JP2015027219A - Pwmインバータ制御装置 - Google Patents

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Hirochika Shimonagayoshi
裕親 下永吉
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Abstract

【課題】スイッチング損失の増加を抑制しつつ、インバータから出力される電流の波形を電流指令の波形に近づけることができる、PWMインバータ制御装置を提供する。
【解決手段】U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の時間変化率(波形の傾き)が相対的に大きいときには、それぞれU相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が相対的に低い周波数に設定され、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の時間変化率が小さいほど、それぞれU相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が高い周波数に設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、PWMインバータ制御装置に関する。
たとえば、電気自動車やハイブリッドカーでは、駆動用バッテリの出力電圧(バッテリ電圧)がインバータに印加され、インバータから走行用駆動源であるモータに交流電流が供給される。
インバータの出力制御方式としては、PWM(Pulse Width
Modulation)制御が広く採用されている。PWM制御では、図5に示されるように、モータの各相に流れる電流の目標値に応じた電流指令に基づいて設定される電圧指令と三角波などの搬送波(キャリア信号)とが比較されて、PWM信号が生成され、このPWM信号に基づいて、インバータを構成するスイッチング素子がオン/オフされる。これにより、インバータから交流電流が出力され、その交流電流がモータに供給される。
特開2004−357358号公報
しかしながら、その交流電流は、擬似的に作られた正弦波交流電流であり、インバータから実際に出力される電流(モータに実際に流れる電流)は、PWM信号のハイレベル/ローレベルに応じて増減を繰り返す。モータが発生するトルクは、モータに流れる電流の増減に応じて変動する。
キャリア周波数を高くすることにより、インバータから出力される実電流の波形を正弦波に近づけることができ(実電流を滑らかに変化させることができ)、モータが発生するトルクの変動を抑えることができる。ところが、キャリア周波数が高くなるにつれ、インバータのスイッチング損失が増加する。スイッチング損失の増加に伴い、スイッチング素子での発熱量が増加するので、その発熱を放散するための大型のヒートシンクが必要となる。
本発明の目的は、スイッチング損失の増加を抑制しつつ、インバータから出力される電流の波形を電流指令の波形に近づけることができる、PWMインバータ制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るPWMインバータ制御装置は、複数のスイッチング素子を備えるインバータをPWM制御するPWMインバータ制御装置であって、インバータから目標電流を出力させるための電流指令を生成する電流指令生成手段と、電流指令生成手段によって生成される電流指令に基づいて、スイッチング素子をスイッチングさせるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、電流指令生成手段によって生成される電流指令の時間変化率が小さいほど、PWM信号生成手段によるPWM信号の生成に用いられる搬送波のキャリア周波数を高い周波数に設定するキャリア周波数設定手段とを含む。
この構成によれば、電流指令の時間変化率が相対的に大きいときには、キャリア周波数が相対的に低い周波数に設定され、電流指令の時間変化率が小さいほど、キャリア周波数が高い周波数に設定される。
キャリア周波数が一定に設定されている場合、図5に示されるように、電流指令の時間変化率が小さくなるほど、つまり電流指令がその波形(正弦波)のピーク点に近づくほど、電流指令とインバータから出力される実電流との差が大きくなる。逆に、電流指令の時間変化率が大きくなるほど、つまり電流指令がその波形の変曲点に近づくほど、電流指令と実電流との差が小さくなる。
電流指令の時間変化率が小さいときに、キャリア周波数が高い周波数に設定されることにより、実電流の波形を電流指令の波形に近づけることができ、電流指令と実電流との差を小さく抑えることができる。その結果、モータの発生トルクの変動を抑えることができる。
一方、電流指令の時間変化率が大きいときには、キャリア周波数が低い周波数に設定されることにより、スイッチング損失を低減することができる。その結果、PWMインバータ制御装置が車両に搭載される場合に、その車両の燃費または電費(単位距離の走行で消費する電力量)を向上させることができる。また、スイッチング損失の増大による発熱量の増大を抑制できるので、インバータからの発熱を放散するためのヒートシンクの小型化など、インバータを冷却するための構造の簡素化および小型化を図ることができ、ひいては、その簡素化によるコストの低減ならびに簡素化および小型化による軽量化を図ることができる。さらに、スイッチングノイズ(騒音)を低減することができ、静粛性を向上させることができる。
