JP4577654B2 - 電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁 - Google Patents

電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁 Download PDF

Info

Publication number
JP4577654B2
JP4577654B2 JP2005366148A JP2005366148A JP4577654B2 JP 4577654 B2 JP4577654 B2 JP 4577654B2 JP 2005366148 A JP2005366148 A JP 2005366148A JP 2005366148 A JP2005366148 A JP 2005366148A JP 4577654 B2 JP4577654 B2 JP 4577654B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
fixed core
movable core
notch
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005366148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006250144A (ja
Inventor
幸一 杉山
辰介 山本
隆幸 外尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005366148A priority Critical patent/JP4577654B2/ja
Priority to US11/349,283 priority patent/US7819380B2/en
Priority to DE102006000059A priority patent/DE102006000059A1/de
Publication of JP2006250144A publication Critical patent/JP2006250144A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4577654B2 publication Critical patent/JP4577654B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F7/00Magnets
    • H01F7/06Electromagnets; Actuators including electromagnets
    • H01F7/08Electromagnets; Actuators including electromagnets with armatures
    • H01F7/16Rectilinearly-movable armatures
    • H01F7/1607Armatures entering the winding
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F3/00Cores, Yokes, or armatures
    • H01F3/10Composite arrangements of magnetic circuits
    • H01F3/14Constrictions; Gaps, e.g. air-gaps
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F7/00Magnets
    • H01F7/06Electromagnets; Actuators including electromagnets
    • H01F7/08Electromagnets; Actuators including electromagnets with armatures
    • H01F7/081Magnetic constructions

Description

本発明は、電磁駆動装置およびこれを用いた内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)の燃料噴射弁に関する。
例えば燃料噴射弁あるいは圧力制御弁などのように、コイルに電力を供給することにより可動部材を駆動する電磁駆動装置が公知である。電磁駆動装置は、固定コアと、コイルへの通電時に固定コアとの間に生じる磁気吸引力によって固定コアに吸引される可動コアとを備えている。電磁駆動装置の可動部材は、可動コアとともに駆動される。
固定コアと可動コアとは、コイルへの通電の断続によって衝突を繰り返す。そのため、固定コアおよび可動コアは、互いが対向する端部に所定の接触面積を確保するための円筒状またはテーパ状の段差部を有している(特許文献1参照)。また、固定コアおよび可動コアの互いが対向する端部には、衝突による摩耗および変形を低減するための硬化層が形成される。
特表平8−506877号公報
特許文献1では、固定コアまたは可動コアの周方向の全周に連続して段差部が形成されている。このような構成では、固定コアと可動コアとが接しているとき、固定コアと可動コアとの間には燃料が侵入する。固定コアと可動コアとの間に侵入した燃料は、その表面張力によって、固定コアと可動コアとが離間するとき、離間を妨げる力いわゆるスクイズ力を生じる。固定コアと可動コアとの間にスクイズ力が生じると、離間時における可動コアの作動応答性は低下する。
また、固定コアと可動コアとが衝突を繰り返すと、固定コアと可動コアとの間に衝突摩耗によるなじみが生じる。なじみは固定コアおよび可動コアの互いに対向する端部の変形によって生じ、なじみによって固定コアと可動コアとの接触面積は増大する。そのため、期間の経過とともに、固定コアと可動コアとの間に加わるスクイズ力は増加する。その結果、固定コアと可動コアとの離間時における作動応答性は、作動期間の経過とともに変化するという問題がある。
さらに、固定コアおよび可動コアの端部の変形を防止するために形成される硬化層は、例えば硬質クロムめっきなどにより形成される。そのため、固定コアおよび可動コアの加工後にめっき工程を必要とし、加工工数の増大を招くという問題がある。
また、硬質クロムめっきなどによる硬化層を設けても衝突部の加工精度や、硬化層の均一性などにより、固定コアと可動コアの端部は初期には全面で接触せず衝突摩耗によるなじみにより接触面積が次第に増加し、作動応答性が悪化するという問題もある。
そこで、本発明の目的は、作動応答性が高く、かつ作動応答性の経時的な変化が低減されるとともに、加工が容易な電磁駆動装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、燃料噴射量が精密に制御されるとともに、燃料噴射量の変化が低減される燃料噴射弁を提供することにある。
請求項1から記載の発明では、固定コアの可動コア側の端部または可動コアの固定コア側の端部の少なくともいずれか一方は、固定コアまたは可動コアの径方向において外周縁と内周縁とを連通する切欠部を有していることを特徴としている。この構成を採用することにより、固定コアと可動コアとが離間する場合、スクイズ力が生じない切欠部を起点として、固定コアと可動コアとは容易に離間する。したがって、可動コアの固定コアからの離間時における作動応答性を向上することができる。また、切欠部を設置することにより、固定コアと可動コアとの間に生じる磁気吸引力は周方向で不均一になる。すなわち、固定コアと可動コアとが対向している端部では、切欠部よりも切欠部が設置されていない部分の磁気吸引力が増大する。そのため、可動コアは固定コアの切欠部が設置されていない部分に引き寄せられ作動が安定する。これにより、固定コアと可動コアとの接触面積変化を抑制し、接触面積変化によるスクイズ力変化を抑制することができるので、作動応答性の経時的な変化を低減することができる。
