JP6662669B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関する。
従来、2つのインバータによりモータの電力を変換するインバータ駆動システムが知られている。例えば特許文献1では、第1のインバータシステムと第2のインバータシステムのパルス幅変調信号(以下、パルス幅変調を「PWM」という。)の基本波成分の位相を180[°]ずらすことで2つの電源が電気的に直列接続され、2つの電源電圧の和によりモータを駆動する。
特開2006−238686号公報
特許文献1では、基本波成分の位相を180[°]ずらして2つのインバータをPWM制御にて駆動すると、スイッチング損失が大きい。また、モータに入力される電流に、キャリア周波数の高周波成分が含まれるため、モータでの鉄損の発生要因となる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、損失を低減可能な電力変換装置を提供することにある。
本発明の電力変換装置は、巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換するものであって、第1インバータ(20)と、第2インバータ(30)と、制御部(65)と、を備える。
第1インバータは、第1スイッチング素子(21〜26)を有し、巻線の一端(111、112、113)および第1電圧源(41)と接続される。
第2インバータは、第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)および第2電圧源(42)と接続される。
制御部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御する。
本発明では、第1電圧源および第2電圧源の入出力が共に0となる制御を両側中性点制御、第1電圧源の入出力にて回転電機を駆動する制御を第1片側駆動制御、第2電圧源の入出力にて回転電機を駆動する制御を第2片側駆動制御とする。また、第1電圧源および第2電圧源が共に入力または出力して回転機を駆動する制御を両側駆動制御とする。
制御部は、両側中性点制御、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御のうち、少なくとも2つが、回転電機の電気角の半周期に含まれるように制御を切り替える。
本発明では、2つ以上の制御を組み合わせることで、回転電機の回転数およびトルクを制御する。これにより、例えば矩形波制御等、スイッチング回数の少ない制御にて、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御を行うこと、スイッチング回数を低減することができる。これにより、回転電機駆動システム全体としての損失を低減可能である。
本発明の第1実施形態による電力変換装置を示す概略構成図である 本発明の第1実施形態によるモータジェネレータの駆動領域を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による第1インバータのスイッチングパターンを説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による第2インバータのスイッチングパターンを説明する説明図である。 本発明の第1実施形態にて両側中性点制御と第1片側矩形波制御とを組み合わせた場合のU相電圧を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態にて両側中性点制御と第1片側矩形波制御とを組み合わせた場合の相電圧を示す図である。 本発明の第1実施形態にて両側中性点制御と第1片側矩形波制御とを組み合わせた場合の電気角1周期分の相電圧を示す図である。 本発明の第1実施形態にて第1片側矩形波制御と第2片側矩形波制御とを組み合わせた場合のU相電圧を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態にて第1片側矩形波制御と第2片側矩形波制御とを組み合わせた場合の相電圧を示す図である。 本発明の第1実施形態にて第1片側矩形波制御と第2片側矩形波制御とを組み合わせた場合の電気角1周期分の相電圧を示す図である。 本発明の第1実施形態にて第2片側矩形波制御と両側矩形波制御とを組み合わせた場合のU相電圧を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態にて第2片側矩形波制御と両側矩形波制御とを組み合わせた場合の相電圧を示す図である。 本発明の第1実施形態にて第2片側矩形波制御と両側矩形波制御とを組み合わせた場合の電気角1周期分の相電圧を示す図である。 本発明の第1実施形態よる電気角の半周期における制御の切り替え回数を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態によるU相電圧およびU相電流を示す図である。 PWM制御を行った場合のU相電圧およびU相電流を示す図である。 本発明の第1実施形態による切替制御を行った場合とPWM制御を行った場合の損失を比較する図である。 本発明の第2実施形態による電気角の半周期における制御の切り替え回数を説明する説明図である。
以下、本発明による電力変換装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電力変換装置を図1〜図17に示す。
図1に示すように、回転電機駆動システム1は、回転電機としてのモータジェネレータ10、および、電力変換装置15を備える。
モータジェネレータ10は、例えば電気自動車やハイブリッド車両等の電動自動車に適用され、図示しない駆動輪を駆動するためのトルクを発生する、所謂「主機モータ」である。モータジェネレータ10は、駆動輪を駆動するための電動機としての機能、および、図示しないエンジンや駆動輪から伝わる運動エネルギによって駆動されて発電する発電機としての機能を有する。本実施形態では、モータジェネレータ10が電動機として機能する場合を中心に説明する。
モータジェネレータ10は、3相交流の回転機であって、U相コイル11、V相コイル12、および、W相コイル13を有する。以下適宜、U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13を「コイル11〜13」という。
本実施形態では、U相コイル11に流れる電流をU相電流Iu、V相コイル12に流れる電流をV相電流Iv、W相コイル13に流れる電流をW相電流Iwとする。
電力変換装置15は、モータジェネレータ10の電力を変換するものであって、第1インバータ20、第2インバータ30、および、制御部65等を備える。
第1インバータ20は、コイル11〜13の通電を切り替える3相インバータであり、第1スイッチング素子21〜26を有する。第2インバータ30は、コイル11〜13の通電を切り替える3相インバータであり、第2スイッチング素子31〜36を有する。
スイッチング素子21は、素子部211および還流ダイオード221を有する。他のスイッチング素子22〜26、31〜36も同様、それぞれ、素子部212〜216、311〜316、および、還流ダイオード222〜226、321〜326を有する。
素子部211〜216、311〜316は、IGBTであって、制御部65によってオンオフ作動が制御される。素子部211〜216、311〜316は、オンされたときに高電位側から低電位側への通電が許容され、オフされたときに通電が遮断される。素子部211〜216、311〜316は、IGBTに限らず、MOSFET等であってもよい。
還流ダイオード221〜226、321〜326は、素子部211〜216、311〜316のそれぞれと並列に接続され、低電位側から高電位側への通電を許容する。例えば、還流ダイオード221〜226、321〜326は、例えば、MOSFETの寄生ダイオード等のように、素子部211〜216、311〜316に内蔵されていてもよいし、外付けされたものであってもよい。
第1インバータ20において、高電位側にスイッチング素子21〜23が接続され、低電位側にスイッチング素子24〜26が接続される。また、スイッチング素子21〜23の高電位側を接続する第1高電位側配線27が第1バッテリ41の正極と接続され、スイッチング素子24〜26の低電位側を接続する第1低電位側配線28が第1バッテリ41の負極と接続される。
U相のスイッチング素子21、24の接続点はU相コイル11の一端111と接続され、V相のスイッチング素子22、25の接続点はV相コイル12の一端121と接続され、W相のスイッチング素子23、26の接続点はW相コイル13の一端131と接続される。すなわち、第1インバータ20は、コイル11、12、13と第1バッテリ41との間に接続される。
