JP2014188846A - 接合体の製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

接合体の製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合領域の全体における接合強度のばらつきを抑制することができ、かつ接合体の製造コストを抑制することが可能な接合体製造方法を提供する。
【解決手段】レーザー光を発する光源24と、レーザー光を吸収する素材からなる第1の部材21と、レーザー光を透過させる素材からなる第2の部材22と、を用意する用意工程と、第1の部材21のうち第2の部材22と接合される接合領域21aが第2の部材22と接するように第1の部材21を配置する配置工程と、レーザー光の進行方向と交わるD1方向に光源24を第1および第2の部材21,22に対して相対的に移動させることで、第1の部材22のうち接合領域21aに対してD1方向とは逆方向の側に位置する予照射領域21bへレーザー光を照射し、その後、接合領域21aへレーザー光を照射して接合領域21aを第2の部材22に溶着させる照射工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、第1および第2の部材が互いに接合されてなる接合体を製造する方法(以下、「接合体製造方法」とも称する)、および当該接合体を備える液体吐出ヘッドを製造する方法に関する。
液体吐出ヘッドとして、インクを吐出するインクジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」とも称す)が知られている。図11を参照して記録ヘッドについて簡単に説明する。
図11(a)は関連する記録ヘッドの分解斜視図である。図11(a)に示されるように、記録ヘッド1は、タンクホルダユニット2と、液体を吐出するための記録素子ユニット3と、を備える。インクはタンクホルダユニット2に形成されたインク流路を経由してインクタンク(不図示)から記録素子ユニット3へ導かれる。
タンクホルダユニット2はタンクホルダ4と流路形成部材5とを備えている。図11(b)はタンクホルダ4の底面図であり、図11(c)は流路形成部材5の平面図である。タンクホルダ4と流路形成部材5とが互いに接合されることでインク流路が形成されている。
タンクホルダ4や流路形成部材5といった異なる2つの部材が互いに接合されてなる接合体を製造する方法として、超音波を用いた方法やレーザー光を用いた方法(「レーザー溶着法」とも呼ばれる)が提案されている。
レーザー溶着法を用いて接合体を製造する場合、第1の部材はレーザー光を吸収する素材で形成され、第2の部材はレーザー光を透過させる素材で形成される。レーザー光は、レーザーダイオードおよび照射レンズを備える光源を用いて生成され、第1および第2の部材の間の接触部へ第2の部材を介して照射される。
第1の部材のうちレーザー光が照射されたレーザー光被照射部ではレーザー光のエネルギーを吸収することで熱が発生する。その結果、レーザー光被照射部の温度が上昇してレーザー光被照射部が溶融する。その後、レーザー光被照射部が冷却されて固まることで、第1および第2の部材が互いに溶着される。
レーザー溶着法では超音波を用いた方法に比べて溶着部分からゴミが発生しにくいことが知られている。このような理由から、液体吐出ヘッドの製造においてレーザー溶着法が用いられている。液体吐出ヘッドではインク流路へのゴミの流入が問題となるからである。
レーザー光を照射する方式として、スポットビームスキャン方式やワイドビームスキャン方式、一括照射方式が挙げられる。そして、各方式を用いた接合体製造方法が提案されている(例えば、特許文献1ないし3)。
特許文献1にはスポットビームスキャン方式を用いた接合体製造方法が開示されている。この製造方法ではレーザー光をスポット状に照射可能な光源が用いられる。光源は第1の部材へ向けてレーザー光を発しながらレーザー光の進行方向と交わる方向へ移動する。その結果、第1の部材は光源の移動経路に沿って順に第2の部材に溶着される。
