JP5284488B2 - 記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に記録を行うための記録ヘッドとその製造方法に関する。
記録ヘッドとして代表的なインクジェット記録ヘッドは、一般的に、インク(液体)を吐出する記録素子基板と、インクを収納する容器であるインクタンクと、記録素子基板に吐出制御信号や吐出のための電力を伝達する電気配線基板とで構成されている。記録素子基板は、保持部材としてのインクタンクに固定されており、電気配線基板もインクタンクに固定されている。
図8は、従来の電気配線基板H2000の接着固定を示している図である。
図8(a)は、インクジェット記録ヘッドを記録素子基板H1000側から見た図である。なお、図8(a)は、説明のために、配線H2002を透かして見えるように記載してある。図8(b)は、図8(a)のX-X断面を示している。また、図8(c)は、図8(b)のA部の拡大図である。
図8(a)に示すように、電気配線基板H2000の有する開口部H2003の内側に、記録素子基板H1000が収められており、電気配線基板H2000及び記録素子基板H1000はインクタンクH3000に固定されている。
電気配線基板H2000は図8(c)に示すように、絶縁体からなる第1のフィルムH2010、第2のフィルムH2020、配線H2002を有する配線層H2030とで構成される層状となっている。この配線H2002は、その一端において記録素子基板H1000に接続されており、インクジェット記録ヘッドの搭載される本体からの制御信号や電力を記録素子基板H1000に伝達する。
一般的に、電気配線基板H2000は、接着剤H4100によってインクタンクH3000に固定されており、更に電気配線基板H2000の外周は、封止剤H4000によって封止されている(特許文献1)。
特開2000−177134号公報
しかし、接着剤を塗布することで電気配線基板を保持部材に固定する従来の方法では、接着剤の塗布のばらつき等により電気配線基板の端部まで接着剤が塗布されない場合がある。
図9(a)に示すように、接着剤H4100による固定で電気配線基板の端部まで接着されていないために、電気配線基板H2000の端部がインクタンクH3000から浮いた状態となってしまうことがある。この状態で記録を行うために記録ヘッドを走査すると、図9(b)に示すように、紙などの記録媒体Pと接触して電気配線基板が捲れてしまう可能性がある。その場合、記録素子基板に電気信号が送られなくなり、記録ヘッドの吐出の機能が失われる恐れがある。近年は、記録媒体の種類が増えているが、特に腰の強い記録媒体を用いて印刷する場合は、電気配線基板が捲れてしまう可能性が高い。
本発明の記録ヘッドの製造方法は、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を有する記録素子基板と、前記記録素子基板を内部に配置するための開口部と、前記記録素子と電気的に接続される複数の配線と、前記複数の配線を挟む、膜状の第1の絶縁体及び第2の絶縁体と、前記複数の配線の間に配され、前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体とを接着する接着剤と、を有する電気配線基板と、前記記録素子基板を保持するための保持部材と、を有する記録ヘッドの製造方法であって、前記保持部材はレーザー光に対して吸収性を有し、前記第1の絶縁体、前記第2の絶縁体、及び前記接着剤はレーザー光に対して透過性を有しており、前記保持部材の前記記録素子基板が固定され面と前記電気配線基板とを、前記電気配線基板の外周部の少なくとも一部で当接させ、該当接がなされた当接部に向けて、前記電気配線基板のうち、前記配線が配置されていない部分を介してレーザー光を照射することにより、前記電気配線基板と前記保持部材とを溶着することを特徴とする。
レーザー光を照射することによって、電気配線基板の外周の少なくとも一部で、電気配線基板を保持部材に固定する。これにより、保持部材に対して電気配線基板の端部まで精度よく電気配線基板を接合することが可能であり、記録媒体の接触による電気配線基板の捲れの恐れを低減し、記録ヘッドの電気的信頼性を向上することができる。
本発明の第1の実施形態を示す模式図である。 (a)は本発明を適用可能なインクジェット記録ヘッドの概略模式図であり、(b)はその分解模式図である。 本発明を適用可能なインクジェット記録ヘッドを構成する記録素子基板を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態を説明するための模式図である。 本発明の実施形態を示す模式図であり、インクタンクの溶着される部分の形状に関して説明するための図である。 本発明の第2の実施形態を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態を示す模式図である。 従来の接着剤を用いて電気配線基板をインクタンクに固定する方法を説明するための図である。 電気配線基板の捲れによる、電気配線基板の記録媒体への接触を説明するための図である。
