JP5286866B2 - 電力変換装置の制御装置および制御方法 - Google Patents

電力変換装置の制御装置および制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、負荷装置をPWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)駆動する電力変換装置に係り、特にPWM駆動するためのキャリア周波数を可変とした電力変換装置の制御装置及び制御方法に関する。
PWM駆動の電力変換装置は、PWMのパルス列で負荷装置を駆動するために、スイッチング周波数(キャリア周波数)の高調波の周波数帯域において、電磁波妨害(EMI)ノイズを発生する。このEMIノイズの影響を低減するために、2つの周波数範囲それぞれを繰り返すようにキャリア周波数を時間変化させた電力変換装置が知られている(例えば、特許文献1)。これにより、広帯域にわたるEMIノイズの低減を実現するとともに、一部の特定周波数帯域のレベルを更に低減させている。
特開2006−136138号公報
しかしながら、前記特許文献の電力変換装置では、複数の特定周波数帯域、例えば特定周波数帯域Aおよび特定周波数帯域BのEMIノイズを同時に低減しようとする場合、特定周波数帯域Aを低減させているときは、特定周波数帯域BのEMIノイズを低減させることができず、逆に特定周波数帯域BのEMIノイズを低減させているときは、特定周波数帯域AのEMIノイズを低減させることができないといった問題点があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、複数の特定周波数帯域のEMIノイズを同時に低減することができる電力変換装置の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために本発明は、負荷装置をPWM制御で駆動する電力変換装置の制御装置において、それぞれキャリア周波数の高調波からの妨害を抑制したい複数の所望周波数帯域に基づいて、それぞれ所望周波数帯域毎に選択されたキャリア周波数値の集合である複数の周波数群を周波数群記憶手段に記憶させ、周波数群切替手段により周波数群を所定時間tで切替えて、切り替えた周波数群の中から選択した周波数をキャリア周波数とすることを要旨とする。
本発明によれば、複数の所望周波数帯域においてEMIノイズレベルを同時に低減することができるという効果がある。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、特に限定されないが、以下に説明する各実施例は、車載用機器に対するEMIを効果的に低減することができる電力変換装置の制御装置に好適な実施例である。
図1は、本発明に係る電力変換装置の制御装置の実施例1を含む電力制御システム1の構成例を示すシステム構成図である。図1に示すように、電力制御システム1は、図外の直流電源から供給される直流電力をPWM制御により交流へ変換するインバータである電力変換装置2と、電力変換装置2が変換した交流電力で駆動される交流モータである負荷装置3と、負荷装置3の各相の電流を検出する電流検出部4と、電流指令発生部5と、電力変換装置2を制御する制御装置6とを備えている。
制御装置6は、スイッチング信号生成部7と、キャリア信号生成部8と、キャリア周波数可変部9と、電流制御部10とを備えている。
制御装置6は、電流指令発生部5からの電流指令値と電流検出部4からの電流検出値を電流制御部10で演算し、電流制御部10から電圧指令を出力する。電流制御部10からの電圧指令がスイッチング信号生成部7へ入力されると、スイッチング信号生成部7ではPWM比較を行い電力変換装置2のスイッチング素子へオン/オフ信号を出力する。
キャリア周波数可変部9は、キャリア信号生成部8から出力されるキャリア信号の周波数(キャリア周波数)を変化させる。スイッチング信号生成部7から出力されたPWMパターンを示すオン/オフ信号に従って、電力変換装置2の内部にあるスイッチング素子をオン/オフ動作させることで負荷装置3へPWM制御された電力を供給する。
キャリア周波数可変部9は、周波数群記憶部91と周波数群切替部99を備えている。周波数群記憶部91は、周波数群A92,周波数群B93,周波数群C94,…というように複数の周波数群を記憶している。ここで、周波数群A92は、周波数群A92に含まれる各キャリア周波数の高調波が第1の周波数帯域とならないキャリア周波数の集合である。また、周波数群B93は、周波数群B93に含まれる各キャリア周波数の高調波が第2の周波数帯域とならないキャリア周波数の集合である。以下同様に、周波数群nは、周波数群nに含まれる各キャリア周波数の高調波が第nの周波数帯域とならないキャリア周波数の集合である。
