JP6662669B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、損失を低減可能な電力変換装置を提供することにある。
第1インバータは、第1スイッチング素子(21〜26)を有し、巻線の一端(111、112、113)および第1電圧源(41)と接続される。
第2インバータは、第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)および第2電圧源(42)と接続される。
制御部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御する。
制御部は、両側中性点制御、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御のうち、少なくとも2つが、回転電機の電気角の半周期に含まれるように制御を切り替える。
本発明では、2つ以上の制御を組み合わせることで、回転電機の回転数およびトルクを制御する。これにより、例えば矩形波制御等、スイッチング回数の少ない制御にて、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御を行うこと、スイッチング回数を低減することができる。これにより、回転電機駆動システム全体としての損失を低減可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電力変換装置を図1〜図17に示す。
図1に示すように、回転電機駆動システム1は、回転電機としてのモータジェネレータ10、および、電力変換装置15を備える。
本実施形態では、U相コイル11に流れる電流をU相電流Iu、V相コイル12に流れる電流をV相電流Iv、W相コイル13に流れる電流をW相電流Iwとする。
第1インバータ20は、コイル11〜13の通電を切り替える3相インバータであり、第1スイッチング素子21〜26を有する。第2インバータ30は、コイル11〜13の通電を切り替える3相インバータであり、第2スイッチング素子31〜36を有する。
スイッチング素子21は、素子部211および還流ダイオード221を有する。他のスイッチング素子22〜26、31〜36も同様、それぞれ、素子部212〜216、311〜316、および、還流ダイオード222〜226、321〜326を有する。
以下適宜、高電位側に接続されるスイッチング素子21〜23、31〜33を「上アーム素子」、低電位側に接続されるスイッチング素子24〜26、34〜36を「下アーム素子」という。
リチウムイオン電池等の充放電可能な直流電源である第2電圧源としての第2バッテリ42は、第2インバータ30と接続され、第2インバータ30を経由してモータジェネレータ10と電力を授受可能に設けられる。
本実施形態では、第1バッテリ41の電圧を第1電圧E1、第2バッテリ42の電圧を第2電圧E2とし、第1電圧E1は、第2電圧E2より小さいものとする。すなわち、E1<E2である。
第2コンデンサ44は、第2高電位側配線37と第2低電位側配線38とに接続される。第2コンデンサ44は、第2バッテリ42から第2インバータ30側への電流、または、第2インバータ30側から第2バッテリ42側への電流を平滑化する平滑コンデンサである。
制御部65は、マイコンを主体として構成され、各種演算処理を行う。制御部65における各処理は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
制御部65は、第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。具体的には、トルク指令値trq*や電流指令値Iu*、Iv*、Iw*等のモータジェネレータ10の駆動に係る指令値に基づき、スイッチング素子21〜26、31〜36の素子部211〜216、311〜316のオンオフ作動を制御する制御信号を生成し、ドライバ回路61、62に出力する。
また、第1片側駆動制御では、第1基本波の位相に応じてスイッチング素子21〜26をスイッチングする。
また、第2片側駆動制御では、第2基本波の位相に応じてスイッチング素子31〜36をスイッチングする。
なお、第1基本波と第2基本波との位相差は、180[°]とするが、第1電圧E1と第2電圧E2との和に相当する電圧をモータジェネレータ10に印加可能な程度のずれは許容されるものとする。
また、第2基本波が正のとき、上アーム素子31〜33をオン、下アーム素子34〜36をオフ、第2基本波が負のとき、上アーム素子31〜33をオフ、下アーム素子34〜36をオンする。
