JP5316140B2 - 電磁弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁弁装置に関するものであり、特に内燃機関の燃焼室へ供給する燃料を調節する燃料噴射弁に用いて好適である。
従来の電磁弁装置として特許文献1に記載の装置が知られている。この従来の電磁弁装置は、燃料噴射弁に適用され、弁部が電気的に駆動されることによって燃料通路の一部である開口部が開閉されて燃料の噴射、停止の制御を行う。従来の電磁弁装置は、ソレノイドを有する電磁吸引部と、弁部を駆動するアーマチャとを備え、ソレノイドが励磁するとアーマチャが磁気吸引されることによって弁部が駆動されて開弁され、ソレノイドが消磁するとばねの付勢力で弁部が駆動されて閉弁されるようになっている。このアーマチャは、軸方向に突出する形状の軸部と、軸部の端部に軸部と一体に設けられる磁性材料からできている盤状部と、を備えた構成である。アーマチャは、電磁弁装置のハウジングに固定されるバルブボデー部材と一体に組み付けられる摺動案内部材に対して軸部が摺動することにより軸方向に往復変位する部材である。
次に、図4を参照しながらバルブボデー部材100と摺動案内部材200の構成について説明する。図4は、バルブボデー部材100と摺動案内部材200の関係を説明する図であり、図4(a)は、バルブボデー部材100がハウジングに締付けられる前の状態を示し、図4(b)は締付け後の組付け状態を示す模式的断面図である。
図4(a)に示すように、バルブボデー部材100は、中心を軸方向に貫通する貫通孔101と、貫通孔101の一方側の開口端周囲に軸方向に凹むように形成された凹所102と、外周部に形成された雄ねじ部103と、を備えた筒状部材である。バルブボデー部材100は、雄ねじ部103がハウジングに形成された雌ねじ部に螺合されることにより、ハウジングに対して固定される。さらに、貫通孔101の他方側には、半径方向外方にくぼんだ凹部104が形成されている。
摺動案内部材200は、アーマチャの軸部が挿入された状態で当該軸部を摺動可能に支持する筒状のスリーブ部201と、スリーブ部201の一端側で半径方向に放射状に延びる形状の平板部202と、を備え、アーマチャの軸方向の摺動を案内する部材である。さらに、スリーブ部201の他端側で凹部104に対応する位置には、半径方向外方に突出する凸部203が形成されている。
摺動案内部材200は、スリーブ部201がバルブボデー部材100の貫通孔101に挿入された状態で配置され、スリーブ部201の外周面と貫通孔101の内周面との間には所定の隙間(δ1)が形成されている。このようにスリーブ部201が貫通孔101に配置された状態では、バルブボデー部材100の凹所102には摺動案内部材200の平板部202が収容されるようになっている。このとき、凹所102の内周面と平板部202の外周面との間には、所定の隙間(δ2)が形成されている。また、バルブボデー部材100と摺動案内部材200は、両者の軸心が一致するように設けられている。バルブボデー部材100がハウジングに締付けられる前には、凸部203は貫通孔101に係止される状態にはない。
次に、バルブボデー部材100をハウジングに締め付けた後の組付け状態について図4(b)を参照して説明する。バルブボデー部材100はハウジングに締結されることによって図4(b)に示すように変形する場合がある。このような変形が生じると、バルブボデー部材100は凹所102の底面部分が下方に向けて撓み、貫通孔101の上部が半径方向外方に開くように撓むようになる。これにより、平板部202の下面と凹所102の底面部分との間に隙間が生じ、スリーブ部201の上部外周面と貫通孔101の内周面との間に隙間が生じ、貫通孔101と凹部104とで形成される段差部分に凸部203が係止されるようになる。したがって、摺動案内部材200は、下方に位置する凸部203においてバルブボデー部材100に固定され、バルブボデー部材100に対する位置が決定される。
特開2007−218425号公報
上記従来の電磁弁装置では図4を参照して前述したように、摺動案内部材200は、ハウジングに固定されるバルブボデー部材100に比較的外径寸法の小さいスリーブ部201を係止させることで固定されるため、組付け時にスリーブ部201がハウジングに対して傾き易い傾向にある。また、スリーブ部201の傾きは、バルブボデー部材100の変形の程度によっても、少なからず影響を受けると考えられる。
