JP2013167194A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃圧に関わらず燃料噴射量を正確に制御することができる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】噴孔5aを開閉するニードル弁6と、ニードル弁6と一体となった固定アーマチャ13と、ニードル弁6を閉弁方向に付勢するメインスプリング11と、段差部14bを有する可動アーマチャ14と、開弁方向に可動アーマチャ14を付勢するサブスプリング12と、電磁コイル18の励磁により固定アーマチャ13および可動アーマチャ14の少なくともいずれか一方を吸引するコア7とを備えた燃料噴射弁1は、コア7が、軸方向で固定アーマチャ13と間隔D1を隔てて対向する第1対向部16aと、軸方向で可動アーマチャ14と間隔D2を隔てて対向する第2対向部17aとを有し、電磁コイル18の非励磁状態において間隔D1が間隔D2よりも大きい構成を有する。
【選択図】図2
【解決手段】噴孔5aを開閉するニードル弁6と、ニードル弁6と一体となった固定アーマチャ13と、ニードル弁6を閉弁方向に付勢するメインスプリング11と、段差部14bを有する可動アーマチャ14と、開弁方向に可動アーマチャ14を付勢するサブスプリング12と、電磁コイル18の励磁により固定アーマチャ13および可動アーマチャ14の少なくともいずれか一方を吸引するコア7とを備えた燃料噴射弁1は、コア7が、軸方向で固定アーマチャ13と間隔D1を隔てて対向する第1対向部16aと、軸方向で可動アーマチャ14と間隔D2を隔てて対向する第2対向部17aとを有し、電磁コイル18の非励磁状態において間隔D1が間隔D2よりも大きい構成を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関に用いられる燃料噴射弁に関する。
従来から燃料噴射弁の噴射率特性を噴射経過時間に応じて変化させることにより燃料の着火、燃焼特性を向上させ、機関騒音の低減と排ガス性能の改善を図った内燃機関が知られている。このような内燃機関に用いられる燃料噴射弁は、燃料圧力(以下、燃圧という)が比較的低い噴射初期にはノズル孔を開閉するニードルのリフト量を小さくして少量の燃料を噴射する初期噴射を行い、その後に燃圧が十分に上昇した状態でニードルのリフト量を大きくして大量の燃料を噴射する主燃料噴射を行うようにしている。
この種の燃料噴射弁として、燃圧によりノズル内を開弁方向に押動されてノズル孔を開口させるニードルと、同ニードルを閉弁方向に付勢する第1のばねと、ニードルから初期リフト量だけ離隔した位置にストッパにより保持された押棒と、同押棒をニードルの閉弁方向に押圧付勢する第2のばねとを備え、ニードルが開弁方向移動時に押棒に当接するまでは第1のばねによる反力を受け、押棒に当接した後は第1および第2のばねの両方の反力を受けるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の燃料噴射弁では、燃圧上昇時、ニードルが燃圧により第1のばねの反力に抗して押棒に当接するまで開弁方向に移動する。これにより初期噴射が行われる。その後、さらに燃圧が上昇すると、ニードルが第2のばねの反力に抗して押棒を押し上げ、開弁方向に大きく移動する。これにより主燃料噴射が行われる。このように、上記燃料噴射弁では、燃圧の上昇度合いに応じてニードルのリフト量を初期リフト位置と高リフト位置とに制御し、二段階の燃料噴射を可能としたものである。
しかしながら、上述のような従来の燃料噴射弁にあっては、燃圧によりニードルのリフト量を制御するものであるため、ニードルを閉弁方向に付勢するばねの荷重と燃圧との均衡を維持することが困難である。このため、ニードルの初期リフト位置と高リフト位置とがそれぞれ正規の位置からずれるおそれがあり、燃料噴射制御における誤差が大きくなるおそれがあるという問題があった。