(第1の実施形態)
次に、本発明の実施形態を図1〜図5を用いて説明する。
図2(a)は、本発明を適用可能なインクジェット記録ヘッド1の概略模式図であり、図2(b)はその分解模式図である。インクジェット記録ヘッド1は、記録素子基板10、電気配線基板20、インクタンク30とで構成される。記録素子基板10は保持部材としてのインクタンク30の一面(第1の面31)に固定されており、インクタンク30のこの第1の面31に電気配線基板20も固定されている。
インクジェット記録ヘッド1は、インクジェット記録装置に設置されているキャリッジの位置決め手段によって固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっている。
記録素子基板10は、液体(インク)を吐出する吐出口と、インクを吐出するための記録素子を有している。インクジェット記録ヘッド1は、インクジェット記録装置から送られる電気信号に応じて、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を駆動する。これにより、インク(液体)を収容するインクタンク30から供給されるインクを吐出口から吐出し、記録媒体に記録を行う。記録素子としては、発熱抵抗素子やピエゾ素子などが挙げられる。
図3は、記録素子基板10の構成を説明するために一部を切断した斜視図である。
記録素子基板10は、インクを吐出するための吐出口11、吐出口11と連通して吐出口11にインクを供給するためのインク供給口12とを有する。インク供給口12はシリコン基板13に形成される。
シリコン基板13は、厚さ0.5mm〜1.0mmを有しており、異方性エッチングによりインク供給口12が形成される。また、シリコン基板13上には、記録素子としての発熱抵抗素子14が形成され、その発熱抵抗素子14と吐出口11とが対応するように、シリコン基板13上にフォトリソグラフィー技術を用いて、吐出口11が形成される。さらにシリコン基板13上には発熱抵抗素子14を駆動するための電気信号や電力を供給するための電極部としてAu等のバンプ15が設けられている。
次に、図1を用いて電気配線基板20について説明する。図1(a)は、インクジェット記録ヘッドを記録素子基板10側から見た図である。なお、図1(a)は、説明のために配線24を透かして描いた図となっており、以降のインクジェット記録ヘッドを記録素子基板10側から見た図も同様に記載している。図1(b)は、図1(a)のY-Y断面を示している。また、図1(c)は、図1(b)のB部の拡大図である。
記録素子基板10には、電気配線基板20が電気的に接続されており、この電気配線基板20を介して記録素子基板10の有する発熱抵抗素子14に電気信号が送られる。電気配線基板20に設けられた開口部26に収まるようにして、記録素子基板10が配置されている。
電気配線基板20は図1(c)に示すように、膜状の絶縁体からなる第1のフィルム21(第1の絶縁体)及び第2のフィルム22(第2の絶縁体)、配線24を有する配線層23で構成される層状である。第1のフィルム21及び第2のフィルム22は配線24を挟むことで保護している。配線層23は、配線24の隙間を埋めることと、第1のフィルム21、第2のフィルム22と配線層23とを接着する目的で、接着剤25が塗布されている。配線24は、例えばCuなどの導電性の良い金属製で、印字制御に必要な本数が並列に配置されている(簡略化のため本数を減らして図示)。この配線24は、その一端が記録素子基板10のバンプ15に接続されており、インクジェット記録ヘッド1が搭載されるインクジェット記録装置からの制御信号や電力を、記録素子基板10に伝達している。
また、図1(b)に示すように、配線24の他端は、インクジェット記録装置からの信号を受け取るために電気配線基板20に設けられた信号入力端子27に接続される。電気配線基板20のうち、記録素子基板10を収めるための開口部26が設けられた部分はインクタンク30の第1の面31に、信号入力端子27が設けられた部分は第1の面31とは異なる第2の面32に対して固定される。すなわち、電気配線基板20は、第1の面31から第2の面32に向かって屈曲する屈曲部28を有している。
次に、本実施形態における電気配線基板20のインクタンク30への固定について説明する。
本発明は、レーザー光を用いて、電気配線基板20をインクタンク30に対して固定する。したがって、本実施形態では、インクタンク30をレーザー光に対して吸収性を有する部材とし、電気配線基板20の配線24以外の部分である、第1のフィルム21、第2のフィルム22、及び接着剤25を透過性を有する部材とする。
次に、本実施形態の記録ヘッドのレーザー光を用いた製造方法に関して説明する。
まず、電気配線基板20とインクタンク30とを、溶着する面を内側にして当接する。次に、電気配線基板20のうち、透過性を有している第1のフィルム21、第2のフィルム22、及び接着剤25を介して、第2のフィルム22とインクタンク30とが当接する当接部に向けてレーザー光を照射する。筐体であるインクタンク30ではなく、薄い層状である電気配線基板20を介してレーザー光を照射するため、容易にレーザー光を照射することが可能である。