周波数群切替部99は、周波数群記憶部91に記憶された複数の周波数群A92,周波数群B93,周波数群C94,…,を所定時間毎に切り替えてキャリア信号生成部8へ出力する。この周波数群切替部99の出力によりキャリア信号生成部8は、キャリア信号の周波数を変化させる。この結果、複数の所望周波数帯域におけるキャリア周波数からのEMIレベルを抑制することができる。
図2は、図1における電流制御部10の構成例を示す図である。図2に示すように、電流制御部10は、電流指令発生部5からの電流指令値と電流検出部4で検出された電流値の偏差を演算する演算部101と、演算部101で演算された値を比例積分制御(PI制御)することで電圧指令値を出力する比例積分制御部102を構成要素として備えている。図2では電流制御部10の例として、比例積分制御で説明を行うがこの限りではない。比例制御(P制御)や比例積分微分制御(PID制御)でも良い。ここで、電流検出部4で検出された電流値とは、例えば電力変換装置2(インバータ)から負荷装置3(交流モータ)に供給されるU相、V相、W相の電流値を電流検出部4で検出し、座標変換器41を介して三相量(U相、V相、W相)から二相量であるd軸座標、q軸座標の電流に変換する三相/二相の座標変換されたものを示す。
図3は、図1におけるスイッチング信号生成部7の構成例を示す図である。図3に示すように、スイッチング信号生成部7は、電流制御部10から出力された電圧指令値を座標変換する座標変換部71と、前記座標変換された値と、キャリア信号生成部8が生成したキャリア信号の値との大小関係を比較する比較器72a、72b、72cと、比較器72a、72b、72cの出力信号をそれぞれ反転する信号反転器(インバータ)73a、73b、73cとを構成要素として備えている。
座標変換部71は、電流制御部10から供給される電圧指令値をd軸座標、q軸座標の値からU相、V相、W相の値に変換する二相/三相の座標変換を行っている。座標変換された電圧指令値と、キャリア信号生成部8からの三角波状のキャリア信号とを比較器72a、72b、72cで比較し、その大小関係に応じて電力変換装置2のへオン/オフ信号Tu+、Tv+、Tw+を出力する。また信号反転器73a、73b、73cは、それぞれTu+、Tv+、Tw+を反転したTu−、Tv−、Tw−を電力変換装置2へのオン/オフ信号として出力する。
次に、図4を参照してキャリア周波数(fc)の時間変化について説明する。本実施例におけるキャリア周波数の制御は、マイクロコンピュータ等のCPUによって行われる。したがって、本実施例においてキャリア周波数を変化させる場合、キャリア周波数は連続的に変化するのではなく、離散的な値で変化する。例えば、キャリア周波数を三角波状に変化させる場合、キャリア周波数は、図4に示されるように、小さなステップの階段が連続する変化となる。即ち、キャリア周波数の最小値から最大値へ向けて上り階段が続き、最大値に達すると、最小値へ向けて下り階段が続く。最小値に達すると、また上り階段が続くように繰り返している。
キャリア周期の値は、CPUのクロック周期をΔtとすると、Δtの整数倍になる。キャリア周波数はその逆数になる。システム要件(例えばインバータのスイッチング素子の発熱の抑制、音響ノイズの発生の抑制、等)から、キャリア周波数として使用可能な範囲がfcmin 以上fcmax 以下と与えられたとする。またCPUのクロック周期がΔtだとすると、キャリア周波数の変化に用いることができるキャリア周波数値は、Δtの整数倍の逆数で、かつfcmin 以上fcmax 以下の値となる。
図5にスイッチング信号生成部7におけるキャリア信号の波形例を示す。図5に示すように、キャリア信号は三角波状であり、キャリア信号の周波数(キャリア周波数)が一定の場合、三角波のピークとピークの間隔は一定である(破線)。キャリア周波数を時間と共に変化させたものを実線で示す。図示のように、キャリア周波数を時間と共に変化させると、キャリア信号のピークとピークの間隔が変化することで、周波数が変化していく。
図6は、図1における電力変換装置2の構成例を示す要部回路図である。図6に示すように、電力変換装置2は、バッテリなどの直流電源21、コンデンサ22、6個のスイッチング素子を含むスイッチング回路23、電流検出部4を構成要素として備えている。スイッチング回路23を構成する各スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やMOS−FET等の半導体素子により構成されている。
