JP5293230B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
特許文献1,2等に記載の従来の燃料噴射弁は、噴射孔へ通じる高圧通路を開閉するニードルと、ニードルに高圧燃料圧力を背圧として付与させる背圧室と、背圧室の流出口を開閉する制御弁と、制御弁を開弁作動させるアクチュエータとしてのステータ及びアーマチャと、を備えて構成されている。そして、ステータの電磁コイルへ通電すると、アーマチャは制御弁を開弁させる向きに作動し、背圧室の圧力低下に伴いニードルは開弁作動する。一方、通電を停止させると、アーマチャは制御弁を閉弁させる向きに作動し、背圧室の圧力上昇に伴いニードルは閉弁作動する。
また、図9に示すように従来のアーマチャ64xは、ステータ63に対向配置されてステータ63とともに磁気回路を形成する円板形状の円板部641x、ボール弁65(制御弁)と当接する当接部642x、及び円板部641xと当接部642xを連結するシャフト部644xを有して構成されている。このシャフト部は、磁気吸引力によりアーマチャ64xが図9の上下方向に作動する際にアーマチャ64xが傾かないようにガイドするためのものであり、アーマチャ64xは、シャフト部644xにおいてガイド部材80と摺動するよう構成されている。
そして、アーマチャ64xの傾きを十分に小さくするために、ガイド部材80の内周面80aとシャフト部644xとの摺動クリアランスはできるだけ小さくすることが望まれている。
特開2007−64364号公報 特開2006−257874号公報
しかしながら、摺動クリアランスのような狭小部位には、デポジット(堆積物)が溜まりやすい。デポジットの具体例としては、燃料中に混入していた異物や、燃料の成分が化学変化して生成された生成物等が挙げられるが、特に粗悪燃料を用いた場合にはデポジットの摺動クリアランスへの堆積が著しくなり、その堆積が進行すると、通電させてもアーマチャ64xが作動できなくなる事態も生じうる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、デポジットによりアーマチャが作動不可となる事態を回避できる燃料噴射弁を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明では、電磁コイルを有するステータと、前記電磁コイルへの通電に伴い前記ステータとともに磁気回路を形成して磁気吸引力を受けるアーマチャと、前記磁気吸引力に抗して前記アーマチャに弾性力を付勢するコイルばねと、燃料通路を開閉する制御弁とを備え、前記アーマチャが磁気吸引力で作動することに伴い前記制御弁が開弁作動して燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁に適用されたものである。そして、前記アーマチャに、前記コイルばねの端部が嵌め込まれる嵌合部を形成し、前記嵌合部により、前記アーマチャの作動方向に対して垂直な方向に前記アーマチャを係止させたことを特徴とする。
これによれば、磁気吸引力に抗して弾性力をアーマチャに付勢するコイルばねを利用して、コイルばねの端部を嵌合部に嵌め込むことによりアーマチャの作動方向に対して垂直な方向にアーマチャを係止させるので、従来のシャフト部644xを廃止しつつアーマチャの傾きを抑制できる。そして、従来のシャフト部644xでアーマチャの傾きを抑制する構造では狭小部位としての摺動クリアランスを要するのに対し、本発明の如くコイルばねを嵌合部に嵌め込む構造では摺動クリアランスを不要にできるため、「摺動クリアランスにデポジットが溜まることによりアーマチャが作動不可となる」といった事態を回避できる。
第2の発明では、前記嵌合部は、前記アーマチャの端面に形成された溝部であり、前記溝部は、前記コイルばねの端面と当接して前記弾性力を受ける当接面、及び前記コイルばねの外周面に対向する対向面を有しており、前記対向面により前記アーマチャを係止させることを特徴とする。また、第3の発明では、前記嵌合部は、前記アーマチャの端面に形成された突部であり、前記突部は、前記コイルばねの内周面に対向する対向面を有しており、前記対向面により前記アーマチャを係止させることを特徴とする。
これらのように、アーマチャの端面に溝部や突部を形成して嵌合部とした構成によれば、「アーマチャの作動方向に対して垂直な方向に前記アーマチャを係止させる」といった第1の発明の構成を、簡素な構造で容易に実現できる。
第4の発明では、前記アーマチャの所定部位に対向して配置された規制部材を備え、前記アーマチャが前記コイルばねを曲げ変形させながら傾くことを、前記規制部材が前記所定部位に当接することで規制するよう構成されていることを特徴とする。
これによれば、コイルばねが嵌め込まれた状態のアーマチャがコイルばねを曲げ変形させながら傾くにあたり、その傾き量を所定範囲内に規制することができるので、コイルばねが損傷する等の不具合を解消できる。
第5の発明では、前記アーマチャは、前記ステータに対向配置されて前記磁気回路を形成する円板形状の円板部、及び前記制御弁と当接する当接部を有しており、前記所定部位を、前記円板部の外周面としたことを特徴とする。
これによれば、「アーマチャがコイルばねを曲げ変形させながら傾くことを、アーマチャの所定部位に規制部材が当接することで規制する」といった上記第4の発明の構成を、簡素な構造で容易に実現できる。しかも、円板部の外周面はアーマチャのうち最も径の大きい部位であるため、アーマチャの傾き量を所定範囲内に規制しつつも、円板部の外周面と規制部材との間のクリアランスをデポジットが溜まらない程度に十分に大きくすることができる。
