JP4239942B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁 Download PDF

Info

Publication number
JP4239942B2
JP4239942B2 JP2004275846A JP2004275846A JP4239942B2 JP 4239942 B2 JP4239942 B2 JP 4239942B2 JP 2004275846 A JP2004275846 A JP 2004275846A JP 2004275846 A JP2004275846 A JP 2004275846A JP 4239942 B2 JP4239942 B2 JP 4239942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
movable core
valve
magnetic body
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004275846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006090191A (ja
Inventor
宏明 永友
信男 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004275846A priority Critical patent/JP4239942B2/ja
Publication of JP2006090191A publication Critical patent/JP2006090191A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4239942B2 publication Critical patent/JP4239942B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、燃料噴射弁に関し、例えば内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に適用して好適なものである。
燃料噴射弁としては、内燃機関へ供給する燃料の流通および遮断を正確に行なうために、弁座に着座および離座する弁部材としてのニードルを、ニードルに連結され協働する可動コアを介して、磁気吸引力によって固定コアに接離するものが知られている(特許文献1参照)。なお、ニードルを着座方向に付勢するスプリングが設けられており、可動コアと固定コアは、このスプリングの付勢力に抗する吸引力によって接離される。そのため、可動コアと固定コアが接するときには、ある程度の衝撃力による衝突が発生する。
特表平8−506877号公報
しかしながら、従来技術では、可動コアが固定コアへ衝突するときの反発力によって可動コアつまりニードルが瞬間的に着座方向に戻される挙動いわゆる開弁バウンスが発生するおそれがあった。
近年、内燃機関へ噴射供給する燃料の微小噴射量を制御するため、開弁バウンスを抑制したいという要望がある。この対策として、可動コアと固定コアの接触面積を増大する方法が考えられる。しかしながら、その方法では開弁バウンスの抑制は可能であるが、閉弁時に固定コアから可動コアが離れにくくなり閉弁応答性が悪化する可能性がある。そのため、実際には閉弁時間が増大して噴射量が大きくなってしまうので、微小噴射量を制御できないという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、弁部材に協働する可動コアと固定コアとを電磁吸引力の発生および消失に応じて引き付け、引き離すものにおいて、開弁バウンスの抑制を図るとともに、閉弁応答性の向上が図れる燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至4記載の発明では、弁座に着座および離座する弁部材と、弁部材に協働して着座方向および離座方向に移動する可動コアと、可動コアを着座方向に付勢する付勢力に抗して磁気吸引する固定コアと、可動コアを固定コアに磁気吸引するための電磁力を発生するコイルとを備え、電磁力の発生および消失により可動コアと固定コアとを引き付け、引き離す燃料噴射弁において、
可動コアと固定コアとの間に、着座方向に付勢される磁性体を設け、
磁性体は、可動コアの固定コアと対向する部位の全部を覆う円板状部を有し、
磁性体と固定コアとの接触面積を磁性体と可動コアとの接触面積よりも大きく形成し、
磁性体に付勢される第1のセット荷重よりも、可動コアに付勢される第2のセット荷重を大きくしていることを特徴としている。