レーザー光が照射されることにより、吸収性を有する部材であるインクタンク30が含有している染料または顔料が発熱して溶融し、この発生した熱は第2のフィルム22に伝達される。第2のフィルムとしてインクタンク30の融点に近い融点を有する材料を用いることで、伝達された熱によって第2のフィルム22も溶融し、当接部は溶着部となり、電気配線基板20とインクタンク30とが接合される。
次に、電気配線基板20とインクタンク30とがレーザー光によって溶着される位置について図1を用いて説明する。
200(200a、200b)は、レーザー光の照射によってインクタンク30と電気配線基板20とが溶着された部分(溶着部)を示している。金属製である配線24はレーザー光を透過しないため、溶着部200は配線24が配置されていない領域に対応する部分に設けられる。溶着部200aは、溶着部200のうち、電気配線基板20の外周部の端部に形成された溶着部であり、電気配線基板20の外周部の端部に点在して形成されている。
レーザー光を用いて部材同士を溶着すると、所望の位置における溶着が可能である。そのため、レーザー光を用いて電気配線基板20とインクタンク30とを溶着すると、電気配線基板20の端部まで精度よく、電気配線基板20をインクタンク30に接合することが可能である。したがって、レーザー光によって電気配線基板20の外周部に溶着部200aを形成することで、印刷時において紙などの記録媒体が電気配線基板20に接触して捲れる可能性を低減し、記録ヘッドの電気的信頼性を向上することが可能である。
記録媒体による電気配線基板20の捲れの問題は、電気配線基板20の外周部のうち、記録ヘッドが走査される方向(図1(a)の矢印Aの方向)に関する電気配線基板20の端部や、電気配線基板20の隅の部分で生じ易い。そのため、電気配線基板20の外周部のうち、これらの部分の近傍に溶着部200aを設けると、上記の問題に対してより効果的な構成とすることが可能である。
また、従来の接着剤を用いた方法では、接着剤を硬化するために長時間放置したり、電気配線基板20の外周部を封止剤によって封止したりする必要があったが、本実施形態のようにレーザー光を用いて溶着を行うことで、製造方法にかかる工数を減らすことができる。
さらに、本実施形態では、電気配線基板20のインクタンク30に対する固定の強度を確保するため、配線24の間に対応する部分においても溶着を行っており、溶着部200bが複数形成されている。配線24の間に対応する部分においても溶着することで、外周部の溶着部200aのみで溶着された場合と比較して、インクタンク30に対して電気配線基板20をより確実に固定することが可能である。
この溶着部200bを設ける位置のより好適な形態について、図4を用いて説明する。図4(a)は、インクジェット記録ヘッドを記録素子基板10側から見た図であり、図4(b)は、図4(a)の波線領域Dを拡大した図である。
図4(c)は、記録素子基板10と並列に配置された配線24の間に、溶着部230を設けた図である。このように、電気配線基板20のうち、記録素子基板10と並列に配線24が配置された部分は、記録素子基板10を収めるための開口部26が配置されているために、配線24の配置される密度が他の部分と比較して高い。そのため、電気配線部材20の面積を大きくせずにこの部分に溶着部230を形成するためには、図4(c)のように配線24を細くして溶着するための領域を確保する必要がある。しかし、配線24の幅を細くすると、電気抵抗が大きくなってしまう。
そこで、図4(a)の領域Dや領域Eのように配線24が屈曲する角の部分において、外側の配線24は直角に屈曲させ、内側の配線24を、溶着部の面積を確保できるように屈曲させた配置とした。そして、確保した領域において溶着部200bを形成した。これにより、配線24を細くする必要がないので、適正な印加電力で使用することができ、より記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能となる。
また、図4(a)の領域Fは、開口部26に対して並列に配線24が配置された部分ではないため、複数の配線24を配置する領域が十分に確保できている。そのため、この部分においても領域Fのように配線24を屈曲させて配置することで、配線24を細くする必要がなくレーザー溶着部200bを設けることが可能である。
本実施形態では、図4(a)に示すように、領域D、E、Fに配線24を屈曲させて溶着する領域を確保したが、配線24の屈曲の仕方は図で示すものに限定されず、溶着するための領域を確保できるように屈曲させればよい。
次に、図5を参照して、溶着部200における溶着をより強固なものにするための構成について説明する。