電流検出部4はそれぞれ電力変換装置2(インバータ)から負荷装置3(モータ)に供給されるU相、V相、W相の電流値を検出する。スイッチング回路23はスイッチング信号生成部7の比較器72a、72b、72c、及び信号反転器73a、73b、73cから出力されるオン/オフ信号に従って、直流電源21およびコンデンサ22からなる直流電源の正極または負極を選択し、選択した電極と負荷装置3(モータ)のU相、V相、W相の各電極とを導電し、負荷装置3(モータ)へ交流電力を供給する。
次に、図7を参照してキャリア周波数可変部9における周波数群を説明する。図7(a)は、周波数群の各要素であるキャリア周波数(fc)の選択方法である。図7(b)は、周波数群記憶部91に記憶された周波数群のマップの例である。図7(a)に示すように、本発明で用いるキャリア周波数fcは、キャリア周波数fcの整数倍の周波数の値、すなわち各fcの高調波に相当する周波数が、所望の周波数帯域(fch)に入らないfcの値を選択する。このようなfcを選択することで所望の周波数帯域(fch)におけるEMIスペクトルのレベルを局所的に低減させることができる。
図7(b)は、図7(a)で説明した所望の帯域にキャリア周波数の整数倍の高調波がはいらないようなキャリア周波数値の集合である周波数群を示したものである。縦軸のカウンタは、各周波数群が備えるキャリア周波数値の個数である。また、横軸に示した各々の周波数群(周波数群A、周波数群B,…,周波数群n)は、図7(a)で説明したように所望の周波数帯域にキャリア周波数の高調波が入らないようなキャリア周波数の各値である。表記したfc(m、n)は、mがキャリア周波数値の順番であり、nが周波数群である。例えば、fc(1、5)とは、周波数群Aにおける、5番目のキャリア周波数値を示す。
本発明の特徴は、限られたキャリア周波数条件下(上記説明したfcmin 以上fcmax 以下は、モータ・インバータでは数kHzから数十kHz)でも聴感上同時に複数個の局所的なEMI低減帯域を作れることである。例えば、はじめから所望の周波数帯域1と所望の周波数帯域2にキャリア周波数の整数倍の高調波が入らないようなキャリア周波数を選択すれば、聴感上同時に複数個の局所的な低減帯域が形成できる。しかし、それは図7(b)において、例えばfc(1,1)とfc(2,2)が同値でなければならないことを意味する。[(帯域1に入らないキャリア周波数)且つ(帯域2に入らないキャリア周波数)]を選択しなければならないことである。それに対して本発明は、周波数群同士は相関が無い為、それぞれの帯域に対してのみキャリア周波数を選択すれば良い。つまり、例えばfc(1,1)とfc(2,2)は同じ値でも異なる値でも関係ない。
次に周波数群A92,周波数群B93,周波数群C94,…の各要素であるキャリア周波数値の個数(図7(b)のカウンタ最大数m)について説明する。キャリア周波数を時間とともに離散的な値で変化させた場合に形成されるEMIスペクトルは、その時に用いるキャリア周波数の離散的な値をそれぞれ用いて、キャリア周波数一定の条件のもとで動作させた場合に形成される各EMIスペクトルを平均した値と、ほぼ一致する。またキャリア周波数を一定とした場合のEMIスペクトルは、キャリア周波数の整数倍の周波数にピークを示すスペクトルとなる。
このように考えると、キャリア周波数を時間とともに変化させる場合に用いるキャリア周波数の値の個数が少ない場合、ノイズスペクトルは大きな凹凸形状を示すことになる。また、キャリア周波数を時間とともに変化させた場合のEMIスペクトルのエネルギの合計は、キャリア周波数を一定とした場合と比較して、同一であると考えられる。これは、EMIノイズの発生要因であるスイッチングの回数の時間平均で同一となることから理解できる。したがって、キャリア周波数を時間とともに変化させる場合に用いるキャリア周波数の値の個数が少ないほど、EMIノイズスペクトルにおいて凹凸が大きくなり、EMIスペクトルのピークレベルは高くなる傾向となる。EMIスペクトルを局所的にレベル低減(所望の帯域にキャリア周波数の整数倍の高調波を入れない)をするだけでなく、その他の帯域においても広帯域にレベル低減をすることが望まれていることから、所望の帯域以外のレベルを低減するためにはスペクトルを平坦にすることが望まれ、そのためにはキャリア周波数を変化させる場合のキャリア周波数として用いる値の個数がある程度以上必要となる。