これによると、可動コアと固定コアとの間に、着座方向に付勢される磁性体を設け、磁性体と固定コアとの接触面積が磁性体と可動コアとの接触面積よりも大きく形成されているので、可動コアを離座方向に移動つまり弁部材の開弁時の場合には、可動コアとともに固定コアに引き付けられる磁性体の固定コア側の接触面積が比較的大きく形成される。一方、可動コアを着座方向に移動つまり弁部材の閉弁時の場合には、可動コアとともに固定コアから離れる磁性体の可動コア側の接触面積が比較的小さく形成されるので、可動コアを固定コア側から離れ易くすることができる。さらに、可動コアに付勢される第2のセット荷重を磁性体に付勢される第1のセット荷重よりも大きく形成しているので、閉弁のため電磁力を消失させる際に、固定コア、磁性体、および可動コアに残磁が存在している場合であっても、可動コアを、固定コアおよび磁性体から離れ易くすることができる。
したがって、開弁バウンスの抑制を図るとともに、閉弁応答性の向上が図れる。
特に、請求項2に記載の発明では、磁性体および可動コアには、内外二重に配置された外側付勢部材、内側付勢部材が設けられていることを特徴としている。
これによると、磁性体に付勢される第1のセット荷重よりも可動コアに付勢される第2のセット荷重を大きく形成する付勢力形成手段として、磁性体および可動コアは、内外二重に配置された外側付勢部材、内側付勢部材を設ける構造を有するので、閉弁応答性向上のための構造が比較的簡素に形成される。
また、請求項3に記載の発明では、磁性体は、内周側に第1の段差部を有し、第1の段差部は、外側付勢部材の座面を形成していることを特徴としている。
これによると、磁性体の内周側の端部には、第1の段差を有しており、この段差で外側付勢部材の座面をなしているので、第1の段差つまり第1の段差部で外側付勢部材をガイドすることが可能である。例えば付勢部材の伸縮によるずれを防止することが可能であるので、可動コアつまり弁部材の安定した作動が実現できる。
また、請求項4記載の発明では、可動コアは、外周側に第2の段差部を有し、第2の段差部は、可動コアと磁性体との空間部を形成していることを特徴としている。
これによると、磁性体における固定コアとの接触面積を可動コアとの接触面積よりも大きく形成する形成手段として、可動コアの外周側に第2の段差部を設け、この段差部で可動コアと磁性体との空間部を形成する構造を有するので、磁性体および可動コアの形状を複雑にする必要はない。したがって、弁部材に協働する可動コアと固定コアとを電磁吸引力の発生および消失に応じて引き付け、引き離すものにおいて、開弁バウンスの抑制を図るとともに、閉弁応答性の向上が図れる構造の簡素化が図れる。
以下、本発明の燃料噴射弁を、ガソリンエンジンへ燃料を供給するものに適用して具体化した実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の燃料噴射弁の構成を示す断面図である。図2は、図1中の可動コアおよび固定コア周りを示す部分的断面図である。図3は、本実施形態の燃料噴射弁における燃料噴射のための開閉過程を示す模式図であって、図2中の可動コア、磁性体、および固定コアの開弁時における作動状態を示す部分的断面図である。図4は、本実施形態の燃料噴射弁における燃料噴射のための開閉過程を示す模式図であって、図2中の可動コア、磁性体、および固定コアの閉弁時における作動状態を示す部分的断面図である。図5は、図1の燃料噴射弁内の燃料経路を示す断面図である。なお、図1および図2はコイルへの非通電状態、図3は開弁のためコイルへ通電動作した状態、図4は閉弁のためコイルへ通電を停止した状態を示す。図2において、固定コアと磁性体との軸方向の隙間(エアギャップ)G1は、弁座から離座方向に移動する弁部材の弁座から離間可能な距離つまりリフト量を表している。
図1に示すように、燃料噴射弁(以下、インジェクタと呼ぶ)2は、内燃機関(エンジン)、特にガソリンエンジンに用いられる。インジェクタ2は、例えば多気筒(例えば4気筒)ガソリンエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)の吸気管または各気筒に取付けられて、気筒内の燃焼室に燃料を噴射供給する。なお、本実施形態では、インジェクタ2は各気筒に設けられているものとする。インジェクタ2には、図示しない燃料ポンプにより加圧された燃料が、燃料分配管(図示せず)を介して供給される。燃料分配管には、一般に、図示しない燃料タンク内の燃料を燃料ポンプ(図示せず)により吸い上げ吐出し、その吐出された燃料が導かれている。なお、吐出される燃料は、図示しないプレーシャレギュレータ等の調圧装置によって所定の圧力に調圧されて、燃料分配管へ送られる。なお、エンジンが直噴エンジンの場合には、内燃機関の燃焼室へ供給する燃料の圧力が約2Mpa以上とするため、燃料ポンプによって燃料タンクから吸上げられた所定の低圧(例えば0.2Mpa)の燃料を、図示しない高圧ポンプで加圧し、この加圧された所定の高圧の燃料(例えば、2〜13Mpaの範囲の所定の燃料)が、燃料分配管を介してインジェクタ2に供給されている。燃料ポンプから吐出される燃料、高圧ポンプから燃料分配管へ供給された燃料は、図示しないプレーシャレギュレータ等の調圧装置によって所定の圧力に調圧されている。なお、以下、本実施例で説明するエンジンは、ガソリン直噴エンジンとする。