特に、請求項2または3記載の発明では、切欠部は弓形状に形成されており、請求項45または6記載の発明では、切欠部は円弧状に形成されている。これにより、固定コアまたは可動コアの端部は周方向の一部が不連続となる。その結果、切欠部においては、固定コアと可動コアとが接しないようにできる。
また、請求項記載の発明のように切欠部を固定コアおよび可動コアの両方に設置してもよい。
さらに、請求項記載の発明では、請求項1からのいずれか一項記載の電磁駆動装置を燃料噴射弁に適用している。燃料噴射弁では、固定コアと可動コアとの間にスクイズ力が生じ、作動応答性が低下すると、弁部材による閉弁時間に遅れが生じる。そのため、噴孔から噴射される燃料は、噴射量の調量精度が低下する。また、作動の繰り返しによって、固定コアと可動コアとの間になじみによる面積増加が生じると、作動期間の経過とともに噴孔から噴射される燃料噴射量が変化する。
そこで、請求項記載の発明では、請求項1からのいずれか一項記載の電磁駆動装置を備えることにより、電磁駆動装置の作動応答性が高まるとともに、作動応答性の経時的な変化が低減される。したがって、噴孔から噴射される燃料噴射量を精密に制御することができるとともに、燃料噴射量の変化を低減することができる。
請求項から12記載の発明では、固定コアの可動コア側の端部または可動コアの固定コア側の端部の少なくともいずれか一方は、固定コアまたは可動コアの周方向の一部において外周縁から径方向内側へかけて切欠部を有している。この構成を採用することにより、固定コアと可動コアとが離間する場合、スクイズ力が生じない切欠部を起点として、固定コアと可動コアとは容易に離間する。したがって、可動コアの固定コアからの離間時における作動応答性を向上することができる。また、切欠部を設置することにより、固定コアと可動コアとの間に生じる磁気吸引力は周方向で不均一になる。すなわち、固定コアと可動コアとが対向している端部では、切欠部よりも切欠部が設置されていない部分の磁気吸引力が増大する。そのため、可動コアは固定コアの切欠部が設置されていない部分に引き寄せられ作動が安定する。これにより、固定コアと可動コアとの接触面積変化を抑制し、接触面積変化によるスクイズ力変化を抑制することができるので、作動応答性の経時的な変化を低減することができる。
請求項10記載の発明では、切欠部は径方向外側ほど対向する固定コアまたは可動コアとの距離が大きくなっている。これにより、切欠部は、径方向の外側から内側へかけて対向する固定コアまたは可動コア側へ傾斜している。そのため、固定コアまたは可動コアには、端部に切欠部を形成する傾斜面を形成すればよい。その結果、切欠部は容易に形成される。したがって、固定コアまたは可動コアの加工を容易にすることができる。
請求項11記載の発明では、切欠部の径方向の長さWは固定コアまたは可動コアの外径および内径によって規定されている。例えば固定コアに切欠部を形成する場合、固定コアの径方向において切欠部の長さWは、可動コアの外径Doと内径Di2との差の1/2すなわち可動コアの肉厚よりも大きく、固定コアの外径Doと内径Di1との差の1/2すなわち固定コアの肉厚以下である。これにより、例えば固定コアと可動コアとの対向面において、可動コアの肉厚が固定コアの肉厚よりも小さいとき、固定コアの端部に径方向において外周縁から内周縁まで切欠部を形成しなくても、固定コアと可動コアとの間には隙間が形成される。すなわち、固定コアに可動コアの肉厚よりも大きな切欠部を形成すれば、固定コアと可動コアとの間には周方向の一部に隙間が形成される。したがって、固定コアと可動コアとの間のスクイズ力を低減することができ、作動応答性を高めることができる。
請求項12記載の発明では、固定コアまたは可動コアが相手側へ突出する突出部を有する場合、切欠部の長さWを決定するための相手方の内径Di2は突出部の内径である。例えば可動コアは、固定コア側の端部に固定コア方向へ周方向へ連続して突出する円環状の突出部を有する場合がある。この場合、突出部の内径を切欠部の長さWを決定するための内径Di2とすることにより、可動コアの肉厚に代えて突起部の肉厚に基づいて切欠部の長さWを設定することができる。
請求項13記載の発明では、請求項9から12のいずれか一項記載の電磁駆動装置を燃料噴射弁に適用している。燃料噴射弁では、固定コアと可動コアとの間にスクイズ力が生じ、作動応答性が低下すると、弁部材による閉弁時間に遅れが生じる。そのため、噴孔から噴射される燃料は、噴射量の調量精度が低下する。また、作動の繰り返しによって、固定コアと可動コアとの間になじみによる面積増加が生じると、作動期間の経過とともに噴孔から噴射される燃料噴射量が変化する。
そこで、請求項13記載の発明では、請求項9から12のいずれか一項記載の電磁駆動装置を備えることにより、電磁駆動装置の作動応答性が高まるとともに、作動応答性の経時的な変化が低減される。したがって、噴孔から噴射される燃料噴射量を精密に制御することができるとともに、燃料噴射量の変化を低減することができる。
請求項14記載の発明では、固定コアの可動コア側の端部または可動コアの固定コア側の端部の少なくともいずれか一方は、固定コアまたは可動コアの径方向において外周縁と内周縁とを連通する切欠部を複数有している。ここで、切欠部は、固定コアまたは可動コアの径方向の両端部に設置されており、互いに非対称な形状に形成されている。
請求項15記載の発明では、固定コアの可動コア側の端部または可動コアの固定コア側の端部の少なくともいずれか一方は、固定コアまたは可動コアの周方向の一部において外周縁から径方向内側へかけて切欠部を有している。ここで、切欠部は、固定コアまたは可動コアの径方向の両端部に設置されており、互いに非対称な形状に形成されている。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用した燃料噴射弁(以下、燃料噴射弁を「インジェクタ」という。)を図2に示す。第1実施形態によるインジェクタ10は、例えばガソリンエンジンに燃料を噴射する。なお、インジェクタ10は、ガソリンエンジンの燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式のガソリンエンジンに適用してもよく、またディーゼルエンジンに適用してもよい。
インジェクタ10の収容パイプ11は、薄肉の略円筒状に形成されている。収容パイプ11は、軸方向の一方の端部に燃料入口12を形成している。燃料入口12には、図示しない燃料ポンプから燃料が供給される。燃料入口12に供給された燃料は、燃料フィルタ13を経由して収容パイプ11の内周側に流入する。燃料フィルタ13は、収容パイプ11の端部に設置され、燃料に含まれる異物を除去する。本実施例の場合、収容パイプ11は、薄肉の非磁性材料から形成されている。
収容パイプ11の燃料入口12と反対側には、ノズルホルダ20が設置されている。ノズルホルダ20は、磁性材料により略円筒状に形成されている。ノズルホルダ20は、収容パイプ11の燃料入口12と反対側の端部に収容パイプ11と同軸上に設置されている。収容パイプ11とノズルホルダ20とは、例えばレーザ溶接などにより一体に接続されている。ノズルホルダ20の内周側には、弁ボディ21が設置されている。なお、収容パイプ11とノズルホルダ20とは、別体に限らず一体に形成してもよい。