第2インバータ30において、高電位側にスイッチング素子31〜33が接続され、低電位側にスイッチング素子34〜36が接続される。また、スイッチング素子31〜33の高電位側を接続する第2高電位側配線37が第2バッテリ42の正極と接続され、スイッチング素子34〜36の低電位側を接続する第2低電位側配線38が第2バッテリ42の負極と接続される。
U相のスイッチング素子31、34の接続点はU相コイル11の他端112と接続され、V相のスイッチング素子32、35の接続点はV相コイル12の他端122と接続され、W相のスイッチング素子33、36の接続点はW相コイル13の他端132と接続される。すなわち、第2インバータ30は、コイル11、12、13と第2バッテリ42との間に接続される。
以下適宜、高電位側に接続されるスイッチング素子21〜23、31〜33を「上アーム素子」、低電位側に接続されるスイッチング素子24〜26、34〜36を「下アーム素子」という。
リチウムイオン電池等の充放電可能な直流電源である第1電圧源としての第1バッテリ41は、第1インバータ20と接続され、第1インバータ20を経由してモータジェネレータ10と電力を授受可能に設けられる。
リチウムイオン電池等の充放電可能な直流電源である第2電圧源としての第2バッテリ42は、第2インバータ30と接続され、第2インバータ30を経由してモータジェネレータ10と電力を授受可能に設けられる。
本実施形態では、第1バッテリ41の電圧を第1電圧E1、第2バッテリ42の電圧を第2電圧E2とし、第1電圧E1は、第2電圧E2より小さいものとする。すなわち、E1<E2である。
第1コンデンサ43は、第1高電位側配線27と第1低電位側配線28とに接続される。第1コンデンサ43は、第1バッテリ41から第1インバータ20側への電流、または、第1インバータ20から第1バッテリ41側への電流を平滑化する平滑コンデンサである。
第2コンデンサ44は、第2高電位側配線37と第2低電位側配線38とに接続される。第2コンデンサ44は、第2バッテリ42から第2インバータ30側への電流、または、第2インバータ30側から第2バッテリ42側への電流を平滑化する平滑コンデンサである。
制御信号生成部60は、第1ドライバ回路61、第2ドライバ回路62、および、制御部65を有する。
制御部65は、マイコンを主体として構成され、各種演算処理を行う。制御部65における各処理は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
制御部65は、第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。具体的には、トルク指令値trq*や電流指令値Iu*、Iv*、Iw*等のモータジェネレータ10の駆動に係る指令値に基づき、スイッチング素子21〜26、31〜36の素子部211〜216、311〜316のオンオフ作動を制御する制御信号を生成し、ドライバ回路61、62に出力する。
第1ドライバ回路61は、制御部65からの制御信号に応じ、素子部211〜216のオンオフ作動を制御するゲート信号を生成して出力する。第2ドライバ回路62は、制御部65からの制御信号に応じ、素子部311〜316のオンオフ作動を制御するゲート信号を生成して出力する。素子部211〜216、311〜316が制御信号に応じてオンオフされることで、バッテリ41、42の直流電力が交流に変換され、モータジェネレータ10へ供給される。これにより、モータジェネレータ10の駆動は、第1インバータ20および第2インバータ30を介して、制御部65に制御される。以下適宜、スイッチング素子21〜26、31〜36の素子部211〜216、311〜316のオンオフ作動を制御することを、単にスイッチング素子21〜26、31〜36のオンオフ作動を制御する、という。
ここで、モータジェネレータ10の駆動制御を説明する。本実施形態のベクトル制御では、デューティおよび振幅をベクトルによって決定している。また、本実施形態の回転電機駆動システム1における駆動制御には、第1バッテリ41または第2バッテリ42の電力を用いて駆動する「片側駆動制御」、および、第1バッテリ41および第2バッテリの電力を用いて駆動する「両側駆動制御」が含まれる。また、第1バッテリ41の電力を用いる片側駆動制御を、「第1片側駆動制御」、第2バッテリ42の電力を用いる片側駆動制御を「第2片側駆動制御」とする。後述する「両側中性点制御」では、第1バッテリ41および第2バッテリ42とモータジェネレータ10との間での電力の授受は行われず、電流はモータジェネレータ10とインバータ20、30との間で還流する。
第1片側駆動制御では、第2インバータ30の上アーム素子31〜33の全相、または、下アーム素子34〜36の全相の一方をオン、他方をオフし、第2インバータ30を中性点化する。上アーム素子31〜33をオンするか、下アーム素子34〜36をオンするかは、熱損失等に応じ、適宜、切り替え可能である。第1インバータ20を中性点化する場合も同様である。
また、第1片側駆動制御では、第1基本波の位相に応じてスイッチング素子21〜26をスイッチングする。
第2片側制御制御では、上アーム素子21〜23の全相、または、下アーム素子24〜26の全相の一方をオン、他方をオフし、第1インバータ20を中性点化する。
また、第2片側駆動制御では、第2基本波の位相に応じてスイッチング素子31〜36をスイッチングする。
両側駆動制御では、第1インバータ20の駆動制御に係る第1基本波の位相と、第2インバータ30の駆動制御に係る第2基本波位相とが反転される。換言すると、第1基本波と第2基本波とは、位相が略180[°]ずれている。第1基本波と第2基本波の位相を反転し、第1基本波の位相に基づいて第1インバータ20を制御し、第2基本波の位相に基づいて第2インバータ30を制御することで、第1バッテリ41と第2バッテリ42とが電気的に直列接続されている状態とみなすことができ、第1バッテリ41の電圧と第2バッテリ42の電圧との和に相当する電圧(すなわち、E1+E2)をモータジェネレータ10に印加可能である。
なお、第1基本波と第2基本波との位相差は、180[°]とするが、第1電圧E1と第2電圧E2との和に相当する電圧をモータジェネレータ10に印加可能な程度のずれは許容されるものとする。
本実施形態では、第1基本波が正のとき、上アーム素子21〜23をオン、下アーム素子24〜26をオンし、第1基本波が負のとき、上アーム素子21〜23をオフ、下アーム素子24〜26をオンする。
また、第2基本波が正のとき、上アーム素子31〜33をオン、下アーム素子34〜36をオフ、第2基本波が負のとき、上アーム素子31〜33をオフ、下アーム素子34〜36をオンする。
以下、基本波の半周期ごとにスイッチング素子のオンオフを切り替える制御を、「矩形波制御」という。すなわち、矩形波制御は、キャリア波によらず、電気角に応じてスイッチング素子のオンオフを切り替える制御と捉えることもできる。ここで、本明細書中において、いずれかの相(本実施形態ではU相)の電圧が負から正に切り替わるタイミングを電気角0°と定義する。
モータジェネレータ10の駆動領域を図2に示す。図2では、横軸を回転数、縦軸をトルクとする。本実施形態では、モータジェネレータ10の回転数およびトルクが「駆動要求」に対応する。
図2(a)に破線で示す回転数およびトルクは、第1片側上限値B11であって、第1片側駆動制御にて、第1インバータ20を矩形波制御することで出力可能である。また、一点鎖線で示す回転数およびトルクは、第2片側上限値B12であって、第2片側駆動制御にて、第2インバータ30を矩形波制御することで出力可能である。さらにまた、実線で示す回転数およびトルクは、両側上限値B13であって、両側駆動制御にて、第1インバータおよび第2インバータ30を矩形波制御することで出力可能である。
以下、第1片側駆動制御において第1インバータ20を矩形波制御することを「第1片側矩形波制御」、第2片側駆動制御において第2インバータ30を矩形波制御することを「第2片側矩形波制御」、両側駆動制御において第1インバータ20および第2インバータ30を矩形波制御することを、「両側矩形波制御」とする。
本実施形態では、駆動要求が、第1片側上限値B11であれば第1片側矩形波制御とし、第2片側上限値B12であれば第2片側矩形波制御とし、両側上限値B13であれば両側矩形波制御とする。
また、第1片側上限値B11より回転数およびトルクが小さい領域R11は、第1片側駆動制御にて、第1インバータ20をPWM制御することで出力可能であり、第1片側上限値B11と第2片側上限値B12との間の領域R12は、第2片側制御にて、第2インバータ30をPWM制御することで出力可能である。また、第2片側上限値B12と両側上限値B13との間の領域R13は、両側駆動制御にて、第1インバータ20および第2インバータ30をPWM制御することで出力可能である。