インバータが複数相インバータである場合には、相ごとに、キャリア周波数が設定されることが好ましい。
これにより、電流指令の時間変化率が小さいときに、各相の実電流の波形を電流指令の波形に近づけることができるので、モータの発生トルクの変動およびスイッチング損失をより一層抑えることができる。
本発明の他の局面に係るPWMインバータ制御装置は、複数のスイッチング素子を備えるインバータをPWM制御するPWMインバータ制御装置であって、インバータから目標電流を出力させるための電流指令を生成する電流指令生成手段と、電流指令生成手段によって生成される電流指令に基づいて、スイッチング素子をスイッチングさせるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、PWM信号生成手段によるPWM信号の生成に用いられる搬送波のキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段とを含み、インバータは、複数相インバータであり、電流指令生成手段は、相ごとに電流指令を生成し、PWM信号生成手段は、すべての相または複数の相を1つのグループとして、グループごとに、同一のキャリア周波数の搬送波を用いて、各相のPWM信号を生成し、キャリア周波数設定手段は、グループごとに、当該グループに含まれる各相の電流指令の時間変化率が最小のときに、キャリア周波数が最高周波数となり、当該グループに含まれる各相の電流指令の時間変化率が最大のときに、キャリア周波数が最低周波数となるように、キャリア周波数を設定する。
この構成によれば、インバータのすべての相または複数の相を1つのグループとして、グループごとに、同一のキャリア周波数の搬送波を用いて、各相のPWM信号が生成される。そして、グループごとに、キャリア周波数は、当該グループに含まれる各相の電流指令の時間変化率が最小のときに最高周波数となり、当該グループに含まれる各相の電流指令の時間変化率が最大のときに最低周波数となるように設定される。
電流指令の時間変化率が小さいときに、キャリア周波数が高い周波数に設定されることにより、実電流の波形を電流指令の波形に近づけることができ、電流指令と実電流との差を小さく抑えることができる。その結果、モータの発生トルクの変動を抑えることができる。
一方、電流指令の時間変化率が大きいときには、キャリア周波数が低い周波数に設定されることにより、スイッチング損失を低減することができる。その結果、PWMインバータ制御装置が車両に搭載される場合に、その車両の燃費または電費を向上させることができる。また、スイッチング損失の増大による発熱量の増大を抑制できるので、インバータからの発熱を放散するためのヒートシンクの小型化など、インバータを冷却するための構造の簡素化および小型化を図ることができ、ひいては、その簡素化によるコストの低減を図ることができる。さらに、スイッチングノイズを低減することができ、静粛性を向上させることができる。
また、複数の相のPWM信号の生成に共通の搬送波を用いることができるので、相ごとにキャリア周波数が設定される構成と比較して、搬送波を生成する構成を簡素化することができる。その結果、コストを低減させることができる。
PWMインバータ制御装置は、インバータから出力される電流が供給されるモータの回転数を取得する回転数取得手段と、回転数取得手段によって取得された回転数が所定回転数以下であるときに、キャリア周波数設定手段によって設定されるキャリア周波数の下限値を設定する下限値設定手段とをさらに含むことが好ましい。
モータが低回転数で動作しているときには、モータの出力軸の回転による風きり音などが小さいので、キャリア周波数が低いと、モータから発生する電磁騒音(キャリア周波数に基づく騒音)が人間に聞こえやすい。そのため、キャリア周波数が低周波数で変化し、その変化に伴って電磁騒音が変化すると、その変化を人間が不快に感じるおそれがある。
モータの回転数が所定回転数以下であるときに、キャリア周波数の下限値が設定されることにより、キャリア周波数が低周波数で変化することを抑制でき、キャリア周波数の変化に伴う電磁騒音の変化を抑制できる。
本発明によれば、電流指令の時間変化率が小さいときには、実電流の波形を電流指令の波形に近づけることができ、モータの発生トルクの変動を抑えることができる。一方、電流指令の時間変化率が大きいときには、キャリア周波数が低い周波数に設定されることにより、スイッチング損失を低減することができ、車両の燃費または電費を向上させることができる。また、インバータを冷却するための構造の簡素化および小型化を図ることができ、その簡素化によるコストの低減を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るPWMインバータ制御装置が備えられたモータシステムの構成を示す図である。 U相電流指令、V相電流指令、W相電流指令、U相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数の波形の一例を示す図である。 単一のキャリア周波数が設定される構成におけるU相電流指令、V相電流指令、W相電流指令およびキャリア周波数の波形の一例を示す図である。 下限値設定処理の流れを示すフローチャートである。 電圧指令、PWM信号、電流指令およびインバータから出力される実電流の波形の一例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るPWMインバータ制御装置9が備えられたモータシステム1の構成を示す図である。