インジェクタ2は、図1および図5に示すように、略円筒形状であり、一端から燃料を受け、内部の燃料通路(図5参照)を経由して他端から燃料を噴射する。インジェクタ2は、燃料の噴射を遮断および許容する弁部Bと、弁部Bを駆動する電磁駆動部Sとを備えており、一端から燃料通路内に流入した燃料を弁部Bからエンジンの気筒に噴射供給する。
弁部Bは、図1に示すように、弁ボディ12と、弁部材としてのニードル30とを含んで構成されている。
弁ボディ12の内側には、ニードル30の当接部31が当接、離間する弁座14が形成されている。弁ボデイ12の内周には、上記内部燃料通路内を流れる燃料が導かれている。ここで、弁座12には、ニードル30の当接部31が離座および着座可能である。弁座14の中央側には、弁座14の燃料流れの下流側に向かって、内部燃料通路と連通可能な噴孔21が配置されている。この噴孔21は、要求される燃料の噴霧の形状、方向、数などに応じて、その大きさ、噴孔軸線の方向、噴孔配列等が決定される。また、噴孔の開口面積は、開弁時の流量を規定する。したがって、インジェクタ2の燃料噴射量は、噴孔の開口面積、ニードル30のリフト量と、開弁期間とによって計量されている。ニードル30が弁座14に着座すると噴孔21からの燃料噴射が遮断され、ニードル30が弁座14から離座すると噴孔21からの燃料噴射が許容され燃料が噴射される。
なお、弁ボディ12は、弁ハウジング16の燃料噴射側端部の内壁に溶接等により固定されている。弁ボディ12は段付きの略有底円筒状に形成され、弁ハウジング16の下端部の内周側に挿入されている。弁ボディ12の外周は、段付きを境に下方に向かって縮径している。そして段付きが、弁ハウジング16の内周側に形成された段差と当接することにより、燃圧で弁ボディ12が弁ハウジング16から脱落するのを防止している。
ニードル30は略軸状に形成され、弁ボディ12内を軸方向に往復移動可能である。
電磁駆動部Sは、図1に示すように、筒部材40、可動コア50、固定コア54、コイル60、および磁性体(以下、緩衝コア)52とを有する。
筒部材40は、弁ボディ12の反噴孔側の内周壁に挿入され、溶接により弁ボディ12に固定されている。筒部材40は、噴孔21側から第1磁性筒部42、非磁性筒部44、および第2磁性筒部46により構成されている。非磁性筒部44は第1磁性筒部42と第2磁性筒部46との磁気的短絡を防止する。この磁気的短絡防止により、コイル60の通電により発生する電磁力による磁束を、可動コア50、固定コア54、および緩衝コア52に効率的に流れるようにしている。
可動コア50は磁性材料で段付きの略円筒状体に形成されており、ニードル30の反噴孔側の端部と溶接等により固定されている。可動コア50はニードル30とともに往復移動する。可動コア50の筒壁を貫通する流出孔53は、可動コア50の筒内外を連通する燃料通路を形成している。なお、流出孔53に対応する連通孔33がニードル30の内外を連通するように形成されている。
本実施形態では、可動コア50は、ニードル30の端部に固定される保持部50aと、本体部(以下、円筒状部と呼ぶ)50bと、第2の段差部(以下、空間部用段差部と呼ぶ)50dとを含んで構成されている。保持部50aは段付き略円筒状体の下端部に形成され、本体部50dは段付き略円筒状体の上端部に形成されている。空間部用段差部50dは本体部50の固定コア54側の端面(図2中の上端面)に設けられ、緩衝コア52に対して軸方向に対峙して配置されている。図2に示すように、空間部用段差部50dは緩衝コア52に軸方向に接離可能であり、緩衝コア52に当接し緩衝コア52と可動コア50が一体的に構成されている場合には、緩衝コア52との間に空間部G2を形成する。
緩衝コア52は磁性材料で略円板状に形成されており、可動コア50と固定コアとの間に軸方向移動可能に配置されている。緩衝コア52は、第1の段差部(以下、第1スプリング支持用段差部と呼ぶ)52aと、本体部(以下、円板状部と呼ぶ)52bとから構成されている。円板状部52bは、可動コア50(詳しくは空間部用段差部50d)と固定コア54に対して軸方向に接離可能に配置されている。円板状部52bと固定コア54との接触面積は円板状部52bと段差部50dとの接触面積よりも大きく形成されている。これにより、可動コア50を離座方向に移動つまりニードル30の開弁時の場合には、可動コア50とともに固定コア54に引き付けられる緩衝コア52の固定コア54側の接触面積が比較的大きく形成される。一方、可動コア50を着座方向に移動つまりニードル30の閉弁時の場合には、可動コア50とともに固定コア54から離れる緩衝コア52の可動コア50側の接触面積が比較的小さく形成される。