ここで、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御において、PWM制御を行うと、キャリア波に応じてスイッチングされるため、スイッチング回数が多く、スイッチング損失が大きい。また、コイル11〜13に流れる相電流Iu、Iv、Iwに、キャリア波の周波数に応じた高調波成分が含まれるため、モータジェネレータ10での鉄損が大きくなる。
そこで本実施形態では、PWM制御に替えて、第1インバータ20および第2インバータ30をともに中性点化する両側中性点制御、第1片側矩形波制御、第2片側矩形波制御、および、両側矩形波制御を組み合わせることで、各領域の回転数およびトルクを出力する。
領域R11の駆動要求は、両側中性点制御と、第1片側矩形波制御、第2片側矩形波制御または両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。
領域R12の駆動要求は、両側中性点制御または第1片側矩形波制御と、第2片側矩形波制御または両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。
領域R13は、両側中性点制御、第1片側矩形波制御または第2片側矩形波制御と、両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。
図2(b)は、第1電圧E1と第2電圧E2とが等しい場合の例である。破線で示す回転数およびトルクは、片側上限値B21であって、第1片側矩形波制御または第2片側矩形波制御にて出力可能である。また、実線で示す回転数およびトルクは、両側上限値B22であって、両側矩形波制御にて出力可能である。
また、領域R21の駆動要求は、領域R11と同様、両側中性点制御と、第1片側矩形波制御、第2片側矩形波制御または両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。領域R22の駆動要求は、領域R13と同様、両側中性点制御、第1片側矩形波制御、または、第2片側矩形波制御と、両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。
なお、本実施形態では、電気角の半周期に2つの制御が含まれるように制御するため、電気角の半周期の期間中にスイッチング素子のオンオフが切り替えられる。ここで、他方の制御期間を可及的に短くし、一方の制御のみが行われたとき、矩形波制御されている状態についても、説明の都合上、単に「矩形波制御」されているという。
以下、各制御の組み合わせについては、E1<E2の場合を中心に説明する。また、以下、モータジェネレータ10が電動機として機能する場合を説明するが、発電機として機能する場合にも、同様に制御可能である。
各制御の組み合わせの説明に先立ち、スイッチングパターンを図3および図4に基づいて説明する。図3および図4では、コンデンサ43、44等を適宜省略している。
本実施形態では、第1インバータ20および第2インバータ30のスイッチングパターンを、「Vxy」で表現する。添え字のxが第1インバータ20のスイッチングパターンを示し、yが第2インバータ30のスイッチングパターンを示す。
第1インバータ20のスイッチングパターンを図3に基づいて説明する。
図3(a)に示すように、パターンV1yでは、U相の上アーム素子21、および、V相、W相の下アーム素子25、26がオンされ、U相の下アーム素子24、および、V相、W相の上アーム素子22、23がオフされる。
図3(b)に示すように、パターンV2yでは、U相、V相の上アーム素子21、22、および、W相の下アーム素子26がオンされ、U相、V相の下アーム素子24、25、および、W相の上アーム素子23がオフされる。
図3(c)に示すように、パターンV3yでは、V相の上アーム素子22、および、U相、W相の下アーム素子24、26がオンされ、U相、W相の上アーム素子21、23、および、V相の下アーム素子25がオフされる。
図3(d)に示すように、パターンV4yでは、V相、W相の上アーム素子22、23、および、U相の下アーム素子24がオンされ、U相の上アーム素子21、および、V相、W相の下アーム素子25、26がオフされる。
図3(e)に示すように、パターンV5yでは、W相の上アーム素子23、および、U相、V相の下アーム素子24、25がオンされ、U相、V相の上アーム素子21、22、および、W相の下アーム素子26がオフされる。
図3(f)に示すように、パターンV6yでは、U相、W相の上アーム素子21、23、および、V相の下アーム素子25がオンされ、V相の上アーム素子22、および、U相、W相の下アーム素子24、26がオンされる。
パターンV1y〜V6yのとき、第1インバータ20は、有効電圧ベクトルとなっている。
図3(g)に示すように、パターンV0yでは、全相の下アーム素子24〜26がオンされ、全相の上アーム素子21〜23がオフされる。
図3(h)に示すように、パターンV7yでは、全相の上アーム素子21〜23がオンされ、全相の下アーム素子24〜26がオンされる。
パターンV0y、V7yのとき、第1インバータ20は、ゼロ電圧ベクトルであり、第1インバータ20が中性点化されている。
第2インバータ30のスイッチングパターンを図4に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、パターンVx1では、U相の上アーム素子31、および、V相、W相の下アーム素子35、36がオンされ、U相の下アーム素子34、および、V相、W相の上アーム素子32、33がオフされる。
図4(b)に示すように、パターンVx2では、U相、V相の上アーム素子31、32、および、W相の下アーム素子36がオンされ、U相、V相の下アーム素子34、35、および、W相の上アーム素子33がオフされる。
図4(c)に示すように、パターンVx3では、V相の上アーム素子32、および、U相、W相の下アーム素子34、36がオンされ、U相、W相の上アーム素子31、33、および、V相の下アーム素子35がオフされる。
図4(d)に示すように、パターンVx4では、V相、W相の上アーム素子32、33、および、U相の下アーム素子34がオンされ、U相の上アーム素子31、および、V相、W相の下アーム素子35、36がオフされる。
図4(e)に示すように、パターンVx5では、W相の上アーム素子33、および、U相、V相の下アーム素子34、35がオンされ、U相、V相の上アーム素子31、32、および、W相の下アーム素子36がオフされる。
図4(f)に示すように、パターンVx6では、U相、W相の上アーム素子31、33、および、V相の下アーム素子35がオンされ、V相の上アーム素子32、および、U相、W相の下アーム素子34、36がオンされる。
パターンVx1〜Vx6のとき、第2インバータ30は、有効電圧ベクトルとなっている。
図4(g)に示すように、パターンVx0では、全相の下アーム素子34〜36がオンされ、全相の上アーム素子31〜33がオフされる。
図4(h)に示すように、パターンVx7では、全相の上アーム素子31〜33がオンされ、全相の下アーム素子34〜36がオンされる。
パターンVx0、Vx7のとき、第2インバータ30は、ゼロ電圧ベクトルであり、第2インバータ30が中性点化されている。
両側中性点制御のときのスイッチングパターンは、V00、V07、V70、V77のいずれかとなる。両側中性点制御のとき、コイル11〜13には電圧が印加されない。また、両側中性点制御のとき、第1バッテリ41および第2バッテリ42から電力が持ち出されない。
第1片側矩形波制御のときのスイッチングパターンは、Vx0またはVx7であって、xは、1〜6のいずれかである。第1片側矩形波制御のとき、第1バッテリ41から電力が持ち出され、第2バッテリ42から電力が持ち出されない。
第2片側矩形波制御のときのスイッチングパターンは、V0yまたはV7yであって、yは、1〜6のいずれかである。第2片側矩形波制御のとき、第2バッテリ42から電力が持ち出され、第1バッテリ41から電力が持ち出される。
両側矩形波制御のときのスイッチングパターンは、V14、V25、V36、V41、V52、V63のいずれかである。両側矩形波制御のとき、第1バッテリ41および第2バッテリ42から電力が持ち出される。
すなわち、本実施形態のスイッチングパターンは、計34パターンである。
両側矩形波制御では、各相にて、第1インバータ20の上アーム素子21〜23または下アーム素子24〜25の一方がオンされ、第2インバータ30の上アーム素子31〜33または下アーム素子34〜36の他方がオンされる。具体的には、両側矩形波制御において、U相では、上アーム素子21および下アーム素子34、または、下アーム素子24および下アーム素子31がオンされる。また、V相では、上アーム素子22および下アーム素子35、または、下アーム素子25および上アーム素子22がオンされる。また、W相では、上アーム素子23および下アーム素子36、または、下アーム素子26および上アーム素子33がオンされる。