第6の発明では、前記アーマチャは、前記ステータに対向配置されて前記磁気回路を形成する円板形状の円板部、及び前記制御弁と当接する当接部を有しており、前記円板部のうち前記当接部よりも径方向外側の部分には、前記アーマチャの軸方向に延びる挿入孔が形成され、前記挿入孔には、前記規制部材としてピンが挿入配置されており、前記所定部位を、前記挿入孔の内面としたことを特徴とする。また、第7の発明では、前記アーマチャは、前記ステータに対向配置されて前記磁気回路を形成する円板形状の円板部、及び前記制御弁と当接する当接部を有しており、前記当接部は、前記制御弁を内部に収容する円筒形状に形成されており、前記所定部位を、前記当接部の円筒外周面としたことを特徴とする。
これらの発明によれば、「アーマチャがコイルばねを曲げ変形させながら傾くことを、アーマチャの所定部位に規制部材が当接することで規制する」といった上記第4の発明の構成を、簡素な構造で容易に実現できる。また、上記第6の発明によれば、円板部のうち当接部よりも径方向外側に位置する挿入孔で傾きを規制するので、第7の発明の如く当接部の円筒外周面で傾きを規制する場合に比べて、アーマチャのうち径の大きい部位で規制することとなる。そのため、第6の発明によれば、第7の発明に比べて、アーマチャの傾き量を所定範囲内に規制しつつ、挿入孔(所定部位)とピン(規制部材)との間のクリアランスを大きくできる。よって、アーマチャの所定部位と規制部材との間が狭小部位となってデポジットが溜まってしまうとの懸念を解消できる。
ここで、一般的なコイルばねは、コイルばねの軸心方向両端に位置する座巻部と、中央に位置する有効巻部とを有して構成される(JIS B 0103 317等参照)。仮に、座巻部とともに有効巻部の一部をも嵌合部に嵌め込む構成にした場合には、軸心方向に弾性変形する有効巻部が嵌合部に引っ掛かることが懸念され、その結果、コイルばねが所望の弾性力を発揮しなくなる不具合や、コイルばねが損傷することが懸念される。
この懸念に対し第8の発明では、前記コイルばねのうち前記嵌合部に嵌め込まれる部分を、見かけ上のばねとして作用しない前記コイルばねの座巻部としたことを特徴とするので、有効巻部が嵌合部に嵌め込まれないようにすることで上記懸念を解消できる。
第9の発明では、外部から供給された高圧燃料を噴射孔へ導く高圧通路を形成するとともに、前記ステータ及び前記アーマチャから構成される電磁ユニットを内部に収容するボディを備え、前記ボディの軸方向に対して垂直な方向に、前記電磁ユニットと前記高圧通路とが並ぶようレイアウトされている燃料噴射弁(以下、「ペンシル型インジェクタ」と記載)に、上記各発明を適用したものである。
なお、上記特許文献1記載の如く、電磁ユニットを高圧通路の反噴射孔側に軸方向に並べて配置(直列配置)する燃料噴射弁(以下、「一般型インジェクタ」と記載)に、上記各発明を適用するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる燃料噴射弁の全体断面図。 図1に示す電磁ユニット及びオリフィスプレートの断面図。 図2の拡大図。 本発明の第2実施形態にかかる電磁ユニット及びオリフィスプレートの断面図。 図4のA−A断面図。 本発明の第3実施形態にかかる電磁ユニット及びオリフィスプレートの断面図。 図6のB−B断面図。 本発明の第4実施形態にかかる電磁ユニット及びオリフィスプレートの断面図。 従来の燃料噴射弁の構造を示す断面図。
以下、本発明にかかる燃料噴射弁を、車両に搭載されたディーゼルエンジン(内燃機関)のコモンレール式燃料噴射システムに適用した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1は燃料噴射弁10の全体断面図、図2は燃料噴射弁10に用いられる電磁ユニット60及び後述するオリフィスプレート50の断面図、図3は図2の拡大図である。燃料噴射弁10は、エンジンのシリンダヘッド(図示せず)に挿入搭載され、コモンレールから供給される燃料をエンジンの各気筒内へ直接噴射するものである。
先ず、図1を用いて燃料噴射弁10の全体構造を説明する。燃料噴射弁10は、ノズルボディ20、ニードル30、ホルダボディ40(「ボディ」に相当)、オリフィスプレート50、及び電磁ユニット60等より構成される。
ノズルボディ20は、オリフィスプレート50を介してホルダボディ40の図示下側(噴射孔側)に、リテーニングナット11により固定されている。ノズルボディ20には、ニードル30を摺動自在に収容するガイド孔21と、ニードル30のリフト時に燃料を噴射する噴射孔22等が形成されている。
ガイド孔21は、ノズルボディ20の上端面からノズルボディ20の先端部に向かって穿設され、ガイド孔21内周面とニードル30外周面との隙間により、噴射孔22へ高圧燃料を導く高圧通路23が形成されている。また、ガイド孔21の途中には、内径が拡大する燃料溜室24が形成されている。高圧通路23(ガイド孔21)は、上流端がノズルボディ20の上端面に開口して、オリフィスプレート50に形成される高圧通路51に接続されている。
ノズルボディ20内周面のうち高圧通路23の先端部分には円錐状のシート面が形成され、ニードル30の先端部には前記シート面に着座する着座面が形成されている。この着座面がシート面に着座することにより、噴射孔22へ通じる高圧通路23をニードル30が閉塞遮断することとなる。
ガイド孔21には円筒形状のスプリング台座25が圧入固定されており、スプリング台座25の下端面とニードル30の上端面との間には、ニードル30を閉弁方向(図1の下方向)に押圧するスプリング26(弾性部材)が配置されている。スプリング台座25の内周面には、ニードルの上端面に高圧燃料圧力を背圧として付与させる背圧室27が形成されている。この背圧によりニードル30は閉弁方向(図1の下方向)に付勢される。また、燃料溜室24の高圧燃料の圧力は、ニードル30を開弁方向(図1の上方向)に付勢する。