第1スプリング支持用段差部52aは、円板状部52bの内周側に設けられ、その内周側の段差は内側付勢部材としての第1スプリング59の座面を形成している。その段差によって伸縮する第1スプリング59をガイド可能である。第1スプリング59は緩衝コア52を噴孔21側に付勢している。言い換えると、第1スプリング59は緩衝コア52をニードル30の着座方向に付勢する付勢手段を構成する。
なお、ここで、緩衝コア52と第1スプリング59とは、可動コア50と固定コアとを引き付けるときの開弁バウンスを抑制し、可動コア50と固定コアとを引き離すときに閉弁応答性の向上を図る可動コア挙動緩衝手段を構成する。
固定コア54は磁性材料で略円筒状に形成されている。固定コア54は筒部材40内に挿入されており、筒部材40と溶接により固定されている。固定コア54は可動コア50に対し反噴孔側に設置され、緩衝コア52を介して、可動コア50に向きあっている。アジャスティングパイプ56は固定コア54の内周に圧入され、内部に燃料通路を形成している。内側付勢部材としての第2スプリング58は一端部でアジャスティングパイプ56に係止され、他端部で可動コア50に係止されている。アジャスティングパイプ56の圧入量を調整することにより、可動コア50に付勢する第2スプリング58の荷重が変更される。第2スプリング58の付勢力により可動コア50およびニードル30は弁座14に向けて付勢されている。言い換えると、第2スプリング58は可動コア50をニードル30の着座方向に付勢する付勢手段を構成する。
なお、本実施形態では、第2スプリング58による可動コア50を着座方向に付勢する所定荷重(以下、第2のセット荷重と呼ぶ)は、第1スプリングによる緩衝コア52を着座方向に付勢する第1のセット荷重よりも大きく形成されている。
さらになお、本実施形態では、図2に示すように、第1スプリング59および第2スプリング58は、磁性体52、可動コア50に対応して外周側、内周側に設けられ、内外に二重に配置されている。
さらなお、第1スプリング59は一端部で緩衝コア52(詳しくは第1スプリング支持用段差部52a)に係止され、他端部で固定コア54に係止されている。両端部を係止する部位は、図2に示すように緩衝コア52および固定コア54側に段差が形成されている。緩衝コア52および固定コア54側のいずれかに第1スプリング59を支持するための段差を設けるものであってもよい。
さらになお、本実施形態では、可動コア50には、図2に示すように、段差部50dの内周側に、第2スプリング58を支持するための第3の段差部(以下、第2スプリング支持用段差部と呼ぶ)50cが設けられている。この場合、第2スプリング支持用段差部50cが、第1スプリング支持用段差部52aを軸方向移動可能に収容していることが好ましい。これにより、緩衝コア52と可動コア50との軸方向の接離がスムースに行なえる。
さらになお、本実施形態では、第2スプリング支持用段差部50cと空間部用段差部50dは、第1スプリング支持用段差部52aを挟んで隣同士に配置されていることが好ましい。可動コア50が緩衝コア52(詳しくは第1スプリング支持用段差部52a)軸方向移動可能に支持するガイド長の確保が容易である。さらに、第2スプリング支持用段差部50cと空間部用段差部50dの各段差量に応じてガイド長の延長が図れる。
コイル60は樹脂製などのスプール(図示せず)に巻回されている。コイル60の端部は2つのターミナル(図示せず)として引出されている。ターミナルは、外部電源等からの電流をコイル60へ供給する。スプールは、筒部材40の外周に装着されている。なお、ここで、コイル60、スプール、ターミナルは、駆動コイルを構成している。コイル60に通電すると、可動コア50および緩衝コア52と固定コア54との間に磁気吸引力が働き、第1スプリング59および第2スプリング58の付勢力に抗して可動コア50は固定コア54側に吸引される。
なお、ここで、弁ボディ12とニードル30とは燃料の噴射を遮断および許容する弁部Bを構成する。弁部Bのうち、弁座14と当接部31はシート部を構成する。弁ボディ12(詳しくは、噴孔21)は燃料を微粒化し、噴霧を形成する燃料噴霧形成手段を構成する。コイル60、可動コア50、緩衝コア52、固定コア54、筒部材40、第2スプリング58、および第1スプリング59とは弁部Bを駆動する電磁駆動部Sを構成する。
上述の構成を有するインジェクタ2の作動について以下説明する。コイル60へ通電する(以下、インジェクタ2の開時と呼ぶ)と、コイル60には電磁力が生じる。可動コア50と緩衝コア52がほぼ一体(図3中の隙間G3=0)となって固定コア54に向けて引き付けられ、ニードル30が弁座から離座する。そして、図3に示すように、緩衝コア52が固定コア54と衝突する直前まで移動すると、緩衝コア52(詳しくは円板状部52b)と固定コアとの接触面積が比較的大きく形成されているので、円板状部52bと固定コアとの間に燃料スクイーズ力が増大し、緩衝コア52および可動コア50の衝突速度が低減される。その結果、緩衝コア52および可動コア50の衝突速度の低減により固定コア54へ衝突するときの反発力が緩和され、開弁バウンスが抑制または防止される。