以下、各領域の駆動制御について、説明する。以下、各領域にて、モータジェネレータ10を一定駆動しているものとして説明する。
領域R11の制御を図5〜図7に基づいて説明する。図5等では、電気角半周期を「h」と記載する。
本実施形態では、領域R11の駆動要求は、両側中性点制御、および、第1片側矩形波制御を組み合わせることで出力する。
図5には、U相電圧Vuを示す。U相電圧Vuは、他端112側を基準とした一端111側の電位である。V相電圧VvおよびW相電圧Vwも同様、他端122、132側を基準とした一端121、131側の電位である。
図5(a)に示すように、両側中性点制御を行うと、U相電圧Vuはゼロとなる。
図5(b)に示すように、第1片側矩形波制御を行うと、U相電圧Vuは、第1電圧E1および第1インバータ20のスイッチングパターンに応じた電圧となる。
また、図5(c)に示すように、両側中性点制御と第1片側矩形波制御とを組み合わせることで、電気角1周期でみて、両側中性点制御と継続した場合の電圧(すなわち0)と第1片側矩形波制御を継続した場合の電圧との中間的な電圧をU相コイル11に印加することができる。両側中性点制御を行う期間と、第1片側矩形波制御を行う期間との割合は、駆動要求に応じて設定される。具体的には、駆動要求が第1片側上限値B11に近い程、第1片側矩形波制御の期間が長くなるように設定される。
領域R11における相電圧Vu、Vv、Vwを図6に示す。図6において、(a)がU相電圧Vu、(b)がV相電圧Vv、(c)がW相電圧Vwである。図7、図9、図10、図12、図13も同様である。また、図6(a)は、図5(c)と略同様である。
図6に示すように、U相電圧Vu、V相電圧Vv、および、W相電圧Vwは、位相が120[°]ずつずれた3相平衡の波形となっている。
図7は、モータジェネレータ10を一定駆動した場合の電気角1周期分の相電圧Vu、Vv、Vwを示している。期間P1、P3、P5、P7、P9、P11、P13は、両側中性点制御される期間である。期間P1、P3、P5、P7、P9、P11、P13のスイッチングパターンは、パターンV00、V07、V70、V77のいずれかであり、相電圧Vu、Vv、Vwは、いずれもゼロである。
期間P2、P4、P6、P8、P10、P12は、第1片側矩形波制御される期間である。すなわち、本実施形態では、電気角半周期の間に、両側中性点制御される期間、および、第1片側矩形波制御される期間の一方から他方への切り替えが、6回行われる。
期間P2、P4、P6、P8、P10、P12の長さは、駆動要求に応じて決定される第1片側矩形波制御を行う期間の1/6に相当する。
期間P2は、電気角30°を中心とする期間であって、期間P2のスイッチングパターンは、パターンV60またはV67である。また、期間P2のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが(1/3)E1であり、V相電圧Vvが−(2/3)E1である。
期間P4は、電気角90°を中心とする期間であって、期間P4のスイッチングパターンは、パターンV10またはV17である。また、期間P4のU相電圧Vuが(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1である。
期間P6は、電気角150°を中心とする期間であって、期間P6のスイッチングパターンは、パターンV20またはV27である。また、期間P6のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E1、W相電圧Vwが−(2/3)E1である。
期間P8は、電気角210°を中心とする期間であって、期間P8のスイッチングパターンは、パターンV30またはV37である。また、期間P8のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1、V相電圧Vvが(2/3)E1である。
期間P10は、電気角270°を中心とする期間であって、期間P10のスイッチングパターンは、パターンV40またはV47である。また、期間P10のU相電圧Vuが−(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E1である。
期間P12は、電気角330°を中心とする期間であって、期間P12のスイッチングパターンは、パターンV50またはV57である。また、期間P12のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E1、W相電圧Vwが(2/3)E1である。
ここで、下アーム素子24〜26、34〜36をオンすることで第1インバータ20または第2インバータ30を中性点化するものとする。素子毎に見ると、第1インバータ20のU相では、期間P2、P4、P6にて、上アーム素子21がオンであり、下アーム素子24がオフであり、期間P1、P3、P5、P7〜P13では、上アーム素子21がオフであり、下アーム素子24がオンである。すなわち、第1インバータ20のU相では、電気角1周期にて、スイッチング素子21、24のオンオフが切り替わるのは、6回である。オンオフ切替回数は、V相、W相も同様である。
第2インバータ30のU相では、上アーム素子21がオフ、下アーム素子24がオンの状態が電気角1周期に亘って継続され、オンオフの切り替えは生じない。すなわち、オンオフ切替回数は0回である。
本実施形態では、電気角1周期において、第1片側矩形波制御の全ての有効電圧ベクトルに対応するスイッチングパターンが均等に含まれている。また、各有効電圧ベクトルに対応する期間P2、P4、P6、P8、P10、P12の間には、両側中性点制御を行う期間が設けられる。これにより、相電圧Vu、Vv、Vwの偏りを防ぐことができ、コイル11〜13に3相平衡の電流を流すことができる。
なお、第1片側矩形波制御に替えて、第2片側矩形波制御とする場合のスイッチングパターンは、期間P2がパターンV03またはパターンV73、期間P4がパターンV04またはV74、期間P6がパターンV05またはV75、期間P8がパターンV06またはV76、期間P10がパターンV01またはV71、期間P12がパターンV02またはV72となる。また、印加される電圧は、第2電圧E2に応じた電圧であって、例えば上記「(1/3)E1」のE1をE2に置き換え、「(1/3)E2」となる、といった具合である。また、第1矩形波制御に替えて第2矩形波制御とする場合のオンオフ切替回数は、第1インバータ20では0回であり、第2インバータ30では6回である。
領域R12の制御を図8〜図10に基づいて説明する。
本実施形態では、領域R12の駆動要求は、第1片側矩形波制御、および、第2片側矩形波制御を組み合わせることで出力する。
図8には、U相電圧Vuを示す。図8(a)は、図5(b)と同様であり、U相電圧Vuは、第1電圧E1および第1インバータ20のスイッチングパターンに応じた電圧となる。
図8(b)に示すように、第2片側矩形波制御を行うと、U相電圧Vuは、第2電圧E2および第2インバータ30のスイッチングパターンに応じた電圧となる。
また、図8(c)に示すように、第1片側矩形波制御と第2片側矩形波制御とを組み合わせることで、電気角1周期でみて、第1片側矩形波制御を継続した場合の電圧と第2片側矩形波制御を継続した場合の電圧との中間的な電圧をU相コイル11に印加することができる。第1片側矩形波制御を行う期間と、第2片側矩形波制御を行う期間との割合は、駆動要求に応じて設定される。具体的には、駆動要求が第2片側上限値B12に近い程、第2片側矩形波制御の期間が長くなるように設定される。
領域R12における相電圧Vu、Vv、Vwを図9に示す。図9(a)は、図8(c)と同様である。
図9に示すように、U相電圧Vu、V相電圧Vv、および、W相電圧Vwは、位相が120[°]ずつずれた3相平衡の波形となっている。
図10は、モータジェネレータ10を一定駆動した場合の電気角1周期分の相電圧Vu、Vv、Vwを示している。期間P21、P23、P24、P26、P27、P29、P30、P32、P33、P35、P36、P38は、第1片側矩形波制御される期間であり、P22、P25、P28、P31、P34、P37は、第2片側矩形波制御される期間である。
期間P21、P23のスイッチングパターンは、パターンV60またはV67であって、U相電圧VuおよびW相電圧Vwが(1/3)E1、V相電圧Vvが−(2/3)E1である。
期間P24、P26のスイッチングパターンは、パターンV10またはV17であって、U相電圧Vuが(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1である。
期間P27、P29のスイッチングパターンは、パターンV20またはV27であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E1、W相電圧Vwが−(2/3)E1である。