スリーブ部201がその軸心が傾いて設置されると、これに伴ってアーマチャも傾いた状態でスリーブ部201の内側を摺動するようになり、たとえば弁部の開閉弁性能が低下したり、弁部が着座する面に偏った磨耗が生じたりするという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内側をアーマチャが摺動する部分となるスリーブ部の傾きを抑制できる電磁弁装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の電磁弁装置の発明は以下の特徴を有する。電磁弁装置は、内周部に雌ねじ部が形成されたハウジングと、ハウジングの内部で軸方向に移動して流体が流れる流体通路を開閉する弁部と、軸方向一方に棒状に延びる形状でありその端部に弁部が設けられるシャフト部、および軸方向他方側でシャフト部と一体に設けられシャフト部よりも半径方向外方に延びる外形の鍔部を含むアーマチャと、軸方向に伸縮する部材であって鍔部に対して弁部側に付勢する力を作用させる付勢部材と、弁部側に付勢する付勢力とは逆向きの電磁駆動力を鍔部に作用させてアーマチャを軸方向に変位させる固定子と、軸方向に貫通する貫通孔が形成されるとともに外周部に雄ねじ部を有する部材であって雄ねじ部がハウジングの雌ねじ部に螺合されてハウジングに固定されるバルブボデー部材と、軸方向一方に筒状に延びる部分であってバルブボデー部材の貫通孔に挿入された状態で設置されるスリーブ部、およびスリーブ部の軸方向他方側から半径方向外方に突出する円盤状部を含んで構成され、スリーブ部に嵌められるシャフト部の軸方向の摺動を支持する摺動案内部材と、
を備える。
円盤状部は、外周部に形成された雄ねじ部を有し、摺動案内部材は、ハウジングの雌ねじ部に螺合される円盤状部の雄ねじ部によって、ハウジングに固定されていることを特徴とする。
この発明によれば、摺動案内部材は、円盤状部の外周部に形成された雄ねじ部とハウジングの内周部の雌ねじ部とが螺合することにより、ハウジングに対して位置決めされる。円盤状部の外周部はスリーブ部よりも外径寸法が大きいため、摺動案内部材を支持する基準点が摺動案内部材の中心軸から遠い位置に設けられることになる。このため、中心軸から遠い基準点で固定すれば、ねじ締め時に仮にわずかなずれが生じたとしても、スリーブ部で固定した場合のずれに対して、中心軸付近の傾き、ずれ等は非常に小さいものとなる。したがって、内側をアーマチャが摺動する部分となるスリーブ部の傾きを抑制し、弁部の開閉弁性能の低下や弁部の着座面の偏磨耗の防止が図れる電磁弁装置が得られる。また、摺動案内部材の円盤状部に雄ねじを形成することにより、ハウジングの雌ねじ部は、バルブボデー部材を固定するためと、摺動案内部材を固定するための両方に共用することができるため、部品点数の低減および組立て工数の低減においても有用である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、スリーブ部の外周面とバルブボデー部材の貫通孔の内周面との間には、所定の間隙が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、スリーブ部の外周側に形成された間隙が燃料を低圧側に逃がすリーク用燃料通路として機能させることができる。これにより、バルブボデー部材の締め付けによる変形の影響を受けない部分に燃料通路を形成することができるため、燃料のリーク性能を確実に向上させる電磁弁を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る電磁弁装置を適用した燃料噴射装置を示す縦断面図である。 第1実施形態に係る電磁弁装置の要部を示す部分縦断面図である。 第2実施形態に係る電磁弁装置の要部を示す部分縦断面図である。 従来の電磁弁装置における固定部材を示した部分縦断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である電磁弁装置2は、ソレノイドコイルによる電磁駆動力を利用した電気式の駆動弁であり、例えば、自動車のオートマチックトランスミッションに使用される電磁弁や、自動車の燃料タンクで発生する蒸発燃料をエンジンへ送り出すシステムで蒸発燃料の流路を開閉する電磁弁に適用することができる。
本実施形態で示す電磁弁装置2が用いられる燃料噴射弁1は、蓄圧式の燃料噴射装置として用いられ、たとえば、自動車等の車両に搭載された多気筒(たとえば、4気筒)のディーゼルエンジン(以下、エンジンともいう)の気筒毎に設けられ、高圧燃料供給ポンプ3から圧送された高圧燃料を蓄圧器4(以下、コモンレール4ともいう)内に蓄圧し、このコモンレール4に蓄圧した高圧燃料を燃焼室内に直接噴射供給するいわゆるインジェクタである。
以下、本発明の一例である第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る電磁弁装置2を適用した燃料噴射弁1を示す縦断面図である。図2は電磁弁装置2の要部を示す部分縦断面図である。
図1に示すように、燃料噴射弁1は、ノズルニードル20を軸方向に移動可能に収容するノズルボデー12と、ノズルニードル20を閉弁側に付勢する付勢部材であるスプリング21を収容するロアボデー11と、ノズルボデー12とロアボデー11とを所定の締付け軸力により締結する締付け部材であるリテーニングナット14と、電磁弁装置2と、を含んで構成されている。ノズルボデー12、ロアボデー11およびリテーニングナット14は、燃料噴射弁1のノズル本体を構成している。ノズルニードル20とノズルボデー12はノズル部を構成している。電磁弁装置2は、ロアボデー11上部の一部とアッパーボデー73との間に収納される弁装置である。