ホルダボディ40のうち上端部分(反噴射孔側部分)には配管継手41が設けられ、この配管継手41に接続される燃料配管(図示せず)を介してコモンレールより高圧燃料が供給される。配管継手41の内部通路には、燃料を濾過するバーフィルタ(図示せず)が配設されている。ホルダボディ40の内部には、配管継手41に導入された高圧燃料を、オリフィスプレート50の高圧通路51を介してノズルボディ20の高圧通路23へ導く高圧通路42と、電磁ユニット60を挿入配置するための収容孔43等が形成されている。これら高圧通路42及び収容孔43は、燃料噴射弁10の軸方向(図1の上下方向)に延びる形状である。本明細書で言う「軸方向」とは、燃料噴射弁10の長手方向のことであり、シリンダヘッドに挿入搭載される燃料噴射弁10の挿入方向のことでもある。
図2に示す様に、オリフィスプレート50には、高圧通路51から背圧室27へ高圧燃料を流入させる流入通路52と、背圧室27から低圧側へ流出させる流出通路53とが形成されている。また、流入通路52には入口オリフィス52aが形成され、流出通路53には出口オリフィス53a(「燃料通路」に相当)が形成されている。
電磁ユニット60は、樹脂製ボビン61に巻き回された電磁コイル62を有するステータ63と、このステータ63に対向して可動するアーマチャ64と、アーマチャ64と一体に可動して出口オリフィス53aを開閉するボール弁65(制御弁)等を備えて構成されている。ホルダボディ40の反噴射孔側の上部には、樹脂製のコネクタハウジング70(図1参照)が取り付けられ、このコネクタハウジング70に設けられたターミナル71(図1参照)と電磁コイル62とがリード線72により電気的に接続されている。
ステータ63及びアーマチャ64は鉄等の強磁性体によって形成され、電磁コイル62へ通電すると、電磁コイル62の周りにはステータ63及びアーマチャ64により磁気回路が形成される。すると、アーマチャ64は発生磁束によって磁化されて、磁気吸引力によりステータ63へ吸引されて可動する。また、ステータ63の中心部分には、軸方向(図2の上下方向)に延びるスプリング収容孔63aが形成されており、スプリング収容孔63aに収容されたコイルばね66は、ボール弁65を閉弁する方向(図2の下方向)にアーマチャ64に弾性力を付勢する。
ホルダボディ40の収容孔43のうちステータ63の下方に位置する部分は、ボール弁65を収容する弁室43aとして機能しており、この弁室43aには、アーマチャ64がボール弁65とともに収容されている。なお、弁室43a内は、出口オリフィス53aから流出した低圧燃料で満たされている。
オリフィスプレート50の上端面には、円環形状の溝54、及び溝54から径方向外側に延びる溝55が形成されており、弁室43a内の燃料は、溝54,55を介して、ホルダボディ40に形成された低圧通路44と通じている。低圧通路44は、高圧通路42と平行して軸方向に延びるよう形成されている。収容孔43の内周面とステータ63の外周面との隙間43bには、弁室43a内の低圧燃料がリークするが、このリークした燃料は、ホルダボディ40に形成された図示しない通路を介して低圧通路44へと流れる。
弁室43aには円筒形状のスペーサ67(規制部材)が配置されている。このスペーサ67は、オリフィスプレート50の上端面とステータ63の下端面とに当接しており、アーマチャ64上端面とステータ63下端面との間に非通電時におけるエアギャップを形成する。電磁ユニット60の上端面は、図1に示すスプリング68(例えば皿バネ)によりオリフィスプレート50側へ押し付けられている。つまり、このスプリング68の弾性力により、オリフィスプレート50とステータ63との間にスペーサ67が挟持されていると言える。
スペーサ67の上端部には、隙間43bと弁室43aとを連通させるための溝67aが周方向に複数形成されている。つまり、弁室43a内の低圧燃料は、オリフィスプレート50の溝54,55を通じて低圧通路44へ流れる経路と、スペーサ67の溝67a及び隙間43bを通じて低圧通路44へ流れる経路との両経路により排出される。なお、これら両経路のいずれかを廃止するよう構成してもよい。
ホルダボディ40に対する電磁ユニット60の配置レイアウトに関し、本実施形態では、ホルダボディ40の軸方向に対して垂直な方向(図1の左右方向)に電磁ユニット60と高圧通路42とが並ぶようレイアウトされており、本実施形態にかかる燃料噴射弁10は、いわゆるペンシル型インジェクタである。
次に、本実施形態の要部であるアーマチャ64の構造について説明する。
アーマチャ64は、以下に説明する円板部641、当接部642及び台座部643を備えて構成されている。円板部641は、ステータ63に対向配置されて前記磁気回路を形成する円板形状の高磁性材(例えば珪素鋼)によって形成されている。円板部641の径方向中央部には挿入孔641aが形成されると共に、挿入孔641aの径方向外側には貫通孔641bが形成されている。貫通孔641bは、アーマチャ64が可動する際に弁室43a内の燃料を通過させることで、弁室43a内の燃料に対するアーマチャ64の可動抵抗軽減を図るためのものである。更に、円板部641の外周面641c(所定部位)のうちオリフィスプレート50側の角部には、例えば45度の面取り641dが全周に施されている。
台座部643は、挿入孔641aに圧入された円柱形状である。また、台座部643は当接部642と一体に形成されており、円板部641にはステータ63との衝突に耐え得る硬い材質が採用されている一方で、当接部642及び台座部643には円板部641に比べて対衝撃性の低い材質が採用されている。但し、これら、円板部641、当接部642及び台座部643を同一材質で一体に形成するようにしてもよい。