期間P30、P32のスイッチングパターンは、パターンV30またはV37であって、U相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1、V相電圧Vvが(2/3)E1である。
期間P33、P35のスイッチングパターンは、パターンV40またはV47であって、U相電圧Vuが−(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E1である。
期間P36、P38のスイッチングパターンは、パターンV50またはV57であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E1、W相電圧Vwが(2/3)E1である。
期間P22、P25、P28、P31、P34、P37の長さは、駆動要求に応じて決定される第2片側矩形波制御を行う期間の1/6に相当する。
期間P22は、電気角30°を中心とする期間であって、期間P22のスイッチングパターンは、パターンV06またはV76である。また、期間P22のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが(1/3)E2、V相電圧Vvが−(2/3)E2である。
期間P25は、電気角90°を中心とする期間であって、期間P25のスイッチングパターンは、パターンV01またはV71である。また、期間P25のU相電圧Vuが(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2である。
期間P28は、電気角150°を中心とする期間であって、期間P28のスイッチングパターンは、パターンV02またはV72である。また、期間P28のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E2、W相電圧Vwが−(2/3)E2である。
期間P31は、電気角210°を中心とする期間であって、期間P31のスイッチングパターンは、パターンV03またはV73である。また、期間P31のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2、V相電圧Vvが(2/3)E2である。
期間P34は、電気角270°を中心とする期間であって、期間P34のスイッチングパターンは、パターンV04またはV74である。また、期間P34のU相電圧Vuが−(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E2である。
期間P37は、電気角330°を中心とする期間であって、期間P37のスイッチングパターンは、パターンV05またはV75である。また、期間P37のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E2、W相電圧Vwが(2/3)E2である。
ここで、下アーム素子24〜26、34〜36をオンすることで第1インバータ20または第2インバータ30を中性点化するものとする。素子毎に見ると、第1インバータ20のU相では、期間P21、P23〜P24、P26〜P27、P29にて、上アーム素子21がオン、下アーム素子24がオフであり、期間P22、P25、P28、P30〜P38にて、上アーム素子31がオフ、下アーム素子24がオンである。すなわち、第1インバータ20のU相では、電気角1周期にて、スイッチング素子21、24のオンオフが切り替わる回数は、8回である。V相、W相も同様である。
第2インバータ30のU相では、期間P22、P25、P28にて、上アーム素子31がオン、下アーム素子34がオフ、期間P21、P23〜P24、P26〜P27、P29〜P38にて、上アーム素子31がオフ、下アーム素子34がオンである。すなわち、第2インバータ30のU相では、スイッチング素子31、34のオンオフが切り替わる回数は6回である。V相、W相も同様である。
第2片側矩形波制御される期間P22、P25、P28、P31、P34、P37の間には、第1片側矩形波制御される期間P23、P24、P26、P27、P29、P30、P32、P33、P35、P36が設けられる。本実施形態では、期間P23、P24を、連続する1回の第1片側矩形波制御期間と捉える。期間P26、P27、期間P29、P30、期間P32、P33、期間P35、P36についても同様である。また、期間P21は、直前の電気角周期における期間P38に相当する期間と連続しており、この期間を連続する1回の第1片側矩形波制御期間と捉える。また、期間P38は、直後の電気角周期における期間P21に相当する期間と連続しており、この期間を連続する1回の第1片側矩形波制御期間と捉える。
1回の第1片側矩形波制御される期間の中間タイミングは、電気角60°、120°、180°、240°、300°、360°(=0°)であり、第1片側矩形波制御期間の中間タイミングにて、スイッチングパターンが切り替わる。一方、連続する1回の第2片側矩形波制御期間中には、スイッチングパターンは切り替わらない。
本実施形態では、電気角1周期において、第1片側矩形波制御の全ての有効電圧ベクトルに対応するスイッチングパターンが均等に含まれる。同様に、電気角1周期において、第2片側矩形波制御の全ての有効電圧ベクトルに対応するスイッチングパターンが均等に含まれる。これにより、相電圧Vu、Vv、Vwの偏りを防ぐことができ、コイル11〜13に3相平衡の電流を流すことができる。
領域R13の制御を図11〜図13に基づいて説明する。
本実施形態では、領域R13の駆動要求は、第2片側矩形波制御、および、両側矩形波制御を組み合わせることで出力する。
図11には、U相電圧Vuを示す。図11(a)は、図8(b)と同様であり、U相電圧Vuは、第2インバータ30のスイッチングパターンに応じた電圧となる。
図11(b)に示すように、両側矩形波制御を行うと、第1電圧E1および第2電圧E2の和に相当する和電圧E12、および、スイッチングパターンに応じた電圧となる。
また、図11(c)に示すように、第2片側矩形波制御と両側矩形波制御とを組み合わせることで、電気角1周期でみて、第2片側矩形波制御を継続した場合と両側矩形波制御を継続した場合との中間的な電圧をU相コイル11に印加することができる。第2片側矩形波制御を行う期間と、第2片側矩形波制御を行う期間との割合は、駆動要求に応じて設定される。具体的には、駆動要求が両側上限値B13に近い程、両側矩形波制御の期間が長くなるように設定される。
領域R13における相電圧Vu、Vv、Vwを図12に示す。図12(a)は、図11(c)と同様である。
図12に示すように、U相電圧Vu、V相電圧Vv、および、W相電圧Vwは、位相が120[°]ずつずれた3相平衡の波形となっている。
図13は、モータジェネレータ10を一定駆動した場合の電気角1周期分の相電圧Vu、Vv、Vwを示している。期間P41、P43、P44、P46、P47、P49、P50、P52、P53、P55、P56、P58は、第2片側矩形波制御される期間であり、P42、P45、P48、P51、P54、P57は、両側矩形波制御される期間である。
期間P41、P43のスイッチングパターンは、パターンV03またはV73であって、U相電圧VuおよびW相電圧Vwが(1/3)E2、V相電圧Vvが−(2/3)E2である。
期間P44、P46のスイッチングパターンは、パターンV04またはV74であって、U相電圧Vuが(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2である。
期間P47、P49のスイッチングパターンは、パターンV05またはV75であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E2、W相電圧Vwが−(2/3)E2である。
期間P50、P52のスイッチングパターンは、パターンV06またはV76であって、U相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2、V相電圧Vvが(2/3)E2である。
期間P53、P55のスイッチングパターンは、パターンV01またはV71であって、U相電圧Vuが−(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E2である。
期間P56、P58のスイッチングパターンは、パターンV02またはV72であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E2、W相電圧Vwが(2/3)E2である。