また、燃圧が低い場合には、高リフト位置にニードルを移動させることができず燃料噴射量が足りなくなってしまうおそれがある。さらに、燃圧が高い場合には、初期リフト位置にニードルを位置させることが困難であり、初期リフト位置に応じた燃料噴射量に制御することが困難である。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、燃圧に関わらず燃料噴射量を正確に制御することができる燃料噴射弁を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料噴射弁は、上記目的達成のため、(1)先端部に噴孔を有する弁ボディと、前記弁ボディ内に収容され、前記噴孔を開閉するニードル弁と、前記ニードル弁と一体となった固定アーマチャと、前記ニードル弁を閉弁方向に第1の付勢力で付勢する第1付勢部材と、前記弁ボディ内に収容され、前記固定アーマチャに閉弁方向側から当接する段差部を有する可動アーマチャと、前記閉弁方向と逆方向の開弁方向に前記第1の付勢力よりも小さい第2の付勢力で前記可動アーマチャを付勢する第2付勢部材と、電磁コイルを有するとともに前記固定アーマチャおよび前記可動アーマチャに対して開弁方向側に設けられ、前記電磁コイルの励磁により前記固定アーマチャおよび前記可動アーマチャの少なくともいずれか一方を吸引するコアと、を備え、前記コアは、前記ニードル弁の軸方向で前記固定アーマチャと第1の間隔を隔てて対向する第1対向部と、前記軸方向で前記可動アーマチャと第2の間隔を隔てて対向する第2対向部とを有し、前記電磁コイルの非励磁状態において前記第1の間隔が前記第2の間隔よりも大きい構成を有する。
この構成により、本発明に係る燃料噴射弁は、電磁コイルの非励磁状態においてコアの第1対向部と固定アーマチャとの間の第1の間隔を、コアの第2対向部と可動アーマチャとの間の第2の間隔よりも大きく設定した。このため、電磁コイルへの通電により可動アーマチャが第2対向部を介してコアに吸引され固定アーマチャを押し上げると、固定アーマチャが第1対向部に当接する前に可動アーマチャが第2対向部に当接し、ニードル弁を小リフト量だけ移動した小リフト位置で一旦停止させることができる。このときの燃料噴射量は、ニードル弁の小リフト量に応じて少量となる。その後、電磁コイルへの通電量を増大させると、第1付勢部材の第1の付勢力に抗して固定アーマチャのみが第1対向部を介してコアに吸引される。これにより、固定アーマチャが第1対向部に当接し、ニードル弁を大リフト量に応じた大リフト位置で停止させることができる。
このように、本発明に係る燃料噴射弁は、電磁コイルへの通電量を制御するだけでニードル弁を小リフト位置、大リフト位置のいずれかに位置させることが可能である。このため、燃圧が高い場合でもニードル弁を小リフト位置に制御でき、高燃圧時に微小噴射を行うことができる。また、これとは逆に燃圧が低い場合でもニードル弁を大リフト位置に制御でき、低燃圧時に燃料噴射量の増量を行うことができる。
したがって、本発明に係る燃料噴射弁は、燃圧に関わらず燃料噴射量を正確に制御することができる。
本発明に係る燃料噴射弁は、上記(1)に記載の燃料噴射弁において、(2)前記段差部の表面および前記段差部に対向する前記固定アーマチャの対向面の少なくともいずれか一方に、非磁性部材を設けた構成を有する。
この構成により、本発明に係る燃料噴射弁は、可動アーマチャの段差部の表面および固定アーマチャの対向面の少なくともいずれか一方に非磁性部材を設けたので、電磁コイルへの通電量が増大した場合でも固定アーマチャが可動アーマチャに張り付くことがない。したがって、電磁コイルへの通電量増大時に固定アーマチャの移動が妨げられることを防止することができる。
本発明によれば、燃圧に関わらず燃料噴射量を正確に制御することができる燃料噴射弁を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る燃料噴射弁1は、例えば直噴式のガソリンエンジンに適用される。燃料噴射弁1は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、ポート噴射式のガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンなどに適用してもよい。
