JP5251026B2 - 電力変換装置の制御装置及び制御方法 - Google Patents

電力変換装置の制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力変換装置の制御装置及び制御方法に関し、例えば、モータ駆動用制御装置及びその制御方法に係り、特にモータ駆動用スイッチング素子から発生するEMI(Electro Magnetic Interference)ノイズの他の電子機器への影響を低減する装置及びその方法に関する。
高性能で制御性に優れたモータとして電流駆動ステッピングモータが用いられている。このタイプのモータにおいては、Hブリッジ状に構成したスイッチを予め設定された順序で開閉させることにより、直流電源からモータに印加される電流の大きさと向きとをPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)制御して、所望のモータ回転力を実現している。すなわち、スイッチングによる電流制御を行っているため、スイッチの開閉によるEMI(Electromagnetic Interference,電磁妨害雑音)ノイズの発生は避けられない。このように、電流駆動ステッピングモータの駆動においてはスイッチの開閉によってモータの回転を制御しているため、不可避的にEMIノイズが発生し、このノイズがラジオ受信機やその他の電子機器への障害を引き起こす原因となり、そのノイズ抑圧が問題となっていた。
このEMIノイズ抑圧法としては、下記特許文献1に開示された方法が知られている。この特許文献1によれば、EMIノイズのレベル低減法として、PWM制御におけるキャリア周波数を時間と共に変化させることで、EMIノイズのピークの帯域幅を広げ、その結果ノイズのピークレベルを時間平均して低減させている。しかしながら、EMIノイズのスペクトルはキャリア周波数及びその高調波のみで決定されるものではなく、モータの制御系における実装条件を含む信号伝達経路の周波数特性の影響も受ける。
特開平7−99795号
上記のように、EMIノイズの低減法としてキャリア周波数を変化させることによりノイズスペクトルを時間的に平均化し、ノイズスペクトルのピーク値低減は原理的には可能である。しかし、実際にはノイズの発生源となる装置と受信側となる無線受信機等電磁波を感知する装置、及びこれ等両装置間におけるノイズ伝達経路の配線のレイアウトあるいは実装形態により複数のピークを有する周波数特性を生じ、伝達されてくるEMIノイズもこの系の周波数特性の影響を受け、このため上記時間平均のみによるノイズ抑圧の効果が低減されてしまう。EMIノイズを有効に軽減するためには、このようにモータ駆動のキャリア周波数を変化させ、この時間平均によるノイズスペクトルピークの低減のみでは不十分であり、モータ駆動信号伝送系の周波数特性も考慮してEMIノイズ対策を講ずる必要がある。
以上のことから、本発明は電力変換装置におけるEMIノイズをキャリア周波数に時間的揺らぎを与えて時間平均を求めてスペクトルピークを低減するのではなく、信号伝達系の周波数特性を考慮することにより、EMIノイズを効果的に低減する電力変換装置の制御装置及びその制御方法を提供することを目的とした。
上記目的を達成するために、本発明においては、EMIノイズの発生装置、そのノイズの受信装置およびこれら両装置間に介在するノイズ伝達系の周波数特性と逆の特性のスペクトルを有する信号でインバータのスイッチング周波数を制御する構成とした。
すなわち、本発明による電力変換装置の制御装置においては、上記のスイッチング周波数変更手段を備え、このスイッチング周波数変更手段により離散的で複数の周波数を時間的に発振周波数を切り替えてインバータを動作させるようにしている。ここで、離散的で複数の周波数は、EMIノイズの発生側から受信側までのノイズ伝達系における周波数特性とは逆特性のスペクトル構造を有するように選択することにより装置全体の周波数のピーク構造を打ち消す構成の制御装置について規定している。
以上述べたように本発明においては、スイッチング周波数を時間と共に系の周波数特性を考慮しつつ変化させるものである。これにより、時間変化に用いるスイッチング周波数の離散値それぞれの整数倍の周波数分布が、系の周波数特性の所望の帯域におけるEMIノイズスペクトルのレベルが高くなりやすい周波数帯域には少なく、逆に低くなりやすい周波数帯域に対しては多くそれぞれ配置されるように、時間変化に用いるスイッチング周波数の離散値を選択し、これらを用いてスイッチング周波数を時間変化させている。これにより所望の帯域におけるEMIノイズスペクトルの形状を周波数的、時間的に平均化してスペクトルを平坦なものとし、ラジオノイズ(高周波雑音)としての影響を低減する事を可能とした電力変換装置の制御装置を提供することができる。