ノズルボデー12は、略筒状体に形成され、先端部(図1中の下方側の端部)側に、高圧燃料を燃焼室に噴射するための噴孔12bを1個または複数個備えた略筒状部材である。ノズルボデー12の内部には、中実円柱状のノズルニードル20を軸方向に移動可能に保持するための収容孔である第1ニードル収容孔12eが形成されている。この第1ニードル収容孔12eの軸方向の中間部位には、その孔径が拡げられた燃料溜り室12cが設けられている。ノズルボデー12の内周部には、燃料流れの下流に向かって、第1ニードル収容孔12e、燃料溜り室12c、弁座12aが順に形成されており、弁座12aのさらに下流側にノズルボデー12の内外を貫通する噴孔12bが設けられている。
弁座12aは、円錐状の内壁面で形成されており、この円錐状面の大径側が第1ニードル収容孔12eに連続し、小径側が噴孔12bに向かって延びている。ノズルニードル20は弁座12aに着座および離座可能に配置され、着座および離間することによりノズルニードル20が閉弁および開弁する。
さらに、ノズルボデー12には、ノズルボデー12の上端側の合わせ面から燃料溜り室12cへ延びる燃料送出路12dが設けられている。燃料送出路12dは、ロアボデー11の燃料供給路11aと連通することで、コモンレール4内で蓄圧された高圧の燃料を燃料溜り室12cを経由して弁座12a側へ送り込むことができる。燃料送出路12dと燃料供給路11aとは高圧の燃料が流れる高圧燃料通路を構成する。
ロアボデー11は、略筒状体の内部であってスプリング21が収容されている部分よりも上方に、ノズルニードル20を駆動するための制御ピストン30を軸方向に移動可能に収容する収容孔である第2ニードル収容孔11bが形成されている。第2ニードル収容孔11bの下端側の合わせ部分には、第2ニードル収容孔11bの中間の収容室11b1よりも大きい内径寸法である下方の収容室11b2(以下、スプリング室11b2ともいう)が形成されている。
下方の収容室11b2は、スプリング21、および環状部材31、および制御ピストン30のニードル部30aを収容するスプリング室である。環状部材31は、スプリング21とノズルニードル20との間に挟み込まれて配置されており、スプリング21をノズルニードル20の閉弁方向に付勢するスプリング受け部を構成する。ニードル部30aは、ノズルニードル20に環状部材31を介して間接的もしくは直接的に当接可能に構成されている。
ロアボデー11には、コモンレール4の分岐管に接続される高圧配管(図示せず)が気密に連結する継手部であるインレット部11cが設けられている。インレット部11cは、コモンレールから供給された高圧燃料を、内部に装着されたバーフィルタ13を介して燃料供給路11aへ導く燃料導入部である。スプリング室11b2の周囲には、燃料供給路11aが設けられている。
また、ロアボデー11には、スプリング室11b2に導かれた燃料を、燃料タンク等の低圧配管系内に戻すための燃料リーク通路(図示せず)が設けられている。燃料リーク通路、スプリング室11b2は低圧燃料通路を構成する。
制御ピストン30の他端部側(上端部側)には、電磁弁装置2により油圧が給排される圧力制御室8および圧力制御室16cが設けられている。この圧力制御室8,16cの油圧が増減することで、ノズルニードル20は閉弁および開弁される。圧力制御室8,16cから油圧が抜かれて圧力が減少すると、ノズルニードル20および制御ピストン30がスプリング21の付勢力に抗して軸方向上方(軸方向他方側)に移動し、ノズルニードル20が開弁する。一方、圧力制御室8,16cに油圧が導入され、圧力が増加すると、ノズルニードル20および制御ピストン30がスプリング21の付勢力によって軸方向下方(軸方向一方側)に移動し、ノズルニードル20が閉弁する。圧力制御室8,16cは、制御ピストン30の軸方向上方端部の外壁と、第2ニードル収容孔11bと、圧力制御室16cの内壁とによって形成される。
次に、電磁弁装置2について図2を参照しながら説明する。電磁弁装置2は、圧力制御室8,16cと、燃料を低圧側に逃がす燃料リーク通路との連通を断続する電磁二方弁である。電磁弁装置2は、ハウジングとしてのロアボデー11の反噴孔側(軸方向他方側)の端部に配設されている。電磁弁装置2は、リテーニングナット72によりロアボデー11に固定されている。
第2ニードル収容孔11bの反噴孔側(軸方向他方側)の端部には、弁座部材としての弁座プレート16が設けられている。弁座プレート16には、高圧導入通路として連通するインオリフィス16b、圧力制御室16cおよびアウトオリフィス16aが形成されている。インオリフィス16bは高圧導入通路の入口側絞り部であり、アウトオリフィス16aは高圧導入通路の出口側絞り部である。圧力制御室16cはインオリフィス16bの下流側であってアウトオリフィス16aの上流側に配置されており、第2ニードル収容孔11bに通じる部屋でもある。
アウトオリフィス16aは、弁室17cと圧力制御室16cとを連通するように設けられ、可動コアであるアーマチャ40による弁部43の開弁および開弁の動作によって、燃料通路が閉塞および流通される。インオリフィス16bは、圧力制御室16cと燃料供給路11aとを連通するように設けられている。