モータシステム1は、モータ2、直流電源回路3、コンデンサ4、インバータ5、駆動回路6、電流センサ7U,7V、モータ角度センサ8およびPWMインバータ制御装置9を備えている。
モータシステム1は、たとえば、電気自動車やハイブリッドカーなどの車両に搭載される。この場合、モータ2は、たとえば、走行用駆動力を発生するモータまたはモータジェネレータである。また、直流電源回路3は、たとえば、複数の二次電池を組み合わせた組電池からなる駆動用バッテリである。
直流電源回路3には、プラス配線11およびマイナス配線12が接続されている。
コンデンサ4は、プラス配線11とマイナス配線12とに接続されている。コンデンサ4により、直流電源回路3の出力電圧の変動を吸収することができる。
インバータ5は、3相インバータからなり、2個のスイッチング素子13U,14Uの直列回路と、2個のスイッチング素子13V,14Vの直列回路と、2個のスイッチング素子13W,14Wの直列回路とが互いに並列に接続され、その並列回路がプラス配線11とマイナス配線12との間に接続された構成を有している。スイッチング素子13U,13V,13W,14U,14V,14Wには、たとえば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いることができる。また、各スイッチング素子13U,13V,13W,14U,14V,14Wには、還流ダイオード15U,15V,15W,16U,16V,16Wが並列に接続されている。
スイッチング素子13U,14Uの直列回路は、これら2個のスイッチング素子13U,14Uの接続点で、モータ2のU相巻線17Uに接続されている。スイッチング素子13V,14Vの直列回路は、これら2個のスイッチング素子13V,14Vの接続点で、モータ2のV相巻線17Vに接続されている。スイッチング素子13W,14Wの直列回路は、これら2個のスイッチング素子13W,14Wの接続点で、モータ2のW相巻線17Wに接続されている。
駆動回路6は、各スイッチング素子13U,13V,13W,14U,14V,14Wのゲートに接続されている。
電流センサ7U,7Vは、それぞれモータ2のU相巻線17UおよびV相巻線17Vに流れる電流を検出し、その電流に応じた検出信号を出力する。
モータ角度センサ8は、モータ2の回転角であるモータ角度を検出し、そのモータ角度に応じた検出信号を出力する。
電流センサ7U,7Vおよびモータ角度センサ8の各検出信号は、PWMインバータ制御装置9に入力されるようになっている。PWMインバータ制御装置9は、マイクロコンピュータを含む構成であり、プログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、電流指令生成部21、キャリア周波数設定部22およびPWM信号生成部23を実質的に備えている。
電流指令生成部21は、モータ2から出力されるべきトルク値およびモータ角度センサ8によって検出されるモータ角度などに基づいて、モータ2のU相巻線17Uを流れるU相電流の目標値に対応したU相電流指令、V相巻線17Vを流れるV相電流の目標値に対応したV相電流指令およびW相巻線17Wを流れるW相電流の目標値に対応したW相電流指令を生成する。
キャリア周波数設定部22は、電流指令生成部21によって生成されるU相電流指令に基づいて、U相PWM信号の生成に使用される搬送波の周波数であるU相キャリア周波数を設定する。また、キャリア周波数設定部22は、電流指令生成部21によって生成されるV相電流指令に基づいて、V相PWM信号の生成に使用される搬送波の周波数であるV相キャリア周波数を設定する。さらに、キャリア周波数設定部22は、電流指令生成部21によって生成されるW相電流指令に基づいて、W相PWM信号の生成に使用される搬送波の周波数であるW相キャリア周波数を設定する。
PWM信号生成部23は、電流センサ7U,7Vによって検出されるU相電流(以下、「U相実電流」という。)およびV相電流(以下、「V相実電流」という。)に基づいて、モータ2のW相巻線17Wを流れるW相電流(以下、「W相実電流」という。)を算出する。そして、PWM信号生成部23は、電流指令生成部21によって生成されるU相電流指令およびU相実電流に基づいて、U相についての目標電圧指令を設定し、その目標電圧指令とキャリア周波数設定部22によって設定されたU相キャリア周波数の搬送波とを比較して、U相PWM信号を生成する。また、PWM信号生成部23は、電流指令生成部21によって生成されるV相電流指令およびV相実電流に基づいて、V相についての目標電圧指令を設定し、その目標電圧指令とキャリア周波数設定部22によって設定されたV相キャリア周波数の搬送波とを比較して、V相PWM信号を生成する。さらに、PWM信号生成部23は、電流指令生成部21によって生成されるW相電流指令およびW相実電流に基づいて、W相についての目標電圧指令を設定し、その目標電圧指令とキャリア周波数設定部22によって設定されたW相キャリア周波数の搬送波とを比較して、W相PWM信号を生成する。