弁ボディ21は、略円筒状に形成され、ノズルホルダ20の収容パイプ11と反対側の端部に固定されている。弁ボディ21は、先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁に弁座22を有している。弁ボディ21は、収容パイプ11と反対側の端部に噴孔プレート23を有している。噴孔プレート23は、弁ボディ21の収容パイプ11と反対側の端部を覆って弁ボディ21に固定されている。噴孔プレート23は、板厚方向に貫き弁ボディ21側の端面と弁ボディ21とは反対側の端面とを接続する噴孔24を形成している。
弁部材としてのニードル25は、ノズルホルダ20および弁ボディ21の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル25は、ノズルホルダ20と概ね同軸上に配置されている。ニードル25は、略円筒状に形成され、噴孔プレート23側の端部近傍にシール部26を有している。シール部26は、弁ボディ21に形成されている弁座22と接触可能である。ニードル25は、弁ボディ21との間に燃料が流れる燃料通路27を形成する。略円筒状のニードル25は、内周側に燃料が流れる燃料通路251を形成している。ニードル25は、側壁の一部に開口部252を有している。燃料通路251を流れる燃料は、開口部252を経由して燃料通路27へ流出する。
インジェクタ10は、ニードル25を駆動する電磁駆動装置としての駆動部30を備えている。駆動部30は、コイル31、固定コア40、第一磁性部材32、第二磁性部材33および可動コア34を有している。駆動部30は、コイル31、固定コア40、第一磁性部材32、第二磁性部材33および可動コア34に加え、ノズルホルダ20から構成されている。コイル31は、スプール311および巻線312を有している。スプール311は、樹脂により筒状に形成されている。巻線312は、スプール311の外周側に巻かれている。コイル31の巻線312は、配線部材35を経由してコネクタ36のターミナル37に接続している。スプール311の内周側には、収容パイプ11が挿入される。これにより、コイル31は収容パイプ11の外周側に設置される。
収容パイプ11を挟んでコイル31の内周側には、固定コア40が設置されている。固定コア40は、例えば鉄などの磁性材料から筒状に形成されている。コイル31、第一磁性部材32および第二磁性部材33の外周側は、樹脂モールド38により覆われている。樹脂モールド38は、コネクタ36を一体に形成している。
第一磁性部材32は、磁性材料から形成され、コイル31の噴孔24側の端部および外周側を覆っている。第一磁性部材32は、大径部321および小径部322を有している。小径部322は、コイル31の噴孔24側においてノズルホルダ20の外周側を覆っている。これにより、第一磁性部材32はノズルホルダ20と磁気的に接続している。大径部321の内周側には、コイル31が収容されている。第一磁性部材32は、大径部321の小径部322と反対側の端部において第二磁性部材33と接している。第二磁性部材33は、磁性材料から形成され、第一磁性部材32の大径部321の内周側に収容されている。第二磁性部材33は、外周側の端部が第一磁性部材32と接し、内周側の端部が収容パイプ11に接している。
収容パイプ11は、第二磁性部材33の内周側と接する部分に肉厚の小さな薄肉部11aを有している。これにより、第二磁性部材33は、収容パイプ11の薄肉部11aを挟んで固定コア40と対向する。コイル31に通電したとき、コイル31から生じる磁界によって第二磁性部材33と固定コア40との間には磁束が流れる。このとき、第二磁性部材33と固定コア40との間には肉厚の小さな薄肉部11aが介在するため、第二磁性部材33と固定コア40との間を流れる磁束は収容パイプ11の薄肉部11aを容易に通過する。これにより、収容パイプ11を非磁性材料から形成する場合でも、第二磁性部材33と固定コア40との間には十分な磁束が流れる。
可動コア34は、ノズルホルダ20の内周側に軸方向へ往復移動可能に設置されている。可動コア34は、噴孔24とは反対側の端部が固定コア40と対向している。可動コア34の外壁は、ノズルホルダ20の内壁と摺動可能である。可動コア34は、例えば鉄などの磁性材料から略円筒形状に形成されている。可動コア34には、内周側にニードル25のシール部26とは反対側の端部が固定されている。ニードル25と可動コア34とは、例えば圧入あるいは溶接などにより固定されている。これにより、ニードル25と可動コア34とは一体に軸方向へ往復移動する。
可動コア34の内周側に固定されているニードル25のシール部26とは反対側の端部は、弾性部材であるスプリング14と接している。スプリング14は、一方の端部がニードル25に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ15に接している。スプリング14は、軸方向へ伸びる力を有している。そのため、可動コア34と一体のニードル25は、スプリング14により弁座22に着座する方向へ押し付けられる。アジャスティングパイプ15は、固定コア40に圧入されている。アジャスティングパイプ15の圧入量を調整することにより、スプリング14の押し付け力は調整される。コイル31に通電していないとき、一体の可動コア34およびニードル25は弁座22方向へ押し付けられ、シール部26は弁座22に着座する。
次に、固定コア40の可動コア34側の端部について説明する。
固定コア40は、磁性材料から略円筒状に形成されている。固定コア40は、図1に示すように可動コア34側の端部に切欠部41を有している。切欠部41は、固定コア40の可動コア34側の端部において周方向の一部に形成されている。これにより、固定コア40は、可動コア34側の端部に切欠部41およびランド42を有している。切欠部41は周方向の一部に形成されているため、ランド42は固定コア40の周方向において不連続となる。切欠部41は、円筒状の固定コア40の外周縁40aから内周縁40bまで形成されている。これにより、切欠部41は、固定コア40の外周縁40aと内周縁40bとを連通している。切欠部41は、外周縁40aから内周縁40bにかけて可動コア34側へ突出するテーパ状に形成されている。第1実施形態では、切欠部41は弓形状に形成されている。すなわち、切欠部41は、固定コア40の外周縁40aに沿った円弧状の部分と、この円弧の両端部を結ぶ直線とで囲まれた形状に形成されている。その結果、残ったランド42は円弧状に形成される。
切欠部41は、円筒状の固定コア40の外径をDとし、内径をdとしたとき、径方向の長さLが(D−d)/2≦L≦(3D−d)/4を満たすことが望ましい。Lが(D−d)/2よりも小さくなると、切欠部41は固定コア40の外周縁40aと内周縁40bとを連通しない。そのため、切欠部41が機能しない。また、Lが(3D−d)/4よりも大きくなると、固定コア40の端部に残存するランド42が過小となる。そのため、固定コア40に可動コア34が接するとき、可動コア34の傾斜を招きやすくなる。その結果、可動コア34およびニードル25の作動が不安定となり、燃料の噴射量の精度が悪化する。また、上記の寸法範囲内であれば、初期よりランド42は全面にわたって可動コア43と接触することができる。