本実施の形態において対象としているモータは、三角波形のキャリア信号をこのキャリア信号より低い周波数の正弦波形でPWMにより変調した波形で駆動される。はじめにこの電力変換装置及びその制御装置の動作の概要を、前記特許文献1に開示された電流駆動ステッピングモータの駆動回路図である図12により、またそのブロック図である図13により説明する。なお、図12及び図13において符号は共通で使用している。
図13のブロック図に示すように、制御部6においてモータ駆動の正弦波を発生し、周波数制御部9から供給されるキャリア波形により励磁シーケンサ8においてPWMの変調処理が行なわれる。ここで、周波数制御部9から出力される周波数は周波数可変手段10により制御される。このPWM波形はバッファ4を経てスイッチング部2に供給される。図13で、指示入力7、CPU5、バッファ4、スイッチング部2及びステッピングモータ1、電源3は、図13における指示入力7、CPU5、バッファ4、スイッチング部2、ステッピングモータ1及び電源3とそれぞれ同じである。
図12において、スイッチング部2はH型に接続されたスイッチングFET1〜4で構成されており、バッファ4の出力でこれらスイッチング素子の動作を制御し、H型接続の横線部分に接続されたモータ1の回転を制御することにより所望の回転力を得る構成となっている。ここで、FET1〜4で制御する電流はモータ1に流れる電流を直接スイッチしており、大電流スイッチングを行っているため、EMIノイズも大きなものとなり、近辺に存在する電子機器への妨害も無視できなくなる。
このEMIノイズの影響を低減するため前記特許文献1においてはキャリア周波数を正弦波状に変化させることにより揺らぎを与え、これによる時間平均を取ることでEMIノイズのスペクトルピークを下げる方法としている。すなわち、キャリアを生成するCPU5のクロック周期をΔtとすれば、キャリアの周期はΔtの整数倍となり離散的な値をとる。キャリア周波数はこの逆数で与えられるから同様にキャリア周波数も離散的な値となる。例えば、正弦波状に変化させる場合のスイッチング周波数は図14に示すような5kHz〜20kHzの間を周期的に変化することになる。図14において、縦軸は正弦波電圧に対応したキャリア周波数、横軸は時間である。
ここで、キャリアの周波数を所定の周波数範囲内で時間と共に変化させた場合のEMIノイズスペクトルは、各キャリア周波数の離散的な値をそれぞれ用いて、各キャリア周波数一定の条件の下で動作させた場合に形成される各ノイズスペクトルを平均した値とほぼ一致する。このように、EMIノイズスペクトルの形はキャリア周波数の影響を受け、前記特許文献1に見られるような対策が開示されているが、他方、EMIノイズ伝達系の周波数特性の影響も受ける。しかしこの問題に関する対策は開示されていない。
EMIノイズは、図12に示したスイッチング素子FET1〜FET4のようなノイズの発生装置において発生し、EMIノイズ伝達系を経由してEMIノイズの影響を受ける受信装置で受信される。ノイズの発生装置および受信装置においてはそれぞれの装置の形状や実装形態によりEMIノイズの周波数特性が決定される。また、伝達経路においては発生装置と受信装置とその間のレイアウトや実装形態、更にはこれら両装置と伝達経路との結合状態等によってもEMIノイの周波数特性は影響を受ける。これら各周波数特性の総合的な結果として得られる周波数特性を以下「系の周波数特性」と呼ぶ。ここで、キャリア周波数を時間と共に変化させても、そのときに形成されるEMIノイズスペクトルのエネルギ合計は変化しない。したがって、スペクトルが平坦になればなるほどピークレベルが低減されることになる。このことから、所望の周波数帯域におけるEMIノイズスペクトルは、系の周波数特性の影響を受け、これによりスペクトルのピークレベルの低減が阻害されることが知れる。したがって、本発明においてはこのような系の周波数特性の影響を軽減する装置及びその方法について開示する。
本発明は、図1に示すような直流電源Bの出力をPWM変調することにより正弦波状に電流が変化する交流電力をモータに供給するインバータを備えるインバータシステムに適用することができる。以下、図により本発明の実施の形態となるインバータシステムの構成と動作について説明する。
本発明の実施の形態となるインバータシステム1101は、図1に示すように、PWMインバータ102、三相ブラシレス直流モータ103(以下モータと略記)、電流センサ104a,104b,104c、電流指令生成部105、PID(Proportional Integral Differential,比例、積分、微分)制御部106a,106b,106c、キャリア波形生成部107、比較器108a,108b,08c、及びキャリア周波数生成部109を主要構成要素として備えている。