図2(a)に破線で示す回転数およびトルクは、第1片側上限値B11であって、第1片側駆動制御にて、第1インバータ20を矩形波制御することで出力可能である。また、一点鎖線で示す回転数およびトルクは、第2片側上限値B12であって、第2片側駆動制御にて、第2インバータ30を矩形波制御することで出力可能である。さらにまた、実線で示す回転数およびトルクは、両側上限値B13であって、両側駆動制御にて、第1インバータおよび第2インバータ30を矩形波制御することで出力可能である。
また、第1片側上限値B11より回転数およびトルクが小さい領域R11は、第1片側駆動制御にて、第1インバータ20をPWM制御することで出力可能であり、第1片側上限値B11と第2片側上限値B12との間の領域R12は、第2片側制御にて、第2インバータ30をPWM制御することで出力可能である。また、第2片側上限値B12と両側上限値B13との間の領域R13は、両側駆動制御にて、第1インバータ20および第2インバータ30をPWM制御することで出力可能である。
領域R11の駆動要求は、両側中性点制御と、第1片側矩形波制御、第2片側矩形波制御または両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。
領域R12の駆動要求は、両側中性点制御または第1片側矩形波制御と、第2片側矩形波制御または両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。
領域R13は、両側中性点制御、第1片側矩形波制御または第2片側矩形波制御と、両側矩形波制御とを組み合わせることで出力可能である。
各制御の組み合わせの説明に先立ち、スイッチングパターンを図3および図4に基づいて説明する。図3および図4では、コンデンサ43、44等を適宜省略している。
本実施形態では、第1インバータ20および第2インバータ30のスイッチングパターンを、「Vxy」で表現する。添え字のxが第1インバータ20のスイッチングパターンを示し、yが第2インバータ30のスイッチングパターンを示す。
図3(a)に示すように、パターンV1yでは、U相の上アーム素子21、および、V相、W相の下アーム素子25、26がオンされ、U相の下アーム素子24、および、V相、W相の上アーム素子22、23がオフされる。
図3(b)に示すように、パターンV2yでは、U相、V相の上アーム素子21、22、および、W相の下アーム素子26がオンされ、U相、V相の下アーム素子24、25、および、W相の上アーム素子23がオフされる。
図3(c)に示すように、パターンV3yでは、V相の上アーム素子22、および、U相、W相の下アーム素子24、26がオンされ、U相、W相の上アーム素子21、23、および、V相の下アーム素子25がオフされる。
図3(e)に示すように、パターンV5yでは、W相の上アーム素子23、および、U相、V相の下アーム素子24、25がオンされ、U相、V相の上アーム素子21、22、および、W相の下アーム素子26がオフされる。
図3(f)に示すように、パターンV6yでは、U相、W相の上アーム素子21、23、および、V相の下アーム素子25がオンされ、V相の上アーム素子22、および、U相、W相の下アーム素子24、26がオンされる。
パターンV1y〜V6yのとき、第1インバータ20は、有効電圧ベクトルとなっている。
図3(h)に示すように、パターンV7yでは、全相の上アーム素子21〜23がオンされ、全相の下アーム素子24〜26がオンされる。
パターンV0y、V7yのとき、第1インバータ20は、ゼロ電圧ベクトルであり、第1インバータ20が中性点化されている。
図4(a)に示すように、パターンVx1では、U相の上アーム素子31、および、V相、W相の下アーム素子35、36がオンされ、U相の下アーム素子34、および、V相、W相の上アーム素子32、33がオフされる。
図4(b)に示すように、パターンVx2では、U相、V相の上アーム素子31、32、および、W相の下アーム素子36がオンされ、U相、V相の下アーム素子34、35、および、W相の上アーム素子33がオフされる。
図4(c)に示すように、パターンVx3では、V相の上アーム素子32、および、U相、W相の下アーム素子34、36がオンされ、U相、W相の上アーム素子31、33、および、V相の下アーム素子35がオフされる。
図4(e)に示すように、パターンVx5では、W相の上アーム素子33、および、U相、V相の下アーム素子34、35がオンされ、U相、V相の上アーム素子31、32、および、W相の下アーム素子36がオフされる。
図4(f)に示すように、パターンVx6では、U相、W相の上アーム素子31、33、および、V相の下アーム素子35がオンされ、V相の上アーム素子32、および、U相、W相の下アーム素子34、36がオンされる。
パターンVx1〜Vx6のとき、第2インバータ30は、有効電圧ベクトルとなっている。
図4(h)に示すように、パターンVx7では、全相の上アーム素子31〜33がオンされ、全相の下アーム素子34〜36がオンされる。