また、切欠部41の高さhは、固定コア40の外周縁40a側で5μm≦h≦2.0mm程度であることが望ましい。切欠部41の高さが5μmより小さくなるとスクイズ力による影響が大きくなり、切欠部41が閉弁時の離間の起点とならない。また、切欠部41の高さが2.0mmよりも大きくなると、切欠部41とランド42との間の段差が拡大し、可動コア34の傾斜を招きやすくなる。
固定コア40の可動コア34側の端部に切欠部41を形成することにより、切欠部41には十分な空間が確保されている。そのため、固定コア40と可動コア34とが離間するとき、切欠部41ではスクイズ力すなわち固定コア40と可動コア34との離間を妨げる力は生じない。その結果、固定コア40と可動コア34とは、切欠部41を起点として容易に離間する。
また、固定コア40の可動コア34側の端部は、切欠部41およびランド42を有している。そのため、コイル31への通電時に固定コア40と可動コア34との間に生じる磁気吸引力は、切欠部41側とランド42側とで不均衡となる。すなわち、磁気吸引力は、可動コア34に近いランド42側で大きくなり、可動コア34から遠い切欠部41側で小さくなる。これにより、可動コア34は、固定コア40のランド42側に、より大きな力で吸引される。その結果、可動コア34は固定コア40に対しランド42側に引き寄せられ、常に安定した位置で衝突し、インジェクタ10の作動にともなって可動コア34が固定コア40へ繰り返し衝突しても、固定コア40と可動コア34との接触面積が変化することはない。
次に、上記構成のインジェクタ10の作動について説明する。
コイル31への通電が停止されているとき、固定コア40と可動コア34との間には磁気吸引力が生じない。そのため、可動コア34はスプリング14の押し付け力により固定コア40と反対側へ移動している。これにより、可動コア34と一体のニードル25は、固定コア40とは反対側へ移動している。その結果、コイル31への通電が停止されているとき、ニードル25のシール部26は弁座22に着座している。したがって、燃料は噴孔24から噴射されない。
コイル31に通電されると、コイル31に生じた磁界により第一磁性部材32、ノズルホルダ20、可動コア34、固定コア40および第二磁性部材33には磁気回路が形成され、磁束が流れる。これにより、コイル31への通電時、互いに離れている固定コア40と可動コア34との間には磁気吸引力が生じる。固定コア40と可動コア34との間に生じる磁気吸引力がスプリング14の押し付け力よりも大きくなると、可動コア34は一体のニードル25とともに固定コア40方向へ移動する。これにより、ニードル25のシール部26は弁座22から離座する。
燃料入口12からインジェクタ10の内部へ流入する燃料は、燃料フィルタ13、収容パイプ11の内周側、アジャスティングパイプ15の内周側、固定コア40の内周側、可動コア34の内周側、ニードル25の内周側の燃料通路251および開口部252を経由して燃料通路27へ流入する。燃料通路27に流入した燃料は、弁座22から離座したニードル25と弁ボディ21との間を経由して噴孔プレート23が形成する噴孔24へ流入する。これにより、噴孔24から燃料が噴射される。
コイル31への通電を停止すると、固定コア40と可動コア34との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、ニードル25と一体の可動コア34はスプリング14の押し付け力により固定コア40とは反対側へ移動する。このとき、可動コア34は、スクイズ力の生じない固定コア40の切欠部41を起点として固定コア40から速やかに離間する。そのため、シール部26は再び弁座22に着座し、燃料通路27と噴孔24との間の燃料の流れは遮断される。したがって、燃料の噴射は終了する。
第1実施形態では、固定コア40は可動コア34側の端部に切欠部41を有している。そのため、固定コア40から可動コア34が離間するとき、切欠部41ではスクイズ力が生じない。これにより、コイル31への通電を停止したとき、一体の可動コア34およびニードル25はスプリング14の押し付け力により速やかに弁座22側へ移動する。その結果、コイル31への通電停止に対する一体の可動コア34およびニードル25の作動応答性が向上する。したがって、噴孔24からの燃料の噴射を短い周期で高精度に制御することでき、噴孔24から噴射される燃料の噴射量を精密に制御することができる。
また、第1実施形態では、インジェクタ10が作動を繰り返しても、固定コア40と可動コア34とが接する面積の変化はない。その結果、経時的な接触面積の増大にともなう、固定コア40と可動コア34とが離間するために必要な力の変化は生じない。したがって、一体の可動コア34およびニードル25の作動応答性は経時的に変化せず、噴孔24から噴射される燃料の噴射量の経時的な変化を低減することができる。
さらに、第1実施形態では、固定コア40と可動コア34とのなじみによる接触面積の増加が低減される。固定コア40の可動コア34側の端部は、わずかに変形をするものの、変形量は0.5μm〜1.0μm程度であり使用する上で問題がないレベルである。そのため、固定コア40の可動コア34側の端部に例えばクロムめっきなどの硬質層を形成する必要がない。したがって、固定コア40の加工を簡単にすることができ、加工を容易にすることができる。また、高価なクロムめっきの形成が不要であるので、固定コア40の加工コストを低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるインジェクタの固定コアを図3に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図3に示す第2実施形態の場合、固定コア40の切欠部41は、固定コア40の周方向へ半周にわたり形成されている。すなわち、切欠部41の径方向の長さLは、L=D/2となっている。これにより、切欠部41は半円弧形状、すなわち略C字形状に形成される。また、切欠部41とランド42とは、ほぼ対称な形状となる。切欠部41は、外周縁40aから内周縁40bにかけて可動コア43側へ突出して傾斜するテーパ状に形成されている。
第2実施形態では、固定コア40と可動コア34とが接触する面積は、切欠部41を形成することにより、約1/2となる。固定コア40と可動コア34とが離間するとき、切欠部41にスクイズ力が生じない。そのため、コイル31への通電を停止したとき、一体の可動コア34およびニードル25はスプリング14の押し付け力により速やかに弁座22側へ移動する。その結果、コイル31への通電停止に対する一体の可動コア34およびニードル25の作動応答性が向上する。したがって、噴孔24からの燃料の噴射を短い周期で高精度に制御することでき、噴孔24から噴射される燃料の噴射量を精密に制御することができる。
(第3、4実施形態)
本発明の第3、第4実施形態によるインジェクタの固定コアをそれぞれ図4または図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図4に示す第3実施形態の場合、固定コア40の切欠部41は、固定コア40の可動コア34側の端部に外周縁40aから内周縁40bにかけて高さが一定の溝状に形成されている。そのため、切欠部41とランド42との間には、段差43が形成される。切欠部41は、第1実施形態と同様に弓形状に形成されている。
図5に示す第4実施形態の場合、固定コア40の切欠部41は、固定コア40の可動コア43側の端部に外周縁40aから内周縁40bにかけて高さが一定の溝状に形成されている。そのため、切欠部41とランド42との間には、段差43が形成される。切欠部41は、第1実施形態と同様に半円弧形状に形成されている。