レーザー光の照射によって部材同士を溶着して固定する場合では、レーザー照射時における部材同士の当接部の密着性が、固定の強度を左右する。図5(d)は電気配線基板20の層の構造を示す図である。このように内部に金属製の配線24を有する電気配線基板20では、配線24のある場所と配線24の無い接着剤25が埋まっている場所とで若干の厚みの差が生じている。ただし、図5(d)は、厚みの差を誇張している。第2のフィルム22において、配線24の無い薄い部分に対応する部分が溶着される領域である。
そこで、図5(a)の領域Cの拡大図である図5(b)に示すように、溶着を行う前のインクタンク30のうち溶着される部分に、インクタンク30の第1の面31に対して電気配線基板20と当接する方向に凸である凸形状部33を設けた。これにより、インクタンク30と電気配線基板20とを当接した際に、当接部における密着性を向上させ、部材同士をより強固に固定することが可能となる。
また、本実施形態では、電気配線基板20の第1のフィルム21、第2のフィルム22、接着剤25を介して、レーザー光を照射する。接着剤25を介するために、レーザー光が当接部に適切に照射されない可能性がある。そこで、より確実に溶着させるためには、電気配線基板20の構造を以下のように工夫することが好ましい。
例えば、電気配線基板20のうち溶着部に対応する部分には接着剤25がなく空洞である構成や、同じく対応する部分に接着剤25及び第1のフィルムも設けずに第2のフィルムのみ設けた構成が挙げられる。また、電気配線基板20のうち溶着部に対応する部分には接着剤25でなく、レーザー光に対する透過性の高い部材を配した構成とすることで、電気配線基板20の平面性を確保しつつ、より確実に溶着を行うことが可能となる。
なお、本発明の実施形態において、レーザー光に対して透過性を有する部材とは、部材に対してレーザー光を照射した場合の透過率が30%以上の部材を意味する。また、本発明においてレーザー光に対して吸収性を有する部材とは、部材に対してレーザー光を照射した場合の吸収率が90%以上の部材を意味する。上述のような透過率及び吸収率の部材を用いることで、透過性部材と吸収性部材とのレーザー溶着が可能となる。また、レーザー照射に用いられるレーザー光は、透過性を有する部材を透過可能である波長を有するものであればよい。
なお、レーザー光の照射方法に関しては、溶着部に沿ってレーザー光を照射するスキャン方式と、溶着部のみにレーザー光が照射可能となるようにマスクを設けて一斉にレーザー光を照射する一括方式とがある。本発明においてはどちらの方法を採用してもよく、レーザーの照射方法は特に限定されない。
本実施形態では、インクタンク30が吸収性を有し、配線24以外の電気配線基板20が透過性を有している。しかし、本発明は、溶着する二つの部材のうち、いずれか一方が吸収性を有し、他方が透過性を有していればよい。本実施形態とは反対に、インクタンク30が透過性を有する場合は、インクタンク30を介してレーザー光を照射するため、電気配線基板20のうち、第2のフィルム22のみが吸収性を有する部材であればよい。また、この場合は、配線24が配置された位置に対応する部分で溶着することも可能であるので、溶着する位置の自由度が増す。
本実施形態では、インクタンク30と一体である記録ヘッドに関して説明したが、インクタンク30を保持するタンクホルダを有する記録ヘッドであってもよく、この場合は、タンクホルダに記録素子基板及び電気配線基板を接合すればよい。
また、電気配線基板20の外周部の一部においてレーザーを用いた溶着を行うことで、記録媒体の接触によって電気配線基板20が捲れてしまう恐れを低減できるので、外周部以外の部分は接着剤を用いて接着する構成であってもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図7を用いて説明する。
本実施形態は、第1の実施形態のように電気配線部材20の外周部における溶着部を部分的に設けるのではなく、図7に示すように溶着部210を隙間無く繋がるように設けた構成である。その他の構成は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
インクジェット記録装置を駆動させると、インクミストなどが電気配線基板20の周囲に付着するが、これらのインクがインクジェット記録ヘッド1に及ぼす課題について図6を用いて説明する。
図6(a)は、インクジェット記録ヘッド1を記録素子基板10側から見た図である。図6(b)は、図6(a)のZ-Z断面を示している。
電気配線基板20の周囲に付着したインクI100は、図6(a)のI100で示す矢印Bで示すように電気配線基板20の外周部のうち、溶着部が形成されていない部分から侵入する可能性がある。すなわち、図6(b)に示すように、電気配線基板20とインクタンク30とが溶着されていない隙間に沿って侵入する。この場合に、インクI100は電気配線基板20から露出した配線と記録素子基板10との接続部まで到達し、配線間の不具合を引き起こす恐れがある。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、インクタンク30の第1の面31に配される電気配線基板20のうち、屈曲部28(図2参照)を除く電気配線基板20の外周部に、レーザー光を照射することで溶着部210が隙間無く形成した構成である。これにより、電気配線基板20とインクタンク30の隙間からインクが侵入し、配線24と記録素子基板10との接続部にインクが付着する恐れを低減することが可能である。したがって、インクジェット記録ヘッドの電気的信頼性を更に向上させることが可能である。