パターンVx0、Vx7のとき、第2インバータ30は、ゼロ電圧ベクトルであり、第2インバータ30が中性点化されている。
第1片側矩形波制御のときのスイッチングパターンは、Vx0またはVx7であって、xは、1〜6のいずれかである。第1片側矩形波制御のとき、第1バッテリ41から電力が持ち出され、第2バッテリ42から電力が持ち出されない。
第2片側矩形波制御のときのスイッチングパターンは、V0yまたはV7yであって、yは、1〜6のいずれかである。第2片側矩形波制御のとき、第2バッテリ42から電力が持ち出され、第1バッテリ41から電力が持ち出される。
すなわち、本実施形態のスイッチングパターンは、計34パターンである。
領域R11の制御を図5〜図7に基づいて説明する。図5等では、電気角半周期を「h」と記載する。
本実施形態では、領域R11の駆動要求は、両側中性点制御、および、第1片側矩形波制御を組み合わせることで出力する。
図5(a)に示すように、両側中性点制御を行うと、U相電圧Vuはゼロとなる。
図5(b)に示すように、第1片側矩形波制御を行うと、U相電圧Vuは、第1電圧E1および第1インバータ20のスイッチングパターンに応じた電圧となる。
図6に示すように、U相電圧Vu、V相電圧Vv、および、W相電圧Vwは、位相が120[°]ずつずれた3相平衡の波形となっている。
期間P2、P4、P6、P8、P10、P12の長さは、駆動要求に応じて決定される第1片側矩形波制御を行う期間の1/6に相当する。
期間P4は、電気角90°を中心とする期間であって、期間P4のスイッチングパターンは、パターンV10またはV17である。また、期間P4のU相電圧Vuが(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1である。
期間P6は、電気角150°を中心とする期間であって、期間P6のスイッチングパターンは、パターンV20またはV27である。また、期間P6のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E1、W相電圧Vwが−(2/3)E1である。
期間P8は、電気角210°を中心とする期間であって、期間P8のスイッチングパターンは、パターンV30またはV37である。また、期間P8のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1、V相電圧Vvが(2/3)E1である。
期間P10は、電気角270°を中心とする期間であって、期間P10のスイッチングパターンは、パターンV40またはV47である。また、期間P10のU相電圧Vuが−(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E1である。
期間P12は、電気角330°を中心とする期間であって、期間P12のスイッチングパターンは、パターンV50またはV57である。また、期間P12のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E1、W相電圧Vwが(2/3)E1である。
第2インバータ30のU相では、上アーム素子21がオフ、下アーム素子24がオンの状態が電気角1周期に亘って継続され、オンオフの切り替えは生じない。すなわち、オンオフ切替回数は0回である。
本実施形態では、領域R12の駆動要求は、第1片側矩形波制御、および、第2片側矩形波制御を組み合わせることで出力する。
図8には、U相電圧Vuを示す。図8(a)は、図5(b)と同様であり、U相電圧Vuは、第1電圧E1および第1インバータ20のスイッチングパターンに応じた電圧となる。
また、図8(c)に示すように、第1片側矩形波制御と第2片側矩形波制御とを組み合わせることで、電気角1周期でみて、第1片側矩形波制御を継続した場合の電圧と第2片側矩形波制御を継続した場合の電圧との中間的な電圧をU相コイル11に印加することができる。第1片側矩形波制御を行う期間と、第2片側矩形波制御を行う期間との割合は、駆動要求に応じて設定される。具体的には、駆動要求が第2片側上限値B12に近い程、第2片側矩形波制御の期間が長くなるように設定される。
図9に示すように、U相電圧Vu、V相電圧Vv、および、W相電圧Vwは、位相が120[°]ずつずれた3相平衡の波形となっている。
期間P24、P26のスイッチングパターンは、パターンV10またはV17であって、U相電圧Vuが(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1である。
期間P27、P29のスイッチングパターンは、パターンV20またはV27であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E1、W相電圧Vwが−(2/3)E1である。