弁座プレート16の反噴孔側(軸方向他方側)には、弁のハウジングとしてのバルブボデー部材17が設けられている。バルブボデー部材17は、略円筒形状に形成されており、その外周部には雄ねじ部17aが形成されている。ロアボデー11の上部には、バルブボデー部材17が収納される凹部11eが形成されている。雄ねじ部17aは、凹部11eの内周部に形成された雌ねじ部11dに螺合可能なねじ部である。雄ねじ部17aと雌ねじ部11dとが螺合することにより、バルブボデー部材17は、ロアボデー11に締結され、凹部11eで固定される。バルブボデー部材17がロアボデー11の雌ねじ部11dにねじ込まれることによって、弁座プレート16がバルブボデー部材17とロアボデー11とに挟持される。
また、バルブボデー部材17は、その中心軸周りに軸方向に貫通する貫通孔17bが形成されているとともに、貫通孔17bよりも外周寄りの部分で軸方向に貫通する貫通孔17dが形成されている。バルブボデー部材17の上面側(軸方向他方側)には、摺動案内部材50を介してアーマチャ40が配置されている。バルブボデー部材17の下面側(軸方向一方側)には、弁座プレート16がバルブボデー部材17の締結により、ロアボデー11とバルブボデー部材17とで挟持されている。
アーマチャ40は、上方に位置する鍔部41と、鍔部41の下面から下方に延びる形状のシャフト部42と、が一体に構成された可動コアである。シャフト部42は軸方向一方に棒状に延びる形状でありその端部に弁部43が設けられている。弁部43は、平面部を有する球状体である。この平面部は、弁座16dに密着(着座)および離間するように(離座可能に)配置されている。弁部43は、平面部の着座時にアウトオリフィス16aを閉塞する。鍔部41は、アーマチャ40の軸方向他方側でシャフト部42と一体に設けられシャフト部42よりも半径方向外方に延びる傘状の部分である。鍔部41の上面は、固定子63の磁極面に対向して配置される磁極面が形成されている。アーマチャ40の縦断面(軸方向に沿った断面)形状は、T字状を呈している。アーマチャ40は磁性材からなり、例えばパーメンジュールで形成されている。
アーマチャ40は、弁部43を介して弁座プレート16の弁座16dに着座および離座が可能である。弁座プレート16は、ピン等の位置決め部材76を介してロアボデー11に位置決め固定されている。弁座プレート16の貫通孔16eは、位置決め部材76を挿入する係止穴である。
摺動案内部材50は、軸方向一方に筒状に延びる部分であるスリーブ部52と、スリーブ部52の上部側(軸方向他方側)から半径方向外方に突出する円盤状部51と、が一体に形成された部材であり、スリーブ部52の内側に嵌められるシャフト部42の軸方向の摺動(シャフト部42がスリーブ部52の内側をすべりながら動くこと)を支持する。摺動案内部材50の中心軸周りには上端部から下端部にかけて貫通する貫通孔53が形成されており、この貫通孔53の内周壁はスリーブ部52の内周面である。円盤状部51の外周部には、ロアボデー11の雌ねじ部11dに螺合される雄ねじ部51aが形成されている。また、摺動案内部材50は、非磁性材でできており、バルブボデー部材17側に固定子63からの電流を供給させない機能を有する。
摺動案内部材50は、雄ねじ部51aがロアボデー11の雌ねじ部11dに螺合されることによって、ロアボデー11に締め付けられてハウジングに固定される。ロアボデー11に固定された摺動案内部材50には、シャフト部42がスリーブ部52に挿入されて設置されることにより、アーマチャ40が軸方向に摺動可能な状態で一体に設けられる。このとき、アーマチャ40と摺動案内部材50は、鍔部41の下面部分と円盤状部51の上面部分とが互いに直面する状態で配置されている。このように摺動可能に一体となった両部材は、スリーブ部52がバルブボデー部材17の貫通孔17bに挿入された状態でロアボデー11に固定されていることで、ハウジングに対して所定の位置に配置されることになる。
また、スリーブ部52の下方(軸方向一方)の端部は、シャフト部42の下方(軸方向一方)の端部や弁部43の下端部よりも上方(軸方向他方)に位置する。シャフト部42の下方の端部の外周面とバルブボデー部材17の下方の端部の内周面との間には、スリーブ部52の下方の端部は存在せず、全周に亘って弁室17cが形成されている。
また、このように摺動案内部材50とアーマチャ40が一体に設けられた状態では、バルブボデー部材17の貫通孔17bを形成する内周面とスリーブ部52の外周面との間には、所定長さの間隙60が形成されている。この間隙60は、スリーブ部52の外周面の外側に環状に形成されるとともに、下方側で弁室17cに通じ、上方側で摺動案内部材50の円盤状部51の下面側を介して貫通孔17dの上端開口に通じている。
シャフト部42がスリーブ部52に対して軸方向に摺動可能に配置されることにより、アーマチャ40は、鍔部41に、スプリング75による軸方向一方に作用する弾性力(付勢力)とは逆向きの固定子63による電磁駆動力が作用することにより、軸方向に変位する。アウトオリフィス16aと弁室17cは、軸方向に変位するアーマチャ40の先端部に配された弁部43によって、互いに連通状態または遮断状態となる。したがって、弁部43の開弁時にアウトオリフィス16aと繋がった弁室17cに流入した燃料は、間隙60を上昇し、貫通孔17dの上端開口から凹部11e内に至り、前述の燃料リーク通路(図示せず)を流下して燃料タンク等を含む低圧配管系内に戻る。