PWM信号生成部23によって生成されたU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号は、駆動回路6に与えられる。駆動回路6にU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号が与えられると、駆動回路6からインバータ5のスイッチング素子13U,13V,13W,14U,14V,14Wのゲートに駆動信号が送出されて、スイッチング素子13U,13V,13W,14U,14V,14Wが選択的にオンされる。その結果、インバータ5から擬似的な正弦波交流電流が出力され、その正弦波交流電流がモータ2のU相巻線17U、V相巻線17VおよびW相巻線17Wに流れる。
図2は、U相電流指令、V相電流指令、W相電流指令、U相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数の波形の一例を示す図である。
U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の波形は、モータ2の1回転(360deg)を1周期とする正弦波である。
以下、U相電流指令が最大値(たとえば、100A)となるときのモータ角度を90degとする。
U相電流指令は、モータ角度が0deg、180degおよび360degであるときに0Aとなり、モータ角度が90degであるときに最大値となり、モータ角度が270degであるときに最小値となるように変化する。したがって、U相電流指令の時間変化率、つまりU相電流指令の波形の傾きは、モータ角度が0deg、180degおよび360degであるときに最大となり、モータ角度が90degおよび270degであるときに最小となる。
キャリア周波数設定部22は、U相電流指令の波形の傾きが最大であるとき(モータ角度が0deg、180degおよび360degであるとき)に、U相キャリア周波数を最低周波数に設定する。また、U相電流指令の波形の傾きが最小であるとき(モータ角度が90degおよび270degであるとき)に、U相キャリア周波数を最高周波数に設定する。そして、キャリア周波数設定部22は、U相電流指令の波形の傾きが小さいほど、U相キャリア周波数を高い周波数に設定する。
V相電流指令は、U相電流指令に対して、位相が120deg遅れている。V相電流指令は、モータ角度が120degおよび300degであるときに0Aとなり、モータ角度が210degであるときに最大値となり、モータ角度が30degであるときに最小値となるように変化する。したがって、V相電流指令の時間変化率、つまりV相電流指令の波形の傾きは、モータ角度が120degおよび300degであるときに最大となり、モータ角度が30degおよび210degであるときに最小となる。
キャリア周波数設定部22は、V相電流指令の波形の傾きが最大であるとき(モータ角度が120degおよび300degであるとき)に、V相キャリア周波数を最低周波数に設定する。また、V相電流指令の波形の傾きが最小であるとき(モータ角度が30degおよび210degであるとき)に、V相キャリア周波数を最高周波数に設定する。そして、キャリア周波数設定部22は、V相電流指令の波形の傾きが小さいほど、V相キャリア周波数を高い周波数に設定する。
W相電流指令は、U相電流指令に対して、位相が120deg進んでいる。W相電流指令は、モータ角度が60degおよび240degであるときに0Aとなり、モータ角度が330degであるときに最大値となり、モータ角度が150degであるときに最小値となるように変化する。したがって、W相電流指令の時間変化率、つまりW相電流指令の波形の傾きは、モータ角度が60degおよび240degであるときに最大となり、モータ角度が150degおよび330degであるときに最小となる。
キャリア周波数設定部22は、W相電流指令の波形の傾きが最大であるとき(モータ角度が60degおよび240degであるとき)に、W相キャリア周波数を最低周波数に設定する。また、W相電流指令の波形の傾きが最小であるとき(モータ角度が150degおよび330degであるとき)に、W相キャリア周波数を最高周波数に設定する。そして、キャリア周波数設定部22は、W相電流指令の波形の傾きが小さいほど、W相キャリア周波数を高い周波数に設定する。