期間P30、P32のスイッチングパターンは、パターンV30またはV37であって、U相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E1、V相電圧Vvが(2/3)E1である。
期間P33、P35のスイッチングパターンは、パターンV40またはV47であって、U相電圧Vuが−(2/3)E1、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E1である。
期間P36、P38のスイッチングパターンは、パターンV50またはV57であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E1、W相電圧Vwが(2/3)E1である。
期間P22は、電気角30°を中心とする期間であって、期間P22のスイッチングパターンは、パターンV06またはV76である。また、期間P22のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが(1/3)E2、V相電圧Vvが−(2/3)E2である。
期間P25は、電気角90°を中心とする期間であって、期間P25のスイッチングパターンは、パターンV01またはV71である。また、期間P25のU相電圧Vuが(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2である。
期間P28は、電気角150°を中心とする期間であって、期間P28のスイッチングパターンは、パターンV02またはV72である。また、期間P28のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E2、W相電圧Vwが−(2/3)E2である。
期間P31は、電気角210°を中心とする期間であって、期間P31のスイッチングパターンは、パターンV03またはV73である。また、期間P31のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2、V相電圧Vvが(2/3)E2である。
期間P34は、電気角270°を中心とする期間であって、期間P34のスイッチングパターンは、パターンV04またはV74である。また、期間P34のU相電圧Vuが−(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E2である。
期間P37は、電気角330°を中心とする期間であって、期間P37のスイッチングパターンは、パターンV05またはV75である。また、期間P37のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E2、W相電圧Vwが(2/3)E2である。
本実施形態では、領域R13の駆動要求は、第2片側矩形波制御、および、両側矩形波制御を組み合わせることで出力する。
図11には、U相電圧Vuを示す。図11(a)は、図8(b)と同様であり、U相電圧Vuは、第2インバータ30のスイッチングパターンに応じた電圧となる。
また、図11(c)に示すように、第2片側矩形波制御と両側矩形波制御とを組み合わせることで、電気角1周期でみて、第2片側矩形波制御を継続した場合と両側矩形波制御を継続した場合との中間的な電圧をU相コイル11に印加することができる。第2片側矩形波制御を行う期間と、第2片側矩形波制御を行う期間との割合は、駆動要求に応じて設定される。具体的には、駆動要求が両側上限値B13に近い程、両側矩形波制御の期間が長くなるように設定される。
図12に示すように、U相電圧Vu、V相電圧Vv、および、W相電圧Vwは、位相が120[°]ずつずれた3相平衡の波形となっている。
期間P44、P46のスイッチングパターンは、パターンV04またはV74であって、U相電圧Vuが(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2である。
期間P47、P49のスイッチングパターンは、パターンV05またはV75であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E2、W相電圧Vwが−(2/3)E2である。
期間P50、P52のスイッチングパターンは、パターンV06またはV76であって、U相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E2、V相電圧Vvが(2/3)E2である。
期間P53、P55のスイッチングパターンは、パターンV01またはV71であって、U相電圧Vuが−(2/3)E2、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E2である。
期間P56、P58のスイッチングパターンは、パターンV02またはV72であって、U相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E2、W相電圧Vwが(2/3)E2である。