図3はアーマチャ64及びコイルばね66の詳細を示す図2の拡大図である。この図3に示すように、台座部643のうちステータ側の軸方向端面には溝部643a(嵌合部)が形成されている。溝部643aは、円板部641の軸方向上側の端面よりも反ステータ側に凹む形状、かつ、上面視において円形の形状であり、溝部643aにはコイルばね66の下端部が嵌め込まれている。
具体的には、溝部643aの底面643bにコイルばね66の下端面が当接しており、溝部643aの内周面643c(対向面)にコイルばね66の外周面が密着している。つまり、コイルばね66の下端部とアーマチャ64とは連結していると言える。
なお、溝部643aの内周面643cとコイルばね66の外周面との密着状態に関し、溝部643aの内周面643cとコイルばね66の外周面との間に僅かな隙間を有した状態としてもよい。但しこの隙間は、後述するクリアランスCL1よりも小さく設定することを要する。
ここで、コイルばね66は、コイルばね66の軸心方向(図3の上下方向)の両端の領域を形成する座巻部66aと、中央の領域を形成する有効巻部66bとを有して構成される。有効巻部66bは軸方向に弾性力を発揮する部位である。座巻部66aは、有効巻部66bに比べて殆ど弾性変形せず、見かけ上のばねとして作用しない部位であり、例えばコイルばね66の端面からコイル線材1.5巻分の部位である。そして、コイルばね66のうち座巻部66aの領域を溝部643aに嵌め込ませ、有効巻部66bの領域が溝部643aに嵌め込まれることのないよう構成されている。
スプリング収容孔63aの底面には、コイルばね66の上端面と当接する当接部材69が挿入配置されている。コイルばね66は、溝部643aの底面643bと当接部材69と間において、圧縮方向に弾性変形した状態で挟持されている。つまり、コイルばね66の弾性力を受ける部位として溝部643aの底面643bは機能する。一方、アーマチャ64の作動方向に対して垂直な方向(図3の左右方向)へコイルばね66の外周面により係止される部位として、溝部643aの内周面643cは機能する。
当接部642は、台座部643からボール弁65に向けて突出する略円筒形状であり、円筒形状内部にはボール弁65が密着した状態で収容保持されている。より詳細に説明すると、円筒形状の底面642aは、テーパ状の円錐形状に形成されてボール弁65と当接する当接面として機能する。また、当接部642は、円筒形状内部にボール弁65を収容することで、ボール弁65がアーマチャ64に対して径方向に動くことを規制している。
円板部641の外径は、当接部642の外径よりも大きく設定されている。また、当接部642は、円板部641に対してボール弁65の側に突出する形状であるが、その突出長さLは円板部641の外径より短くなるよう(例えば円板部641の外径の半分以下となるよう)設定されている。
ここで、スペーサ67の円筒内周面は、円板部641の外周面641cと対向するよう配置されるとともに、その外周面641cとの間には所定のクリアランスCL1が形成される。このクリアランスCL1は、コイルばね66の外周面とスプリング収容孔63aの内周面との間に形成されるクリアランスCL2よりも小さく設定されている。つまり、アーマチャ64に連結されたコイルばね66を曲げ変形させながらアーマチャ64が傾いた場合、円板部641の外周面641cとスペーサ67の円筒内周面とは当接し得るのに対し、コイルばね66の外周面とスプリング収容孔63aの内周面とは当接しないように構成されている。
なお、このように傾いた状態(アーマチャ64の軸方向中心線がステータ63の軸方向中心線に対して傾いた状態)でアーマチャ64を作動させると、円板部641の外周面641cがスペーサ67の内周面に摺動しながらガイドされることとなる。つまり、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制しながらアーマチャ64を作動させることとなる。このように摺動させることで、アーマチャ64の径方向位置が許容範囲を超えてずれることを回避させ、ひいてはボール弁65が出口オリフィス53aに対して径方向に大きく位置ずれしてしまうことを防止する。
なお、円板部641の外周面641cのうちスペーサ67と摺動してガイドする部分(つまり面取り641d以外の部分)と対向する位置に、スペーサ67の溝67aを配置させている。
また、ボール弁65のうち出口オリフィス53aと対向する部分には、軸方向に対して垂直に拡がる着座面65aが形成されている。一方、オリフィスプレート50の上端面のうち出口オリフィス53aの外周部分にはシート面50aが形成されている。そして、着座面65aがシート面60aに着座することで出口オリフィス53aは閉ざされ、着座面65aがシート面60aから離座することで出口オリフィス53aは開放される。
次に、燃料噴射弁10の作動を説明する。
電磁コイル62への通電が停止されている場合には、ボール弁65が出口オリフィス53aを閉弁しているので、ニードル30を閉弁方向へ付勢する力(背圧室27の燃圧による力+スプリング26の付勢力)がニードル30を開弁方向へ押し上げる力(燃料溜室24の燃圧による力)より大きくなる。その結果、ニードル30の着座面がシート面に着座して、高圧通路23と噴射孔22との間を遮断することにより、燃料は噴射されない。