なお、第2片側矩形波制御に替えて、第1片側矩形波制御とする場合のスイッチングパターンは、期間P41、P43がパターンV60またはV67、期間P44、P46がパターンV10またはV17、期間P47、P49がパターンV20またはV27、期間P50、P52がパターンV30またはV37、期間P53、P55がパターンV40またはV47、期間P56、P58がパターンV50またはV57である。また、印加される電圧は、第1電圧E1に応じた電圧であって、例えば上記「(1/3)E2」のE2をE1に置き換え、「(1/3)E1」となる、といった具合である。
期間P42、P45、P48、P51、P54、P57の長さは、駆動要求に応じて決定される両側矩形波制御を行う期間の1/6に相当する。
期間P42は、電気角30°を中心とする期間であって、期間P42のスイッチングパターンは、パターンV63である。また、期間P42のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが(1/3)E12、V相電圧Vvが−(2/3)E12である。
期間P45は、電気角90°を中心とする期間であって、期間P45のスイッチングパターンは、パターンV14である。また、期間P45のU相電圧が(2/3)E12、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E12である。
期間P48は、電気角150°を中心とする期間であって、期間P48のスイッチングパターンは、パターンV25である。また、期間P48のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E12、W相電圧Vwが−(2/3)E12である。
期間P51は、電気角210°を中心とする期間であって、期間P51のスイッチングパターンは、パターンV36である。また、期間P51のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E12、V相電圧Vvが(2/3)E12である。
期間P54は、電気角270°を中心とする期間であって、期間P54のスイッチングパターンは、パターンV41である。また、期間P54のU相電圧が−(2/3)E12、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E12である。
期間P57は、電気角330°を中心とする期間であって、期間P57のスイッチングパターンは、パターンV52である。また、期間P54のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E12、W相電圧Vwが(2/3)E12である。
ここで、第2片側矩形波制御にて、下アーム素子24〜26をオンすることで第1インバータ20を中性点化するものとする。素子毎に見ると、第1インバータ20のU相では、期間P42、P45、P48にて、上アーム素子21がオンであり、下アーム素子24がオフであり、期間P41、P43〜P44、P46〜P47、P49〜P58にて、上アーム素子21がオフであり、下アーム素子24がオンである。すなわち、第1インバータ20のU相では、電気角1周期にて、スイッチング素子21、24のオンオフが切り替わる回数は、6回である。V相、W相も同様である。
第2インバータのU相では、期間P50〜P58にて、上アーム素子31がオンであり、下アーム素子34がオフであり、期間P41〜P49にて、上アーム素子31がオフであり、下アーム素子34がオンである。すなわち、第2インバータ30のU相では、電気角1周期にて、スイッチング素子31、34のオンオフが切り替わる回数は、2回である。V相、W相も同様である。
なお、第1片側矩形波制御と両側矩形波制御とを組み合わせた場合、第1スイッチング素子21〜26のオンオフが切り替わる回数は2回であり、第2スイッチング素子31〜36のオンオフが切り替わる回数は6回である。
両側矩形波制御される期間P42、P45、P48、P51、P54、P57の間には、第2片側矩形波制御される期間P43、P44、P46、P47、P49、P50、P52、P53、P55、P56が設けられる。本実施形態では、期間P43、P44を、連続する1回の第2片側矩形波制御期間と捉える。期間P46、P47、期間P49、P50、期間P52、P53、期間P55、P56についても同様である。また、期間P41は、直前の電気角周期における期間P58に相当する期間と連続しており、この期間を連続する1回の第2片側矩形波制御期間と捉える。また、期間P58は、直後の電気角周期における期間P41に相当する期間と連続しており、この期間を連続する1回の第2片側矩形波制御期間と捉える。
1回の第2片側矩形波制御される期間の中間タイミングは、電気角60°、180°、240°、300°、360°(=0°)であり、第2片側矩形波制御期間の中間タイミングにて、スイッチングパターンが切り替わる。一方、連続する1回の両側矩形波制御期間中には、スイッチングパターンは切り替わらない。
本実施形態では、電気角1周期において、第2片側矩形波制御の全ての有効電圧ベクトルに対応するスイッチングパターンが均等に含まれる。同様に、電気角1周期において、両側矩形波制御の全てのスイッチングパターンが均等に含まれる。これにより、相電圧Vu、Vv、Vwの偏りを防ぐことができ、コイル11〜13に3相平衡の電流を流すことができる。
図14は、電気角1周期分における制御の切り替えを説明するものであって、(a)がU相電圧Vu、(b)が電気角、(c)が第2片側矩形波制御、(d)が両側矩形波制御、(e)が相電流を示す。なお、図14(a)は、図13(a)と同様である。また、(c)、(d)において、該当する制御が行われている状態を「1」、該当する制御が行われていない状態を「0」とする。また、図14(e)では、U相電流Iuを実線、V相電流Ivを一点鎖線、W相電流Iwを二点鎖線で示す。図18も同様である。
図14に示すように、本実施形態では、電気角半周期において、第2片側矩形波制御または両側矩形波制御の一方から他方への切り替えを、6回行っている。これにより、図14(e)に示すように、電気角1周期において、コイル11〜13に3相平衡の電流を流すことができる。また、電気角半周期にて6回の切り替えを行うことで、電気角1周期において、正負に同様の電流を流すことができる。図14は領域R13の例で説明したが、領域R11、R12についても同様である。
図15および図16は、領域R13の出力にて、一定駆動した場合のシミュレーション結果である。図15は、第2片側矩形波制御と両側矩形波制御とを、電気角半周期に6回切り替える切替制御を行った場合の例である。図16は、参考例であって、第1基本波および第2基本波に応じ、第1インバータ20および第2インバータ30をともにPWM制御した場合の例である。また図15および図16では、(a)がU相電圧Vu、(b)がU相電流Iuを示す。ここでは、U相を例に説明するが、V相、W相についても同様である。
図16に示すように、参考例では、PWM制御により、キャリア周波数ごとにスイッチングを行っているため、U相電流Iuの低次高調波成分が抑えられている反面、キャリア周波数に応じた高次の高調波成分が含まれている。一方、図15に示すように、本実施形態では、2つの矩形波制御を組み合わせることで、スイッチング回数を低減しており、U相電流Iuの低次高調波成分が含まれるものの、高次の高調波成分が低減されている。
図17には、図15に示す切替制御を行った場合と、図16に示すPWM制御を行った場合との損失を比較する図である。図17では、インバータ20、30での損失を「Loss_INV」、モータジェネレータ10での損失を「Loss_MG」と記載する。
図17に示すように、スイッチング損失以外のインバータ損失、および、銅損は、切替制御を行った場合とPWM制御を行った場合とで、略同等である。
一方、本実施形態の切替制御では、PWM制御を行う参考例と比較し、スイッチング回数が少なくなるので、インバータ20、30におけるスイッチング損失を低減することができる。また、相電流Iu、Iv、Iwの高調波成分を低減可能であるので、モータジェネレータ10の鉄損を抑えることができる。これにより、回転電機システム1全体としての損失を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の電力変換装置15は、コイル11〜13を有するモータジェネレータ10の電力を変換するものであって、第1インバータ20と、第2インバータ30と、制御部65と、を備える。
第1インバータ20は、第1スイッチング素子21〜26を有し、コイル11、12、13の一端111、121、131の一端および第1バッテリ41と接続される。
第2インバータ30は、第2スイッチング素子31〜36を有し、コイル11、12、13の他端112、122、132の一端および第2バッテリ42と接続される。
制御部65は、第1スイッチング素子21〜26および第2スイッチング素子31〜36のオンオフ作動を切り替える。
