JP2014218971A - 燃料噴射弁及び内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射弁及び内燃機関の燃料噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】構造を複雑にすることなく、燃料の噴射時期全体で燃料噴射量を可変に設定することができる燃料噴射弁、及びそれを備えた内燃機関の燃料噴射装置を提供する。【解決手段】燃料の噴射口である噴孔と、噴孔を開閉する弁部材と、噴孔を開く方向に弁部材を駆動する磁気回路と、噴孔を閉じる方向に弁部材を付勢するスプリングと、弁部材に設けられて内部空間を上流差圧室と下流差圧室とに区画するプレートと、上流差圧室及び下流差圧室を連通するオリフィスと、を含む差圧閉弁力発生機構と、を備える燃料噴射弁において、弁部材に発生する力の向きを吊り合わせて、弁部材を任意の位置にリフトさせる。【選択図】図1

Description

この発明は、燃料噴射弁及び内燃機関の燃料噴射装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、燃料噴射量を2段階に設定することができる燃料噴射装置が開示されている。この燃料噴射装置の内部には、燃料が噴射される噴孔を付勢して燃料噴射を止める目的で、ノズルニードルが設けられている。ノズルニードルの上部には、第1のピストンが、さらに第1のピストンの下部には第2のピストンが設けられている。燃料の無噴射時には、第1及び第2のピストンが下方向にノズルニードルを付勢して、噴孔が塞がれる。燃料噴射時には、まず、第2のピストンが上昇して、その上昇分の燃料が噴射される。次に、第2のピストンに押し上げられる形で第1のピストンも上昇して、燃料噴射が行われる。第1のピストン上昇時の燃料噴射量は、最初に行われた第2のピストン上昇時の燃料噴射量よりも多い。このように、上記の燃料噴射装置では、2段階の燃料噴射が行われている。
特開2000−073905号公報
上記の燃料噴射装置は、その構造上、第2のピストン上昇時の燃料噴射量が噴射初期に限定される。このため、燃料の噴射時期全体において、2段階の燃料噴射量を選択できる装置ではない。また、内部にピストンを2つ設ける必要があるため、部品点数が増加し、製造コストが高くなってしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、構造を複雑にすることなく、燃料の噴射時期全体で燃料噴射量を可変に設定することができる燃料噴射弁、及びそれを備えた内燃機関の燃料噴射装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料噴射弁であって、
燃料の噴射口である噴孔と、
前記噴孔を開閉する弁部材と、
前記噴孔を開く方向に前記弁部材を駆動する磁気回路と、
前記噴孔を閉じる方向に前記弁部材を付勢するスプリングと、
前記弁部材に設けられて内部空間を上流差圧室と下流差圧室とに区画するプレートと、前記上流差圧室及び前記下流差圧室を連通するオリフィスと、を含む差圧閉弁力発生機構と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記オリフィスは、前記プレートに設けられていることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、前記オリフィスは、前記弁部材に設けられていることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1の発明において、前記オリフィスは、前記弁部材の外側の部材に設けられていることを特徴とする。
また、第5の発明は、内燃機関の燃料噴射装置であって、
第1乃至第4の発明のいずれかの燃料噴射弁と、
前記磁気回路に入力する電流を制御して、前記差圧閉弁力発生機構及び前記スプリングによって生じる前記弁部材を付勢する力と、前記磁気回路によって生じる前記弁部材を駆動する力とが吊り合う前記弁部材のリフト位置を変更する制御装置と、
を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、前記制御装置は、少なくとも2水準の大きさの電流を選択して、前記弁部材のリフト位置を少なくとも2段階に設定することを特徴とする。
第1乃至第4の発明の何れかによれば、燃料噴射弁自体の構造を複雑にすることなく、燃料噴射時期全体において、燃料噴射量を可変に設定することができる。この結果、部品点数を抑えてコストを抑制しつつ、任意の燃料噴射量を得ることができる。
第5または第6の発明によれば、電流を制御することで、弁部材のリフト位置を任意に変更することができる。この結果、燃料噴射量の制御範囲であるダイナミックレンジを拡大することができる。
本発明の実施の形態1における燃料噴射弁を示す縦断面図である。 本実施形態における弁部材の位置の説明図である。 燃料噴射弁の内部に差圧閉弁力発生機構を備えているか否かによって、ダイナミックレンジに表れる差異について示した図である。 ECUで行われる磁気回路への入力電流選択ルーチンのフローチャートである。 本実施形態におけるリフト位置の計算例である。 電流の大きさを細かく設定した場合の開弁力と閉弁力との関係を表している。 本実施形態における燃料噴射弁の変形例を表す図である。 本実施形態における燃料噴射弁の変形例を表す図である。 本実施形態における燃料噴射弁の変形例を表す図である。
実施の形態1.