なお、インジェクタ2は、図2に示す非通電状態における固定コア54と緩衝コア52とのエアギャップG1により、弁座14から離座方向に移動するニードル30のリフト量を制御し、弁部Bを開する。弁部Bは、内部燃料通路に流入した燃料を気筒に噴射する。
コイル60への電流供給が停止される(以下、インジェクタ2の閉時と呼ぶ)と、コイル60に生じていた電磁力が消失する。このとき、図4に示すように、互いに比較的大きな接触面積によって接触している固定コア54と緩衝コア52との間には大きなスクイーズ力が働き、固定コア54から緩衝コア52が離れる動作が遅れる。これに対して緩衝コア52と可動コア50(詳しくは空間部用段差部50d)は比較的小さな接触面積で接触しているので、接触面積に応じた小さなスクイーズ力が働くため、可動コア50は緩衝コア52と分離される(図4中の隙間G3がG3=0から所定隙間ΔG3に変化)。その結果、図4に示すように、可動コア50は緩衝コア52と分離して、可動コア50に協働するニードル30を着座方向に移動させ、従来に比べて比較的素早く閉弁させられる。
さらに、本実施形態では、可動コア50に付勢される第2のセット荷重を、緩衝コア52に付勢される第1のセット荷重よりも大きく形成しているので、閉弁のため電磁力を消失させる際に、固定コア54、緩衝コア52、および可動コア50に残磁が存在している場合であっても、可動コア50を、固定コア54および緩衝コア52から離れ易くすることができる。
なお、インジェクタ2は、ニードル30が第2スプリング58により着座方向に押付けられ、弁部Bが閉し、噴射を終了する。コイル60への通電期間を調整することにより、インジェクタ2から噴射される燃料噴霧の燃料噴射量が調節される。なお、燃料流入口部48の内孔を通じて流入した燃料は、固定コア54内の燃料通路、アジャスティングパイプ56内の燃料通路、緩衝コア52および可動コア50内の燃料通路、流出孔52、弁ボディ12の内周とニードル30の外周との間を順次通過する。さらに、ニードル30のリフトに応じて当接部31と弁座14との間に形成される開口流路を、燃料が通過し噴孔21に導かれる。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)可動コア50と固定コア54との間に、着座方向に付勢される緩衝コア52を設け、緩衝コア52(詳しくは円板状部52b)と固定コアとの接触面積が緩衝コア52と可動コア50(詳しくは空間部用段差部50d)との接触面積よりも大きく形成されているので、ニードル30の開弁時の場合には、可動コア50とともに固定コア54に引き付けられる緩衝コア52の固定コア54側の接触面積が比較的大きく形成される。これにより、緩衝コア52および可動コア50の衝突速度の低減により固定コア54へ衝突するときの反発力が緩和され、開弁バウンスが抑制または防止される。
一方、ニードル30の閉弁時の場合には、可動コア50とともに固定コア54から離れる緩衝コア52の可動コア50側の接触面積が比較的小さく形成されることで、可動コア50を固定コア54側から離れ易くすることができる。
したがって、開弁バウンスの抑制を図るとともに、閉弁応答性の向上を可能とする。
(2)なお、本実施形態では、可動コア50に付勢される第2のセット荷重を、緩衝コア52に付勢される第1のセット荷重よりも大きく形成しているので、閉弁のため電磁力を消失させる際に、固定コア54、緩衝コア52、および可動コア50に残磁が存在している場合であっても、可動コア50を、緩衝コア52から分離し、緩衝コア52および固定コア54から離れ易くすることができる。したがって、開弁バウンスの抑制を図るとともに、閉弁応答性の向上が確実に図れる。
(3)さらになお、本実施形態では、緩衝コア52に付勢される第1のセット荷重よりも可動コア50に付勢される第2のセット荷重を大きく形成する付勢力形成手段として、緩衝コア52および可動コア50は、内外二重に配置された外側付勢部材としての第1スプリング59、内側付勢部材としての第2スプリング58を設ける構造を有するので、閉弁応答性向上のための構造が比較的簡素に形成される。
(4)さらになお、本実施形態では、緩衝コア52は、内周側(詳しくは円板状部52bの内周側)に第1スプリング用段差部52aを有しており、第1スプリング用段差部52aは、第1スプリング59の座面を形成していることが好ましい。これにより、緩衝コア52の内周側の端部には段差を有しており、この段差で第1スプリング59の座面をなしているので、第1スプリング用段差部52aで第1スプリング59をガイドすることが可能である。そのため、スプリングの伸縮によるずれを防止することが可能であるので、可動コア50つまりニードル30の安定した作動が実現できる。