なお、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令を時間微分演算により、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の各波形の傾きを求め、各波形の傾きが所定の演算式に代入されることにより、U相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が設定されてもよい。また、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の各波形の傾きは、電流指令の大きさ(U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の波形の最大振幅)およびモータ2の回転数によって決まる。したがって、電流指令の大きさおよびモータ2の回転数とキャリア周波数との対応関係を定めたマップが予め作成されて、そのマップを参照して、U相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が設定されてもよい。
以上のように、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の時間変化率が相対的に大きいときには、それぞれU相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が相対的に低い周波数に設定され、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の時間変化率が小さいほど、それぞれU相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が高い周波数に設定される。
U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の時間変化率が小さいときに、U相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が高い周波数に設定されることにより、U相実電流、V相実電流およびW相実電流の波形をそれぞれU相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の波形に近づけることができ、U相電流指令とU相実電流との差、V相電流指令とV相実電流との差およびW相電流指令とW相実電流との差をそれぞれ小さく抑えることができる。その結果、モータ2の発生トルクの変動およびスイッチング損失を抑えることができる。
一方、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令が大きいときには、それぞれU相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が低い周波数に設定されることにより、インバータ5でのスイッチング損失を低減することができる。その結果、モータシステム1が車両に搭載される場合、その車両の燃費または電費(単位距離の走行で消費する電力量)を向上させることができる。また、スイッチング損失の増大による発熱量の増大を抑制できるので、インバータ5からの発熱を放散するためのヒートシンクの小型化など、インバータ5を冷却するための構造の簡素化および小型化を図ることができ、ひいては、その簡素化によるコストの低減ならびに簡素化および小型化による軽量化を図ることができる。さらに、スイッチングノイズ(騒音)を低減することができ、静粛性を向上させることができる。
以上では、キャリア周波数設定部22により、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令に基づいて、それぞれU相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数が個別に設定され、PWM信号生成部23により、U相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数の搬送波を用いて、それぞれU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号が生成される構成を取り上げた。しかしながら、キャリア周波数設定部22により、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令に基づいて、単一のキャリア周波数が設定され、PWM信号生成部23により、そのキャリア周波数の搬送波を共通に用いて、U相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号が生成されてもよい。
図3は、単一のキャリア周波数が設定される構成におけるU相電流指令、V相電流指令、W相電流指令およびキャリア周波数の波形の一例を示す図である。
キャリア周波数設定部22は、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の各波形の傾きが最大であるとき(モータ角度が0deg、60deg、120deg、180deg、240deg、300degおよび360degであるとき)に、キャリア周波数を最低周波数に設定する。また、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の各波形の傾きが最小であるとき(モータ角度が30deg、90deg、150deg、210deg、270degおよび330degであるとき)に、キャリア周波数を最高周波数に設定する。そして、キャリア周波数設定部22は、モータ角度の変化に伴って、キャリア周波数が単調に増加または減少するように、キャリア周波数を設定する。