[燃料噴射弁の構造]
図1は、本発明の実施の形態1における燃料噴射弁10を示す縦断面図である。実施の形態1による燃料噴射弁10は、例えば、コモンレールシステムを用いて燃料を噴射するディーゼル機関、ガソリン機関、アルコールを燃料として用いる機関などに適用することができる。
図1に示す燃料噴射弁10は、図1の下から順に示すように、第1の部材B1、第2の部材B2、第3の部材B3、そして第4の部材B4からなるボディを備えている。各部材は、それぞれ隣り合う部材と連結されている。以下、図1を用いて、各部材についての説明を、第1の部材B1から順に行う。なお、以下の各部材の説明において、方向を示す語句は、図1における方向に準ずるものとする。
第1の部材B1の下部の先端には、燃料の噴射口である噴孔12が形成されている。第1の部材B1の内部には、噴孔12を端部とする内部燃料通路13が形成されている。内部燃料通路13には、燃料溜り14が形成されている。第1の部材B1には、燃料溜り14から第2の部材B2と接する部分まで燃料通路15Aが設けられている。燃料通路15Aは、燃料を燃料溜り14に導通させるために設けられている。
第2の部材B2の内部には、空間が形成されている。第2の部材B2には、第1の部材B1と接する部分に燃料通路15Bが設けられている。燃料通路15Bは、燃料通路15Aと連通している。
第3の部材B3の内部には、第2の部材と同様に、空間が設けられている。第3の部材B3と第2の部材B2とのそれぞれの空間は、連通しており、燃料噴射弁10の内部空間を形成している。第3の部材B3には、燃料入口19が設けられている。燃料入口19から第3の部材B3の内部の空間に向かって、燃料通路15Eが設けられている。燃料通路15Eから分岐するように、燃料通路15Fと燃料通路15Dとが設けられている。燃料通路15Dは、燃料通路15Cと連通している。
第4の部材B4の内部には、空間が設けられている。第4の部材B4と第3の部材B3とが結合することで、上記の空間は、第3の部材B3の内部の空間に連通する。また、第3の部材B3の燃料通路15Fは、第4の部材B4の内部の空間57と連通している。
第4の部材B4の内部の空間57には、アーマチャ51、内部ステータ52、外周ステータ53、ボビン54、そしてコイル55から構成される磁気回路50が収納されている。磁気回路50は、固定リング56によって固定されている。アーマチャ51の上部は、内部ステータ52と接続されている。第4の部材B4の内部の空間57には、アーマチャ51が移動できるスペースが設けられている。
ボディには、燃料噴射弁10における燃料噴射量を調節する弁部材32が収納されている。弁部材32は、ノズルニードル20、コマンドピストン30、そしてフランジ31によって構成されている。以下、ノズルニードル20、コマンドピストン30、そしてフランジ31の順に説明する。
ノズルニードル20は、第1の部材B1における内部燃料通路13と嵌合するように設けられている。ノズルニードル20は、噴孔12近傍のシート部11と接することで、内部燃料通路13と噴孔12との間を塞いでいる。
コマンドピストン30は、第3の部材B3の内部の空間に嵌合するように設けられている。コマンドピストン30は、第3の部材B3に設けられたストッパ41の付近に、顎部42を設けている。コマンドピストン30の上端部は、磁気回路50のアーマチャ51と接続されている。
コマンドピストン30とノズルニードル20とは、フランジ31により接続されている。このため、コマンドピストン30及びノズルニードル20は、一体として上下動する。また、コマンドピストン30が上昇(リフト)する際に、顎部42がストッパ41に当たることにより、リフト量が規制されている。なお、本実施形態では弁部材32にフランジ31が含まれているが、ノズルニードル20とコマンドピストン30とが一体となっている場合、フランジ31を省略することができる。
燃料噴射弁10の内部には、第1の部材B1、第2の部材B2、第3の部材B3、そして弁部材32によって空間が形成されている。この空間は、フランジ31によって区画されている。図1に示すように、フランジ31の上側の空間には、スプリング35が収納されている。この空間をスプリング室34とする。スプリング35は、フランジ31を付勢することで、弁部材32を下方に付勢している。
フランジ31の下側の空間は、燃料が蓄えられる燃料室となる。この燃料室は、ノズルニードル20の一部が拡径したプレート24によって上部の空間と下部の空間とに区画されている。この上部の空間は、燃料通路15Cと連通している。この下部の空間は、燃料通路15Bと連通している。プレート24の中央には、オリフィス22が設けられている。プレート24によって区画されたそれぞれの空間は、オリフィス22によって連通する。プレート24とオリフィス22とが、燃料噴射弁10の内部空間に差圧を発生させて弁部材32を下方に付勢する力を発生させる、差圧閉弁力発生機構36を構成している。以下に、差圧閉弁力発生機構36による、弁部材32を下方に付勢する力の発生について詳述する。
まず、燃料が供給されて上部の空間に燃料が蓄積する。次に下部の空間に燃料が導通する。このとき、下部の空間に移動する燃料の流量は、オリフィス22によって制限される。これにより、上部と下部の空間の間に、燃料の蓄積量の差異による圧力損失が発生する。このため、上部の空間からプレート24を下方に付勢する力が発生する。このときに発生する力が、差圧閉弁力発生機構36によって生じる燃料の差圧による、弁部材32を下方に付勢する力となる。以下、この下部の空間を下流差圧室21として、この上部の空間を上流差圧室23とする。
以下に、磁気回路50に電流が加えられることによる弁部材32のリフトについて説明する。磁気回路50のコイル55は、図示しない制御装置であるECU(Engine Control Unit)と電気的に接続されている。ECUからコイル55に電流が加えられることにより、アーマチャ51が内部ステータ52に吸引される。そして、アーマチャ51に締結されたコマンドピストン30にリフト方向の力が加わる。この結果、弁部材32に対してリフトする力が加わる。弁部材32がリフトすることにより、ノズルニードル20とシート部11との間に隙間が生まれる。
燃料噴射弁10に燃料が供給される流れについて説明する。まず、燃料入口19に燃料が供給される。供給された燃料は、燃料通路15E、燃料通路15D、そして燃料通路15Cの順に導通される。次に、燃料は、上流差圧室23に供給される。次に、燃料は、上流差圧室23から、オリフィス22を介して、下流差圧室21に供給される。次に、燃料は、燃料通路15B、燃料通路15Aの順に通過した後、燃料溜り14に満たされる。そして、燃料は、燃料溜り14から、ノズルニードル20と第1の部材B1との間に形成されている内部燃料通路13に満たされる。このように、燃料無噴射時には、燃料噴射弁10の内部において、燃料が通過する空間それぞれに、燃料が満たされている。このとき、燃料入口19から絶えず燃料が供給されている。このため、燃料噴射弁10の内部に満たされている燃料には、絶えず圧力がかかっている。
燃料が噴射される仕組みについて説明する。燃料噴射時には、磁気回路50に電流が加えられ、弁部材32がリフトする。これにより、ノズルニードル20とシート部11との間に隙間が生まれる。この隙間が生じることで、燃料が噴孔12から霧状になって噴射される。
[燃料噴射弁の特徴的動作]
本実施形態における燃料噴射弁10は、磁気回路50による弁部材32をリフトさせる力(以下、開弁力という。)と、スプリング35及び差圧閉弁力発生機構36によるノズルニードル20をシート部11に着座させる方向に付勢する力(以下、閉弁力という。)とを吊り合わせて、任意のリフト位置に弁部材32を保持させることができる。この結果、燃料噴射時期全体において、燃料噴射量を可変に設定することができる。下記に、開弁力と閉弁力との吊り合わせについて、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態における弁部材32の位置の説明図である。図2の(X)は、開弁力と閉弁力との関係を示している。図2の(X)において、横軸は弁部材32のリフト位置を、縦軸は開弁力及び閉弁力の大きさを表している。
図2の(X)における点aは、燃料無噴射時における弁部材32のリフト位置を示している。点aが示すリフト位置では、弁部材32はまだリフトしていない。
図2の(a)は、燃料無噴射時における弁部材32の位置を示している。図2の(a)は、図2の(X)における点aと対応している。なお、図2の(a)に示される各種符号は、図1に示す符号と同一のものである。ここで、Aは上流差圧室23の横断面の面積、Aはシート(噴孔12)面積、Pは上流差圧室23の圧力、Pは下流差圧室21の圧力、Pは噴射圧力、Sはオリフィス22の面積、Sは弁部材32とシート部11との間の隙間の面積をそれぞれ示している。
図2の(a)が示す位置において、弁部材32は、スプリング35及びシート面積Aに作用するP−Pの差圧による閉弁力を受けている。ここで、磁気回路50に電流が流れると、開弁力の方が閉弁力より大きくなる。このため、弁部材32がリフトしていく。
図2の(X)における点bは、弁部材32が保持される任意のリフト位置を示している。点bは、閉弁力と開弁力とが吊り合っている状態を示している。
図2の(b)は、任意のリフト位置に保持されている弁部材32の位置を示している。図2の(b)は、図2の(X)における点bと対応している。磁気回路50に電流が加えられることで、弁部材32が、図2の(a)の示す位置から、図2の(b)の示す位置までリフトする。
図2の(b)の示す位置において、弁部材32には、磁気回路50による開弁力、スプリング35による閉弁力、プレート24に作用しているP−Pの差圧による閉弁力、シート面積Aに作用するP−Pの差圧による閉弁力が作用している。この際の下流差圧室21の圧力Pは、下記式(1)によって表される。
Figure 2014218971
また、プレート24に作用する閉弁力fは、下記式(2)によって表される。
Figure 2014218971
上記式(1)及び(2)によると、弁部材32のリフト量の増加に応じてPが低下することで閉弁力が急激に増大する。その後、増大した閉弁力が開弁力と吊り合う任意のリフト位置に収束する。このため、図2の(b)に示すようなリフト位置に弁部材32が保持される。この結果、弁部材32とシート部11との間の隙間の面積Sに応じた燃料噴射量を得ることができる。
図2の(X)における点cは、弁部材32がフルリフトしているときの位置を示している。図2の(c)は、弁部材32がフルリフトしたときの位置を示している。弁部材32のフルリフト時には、閉弁力の方が開弁力より大きくなる。これは、顎部42がストッパ41に当たることで、弁部材32のリフトを止める力が付加されるためである。これにより、弁部材32のリフト量が規制される。
[電流の制御による燃料噴射量の制御範囲の拡大]
図2の(b)が示すように、本実施形態における燃料噴射弁10の弁部材32は、上流差圧室23と下流差圧室21における燃料の差圧によって、任意のリフト位置で収束するという特性を持っている。この特性を利用して、磁気回路50に加える電流の大きさを制御して、弁部材32のリフト位置を様々な位置に変更することができる。この結果、燃料噴射量の制御範囲であるダイナミックレンジを拡大することができる。以下に、図3乃至図6を用いて、磁気回路50に加える電流の制御によるダイナミックレンジの拡大について説明する。
図3は、燃料噴射弁の内部に差圧閉弁力発生機構36を備えているか否かによって、ダイナミックレンジに表れる差異について示した図である。図3の(a)は、差圧閉弁力発生機構36を備えていない燃料噴射弁における開弁力と閉弁力との関係を表した図である。図3の(a)には、この燃料噴射弁において、開弁力が閉弁力よりも常に大きい値をとる様子が示されている。これは、スプリング35が弁部材32を付勢する力よりも、磁気回路50が弁部材32を駆動する力の方が常に大きいことを示している。
図3の(b)は、差圧閉弁力発生機構36を備えていない燃料噴射弁におけるダイナミックレンジについて示している。図3の(b)におけるQは燃料噴射量を、Tは時間を示している。また、実線は、磁気回路50が駆動してからの燃料噴射量の変化を示している。図3の(b)のX1において、燃料噴射量が変動している様子が示されている。この変動は、弁部材32がリフトした際に、顎部42がストッパ41に衝突した際におきるものである。この衝突後、燃料噴射量が一定の傾きで増加する範囲がダイナミックレンジに相当する。
図3の(c)は、差圧閉弁力発生機構36を備えている燃料噴射弁10における開弁力と閉弁力とを表した図である。図3の(c)には、弁部材32に発生する2種類の開弁力が点線で示されている。これは、磁気回路50に加える電流の大きさを大及び小に設定した場合のそれぞれの開弁力を示している。このように、本実施形態における燃料噴射弁10では、電流の大きさの水準の数を設定して、その数に応じた開弁力を発生させることができる。
図3の(d)は、差圧閉弁力発生機構36を備えている燃料噴射弁10におけるダイナミックレンジについて示している。図3の(d)には、2種類の実線が示されている。これらの実線は、図3の(c)で2種類の電流の大きさを設定した場合、それぞれの設定における燃料噴射量の変化について示している。
図3の(d)におけるX2には、燃料噴射量が変動している様子が示されている。この変動は、差圧閉弁力発生機構36及びスプリング35によって生じる弁部材32を付勢する力と、磁気回路50によって生じる弁部材32をリフトさせる力とが吊り合う際に起きる変動である。この変動は、燃料の差圧によってリフトが止まるときに生じるものである。
図3の(d)におけるX2が示す変動は、図3の(b)に示すX1が示す変動よりも小さい。これは、燃料の差圧を利用してリフトを止めたときの変動の方が、顎部42がストッパ41に当たってリフトを止めたときの変動よりも小さいためである。このように、差圧閉弁力発生機構36を備えている燃料噴射弁10では、吊り合い時に発生する燃料噴射量の変動が比較的小さい。このため、変動の後のダイナミックレンジを拡大することができる。
また、図3の(d)が示すように、本実施形態における燃料噴射弁10は、磁気回路50に加える電流を制御することで弁部材32のリフト位置を変更して、燃料噴射量の増加率に違いをもたせることができる。この結果、低い増加率と高い増加率とを使い分けることで、ダイナミックレンジを拡大することができる。
図4の(a)は、ECUで行われる磁気回路50への入力電流選択ルーチンのフローチャートである。ECUは、本ルーチンを記憶するためのメモリーを有している。ECUは、記憶した本ルーチンを実行するためのプロセッサを有している。
本ルーチンでは、まず、現在の運転状態における要求燃料噴射量RQを算出する(S100)。
次に、要求燃料噴射量RQが指標燃料噴射量Q1より大きいか否かが判定される(S102)。指標燃料噴射量Q1とは、あらかじめECUに設定される任意の値であり、磁気回路50に加える電流の指標となる値である。例えば、図4の(b)に示されるように、指標燃料噴射量Q1はダイナミックレンジの中間に設定される。そして、要求燃料噴射量RQを満たすためにどの大きさの電流を選択するべきかの指標となる。
S102において、要求燃料噴射量RQが指標燃料噴射量Q1より大きいと判定された場合、ECUは、電流Iを選択する(S104)。電流Iは、図4の(b)に示されるように、電流Iよりも高い値をとる。このため、比較的多い燃料噴射量が要求された場合に電流Iが選択される。
一方、要求燃料噴射量RQが指標燃料噴射量Q1以下であると判定された場合、ECUは、電流Iを選択する(S106)。電流Iは、図4の(b)に示されるように、電流Iよりも低い値をとる。このため、比較的少ない燃料噴射量が要求された場合に電流Iが選択される。
S104及びS106が実行されると、次に、時間Tの幅が決定される(S108)。時間Tの幅とは、1回の噴射において、弁部材32が開弁して燃料が噴射される時期のことである。時間Tの幅が決まることで、1回の噴射あたりの燃料噴射量が決定される。
図5は、本実施形態におけるリフト位置の計算例である。図5のグラフには、磁気回路50に加える電流として、6A(アンペア)と12A(アンペア)の2水準の大きさが設定されている様子が示されている。図5のグラフには、条件1乃至4における閉弁力が示されている。条件1乃至4とは、図5の表に示されるように、燃料噴射弁10における各面積の比である。条件1乃至4は、フルリフト時において、電流の大きさが12Aのときの開弁力と吊り合う閉弁力を発生させるために求められる、燃料噴射弁10における各面積比の例である。ここでいう、Aは上流差圧室23の横断面の面積、Aはシート(噴孔12)面積、Sはオリフィス22の面積、Sは弁部材32とシート部11との間の隙間の面積である。A/Aは受圧面積比であり、S/Sは絞り流路面積比である。