期間P42は、電気角30°を中心とする期間であって、期間P42のスイッチングパターンは、パターンV63である。また、期間P42のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが(1/3)E12、V相電圧Vvが−(2/3)E12である。
期間P45は、電気角90°を中心とする期間であって、期間P45のスイッチングパターンは、パターンV14である。また、期間P45のU相電圧が(2/3)E12、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが−(1/3)E12である。
期間P48は、電気角150°を中心とする期間であって、期間P48のスイッチングパターンは、パターンV25である。また、期間P48のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが(1/3)E12、W相電圧Vwが−(2/3)E12である。
期間P51は、電気角210°を中心とする期間であって、期間P51のスイッチングパターンは、パターンV36である。また、期間P51のU相電圧VuおよびW相電圧Vwが−(1/3)E12、V相電圧Vvが(2/3)E12である。
期間P54は、電気角270°を中心とする期間であって、期間P54のスイッチングパターンは、パターンV41である。また、期間P54のU相電圧が−(2/3)E12、V相電圧VvおよびW相電圧Vwが(1/3)E12である。
期間P57は、電気角330°を中心とする期間であって、期間P57のスイッチングパターンは、パターンV52である。また、期間P54のU相電圧VuおよびV相電圧Vvが−(1/3)E12、W相電圧Vwが(2/3)E12である。
なお、第1片側矩形波制御と両側矩形波制御とを組み合わせた場合、第1スイッチング素子21〜26のオンオフが切り替わる回数は2回であり、第2スイッチング素子31〜36のオンオフが切り替わる回数は6回である。
図17に示すように、スイッチング損失以外のインバータ損失、および、銅損は、切替制御を行った場合とPWM制御を行った場合とで、略同等である。
一方、本実施形態の切替制御では、PWM制御を行う参考例と比較し、スイッチング回数が少なくなるので、インバータ20、30におけるスイッチング損失を低減することができる。また、相電流Iu、Iv、Iwの高調波成分を低減可能であるので、モータジェネレータ10の鉄損を抑えることができる。これにより、回転電機システム1全体としての損失を低減することができる。
第1インバータ20は、第1スイッチング素子21〜26を有し、コイル11、12、13の一端111、121、131の一端および第1バッテリ41と接続される。
第2インバータ30は、第2スイッチング素子31〜36を有し、コイル11、12、13の他端112、122、132の一端および第2バッテリ42と接続される。
制御部65は、第1スイッチング素子21〜26および第2スイッチング素子31〜36のオンオフ作動を切り替える。
制御部65は、両側中性点制御、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御のうち、少なくとも2つが、モータジェネレータ10の電気角半周期に含まれるように制御を切り替える。
PWM制御に変えて、キャリア波を用いず、電気角に応じてスイッチング素子21〜26、31〜36のオンオフを切り替えることで、PWM制御を行う場合と比較し、スイッチング回数を低減することができる。
制御部65は、モータジェネレータ10の駆動要求が、両側上限値と片側上限値との間である場合、両側駆動制御が行われる両側駆動期間と、第1片側駆動制御または第2片側駆動制御が行われる片側駆動期間との割合を、駆動要求に応じて設定する。
これにより、駆動要求に応じて、モータジェネレータ10を適切に制御することができる。
第1片側駆動制御にて出力可能な上限値を第1片側上限値とする。第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を第2片側上限値とする。
制御部65は、モータジェネレータ10の駆動要求が第1片側上限値と第2片側上限値との間である場合、第1片側駆動制御が行われる第1片側駆動期間と、第2片側駆動制御が行われる第2片側駆動期間との割合を、駆動要求に応じて設定する。
これにより、駆動要求に応じて、モータジェネレータ10を適切に制御することができる。
制御部65は、モータジェネレータ10の駆動要求が片側上限値未満である場合、第1片側駆動制御または第2片側駆動制御が行われる片側制御期間と、両側中性点制御が行われる両側中性点期間との割合を、駆動要求に応じて設定する。
これにより、駆動要求に応じて、モータジェネレータ10を適切に制御することができる。