ここで注意したいのは、各々の周波数群におけるキャリア周波数値に相関性はない。つまり、周波数群A92のキャリア周波数値は、所望の帯域1(fch1)にキャリア周波数の整数倍の高調波が入らないようなキャリア周波数値の集合である。周波数群B93のキャリア周波数値は、所望の帯域2(fch2)にキャリア周波数の整数倍の高調波が入らないようなキャリア周波数値の集合である。
ここで、所望の周波数帯域について説明する。本発明では、「キャリア周波数に起因するEMIノイズが障害になる周波数帯域のノイズレベルを低減する」ことが目的である。例えば、ラジオ放送を例に所望の周波数帯域について説明する。日本国内におけるAM放送の搬送波は、531kHzから1602kHzの範囲で、各局の放送波のチャンネル周波数は9kHzの倍数の周波数である。またそのチャンネル周波数の±6kHzの範囲がチャンネル周波数帯域である。つまり12kHzが一つの放送波の帯域である。関東地方で受信可能なニッポン放送は1242kHzを受信チャンネルとしており、側帯波を含めた帯域は1236kHzから1248kHzである。
ここでPWMのキャリア周波数の整数倍の高調波が、ラジオ聴取に与える影響を考える。例えばキャリア周波数が20kHzである場合、62次の高調波の周波数は1240kHzである。これはニッポン放送のチャンネルの帯域に入ることから、音声出力に雑音が混入し、その聴取に影響する可能性がある。この場合、所望の周波数帯域とは1236kHzから1248kHzである。このようにして、所望の周波数帯域を決定する。所望の帯域幅(上記例では12kHz)を各周波数群で用いる一番低い周波数にすると良い。
次に、図8を参照してキャリア周波数可変部9における周波数群切替部99の動作を説明する。本実施例では、周波数群記憶部91に記憶した周波数群を周波数群切替部99により、所定時間毎に切替えてキャリア信号生成部8へ出力することにより、複数個の所望の周波数帯域(fch)のEMIスペクトルのレベルを局所的に低減させることができる。ここでは、周波数群記憶部91から2つの周波数群A92、周波数群B93を用いて、所望の2つの周波数帯域のEMIスペクトルのレベルを局所的に低減する方法を説明する。
図8(a)は、周波数群A92、周波数群B93のキャリア周波数(fc)の変化を示したものである。図4で説明したようにキャリア周波数を三角波状に変化させた場合、周波数群A92および周波数群B93の変調周期は、それぞれの周波数群で用いたキャリア周波数値の各々の逆数(1/fc)の総和であるt1[ms]およびt2[ms]である。
図8(b)は、周波数群切替部99により、所定時間毎に周波数群を切替えてキャリア信号生成部8へ出力する際の説明図である。図8(b)に示すように周波数群切替部99は、周波数群Aおよび周波数群BをそれぞれN回ずつ繰り返すことによって、周波数群Aおよび周波数群Bの各々の変調周期の総和(t1×N,t2×N)が所定時間である10[ms]以上且つ200[ms]以下となるように調節する。例えば、周波数群Aの変調周期t1が1ms、周波数群Bの変調周期t2が1.2msとする。各々の周波数群を15回ずつ繰り返すと変調周期の総和が15msおよび18msとなる。ここでは、繰り返す回数Nを周波数群Aと周波数群Bとで同数としたが、これに限定されるものではなく、周波数群AをN回、周波数群BをM回としても良い。ただし、各々の周波数群を変調周期の総和が10msから200msとなるように調節する。
次に、図9を参照して、周波数群切替部99における周波数群を切り替える所定時間の選択、及び本実施例の効果について説明する。図9(a)は所望の帯域1、図9(b)は所望の帯域2において、本実施例におけるAM放送受信時の雑音レベルをそれぞれ騒音計により測定したものである。縦軸は騒音計(人の耳の特性に沿って音圧レベルを測定するもの)により測定した音圧レベルであり、音圧レベルが大きいほど雑音レベルが大きい(この場合はラジオ聴取に与える影響が大きい)。また、横軸は周波数群の切り替え時間である。
なお、図9は音圧レベルで評価したため所望の周波数帯域は両帯域ともAMラジオ放送周波数帯域とした。しかし、所望の周波数帯域はこれに限定されるものではなく、PWMキャリア周波数に起因するEMIノイズが障害になる周波数帯域であればいずれの周波数でもよい。