電磁コイル62に通電されている場合には、磁化されたステータ63にアーマチャ64が吸引され、コイルばね66の付勢力に抗してステータ63側へアーマチャ64が移動することにより、ボール弁65が背圧室27の燃圧を受けて出口オリフィス53aを開弁する。そのため、背圧室27の高圧燃料が出口オリフィス53aを通じて低圧側(弁室43a)に開放される。背圧室27に対する出口オリフィス53aからの流出量は入口オリフィス52aからの流入量より多くなるよう両オリフィス53a,52aは設定されているので、上述の如くボール弁65が開弁作動すると背圧室27の燃圧が低下する。その結果、ニードル30を閉弁方向に付勢する力より、ニードル30を開弁方向へ押し上げる力の方が上回った時点でニードル30がリフト作動する。そのため、コモンレールより燃料噴射弁10に供給された高圧燃料は、高圧通路42,51,23を通じて噴射孔22より噴射される。
なお、ボール弁65の開弁に伴い弁室43aへ開放された低圧燃料は、オリフィスプレート50の溝54,55を通じて低圧通路44へ流れるとともに、スペーサ67の溝67a及び隙間43bを通じて低圧通路44へ流れる。そして、低圧通路44から燃料噴射弁10の外部に流出し、図示しない燃料タンクへ戻される。
その後、電磁コイル62への通電が停止されると、アーマチャ64がコイルばね66に押し戻されて、ボール弁65が出口オリフィス53aを閉じることにより、再び背圧室27の燃圧が上昇する。その結果、ニードル30を閉弁方向に付勢する力が、ニードル30を開弁方向へ押し上げる力を上回った時点でニードル30が押し戻され、ニードル30の着座面がシート面に着座して高圧通路23と噴射孔22との間の通路が遮断されることにより、噴射が終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、アーマチャ64を押し付けるコイルばね66を利用して、コイルばね66の下端部を溝部643aに嵌め込んでアーマチャ64に連結させている。そのため、溝部643aの内周面643cは、アーマチャ64の作動方向に対して垂直な方向へコイルばね66の外周面により係止されることとなる。よって、従来のシャフト部644xを廃止しつつアーマチャ64が傾くことを抑制できる。そして、図9の従来構造では、シャフト部644xとガイド部材80との間に狭小部位としての摺動クリアランスを要するのに対し、本実施形態の如くコイルばね66を溝部643aに嵌め込む構造では、前記摺動クリアランスを不要にできるため、「摺動クリアランスにデポジットが溜まることによりアーマチャが作動不可となる」といった事態を回避できる。
(2)アーマチャ64に連結されたコイルばね66を曲げ変形させながらアーマチャ64が瞬時的に傾いた場合であっても、アーマチャ64の円板部641の外周面641cがスペーサ67の円筒内周面と当接することで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制して、コイルばね66の外周面とスプリング収容孔63aの内周面とが当接することを回避させている。よって、アーマチャ64に傾きが生じた場合であっても、コイルばね66がスプリング収容孔63aに接触して損傷してしまうことを回避できる。
(3)コイルばね66を曲げ変形させながらアーマチャ64が傾いた場合には円板部641の外周面641cが当接するが、この外周面641cは、アーマチャ64のうち最も径の大きい部位であるため、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制しつつも、円板部641の外周面641cとスペーサ67の円筒内周面との間のクリアランスCL1を、デポジットが溜まらない程度に十分に大きくすることができる。
(4)本実施形態では、図9の従来構造で要するシャフト部644xを廃止できる。よって、アーマチャ64の構造を簡素にできるとともに、電磁ユニット60を軸方向に小型化できる。
(5)コイルばね66のうち座巻部66aの領域を溝部643aに嵌め込ませ、有効巻部66bの領域が溝部643aに嵌め込まれることのないよう構成しているので、軸心方向に弾性変形する有効巻部66bが溝部643aの内周面643cに引っ掛かること回避できる。よって、前記引っ掛かりによりコイルばね66が所望の弾性力を発揮しなくなる不具合や、コイルばね66が損傷するといった不具合を回避できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、アーマチャ64のうち円板部641の外周面641cをスペーサ67の円筒内周面と当接させることで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制させている。これに対し、図4及び図5に示す本実施形態では、アーマチャ64の円板部641に形成された貫通孔641b(挿入孔)にピン57(規制部材)を挿入し、円板部641の貫通孔641b内周面をピン57外周面と当接させることで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制させている。
図4及び図5を用いてより詳細に説明すると、オリフィスプレート50の上端面(アーマチャ64側の端面)のうち、アーマチャ64の貫通孔641bに対向する位置には挿入孔56が形成されている。そして、軸方向に延びる円柱形状のピン57の一端は、挿入孔56に圧入して取り付けられ、ピン57の他端は、円板部641に形成された貫通孔641bに挿入されている。なお、先述した通り貫通孔641bは、挿入孔641aの径方向外側に位置している。また、図5に示す通り貫通孔641b及びピン57の断面形状は円形である。
貫通孔641bは円板部641の3箇所以上に形成されており、そのうちの2箇所にピン57が挿入されている。つまり、複数の貫通孔641bの2箇所をピン57に対する挿入孔として利用している。