コイル11〜13は、3相巻線である。電気角半周期における制御の切り替え回数は、6の倍数(本実施形態では6回)である。これにより、3相平衡であって、正側と負側の波形が同様の電流を、コイル11〜13に通電可能である。
本発明の第2実施形態を図18に示す。
上記実施形態では、電気角半周期にて、6回制御を切り替える。本実施形態では、電気角半周期おける制御の切り替え回数を3回とする。
図18は、第2片側矩形波制御、および、両側矩形波制御を組み合わせる領域R13の制御を説明するものであって、上記実施形態の図14と対応する図である。上記実施形態と同様、第2片側矩形波制御に替えて、第1片側矩形波制御としてもよい。
本実施形態では、期間P41、P42、P45〜P48、P51〜P54、P57、58において、第2片側矩形波制御を行い、期間P43、P44、P49、P50、P55、P56において、両側矩形波制御を行う。
期間P44のスイッチングパターンはパターンV14であり、期間P45、P46のスイッチングパターンはパターンV04またはV74である。
期間P47、P48のスイッチングパターンはV05またはV75であり、期間P49のスイッチングパターンはパターンV25である。
期間P50のスイッチングパターンはパターンV36であり、期間P51、P52のスイッチングパターンはパターンV06またはV76である。
期間P53、P54のスイッチングパターンはパターンV01またはV71であり、期間P55のスイッチングパターンはパターンV41である。
期間P56のスイッチングパターンはパターンV52であり、期間P57、P58のスイッチングパターンはパターンV02またはV72である。
また、上記実施形態の期間P42と期間P43、期間P44と期間P45、期間P48と期間P49、期間P50と期間P51、期間P54と期間P55、期間P56と期間P57のスイッチングパターンを入れ替えていると捉えることもできる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(ア)制御部
第1実施形態では、電気角半周期に6回、制御を切り替える。他の実施形態では、電気角半周期に6の倍数回、制御を切り替えてもよい。これにより、3相平衡であって、正側と負側の波形が等しい電流を回転電機に通電することができる。
第2実施形態では、電気角半周期に3回、制御を切り替える。他の実施形態では、電気角半周期に3の倍数回、制御を切り替えてもよい。これにより、3相平衡電流を回転電機に通電することができる。
また、電気角半周期における制御の切り替え回数は、6の倍数または3の倍数に限らず、何回であってもよい。また、制御の切り替え回数を、巻線の相数倍とすることで、各相に平衡電流を流すことができる。
上記実施形態では、駆動要求が領域R12の場合、第1片側駆動制御と第2片側駆動制御とを切り替える。他の実施形態では、駆動要求が領域R12の場合、両側中性点制御と、第2片側駆動制御または両側駆動制御と、を切り替えてもよい。また、駆動要求他領域R12の場合、第1片側駆動制御と両側中性点制御とを切り替えてもよい。
上記実施形態では、駆動要求が領域R13の場合、第2片側駆動制御と両側駆動制御とを切り替える。他の実施形態では、駆動要求が領域R13の場合、第2片側駆動制御に替えて、両側中性点制御または第1片側駆動制御としてもよい。
上記実施形態では、第1片側駆動制御、第2片側駆動制御、および、両側駆動制御において、駆動するインバータのスイッチング素子のオンオフを電気角に応じて切り替える。他の実施形態では、駆動するインバータの制御は、どのようであってもよいが、例えば、過変調PWM制御等、正弦波PWM制御よりSW回数が少ない制御とすることが望ましい。
他の実施形態では、第1電圧源および第2電圧源の電圧を検出する電圧検出部を設け、制御部は、電圧検出部からの検出値に基づき、第1片側上限値、第2片側上限値、および、両側上限値の少なくとも1つを可変としてもよい。
上記実施形態では、第1電圧源および第2電圧源として、リチウムイオン電池等を例示した。他の実施形態では、第1電圧源および第2電圧源は、リチウムイオン電池以外の鉛蓄電池、燃料電池等であってもよい。また、第1電圧源と第2電圧源とで、同一の種類、特性のものを用いてもよいし、異なる種類、特性のものを用いてもよい。また、第1電圧源または第2電圧源の一方を電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタとしてもよい。また、第1電圧源または第2電圧源の一方を、エンジン等の駆動源により駆動されて発電する発電機等としてもよい。
上記実施形態では、回転電機はモータジェネレータである。他の実施形態では、回転電機は、発電機の機能を持たない電動機であってもよいし、電動機の機能を持たない発電機であってもよい。また、上記実施形態の回転電機は3相である。他の実施形態では、回転電機は、4相以上としてもよい。