図9において、「キャリア周波数一定」はキャリア周波数を一定として電力変換装置2を動作させて測定したものであり、破線の「平均化」はキャリア周波数を時間と共に変化させて電力変換装置2を動作させて測定したもの(例えば、特開平7−99795号公報)であり、「周波数群Aのみ」は所望の帯域1に基づいて前記のように周波数群Aを選び、周波数群Aのキャリア周波数を時間と共に変化させて電力変換装置2を動作させて測定したものであり、太線の「本発明」は前記のように所望の帯域1に基づいて選択した周波数群Aと所望の帯域2に基づいて選択した周波数群Bを交互に用いてキャリア周波数を時間と共に変化させたものである。なお、横軸の時間は「本発明」に対しての前記で説明した切替え時間を示している。ただし、「本発明」以外のもの(キャリア周波数一定、平均化、周波数群Aのみ)は、切替えるという概念ではない(時間に対して結果も不変)ため時間と記してある。
図9より、切替時間が10msから200msまでは、「本発明」は両方の所望周波数帯域において「平均化」の音圧レベル以下の音圧レベルにすることが可能である。この時間の範囲外で周波数群を切替えると、「本発明」でも「平均化」より音圧レベルが大きくなる。なお、本発明の効果が最大限に活かされる切替時間の範囲は、13msから100msまでである。ここで、「周波数群Aのみ」の音圧レベルが図9(a)と図9(b)で異なるのは、周波数群Aは所望の帯域1に基づいてキャリア周波数を選択したため、所望の帯域2の雑音レベルを示す図9(b)においては「本発明」は「平均化」より音圧レベルが大きくなる。
以上説明したように本実施例によれば、負荷装置をPWM制御で駆動する電力変換装置の制御装置において、電力変換装置のスイッチ素子を開閉するための制御周波数であるキャリア周波数を時間と共に変化させるキャリア周波数可変手段を備え、キャリア周波数可変手段は、それぞれキャリア周波数の高調波からの妨害を抑制したい所望周波数帯域に基づいて選択されたキャリア周波数値の集合である周波数群を複数記憶する周波数群記憶手段と、周波数群記憶手段に記憶された周波数群を所定時間tで切替えてキャリア周波数とする周波数群切替手段と、を備えたので、電力変換装置において発生するEMIノイズのレベルを広帯域で低減させることができるとともに、複数個の所望周波数帯域において同時にEMIノイズレベルを局所的に低減することが可能となるという効果がある。
また本実施例によれば、所定時間tは、10[ms]以上、且つ200[ms]以下であることとしたので、単純にキャリア周波数を変化させる従来例よりもEMIノイズレベルを低減させることができるという効果がある。
また本実施例によれば、前記周波数群の各々を複数回ずつ繰返すことによって、所定時間tを形成することで、それぞれの所望周波数帯域において、同時にEMIノイズレベルを局所的に低減できるという効果がある。
次に、図10、図11を参照して、本発明に係る電力変換装置の制御装置の実施例2を説明する。図10は、図1の電力変換システムの構成例に対して、EMI抑制帯域決定部11を追加した実施例2の構成図である。EMI抑制帯域決定部11以外の構成要素は、図1に示した実施例1の構成要素と同様である。
EMI抑制帯域決定部11は、キャリア周波数可変部9に対して、電力変換装置2(インバータ)のキャリア周波数に起因するEMIノイズが障害になる可能性のある帯域の周波数情報を出力する。キャリア周波数可変部9は、EMI抑制帯域決定部11から周波数情報を受け取り、周波数群記憶部91に記憶した複数の周波数群から、受け取った周波数情報を所望の周波数帯域として、実施例1と同様に周波数群を選択する。
図11にEMI抑制帯域決定部11の構成例を示す。図11に示すように、EMI抑制帯域決定部11は、ラジオなどの受信機の受信チャンネル周波数を検出する受信チャンネル周波数検出部111と、固定EMI抑制部112を備えている。
受信チャンネル周波数検出部111は、受信機が現在受信しているチャンネル情報(チャンネル周波数)をキャリア周波数可変手段9に出力する。ここで固定EMI抑制部112とは、例えば特定の周波数のEMIノイズにより誤動作するシステムや、車両内部で行われている通信周波数(例えばインテリジェントキーで使われている通信周波数)のように、EMIノイズを抑制すべき帯域が変化しない帯域のことである。複数の所望の帯域において、EMIノイズを抑制する場合でも、その一部の帯域が変化せず固定されている場合には、あらかじめ周波数群記憶部91に記憶する周波数群が限定される。そのため周波数群の選択に掛かる負荷が低減される。
以上説明した実施例2によれば、受信機の受信チャンネル周波数を検出する受信チャンネル周波数検出手段と固定EMI抑制部とを備えたので、実施例1の効果に加えて、EMIノイズを局所的に低減するべき周波数帯域が変化するもの(ラジオの受信チャンネル帯域)と、EMIノイズを局所的に低減するべき周波数帯域が変化しないものとの、両方の周波数帯域のEMIノイズレベルを同時に低減することができるという効果がある。