コイル61は、樹脂製のスプール62に直接巻回され、スプール62およびコイル61の外周側は樹脂モールドにより覆われている。巻回装置により巻回されたコイル61の外周を樹脂モールドにより被覆した後に、被覆されたコイル61に2次樹脂成形を行なってスプール62と一体に成形されるものであってもよい。コイル61の端部には、ターミナル71が電気的に接続されている。
固定子63は、略円筒状であり、内周側のコア部と、外周側のコア部と、これら両コア部に接続する上端部と、を備え、内周側のコア部と外周側のコア部との間にコイル61が挟み込まれている。固定子63は磁性材で形成されている。固定子63の下部側には、アーマチャ40の鍔部41が固定子63に向き合うように配置されている。固定子63の磁極面である下端面と鍔部41の磁極面である上端面は、近接し、離間可能に配置されている。電流が供給されると、コイル61に発生する電磁力を利用し、内周側のコア部および外周側のコア部の磁極面からアーマチャ40の磁極面に向けて磁束が流れ、磁束密度に応じた吸引力がアーマチャ40に作用する。
固定子63の内側には、略円筒状のストッパ部64が挿入されて配置され、固定子63とアッパーボデー73との間に挟まれて固定されている。ストッパ部64内には、スプリング75が配置されている。このスプリング75の付勢力はアーマチャ40に作用し、アーマチャ40の磁極面と固定子63の磁極面のエアギャップが広がる方向に付勢している。ストッパ部64のアーマチャ40側の端面は、アーマチャ40が最大リフトするときのリフトを規制する。
電磁弁装置2のハウジングは、アッパーボデー73、リテーニングナット72と、中間ハウジング74、ロアボデー11等から構成されている。中間ハウジング74は略筒状であり、固定子63をガイドするように収容している。固定子63は段付きの略有底円筒状に形成され、中間ハウジング74の下端部の内周側に挿入されている。固定子63の外周は、段付きを境に下方に向かって径が小さくなっており、その段付きが中間ハウジング74の内周側に形成された段差に係止されることにより、固定子63が中間ハウジング74から脱落するのを防止している。
また、ストッパ部64およびアッパーボデー73の内側には、弁室17c、貫通孔17bを通って流出した燃料が低圧側へ流出される燃料通路32が形成されている。この燃料通路32は、前述の間隙60(貫通孔17bを形成する内周面とスリーブ部52の外周面との間の空間)にも通じ、前述のリーク用燃料通路とも連通している。
次に、燃料噴射弁1の作動について説明する。高圧の燃料が高圧燃料の源であるコモンレール4から高圧配管、燃料供給路11a、燃料送出路12dを流下して燃料溜り室12cに供給されるとともに、燃料供給路11a、インオリフィス16bを流下して圧力制御室8,16cにも供給される。
コイル61への非通電時には、アーマチャ40および弁部43は、スプリング75の付勢力により弁座16d側(軸方向一方側)へ押し当てられ、弁部43が弁座16dに着座する。弁部43の着座によりアウトオリフィス16aが閉塞され、圧力制御室8,16cから弁室17cへの燃料流れが遮断される。
このとき、圧力制御室8,16cに蓄えられている燃料圧力(以下、背圧という)は、コモンレール4の内部の燃料圧力(以下、コモンレール圧という)と同一の圧力に維持される。圧力制御室8,16cに蓄えられている背圧により制御ピストン30を介してノズルニードル20を噴孔閉塞方向へ付勢する作用力(以下、第1作用力という)と、スプリング21の付勢力によりノズルニードル20を噴孔閉塞方向へ付勢する作用力(以下、第2作用力という)との和は、燃料溜り室12cおよび弁座12a近傍のコモンレール圧によりノズルニードル20が噴孔開放方向に受ける作用力(以下、第3作用力という)より大きくなっている。そのため、ノズルニードル20は弁座12aに着座し、噴孔12bが閉塞され、噴孔12bから燃料は噴射されない。弁座16dに着座している弁部43には、閉塞されているアウトオリフィス16a内の燃料圧力が作用している。
コイル61への通電が開始されると、コイル61に電磁力が発生し、固定子63とアーマチャ40の両磁極面間に発生する磁気吸引力により、アーマチャ40が固定子63の方向(軸方向他方)に吸引されて移動しようとする。このとき、弁部43は、アウトオリフィス16aの背圧により離座方向に受ける作用力(以下、第4作用力という)が働くため、アーマチャ40とともに弁部43が弁座16dから離座する。
このとき、アーマチャ40および弁部43の弁座16dからの離座により、アウトオリフィス16aを介して圧力制御室8,16cから弁室17cへの燃料流れが形成される。このように圧力制御室8,16c内の燃料が低圧側へ開放されるため、圧力制御室8,16cの背圧が低下する。背圧が低下すると、第1作用力が次第に減少する。そして、ノズルニードル20の噴孔を閉塞する方向に作用する第1作用力および第2作用力よりも、ノズルニードル20の噴孔を開放する方向に作用する第3作用力が大きくなると、ノズルニードル20は弁座12aから離座し、上方へリフトする。ノズルニードル20が上方へリフトすると、噴孔12bは開放され、噴孔12bより燃料が噴射される。