PWMインバータ102は、比較器108a,108b,108c出力として得られる制御信号により電池BおよびコンデンサCから成る直流電源の正極又は負極を所定の順序で選択し、所定の三相パターンのモータ駆動電流を得るスイッチング素子で構成されている。このスイッチング素子としては例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transister)等の半導体素子が用いられる。
電流センサ104a,104b,104cはPWMインバータ102からモータ103に供給されるU相、V相、W相各相の電流値を検出し、電流指令生成部105においては、電流センサ104a,104b,104cの検出値であるモータ103の駆動電流波形が正弦波状交流電流に変換されるように正弦波状の電流指令値を生成する。また、PID制御部106a,106b,106cは電流センサ104a,104b,104cの検出値が、電流指令生成部105に生成された電流指令値に従うように電流センサ104a,104b,104cの検出値をPID制御する。キャリア波形生成部107においては三角波状のキャリア信号を生成する。
比較器108a,108b,108cにおいては、PID制御部106a,106b,106cの出力値と三角波状キャリア信号との大小関係を比較し、その大小関係に応じてPWMインバータ102のスイッチング信号Tu+,Tu−,Tv+,Tv−,Tw+,Tw−のオン/オフ信号をスイッチング信号としてPWMインバータ102の各素子に入力する。なお、キャリア信号又はキャリア周波数とスイッチング信号又はキャリア周波数とはそれぞれ対応しており、以下、キャリア信号又はキャリア周波数に統一して記す。ここで、U相のスイッチング素子Tu+,Tu−の制御を例に比較器108aの動作を具体的に説明する。すなわち、比較器108aはPID制御部106aの出力値が三角波状キャリア信号よりも大きい場合、Tu+,Tu−をそれぞれオン状態及びオフ状態に制御することにより正の電圧をモータ103のU相に印加し、逆に、PID制御部6aの出力値が三角波状キャリア信号よりも小さい場合には、Tu+,Tu−をそれぞれオフ状態及びオン状態に制御することにより、負の電圧をモータ103のU相に印加する。ここで、キャリア周波数生成部109は、キャリア波形生成部107から出力される三角波状キャリア信号の周波数fcを変化させる信号を生成する。
(実施の形態1)
EMIノイズの伝達系に関する周波数特性、すなわち系の周波数特性A(f)が図2(a)で与えられるとする。ここで、系の構成要素のそれぞれについて、ノイズ発生装置の周波数特性G(f)、ノイズ伝達経路の周波数特性Q(f)、ノイズ受信装置の周波数特性R(f)とすれば、系の構成要素全体である系の周波数特性A(f)は
A(f)≒G(f)×Q(f)×R(f) (1)
で与えられる。例えばEMIノイズが放射ノイズとした場合、ノイズの発生装置から放射された任意の周波数の放射ノイズが伝達経路を伝達し、ノイズの受信装置で受信される。ここで、前記放射された任意の周波数における放射ノイズのレベル分布が系の周波数特性となる。言い換えると、このノイズの伝達経路全体に対する系の周波数特性は、発生装置の実装形態等から決まる放射特性、すなわち発生装置を送信アンテナと見た場合のアンテナ特性と、発生装置、伝達経路、受信装置の各レイアウトや実装形態から決まるノイズの伝達特性と、受信装置の受信特性、すなわち受信装置を受信アンテナと見た場合のアンテナ特性との各要素の積で求められる。また、EMIノイズが伝導ノイズの場合は、系全体、すなわち発生装置と伝達経路と受信装置および系全体の等価回路のインピーダンス特性が系の周波数特性となる。
例えば電気自動車について考える。電気自動車においては、図3に示すような電気自動車駆動用のモータ・インバータシステム301が搭載されている。このモータ・インバータシステムは、図1で先に説明した構成及び動作をするものとし、このシステムがEMIノイズの発生装置とする。このシステムから発生されたEMIノイズが空間あるいは車体といった経路を伝達経路として車載ラジオ・テレビ等受信機器302に接続される受信アンテナ303に伝達される。
図2(b)は、キャリア周波数を時間変化させた場合に用いるキャリア周波数の離散値それぞれの値を整数倍した周波数値、すなわち高調波周波数値の分布を示しており、この分布は系の周波数特性と反対の特性を有するものとして示している。したがって、系の周波数特性をA(f)、キャリア周波数の各離散値高調波周波数値の分布をD(f)とすると、D(f)の値はEMIノイズによる妨害の許容範囲内で
D(f)≒1/A(f) (1)