特許文献2にはワイドビームスキャン方式を用いた接合体製造方法が開示されている。この製造方法では面状のレーザー光(「ワイドビームレーザー光」とも呼ばれる)を発する光源が用いられる。すなわち、この光源から発せられるレーザー光は第1の部材へ線状に照射される。
特許文献2に開示の接合体製造方法では、光源は第1の部材へ向けてワイドビームレーザー光を発しながらワイドビームレーザー光と交わる方向へ移動する。このとき、光源と第1の部材との間にはマスクが配置される。マスクはレーザー光透過部およびレーザー光遮断部を有しており、レーザー光被照射部はレーザー光透過部の形状に応じて決まる。言い換えれば、第1および第2の部材の間の接合領域はレーザー光透過部の形状に応じて定められる。
特許文献3では一括照射方式を用いた接合体製造方法が開示されている。この製造方法では接合領域の全体へレーザー光を一括で照射可能な光源が用いられる。レーザー光が接合領域の全体へ一斉に照射されるため、第1および第2の部材は互いに接合領域の全体でほぼ同時に溶着される。
特許第4548713号 特許第3303259号 特開2010−783号公報
しかしながら、特許文献1ないし3に開示の接合体製造方法では次のような問題があった。
特許文献1および2に開示の接合体製造方法では、レーザー光は光源の移動方向に沿って順に接合領域へ照射される。接合領域のうち、最初にレーザー光が照射される部分(照射開始部)と、照射開始部の後に続いてレーザー光が照射される部分(照射後続部)と、の間で接合強度にばらつきが生じる可能性がある。この理由について詳述する。
レーザー光被照射部では、レーザー光を吸収することで熱が発生する。またこの熱はレーザー光被照射部の周辺へ伝わる。したがって、照射後続部の温度は、レーザー光を吸収することで生じる熱と、照射後続部よりも前にレーザー光が照射された照射部から伝わる熱と、に応じて上昇する。
ところが、照射開始部の周辺部分にはレーザー光が照射されないので、照射開始部の周辺部から照射開始部へ熱は伝わらない。すなわち、照射開始部の温度はレーザー光を吸収することで生じる熱にのみ応じて上昇する。したがって、照射開始部の温度は照射後続部ほど上昇せず、照射開始部は照射後続部ほど溶融しない。
このような理由から、特許文献1および2に開示の接合体製造方法では照射後続部に比べて照射開始部の接合強度が弱くなる場合があった。接合強度の弱い部分では第1の部材は第2の部材から離れやすく、接合体の信頼性が低下してしまう。
特許文献3に開示の接合体製造方法では、レーザー光が一斉に接合領域の全体へ照射されるため特許文献1,2に開示の接合体製造方法で生じる問題は生じない。しかしながら、一括照射方式ではレーザー光をより広い範囲へ照射するので、より大きい光源を用いなければならない。すなわち、より多くのレーザーダイオードや照射レンズを備える光源を用いなければならない。その結果、光源を用意する際により多くの費用が掛かってしまう。
また、レーザー光を用いた接合体製造方法では、レーザー光の強さが照射範囲内でばらつかないことが求められる。レーザー光の強さが照射範囲内でばらつくと、溶融度合もばらつき、その結果、接合強度の弱いところが生じてしまうからである。
照射範囲内でのレーザー光の強さのばらつきを抑制するために、光源の保守点検が必要である。特許文献3に開示の接合体製造方法では、より多くのレーザーダイオードや照射レンズを備える光源が用いられるので、光源の保守点検により多くの費用が掛かる。
このように、特許文献3に開示の接合体製造方法では、光源に関してより多くのコストが必要とされ、接合体の製造コストが増加するという問題があった。
本発明は上記課題を解決するものである。すなわち、本発明の目的は、接合領域の全体における接合強度のばらつきを抑制することができ、かつ接合体の製造コストを抑制することが可能な接合体製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため本発明は、互いに接合された第1および第2の部材を備える接合体の製造方法に係る。この態様において、本発明は、レーザー光を発する光源と、レーザー光を吸収する素材からなる第1の部材と、レーザー光を透過させる素材からなる第2の部材と、を用意する用意工程と、第1の部材のうち第2の部材と接合される接合領域が第2の部材と接するように第1の部材を配置する配置工程と、レーザー光の進行方向と交わる方向に光源を第1および第2の部材に対して相対的に移動させることで、第1の部材のうち接合領域に対して光源の移動方向とは逆方向の側に位置する予照射領域へレーザー光を照射し、その後、接合領域へレーザー光を照射して接合領域を第2の部材に溶着させる照射工程と、を含む。