ピン57の外周面と貫通孔641bの内周面との間には所定のクリアランスCL3(図5参照)が形成される。このクリアランスCL3は、コイルばね66とスプリング収容孔63aとのクリアランスCL2よりも小さく設定されている。つまり、アーマチャ64に連結されたコイルばね66を曲げ変形させながらアーマチャ64が傾いた場合、貫通孔641bの内周面とピン57の外周面とは当接し得るのに対し、コイルばね66の外周面とスプリング収容孔63aの内周面とは当接しないように構成されている。
なお、このように傾いた状態でアーマチャ64を作動させると、貫通孔641bの内周面がピン57の外周面に摺動しながらガイドされることとなる。つまり、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制しながらアーマチャ64を作動させることとなる。このように摺動させることで、アーマチャ64の径方向位置が許容範囲を超えてずれることを回避させ、ひいてはボール弁65が出口オリフィス53aに対して径方向に大きく位置ずれしてしまうことを防止する。
なお、ピン57と貫通孔641bとのクリアランスCL3は、円板部641の外周面641cとスペーサ67とのクリアランスCL1よりも狭くなるよう設定されている。そのため本実施形態では、円板部641の外周面641cとスペーサ67の内周面とは接触しない。また、アーマチャ64が可動する際の弁室43a内の燃料は、挿入孔として利用されている貫通孔641bも含め、全ての貫通孔641bを通過することとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態による上記効果(1)(4)(5)に加え、以下の効果が得られるようになる。
(6)アーマチャ64に連結されたコイルばね66を曲げ変形させながらアーマチャ64が瞬時的に傾いた場合であっても、アーマチャ64の円板部641の貫通孔641bがピン57と当接することで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制して、コイルばね66の外周面とスプリング収容孔63aの内周面とが当接することを回避させている。よって、アーマチャ64に傾きが生じた場合であっても、コイルばね66がスプリング収容孔63aに接触して損傷してしまうことを回避できる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、アーマチャ64のうち円板部641の外周面641cをスペーサ67の円筒内周面と当接させることで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制させている。これに対し、図6及び図7に示す本実施形態では、アーマチャ64のうち当接部642の外周面642b(所定部位)を規制プレート58(規制部材)と当接させることで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制させている。
図6及び図7を用いてより詳細に説明すると、オリフィスプレート50の上端面(アーマチャ64側の端面)には、円板形状の規制プレート58が配置されている。なお、スペーサ67は規制プレート58とステータ63との間に挟持される。規制プレート58の径方向中央部には、軸方向に貫通する貫通孔58aが形成されており、貫通孔58aの内周面は当接部642の外周面642bと対向する。
なお、オリフィスプレート50の上端面(アーマチャ64側の端面)には挿入孔56が形成されており、ノックピン59の一端は挿入孔56に圧入して取り付けられ、ノックピン59の他端は、規制プレート58に形成された挿入孔58bに遊嵌又は圧入されている。そのため、規制プレート58は径方向に移動しないようノックピン59により位置決めされる。本実施形態では複数のノックピン59で規制プレート58を位置決めしている。なお、図7に示す通り貫通孔58aの内周面及び当接部642の外周面の形状は円形である。
貫通孔58aの内周面と当接部642の外周面642bとの間には所定のクリアランスCL4(図7参照)が形成される。このクリアランスCL4は、コイルばね66とスプリング収容孔63aとのクリアランスCL2よりも小さく設定されている。つまり、アーマチャ64に連結されたコイルばね66を曲げ変形させながらアーマチャ64が傾いた場合、貫通孔58aの内周面と当接部642の外周面642bとは当接し得るのに対し、コイルばね66の外周面とスプリング収容孔63aの内周面とは当接しないように構成されている。
なお、このように傾いた状態でアーマチャ64を作動させると、当接部642の外周面642bが貫通孔58aの内周面に摺動しながらガイドされることとなる。つまり、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制しながらアーマチャ64を作動させることとなる。このように摺動させることで、アーマチャ64の径方向位置が許容範囲を超えてずれることを回避させ、ひいてはボール弁65が出口オリフィス53aに対して径方向に大きく位置ずれしてしまうことを防止する。
なお、貫通孔58aの内周面と当接部642の外周面642bとのクリアランスCL4は、円板部641の外周面641cとスペーサ67とのクリアランスCL1よりも狭くなるよう設定されている。そのため本実施形態では、円板部641の外周面641cとスペーサ67の内周面とは接触しない。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態による上記効果(1)(4)(5)に加え、以下の効果が得られるようになる。