の関係を満足するD(f)となるようにキャリア周波数の離散値を設定する。これによりキャリア周波数を時間と共に変化させた場合に受信装置で受信されるEMIノイズのレベルが、所望の帯域内で、図2(a)の系の周波数特性A(f)と図2(b)のキャリア周波数の各離散値の高調波周波数分布D(f)とが互いに打ち消しあって図2(c)に示すように平坦な特性F(f)となるようにし、ピークレベルを低減しようとするものである。
以下、キャリア周波数の各離散値の高調波周波数値の分布を(1)式の関係を満足するD(f)とするようにキャリア周波数の各離散値の設定方法について説明する。ここで、キャリア周波数の値として使用可能な離散値をfcoj(j=1,2,3,‥mのm個の整数)、時間変化を与えられたキャリア周波数として用いられる周波数の離散値をfck(k=1,2,3,‥nのn個の整数)とする。fcojは、キャリア周波数として使用可能な範囲、キャリア周波数の値の分解能、等で決定される。また、fckは、fcojを基に設定され、時間変化されたキャリア周波数の離散値であって、n個の値の一部が同一の場合は許すが、n個全てが同一の場合は除く。これは、全てが同一の場合は、キャリア周波数が一定で、時間変化しない場合であることによる。
例えば、キャリア周波数として使用可能な範囲が50kHz±10%、キャリア周波数の分解能を1msecとすると、キャリア周波数として使用可能な周波数fcojは
45、46、47、・・・54、55 kHz
の11個(m=11)の値となる。また、キャリア周波数を変化させる周期を100μsecとすると、キャリア周波数に時間変化を与えるために用いる離散値fckの値として選べる個数nは
100μsec×50kHz=5(個)
となる。
ここで、fcojが5個、fckが3個の場合を考える。fcojからfckを選択する組み合わせパターンは図4に示すように30通り存在する。その30通りについて、それぞれ高調波周波数の分布を計算し、系の周波数特性A(f)に対してD(f)の値との差分が許容レベルの範囲内で
D(f)≒1/A(f)
を満たすD(f)を実現するfckの組み合わせを選択することで、キャリア周波数に時間変化を与えるキャリア周波数の離散値が決定される。
このように、系の周波数特性を考慮してキャリア周波数の離散値を決定し、この値を用いてキャリア周波数を時間変化させることにより、受信されるEMIノイズスペクトルが所望の帯域において平坦化され、ピークレベルの低減が実現される。
(実施の形態2)
図5は、所望の周波数帯域内に、許容されるEMIノイズレベルの異なる部分が存在する場合を示すものである。すなわち、本発明は所望の周波数帯域内で許容ノイズレベルが細分化されている場合についても適用が可能である。以下、この場合について説明する。
図5(c)は帯域1と帯域2とのそれぞれの周波数帯域でEMIノイズの許容値(破線で示すレベル)が異なっている場合を示す。この許容値をP(f)とすると,キャリア周波数の各離散値の高調波周波数値D’(f)の分布が
D’(f)∝P(f)/A(f) (2)
となる関係を満足するようにキャリア周波数の離散値を決める。なお、キャリア周波数の各離散値fckの決め方は、(実施の形態1)で説明した方法と同様である。ただし、この場合はD(f)がA(f)だけでなく、P(f)も考慮している点が異なっている。すなわち、図5(a)の特性A(f)を図5(b)の特性D’(f)で補償して図5(c)のF’(f)の平坦な特性を得ている。
ここで、EMIノイズスペクトルのエネルギは一定であることから、許容されるレベルに応じてエネルギを分布させることにより、EMIノイズのエネルギを所定の周波数帯域内で効率的に割り付けることが可能となり、結果的に所望の帯域におけるEMIノイズの障害を防止することが可能となる。
(実施の形態3)
EMIノイズの発生装置となるシステムの動作状態により、系の周波数特性が変化する場合がある。この場合、本発明によれば、その動作状態に応じてキャリア周波数に時間変化を与えるために使用するキャリア周波数の離散値fckの組み合わせを変更することによりEMIノイズの影響の低減ができる。
図6は、あるモータ・インバータシステムを異なる回転数N1,N2で動作させた場合に受信装置で観測されたそれぞれの回転数に対するEMIノイズスペクトルである。このような場合、キャリア周波数に時間とともに変化するキャリア周波数の離散値の組み合わせを、回転数によって切り替える変更手段により異なる組み合わせとすることで、システムの動作状態における系の周波数特性の変化に対応することが可能となる。実際には、この変更手段としては、系の周波数特性を変化させるパラメータに応じたキャリア周波数の離散値のマップを作っておき、その動作状態に応じてfckの組み合わせ変更手段により離散値を切り替えることで実現できる。