直噴式のガソリンエンジンに燃料噴射弁1を適用する場合、燃料噴射弁1は図示しないエンジンのシリンダヘッドに搭載される。燃料噴射弁1から噴射される燃料の圧力(以下、単に燃圧という)は、例えば1MPa以上、所定の燃圧(例えば、30MPa)以下に設定されている。本実施の形態のように直噴式のガソリンエンジンに燃料噴射弁1を適用する場合、燃圧は例えば10MPa程度である。
燃料噴射弁1は、ケース2と、アダプタ3と、ホルダ4と、バルブシート5と、ニードル弁6と、コア7と、磁気ケース8とを含んで構成されている。
ケース2は、筒状に形成され、内部にコア7、アジャスタパイプ9およびメインスプリング11等が収容されている。ケース2の軸方向の両端には、アダプタ3およびホルダ4がそれぞれ連結されている。
アダプタ3は、筒状に形成され、一方の端部がケース2の内周側に圧入されている。アダプタ3の他方の端部には、燃料入口3aが設けられている。図示しない燃料タンク内の燃料は、燃料ポンプにより圧送され、燃料入口3aを介して燃料噴射弁1に供給されるようになっている。燃料入口3aには、燃料に含まれる異物を除去するためのフィルタ部材3bが設けられている。
ホルダ4は、筒状に形成され、一方の端部がケース2に連結されている。ホルダ4の他方の端部には、バルブシート5が取り付けられている。また、ホルダ4の内部には、ニードル弁6が収容されている。
バルブシート5は、例えば炭素鋼などの金属材料によって有底筒状に形成され、底部を燃料噴射弁1の先端部としてホルダ4の内周側に圧入あるいは溶接等により固定されている。バルブシート5の底部すなわち先端部には、燃料を噴射するための噴孔5aが形成されている。噴孔5aの数および形状は、特に本実施の形態に示した数および形状に限らず、任意の数および種々の形状を採用することができる。
噴孔5aの周りには、後述するニードル弁6のシール部6aが着座可能な弁座部5b(図2(a)参照)が設けられている。バルブシート5は、その内部にニードル弁6の先端部を収容するとともに、該ニードル弁6を軸方向に摺動可能に支持するようになっている。本実施の形態に係るホルダ4およびバルブシート5は、本発明に係る弁ボディを構成する。
ニードル弁6は、ホルダ4およびバルブシート5の内部に収容され、軸方向に往復動可能に構成されている。ニードル弁6の先端部には、バルブシート5の噴孔5aをシール可能なシール部6aが形成されている。シール部6aは、先端に向かうに従い徐々に縮径する形状となっている。シール部6aの形状は、特に本実施の形態に示した形状に限らず、種々の形状を採用することができる。
ニードル弁6は、弁座部5b(図2(a)参照)に対してシール部6aを着座あるいは離隔させることにより、噴孔5aを開閉可能としている。シール部6aが弁座部5bから離隔した際には、弁座部5bとシール部6aとの間には、燃料が流れる燃料通路が形成される。この燃料通路の流路面積は、ニードル弁6の軸方向への移動量に応じて変更可能である。したがって、後述するように、燃料噴射弁1は、燃料通路を介して噴孔5aから噴射される燃料の流量、すなわち単位時間当たりの燃料噴射量を可変とすることが可能である。
ニードル弁6と同軸上で、かつニードル弁6から所定距離だけアダプタ側に離隔した位置には、アジャスタパイプ9が設けられている。アジャスタパイプ9は、コア7の内方に収容されている。
このアジャスタパイプ9とニードル弁6との間には、メインスプリング11が配置されている。メインスプリング11は、ニードル弁6を閉弁方向(図1中、矢印A方向)に付勢力F1で付勢している。本実施の形態に係るメインスプリング11は、本発明に係る第1付勢部材を構成し、付勢力F1は、本発明における第1の付勢力に相当する。