(7)アーマチャ64に連結されたコイルばね66を曲げ変形させながらアーマチャ64が瞬時的に傾いた場合であっても、アーマチャ64の当接部642の外周面642bが規制プレート58の貫通孔58a内周面と当接することで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制して、コイルばね66の外周面とスプリング収容孔63aの内周面とが当接することを回避させている。よって、アーマチャ64に傾きが生じた場合であっても、コイルばね66がスプリング収容孔63aに接触して損傷してしまうことを回避できる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、アーマチャ64に溝部643aを形成し、この溝部643aにコイルばね66の下端部を嵌め込むことでアーマチャ64の傾きを抑制させるのに対し、図8に示す本実施形態では、アーマチャ64に突部643d(嵌合部)を形成し、この突部643dにコイルばね66の下端部を嵌め込むことでアーマチャ64の傾きを抑制させる。
図8を用いてより詳細に説明すると、台座部643のうちステータ側の軸方向端面には突部643d(嵌合部)が形成されている。突部643dは、円板部641の軸方向上側の端面からステータ側に突出する形状、かつ、上面視において円形の形状であり、突部643dにはコイルばね66の下端部が嵌め込まれている。
具体的には、台座部643の上端面のうち突部643dの周囲部分643eにコイルばね66の下端面が当接しており、突部643dの外周面643f(対向面)にコイルばね66の内周面が密着している。つまり、コイルばね66の下端部とアーマチャ64とは連結していると言える。
なお、突部643dの外周面643fとコイルばね66の内周面との密着状態に関し、突部643dの外周面643fとコイルばね66の内周面との間に僅かな隙間を有した状態としてもよい。但しこの隙間は、先述したクリアランスCL1よりも小さく設定することを要する。
また、コイルばね66のうち座巻部66aの領域を突部643dに嵌め込ませ、有効巻部66bの領域が突部643dに嵌め込まれることのないよう構成されている。
コイルばね66は、台座部643の突部周囲部分643eと当接部材69と間において、圧縮方向に弾性変形した状態で挟持されており、コイルばね66の弾性力を受ける部位として突部周囲部分643eは機能する。一方、アーマチャ64の作動方向に対して垂直な方向(図8の左右方向)へコイルばね66の内周面により係止される部位として、突部643dの外周面643fは機能する。
なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同様にして、アーマチャ64のうち円板部641の外周面641cをスペーサ67の円筒内周面と当接させることで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制させている。但し、上記第2実施形態と同様にして、円板部641の貫通孔641b内周面をピン57外周面と当接させることで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制させている。また、上記第3実施形態と同様にして、当接部642の外周面642bを規制プレート58と当接させることで、アーマチャ64の傾き量を所定範囲内に規制させてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態による上記効果(2)〜(5)に加え、以下の効果が得られるようになる。
(8)本実施形態では、アーマチャ64を押し付けるコイルばね66を利用して、コイルばね66の下端部を突部643dに嵌め込んでアーマチャ64に連結させている。そのため、突部643dの外周面643fは、アーマチャ64の作動方向に対して垂直な方向へコイルばね66の内周面により係止されることとなる。よって、従来のシャフト部644xを廃止しつつアーマチャ64が傾くことを抑制できる。そして、図9の従来構造では、シャフト部644xとガイド部材80との間に狭小部位としての摺動クリアランスを要するのに対し、本実施形態の如くコイルばね66を突部643dに嵌め込む構造では、前記摺動クリアランスを不要にできるため、「摺動クリアランスにデポジットが溜まることによりアーマチャが作動不可となる」といった事態を回避できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、円板部641の外周面641cのうちスペーサ67と当接してアーマチャ64の傾きを規制する領域(つまり面取り641d以外の部分)と対向する位置にスペーサ67の溝67aを配置させているが、前記傾き規制領域以外の領域、つまり外周面641cのうち前記傾き規制領域よりもオリフィスプレート50側の位置に、スペーサ67の溝67aを配置させてもよい。
・上記第1実施形態では、スペーサ67を規制部材として機能させているが、スペーサ67以外の部材を規制部材としてもよい。例えば、ホルダボディ40のうち弁室43aを構成する部分の内周面に、円板部641の外周面641cと対向する部位を形成し、その対向部位に対して円板部641の外周面641cを当接させることで、ホルダボディ40を規制部材として機能させるようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、円板部641の角部に面取り641dを施しているが、この面取り641dを廃止してもよい。
・上記第2実施形態では、円板部641に形成された貫通孔641bでピン57と当接させているが、円板部641の外周面641cに軸方向に延びる溝を形成し、この溝にピン57を当接させることで、前記溝でアーマチャ64の傾きを規制させるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、電磁ユニット60を高圧通路42と並ぶよう並列配置したペンシル型インジェクタを採用しているが、上記第1及び第2実施形態においては、電磁ユニット60をホルダボディ40の上部に搭載して、高圧通路42の反噴射孔側に電磁ユニット60を位置させる一般型インジェクタを採用してもよい。