以上,PWM制御により三相ブラシレスモータを駆動する駆動する構成例について説明して生きたが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、スイッチの開閉によって電力の形態を変化させることが可能な電力変換装置のスイッチング周波数を変化させる場合に用いる離散的なスイッチング周波数値を規定するものである。例えば、図12に示すようなHブリッジ構成にてモータを駆動する構成や、図7に示すような、単体スイッチにて何等かの負荷を開閉するような構成でも適用できる。図7の回路は、負荷704に直列に接続されている半導体スイッチング素子705を指令値入力701、CPU702により所望の波形に生成しドライブ回路703で駆動する単純な構成の場合でも本発明の適用は可能である。
また、本発明は、特定のキャリア周波数fcの時間変化波形に限定されるものではない。例えば、図11に示すような正弦波状階段波変化、図8に示すような三角波状階段波変化、図9に示される鋸波状変化、図10に示すような周期波状変化をはじめ、さまざまなキャリア周波数の時間変化に適用できる。その場合、用いるキャリア周波数として上記に説明したような方法で値を決定すればよい。
すなわち、スイッチング周波数の離散値fckの組み合わせは、スイッチング周波数として選択可能な離散値の集合から、スイッチング周波数を変化させる一周期の時間内で、使用可能な離散値の個数を選択する場合の組み合わせにおいて、各離散値の各々の整数倍の周波数分布すなわち系の周波数特性が前記D(f)に近似される値となるような組み合わせとすればよい。
三相モータ駆動用のインバータシステムの構成図。 本発明の原理説明図、a)ノイズ伝達系の周波数特性図、b)キャリア周波数の時間変化における離散値の高調波周波数分布図、c)図2−a)と図2−b)との合成により得られる平坦周波数特性図。 車載時におけるEMIノイズ発生機器とその伝播経路の説明図。 キャリア周波数の値として選択可能な離散値と、キャリア周波数に時間変化を与えるために用いる離散値との組み合わせ図。 所望の帯域内でノイズ許容値が異なる複数の帯域が存在する場合の説明図、a)ノイズ伝達系の周波数特性図、b)キャリア周波数の時間変化における離散値の高調波周波数分布で、ノイズ許容レベルが異なる二つの帯域が存在する場合の周波数特性図、c)図5−a)と図5−b)との合成により得られる二つのノイズ許容レベルを有する場合の平坦周波数特性図。 モータインバータを異なる回転数で動作させた場合のEMIノイズスペクトル図、a)回転数N1の場合のスペクトル図、b)回転数N2の場合のスペクトル図。 単体スイッチで負荷電流をスイッチングする場合の駆動回路図。 キャリア周波数に時間変動を与える場合の時間変動波形が三角波形状の場合の波形図。 キャリア周波数に時間変動を与える場合の時間変動波形が鋸波形状の場合の波形図。 キャリア周波数に時間変動を与える場合の時間変動波形が周期波形状の場合の波形図。 キャリア周波数に時間変動を与える場合の時間変動波形が正弦波状の場合の波形図。 従来公知の電流駆動ステッピングモータ駆動回路図。 図12の駆動回路の制御系ブロック図。 スイッチング周波数を正弦波状で周期的に変化させる場合の周波数・時間関係図。
符号の説明
1…ステッピングモータ 2…スイッチング部
3…電源 4…バッファ
5…CPU 6…制御部
7…指示入力 8…励磁シーケンサ
9…周波数制御部 10…周波数可変手段
101…インバータシステム 102…PWMインバータ
103…三相ブラシレス直流モータ 104a,b,c…電流センサ
105…電流指令生成部 106a,s,c…PID制御部
107…キャリア波形生成部 108a,b,c…比較器
109…キャリア周波数生成部 701…指令値入力
702…CPU 703…ドライブ回路
704…負荷 705…スイッチング半導体素子
301…モータインバータシステム 302…受信機器
303…車載アンテナ 701…指令値入力
702…CPU 703…ドライブ回路
704…負荷 705…半導体スイッチング素子

Claims (8)

  1. 入力される電力を、スイッチング手段により変換して出力する電力変換装置の制御装置において、
    前記制御装置は、前記スイッチング手段の開閉を行うためのスイッチング周波数を時間とともに変化させるスイッチング周波数変更手段を有し、
    前記スイッチング周波数変更手段は、スイッチング周波数として使用可能な範囲内で選択された複数のスイッチング周波数の離散値fck(k=1〜nの整数)を用いて、スイッチング周波数を時間と共に変化させ、
    前記スイッチング周波数の離散値fckは、EMIノイズの発生側から受信側までの系の周波数特性A(f)に対して前記スイッチング周波数の離散値fckの各々の整数倍の周波数分布D(f)が所定の周波数帯域内で、
    D(f)≒1/A(f)