また、ニードル弁6の先端部と反対側の端部(基端部)には、ニードル弁6と一体となった円筒状の固定アーマチャ13が設けられている。固定アーマチャ13には、ニードル弁6の基端部が圧入されている。これにより、固定アーマチャ13とニードル弁6とが一体となる。なお、固定アーマチャ13は、ニードル弁6のアジャスタパイプ側上部に固定される構成であってもよい。
さらに、ニードル弁6とホルダ4との間には、可動アーマチャ14が介装されている。可動アーマチャ14は、軸方向に摺動可能にホルダ4の内部に収容されている。また、可動アーマチャ14には、ニードル弁6が挿通される挿通孔14aが形成されている。したがって、ニードル弁6は、挿通孔14a内を軸方向に移動可能とされる。さらに、可動アーマチャ14は、固定アーマチャ13に閉弁方向側から当接する段差部14bを有している。
可動アーマチャ14とホルダ4との間には、サブスプリング12が配置されている。サブスプリング12は、閉弁方向と逆方向の開弁方向(図1中、矢印B方向)に付勢力F2で可動アーマチャ14を付勢するようになっている。サブスプリング12の付勢力F2は、上述のメインスプリング11の付勢力F1よりも小さく設定されている。したがって、後述する電磁コイル18の非励磁状態では、メインスプリング11がサブスプリング12の付勢力に打ち勝ち、ニードル弁6を閉弁方向に押圧している。このとき、噴孔5aは、ニードル弁6のシール部6aによってシールされている。
コア7は、ニードル弁6を電磁的に駆動する電磁駆動部としての機能を有する。コア7は、固定アーマチャ13および可動アーマチャ14に対して開弁方向側に設けられるとともに、ケース2の内部に収容されている。
コア7は、それぞれ軸方向に長尺な内コア部材16、外コア部材17を有している。これら内コア部材16および外コア部材17は、例えば鉄などの磁性材料により筒状に形成されている。また、コア7は、ケース2を挟んで外コア部材17の外周側に電磁コイル18を有している。電磁コイル18は、コネクタ19の端子と電気的に接続されている。
外コア部材17は、ケース2の内周側に例えば圧入等により固定されている。内コア部材16は、外コア部材17の内周側に固定されている。また、これら内コア部材16および外コア部材17は、外コア部材17の可動アーマチャ側の一端が内コア部材16の固定アーマチャ側の一端よりも閉弁方向に突出するよう、その位置関係が規定されている。なお、内コア部材16および外コア部材17は、一体形成されていてもよい。
外コア部材17は、電磁コイル18の励磁により可動アーマチャ14を吸引(磁気吸引)するようになっている。一方、内コア部材16は、電磁コイル18の励磁により固定アーマチャ13を磁気吸引するようになっている。これら内コア部材16および外コア部材17の磁気吸引力は、電磁コイル18の通電量に依存するものであり、例えば通電量が小さいに場合には外コア部材17のみに磁気吸引力を発生させることが可能である。あるいは、外コア部材17に内コア部材16よりも大きな磁気吸引力を発生させることができる。これに対して、通電量を大きくすると、外コア部材17に加えて内コア部材16に磁気吸引力を発生させることができる。このように本実施の形態に係るコア7は、電磁コイル18の通電量に応じて、固定アーマチャ13および可動アーマチャ14の少なくともいずれか一方を磁気吸引するようになっている。
また、内コア部材16は、ニードル弁6の軸方向で固定アーマチャ13と間隔D1(図2(a)参照)を隔てて対向する第1対向部16aを有している。
一方、外コア部材17は、ニードル弁6の軸方向で可動アーマチャ14と間隔D2(図2(a)参照)を隔てて対向する第2対向部17aを有している。
ここで、上記間隔D1と間隔D2との関係は、図2(a)に示す通りであり、具体的には、電磁コイル18の非励磁状態すなわちニードル弁6の閉弁状態において、間隔D1が間隔D2よりも大きく設定されている。これら間隔D1、D2は、電磁コイル18が励磁されると、電磁コイル18への通電量に応じて変化するようになっている。例えば、電磁コイル18の通電量が小さいときには、図2(b)に示すように、間隔D2が0になるとともに間隔D1が図2(a)に示す場合と比較して小さくなる。また、電磁コイル18の通電量が大きいときには、図2(c)に示すように、間隔D1、D2ともに0となる。