・上記各実施形態では、当接部642が円板部641に対してボール弁65の側に突出する形状しているが、上記第1及び第2実施形態においては、円板部641の内部に当接部を形成して当接部が突出しない形状であってもよい。具体的には、円板部641の板厚寸法をボール弁65の直径よりも大きく形成し、円板部641のオリフィスプレート50側の面のうちその径方向中央部に、ボール弁65を収容する穴が形成された形状としてもよい。
10…燃料噴射弁、40…ホルダボディ(ボディ)、42…高圧通路、53a…出口オリフィス(燃料通路)、57…ピン(規制部材)、58…規制プレート(規制部材)、60…電磁ユニット、62…電磁コイル、63…ステータ、64…アーマチャ、65…ボール弁(制御弁)、66…コイルばね、66a…座巻部、67…スペーサ(規制部材)、641…円板部、641b…貫通孔(挿入孔(所定部位))、641c…円板部の外周面(所定部位)、642…当接部(所定部位)、643a…溝部(嵌合部)、643c…溝部が有する対向面、643d…突部(嵌合部)、643f…突部が有する対向面。

Claims (6)

  1. 電磁コイルを有するステータと、前記電磁コイルへの通電に伴い前記ステータとともに磁気回路を形成して磁気吸引力を受けるアーマチャと、前記磁気吸引力に抗して前記アーマチャに弾性力を付勢するコイルばねと、燃料通路を開閉する制御弁とを備え、
    前記アーマチャが磁気吸引力で作動することに伴い前記制御弁が開弁作動して燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁において、
    前記アーマチャに、前記コイルばねの端部が嵌め込まれる嵌合部を形成し、
    前記嵌合部により、前記アーマチャの作動方向に対して垂直な方向に前記アーマチャを係止させ
    前記アーマチャの所定部位に対向して配置された規制部材を備え、
    前記アーマチャが前記コイルばねを曲げ変形させながら傾くことを、前記規制部材が前記所定部位に当接することで規制するよう構成されており、
    前記アーマチャは、前記ステータに対向配置されて前記磁気回路を形成する円板形状の円板部、及び前記制御弁と当接する当接部を有しており、
    前記円板部のうち前記当接部よりも径方向外側の部分には、前記アーマチャの軸方向に延びる挿入孔が形成され、
    前記挿入孔には、前記規制部材としてピンが挿入配置されており、
    前記所定部位を、前記挿入孔の内面としたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 電磁コイルを有するステータと、前記電磁コイルへの通電に伴い前記ステータとともに磁気回路を形成して磁気吸引力を受けるアーマチャと、前記磁気吸引力に抗して前記アーマチャに弾性力を付勢するコイルばねと、燃料通路を開閉する制御弁とを備え、
    前記アーマチャが磁気吸引力で作動することに伴い前記制御弁が開弁作動して燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁において、
    前記アーマチャに、前記コイルばねの端部が嵌め込まれる嵌合部を形成し、
    前記嵌合部により、前記アーマチャの作動方向に対して垂直な方向に前記アーマチャを係止させ、
    前記アーマチャの所定部位に対向して配置された規制部材を備え、
    前記アーマチャが前記コイルばねを曲げ変形させながら傾くことを、前記規制部材が前記所定部位に当接することで規制するよう構成されており、
    前記アーマチャは、前記ステータに対向配置されて前記磁気回路を形成する円板形状の円板部、及び前記制御弁と当接する当接部を有しており、
    前記当接部は、前記制御弁を内部に収容する円筒形状に形成されており、
    前記所定部位を、前記当接部の円筒外周面としたことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 前記嵌合部は、前記アーマチャの端面に形成された溝部であり、
    前記溝部は、前記コイルばねの端面と当接して前記弾性力を受ける当接面、及び前記コイルばねの外周面に対向する対向面を有しており、
    前記対向面により前記アーマチャを係止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記嵌合部は、前記アーマチャの端面に形成された突部であり、
    前記突部は、前記コイルばねの内周面に対向する対向面を有しており、
    前記対向面により前記アーマチャを係止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記コイルばねのうち前記嵌合部に嵌め込まれて係止する部分を、見かけ上のばねとして作用しない前記コイルばねの座巻部としたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  6. 外部から供給された高圧燃料を噴射孔へ導く高圧通路を形成するとともに、前記ステータ及び前記アーマチャから構成される電磁ユニットを内部に収容するボディを備え、
    前記ボディの軸方向に対して垂直な方向に、前記電磁ユニットと前記高圧通路とが並ぶようレイアウトされていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
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