また、コイル61への通電が停止されると、コイル61の電磁力が消滅するため、スプリング75の付勢力によりアーマチャ40および弁部43が弁座16dの方向(軸方向一方)に移動する。弁部43の平面部が弁座16dに着座すると、圧力制御室8,16cから弁室17cへの燃料の流出が停止される。そして、圧力制御室8,16cの背圧が増加し、第1作用力および第2作用力が第3作用力に勝るようになると、ノズルニードル20が下方へ移動し始める。そして、ノズルニードル20が弁座12aに着座すると、外部への燃料噴射が終了する。
シャフト部42をスリーブ部52に挿入してアーマチャ40を摺動案内部材50に対して摺動可能に設置する場合には、スリーブ部52がハウジングに対して傾いた状態であると、アーマチャ40の姿勢もこの傾きに伴ってハウジングに対して傾くようになる。換言すれば、スリーブ部52の軸心がハウジングに対して適切に設定されないと、スリーブ部52の芯だしが適正になされず、アーマチャ40の摺動が所定の位置からずれるため、弁部43の開弁および閉弁性能が確保できず、所望の燃料噴射特性が得られないことになる。
本実施形態では、バルブボデー部材17はハウジングであるロアボデー11に螺合手段によって締め付けられてハウジングに固定される構成であるため、締結による曲げ等の変形がバルブボデー部材17に生じる可能性がある。この場合には、スリーブ部52と対向するバルブボデー部材17の貫通孔17b側が変形しうる。
仮に、摺動案内部材50がバルブボデー部材17との間で固定される構造である場合には、摺動案内部材50の設置姿勢は、バルブボデー部材17の変形の影響を受けてしまい、摺動案内部材50が所望の姿勢で設置されなくなり、アーマチャ40の摺動に悪影響が出てしまう。また、摺動案内部材50がスリーブ部52において固定されるような構造である場合には、スリーブ部52が周囲の部材からの影響を受けて、わずかでもその軸心がずれた状態で設置されると、摺動に関与する部分がずれることになるため、直接的にアーマチャ40の摺動に悪影響が出てしまう。
そこで、本実施形態の電磁弁装置2では、摺動案内部材50は円盤状部51の外周部に形成された雄ねじ部51aとロアボデー11の内周部に形成された雌ねじ部11dとが螺合することによってハウジングに固定される構造である。これにより、摺動案内部材50はバルブボデー部材17に組みつけられる構造でないため、バルブボデー部材17の締結による曲げ等の変形が摺動案内部材50に生じる懸念がない。ハウジングに対する摺動案内部材50の位置決めは軸心から円盤状部51の半径分離れた外周部で規定されるため、軸心の傾きや偏芯が生じにくい取り付け構造が得られる。したがって、摺動部分が偏芯、ずれ、振れ等なく設計仕様どおりの所定の位置に設置されるため、電磁弁装置2はアーマチャ40の摺動性が安定し、適正な開弁および閉弁の挙動性能を発揮することができる。
以下、本実施形態の電磁弁装置2がもたらす作用効果について述べる。電磁弁装置2は以下の特有の構成を備える。電磁弁装置2は、ロアボデー11(ハウジング)の内部で軸方向に移動して流体通路を開閉する弁部43と、アーマチャ40と、アーマチャ40を軸方向に変位させる固定子63と、外周部の雄ねじ部17aがロアボデー11の雌ねじ部11dに螺合されて固定されるバルブボデー部材17と、アーマチャ40の軸方向の摺動を支持する摺動案内部材50と、を備える。アーマチャ40は、軸方向に棒状であり軸方向一方の端部に弁部43が設けられるシャフト部42、および軸方向他方側でシャフト部42よりも半径方向外方に延びる鍔部41を一体に備える。固定子63は、弁部43側に付勢するスプリング75(付勢部材)の付勢力とは逆向きの電磁駆動力を鍔部41に作用させてアーマチャ40を軸方向に変位させる。摺動案内部材50は、バルブボデー部材17の貫通孔17bに挿入された状態で設置されるスリーブ部52と、スリーブ部52の軸方向他方側から半径方向外方に突出する円盤状部51と、を含んで構成され、スリーブ部52の内側に挿入されるシャフト部42の軸方向の摺動を支持する。
円盤状部51は、外周部に形成された雄ねじ部51aを有し、摺動案内部材50は、ロアボデー11の雌ねじ部11dに螺合される雄ねじ部51aによってロアボデー11に固定される。
以上の構成によれば、摺動案内部材50は、円盤状部51の外周部の雄ねじ部51aとロアボデー11の内周部の雌ねじ部11dとが螺合することにより、ロアボデー11を基準として位置決めがなされる。円盤状部51の外周部はスリーブ部52よりも外径寸法が大きいため、摺動案内部材50を支持する基準部分が摺動案内部材50の中心軸から遠い位置に設けられることになる。このため、摺動案内部材50の中心軸から遠い基準点で固定されれば、ねじ締め時に基準点で仮にわずかなずれ等が生じたとしても、中心軸から近いスリーブ部52を基準点として固定した場合に生じるずれに対して、中心軸付近の傾き、ずれ等は非常に小さいものにできる。
したがって、アーマチャ40が摺動する部分となるスリーブ部52の傾きを抑制し、弁部43の開閉弁性能の低下や弁部43の着座面の偏磨耗の防止が図れる。また、摺動案内部材50の円盤状部51に雄ねじ部51aを形成することにより、ロアボデー11の雌ねじ部11dは、バルブボデー部材17を固定するためと、摺動案内部材50を固定するための両方に共用することができる。このため、部品点数の低減および組立て工数の低減が図れる。