(5)さらになお、本実施形態では、緩衝コア52における固定コア54との接触面積を可動コア50との接触面積よりも大きく形成する形成手段として、可動コア50の外周側に空間部用段差部50dを設け、この空間部用段差部50dで可動コア50と緩衝コア52との空間部G2を形成する構造を有するので、緩衝コア52および可動コア50の形状を複雑にする必要はない。したがって、ニードル30に協働する可動コア50と固定コア54とを電磁吸引力の発生および消失に応じて引き付け、引き離すものにおいて、開弁バウンスの抑制を図るとともに、閉弁応答性の向上が図れる構造の簡素化が図れる。
(その他の実施形態)
以上説明した本実施形態において、直噴エンジン用のインジェクタ2として説明したが、直噴エンジンのように気筒内の燃焼室に燃料を直接噴射供給するものに限らず、吸気管等に噴射することで燃焼室に間接的に噴射供給するものであってもよい。
以上説明した本実施形態では、弁部Bを構成する弁ボディ12に、噴霧形成手段としての噴孔21が配置されているものとして説明したが、弁ボディ12に噴霧形成手段を有するものに限らず、弁ボディの底部に配置され、噴霧形成手段を有する噴孔プレートを備えるインジェクタであってもよい。
本発明の実施形態の燃料噴射弁の構成を示す断面図である。 図1中の可動コアおよび固定コア周りを示す部分的断面図である。 本発明の実施形態の燃料噴射弁における燃料噴射のための開閉過程を示す模式図であって、図2中の可動コア、磁性体、および固定コアの開弁時における作動状態を示す部分的断面図である。 本発明の実施形態の燃料噴射弁における燃料噴射のための開閉過程を示す模式図であって、図2中の可動コア、磁性体、および固定コアの閉弁時における作動状態を示す部分的断面図である。 図1の燃料噴射弁内の燃料経路を示す断面図である。
符号の説明
2 インジェクタ(燃料噴射弁)
12 弁ボディ
14 弁座
21 噴孔
30 ニードル(弁部材)
31 当接部
40 筒部材
42 第1磁性筒部
44 非磁性筒部
46 第2磁性筒部
50 可動コア
50b 円筒状部(本体部)
50c 第2スプリング支持用段差部(第3の段差部)
50d 空間部用段差部(第2の段差部)
52 緩衝コア(磁性体)
52a 第1スプリング支持用段差部(第1の段差部)
52b 円板状部(本体部)
54 固定コア
58 第2スプリング(内側付勢部材、付勢力手段)
59 第1スプリング(外側付勢部材、付勢力手段)
60 コイル
B 弁部
S 電磁駆動部

Claims (4)

  1. 弁座に着座および離座する弁部材と、
    前記弁部材に協働して着座方向および離座方向に移動する可動コアと、
    前記可動コアを着座方向に付勢する付勢力に抗して磁気吸引する固定コアと、
    前記可動コアを前記固定コアに磁気吸引するための電磁力を発生するコイルとを備え、
    前記電磁力の発生および消失により前記可動コアと前記固定コアとを引き付け、引き離す燃料噴射弁において、
    前記可動コアと前記固定コアとの間に、着座方向に付勢される磁性体を設け、
    前記磁性体は、前記可動コアの前記固定コアと対向する部位の全部を覆う円板状部を有し、
    前記磁性体と前記固定コアとの接触面積を、
    前記磁性体と前記可動コアとの接触面積よりも大きく形成し、
    前記磁性体に付勢される第1のセット荷重よりも、前記可動コアに付勢される第2のセット荷重を大きくしていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記磁性体および前記可動コアには、内外二重に配置された外側付勢部材、内側付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記磁性体は、内周側に第1の段差部を有し、
    前記第1の段差部は、前記外側付勢部材の座面を形成していることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記可動コアは、外周側に第2の段差部を有し、
    前記第2の段差部は、前記可動コアと前記磁性体との空間部を形成していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
JP2004275846A 2004-09-22 2004-09-22 燃料噴射弁 Expired - Fee Related JP4239942B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004275846A JP4239942B2 (ja) 2004-09-22 2004-09-22 燃料噴射弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004275846A JP4239942B2 (ja) 2004-09-22 2004-09-22 燃料噴射弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006090191A JP2006090191A (ja) 2006-04-06