なお、キャリア周波数は、前述したように、演算によって設定されてもよいし、マップを参照して設定されてもよい。
このように、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の各時間変化率が小さいときに、キャリア周波数が高い周波数に設定されるので、U相実電流、V相実電流およびW相実電流の波形をそれぞれU相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の波形に近づけることができ、U相電流指令とU相実電流との差、V相電流指令とV相実電流との差およびW相電流指令とW相実電流との差をそれぞれ小さく抑えることができる。その結果、モータ2の発生トルクの変動を抑えることができる。
一方、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令の各時間変化率が大きいときには、キャリア周波数が低い周波数に設定されることにより、インバータ5でのスイッチング損失を低減することができる。その結果、モータシステム1が車両に搭載される場合に、その車両の燃費または電費を向上させることができる。また、スイッチング損失の増大による発熱量の増大を抑制できるので、インバータ5からの発熱を放散するためのヒートシンクの小型化など、インバータ5を冷却するための構造の簡素化および小型化を図ることができ、ひいては、その簡素化によるコストの低減を図ることができる。さらに、スイッチングノイズを低減することができ、静粛性を向上させることができる。
また、U相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号の生成に共通の搬送波を用いることができるので、相ごとにキャリア周波数が設定される構成と比較して、搬送波を生成する構成を簡素化することができる。その結果、コストを低減させることができる。
図4は、下限値設定処理の流れを示すフローチャートである。
モータ2の回転数が所定回転数以下であるときに、前述の手法によって設定されるU相キャリア周波数、V相キャリア周波数およびW相キャリア周波数または各相に共通のキャリア周波数(以下、これらを総括して「キャリア周波数」という。)の下限値が設定されてもよい。
具体的には、モータ2の動作中、キャリア周波数設定部22により、図4に示される下限値設定処理が繰り返し実行される。
下限値設定処理では、まず、モータ2の回転数が取得される(ステップS1)。モータ2の回転数は、モータ角度センサ8の検出信号に基づく演算によって求めることができる。
次に、モータ2の回転数が所定回転数以下であるか否かが判定される(ステップS2)。
モータ2の回転数が所定回転数を超えているときは(ステップS2のNO)、下限値設定処理が終了され、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令に基づいて設定されたキャリア周波数がPWM信号生成部23に与えられる。
モータ2の回転数が所定回転数以下であるときには(ステップS2のYES)、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令に基づいて設定されるキャリア周波数が所定の下限値を下回っているか否かが判定される(ステップS3)。
キャリア周波数が下限値を下回っていない場合には(ステップS3のNO)、下限値設定処理が終了され、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令に基づいて設定されたキャリア周波数がPWM信号生成部23に与えられる。
一方、キャリア周波数が下限値を下回っている場合には(ステップS3のYES)、キャリア周波数が下限値に設定されて、その下限値であるキャリア周波数がPWM信号生成部23に与えられて、下限値設定処理が終了される。
モータシステム1が車両に搭載される場合、車両の発進時など、モータ2が低回転数かつ高トルクで動作するときに、キャリア周波数が下限値に設定されることにより、キャリア周波数が低周波数で変化することを抑制でき、キャリア周波数の変化に伴う電磁騒音の変化を抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、キャリア周波数の下限値は、一定値であってもよいし、可変値であってもよい。モータ2の回転数が低いほど、または、モータ2の発生トルクが高いほど、下限値が大きい値(高い周波数)に設定されてもよい。