第3、第4実施形態では、切欠部41は、ランド42との間に段差43を形成するように、溝状に形成してもよい。切欠部41は、固定コア40の外周縁40aと内周縁40bとを連通する。そのため、固定コア40と可動コア34とが離間するとき、切欠部41ではスクイズ力が生じない。したがって、可動コア34の作動応答性が向上し、噴孔24からの燃料の噴射を短い周期で高精度に制御することでき、噴孔24から噴射される燃料の噴射量を精密に制御することができる。
参考例1参考例2、第、第実施形態)
本発明の参考例1参考例2、第、第実施形態によるインジェクタの固定コアをそれぞれ図6、図7、図8または図9に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図6に示す参考例1の場合、固定コア50は径方向の両端部に切欠部51および切欠部52を有している。そのため、固定コア50の可動コア34側の端部には、切欠部51および切欠部52が設置されるとともに、切欠部51と切欠部52との間にそれぞれランド53およびランド54が設置される。切欠部51と切欠部52とは対称な形状に形成されている。そのため、固定コア40の径方向における切欠部51の長さをL1とし、切欠部52の長さをL2とすると、L1=L2である。切欠部51および切欠部52は、第1実施形態と同様に外周縁50aから内周縁50bへかけて可動コア34側に突出して傾斜するテーパ状に形成されている。
図7に示す参考例2の場合、固定コア50は径方向の両端部に切欠部51および切欠部52を有している。そのため、固定コア50の可動コア34側の端部には、切欠部51および切欠部52が設置されるとともに、切欠部51と切欠部52との間にランド53およびランド54が設置される。切欠部51と切欠部52とは対称な形状に形成されている。そのため、固定コア40の径方向における切欠部51の長さをL1とし、切欠部52の長さをL2とすると、L1=L2である。また、切欠部51は、第3または第4実施形態と同様に外周縁50aから内周縁50bにかけて高さが一定の溝状に形成されている。そのため、切欠部51または切欠部52とランド53またはランド54との間には、それぞれ段差55が形成される。
参考例1または参考例2では、固定コア50の径方向において切欠部51の長さをL1とし、切欠部52の長さをL2としたとき、L1+L2≦(3D−d)/4に設定されている。切欠部51、52の高さhは、固定コア50の外周縁50a側で5μm≦h≦2.0mmに設定されている。
図8に示す第実施形態の場合、固定コア50は径方向の両端部に切欠部51および切欠部52を有している。そのため、固定コア50の可動コア34側の端部には、切欠部51および切欠部52が設置されるとともに、切欠部51と切欠部52との間にランド53およびランド54が設置される。切欠部51と切欠部52とは非対称な形状に形成されている。第実施形態では、切欠部51は半円弧形状に形成されるとともに、切欠部は弓形状に形成される。そのため、固定コア40の径方向における切欠部51の長さをL1とし、切欠部52の長さをL2とすると、L2≦L1である。切欠部51および切欠部52は、第1実施形態と同様に外周縁50aから内周縁50bへかけて可動コア34側に突出して傾斜するテーパ状に形成されている。
図9に示す第実施形態の場合、固定コア50は径方向の両端部に切欠部51および切欠部52を有している。そのため、固定コア50の可動コア34側の端部には、切欠部51および切欠部52が設置されるとともに、切欠部51と切欠部52との間にランド53およびランド54が設置される。切欠部51と切欠部52とは非対称な形状に形成されている。第実施形態では、切欠部51は半円弧形状に形成されるとともに、切欠部52は弓形状に形成される。そのため、固定コア40の径方向における切欠部51の長さをL1とし、切欠部52の長さをL2とすると、L2≦L1である。切欠部51および切欠部52は、第3または第4実施形態と同様に外周縁50aから内周縁50bにかけて高さが一定の溝状に形成されている。そのため、切欠部51または切欠部52とランド53またはランド54との間には、それぞれ段差55が形成される。
なお、上述した参考例1参考例2、第、第実施形態では、固定コア50に二つの切欠部51および切欠部52を設置したとき、切欠部51および切欠部52はいずれもテーパ状またはいずれも溝状に形成する例について説明した。しかし、固定コア50に二つの切欠部51および切欠部52を設置する場合、径方向の一方をテーパ状に形成し、径方向の他方を溝状に形成してもよい。
(第実施形態)
本発明の第、第実施形態によるインジェクタの固定コアをそれぞれ図10または図11に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図10に示す第実施形態の場合、固定コア60は周方向の一部に切欠部61を有している。第実施形態の場合、切欠部61は略円弧形状に形成されている。切欠部61は、固定コア60の外周縁60aと内周縁60bとを連通する溝状に形成されている。固定コア60の周方向における切欠部61の幅Wは、d/4≦W≦(3D−d)/4に設定されている。切欠部61の高さhは、上述の実施形態と同様に5μm≦h≦2.0mmに設定されている。
図11に示す第実施形態の場合、固定コア60は周方向の一部に切欠部62および切欠部63を有している。切欠部62および切欠部63は、固定コア60の周方向の一部に形成されている。これにより、切欠部62および切欠部63は、いずれも略円弧形状に形成されている。切欠部62および切欠部63は、固定コア60の外周縁60aと内周縁60bとを連通する溝状に形成されている。切欠部62と切欠部63とは、幅Wが同一であってもよく、同一でなくてもよい。
(その他の実施形態)
上述の複数の実施形態では、いずれも固定コア40、50、60に切欠部41、51、52、61、62、63を設置する例について説明した。しかし、図12(A)〜(J)に示すように、可動コア34の固定コア40、50、60側の端部に切欠部341を設置してもよい。また、切欠部は、固定コア40、50、60の可動コア34側の端部、および可動コア34の固定コア40、50、60側の端部の両方に設置してもよい。さらに、可動コア34に切欠部341を設置する場合、固定コア40、50、60の切欠部の形状と対称でも非対称でもよい。
また、複数の実施形態では、インジェクタ10は噴孔プレート23に形成された噴孔24から燃料を噴射する構成とした。しかし、噴孔は、弁ボディ21に形成する構成としてもよい。さらに、複数の実施形態では、駆動部30をインジェクタ10に適用する例について説明した。しかし、インジェクタ10に限らず、例えば圧力制御装置や電磁弁装置などに本発明の電磁駆動装置を適用する構成としてもよい。
(第10実施形態)
本発明の第、第10実施形態によるインジェクタの固定コアをそれぞれ図13または図14に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図13に示す第実施形態の場合、固定コア70は可動コア34側の端部に切欠部71を有している。切欠部71は、固定コア70の可動コア34側の端部に軸方向へ窪んで形成されている。固定コア70の可動コア34側の端部において、切欠部71以外の部分は可動コア34の固定コア70側の端部に接するランド72となる。切欠部71を形成する固定コア70の端部は、第1実施形態と同様に外周縁70aから内周縁70bにかけて可動コア34側へ突出するテーパ状に形成されている。これにより、固定コア70と可動コア34との間の距離は、外周縁70a側ほど大きくなる。
