物
JP6091250B2 (ja) 香辛調味液の製造方法および香辛調味ペーストの製造方法
JP7238455B2 (ja) 食品、香味料および食品の製造方法、ならびに食品に香味を付与する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171107