磁気ケース8は、磁性体から形成され、電磁コイル18を覆うようにしてケース2およびホルダ4に取り付けられている。
次に、図2(a)〜図2(c)および図3(a)、(b)を参照して、本実施の形態に係る燃料噴射弁1の作用について説明する。
まず、本実施の形態に係る燃料噴射弁1は、以下に説明する通り、電磁コイル18への通電量を増減させることでニードル弁6のリフト量を大小、二段階に可変可能としている。リフト量は、弁座部5bに対するシール部6aの離隔量であり、ニードル弁6の軸方向移動量によって定まる。
図2(a)に示すように、電磁コイル18の非励磁状態では、内コア部材16および外コア部材17のいずれにも磁気吸引力が作用していない。このため、ニードル弁6は、メインスプリング11により閉弁方向に押圧され、シール部6aが弁座部5bに当接して噴孔5aをシールしている。これにより、燃料噴射弁1は、燃料噴射量を0とする閉弁状態をとる。
次いで、図3(a)に示すように、細実線で示す電流パターンAで電流を電磁コイル18に流す。電流パターンAでは、通電初期の電流値Iを小さくしている。これにより、図2(b)に示すように、電磁コイル18に流れる電流に応じて外コア部材17に磁気吸引力が発生する。このため、可動アーマチャ14が上記磁気吸引力によって外コア部材17に磁気吸引され、外コア部材17の第2対向部17aに当接するまで開弁方向(図1中、矢印Bで示す方向)に移動する。
このとき、段差部14bに当接している固定アーマチャ13は、可動アーマチャ14の移動量と同一移動量だけ開弁方向に移動する。ここで、仮に内コア部材16に磁気吸引力が発生していたとしても、このときの内コア部材16の磁気吸引力はメインスプリング11の付勢力F1よりも小さいため、固定アーマチャ13が可動アーマチャ14から離隔して内コア部材16に磁気吸引されることはない。
したがって、ニードル弁6は、メインスプリング11の付勢力F1に抗して固定アーマチャ13の移動量分だけ軸方向に移動し、弁座部5bに対してシール部6aが離隔する。このときのシール部6aの離隔量を小リフト量L1とし、この小リフト量L1に応じたニードル弁6の停止位置を小リフト位置とする。この結果、弁座部5bとシール部6aとの間には、小リフト量L1に応じた燃料通路が形成される。ここで、小リフト量L1は、上述した間隔D2と同一である。
また、このときの燃料噴射率q(mm3/ms)は、図3(b)に細実線で示すように低い値となる。つまり、燃料通路からは小リフト量L1に応じて少量の燃料が噴射される。なお、図3(b)に示す細実線および太実線は、それぞれ燃料噴射の指令信号に応じた各電流パターンA、Bにおける燃料噴射率q(mm3/ms)である。また、燃料噴射率q(mm3/ms)は、単位時間当たりの燃量噴射量を示している。
次いで、図2(b)に示す状態から電磁コイル18に流す電流を増大させる。すなわち、図3(b)に示す通り、電流パターンAよりも通電初期の電流値Iを増加させた電流パターンBで電磁コイル18に電流を流す。これにより、図2(c)に示すように、電磁コイル18に流れる電流に応じて外コア部材17に加えて内コア部材16にも比較的大きな磁気吸引力が発生する。
このとき、可動アーマチャ14は、外コア部材17の第2対向部17aに当接しているため、これ以上の開弁方向への移動が規制されている。したがって、固定アーマチャ13のみが上記磁気吸引力によって内コア部材16に磁気吸引され、内コア部材16の第1対向部16aに当接するまで開弁方向に移動する。これにより、ニードル弁6は、メインスプリング11の付勢力F1に抗してさらに軸方向に移動し、弁座部5bに対するシール部6aの離隔量が大きくなる。このときのシール部6aの離隔量を大リフト量L2とし、この大リフト量L2に応じたニードル弁6の停止位置を大リフト位置とする。大リフト量L2は、上述した間隔D1と同一であり、小リフト量L1よりも大きい値となる。この結果、弁座部5bとシール部6aとの間には、大リフト量L2に応じた燃料通路が形成される。