切欠部71は、次の条件を満たすように形成されている。図13(B)に示すように固定コア70の径方向における切欠部71の長さはWと定義する。また、固定コア70および可動コア34の外径をDoと定義する。また、切欠部71を有する固定コア70の内径はDi1と定義し、固定コア70に対向する可動コア34の内径はDi2と定義する。このとき、切欠部71の径方向の長さWは、(Do−Di2)/2<W≦(Do−Di1)/2である。ここで、(Do−Di2)/2は、可動コア34の固定コア70側の端部における肉厚を示している。同様に、(Do−Di1)/2は固定コア70の可動コア34側の端部における肉厚を示している。これにより、切欠部71の長さWは、可動コア34の肉厚より大きく、固定コア70の肉厚以下であればよい。
切欠部71の長さWが可動コア34の肉厚よりも大きくなることにより、図13(A)および図13(B)に示すように固定コア70の外周縁70aと可動コア34の内周側とは切欠部71を経由して連通する。なお、図13(B)の破線は固定コア70側の端部における可動コア34の内径を示している。固定コア70の可動コア34側の端部に切欠部71を設けることにより、固定コア70と可動コア34との間には切欠部71により十分な空間が確保されている。そのため、固定コア70と可動コア34とが離間するとき、切欠部71ではスクイズ力すなわち固定コア70と可動コア34との離間を妨げる力は生じない。その結果、固定コア70と可動コア34とは、切欠部71を起点として容易に離間する。
また、固定コア70の可動コア34側の端部は、切欠部71およびランド72を有している。そのため、コイル31への通電時に固定コア70と可動コア34との間に生じる磁気吸引力は、切欠部71側とランド72側とで不均衡となる。すなわち、磁気吸引力は、可動コア34に近いランド72側で大きくなり、可動コア34から遠い切欠部71側で小さくなる。これにより、可動コア34は、固定コア70のランド72側に、より大きな力で吸引される。その結果、可動コア34は固定コア70に対しランド72側に引き寄せられ、常に安定した位置で衝突し、インジェクタ10の作動にともなって可動コア34が固定コア70へ繰り返し衝突しても、固定コア70と可動コア34との接触面積が変化することはない。
図14に示す第10実施形態の場合、可動コア80は固定コア70側の端部に突出部81を有している。突出部81は、可動コア80の周方向へ連続して固定コア70側へ円環状に突出している。これにより、可動コア80は、円環状の突出部81の端面において固定コア70と衝突する。このように、可動コア80の内径が軸方向において異なる場合、最も固定コア70側、すなわち固定コア70との接触面における可動コア80の内径を切欠部71の長さWを定義するために用いる。そのため、第12実施形態では、切欠部71の径方向の長さWを、(Do−Di2)/2<W≦(Do−Di1)/2により求める場合、可動コア80の内径Di2は円環状の突出部81の内径である。
切欠部71の長さWが可動コア80突出部81の肉厚よりも大きくなることにより、図14(A)および図14(B)に示すように固定コア70の外周縁70aと可動コア80の内周側とは切欠部71を経由して連通する。なお、図14(B)の破線は固定コア70側の端部における可動コア80の突出部81の内径を示している。固定コア70の可動コア80側の端部に切欠部71を設けることにより、固定コア70と可動コア80との間には切欠部71により十分な空間が確保されている。そのため、固定コア70と可動コア80とが離間するとき、切欠部71ではスクイズ力すなわち固定コア70と可動コア80との離間を妨げる力は生じない。その結果、固定コア70と可動コア80とは、切欠部71を起点として容易に離間する。
上述の第および第10実施形態では、いずれも固定コア70に切欠部71を設置する例について説明した。しかし、可動コア34、80の固定コア70側の端部に切欠部71を設置してもよい。また、切欠部は、固定コア70および可動コア34、80の両方に設置してもよい。さらに、固定コア70の切欠部71の形状と可動コア34、80に設けた切欠部の形状とは対称でも非対称でもよい。
本発明の第1実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の第1実施形態によるインジェクタの概略を示す断面図である。 本発明の第2実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の第3実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の第4実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の参考例1によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の参考例2によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の第実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の第実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の第実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明の第実施形態によるインジェクタの固定コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。 本発明のその他の実施形態によるインジェクタの可動コアを示す概略図である。 本発明の第実施形態によるインジェクタの固定コアおよび可動コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た図である。 本発明の第10実施形態によるインジェクタの固定コアおよび可動コアを示す概略図であって、(A)は中心軸に沿った断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た図である。
符号の説明
10 インジェクタ(燃料噴射弁)、21 弁ボディ、24 噴孔、25 ニードル(弁部材)、30 駆動部(電磁駆動装置)、31 コイル、34、80 可動コア、40、50、60、70 固定コア、40a、50a、60b 外周縁、40b、50b、60b 内周縁、41、51、52、61、62、63、71、341 切欠部、81 突出部

Claims (15)

  1. 固定コアと、コイルへの通電時に前記固定コアとの間に生じる磁気吸引力によって前記固定コアに吸引される可動コアを備える電磁駆動装置であって、
    前記固定コアの前記可動コア側の端部または前記可動コアの前記固定コア側の端部の少なくともいずれか一方は、前記固定コアまたは前記可動コアの径方向において外周縁と内周縁とを連通する切欠部を有し、
    前記固定コアの前記可動コア側の端部または前記可動コアの前記固定コア側の端部は、
    周方向の単一箇所に前記切欠部が形成され、
    前記切欠部以外の部分が凹みのない形状に形成されることを特徴とする電磁駆動装置。
  2. 前記切欠部は、
    前記固定コアまたは前記可動コアの外周縁に沿った円弧と、当該円弧の両端部を結ぶ直線とで囲まれた弓形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁駆動装置。
  3. 前記固定コアまたは前記可動コアの外径をD、および内径をdとしたとき、前記切欠部の径方向の長さLは、(D−d)/2≧Lであることを特徴とする請求項2記載の電磁駆動装置。
  4. 前記切欠部は、前記固定コアまたは前記可動コアの外周縁に沿った円弧と、前記固定コアまたは前記可動コアの内周縁に沿った円弧と、前記固定コアまたは可動コアの中央の領域から径外方向へ延びる2本の直線とで囲まれた円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁駆動装置。
  5. 前記固定コアまたは前記可動コアの外径をD、および内径をdとしたとき、前記切欠部の径方向の長さLは、(D−d)/2≦L≦(3D−d)/4であることを特徴とする請求項4記載の電磁駆動装置。
  6. 前記固定コアまたは前記可動コアの外径をD、および内径をdとしたとき、前記固定コアまたは前記可動コアの周方向における前記切欠部の幅Wは、d/4≦W≦(3D−d)/4であることを特徴とする請求項4記載の電磁駆動装置。
  7. 前記固定コアおよび前記可動コアは、いずれも前記切欠部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の電磁駆動装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項記載の電磁駆動装置と、
    前記可動コアと一体に接続し、前記可動コアとともに軸方向へ往復移動する弁部材と、
    前記弁部材の往復移動によって開閉される噴孔を有する弁ボディと、
    を備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  9. 固定コアと、コイルへの通電時に前記固定コアとの間に生じる磁気吸引力によって前記固定コアに吸引される可動コアを備える電磁駆動装置であって、
    前記固定コアの前記可動コア側の端部または前記可動コアの前記固定コア側の端部の少なくともいずれか一方は、前記固定コアまたは前記可動コアの周方向の一部において外周縁から径方向内側へかけて切欠部を有し、
    前記固定コアの前記可動コア側の端部または前記可動コアの前記固定コア側の端部は、
    周方向の単一箇所に前記切欠部が形成され、
    前記切欠部以外の部分が凹みのない形状に形成されることを特徴とする電磁駆動装置。
  10. 前記切欠部は、径方向外側ほど対向する前記固定コアまたは前記可動コアとの距離が大きいことを特徴とする請求項9記載の電磁駆動装置。
  11. 前記固定コアと前記可動コアとの対向面における双方の外径をDoとし、前記固定コアまたは前記可動コアのうち前記切欠部を有する方の内径をDi1とし、他方の内径をDi2としたとき、前記切欠部の径方向の長さWは、(Do−Di2)/2<W≦(Do−Di1)/2であることを特徴とする請求項9または10記載の電磁駆動装置。
  12. 前記固定コア及び前記可動コアのうち前記切り欠き部を有しない一方は、他方へ向けて突出し、周方向へ連続する突出部を有し、
    当該突出部の内径を前記Di2として採用したことを特徴とする請求項11記載の電磁駆動装置。
  13. 請求項9から12のいずれか一項記載の電磁駆動装置と、
    前記可動コアと一体に接続し、前記可動コアとともに軸方向へ往復移動する弁部材と、
    前記弁部材の往復移動によって開閉される噴孔を有する弁ボディと、
    を備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  14. 固定コアと、コイルへの通電時に前記固定コアとの間に生じる磁気吸引力によって前記
    固定コアに吸引される可動コアを備える電磁駆動装置であって、
    前記固定コアの前記可動コア側の端部または前記可動コアの前記固定コア側の端部の少
    なくともいずれか一方は、前記固定コアまたは前記可動コアの径方向において外周縁と内
    周縁とを連通する切欠部を有し、
    前記切欠部は、前記固定コアまたは前記可動コアの径方向の両端部に設置されており、互いに非対称な形状に形成されていることを特徴とする電磁駆動装置。
  15. 固定コアと、コイルへの通電時に前記固定コアとの間に生じる磁気吸引力によって前記固定コアに吸引される可動コアを備える電磁駆動装置であって、
    前記固定コアの前記可動コア側の端部または前記可動コアの前記固定コア側の端部の少なくともいずれか一方は、前記固定コアまたは前記可動コアの周方向の一部において外周縁から径方向内側へかけて切欠部を有し、
    前記切欠部は、前記固定コアまたは前記可動コアの径方向の両端部に設置されており、互いに非対称な形状に形成されていることを特徴とする電磁駆動装置。
JP2005366148A 2005-02-10 2005-12-20 電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁 Expired - Fee Related JP4577654B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005366148A JP4577654B2 (ja) 2005-02-10 2005-12-20 電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁
US11/349,283 US7819380B2 (en) 2005-02-10 2006-02-08 Solenoid apparatus and injection valve using the same
DE102006000059A DE102006000059A1 (de) 2005-02-10 2006-02-10 Solenoidvorrichtung und dieses verwendendes Einspritzventil

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005034592 2005-02-10
JP2005366148A JP4577654B2 (ja) 2005-02-10 2005-12-20 電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006250144A JP2006250144A (ja) 2006-09-21
JP4577654B2 true JP4577654B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=36779239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005366148A Expired - Fee Related JP4577654B2 (ja) 2005-02-10 2005-12-20 電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7819380B2 (ja)
JP (1) JP4577654B2 (ja)
DE (1) DE102006000059A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL1975486T3 (pl) * 2007-03-28 2015-05-29 Fillon Tech Sas Societe Par Actions Simplifiee Zawór dozujący
JP5222253B2 (ja) * 2009-08-31 2013-06-26 日立オートモティブシステムズ株式会社 燃料噴射弁
JP5375847B2 (ja) * 2011-02-04 2013-12-25 株式会社デンソー 電磁弁
JP5862941B2 (ja) * 2011-11-08 2016-02-16 株式会社デンソー 燃料噴射弁
JP6187563B2 (ja) * 2015-09-28 2017-08-30 株式会社デンソー 燃料噴射弁
JP6667114B2 (ja) * 2017-09-21 2020-03-18 株式会社アドヴィックス 電磁弁

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08506877A (ja) * 1993-12-09 1996-07-23 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 電磁操作式の弁
JP2003106236A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Denso Corp 電磁式燃料噴射弁
JP2003113753A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Nippon Soken Inc 燃料噴射弁
JP2003343385A (ja) * 2002-05-21 2003-12-03 Hitachi Unisia Automotive Ltd 燃料噴射弁
JP2004270490A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Denso Corp 電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁、ならびに電磁駆動装置の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4604600A (en) * 1983-12-23 1986-08-05 G. W. Lisk Company, Inc. Solenoid construction and method for making the same
US5918818A (en) * 1996-05-22 1999-07-06 Denso Corporation Electromagnetically actuated injection valve
US6405947B2 (en) * 1999-08-10 2002-06-18 Siemens Automotive Corporation Gaseous fuel injector having low restriction seat for valve needle
JP4168448B2 (ja) * 2004-07-08 2008-10-22 株式会社デンソー 燃料噴射弁

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08506877A (ja) * 1993-12-09 1996-07-23 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 電磁操作式の弁
JP2003106236A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Denso Corp 電磁式燃料噴射弁
JP2003113753A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Nippon Soken Inc 燃料噴射弁
JP2003343385A (ja) * 2002-05-21 2003-12-03 Hitachi Unisia Automotive Ltd 燃料噴射弁
JP2004270490A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Denso Corp 電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁、ならびに電磁駆動装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US7819380B2 (en) 2010-10-26
US20060175911A1 (en) 2006-08-10
JP2006250144A (ja) 2006-09-21
DE102006000059A1 (de) 2006-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5239965B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2007205234A (ja) 燃料噴射弁
JP5262972B2 (ja) 燃料噴射弁
JP5152024B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2007218205A (ja) 電磁燃料噴射弁及びその組立て方法
JP2010229997A (ja) 燃料噴射弁
JP2007016774A (ja) 燃料噴射弁およびその製造方法
JP4577654B2 (ja) 電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁
US7063279B2 (en) Fuel injection valve
JP2010138886A (ja) 燃料噴射弁
JP4453745B2 (ja) 燃料噴射弁
JPWO2019003719A1 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP2007154855A (ja) 燃料噴射弁
JP4305858B2 (ja) 燃料噴射弁
CN108779747B (zh) 燃料喷射装置
JP2010159677A (ja) 燃料噴射弁
JP3951956B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4285701B2 (ja) 燃料噴射弁
CN110651116B (zh) 喷射器
JP4432919B2 (ja) 燃料噴射弁
US10648440B2 (en) Fuel injection valve
JP4117487B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4378638B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3962951B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2005083201A (ja) 燃料噴射弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4577654

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100815

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees