JPWO2016136392A1 - 燃料噴射装置、燃料噴射装置の制御装置、燃料噴射装置の制御方法、燃料噴射システム - Google Patents

燃料噴射装置、燃料噴射装置の制御装置、燃料噴射装置の制御方法、燃料噴射システム Download PDF

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Abstract

本発明は、特に噴射パルス幅が短い場合において、噴射パルスに対する噴射量を示す波形の傾きを抑制し、燃料噴射装置の噴射量の制御精度を向上させることを目的とする。本発明は、弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子と、を有する燃料噴射装置を制御する制御装置において、前記ソレノイドに印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記弁体が開弁を開始する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させるように駆動電流を制御することを特徴としたものである。

Description

本発明は、内燃機関に使用される燃料噴射装置、燃料噴射装置の制御装置、燃料噴射装置の制御方法、燃料噴射システムに関する。
近年、排気量を減らして小型化するとともに、過給器によって出力を得るようにしたダウンサイジングエンジンが注目されている。ダウンサイジングエンジンでは、排気量を減らすことで、ポンピングロスやフリクションを低減することができるため、燃費を向上することができる。一方で、過給器を用いることで十分な出力を得ると共に、筒内直接噴射を行うことによる吸気冷却効果により、過給に伴う圧縮比の低下を抑制して、燃費を向上することができる。特に、このダウンサイジングエンジンに用いる燃料噴射装置では、低排気量化によって得る最低出力に対応した最小噴射量から、過給によって得る最高出力に対応した最大噴射量までの広範囲に亘って燃料を噴射できる必要があり、噴射量の制御範囲の拡大が求められる。また、排気規制の強化に伴い、モード走行時の未燃焼粒子(PM:Particulate Matter)の総量とその個数である未燃焼粒子数(PN:Particulate Number)の抑制が可能な燃料噴射装置が求められている。
本技術分野の燃料噴射装置の駆動装置の背景技術として、特許文献1がある。この公報には、「ECU(燃料噴射制御装置)は、以下の選択手段、およびポンプ制御手段を備える。選択手段は、弁体がフルリフト位置に達した後に閉弁作動を開始するフルリフト噴射、および弁体がフルリフト位置に達することなく閉弁作動を開始するパーシャル噴射のいずれで燃料を噴射させるかを選択する。ポンプ制御手段は、インジェクタへ供給される燃料の圧力が目標圧力となるよう、高圧ポンプの作動を制御する。そして、燃料噴射システムがとりうる目標圧力の最大値Pmaxでパーシャル噴射したときの最大噴射量をパーシャル最大噴射量Qplmaxと呼ぶ場合において、選択手段は、要求噴射量Qreqがパーシャル最大噴射量Qplmax以下である場合にパーシャル噴射を選択する。」という内容が開示されており、燃料噴射装置の駆動電流としては「電流値が設定されたIpに達したときにVboostを遮断する。」という内容が開示されている(要約参照)。
また、本技術分野の燃料噴射装置の背景技術として、特許文献2がある。この公報には、「燃料噴射装置の磁気コアに吸引されて弁の開閉を行う可動子として閉弁方向に付勢する第一ばねによって付勢された第一の可動子と、開弁方向に付勢する第二ばねによって磁気コアの方向に付勢される第二の可動子とを備えるように構成する。」(要約参照)という内容が開示されている。
特開2014−218977号公報 特開2014−25419号公報
一般に、燃料噴射装置の噴射量は、ECUより出力される噴射パルスのパルス幅によって制御する。噴射パルス幅を長くすると噴射量が大きく、噴射パルス幅を短くすると噴射量が小さくなり、その関係は略線形的である。しかしながら、従来技術における燃料噴射装置の駆動波形では、開弁を開始した後も最大の駆動電流Ipeakを流し続けるため、開弁方向への力が強くなりすぎることから、パルス幅に対する弁体の変位量の増加量が多くなりすぎる虞があるため、特に低噴射量領域における噴射量制御が難しくなる。また、噴射パルス幅が短い領域では、可動子が固定コア等に衝突した際に弁体がバウンド挙動を起こし、噴射パルスを停止してから弁体が閉弁位置に到達するまでの時間が変動してしまう。そのため、噴射パルス幅に対して噴射量が直線的に変化せず、このために燃料噴射装置の制御可能な最小噴射量が増加してしまうという問題がある。
ここで、特許文献1に開示されている燃料噴射装置の駆動電流で駆動を行った場合、噴射パルスに対する噴射量を示す波形の傾きが大きくなる虞がある。たとえば、特許文献2に記載されている予備ストローク機構を有する燃料噴射装置を使用した場合には、可動子の予備動作により、予備ストローク機構を有さない燃料噴射装置に比べて、可動子による弁体の開弁力は大きくなる。そのため、噴射パルスに対する噴射量を示す波形の傾きが大きくなると、燃料噴射装置の制御分解能の制約から、結果として燃料噴射装置の噴射量の制御精度が低下する虞がある。
そこで本発明は、特に噴射パルス幅が短い場合において、噴射パルスに対する噴射量を示す波形の傾きを抑制し、燃料噴射装置の噴射量の制御精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、「弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子と、を有する燃料噴射装置を制御する制御装置において、
前記ソレノイドに印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記弁体が開弁を開始する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させるように駆動電流を制御すること」を特徴としたものである。
本発明によれば、特に噴射パルス幅が短い場合において、噴射パルスに対する噴射量を示す波形の傾きを抑制し、燃料噴射装置の噴射量の制御精度を向上させることができる。
本発明の第一実施例における燃料噴射装置の縦断面図と、この燃料噴射装置に接続される駆動回路及びエンジンコントロールユニット(ECU)の構成図を示す図である。 本発明の第一実施例における燃料噴射装置の閉弁状態における駆動部構造の拡大図を示した図である。 本発明の第一実施例における燃料噴射装置の可動子が弁体に衝突をする状態における駆動部構造の拡大図を示した図である。 本発明の第一実施例における燃料噴射装置の可動子が固定コアに衝突をする状態における駆動部構造の拡大図を示した図である。 本発明の第一実施例における燃料噴射装置の可動子が閉弁運動を行っている状態における駆動部構造の拡大図を示した図である。 本発明の第一実施例における燃料噴射装置をフルリフト制御で駆動する場合の噴射パルス幅、燃料噴射装置のソレノイド105に印加される駆動電流、弁体114及び可動子の変位と時間の関係を示した図である。 本発明の第一実施例における燃料噴射装置を中間リフト制御で駆動する場合の噴射パルス幅、燃料噴射装置のソレノイド105に印加される駆動電流、弁体114及び可動子の変位と時間の関係を示した図である。 本発明の第一実施例における、図3のECUから出力される噴射パルス幅Tiとその際の燃料噴射量の関係を示した図である。 本発明の第一実施例における、図3のECUから出力される噴射パルス幅Tiとその際の燃料噴射量の関係を中間リフト領域のTiを拡大して示した図である。 本発明の第一実施例における燃料噴射装置の駆動装置およびECU(エンジンコントロールユニット)の詳細を示した図である。
以下に本発明の実施例について図1〜図10を用いて説明する。
一般に、燃料噴射装置の噴射量は、ECUより出力される噴射パルスのパルス幅によって制御する。噴射パルス幅を長くすると噴射量が大きく、噴射パルス幅を短くすると噴射量が小さくなり、その関係は略線形的である。しかしながら、従来技術における燃料噴射装置の駆動波形では、開弁を開始した後も最大の駆動電流Ipeakを流し続けるため、開弁方向への力が強くなりすぎることから、パルス幅に対する弁体の変位量の増加量が多くなりすぎる虞があるため、特に低噴射量領域における噴射量制御が難しくなる。また、可動子が固定コア等に衝突した際に生じる弁体のバウンド挙動により、噴射パルスを停止してから可動子が閉弁位置に到達するまでの時間が変動してしまう、このため、噴射パルス幅に対して噴射量が直線的に変化しないため、燃料噴射装置の制御可能な最小噴射量が増加してしまうという問題がある。
また、前述の可動子の跳ね返り現象のために噴射量が燃料噴射装置の個体ごとに安定しない場合があり、噴射量が最も大きくなる個体を制御可能な最小噴射量として設定せざるを得ないため、最小噴射量を増大させる要因となることがあった。また、噴射パルスと噴射量の関係が直線とならない非線形領域での噴射パルスからさらに噴射パルス幅を短くすると、可動子と固定コアが衝突しない、すなわち弁体がフルリフトしない中間リフトの領域となる。この中間リフトの領域では、各気筒の燃料噴射装置に同じ噴射パルスを供給しても、燃料噴射装置の寸法公差の影響によって生じる個体差によって、燃料噴射装置のリフト量が異なるため、噴射量の個体ばらつきが大きくなり、燃焼の安定性の観点からこの中間リフト領域を使用することは困難であった。
上述したように、燃費を向上するためには、燃料噴射装置の噴射量ばらつき低減と制御可能な最小噴射量を低減する必要があり、最小噴射量の大幅な低減のためには、噴射パルスが短い領域や噴射パルスが小さく、弁体が目標リフトに到達しない中間リフトの領域での噴射量を制御することが求められている。この要求を満たすための燃料噴射装置の制御装置について、以下、図1から図10を用いて説明する。
図1は燃料噴射装置の駆動装置における基本的な構成の一例を示したものである。燃料噴射装置及びその駆動装置の構成と基本的な動作を説明する。図1は、燃料噴射装置の縦断面図とその燃料噴射装置を駆動するための駆動回路151、ECU(エンジンコントロールユニット)150の構成の一例を示す図である。本実施例ではECU150と駆動回路151とは別体の装置として構成されているが、ECU150と駆動回路151は一体の装置として構成されてもよい。なお、ECU150と駆動回路151とで構成される装置を駆動装置と称する。ECU150では、エンジンの状態を示す信号を各種センサから取り込み、内燃機関の運転条件に応じて燃料噴射装置から噴射する噴射量を制御するための噴射パルスの幅や噴射タイミングの演算を行う。
ECU150では、エンジンの状態を示す信号を各種センサから取り込み、内燃機関の運転条件に応じて燃料噴射装置から噴射する噴射量を制御するための噴射パルスの幅や噴射タイミングの演算を行う。ECU150より出力された噴射パルスは、信号線153を通して燃料噴射装置の駆動回路151に入力される。駆動回路151は、ソレノイド105に印加する電圧を制御し、ターミナル109を介して電流を供給する。ECU150は、通信ライン152を通して、駆動回路151と通信を行っており、燃料噴射装置に供給する燃料の圧力や運転条件によって駆動回路151によって生成する駆動電流を切替えることや、電流および時間の設定値を変更することが可能である。駆動回路151は、ECU150との通信によって制御定数を変化できるようになっており、制御定数に応じて電流波形の設定値を変化させることができる。
次に、図10を用いて、本発明の第一実施例における燃料噴射装置の駆動装置の構成について説明する。図10は、燃料噴射装置の駆動回路151およびECU150の詳細を示した図である。
CPU501は例えばECU150に内蔵され、燃料噴射装置の上流の燃料配管に取り付けられた圧力センサや、エンジンシリンダへの流入空気量を測定するA/Fセンサ、エンジンシリンダから排出された排気ガスの酸素濃度を検出するための酸素センサ、クランク角センサ等のエンジンの状態を示す信号を、前述で説明した各種センサから取り込み、内燃機関の運転条件に応じて燃料噴射装置から噴射する噴射量を制御するための噴射パルスの幅や噴射タイミングの演算を行う。また、CPU501は、内燃機関の運転条件に応じて適切な噴射パルス幅Tiのパルス幅(すなわち噴射量)や噴射タイミングの演算を行い、通信ライン504を通して燃料噴射装置の駆動IC502に噴射パルス幅Tiを出力する。その後、駆動IC502によって、スイッチング素子505、506、507の通電、非通電を切替えて燃料噴射装置540へ駆動電流を供給する。
スイッチング素子505は駆動回路に入力された電圧源VBよりも高い高電圧源と燃料噴射装置540の高電圧側の端子間に接続されている。スイッチング素子505、506、507は、例えばFETやトランジスタ等によって構成され、燃料噴射装置540への通電・非通電を切り替えることができる。高電圧源の初期電圧値である昇圧電圧Vbооstは例えば60Vであり、バッテリ電圧を昇圧回路514によって昇圧することで生成する。昇圧回路514は例えばDC/DCコンバータ等により構成されるかコイル530とトランジスタ531、ダイオード532およびコンデンサ533で構成する方法がある。後者の昇圧回路514の場合、トランジスタ531をONにすると、バッテリ電圧VBは接地電位534側へ流れるが、トランジスタ531をOFFにすると、コイル530に発生する高い電圧がダイオード532を通して静流されコンデンサ533に電荷が蓄積される。昇圧電圧Vboostとなるまで、このトランジスタのON・OFFを繰り返し、コンデンサ533の電圧を増加させる。トランジスタ531は、IC502もしくはCPU501と接続され、昇圧回路514から出力される昇圧電圧VboostはIC502もしくはCPU501で検出するよう構成する。
また、ソレノイド105の電源側端子590とスイッチング素子505との間には、第二の電圧源から、ソレノイド105、設置電位515の方向に電流が流れるようにダイオード535が設けられており、また、ソレノイド105の電源側端子590とスイッチング素子507との間にも、バッテリ電圧源から、ソレノイド105、設置電位515の方向に電流が流れるようにダイオード511が設けられており、スイッチ素子505を通電している間は、接地電位515から、ソレノイド105、バッテリ電圧源および第二の電圧源へ向けては電流が流れられない構成となっている。また、ECU150には、噴射パルス幅の演算等のエンジンの制御に必要な数値データを記憶させるために、レジスタおよびメモリが搭載されている。レジスタおよびメモリは駆動装置150もしくは駆動装置150内のCPU501に内包されている。
また、スイッチング素子507は、低電圧源と燃料噴射装置の高圧端子間に接続されている。低電圧源VBは例えばバッテリ電圧であり、その電圧値は12から14V程度である。スイッチング素子506は、燃料噴射装置540の低電圧側の端子と接地電位515の間に接続されている。駆動IC502は、電流検出用の抵抗508、512、513により、燃料噴射装置540に流れている電流値を検出し、検出した電流値によって、スイッチング素子505、506、507の通電・非通電を切替え、所望の駆動電流を生成している。ダイオード509と510は、燃料噴射装置のソレノイド105に逆電圧を印加し、ソレノイド105に供給されている電流を急速に低減するために備え付けられている。CPU501は駆動IC502と通信ライン503を通して、通信を行っており、燃料噴射装置540に供給する燃料の圧力や運転条件によって駆動IC502によって生成する駆動電流を切替えることが可能である。また、抵抗508、512、513の両端は、IC502のA/D変換ポートに接続されており、抵抗508、512、513の両端にかかる電圧をIC502で検出できるように構成されている。
図1に示した燃料噴射弁の断面図と図2〜5の詳細断面を用いて燃料噴射装置の構成と動作について説明する。
図2は本実施例において、閉弁状態における弁体114の駆動構造の拡大図を示している。ECU150の制御部(501)は、燃料噴射装置が備えるソレノイド105にかける駆動電圧、又は駆動電流を制御することで弁体114の開閉を制御することで、燃料噴射のON・OFFを制御する。より具体的にはECU150の制御部(501)は駆動回路151に送る噴射パルス幅を制御しており、この噴射パルス幅の信号を受けた駆動回路151は、この信号に基づいて駆動電流波形を決定し、噴射パルス幅の時間だけソレノイド105に駆動電流を送る。
本実施例における燃料噴射装置は固定コア107、可動子102、ノズルホルダ101、ハウシング103とで磁気回路を構成している。ノズルホルダ101の可動子102と固定コア107との間の隙間に対応する部分には磁気絞りが形成されている。ソレノイド105はボビン104に巻き付けられた状態でノズルホルダ101の外周側に取り付けられており、コネクタモールド121により絶縁性を保っている。弁体の上流側にはロッドヘッド132が弁体114の突起部131に圧入固定される。固定コア107の内周側には弁体114をロッドヘッド132を介して下流側に付勢する第一のばね110が収納されている。つまり、ロッドヘッド132の上流側には第一のばね110を受けるばね受け部が形成される。ノズルホルダ101の下流側先端には、弁座39と燃料噴射孔119とが形成されたオリフィスカップ116が設けられる。オリフィスカップ116の内周側にはロッドガイド115が圧入固定されるようにして設けられている。ロッドガイド115はオリフィスカップ116と一体構造となっていても良い。
弁体114の上流側外周面は固定コア107の内周側側面により、また弁体114の下流側外周面はロッドガイド115により、軸方向の動きをガイドされている。第一のばね110は弁体に圧入固定されているロッドヘッド132の上面と調整子54により固定されている。調整子54の固定位置を調整することにより第一のばね110が弁体114を弁座39に押し付ける初期の荷重を調整することができる。燃料は燃料供給口118から燃料噴射装置の中に流入し、燃料供給口118の内側にはフィルタ113が設けられている。燃料供給口118の外周側には燃料配管に接続する際に燃料配管側の接続部との間で燃密を確保するシール材130が設けられている。
通常状態(ソレノイド105に通電されていない状態)において弁体114は、ロッドヘッド132を介して、第一のばね110によって閉弁方向に付勢されている。この通常状態では、ロッドヘッド132の端部とは反対側に位置する弁体114のシート部はノズルホルダ下流側の弁座39に当接しているので、燃料は封止されている。ここで弁体114は弁座39が有するガイド部分と、固定コアが有するガイド部分に支持されており、可動子102は常に弁体114のみに支持されており、ノズルホルダ101と可動子102の間でノズルホルダに支持されている第二のばね112により開弁方向に付勢されている。
可動子の上端面102Aには下端面102B側に向けて凹部102Cが形成されている。この凹部102Cの内側に、中間部材133が設けられている。中間部材133の下面側には上方に向けて凹部133Aが形成されており、この凹部133Aは弁体114に設けられた段付き部129が収まる直径(内径)と深さを有している。すなわち、凹部133Aの直径(内径)は段付き部129の直径(外径)よりも大きく、凹部133Aの深さ寸法は段付き部129の上端面129Aと下端面129Bとの間の寸法よりも大きい。中間部材133とロッドヘッド132との間には第三のばね134が保持されており、中間部材133の上端面133Cは第三のばね134の一端部が当接するばね座を構成する。ここで、第三のばね134の付勢力は第二のばねよりも強く設定されているため、中間部材133は弁体114の段付き部分と当接し、且つ可動子と当接するため、可動子102を固定コア107側から閉弁方向に付勢し、可動子と固定コアの間にはG1=D1の隙間が存在し、可動子と弁体114の段付き部分には空隙201が存在する状態で静止している。
次に図3を用いて、燃料噴射装置が通電され、可動子102が弁体114に衝突をする状態における駆動部の構造を説明する。
ソレノイド105に駆動電流が供給されると、磁気回路によって発生する磁界により、固定コア107と可動子102との間に磁束が通過し、可動子102に磁気吸引力が作用する。可動子102が第三ばね134の付勢力を超える力で吸引されることで上方へ動き始める。このとき、弁体114と弁座39とは接触した状態のまま維持されるため、可動子102の運動は、燃料の流れが無い状態で行われることになる。この可動子102の運動は燃料圧力による差圧力を受けている弁体114とは別に行われる空走運動ということができる。
したがって、このとき可動子102は燃料の圧力などの影響を受けることがなく、高速に移動することが可能である。この可動子102の上方(上流側)への運動は可動子102と中間部材が当接した状態を維持しながら行われる。そして可動子102の変位量が空隙201に達すると可動子102と弁体114に設けられた段付き部分の可動子側の面129Bが当接する。その後、可動子102と弁体114の段付き部分の可動子側の面129Bとの当接面を介して磁気吸引力が弁体114に伝達され、弁体114を開弁方向に引き上げる。
このとき、可動子102は、空走運動を行って、運動エネルギーを有した状態で弁体114と衝突するため、弁体114は、可動子102の運動エネルギーを受取り、高速に開弁方向に変位を開始する。弁体114には燃料の圧力に伴って生じる差圧力が作用しており、弁体114に作用する差圧力は、弁体114のシート部近傍の流路断面積が小さい範囲において、弁座の燃料の流速が増加し、ベルヌーイ効果による静圧低下に伴って生じる圧力降下によって弁体114先端部の圧力が低下することで生じる。
弁体114に作用する差圧力は、シート部の流路断面積の影響を大きく受けるため、弁体114の変位量が小さい条件では、差圧力が大きくなり、変位量が大きい条件では、差圧力が小さくなる。弁体114が閉弁状態から開弁開始を始めた段階で、変位量が小さい条件となり、弁体に作用する差圧力は大きくなり、弁体の開弁方向への動作はし難くなる。一方で弁体114の開弁が可動子102の空走運動によって衝撃的に行われるため、差圧力が大きくなるタイミングでの可動子102の可動を容易にし、より高い燃料圧力が作用している状態でも開弁動作を行うことができるようになる。あるいは、動作できることが必要な燃料圧力範囲に対して、より強い力にスプリング110を設定することができる。スプリング110をより強い力に設定することで、閉弁動作に要する時間を短縮することができ、制御可能な最小噴射量の低減に有効である。
次に図4を用いて、弁体114が開弁動作を行った後、可動子102が固定コアに衝突する状態における駆動部の構造を説明する。このとき、可動子102には第二のばね112によって固定コア107の方向に力が作用しているため、跳ね返りの変位量を小さくでき、また、跳ね返りが収束するまでの時間を短縮することができる。跳ね返り動作が小さいことで、可動子102と固定コア107の間のギャップが大きくなってしまう時間が短くなり、より小さい噴射パルス幅に対しても安定した動作が行えるようになる。このようにして開弁動作を終えた可動子102および弁体114は、開弁状態で静止する。弁体114が開弁を開始してから開弁状態を経て閉弁に至るまでは、弁体114と弁座39の間には隙間が生じており、燃料が噴射されている。燃料は固定コア107に設けられた中心孔と、可動子102に設けられた上部燃料通路孔と、可動子102に設けられた下部燃料通路孔を通過して下流方向へ流れてゆくようになっている。
ソレノイド105への通電が断たれると、磁気回路中に生じていた磁束が消滅し、磁気吸引力も消滅する。可動子102に作用する磁気吸引力が消滅することによって、弁体114はスプリング110の荷重と、燃料圧力による力によって、弁座39に接触する閉位置に押し戻され、図5に示す可動子102が閉弁運動を行っている状態における駆動部構造を経て弁座39に接触する閉弁位置に至り、燃料の噴射は終了する。
なお、本実施例の燃料噴射システムは特に過給機付の直接、エンジンに噴射するタイプに適用されることが望ましい。近年のエンジンはダウンサイジング化が求められていることから過給機付であることが望ましい。直接、エンジンに噴射するいわゆる直噴型の燃料噴射装置の場合、特に高圧の環境で使用されることになる。このため、本実施例の燃料噴射装置は、弁体114と、弁体114を弁シート部から離座させる可動子部と、を備え、弁体114が閉弁している状態において、弁体114と可動子102とは軸方向に隙間を介して配置される。
いわゆる予備ストローク機構を採用したものであり、これにより燃料レールから供給される燃料の圧力が30MPa以上になるなど、高圧環境においてもスムーズに開弁して燃料吐出を可能とするものである。また予備ストローク機構を採用しているので、高電圧の印加により供給されていたIpeakが発生させる磁気吸引力は可動子102の空隙201の運動にのみ使用されることとなる。
次に図6を用いて、本実施例における電磁式燃料噴射装置を駆動する駆動装置から出力される噴射パルスと燃料噴射装置のソレノイド105の端子両端にかかる駆動電圧と、駆動電流(励磁電流)と燃料噴射装置の弁体114の変位量(弁体移動量)との関係について説明する。
また図6を用いて噴射パルスと燃料噴射量との関係については説明する。
駆動回路151に噴射パルスが入力されると、駆動回路はバッテリ電圧よりも高い電圧に昇圧された高電圧源からソレノイド105に高電圧を印加し、ソレノイド105に電流の供給が開始される。電流値がある条件Ipeakに到達すると、高電圧301の印加を停止する。その後、印加する電圧値を0V未満(逆電圧)にし、電流302のように電流値を低下させる。電流値が設定された第一の保持電流304より小さくなると、駆動回路151はバッテリ電圧VBの印加をスイッチング素子のスイッチングによって行い、第一の保持電流304が保たれるように制御する。その後、予めECUに設定されていた時間が経過すると、バッテリ電圧VBの印加を0V以下(逆電圧)にし、電流303のように電流値を低下させる。電流値が設定された第二の保持電流305より小さくなると、駆動回路151はバッテリ電圧VBの印加をスイッチング素子のスイッチングにより行い、第二の保持電流305が保たれるように制御する。
ここで、高電圧(Vboost)301の印加を停止するタイミングT601は弁体114の開弁開始タイミングT602よりも前であることが望ましい。すなわち、ソレノイド105に印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御するECU150の制御部は、ソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流した後、弁体114が開弁を開始する前に、ソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させるように駆動電流を制御するものである。あるいは、ECU150の制御部は、ソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流した後、可動子102が弁体114に衝突する前に、ソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させるように駆動電流を制御するようにしても良い。
換言すると本実施例の燃料噴射装置は、ソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)が流れた後、弁体114が開弁を開始する前に、ソレノイド105に流れる駆動電流が最大駆動電流(Ipeak)から低下することを特徴とするものである。あるいはソレノイド105に最大の駆動電流を流れた後、可動子102が弁体114に衝突する前に、ソレノイド105に流れる駆動電流が最大駆動電流(Ipeak)から低下することを特徴とする。
また別の言い方をすると、弁体114とソレノイド105と弁体114を開弁させる可動子102とを有する燃料噴射装置と、燃料噴射装置を制御する制御装置(ECU150)と、を備えた燃料噴射システムにおいて、制御装置(ECU150)の制御部は、ソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流した後、弁体114が開弁を開始する前に、ソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させることを特徴とするものである。
すなわち、燃料噴射装置(弁体114)が開弁を開始した後も最大の駆動電流Ipeakを流し続けると、開弁方向への力が強くなりすぎることから、パルス幅に対する弁体の変位量の増加量が多くなりすぎる虞がある。この結果、図8の従来波形に示すように噴射パルス幅に対する噴射量の増加量が多くなるため、低噴射量領域における噴射量制御が難しくなる。
これに対して本実施例によれば上記したような燃料噴射装置の制御方法を採用しているので、弁体114が開弁を開始するよりも前に最大の駆動電流Ipeakを低下させるので、磁気吸引力を抑制し、噴射パルス幅に対する噴射量の増大を抑えられるので、低噴射量領域における噴射量制御を容易に行うことが可能となる。
なお、その後の弁体114の可動は、パルス幅に対する電流変化の少ない第一の保持電流区間T603により制御される。すなわち、本実施例のECU150の制御部はソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流し、弁体114が開弁を開始する前に、ソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させ、さらにその後に、最大駆動電流(Ipeak)よりも低い駆動電流304をソレノイド105に流すように駆動電流を制御する。あるいはソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流し、可動子102が弁体114に衝突する前に、ソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させさらにその後に、最大駆動電流(Ipeak)よりも低い駆動電流304をソレノイド105に流すように駆動電流を制御するようにしても良い。
すなわち、本実施例では噴射量を電流変化の少ない第一の保持電流の電流領域で制御することにより、噴射パルス幅Tiに対する電流値の変化が少なく、ほぼ第一の保持電流の長さを増加させていく。そのため噴射パルス幅Tiの増加量に対する弁体の変位の増加量が多くなりすぎる現象を抑制する効果がある。すなわち、噴射パルス幅に対する噴射量の増大を抑えられるので、低噴射量領域における噴射量制御を容易に行うことが可能となる。
また、Ipeakと第二の保持電流の電流領域との間に、第二の保持電流値よりも高い値に設定された第一の保持電流の電流領域を設けている。すなわち、本実施例のECU150の制御部は、ソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流し、弁体114が開弁を開始する前にソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させる。そして、その後に最大駆動電流(Ipeak)よりも低い第1駆動電流304をソレノイド105に流し、さらにその後、第1駆動電流304よりも低い第2駆動電流305をソレノイド105に流すように駆動電流を制御する。あるいは、ソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流し、可動子102が弁体114に衝突する前にソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させる。そして、その後に最大駆動電流(Ipeak)よりも低い第1駆動電流304をソレノイド105に流し、さらにその後、第1駆動電流304よりも低い第2駆動電流305をソレノイド105に流すように駆動電流を制御するようにしても良い。
このことにより、Ipeak遮断後に可動子102に作用する磁気吸引力を増加させることが可能であるため、燃料圧力の増加に対しても燃料噴射装置が動作可能となる。このことは燃料噴射装置の動作可能な最大の燃料圧力、すなわち最高作動燃圧を向上させる効果がある。例えば、燃料圧力が30MPa以上の高圧環境下においてもスムーズに開弁して燃料噴射を可能とする効果がある。
このような供給電流のプロファイルにより燃料噴射装置は駆動される。図6に示すように、高電圧の印加から可動子102がタイミングT600で変位を開始し、弁体114が開弁開始するタイミングT602よりも前に電流値IpeakはタイミングT601で遮断される。そして可動子102の変位量が空隙201に達し、その衝撃力を利用してタイミングT602で弁体114は変位を開始する。その後の弁体114は、第一の保持電流区間T603においてタイミングT604で目標リフト位置に達する。
目標リフト位置到達後は可動子102と固定コアの衝突の影響でバウンド現象が起こったのちに第一の保持電流304が生成する磁気吸引力と戻しばねの開弁方向の力により目標リフト位置で静止し、安定した開弁状態となる。そして、保持電流が第二の保持電流区間T605へと移行し、任意のタイミングTiで駆動電流は遮断され、可動子102に作用している磁気吸引力が低下していき、磁気吸引力よりも第一のばねの閉弁方向への力が上回った段階で弁体114は閉弁運動を開始し、弁座39に衝突した段階で弁体114の変位は終了し、燃料の噴射も終了する。
なお、図6に示すように、本実施例のECU150の制御部は、第1駆動電流304をソレノイド105に流すことで弁体114が最大高さ位置よりも低い高さ位置まで移動するように駆動電流を制御するものである。あるいは、第1駆動電流304をソレノイド105に流すことで可動子102が弁体114に衝突する高さ位置よりも低い高さ位置まで移動するように駆動電流を制御する。すなわち、ECU150の制御部は、第1駆動電流304の通電時間、あるいは第一の保持電流区間T603の噴射パルス幅を制御することにより弁体114を中間リフト領域において噴射量を精度良く制御することが可能である。
また本実施例のECU150の制御部は、第2駆動電流305をソレノイド105に流すことで弁体114が最大高さ位置まで移動するように駆動電流を制御するものである。あるいは、第2駆動電流305をソレノイド105に流すことで可動子102が弁体114に衝突する高さ位置まで移動するように駆動電流を制御する。すなわち、ECU150の制御部は、第2駆動電流305の通電時間、あるいは第二の保持電流区間T606の噴射パルス幅を制御することにより弁体114をフルリフト領域において噴射量を精度良く制御することが可能である。
図8において、本実施例における供給電流のプロファイルで駆動させた場合の噴射パルス幅と燃料噴射量の関係と従来波形で駆動させた場合とを比較したものを示す。図8のように噴射パルス幅に対する燃料噴射量の傾きは噴射パルス幅の全域でほぼ一定となる。したがって、従来波形と比較すると、燃料噴射量の傾きを小さくすることができる。すなわち、磁気吸引力を抑制し、噴射パルス幅に対する噴射量の増大を抑えられるので、例えば弁体114が固定コア107に衝突する前後の小パルス幅の領域における噴射量制御を容易に行うことが可能となる。結果、最小噴射量の低減が容易に可能である。
図7では目標リフト位置よりも少ない中間リフトでの制御を行った場合の噴射パルス幅 (Ti1、Ti2)、燃料噴射装置のソレノイド105に印加される駆動電流、弁体114及び可動子102の変位と時間の関係を、噴射パルス幅違い(Ti1、Ti2)で示す。噴射パルスを与えると、高電圧Vboostが印加される。ここで、高電圧(Vboost)301の印加を停止するタイミングT701は弁体114の開弁開始タイミングT702よりも前であることが望ましい。すなわち、ソレノイド105に印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御するECU150の制御部は、ソレノイド105に最大駆動電流(Ipeak)を流した後、弁体114が開弁を開始する前に、ソレノイド105に流す駆動電流を最大駆動電流(Ipeak)から低下させるように駆動電流を制御するものである。また、最大駆動電流(Ipeak)から第一の保持電流まで移行する区間は電流値302のように電流値が低下され、低下した後はパルス幅に対する電流変化の少ない第一の保持電流304に移行し、Ti1やTi2を例とする噴射パルス幅制御により噴射量を制御する。中間リフト領域における制御では、Ti1やTi2を例とする噴射パルス幅を与えられた弁体114は目標リフトに到達することなくT703やT704のタイミングにて閉弁を行い、燃料の噴射は終了する。
すなわち、本実施例の燃料噴射システムは前記ソレノイド105に最大の駆動電流を流した後に、第二の保持電流よりも高い第一の保持電流期間304を設け、第一の保持電流期間304で噴射パルスの通電時間を制御して中間リフト領域での噴射量を制御することを特徴とする。このことにより、図7の噴射パルス幅Ti1、Ti2に対する弁体及び可動子の変位に示すように、噴射パルス幅の増加量に対する弁体の変位の増加量が多くなりすぎる現象を抑制する効果がある。すなわち、磁気吸引力を抑制し、噴射パルス幅に対する噴射量の増大を抑えられるので、中間リフト領域における噴射量制御を容易に行うことが可能となる。結果、最小噴射量の低減が容易に可能である。
よって図9のECUから出力される噴射パルス幅Tiとその際の燃料噴射量の関係を中間リフト領域で拡大した図に示すように、従来駆動に比べ噴射パルスに対する燃料噴射量の傾きを抑える効果がある。
39…弁座、101…ノズルホルダ、102…可動子、102A…可動子上端面、102D…可動子102の凹部底面、107…固定コア、107B…固定コの下端面、107’…固定コア、107A’…固定コア107’の内周面(貫通孔)、110…第一のばね、112…第二のばね、114…弁体、121…コネクタモールド、129…弁体の段付き部、129A…段付き部129の上端面、129B…段付き部129の下端面、132…ロッドヘッド、133…中間部材、133D…中間部材133の下端面、133E…中間部材133の凹部底面、133’…中間部材、133C’…中間部材の上端面、134…第三のばね、134’…第三のばね、139…筒状のばね座部材。

Claims (18)

  1. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子と、を有する燃料噴射装置を制御する制御装置において、
    前記ソレノイドに印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記弁体が開弁を開始する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させるように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  2. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子と、を有する燃料噴射装置を制御する制御装置において、
    前記ソレノイドに印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記可動子が前記弁体に衝突する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させるように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記弁体が閉弁している状態において、前記弁体と前記可動子とは軸方向に隙間を介して配置されることを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  4. 請求項1又は2に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記燃料噴射装置から燃料が噴射されるエンジンは過給機を備え、前記燃料噴射装置は前記エンジンの燃焼室内に直接、燃料を噴射する直接噴射式燃料噴射装置であることを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  5. 請求項1に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記ソレノイドに前記最大駆動電流を流し、前記弁体が開弁を開始する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させさらにその後に、前記最大駆動電流よりも低い駆動電流を前記ソレノイドに流すように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  6. 請求項2に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記ソレノイドに前記最大駆動電流を流し、前記可動子が前記弁体に衝突する前に前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させ、さらにその後に、前記最大駆動電流よりも低い駆動電流を前記ソレノイドに流すように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  7. 請求項1に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記ソレノイドに前記最大駆動電流を流し、前記弁体が開弁を開始する前に前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させ、その後に前記最大駆動電流よりも低い第1駆動電流を前記ソレノイドに流し、さらにその後、前記第1駆動電流よりも低い第2駆動電流を前記ソレノイドに流すように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  8. 請求項2に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記ソレノイドに前記最大駆動電流を流し、前記可動子が前記弁体に衝突する前に前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させ、その後に前記最大駆動電流よりも低い第1駆動電流を前記ソレノイドに流し、さらにその後、前記第1駆動電流よりも低い第2駆動電流を前記ソレノイドに流すように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  9. 請求項7に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記第1駆動電流を前記ソレノイドに流すことで前記弁体が最大高さ位置よりも低い高さ位置まで移動するように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  10. 請求項7又は9に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記第2駆動電流を前記ソレノイドに流すことで前記弁体が最大高さ位置まで移動するように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  11. 請求項8に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記第1駆動電流を前記ソレノイドに流すことで前記可動子が前記弁体に衝突する高さ位置よりも低い高さ位置まで移動するように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  12. 請求項8又は11に記載の燃料噴射装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記第2駆動電流を前記ソレノイドに流すことで前記可動子が前記弁体に衝突する高さ位置まで移動するように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。
  13. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子と、を有する燃料噴射装置の制御方法において、
    前記ソレノイドに印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御する制御部により、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記弁体が開弁を開始する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させるように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御方法。
  14. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子と、を有する燃料噴射装置の制御方法において、
    前記ソレノイドに印加する駆動電圧、又は駆動電流を制御する制御部により、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記可動子が前記弁体に衝突する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させるように駆動電流を制御することを特徴とする燃料噴射装置の制御方法。
  15. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子とを有する燃料噴射装置において、
    前記ソレノイドに最大駆動電流が流れた後、前記弁体が開弁を開始する前に、前記ソレノイドに流れる駆動電流が前記最大駆動電流から低下することを特徴とする燃料噴射装置。
  16. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子とを有する燃料噴射装置において、
    前記ソレノイドに最大駆動電流を流れた後、前記可動子が前記弁体に衝突する前に、前記ソレノイドに流れる駆動電流が前記最大駆動電流から低下することを特徴とする燃料噴射装置。
  17. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子とを有する燃料噴射装置と、前記燃料噴射装置を制御する制御装置と、を備えた燃料噴射システムにおいて、
    前記制御装置の制御部は、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記弁体が開弁を開始する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させることを特徴とする燃料噴射システム。
  18. 弁体とソレノイドと前記弁体を開弁させる可動子とを有する燃料噴射装置と、前記燃料噴射装置を制御する制御装置と、を備えた燃料噴射システムにおいて、
    前記制御装置の制御部は、前記ソレノイドに最大駆動電流を流した後、前記可動子が前記弁体に衝突する前に、前記ソレノイドに流す駆動電流を前記最大駆動電流から低下させることを特徴とする燃料噴射システム。
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