ここで、第1バッテリ41および第2バッテリ42の入出力が共に0となる制御を両側中性点制御、第1バッテリ41の入出力にてモータジェネレータ10を駆動する制御を第1片側駆動制御、第2バッテリ42の入出力にてモータジェネレータ10を駆動する制御を第2片側駆動制御とする。また、第1バッテリ41および第2バッテリ42が共に入力または出力してモータジェネレータ10を駆動する制御を両側駆動制御とする。
制御部65は、両側中性点制御、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御のうち、少なくとも2つが、モータジェネレータ10の電気角半周期に含まれるように制御を切り替える。
例えば、PWM制御では、スイッチング回数はキャリア波の周波数に応じた所定回数であって、デューティを変更することで、モータジェネレータ10の回転数およびトルクを制御する。一方、本実施形態では、2つ以上の制御を組み合わせることで、モータジェネレータ10の回転数およびトルクを制御する。ここで、例えば矩形波制御のように、スイッチング回数の少ない制御にて、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御を行うことで、PWM制御の場合と比較し、スイッチング回数を低減することができる。また、コイル11〜13に流れる電流の高調波成分が抑えられるので、モータジェネレータ10の鉄損を低減することができる。これにより、回転電機駆動システム1全体としての損失を低減可能である。
制御部は、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御において、第1スイッチング素子21〜26および第2スイッチング素子31〜36のオンオフを、電気角に応じて切り替える。
PWM制御に変えて、キャリア波を用いず、電気角に応じてスイッチング素子21〜26、31〜36のオンオフを切り替えることで、PWM制御を行う場合と比較し、スイッチング回数を低減することができる。
両側駆動制御にて出力可能な上限値を両側上限値とする。第1片側駆動制御または第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を片側上限値とする。
制御部65は、モータジェネレータ10の駆動要求が、両側上限値と片側上限値との間である場合、両側駆動制御が行われる両側駆動期間と、第1片側駆動制御または第2片側駆動制御が行われる片側駆動期間との割合を、駆動要求に応じて設定する。
これにより、駆動要求に応じて、モータジェネレータ10を適切に制御することができる。
本実施形態では、第1バッテリ41の電圧である第1電圧E1と、第2バッテリ42の電圧である第2電圧E2とが異なっている。
第1片側駆動制御にて出力可能な上限値を第1片側上限値とする。第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を第2片側上限値とする。
制御部65は、モータジェネレータ10の駆動要求が第1片側上限値と第2片側上限値との間である場合、第1片側駆動制御が行われる第1片側駆動期間と、第2片側駆動制御が行われる第2片側駆動期間との割合を、駆動要求に応じて設定する。
これにより、駆動要求に応じて、モータジェネレータ10を適切に制御することができる。
第1片側駆動制御または第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を片側上限値とする。
制御部65は、モータジェネレータ10の駆動要求が片側上限値未満である場合、第1片側駆動制御または第2片側駆動制御が行われる片側制御期間と、両側中性点制御が行われる両側中性点期間との割合を、駆動要求に応じて設定する。
これにより、駆動要求に応じて、モータジェネレータ10を適切に制御することができる。
制御部65は、電気角半周期において、両側中性点制御、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、または、両側駆動制御のうちの2つの制御を切り替える。2つの制御を切り替えることで、3つ以上の制御を切り替える場合と比較し、制御を簡素化することができる。
コイル11〜13は、3相巻線である。電気角半周期における制御の切り替え回数は、6の倍数(本実施形態では6回)である。これにより、3相平衡であって、正側と負側の波形が同様の電流を、コイル11〜13に通電可能である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図18に示す。
上記実施形態では、電気角半周期にて、6回制御を切り替える。本実施形態では、電気角半周期おける制御の切り替え回数を3回とする。
図18は、第2片側矩形波制御、および、両側矩形波制御を組み合わせる領域R13の制御を説明するものであって、上記実施形態の図14と対応する図である。上記実施形態と同様、第2片側矩形波制御に替えて、第1片側矩形波制御としてもよい。
本実施形態では、期間P41、P42、P45〜P48、P51〜P54、P57、58において、第2片側矩形波制御を行い、期間P43、P44、P49、P50、P55、P56において、両側矩形波制御を行う。
詳細には、期間P41、P42のスイッチングパターンはパターンV03またはV73であり、期間P43のスイッチングパターンはパターンV63である。
期間P44のスイッチングパターンはパターンV14であり、期間P45、P46のスイッチングパターンはパターンV04またはV74である。
期間P47、P48のスイッチングパターンはV05またはV75であり、期間P49のスイッチングパターンはパターンV25である。
期間P50のスイッチングパターンはパターンV36であり、期間P51、P52のスイッチングパターンはパターンV06またはV76である。
期間P53、P54のスイッチングパターンはパターンV01またはV71であり、期間P55のスイッチングパターンはパターンV41である。
期間P56のスイッチングパターンはパターンV52であり、期間P57、P58のスイッチングパターンはパターンV02またはV72である。
すなわち本実施形態では、期間P41と期間P42との間、期間P45と期間P46との間、期間P47と期間P48との間、期間P51と期間P52の間、期間P53と期間P54との間、および、期間P57と期間P58との間は、同一のスイッチング状態が継続され、各素子のオンオフの切り替えが行われない。
また、上記実施形態の期間P42と期間P43、期間P44と期間P45、期間P48と期間P49、期間P50と期間P51、期間P54と期間P55、期間P56と期間P57のスイッチングパターンを入れ替えていると捉えることもできる。
本実施形態では、期間P43、P44、期間P49、P50、期間P55、P56を、連続する1回の両側矩形波制御期間と捉える。また、連続する1回の両側矩形波制御期間の中間タイミングである電気角60°、180°、300°にて、スイッチングパターンが切り替わる。
また、期間P45〜P48、期間P51〜P54を、連続する1回の第2片側矩形波制御期間と捉える。また、期間P41、P42は、直前の電気角周期における期間P57、P58に相当する期間と連続しており、この期間を連続する1回の第2片側矩形波制御期間と捉える。また、期間P57、P58は、直後の電気角周期における期間P41、P42に相当する期間と連続しており、この期間を連続する1回の第2片側矩形波制御期間と捉える。また、連続する1回の第2片側矩形波制御期間の中心タイミングである電気角0°、120°、240°にて、スイッチングパターンが切り替わる。
本実施形態では、電気角半周期において、第2片側矩形波制御または両側矩形波制御の一方から他方への切り替えを、3回行っている。これにより、図18(e)に示すように、電気角1周期において、正側と負側とで波形が異なるものの、コイル11〜13に3相平衡の電流を流すことができる。また、スイッチング回数をより低減可能であるので、損失をより低減することができる。
図18では、第2片側矩形波制御と両側矩形波制御とを切り替える例について説明したが、第1片側矩形波制御と第2片側矩形波制御とを切り替える場合についても同様である。詳細には、上記実施形態の期間P22と期間P23、期間P45と期間P25、期間P28と期間P29、期間P30と期間P31、期間P34と期間P35、期間P36と期間P37のスイッチングパターンを入れ替えることで、制御の切り替え回数が3回となる。これにより、スイッチング回数を低減可能であり、損失を低減することができる。
本実施形態では、電気角半周期における制御の切り替え回数は、3の倍数(本実施形態では3回)である。これにより、コイル11〜13に3相平衡の電流を通電可能である。また、スイッチング回数をより低減することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
(ア)制御部