また、本実施形態では、インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する電気配線基板20の開口部26の端部についても、同様に隙間のない溶着部220を設けている。これにより、インクが侵入する恐れを更に低減することが可能である。
1 インクジェット記録ヘッド(記録ヘッド)
10 記録素子基板
20 電気配線基板
24 配線
30 インクタンク(保持部材)
200a 溶着部(電気配線基板の外周部に設けられた溶着部)

Claims (7)

  1. 液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を有する記録素子基板と、前記記録素子基板を内部に配置するための開口部と、前記記録素子と電気的に接続される複数の配線と、前記複数の配線を挟む、膜状の第1の絶縁体及び第2の絶縁体と、前記複数の配線の間に配され、前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体とを接着する接着剤と、を有する電気配線基板と、前記記録素子基板を保持するための保持部材と、を有する記録ヘッドの製造方法であって、
    前記保持部材はレーザー光に対して吸収性を有し、前記第1の絶縁体、前記第2の絶縁体、及び前記接着剤はレーザー光に対して透過性を有しており、
    前記保持部材の前記記録素子基板が固定され面と前記電気配線基板とを、前記電気配線基板の外周部の少なくとも一部で当接させ、該当接がなされた当接部に向けて、前記電気配線基板のうち、前記配線が配置されていない部分を介してレーザー光を照射することにより、前記電気配線基板と前記保持部材とを溶着することを特徴とする記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記溶着の前において、前記保持部材における前記当接部は、前記保持部材の一面に対して前記当接部の方向に凸である凸形状を有することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッドの製造方法。
  3. 液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を有する記録素子基板と、
    前記記録素子基板を内部に配置するための開口部と、前記記録素子と電気的に接続される複数の配線と、複数の前記配線を挟む、膜状の第1の絶縁体及び第2の絶縁体と、複数の前記配線の間に配され、前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体とを接着する接着剤と、を有する電気配線基板と、
    前記記録素子基板を固定するための保持部材と、
    を有する記録ヘッドであって、
    前記保持部材がレーザー光に対して吸収性を有し、前記第1の絶縁体、前記第2の絶縁体、及び前記接着剤がレーザー光に対して透過性を有しており、
    前記保持部材の前記記録素子基板が固定された面に、レーザー光により前記電気配線基板が溶着されており、該溶着がなされた溶着部が、前記電気配線基板の外周部のうちの、複数の前記配線が配されていない領域に対応する部分に形成されていることを特徴とする記録ヘッド。
  4. 前記溶着部は、前記外周部のうちの、前記記録ヘッドが走査される方向に関する前記電気配線基板の端部の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項に記載の記録ヘッド。
  5. 前記溶着部は、前記電気配線基板の隅の近傍に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の記録ヘッド。
  6. 複数の前記配線が屈曲して配置されることで設けられた複数の前記配線の間の領域に対応する部分において、前記溶着部が形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の記録ヘッド。
  7. 前記電気配線基板は、前記記録素子基板が固定された面とは異なる前記保持部材の面に向かって屈曲する屈曲部を有しており、
    前記溶着部は、前記記録素子基板が固定された面における、前記屈曲部を除く前記電気配線基板の外周部に隙間無く繋がるように形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の記録ヘッド。
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