また、図3を参照して、U相電流指令、V相電流指令およびW相電流指令に基づいて、単一のキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を共通に用いて、U相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号が生成される構成について説明したが、その場合と同様の手法により、U相電流指令およびV相電流指令に基づいて、1つのキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を共通に用いて、U相PWM信号およびV相PWM信号が生成されるとともに、W相電流指令に基づいて、別のキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を用いて、W相PWM信号が生成されてもよい。また、V相電流指令およびW相電流指令に基づいて、1つのキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を共通に用いて、V相PWM信号およびW相PWM信号が生成されるとともに、U相電流指令に基づいて、別のキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を用いて、U相PWM信号が生成されてもよい。さらには、U相電流指令およびW相電流指令に基づいて、1つのキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を共通に用いて、U相PWM信号およびW相PWM信号が生成されるとともに、V相電流指令に基づいて、別のキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を用いて、V相PWM信号が生成されてもよい。
また、4相以上のインバータにおいても、複数の相を1つのグループとして、当該グループに対して1つのキャリア周波数が設定され、そのキャリア周波数の搬送波を共通に用いて、当該グループに含まれる各相のPWM信号が生成されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
5 インバータ
9 PWMインバータ制御装置(回転数取得手段)
13U スイッチング素子
13V スイッチング素子
13W スイッチング素子
14U スイッチング素子
14V スイッチング素子
14W スイッチング素子
21 電流指令生成部(電流指令生成手段)
22 キャリア周波数設定部(キャリア周波数設定手段、下限値設定手段)
23 PWM信号生成部(PWM信号生成手段)

Claims (4)

  1. 複数のスイッチング素子を備えるインバータをPWM制御するPWMインバータ制御装置であって、
    前記インバータから目標電流を出力させるための電流指令を生成する電流指令生成手段と、
    前記電流指令生成手段によって生成される電流指令に基づいて、前記スイッチング素子をスイッチングさせるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    前記電流指令生成手段によって生成される電流指令の時間変化率が小さいほど、前記PWM信号生成手段によるPWM信号の生成に用いられる搬送波のキャリア周波数を高い周波数に設定するキャリア周波数設定手段とを含む、PWMインバータ制御装置。
  2. 前記インバータは、複数相インバータであり、
    前記キャリア周波数設定手段は、相ごとにキャリア周波数を設定する、請求項1に記載のPWMインバータ制御装置。
  3. 複数のスイッチング素子を備えるインバータをPWM制御するPWMインバータ制御装置であって、
    前記インバータから目標電流を出力させるための電流指令を生成する電流指令生成手段と、
    前記電流指令生成手段によって生成される電流指令に基づいて、前記スイッチング素子をスイッチングさせるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    前記PWM信号生成手段によるPWM信号の生成に用いられる搬送波のキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段とを含み、
    前記インバータは、複数相インバータであり、
    前記電流指令生成手段は、相ごとに電流指令を生成し、
    前記PWM信号生成手段は、すべての相または複数の相を1つのグループとして、前記グループごとに、同一のキャリア周波数の搬送波を用いて、各相のPWM信号を生成し、
    前記キャリア周波数設定手段は、前記グループごとに、当該グループに含まれる各相の電流指令の時間変化率が最小のときに、キャリア周波数が最高周波数となり、当該グループに含まれる各相の電流指令の時間変化率が最大のときに、キャリア周波数が最低周波数となるように、キャリア周波数を設定する、PWMインバータ制御装置。
  4. 前記インバータから出力される電流が供給されるモータの回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記回転数取得手段によって取得された回転数が所定回転数以下であるときに、前記キャリア周波数設定手段によって設定されるキャリア周波数の下限値を設定する下限値設定手段とをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のPWMインバータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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