また、このときの燃料噴射率q(mm3/ms)は、図3(b)に太実線で示すように電流パターンAにおける燃料噴射率よりも高い値となる。つまり、燃料通路からは大リフト量L2に応じて大量の燃料が噴射される。
このように、本実施の形態に係る燃料噴射弁1では、電磁コイル18への通電量、詳しくは通電初期の電流を増減させることで、ニードル弁6のリフト量を小リフト量L1または大リフト量L2のように二段階に可変することが可能となる。
ところで、電磁コイル18への通電量を増大させると、固定アーマチャ13が可動アーマチャ14や外コア部材17に張り付き、固定アーマチャ13の開弁方向への移動が妨げられるおそれがある。そこで、本実施の形態では、可動アーマチャ14や外コア部材17への固定アーマチャ13の張り付きを防止する観点から、図4(a)に示すように同張り付きが生じ得る箇所に非磁性部材を設けるようにした。なお、このような張り付きが懸念されない場合には、非磁性部材を設けなくともよい。
具体的には、図4(a)に示すように、段差部14bの表面に非磁性部材21を設け、かつ固定アーマチャ13に対向する外コア部材17の内周面に非磁性部材22を設けた。非磁性部材21、22としては、非鉄の軽金属、樹脂材料等の非磁性材料を用いることができる。また、非磁性部材21、22の設置例としては、例えば非磁性材料を貼り付けたり、非磁性材料を溶射等により非磁性膜として形成することができる。これにより、電磁コイル18への通電量が増大した場合でも固定アーマチャ13が可動アーマチャ14や外コア部材17に張り付くことがない。したがって、電磁コイル18への通電量増大時に固定アーマチャ13の移動が妨げられることを防止することができる。なお、必要に応じて非磁性部材21、22のいずれか一方のみを設けてもよい。
また、図4(b)に示すように、段差部14bに対向する固定アーマチャ13の対向面13aおよび外コア部材17の内周面に対向する外周面13bを覆うように、非磁性部材31を設けてもよい。この場合であっても上記と同様の効果を得ることができる。なお、必要に応じて対向面13aおよび外周面13bのいずれか一方にのみ非磁性部材31を設けるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る燃料噴射弁1は、電磁コイル18の非励磁状態(図2(a)参照)において内コア部材16の第1対向部16aと固定アーマチャ13との間の間隔D1を、外コア部材17の第2対向部17aと可動アーマチャ14との間の間隔D2よりも大きく設定した。このため、電磁コイル18への通電により可動アーマチャ14が外コア部材17に磁気吸引され固定アーマチャ13を開弁方向に押し上げると、固定アーマチャ13が第1対向部16aに当接する前に可動アーマチャ14が第2対向部17aに当接する。これにより、ニードル弁6を小リフト量L1だけ移動した小リフト位置で一旦停止させることができる。このときの燃料噴射量は、ニードル弁6の小リフト量L1に応じて少量となる。
その後、電磁コイル18への通電量を増大させると、メインスプリング11の付勢力F1に抗して固定アーマチャ13のみが内コア部材16に磁気吸引される。これにより、固定アーマチャ13が第1対向部16aに当接し、ニードル弁6を大リフト量L2に応じた大リフト位置で停止させることができる。
このように、本実施の形態に係る燃料噴射弁1は、電磁コイル18への通電量を制御するだけでニードル弁6を小リフト位置、大リフト位置のいずれかに位置させることが可能である。このため、燃圧が高い場合でもニードル弁6を小リフト位置に制御でき、高燃圧時に微小噴射を行うことができる。また、これとは逆に燃圧が低い場合でもニードル弁6を大リフト位置に制御でき、低燃圧時に燃料噴射量の増量を行うことができる。
したがって、本実施の形態に係る燃料噴射弁1は、燃圧に関わらず燃料噴射量を正確に制御することができる。