また、摺動案内部材50は変形の可能性が高いバルブボデー部材17に固定されるのでなく、ハウジングであるロアボデー11に固定されるため、締め付けによる各部の変形の影響を受けない取付けを実施することができる。また、円盤状部51の外周部が固定される部分であることにより、アーマチャ40の摺動にとって影響の少ない部分で固定が行われるので、摺動部分の形状に悪影響を及ぼして摺動性を損なうこともない。このようなことから、弁部43の挙動を安定したものにすることができる。したがって、弁部43の応答性向上とともに、安定した挙動を提供することもできる。
また、バルブボデー部材17をハウジングに対して固定するためのロアボデー11の雌ねじ部11dを利用して、摺動案内部材50を固定して摺動部の適正な芯だしを行うため、部品点数を増加させることなく、十分な固定性能および適正な開閉弁性能を実現することができる。
従来技術では、バルブボデー部材17が締結される前に、バルブボデー部材17の貫通孔17bの内周面と貫通孔17bに挿入される部分の外周面との間に所定の間隙が形成されている場合に、締結後には、この間隙が軸方方向について等間隔でなくなる。この場合にはスリーブ部52の外周面と貫通孔17bの内周面との隙間が均一に形成できなくなり、燃料の流体抵抗が一定にならないおそれがある。そこで本実施形態によれば、雄ねじ部51aがロアボデー11の雌ねじ部11dに螺合されて、摺動案内部材50がロアボデー11に固定される構成とともに、スリーブ部52の外周面とバルブボデー部材17の貫通孔17bの内周面との間には、所定の間隙60が形成される構成を有する。
これによれば、スリーブ部52の外周側に形成された間隙60を所定の半径方向長さで軸方向に狭い部分と広い部分が生じることなく形成することができる。さらに適切な間隔を有する間隙60は、燃料を低圧側に逃がすリーク用燃料通路として機能させることができる。したがって、バルブボデー部材17の締め付けによる変形の影響を受けない部分にリーク用燃料通路を形成することができるため、燃料のリーク性能を確保することができる。
また、スプリング21およびスプリング75はコイルスプリングで構成されていることにより、両スプリングの各コイルスプリングのばね定数に基づいて、開弁時および閉弁時の付勢部材のセット荷重を容易に設定することができる。したがって、開弁時と閉弁時の両方において応答性に優れた付勢部材を実現しやすくなる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、摺動案内部材をハウジングに対して固定する構造についての他の形態である電磁弁装置2Aを図3にしたがって説明する。図3は、本実施形態に係る電磁弁装置2Aの要部を示す部分縦断面図である。図3において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であって同様の作用効果を奏するものである。また、電磁弁装置2Aは図1の燃料噴射弁1に適用可能な弁装置である。
電磁弁装置2Aは、摺動案内部材50Aの円盤状部51Aを、ねじによる螺合構造ではなく、半径方向および軸方向の作用させる拘束力によってハウジングに対して固定するものである。図3に示すように、電磁弁装置2Aは、さらに、円盤状部51Aに対して下方(軸方向一方)の荷重を与える固定部材の一例であるウェーブワッシャ80と、を備え、円盤状部51Aの外周部には雄ねじ部は形成されていないものである。摺動案内部材50Aは、円盤状部51Aの外周部がロアボデー11の内周部に接触して配置されることによって半径方向の位置が固定され、ウェーブワッシャ80が円盤状部51Aに与える上記荷重によって軸方向の位置が固定されるように構成されている。すなわち、ウェーブワッシャ80によって下向き(軸方向一方)のテンションを円盤状部51Aに付勢させることにより、摺動案内部材50Aの軸方向の動きを規制する。
ウェーブワッシャ80は、ばね鋼製の平座金を波型に曲げて形成したものであり、たとえばステンレスからなる。ウェーブワッシャ80は、つぶされることによりばねの働きをして円盤状部51Aに軸方向の押圧力を提供する。ウェーブワッシャ80は、固定部材の中でも薄手に形成することができるため、軸方向の収容スペースを低減でき、装置の小型化に寄与することができる。また、ウェーブワッシャ80を採用すれば、ウェーブワッシャ80が有する軸方向の押圧力を調整することにより、円盤状部51Aへの荷重を容易に調整することができる。
本実施形態の電磁弁装置2Aによれば、軸方向に移動して流体通路を開閉する弁部43と、アーマチャ40と、アーマチャ40を軸方向に変位させる固定子63と、外周部の雄ねじ部17aがロアボデー11の雌ねじ部11dに螺合されて固定されるバルブボデー部材17と、アーマチャ40の軸方向の摺動を支持する摺動案内部材50Aと、摺動案内部材50Aに対して軸方向の荷重を与えて固定するウェーブワッシャ80と、を備える。