    の関係と成るように決定されることを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  2. 入力される電力を、スイッチング手段により変換して出力する電力変換装置の制御装置において、
    前記制御装置は、前記スイッチング手段の開閉を行うためのスイッチング周波数すなわちキャリア周波数である制御信号の周波数を時間とともに変化させるスイッチング周波数変更手段を有し、
    前記スイッチング周波数変更手段は、スイッチング周波数として使用可能な範囲内で選択された複数のスイッチング周波数の離散値fck(k=1〜nの整数)を用いて、スイッチング周波数を時間と共に変化させ、
    前記スイッチング周波数の離散値fckは、EMIノイズの発生から受信側までの系の周波数特性A(f)、EMIノイズの周波数スペクトルのピークレベルの許容値P(f)に対して、前記スイッチング周波数の離散値fckの各々の整数倍の周波数の分布D(f)が所定の周波数帯域内で、かつ許容レベルの範囲内で
    D(f)∝P(f)/A(f)
    の関係になるように決定されることを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置の制御装置において、
    前記スイッチング周波数変更手段は、時間とともに変化させる前記スイッチング周波数の離散値fckの組み合わせを変更する手段を有することを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3の少なくとも一つに記載の電力変換装置の制御装置おいて、
    前記スイッチング周波数の離散値は、
    スイッチング周波数として選択可能な離散値の集合から、スイッチング周波数を変化させる一周期の時間内で、使用可能な離散値の個数を選択する組み合わせの中で、各離散値の各々の整数倍の周波数分布が前記D(f)に近似される組み合わせとすることを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  5. 入力される電力を、スイッチング手段により変換して出力する電力変換装置の制御方法において、
    前記スイッチング手段の開閉を行うためのスイッチング周波数を時間とともに変化させ、
    前記スイッチング周波数として使用可能な範囲内で選択された複数のスイッチング周波数の離散値fck(k=1〜nの整数)を用いて、スイッチング周波数を時間と共に変化させ、
    前記スイッチング周波数の離散値fckは、EMIノイズの発生側から受信側までの系の周波数特性A(f)に対して、前記スイッチング周波数の離散値fckの各々の整数倍の周波数分布D(f)が所定の周波数帯域内で
    D(f)≒1/A(f)
    の関係となるように決定することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  6. 入力される電力を、スイッチング手段により変換して出力する電力変換装置の制御方法において、
    前記スイッチング手段の開閉を行うためのスイッチング周波数を時間とともに変化させ、
    前記スイッチング周波数として使用可能な範囲内で選択された複数のスイッチング周波数の離散値fck(k=1〜nの整数)を用いて、前記スイッチング周波数を時間と共に変化させ、
    前記スイッチング周波数の離散値fckは、EMIノイズの発生から受信側までの系の周波数特性A(f)、EMIノイズの周波数スペクトルのピークレベルの許容値P(f)に対して、前記スイッチング周波数の離散値fckの各々の整数倍の周波数の分布D(f)が所定の周波数帯域内で、
    D(f)∝P(f)/A(f)
    の関係になるように決定することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の電力変換装置の制御方法において、
    時間とともに変化する前記スイッチング周波数の離散値fckの組み合わせを変更することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  8. 請求項5、請求項6又は請求項7の少なくとも一つに記載の電力変換装置の制御方法おいて、
    前記スイッチング周波数として選択可能な離散値の集合から、スイッチング周波数を変化させる一周期の時間内で、使用可能な離散値の個数を選択する組み合わせの中で、各離散値の各々の整数倍の周波数分布が前記D(f)に近似される組み合わせとなるように複数の離散値を決定することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
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