また、上記実施形態では、回転電機が電動車両の主機モータである。他の実施形態では、回転電機は、主機モータに限らず、例えばスタータ機能とオルタネータ機能とを併せ持つ、所謂ISG(Integrated Starter Generator)や、補機モータであってもよい。また、電力変換装置を車両以外の装置に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・モータジェネレータ(回転電機)
11〜13・・・コイル(巻線)
15・・・電力変換装置
20・・・第1インバータ 21〜26・・・第1スイッチング素子
30・・・第2インバータ 31〜36・・・第2スイッチング素子
41・・・第1バッテリ(第1電圧源)
42・・・第2バッテリ(第2電圧源)
65・・・制御部
Claims (8)
- 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、112、113)および第1電圧源(41)と接続される第1インバータ(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)および第2電圧源(42)と接続される第2インバータ(30)と、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御する制御部(65)と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1電圧源および前記第2電圧源の入出力が共に0となる両側中性点制御、
前記第1電圧源の入出力にて前記回転電機を駆動する第1片側駆動制御、
前記第2電圧源の入出力にて前記回転電機を駆動する第2片側駆動制御、
および、
前記第1電圧源および前記第2電圧源が共に入力または出力して前記回転電機を駆動する両側駆動制御のうち、
少なくとも2つが、前記回転電機の電気角の半周期に含まれるように制御を切り替える電力変換装置。 - 前記制御部は、前記第1片側駆動制御、前記第2片側駆動制御、および、前記両側駆動制御において、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のオンオフを、前記回転電機の電気角に応じて切り替える請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記両側駆動制御にて出力可能な上限値を両側上限値、前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を片側上限値とすると、
前記制御部は、前記回転電機の駆動要求が前記両側上限値と前記片側上限値との間である場合、前記両側駆動制御が行われる両側駆動期間と、前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御が行われる片側駆動期間との割合を、前記駆動要求に応じて設定する請求項1または2に記載の電力変換装置。 - 前記第1電圧源の電圧と前記第2電圧源の電圧とが異なっており、
前記第1片側駆動制御にて出力可能な上限値を第1片側上限値、前記第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を第2片側上限値とすると、
前記制御部は、前記回転電機の駆動要求が前記第1片側上限値と前記第2片側上限値との間である場合、前記第1片側駆動制御が行われる第1片側駆動期間と前記第2片側駆動制御が行われる第2片側駆動期間との割合を、前記駆動要求に応じて設定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御にて出力可能な上限値を片側上限値とすると、
前記制御部は、前記回転電機の駆動要求が前記片側上限値未満である場合、前記第1片側駆動制御または前記第2片側駆動制御が行われる片側駆動期間と前記両側中性点制御が行われる両側中性点期間との割合を、前記駆動要求に応じて設定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記制御部は、電気角半周期において、前記両側中性点制御、前記第1片側駆動制御、前記第2片側駆動制御、または、前記両側駆動制御のうちの2つの制御を切り替える請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記巻線は、3相巻線であって、
電気角半周期における制御の切り替え回数は、6の倍数である請求項6に記載の電力変換装置。 - 前記巻線は、3相巻線であって、
電気角半周期における制御の切り替え回数は、3の倍数である請求項6に記載の電力変換装置。
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