この構成によれば、摺動案内部材50Aは、円盤状部51Aの外周部とロアボデー11の内周部とで互いに接触して半径方向の移動が規制されるとともに、ウェーブワッシャ80等の固定部材の荷重によって軸方向の移動が規制される。これによって、摺動案内部材50Aはロアボデー11を基準として位置決めがなされる。このように円盤状部51Aが固定の対象部分となることにより、円盤状部51Aの外周部はスリーブ部52よりも外径寸法が大きいため、摺動案内部材50Aを支持する基準部分が摺動案内部材50Aの中心軸から遠い位置に設けられることになる。このため、中心軸から遠い基準点で固定すれば、ねじ締め時に仮にわずかなずれが生じたとしても、スリーブ部で固定した場合のずれに対して、中心軸付近の傾き、ずれ等は非常に小さいものにできる。したがって、アーマチャ40が摺動する部分となるスリーブ部52の傾きを抑制し、弁部43の開閉弁性能の低下や弁部43の着座面の偏磨耗の防止が図れる。
また、摺動案内部材50Aは変形の可能性が高いバルブボデー部材17に固定されるのでなく、ハウジングであるロアボデー11に固定されるため、締め付けによる各部の変形の影響を受けない取付けを実施することができる。また、円盤状部51Aが固定される部分であることにより、アーマチャ40の摺動にとって影響の少ない部分で固定が行われるので、摺動部分の形状に悪影響を及ぼして摺動性を損なうこともない。このようなことから、弁部43の挙動を安定したものにすることができる。したがって、弁部43の応答性向上とともに、安定した挙動を提供することもできる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態において摺動案内部材50の円盤状部51は、完全な円盤の形状でなくてもよい。すなわち、円盤状部51の外周部に形成される雄ねじ部51aがロアボデー11の雌ねじ部11dに螺合可能であればよく、円盤状部51の外周に部分的に雄ねじ部51aが形成されている形態でもよい。つまり、円盤状部51の外周の一部に軸心側への切り欠き部分が形成されているものでもよい。
上記実施形態において付勢部材は、スプリング21、スプリング75のような圧縮コイルスプリングであるが、この形態に限定されるものではない。例えば、付勢部材としては他に、板ばね、軸方向に作用する外力によって軸方向に伸縮する伸縮性の素材からなる部材等、その材質、形状に関わりなく広く採用することができる。
また、上記実施形態において、ノズルボデー12、ロアボデー11、リテーニングナット14、リテーニングナット72、アッパーボデー73、中間ハウジング74、弁座プレート16、バルブボデー部材17等は、特にその材質を限定するものではない。各部品に求められる機能を発揮できる素材であれば、適宜採用することができる。
また、第2実施形態における固定部材として、ウェーブワッシャ80の他、その他の薄板ばね、皿ばね等を採用してもよい。
2,2A…電磁弁装置
11,11A…ロアボデー(ハウジング)
11d…雌ねじ部
16a…アウトオリフィス(流体通路)
17…バルブボデー部材
17a…雄ねじ部
17b…貫通孔
40…アーマチャ
41…鍔部
42…シャフト部
43…弁部
50,50A…摺動案内部材
51,51A…円盤状部
51a…雄ねじ部
52…スリーブ部
60…間隙
63…固定子
75…スプリング(付勢部材)
80…ウェーブワッシャ(固定部材)

Claims (2)

  1. 内周部に雌ねじ部が形成されたハウジングと、
    前記ハウジングの内部で軸方向に移動して流体が流れる流体通路を開閉する弁部と、
    前記軸方向一方に棒状に延びる形状でありその端部に前記弁部が設けられるシャフト部、および前記軸方向他方側で前記シャフト部と一体に設けられ前記シャフト部よりも半径方向外方に延びる外形の鍔部を含むアーマチャと、
    前記軸方向に伸縮する部材であって前記鍔部に対して前記弁部側に付勢する力を作用させる付勢部材と、
    前記弁部側に付勢する前記付勢力とは逆向きの電磁駆動力を前記鍔部に作用させて前記アーマチャを前記軸方向に変位させる固定子と、
    前記軸方向に貫通する貫通孔が形成されるとともに外周部に雄ねじ部を有する部材であって、前記雄ねじ部が前記ハウジングの前記雌ねじ部に螺合されて前記ハウジングに固定されるバルブボデー部材と、
    前記軸方向一方に筒状に延びる部分であって前記バルブボデー部材の前記貫通孔に挿入された状態で設置されるスリーブ部、および前記スリーブ部の前記軸方向他方側から半径方向外方に突出する円盤状部を含んで構成され、前記スリーブ部に嵌められる前記シャフト部の軸方向の摺動を支持する摺動案内部材と、
    を備え、
    前記円盤状部は、外周部に形成された雄ねじ部を有し、
    前記摺動案内部材は、前記ハウジングの前記雌ねじ部に螺合される前記円盤状部の前記雄ねじ部によって、前記ハウジングに固定されていることを特徴とする電磁弁装置。
  2. 前記バルブボデー部材の前記貫通孔を形成する内周面と前記スリーブ部の外周面との間には、間隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁装置。
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