以上の各実施例においては、電力変換装置2は、交流モータを駆動するDC/ACインバータとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、特許文献1の図12に記載されたHブリッジのスイッチの構成で負荷を駆動するものや、直流電力を任意の直流電圧に変換して負荷を駆動するDC/DCコンバータ等、スイッチング回路のスイッチング周波数(キャリア周波数)およびその高調波にEMIノイズを発生するものについて適用することができる。
さらに本発明では、キャリア周波数の変化は三角波状変化に限定されない。例えば、正弦波状変化、鋸波状変化をはじめ、さまざまなキャリア周波数の時間変化に適用できることは明らかである。
本発明に係る電力変換装置の制御装置の実施例1の構成を説明する図である。 電流制御部の構成例を説明する図である。 スイッチング信号生成部の構成例を説明する図である。 キャリア周波数の三角波状時間変化を説明する図である。 キャリア信号を説明する図である。 電力変換装置の例を説明する図である。 キャリア周波数可変部における周波数群の例を説明する図である。 キャリア周波数可変部における周波数群切替部の構成例を説明する図である。 キャリア周波数可変部における所定時間の例を説明する図である。 本発明に係る電力変換装置の制御装置の実施例2の構成を説明する図である。 EMI抑制帯域決定部の構成例を説明する図である。
符号の説明
1 電力制御システム
2 電力変換装置
3 負荷装置
4 電流検出部
5 電流指令発生部
6 制御装置
7 スイッチング信号生成部
8 キャリア信号生成部
9 キャリア周波数可変部(キャリア周波数可変手段)
10 電流制御部
11 EMI抑制帯域決定部
91 周波数群記憶部(周波数群記憶手段)
92 周波数群A
93 周波数群B
94 周波数群C
99 周波数群切替部(周波数群切替手段)

Claims (5)

  1. 負荷装置をPWM制御で駆動する電力変換装置の制御装置において、
    前記制御装置は、前記電力変換装置のスイッチ素子を開閉するための制御周波数であるキャリア周波数を時間と共に変化させるキャリア周波数可変手段を備え、
    前記キャリア周波数可変手段は、それぞれキャリア周波数の高調波からの妨害を抑制したい複数の所望周波数帯域に基づいて、それぞれ所望周波数帯域毎に選択されたキャリア周波数値の集合である複数の周波数群を記憶する周波数群記憶手段と、
    前記周波数群記憶手段に記憶された複数の周波数群を所定時間tで切替えた周波数群の中から選択した周波数を前記キャリア周波数とする周波数群切替手段と、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  2. 前記所定時間tは、10[ms]以上、且つ200[ms]以下であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置の制御装置。
  3. 前記キャリア周波数可変手段は、前記所定時間tにおいて、前記周波数群を複数回繰返すことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置の制御装置。
  4. 前記所望周波数帯域として受信機の受信チャンネル周波数を検出する受信チャンネル周波数検出手段と、
    固定周波数を前記所望周波数帯域とする固定EMI抑制部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電力変換装置の制御装置。
  5. 負荷装置をPWM制御で駆動する電力変換装置のスイッチ素子を開閉するための制御周波数であるキャリア周波数を時間と共に変化させる電力変換装置の制御方法において、
    それぞれキャリア周波数の高調波からの妨害を抑制したい複数の所望周波数帯域に基づいて、それぞれ所望周波数帯域毎に選択されたキャリア周波数値の集合である複数の周波数群を記憶する周波数群記憶過程と、
    前記記憶された複数の周波数群を所定時間tで切替えた周波数群の中から選択した周波数を前記キャリア周波数とする周波数群切替過程と、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
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