なお、コア7および可動アーマチャ14の形状としては、図5(a)、(b)に示す形状を採用してもよい。
図5(a)に示す例は、内コア部材および外コア部材を一体形成したコア7を用いるとともに、本実施の形態と比較して可動アーマチャ14を軸方向に延長した形状としたものである。コア7の閉弁方向下面(本実施の形態における第1対向部16aおよび第2対向部17aに相当)が一様な平面とされる。また、非磁性部材21は、段差部14bにのみ設けた。
また、図5(b)に示す例は、内コア部材および外コア部材を一体形成したコア7を用いるとともに、図5(a)に示す例よりも可動アーマチャ14をさらに軸方向に延長した形状としたものである。これに伴い、本実施の形態に係る間隔D1と間隔D2との関係を保持すべく、コア7の閉弁方向下面に段差を形成した。また、非磁性部材21は、段差部14bに設けた。さらに、非磁性部材22は、可動アーマチャ14に対向するコア7の外周面に設けた。
これら図5(a)、(b)のいずれに示す例であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、図5(a)、(b)のいずれに示す例において、コア7は、内コア部材と外コア部材とに分割したものを用いてもよい。
以上説明したように、本発明に係る燃料噴射弁は、燃圧に関わらず燃料噴射量を正確に制御することができ、内燃機関に用いられる燃料噴射弁に有用である。
1 燃料噴射弁
4 ホルダ(弁ボディ)
5 バルブシート(弁ボディ)
5a 噴孔
6 ニードル弁
7 コア
11 メインスプリング(第1付勢部材)
12 サブスプリング(第2付勢部材)
13 固定アーマチャ
13a 対向面
13b 外周面
14 可動アーマチャ
14b 段差部
16 内コア部材
16a 第1対向部
17 外コア部材
17a 第2対向部
18 電磁コイル
21、22、31 非磁性部材
D1、D2 間隔
L1 小リフト量
L2 大リフト量
4 ホルダ(弁ボディ)
5 バルブシート(弁ボディ)
5a 噴孔
6 ニードル弁
7 コア
11 メインスプリング(第1付勢部材)
12 サブスプリング(第2付勢部材)
13 固定アーマチャ
13a 対向面
13b 外周面
14 可動アーマチャ
14b 段差部
16 内コア部材
16a 第1対向部
17 外コア部材
17a 第2対向部
18 電磁コイル
21、22、31 非磁性部材
D1、D2 間隔
L1 小リフト量
L2 大リフト量
Claims (2)
- 先端部に噴孔を有する弁ボディと、
前記弁ボディ内に収容され、前記噴孔を開閉するニードル弁と、
前記ニードル弁と一体となった固定アーマチャと、
前記ニードル弁を閉弁方向に第1の付勢力で付勢する第1付勢部材と、
前記弁ボディ内に収容され、前記固定アーマチャに閉弁方向側から当接する段差部を有する可動アーマチャと、
前記閉弁方向と逆方向の開弁方向に前記第1の付勢力よりも小さい第2の付勢力で前記可動アーマチャを付勢する第2付勢部材と、
電磁コイルを有するとともに前記固定アーマチャおよび前記可動アーマチャに対して開弁方向側に設けられ、前記電磁コイルの励磁により前記固定アーマチャおよび前記可動アーマチャの少なくともいずれか一方を吸引するコアと、を備え、
前記コアは、前記ニードル弁の軸方向で前記固定アーマチャと第1の間隔を隔てて対向する第1対向部と、前記軸方向で前記可動アーマチャと第2の間隔を隔てて対向する第2対向部とを有し、
前記電磁コイルの非励磁状態において前記第1の間隔が前記第2の間隔よりも大きいことを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記段差部の表面および前記段差部に対向する前記固定アーマチャの対向面の少なくともいずれか一方に、非磁性部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
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