第1実施形態では、電気角半周期に6回、制御を切り替える。他の実施形態では、電気角半周期に6の倍数回、制御を切り替えてもよい。これにより、3相平衡であって、正側と負側の波形が等しい電流を回転電機に通電することができる。
第2実施形態では、電気角半周期に3回、制御を切り替える。他の実施形態では、電気角半周期に3の倍数回、制御を切り替えてもよい。これにより、3相平衡電流を回転電機に通電することができる。
また、電気角半周期における制御の切り替え回数は、6の倍数または3の倍数に限らず、何回であってもよい。また、制御の切り替え回数を、巻線の相数倍とすることで、各相に平衡電流を流すことができる。
上記実施形態では、駆動要求が領域R11の場合、両側中性点制御と第1片側駆動制御とを切り替える。他の実施形態では、駆動要求が領域R11の場合、第1片側駆動制御に替えて、第2片側駆動制御または両側駆動制御としてもよい。
上記実施形態では、駆動要求が領域R12の場合、第1片側駆動制御と第2片側駆動制御とを切り替える。他の実施形態では、駆動要求が領域R12の場合、両側中性点制御と、第2片側駆動制御または両側駆動制御と、を切り替えてもよい。また、駆動要求他領域R12の場合、第1片側駆動制御と両側中性点制御とを切り替えてもよい。
上記実施形態では、駆動要求が領域R13の場合、第2片側駆動制御と両側駆動制御とを切り替える。他の実施形態では、駆動要求が領域R13の場合、第2片側駆動制御に替えて、両側中性点制御または第1片側駆動制御としてもよい。
上記実施形態では、電気角半周期において、両側中性点制御、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、または、両側駆動制御のうちの2つの制御を切り替える。他の実施形態では、電気角半周期において、3つ以上の制御を切り替えるようにしてもよい。
上記実施形態では、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御において、駆動するインバータのスイッチング素子のオンオフを電気角に応じて切り替える。他の実施形態では、駆動するインバータの制御は、どのようであってもよいが、例えば、過変調PWM制御等、正弦波PWM制御よりSW回数が少ない制御とすることが望ましい。
他の実施形態では、第1電圧源および第2電圧源の電圧を検出する電圧検出部を設け、制御部は、電圧検出部からの検出値に基づき、第1片側上限値、第2片側上限値、および、両側上限値の少なくとも1つを可変としてもよい。
(イ)第1電圧源、第2電圧源
上記実施形態では、第1電圧源および第2電圧源として、リチウムイオン電池等を例示した。他の実施形態では、第1電圧源および第2電圧源は、リチウムイオン電池以外の鉛蓄電池、燃料電池等であってもよい。また、第1電圧源と第2電圧源とで、同一の種類、特性のものを用いてもよいし、異なる種類、特性のものを用いてもよい。また、第1電圧源または第2電圧源の一方を電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタとしてもよい。また、第1電圧源または第2電圧源の一方を、エンジン等の駆動源により駆動されて発電する発電機等としてもよい。
(ウ)回転電機
上記実施形態では、回転電機はモータジェネレータである。他の実施形態では、回転電機は、発電機の機能を持たない電動機であってもよいし、電動機の機能を持たない発電機であってもよい。また、上記実施形態の回転電機は3相である。他の実施形態では、回転電機は、4相以上としてもよい。
また、上記実施形態では、回転電機が電動車両の主機モータである。他の実施形態では、回転電機は、主機モータに限らず、例えばスタータ機能とオルタネータ機能とを併せ持つ、所謂ISG(Integrated Starter Generator)や、補機モータであってもよい。また、電力変換装置を車両以外の装置に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・回転電機駆動システム
10・・・モータジェネレータ(回転電機)
11〜13・・・コイル(巻線)
15・・・電力変換装置
20・・・第1インバータ 21〜26・・・第1スイッチング素子
30・・・第2インバータ 31〜36・・・第2スイッチング素子
41・・・第1バッテリ(第1電圧源)
42・・・第2バッテリ(第2電圧源)
65・・・制御部

Claims (8)

  1. 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置であって、
    第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、112、113)および第1電圧源(41)と接続される第1インバータ(20)と、
    第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)および第2電圧源(42)と接続される第2インバータ(30)と、
    前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御する制御部(65)と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1電圧源および前記第2電圧源の入出力が共に0となる両側中性点制御、
    前記第1電圧源の入出力にて前記回転電機を駆動する第1片側駆動制御、
    前記第2電圧源の入出力にて前記回転電機を駆動する第2片側駆動制御、
    および、
    前記第1電圧源および前記第2電圧源が共に入力または出力して前記回転電機を駆動する両側駆動制御のうち、
    少なくとも2つが、前記回転電機の電気角の半周期に含まれるように制御を切り替える電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記第1片側駆動制御、前記第2片側駆動制御、および、前記両側駆動制御において、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のオンオフを、前記回転電機の電気角に応じて切り替える請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記両側駆動制御にて出力可能な上限値を両側上限値、前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を片側上限値とすると、
    前記制御部は、前記回転電機の駆動要求が前記両側上限値と前記片側上限値との間である場合、前記両側駆動制御が行われる両側駆動期間と、前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御が行われる片側駆動期間との割合を、前記駆動要求に応じて設定する請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第1電圧源の電圧と前記第2電圧源の電圧とが異なっており、
    前記第1片側駆動制御にて出力可能な上限値を第1片側上限値、前記第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を第2片側上限値とすると、
    前記制御部は、前記回転電機の駆動要求が前記第1片側上限値と前記第2片側上限値との間である場合、前記第1片側駆動制御が行われる第1片側駆動期間と前記第2片側駆動制御が行われる第2片側駆動期間との割合を、前記駆動要求に応じて設定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を片側上限値とすると、
    前記制御部は、前記回転電機の駆動要求が前記片側上限値未満である場合、前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御が行われる片側駆動期間と前記両側中性点制御が行われる両側中性点期間との割合を、前記駆動要求に応じて設定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、電気角半周期において、前記両側中性点制御、前記第1片側駆動制御、前記第2片側駆動制御、または、前記両側駆動制御のうちの2つの制御を切り替える請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  7. 前記巻線は、3相巻線であって、
    電気角半周期における制御の切り替え回数は、6の倍数である請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 前記巻線は、3相巻線であって、
    電気角半周期における制御の切り替え回数は、3の倍数である請求項6に記載の電力変換装置。
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