図5のグラフには、条件1乃至4の閉弁力を示す実線と、電流の大きさが6Aの場合の開弁力を示す実線とのそれぞれの交点が、中間リフトの位置として示されている。ここで、例えば、条件1における中間リフトの位置は、条件4における中間リフトの位置よりも低く、フルリフトの中間から離れている。このように、本実施形態における燃料噴射弁10は、受圧面積比A/Aが大きくなるほど絞り流路面積比S/Sを大きくとることで、求める中間リフトの位置を得ることができる。
以下、図6乃至図9を用いて、本実施形態の変形例について説明する。
図6は、電流の大きさを細かく設定した場合の開弁力と閉弁力との関係を表している。図6に示すように、電流の大きさの水準を細かく設定することも可能である。このような形態をとることにより、要求燃料噴射量RQに対して電流の大きさを制御して、中間リフトの位置を選択することで、時間Tの幅を固定して要求燃料噴射量RQを満たすことができる。
図7は、本実施形態における燃料噴射弁10の変形例を表す図である。図7に示す燃料噴射弁10のプレート24には、プレート24と第2の部材B2とが嵌合する部分に、切欠きが設けられている。この切欠きは、上流差圧室23と下流差圧室21とを連通させるためのオリフィス22として設けられている。
図8は、本実施形態における燃料噴射弁10の変形例を表す図である。図8に示す燃料噴射弁10のノズルニードル20には、上流差圧室23と下流差圧室21とを連通する小径の通路が設けられている。この通路は、上流差圧室23と下流差圧室21とを連通させるためのオリフィス22として設けられている。
図9は、本実施形態における燃料噴射弁10の変形例を表す図である。図9に示す燃料噴射弁10の第2の部材B2には、上流差圧室23と下流差圧室21とを連通する小径の通路が設けられている。この通路は、上流差圧室23と下流差圧室21とを連通させるためのオリフィス22として設けられている。
なお、本実施形態の燃料噴射弁10において、第4の部材B4は、磁気回路50からの磁束漏れを低減するために、非磁性体からなることが望ましい。
10 燃料噴射弁
11 シート部
12 噴孔
20 ノズルニードル
21 下流差圧室
22 オリフィス
23 上流差圧室
24 プレート
30 コマンドピストン
31 フランジ
32 弁部材
35 スプリング
36 差圧閉弁力発生機構
50 磁気回路
51 アーマチャ
55 コイル

Claims (6)

  1. 燃料の噴射口である噴孔と、
    前記噴孔を開閉する弁部材と、
    前記噴孔を開く方向に前記弁部材を駆動する磁気回路と、
    前記噴孔を閉じる方向に前記弁部材を付勢するスプリングと、
    前記弁部材に設けられて内部空間を上流差圧室と下流差圧室とに区画するプレートと、前記上流差圧室及び前記下流差圧室を連通するオリフィスと、を含む差圧閉弁力発生機構と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記オリフィスは、前記プレートに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記オリフィスは、前記弁部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記オリフィスは、前記弁部材の外側の部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁と、
    前記磁気回路に入力する電流を制御して、前記差圧閉弁力発生機構及び前記スプリングによって生じる前記弁部材を付勢する力と、前記磁気回路によって生じる前記弁部材を駆動する力とが吊り合う前記弁部材のリフト位置を変更する制御装置と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  6. 前記制御装置は、少なくとも2水準の大きさの電流を選択して、前記弁部材のリフト位置を少なくとも2段階に設定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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