JP4239942B2 true JP4239942B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=36231415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004275846A Expired - Fee Related JP4239942B2 (ja) 2004-09-22 2004-09-22 燃料噴射弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4239942B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5293230B2 (ja) * 2009-01-30 2013-09-18 株式会社デンソー 燃料噴射弁
FR2953268B1 (fr) 2009-12-02 2012-04-06 Bosch Gmbh Robert Soupape electromagnetique de commande d'un injecteur ou de regulation de pression d'un accumulateur de carburant a haute pression
JP5835421B2 (ja) * 2010-10-05 2015-12-24 株式会社デンソー 燃料噴射弁
JP6101610B2 (ja) * 2013-09-24 2017-03-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 電磁式燃料噴射弁

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58169285U (ja) * 1982-05-07 1983-11-11 エスエムシ−株式会社 電磁弁
DE19948238A1 (de) * 1999-10-07 2001-04-19 Bosch Gmbh Robert Brennstoffeinspritzventil
JP3882892B2 (ja) * 2001-11-07 2007-02-21 株式会社デンソー 燃料噴射装置
JP2003269289A (ja) * 2002-03-14 2003-09-25 Hitachi Ltd 電磁式燃料噴射弁およびその駆動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006090191A (ja) 2006-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5857878B2 (ja) 電磁弁
JP2013199924A (ja) 燃料噴射弁
US7458531B2 (en) Fuel injection valve
JP2012172594A (ja) 燃料噴射装置
JP5262972B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2010216344A (ja) 燃料噴射弁
WO2018037748A1 (ja) 燃料噴射弁
JP2010138886A (ja) 燃料噴射弁
JP2013167194A (ja) 燃料噴射弁
JP2009103080A (ja) 燃料噴射弁
JP6264966B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2017160862A (ja) 燃料噴射装置
JP4239942B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4259466B2 (ja) 電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁
JP6233481B2 (ja) 燃料噴射弁
US20050056712A1 (en) Fuel injection valve
JP2007154855A (ja) 燃料噴射弁
JP6658601B2 (ja) 電磁アクチュエータ
JP5708092B2 (ja) インジェクタ
JP2011069292A (ja) 燃料噴射弁
JP4134956B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2009257511A (ja) 電磁アクチュエータ
JP4045863B2 (ja) 電磁弁
JP4367385B2 (ja) 内燃機関用燃料噴射装置
JP3928162B2 (ja) 燃料噴射弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081215

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4239942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees