JP2010174823A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制する燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】燃料を噴射する噴孔22が形成されたノズルボディ20、及びノズルボディ20内部に収容されて噴孔22を開閉する円柱形状のニードル33を備え、ニードル33の外周面とノズルボディ20の内周面との間にて、噴孔22へ燃料を導く環状の通路33aが形成された燃料噴射弁を前提とする。そして、ニードル33のうち環状通路33aを形成する部分の一部に、ニードル33を開弁させる向きに燃料の圧力を受ける開弁受圧部32bを形成し、ニードル33のうち開弁受圧部32bの上流側部分に、ニードル33を貫通させる貫通孔321を形成する。貫通孔321を、開弁受圧部32bへ燃料を導く絞り用燃料通路としするとともに、開弁受圧部32bへの燃料流入量を所定量以下に規制するよう形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
従来の燃料噴射弁は、燃料を噴射する噴孔が形成されたボディと、ボディ内部に収容されて噴孔を開閉するニードルとを備えて構成されるのが一般的である(特許文献1,2等参照)。
そして、図8に示す従来構造では、ニードル30xの外周面とボディ20xの内周面との間にて、噴孔22xへ燃料を導く環状の通路33axを形成し、ニードル30xのうち環状通路33axを形成する部分の一部に、ニードル30xを開弁させる向きに燃料の圧力を受ける、開弁受圧部32bxを形成している。そして、ニードル30xには、背圧室27xの燃料圧力による背圧力及びスプリング26xによる弾性力が閉弁方向に作用し、開弁受圧部32bxが受ける燃料圧力によるリフト力が開弁方向に作用している。そして、背圧室27xへの燃料の流出入を制御することで背圧力を制御し、背圧力+弾性力>リフト力となった時点でニードル30xは閉弁作動し、背圧力+弾性力<リフト力となった時点でニードル30xは開弁作動する。
また、ニードル30xのうちボディ20xの内周面と摺動する摺動部32xは、摺動クリアランスを十分に小さくすることを要するため、ボディ20xとの間で環状の通路を形成しようとすると十分な流路断面積を確保できない。そこで従来では、摺動部32xの外周面に面取りを施し、この面取り部325xとボディ20xとの間にて燃料通路326xを構成することで、噴孔22xの流路断面積に比べて十分に大きな流路断面積を確保している。
特開2006−257874号公報 特開2007−205324号公報
図8の従来構造に対し本発明者は、ニードル30xの閉弁作動時における開弁受圧部32bxへの燃料流入量を所定量以下に規制するよう、前記燃料通路326x(以下、絞り用燃料通路326xと記載)の流路断面積の大きさに制限を設けることを検討した。これによれば、ニードル30xの閉弁作動時において、開弁受圧部32bxの燃料圧力が上昇することを抑制し、リフト力を速やかに低減させて閉弁作動を高応答化できることが分かった。つまり、絞り用燃料通路326xの流路断面積が噴孔22xの流路断面積よりも大きく、かつ、開弁受圧部32bxへの燃料流入量を所定量以下に規制する大きさとなるよう、面取り部325xの面取り深さL2を設定する。
ここで、燃料の温度が変化すると燃料の粘度が変化する。すると、燃料の圧力損失の大きさが変化して、実際の燃料噴射量が変化してしまう。つまり、温度変化に伴い燃料噴射量が不安定になる。よって、燃料の通路断面形状は、粘度変化に伴い生じる圧力損失の変化が小さい形状であることが望ましい。具体的には、通路断面の面積(図8(b)の符号S1に示す面積)に対する通路壁面の環状沿面長さ(図8(b)の符号R1,L1に示す長さ)が短い形状(円形に近い形状)であるほど、粘度変化に伴い生じる圧力損失の変化を小さくできる。
しかしながら、面取り部325xの面取り平面とボディ20xの内周面により構成した上記絞り用燃料通路326xでは、通路断面積S1に対する環状沿面長さR1,L1を短くするのに限界がある。そのため、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になるといった上記問題を、十分に解消できない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制する燃料噴射弁を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、燃料を噴射する噴孔が形成されたボディ、及び前記ボディ内部に収容されて前記噴孔を開閉する円柱形状のニードルを備え、前記ニードルの外周面と前記ボディの内周面との間にて、前記噴孔へ燃料を導く環状の通路が形成されたことを前提とする。そして、前記ニードルのうち前記環状通路を形成する部分の一部には、前記ニードルを開弁させる向きに燃料の圧力を受ける開弁受圧部が形成され、前記ニードルのうち前記開弁受圧部の上流側部分には、前記ニードルを貫通させる貫通孔が形成され、前記貫通孔は、前記開弁受圧部へ燃料を導く絞り用燃料通路であるとともに、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するよう形成されていることを特徴とする。
これによれば、開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制する絞り用燃料通路を備えるので、ニードルの閉弁作動時において、開弁受圧部の燃料圧力が上昇することを抑制できる。よって、ニードルのリフト力を速やかに低減させて閉弁作動の高応答化を図ることができる。
さらに本発明では、上記絞り用燃料通路を、ニードルを貫通させる貫通孔により形成するので、図8の如く面取り部325xにより形成した絞り用燃料通路326xに比べて、通路断面形状を円形(又は円形に近い形状)にすることを容易に実現できる。よって、通路断面の面積に対する通路壁面の環状沿面長さを短くして、燃料の粘度変化に伴い生じる圧力損失の変化を小さくできるので、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制できる。
請求項2記載の発明では、前記ニードルのうち前記貫通孔の上流側部分であって、前記環状通路の一部を形成する部分には、前記ニードルを閉弁させる向きに燃料の圧力を受ける閉弁受圧部が形成されていることを特徴とする。
これによれば、ニードルの閉弁作動時において絞り用燃料通路で流量規制することにより、開弁受圧部の燃圧上昇を抑制できることに加え、閉弁受圧部の燃圧上昇を促進させることができる。よって、開弁受圧部及び閉弁受圧部の圧力差を増大させることで、ニードルの閉弁作動の高応答化を促進できる。
請求項3記載の発明では、前記貫通孔は、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するオリフィス部、及び前記オリフィス部に比べて流路断面積の大きい大径部を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制する機能をオリフィス部に持たせ、大径部では前記機能を不要にできるので、貫通孔の貫通方向の大部分を加工コストの安価な大径部にすることができる。よって、貫通孔のうち貫通方向全域に亘る部分を用いて燃料流量を規制するよう構成した場合に比べて、貫通孔の加工コスト低減を図ることができる。
なお、請求項4記載の発明では、前記ニードルのうち前記貫通孔の上流側部分には、前記貫通孔とは別に、前記ニードルを貫通させる第2貫通孔が形成されていることを特徴とする。
例えば、ニードルのうちボディの内周面と摺動する摺動部(図4の符号32P,32Q参照)が複数個所に形成されている場合において、上流側摺動部32Pから下流側摺動部32Qにかけて1つの貫通孔を形成してもよいし、下流側摺動部32Qに請求項1記載の貫通孔を形成し、上流側摺動部32Pに請求項4記載の第2貫通孔を形成するようにしてもよい。
請求項5記載の発明では、燃料を噴射する噴孔が形成されたボディ、及び前記ボディ内部に収容されて前記噴孔を開閉する円柱形状のニードルを備え、前記ニードルの外周面と前記ボディの内周面との間にて、前記噴孔へ燃料を導く環状通路が形成されたことを前提とする。そして、前記ニードルのうち前記環状通路を形成する部分の一部には、前記ニードルを開弁させる向きに燃料の圧力を受ける開弁受圧部が形成され、前記ニードルの外周面のうち前記開弁受圧部の上流側部分には、前記ボディの内周面との間にて絞り用燃料通路を構成する燃料流通溝が、前記ニードルの径方向内側に凹む形状に形成され、前記絞り用燃料通路は、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するよう形成されていることを特徴とする。
これによれば、開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制する絞り用燃料通路を備えるので、ニードルの閉弁作動時において、開弁受圧部の燃料圧力が上昇することを抑制できる。よって、ニードルのリフト力を速やかに低減させて閉弁作動の高応答化を図ることができる。
さらに本発明では、ニードルの外周面に、径方向内側に凹む形状の燃料流通溝を形成し、この燃料流通溝により上記絞り用燃料通路を構成するので、図8の如く面取り部325xにより形成した絞り用燃料通路326xに比べて、通路断面形状を円形(又は円形に近い形状)にすることを容易に実現できる。よって、通路断面の面積に対する通路壁面の環状沿面長さを短くして、燃料の粘度変化に伴い生じる圧力損失の変化を小さくできるので、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制できる。
請求項6記載の発明では、燃料を噴射する噴孔が形成されたボディ、及び前記ボディ内部に収容されて前記噴孔を開閉する円柱形状のニードルを備え、前記ニードルの外周面と前記ボディの内周面との間にて、前記噴孔へ燃料を導く環状通路が形成されたことを前提とする。そして、前記ニードルのうち前記環状通路を形成する部分の一部には、前記ニードルを開弁させる向きに燃料の圧力を受ける開弁受圧部が形成され、前記ボディの内周面のうち前記開弁受圧部の上流側部分には、前記ニードルの外周面との間にて絞り用燃料通路を構成する燃料流通溝が、前記ボディの径方向外側に凹む形状に形成され、前記絞り用燃料通路は、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するよう形成されていることを特徴とする。
これによれば、開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制する絞り用燃料通路を備えるので、ニードルの閉弁作動時において、開弁受圧部の燃料圧力が上昇することを抑制できる。よって、ニードルのリフト力を速やかに低減させて閉弁作動の高応答化を図ることができる。
さらに本発明では、ボディの内周面に、径方向外側に凹む形状の燃料流通溝を形成し、この燃料流通溝により上記絞り用燃料通路を構成するので、図8の如く面取り部325xにより形成した絞り用燃料通路326xに比べて、通路断面形状を円形(又は円形に近い形状)にすることを容易に実現できる。よって、通路断面の面積に対する通路壁面の環状沿面長さを短くして、燃料の粘度変化に伴い生じる圧力損失の変化を小さくできるので、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制できる。
請求項7記載の発明では、前記ニードルのうち前記絞り用燃料通路の上流側部分であって、前記環状通路の一部を形成する部分には、前記ニードルを閉弁させる向きに燃料の圧力を受ける閉弁受圧部が形成されていることを特徴とする。
これによれば、ニードルの閉弁作動時において絞り用燃料通路で流量規制することにより、開弁受圧部の燃圧上昇を抑制できることに加え、閉弁受圧部の燃圧上昇を促進させることができる。よって、開弁受圧部及び閉弁受圧部の圧力差を増大させることで、ニードルの閉弁作動の高応答化を促進できる。
本発明の第1実施形態にかかる燃料噴射弁の全体断面図。 図1のアクチュエータ及びオリフィスプレート等の構造を示す拡大図。 図1のニードル及びノズルボディ等の構造を示す拡大図。 本発明の第2実施形態にかかる燃料噴射弁を示す図。 本発明の第3実施形態にかかる燃料噴射弁を示す図。 本発明の第4実施形態にかかる燃料噴射弁を示す図であり、(b)は(a)のb-b断面図。 本発明の第5実施形態にかかる燃料噴射弁を示す図であり、(b)は(a)のb-b断面図。 従来の燃料噴射弁を示す図であり、(b)は(a)のb-b断面図。
以下、本発明にかかる燃料噴射弁を、車両に搭載されたディーゼルエンジン(内燃機関)のコモンレール式燃料噴射システムに適用した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1は燃料噴射弁10の全体断面図、図2は燃料噴射弁10のうち電磁ユニット60(アクチュエータ)の部分を示す拡大図、図3は燃料噴射弁10のうちニードル30の部分を示す拡大図である。燃料噴射弁10は、エンジンのシリンダヘッド(図示せず)に挿入搭載され、コモンレールから供給される燃料をエンジンの各気筒内へ直接噴射するものである。
先ず、図1を用いて燃料噴射弁10の全体構造を説明する。燃料噴射弁10は、ノズルボディ20(「ボディ」に相当)、ニードル30、ホルダボディ40、オリフィスプレート50、及び電磁ユニット60等より構成される。
ノズルボディ20は、オリフィスプレート50を介してホルダボディ40の図示下側(噴孔側)に、リテーニングナット11により固定されている。ノズルボディ20には、ニードル30を摺動自在に収容するガイド孔21(ニードル収容室)と、ニードル30のリフト時に燃料を噴射する噴孔22等が形成されている。
ガイド孔21は、ノズルボディ20の上端面からノズルボディ20の先端部に向かって穿設され、ガイド孔21内周面とニードル30外周面との隙間により、噴孔22へ高圧燃料を導く高圧通路23が形成されている。また、ガイド孔21の途中には、内径が拡大する燃料溜室24が形成されている。高圧通路23(ガイド孔21)は、上流端がノズルボディ20の上端面に開口して、オリフィスプレート50に形成される高圧通路51に接続されている。
ノズルボディ20内周面のうち高圧通路23の先端部分には円錐状の着座面20a(図3参照)が形成され、ニードル30の先端部には前記着座面20aに着座するシート面30a(図3参照)が形成されている。このシート面30aが着座面20aに着座することにより、噴孔22へ通じる高圧通路23をニードル30が閉塞遮断することとなる。
ガイド孔21には円筒形状のスプリング台座25が圧入固定されており、スプリング台座25の下端面とニードル30の係止面30b(図3参照)との間には、ニードル30を閉弁方向(図1の下方向)に押圧するスプリング26(弾性部材)が配置されている。スプリング台座25の内周面には、ニードルの上端面に高圧燃料圧力を背圧として付与させる背圧室27が形成されている。この背圧によりニードル30は閉弁方向(図1の下方向)に付勢される。また、燃料溜室24の高圧燃料の圧力は、ニードル30を開弁方向(図1の上方向)に付勢する。
ホルダボディ40のうち上端部分(反噴孔側部分)には配管継手41が設けられ、この配管継手41に接続される燃料配管(図示せず)を介してコモンレールより高圧燃料が供給される。配管継手41の内部通路には、燃料を濾過するバーフィルタ(図示せず)が配設されている。ホルダボディ40の内部には、配管継手41に導入された高圧燃料を、オリフィスプレート50の高圧通路51を介してノズルボディ20の高圧通路23へ導く高圧通路42と、電磁ユニット60を挿入配置するための収容孔43等が形成されている。これら高圧通路42及び収容孔43は、燃料噴射弁10の軸方向(図1の上下方向)に延びる形状である。本明細書で言う「軸方向」とは、燃料噴射弁10の長手方向のことであり、シリンダヘッドに挿入搭載される燃料噴射弁10の挿入方向のことでもある。
ホルダボディ40に対する電磁ユニット60の配置レイアウトに関し、本実施形態では、ホルダボディ40の軸方向に対して垂直な方向(図1の左右方向)に電磁ユニット60と高圧通路42とが並ぶようレイアウトされており、本実施形態にかかる燃料噴射弁10は、いわゆるペンシル型インジェクタである。
図2に示す様に、オリフィスプレート50には、高圧通路51から背圧室27へ高圧燃料を流入させる流入通路52と、背圧室27から低圧側へ流出させる流出通路53とが形成されている。また、流入通路52には入口オリフィス52aが形成され、流出通路53には出口オリフィス53aが形成されている。
電磁ユニット60は、樹脂製ボビン61に巻き回された電磁コイル62を有するステータ63と、このステータ63に対向して可動するアーマチャ64と、アーマチャ64と一体に可動して出口オリフィス53aを開閉するボール弁65(制御弁)等を備えて構成されている。ホルダボディ40の反噴孔側の上部には、樹脂製のコネクタハウジング70(図1参照)が取り付けられ、このコネクタハウジング70に設けられたターミナル71(図1参照)と電磁コイル62とがリード線72により電気的に接続されている。
電磁コイル62へ通電すると、アーマチャ64は発生磁束によって磁化されて、磁気吸引力によりステータ63へ吸引されて可動する。また、ステータ63の中心部分には、軸方向(図2の上下方向)に延びるスプリング収容孔63aが形成されており、スプリング収容孔63aに収容されたスプリング66(弾性部材)は、ボール弁65を閉弁する方向(図2の下方向)にアーマチャ64に弾性力を付勢する。
ホルダボディ40の収容孔43のうちステータ63の下方に位置する部分は、ボール弁65を収容する弁室43aとして機能しており、この弁室43aには、アーマチャ64がボール弁65とともに収容されている。なお、弁室43a内は、出口オリフィス53aから流出した低圧燃料で満たされている。
オリフィスプレート50の上端面には、円環形状の溝54、及び溝54から径方向外側に延びる溝55が形成されており、弁室43a内の燃料は、溝54,55を介して、ホルダボディ40に形成された低圧通路44と通じている。低圧通路44は、高圧通路42と平行して軸方向に延びるよう形成されている。
オリフィスプレート50の下端面には円環形状の溝56が形成されており、この溝56を通じて、オリフィスプレート50の高圧通路51とノズルボディ20の高圧通路23とが連通する。
次に、本実施形態の要部であるニードル30の構造について、図3を用いて説明する。
ニードル30は、燃料噴射弁10の軸方向(図3の上下方向)に延びる略円柱形状であり、反噴孔側から順に、スプリング挿入部31、摺動部32、環状通路形成部33及び着座部34を備えて構成されている。
スプリング挿入部31にはスプリング26が挿入される。また、スプリング挿入部31の外周面とノズルボディ20の内周面との間にて、燃料を噴孔22へ導く環状の通路31aを形成している。
摺動部32は、ノズルボディ20のガイド孔21と摺動するよう形成されている。これにより、ニードル30は、スプリング挿入部31のうちスプリング台座25に挿入される部分と摺動部32とにより、径方向に移動しないよう規制されることとなる。なお、摺動部32の径寸法は、スプリング挿入部31及び環状通路形成部33に比べて大きく設定されている。
また、摺動部32には、ニードル30の円柱軸方向(図3の上下方向)に対して交差する向きに摺動部32を貫通させる貫通孔321が形成されている。この貫通孔321は絞り用燃料通路であり、貫通孔321の上流端(流入口)が環状通路31aと連通し、下流端(流出口)が燃料溜室24と連通する。
貫通孔321は直線的に延びる形状であり、燃料の流通量を所定量以下に規制するオリフィス部321a、及びオリフィス部321aに比べて流路断面積の大きい大径部321bを有して構成されている。但しオリフィス部321aは、流通量を規制する一方で、開弁時における噴孔22からの燃料噴射量に比べて十分に大きな流量を確保できるよう設定されている。オリフィス部321a及び大径部321bの流路断面形状は円形である。オリフィス部321aは貫通孔321のうち下流部分に位置する。貫通孔321の製造手順については、先ずドリル加工により大径部321bを形成し、その後、放電加工によりオリフィス部321aを形成することが具体例として挙げられる。
摺動部32の上流部分には、円錐形状の閉弁受圧部32aが形成されており、この閉弁受圧部32aが環状通路31aの燃料から圧力を受けることで、ニードル30には閉弁方向に燃圧力が作用する。摺動部32の下流部分には、円錐形状の開弁受圧部32bが形成されており、この開弁受圧部32bが燃料溜室24の燃料から圧力を受けることで、ニードル30には開弁方向に燃圧力が作用する。なお、貫通孔321の流入口は閉弁受圧部32aに位置し、貫通孔321の流出口は開弁受圧部32bに位置する。また、貫通孔321の流入口及び流出口は、ニードル30の軸中心を跨ぐように斜めに形成されている。また、貫通孔321は、ニードル30の軸方向において摺動部32の全域に亘って延びるように形成されている。
環状通路形成部33の外周面とノズルボディ20の内周面との間にて、燃料を噴孔22へ導く環状の通路33aを形成している。また、着座部34の円錐面とノズルボディ20の内周面との間にて、燃料を噴孔22へ導く環状の通路34aを形成している。環状通路33aが円柱軸方向に延びる形状であるのに対し、環状通路34aは環状内側に延びる形状である。
着座部34の円錐面には、先述したシート面30aが形成されるとともに、シート面30aの上流部分において常時受圧面34bが形成されている。この常時受圧面34bが環状通路34aの燃料から圧力を受けることで、ニードル30には開弁方向に燃圧力が作用する。なお、常時受圧面34bは、ニードル30の開弁時は勿論のこと、閉弁時においても燃圧を受ける。つまり、常時受圧面34bは開弁受圧部32bと同様にして開弁方向にニードル30を押し上げる開弁受圧部として機能する。
以上により、ガイド孔21内周面とニードル30外周面との隙間により形成された高圧通路23は、正確には次の経路により構成されている。つまり、上流側から順に、スプリング台座25に形成された溝部25a、スプリング挿入部31における環状通路31a、摺動部32における貫通孔321の大径部321b、オリフィス部321a、環状通路形成部33における燃料溜室24、環状通路33a、及び着座部34における環状通路34aを順に流通した燃料が、噴孔22から噴射される。
次に、燃料噴射弁10の作動を説明する。
電磁コイル62への通電が停止されている場合には、ボール弁65が出口オリフィス53aを閉弁しているので、ニードル30を閉弁方向へ付勢する力(背圧室27の燃圧による力+スプリング26の付勢力+閉弁受圧部32aの燃圧による力)が、ニードル30を開弁方向へ押し上げる力(開弁受圧部32bの燃圧によるリフト力+常時受圧面34bにかかる燃圧によるリフト力)より大きくなる。その結果、ニードル30のシート面30aが着座面20aに着座して、環状通路34aと噴孔22との間を遮断することにより、燃料は噴射されない。
電磁コイル62に通電されている場合には、磁化されたステータ63にアーマチャ64が吸引され、スプリング66の付勢力に抗してステータ63側へアーマチャ64が移動することにより、ボール弁65が背圧室27の燃圧を受けて出口オリフィス53aを開弁する。そのため、背圧室27の高圧燃料が出口オリフィス53aを通じて低圧側(弁室43a)に開放される。背圧室27に対する出口オリフィス53aからの流出量は入口オリフィス52aからの流入量より多くなるよう両オリフィス53a,52aは設定されているので、上述の如くボール弁65が開弁作動すると背圧室27の燃圧が低下する。その結果、ニードル30を閉弁方向に付勢する力より、ニードル30を開弁方向へ押し上げる力の方が上回った時点でニードル30がリフト作動する。そのため、コモンレールより燃料噴射弁10に供給された高圧燃料は、高圧通路42,51,23を通じて噴孔22より噴射される。高圧通路23については、溝部25a、環状通路31a、貫通孔321の大径部321b、オリフィス部321a、燃料溜室24、環状通路33a、及び環状通路34aを順に流通する。
なお、ボール弁65の開弁に伴い弁室43aへ開放された低圧燃料は、オリフィスプレート50の溝54,55を通じて低圧通路44へ流れる。そして、低圧通路44から燃料噴射弁10の外部に流出し、図示しない燃料タンクへ戻される。
その後、電磁コイル62への通電が停止されると、アーマチャ64がスプリング66に押し戻されて、ボール弁65が出口オリフィス53aを閉じることにより、再び背圧室27の燃圧が上昇する。その結果、ニードル30を閉弁方向に付勢する力が、ニードル30を開弁方向へ押し上げる力を上回った時点でニードル30が押し戻され、ニードル30のシート面30aが着座面20aに着座して高圧通路23と噴孔22との間の通路が遮断されることにより、噴射が終了する。
以上により、本実施形態によれば、燃料溜室24への燃料流入量を所定量以下に規制する絞り用燃料通路(貫通孔321)を備えるので、ニードル30の閉弁作動時において、絞り用燃料通路のオリフィス部321aにより燃料溜室24への燃料流入量が規制される。よって、閉弁作動時に燃料溜室24の燃圧が上昇することを抑制でき、ひいては開弁受圧部32bが受ける力が上昇することを抑制できる。よって、ニードル30のリフト力を速やかに低減させて閉弁作動の高応答化を図ることができる。
さらに本実施形態では、ニードル30を貫通させる貫通孔321により上記絞り用燃料通路を形成し、その通路断面形状を円形にしている。よって、オリフィス部321aでの通路断面の面積は円の面積となり、オリフィス部321aでの通路壁面の環状沿面長さは円の円周長さとなる。そのため、通路断面形状が細長の扁平形状となる図8の面取り部325xによる絞り用燃料通路326xに比べて、通路断面の面積に対する環状沿面長さを短くでき、オリフィス部321aでの燃料の流通抵抗を小さくできる。よって、燃料の温度変化に伴い燃料の粘度が変化した場合に生じる、オリフィス部321aでの圧力損失の変化を小さくできる。よって、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制できる。
また、本実施形態では、ニードル30のうち貫通孔321の上流側部分であって、環状通路31aの一部を形成する部分に、ニードル30を閉弁させる向きに燃料の圧力を受ける、閉弁受圧部32aを形成しているので、ニードル30の閉弁作動時においてオリフィス部321aで流量規制することにより、開弁受圧部32bの燃圧上昇を抑制できることに加え、閉弁受圧部32aの燃圧上昇を促進させることができる。よって、開弁受圧部32b及び閉弁受圧部32aの圧力差をオリフィス部321aにより増大させることで、ニードル30の閉弁作動の高応答化を促進できる。
また、本実施形態では、貫通孔321の下流端を燃料溜室24に連通させている。そのため、オリフィス部321aで絞られて高流速となった燃料が環状通路33aに直接流入するよう構成した場合に比べて、燃料圧力が脈動してしまうことを抑制できる。換言すれば、燃料溜室24にアキュムレート機能を発揮させることができる。
(第2実施形態)
図4に示す本実施形態では、上記第1実施形態におけるニードル30の摺動部32を複数個所に形成している。具体的には、図4に示すように、ニードル30の軸方向に、上流側摺動部32P及び下流側摺動部32Qが並べて配置されており、これら両摺動部32A,32Bは連結部32Rにより連結されている。両摺動部32A,32Bはノズルボディ20のガイド孔21と摺動するよう形成されているのに対し、連結部32Rはガイド孔21と摺動しない。したがって、ニードル30は、スプリング挿入部31のうちスプリング台座25に挿入される部分と両摺動部32A,32Bとにより、径方向に移動しないよう規制されることとなる。
下流側摺動部32Qには、上記第1実施形態と同様にして、オリフィス部321a及び大径部321bを有する貫通孔321が形成されている。一方、上流側摺動部32Pには、貫通孔321とは別に、ニードル30の円柱軸方向(図4の上下方向)に対して交差する向きに上流側摺動部32Pを貫通させる第2貫通孔322が形成されている。第2貫通孔322は燃料通路として機能するものの、オリフィス部321aよりも流路断面積が大きく設定されているため、燃料溜室24への流入量を制限する機能は有していない。換言すれば、第2貫通孔322は貫通孔321の大径部321bのみから構成されていると言える。また、第2貫通孔322は直線的に延びる形状であり、流路断面形状は円形である。
第2貫通孔322の上流端は環状通路31aと連通し、下流端は、連結部32Rとガイド孔21との間に形成される環状の連通路に連通する。この連通路には貫通孔321の上流端が連通し、貫通孔321の下流端は燃料溜室24と連通する。したがって、環状通路31aの燃料は、第2貫通孔322、前記連通路、貫通孔321を順に通じて燃料溜室24へ流入する。
なお、第2貫通孔322の流入口は閉弁受圧部32aに位置する。第2貫通孔322の流入口及び流出口は、ニードル30の軸中心を跨ぐように斜めに形成されている。第2貫通孔322の流出口と貫通孔321の流入口とは、前記連通路の周方向において同一の位置に配置されている。また、第2貫通孔322はニードル30の軸方向において上流側摺動部32Pの全域に亘って延びるように形成されており、貫通孔321は下流側摺動部32Qの全域に亘って延びるように形成されている。
ここで、図4に示すように摺動部32A,32Bが複数個所に形成されている場合において、本実施形態にかかる第2貫通孔322を廃止して、上流側摺動部32Pから下流側摺動部32Qにかけて1つの貫通孔を形成してもよい。しかしながら、本実施形態のように第2貫通孔322を貫通孔321とは別に設けることで、両貫通孔321,322の総延長を短くでき、加工コストの低減を図れる場合がある。また、第2貫通孔322を貫通孔321とは別に設けることで、1つの貫通孔を形成した場合に比べてニードル30の曲げ剛性を高くできる場合がある。
また、本実施形態よれば、貫通孔321を備えることにより上記第1実施形態と同じ効果が発揮されるとともに、摺動部32A,32Bを複数に分割して設けることで、第1実施形態の摺動部32に比べて摺動長を短くでき、摺動摩擦力を低減できる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、第2貫通孔322の流出口と貫通孔321の流入口とは、連結部32Rに形成される連通路の周方向において同一の位置に配置されている。これに対し、図5に示す本実施形態では、第2貫通孔322の流出口と貫通孔321の流入口とは、連結部32Rに形成される連通路の周方向において異なる位置(例えば約180度ずれた位置)に配置されている。例えば、図5に示すように第2貫通孔322と貫通孔321とが平行となるように配置してもよい。
本実施形態よれば、上記第2実施形態と同じ効果が発揮されるとともに、上述のように両貫通孔321,322を配置することで、ニードル30の曲げ剛性を高くできる場合がある。
(第4実施形態)
上記第1〜第3実施形態では、燃料溜室24への燃料の流入量を規制する絞り用燃料通路を、ニードル30に形成した貫通孔321により構成している。これに対し、図6に示す本実施形態では、ニードル30の外周面に燃料流通溝324を形成し、この燃料流通溝324とノズルボディ20の内周面との間にて絞り用燃料通路を構成する。なお、図6(b)は図6(a)のb-b断面を示す図である。
図6を用いてより詳細に説明すると、燃料流通溝324は、下流側摺動部32Qの外周面から、ニードル30の径方向内側に凹む円弧形状に形成され(図6(b)参照)、ニードル30の軸方向に対して平行かつ直線状に延びる形状である。また、燃料流通溝324の断面形状(円弧形状)は、燃料流通溝324の長手方向全体に亘って同一の形状となっている。つまり、本実施形態による絞り用燃料通路の流路断面形状は、燃料流通溝324による円弧壁面と、ノズルボディ20の内周面(円弧壁面)とで囲まれた、円形に近い形状となっている。なお、本実施形態では燃料流通溝324を複数(図6の例では3つ)形成している。
燃料流通溝324の上流端(流入口)は、連結部32Rとガイド孔21との間に形成される環状の連通路に連通し、下流端(流出口)は燃料溜室24と連通する。したがって、環状通路31aの燃料は、第2貫通孔322、前記連通路、燃料流通溝324を順に通じて燃料溜室24へ流入する。なお、燃料流通溝324の流出口は開弁受圧部32bに位置する。
以上により、本実施形態によれば、燃料溜室24への燃料流入量を所定量以下に規制する絞り用燃料通路(燃料流通溝324)を備えるので、ニードル30の閉弁作動時において、絞り用燃料通路により燃料溜室24への燃料流入量が規制される。よって、閉弁作動時に燃料溜室24の燃圧が上昇することを抑制でき、ひいては開弁受圧部32bが受ける力が上昇することを抑制できる。よって、ニードル30のリフト力を速やかに低減させて閉弁作動の高応答化を図ることができる。なお、燃料流通溝324は、流通量を規制する一方で、開弁時における噴孔22からの燃料噴射量に比べて十分に大きな流量を確保できる大きさに設定されている。
さらに本実施形態では、下流側摺動部32Qの外周面に燃料流通溝324を形成し、その燃料流通溝324の断面形状を、ニードル30の径方向内側に凹む円弧形状にしている。よって、燃料流通溝324の円弧壁面とノズルボディ20の内周面とで囲まれた絞り用燃料通路の通路断面の面積(図6(b)の符号S2に示す面積)は円に近い面積となり、通路壁面の環状沿面長さ(図6(b)の符号R2,R3に示す長さ)は円の円周長さに近い長さとなる。そのため、通路断面形状が細長の扁平形状となる図8の面取り部325xによる絞り用燃料通路326xに比べて、通路断面の面積S2に対する環状沿面長さR2,R3を短くでき、絞り用燃料通路での燃料の流通抵抗を小さくできる。よって、燃料の温度変化に伴い燃料の粘度が変化した場合に生じる、絞り用燃料通路での圧力損失の変化を小さくできる。よって、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制できる。
(第5実施形態)
上記第4実施形態では、ニードル30の外周面に燃料流通溝324を形成し、この燃料流通溝324とノズルボディ20の内周面との間にて絞り用燃料通路を構成している。これに対し、図7に示す本実施形態では、ノズルボディ20の内周面に燃料流通溝20bを形成し、この燃料流通溝20bとニードル30の外周面との間にて絞り用燃料通路を構成する。なお、図7(b)は図7(a)のb-b断面を示す図である。
図7を用いてより詳細に説明すると、燃料流通溝20bは、ノズルボディ20の内周面のうち下流側摺動部32Qと対向する位置に形成され、ノズルボディ20の内周面から、ノズルボディ20の径方向外側に凹む円弧形状に形成され(図7(b)参照)、ニードル30の軸方向に対して平行かつ直線状に延びる形状である。また、燃料流通溝20bの断面形状(円弧形状)は、燃料流通溝20bの長手方向全体に亘って同一の形状となっている。つまり、本実施形態による絞り用燃料通路の流路断面形状は、燃料流通溝20bによる円弧壁面と、ニードル30の下流側摺動部32Qの外周面(円弧壁面)とで囲まれた、円形に近い形状となっている。なお、本実施形態では燃料流通溝20bを複数(図7の例では3つ)形成している。
燃料流通溝20bの上流端(流入口)は、連結部32Rとガイド孔21との間に形成される環状の連通路に連通し、下流端(流出口)は燃料溜室24と連通する。したがって、環状通路31aの燃料は、第2貫通孔322、前記連通路、燃料流通溝20bを順に通じて燃料溜室24へ流入する。なお、燃料流通溝20bの流出口は開弁受圧部32bに位置する。
以上により、本実施形態によれば、燃料溜室24への燃料流入量を所定量以下に規制する絞り用燃料通路(燃料流通溝20b)を備えるので、ニードル30の閉弁作動時において、絞り用燃料通路により燃料溜室24への燃料流入量が規制される。よって、閉弁作動時に燃料溜室24の燃圧が上昇することを抑制でき、ひいては開弁受圧部32bが受ける力が上昇することを抑制できる。よって、ニードル30のリフト力を速やかに低減させて閉弁作動の高応答化を図ることができる。なお、燃料流通溝20bは、流通量を規制する一方で、開弁時における噴孔22からの燃料噴射量に比べて十分に大きな流量を確保できる大きさに設定されている。
さらに本実施形態では、ノズルボディ20の内周面に燃料流通溝20bを形成し、その燃料流通溝20bの断面形状を、ノズルボディ20の径方向外側に凹む円弧形状にしている。よって、燃料流通溝20bの円弧壁面と下流側摺動部32Qの外周面とで囲まれた絞り用燃料通路の通路断面の面積(図7(b)の符号S3に示す面積)は円に近い面積となり、通路壁面の環状沿面長さ(図7(b)の符号R4,R5に示す長さ)は円の円周長さに近い長さとなる。そのため、通路断面形状が細長の扁平形状となる図8の面取り部325xによる絞り用燃料通路326xに比べて、通路断面の面積S3に対する環状沿面長さR4,R5を短くでき、絞り用燃料通路での燃料の流通抵抗を小さくできる。よって、燃料の温度変化に伴い燃料の粘度が変化した場合に生じる、絞り用燃料通路での圧力損失の変化を小さくできる。よって、燃料温度が変化することに伴い燃料噴射量が変化して不安定になることを抑制できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記第4及び第5実施形態では、ニードル30に複数の摺動部32P,32Qが形成された第2実施形態と組み合わせているが、摺動部32を1つとした第1実施形態と組み合わせてもよいし、第3実施形態と組み合わせてもよい。
・上記第1実施形態では、閉弁受圧部32aを環状通路31aに形成しているが、貫通孔321の内部に閉弁受圧部を形成してもよい。例えば、大径部321bの壁面に、燃圧でニードル30を閉弁方向に押し付ける向きに円錐面を形成し、その円錐面を閉弁受圧部として構成すればよい。
10…燃料噴射弁、20…ノズルボディ(ボディ)、20b…ノズルボディに形成された燃料流通溝(絞り用燃料通路)、22…噴孔、30…ニードル、32a…閉弁受圧部、32b…開弁受圧部、33a…環状通路、34b…常時受圧面(開弁受圧部)、321…貫通孔(絞り用燃料通路)、321a…オリフィス部、321b…大径部、322,323…第2貫通孔、324…ニードルに形成された燃料流通溝(絞り用燃料通路)。

Claims (7)

  1. 燃料を噴射する噴孔が形成されたボディ、及び前記ボディ内部に収容されて前記噴孔を開閉する円柱形状のニードルを備え、
    前記ニードルの外周面と前記ボディの内周面との間にて、前記噴孔へ燃料を導く環状の通路が形成された燃料噴射弁において、
    前記ニードルのうち前記環状通路を形成する部分の一部には、前記ニードルを開弁させる向きに燃料の圧力を受ける開弁受圧部が形成され、
    前記ニードルのうち前記開弁受圧部の上流側部分には、前記ニードルを貫通させる貫通孔が形成され、
    前記貫通孔は、前記開弁受圧部へ燃料を導く絞り用燃料通路であるとともに、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するよう形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記ニードルのうち前記貫通孔の上流側部分であって、前記環状通路の一部を形成する部分には、前記ニードルを閉弁させる向きに燃料の圧力を受ける閉弁受圧部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記貫通孔は、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するオリフィス部、及び前記オリフィス部に比べて流路断面積の大きい大径部を有して構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記ニードルのうち前記貫通孔の上流側部分には、前記貫通孔とは別に、前記ニードルを貫通させる第2貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  5. 燃料を噴射する噴孔が形成されたボディ、及び前記ボディ内部に収容されて前記噴孔を開閉する円柱形状のニードルを備え、
    前記ニードルの外周面と前記ボディの内周面との間にて、前記噴孔へ燃料を導く環状通路が形成された燃料噴射弁において、
    前記ニードルのうち前記環状通路を形成する部分の一部には、前記ニードルを開弁させる向きに燃料の圧力を受ける開弁受圧部が形成され、
    前記ニードルの外周面のうち前記開弁受圧部の上流側部分には、前記ボディの内周面との間にて絞り用燃料通路を構成する燃料流通溝が、前記ニードルの径方向内側に凹む形状に形成され、
    前記絞り用燃料通路は、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するよう形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 燃料を噴射する噴孔が形成されたボディ、及び前記ボディ内部に収容されて前記噴孔を開閉する円柱形状のニードルを備え、
    前記ニードルの外周面と前記ボディの内周面との間にて、前記噴孔へ燃料を導く環状通路が形成された燃料噴射弁において、
    前記ニードルのうち前記環状通路を形成する部分の一部には、前記ニードルを開弁させる向きに燃料の圧力を受ける開弁受圧部が形成され、
    前記ボディの内周面のうち前記開弁受圧部の上流側部分には、前記ニードルの外周面との間にて絞り用燃料通路を構成する燃料流通溝が、前記ボディの径方向外側に凹む形状に形成され、
    前記絞り用燃料通路は、前記開弁受圧部への燃料流入量を所定量以下に規制するよう形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  7. 前記ニードルのうち前記絞り用燃料通路の上流側部分であって、前記環状通路の一部を形成する部分には、前記ニードルを閉弁させる向きに燃料の圧力を受ける閉弁受圧部が形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料噴射弁。
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