本発明によれば、レーザー光の進行方向と交わる方向に光源を移動させながら接合領域へレーザー光を照射するので、光源の大きさを小さくすることができる。その結果、光源を用意する際の費用や保守点検の費用を抑制することができ、接合体の製造コストを抑制することが可能となる。
また、レーザー光は接合領域へ照射される前に予照射領域へ照射されるので、接合領域のうちレーザー光が最初に照射される照射開始部にも予照射領域から熱が伝わる。したがって、接合領域の全体の温度が比較的均一に上昇し、溶融度合のばらつきが抑制される。その結果、接合領域の全体における接合強度のばらつきが抑制される。
インクジェット記録ヘッドの断面図および分解斜視図。 記録素子基板の一部切断斜視図。 本発明の第1の実施形態を説明するための斜視図。 本発明の第1の実施形態を説明するための断面図。 第1の実施形態で用いられるマスクの設計方法の一例を説明するための図。 第1の実施形態で用いられるマスクの上面図。 本発明の第2の実施形態を説明するための断面図。 本発明の第3の実施形態を説明するための斜視図。 第3の実施形態で用いられるマスクの設計方法の一例を説明するための図。 第3の実施形態で用いられるマスクの上面図。 関連するインクジェット記録ヘッドを説明するための図。
次に、本発明に係る実施形態について添付の図面を用いて説明する。
まず、本発明を用いて製造される接合体について説明する。ここでは、液体吐出ヘッド、特に、記録ヘッドカートリッジの一部品として使用される記録ヘッドを用いて当該接合体について説明するが、本発明は記録ヘッドを製造する方法に限られない。
なお、本明細書において「記録」は、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、何らの情報を形成する場合を包含する。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターンなどを形成する場合、または媒体の加工を行う場合をも包含する。
また「記録媒体」は、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革などのインクを受容可能な物をも含む。
さらに「インク」は、上記「記録」の定義と同様に広く解釈されるべきであり、記録媒体に付与されることによって、画像、模様、パターンなどの形成または記録媒体の加工あるいはインクの処理に供され得る液体を含む。すなわち、「インク」は、記録に関して用いることが可能なあらゆる液体を包含している。
図1(a)は記録ヘッドを備える記録ヘッドカートリッジの断面図であり、図1(b)は図1(a)に示した記録ヘッドの分解斜視図である。図1(a)に示されるように、記録ヘッドカートリッジ6は、記録ヘッド7と、記録ヘッド7に着脱自在に設けられたインクタンク8と、を備える。
記録ヘッドカートリッジ6は、インクジェット記録装置(不図示、以下、「記録装置」とする)に設置されているキャリッジ(不図示)の位置決め手段および電気的接点を用いて固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっている。
図1(b)に示されるように、記録ヘッド7は、記録素子ユニット9と、タンクホルダユニット10と、を備える。記録素子ユニット9は、液体吐出基板(液体吐出部)としての記録素子基板11と、電気配線基板12と、を含む。タンクホルダユニット10には流路10a(図1(a)参照)が形成されており、インクは流路10aを通ってインクタンク8(図1(a)参照)から記録素子基板11へ供給される。
図2は記録素子基板11の一部切断斜視図である。図2に示されるように、記録素子基板11は、インクを吐出するための吐出口13と、吐出口13と連通して吐出口13にインクを供給するためのインク供給口14と、を有する。吐出口13は吐出口形成部材15に形成されており、インク供給口14はシリコン基板16に形成される。
記録素子基板11は、記録装置から送られる電気信号に応じて記録素子を駆動させることで、インクタンク8(図1(a)参照)から供給されるインクを吐出口13から吐出する。記録素子としては例えば、発熱抵抗素子やピエゾ素子などが挙げられるが、ここでは発熱抵抗素子を用いたものについて説明する。
シリコン基板16は0.5mm〜1.0mmの厚さを有する。インク供給口14は異方性エッチングにより形成され、発熱抵抗素子17はシリコン基板16上に形成される。吐出口13は、発熱抵抗素子17と吐出口13とが対応するように、シリコン基板16上にフォトリソグラフィー技術を用いて形成される。
シリコン基板16上にはAu等からなるバンプ18が電極部として設けられている。バンプ18は発熱抵抗素子17と電気的に接続されており、バンプ18を介して記録素子基板11の外部から発熱抵抗素子17へ電気信号や電力が供給される。
再び図1を参照する。電気配線基板12は、記録装置と電気的に接続される接続端子19と、記録素子基板11と電気的に接続される電極端子(不図示)と、接続端子19と電極端子とを接続する配線と、記録素子基板11を組み込むための開口部と、を有している。
記録素子基板11と電気配線基板12との間の接続は、例えば次のように行われる。記録素子基板11のバンプ18(図2参照)および電気配線基板12の電極端子に導電性を有する熱硬化接着樹脂を塗布した後、バンプ18と電極端子とをヒートツールにて一括で加熱するとともに加圧して電気的に一括接続する。なお、バンプ18と電極端子との電気接続部分は、封止剤を用いて封止されることによりインクによる腐食や外的衝撃から保護される。
ここで、タンクホルダユニット10に形成された流路10aについて詳述する。
タンクホルダユニット10は、インクタンク8を保持するタンクホルダ20と、互いに接合されて流路10aを形成する第1および第2の部材21,22と、を備える。本実施形態ではタンクホルダ20と第1の部材21とが一体的に形成されている。タンクホルダ20と第1の部材21とが別の部材として形成され、第1の部材21がタンクホルダ20へ取り付けられるようになっていてもよい。
第1および第2の部材21,22はインクタンク8と記録素子基板11との間に配置されている。第2の部材22には開口が形成されており、当該開口を介して流路10aがインク供給口14(図2参照)と連通する。インクタンク8に収容されているインクは、第1および第2の部材21,22により形成された流路10aを通って記録素子基板11へ供給される。
第1の部材21には凹部23が形成されている。凹部23は第2の部材の一の面に対して凹んでおり、凹部23が第2の部材22を用いて覆われることで流路10aが形成されている。すなわち、流路10aは、凹部23の内側面と第2の部材21の外周面の一部とで形成されている。
なお、流路10aとなる凹部23は第2の部材22に形成されていてもよいし、第1および第2の部材21,22のそれぞれに凹部23が形成されていてもよい。すなわち、第1および第2の部材21,22のうち少なくとも一方が、第1の部材21の一面または第2の部材22の一の面に対して凹んだ凹部23を有していれば良い。
レーザー光を用いて第1および第2の部材21,22を互いに溶着するためには、第1および第2の部材21,22のうち一方がレーザー光に対して透過性を有する透過性部材であり、他方がレーザー光に対して吸収性を有する吸収性部材でなければならない。
本実施形態においては、レーザー光を容易に照射できるという観点から、レーザー光を吸収する素材で第1の部材21を形成し、レーザー光を透過させる素材で第2の部材22を形成した。第1および第2の部材21,22のうちどちらに透過性、吸収性を持たせるかについては、適宜変更が可能である。
なお、本発明において「レーザー光に対して透過性を有する透過性部材」とは、厚さ2.0mmの部材に対してレーザー光を照射した場合のレーザー光の透過率が30%以上の部材を意味する。また、本発明において「レーザー光に対して吸収性を有する吸収性部材」とは、厚さ2.0mmの部材に対してレーザー光を照射した場合のレーザー光の吸収率が90%以上の部材を意味する。
透過性部材および吸収性部材を用いることで、透過性部材と吸収性部材との間でレーザー溶着が可能となる。本実施形態では、透過性部材、吸収性部材ともに樹脂材料を用いて形成されている。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図3ないし6を参照して説明する。図3は本実施形態を説明するための斜視図であり、図4は本実施形態を説明するための断面図である。
図3(a)および図4(a)に示すように、まず、レーザー光を発する光源24(図3(c)参照)と、第1の部材21と、第2の部材22と、マスク25と、スペーサ26と、が用意される(用意工程)。第1の部材21はレーザー光を吸収する素材からなり、第2の部材22はレーザー光を透過させる素材からなる。マスク25はレーザー光透過部27とレーザー光遮断部28とを含む。スペーサ26はレーザー光を透過させる素材からなる。
次に、第1の部材21のうち第2の部材と接合される接合領域21aが第2の部材22と接するように第1の部材21が配置される(配置工程、図3(b)および図4(b))。本実施形態では、第1の部材21aに凹部23が形成されており、凹部23を覆うように第2の部材22が位置している。
また、第2の部材22の、第1の部材21の側とは反対の側にマスク25が配置され、第2の部材22とマスク25との間にスペーサ26が配置される。第2の部材22とマスク25との間にスペーサ26を配置することで、接合領域21aとマスク25との間の間隔がほぼ一定に保たれる。第2の部材22に凹凸があり第2の部材22上にマスクを配置しても接合領域21aとマスク25との間の間隔を一定にすることができない場合に、スペーサ26は有利に働く。
続いて、図3(c)および図4(c)に示すように、光源24を用いて、マスク25、スペーサ26および第2の部材22を介して第1の部材21へレーザー光を照射する(照射工程)。
本実施形態では光源24はワイドビームレーザー光29を発する。また、マスク25のレーザー光透過部27はワイドビームレーザー光29のうち接合領域21aへ向かうレーザー光が通る領域に少なくとも形成されている。したがって、光源24がワイドビームレーザー光29を発しながらワイドビームレーザー光29と交わる所定の方向(以下、「D1方向」と称する)へ移動することで、接合領域21aの全体へレーザー光が照射される。
もちろん、第1および第2の部材21,22、マスク25並びにスペーサ26を光源24に対して移動させてもよい。すなわち、光源24は第1および第2の部材に対して相対的にD1方向へ移動すればよい。
なお、図4は、D1方向に沿った面で第1および第2の部材21,22、マスク25並びにスペーサ26を切断したときの断面図である。
レーザー光が接合領域21aへ照射されることで接合領域21aが溶融する。接合領域21aが冷却されて固まることで、接合領域21と第2の部材22とが互いに溶着され、第1および第2の部材21,22からなる接合体が完成する(図3(d)および図4(d))。
その後、記録素子ユニット9(図1(b)参照)が第1および第2の部材21,22からなる接合体に取り付けられる。すなわち、記録素子基板11(図1(b)参照)が当該接合体に取り付けられる。このとき、流路10a(図1参照)が第2の部材22に形成された開口を介してインク供給口14(図2参照)と連通する。
ここで、マスクの構造について図4(c)を用いて詳述する。図4(c)に示すように、マスク25のレーザー光透過部27は、第1の透過部27aおよび第2の透過部27bを含む。
第1の透過部27aは、マスク25の、接合領域21aへ向かうレーザー光が通る領域に形成されている。第2の透過部27bは、マスク25の、第1の透過部27bに対してD1方向とは逆方向(以下、「D2方向」と称する)の側に位置する領域に形成されている。
マスク25に第2の透過部27bが設けられていることで、ワイドビームレーザー光29の一部は、第1の部材21の非接合領域のうち接合領域21aに対してD2方向の側に位置する領域(「予照射領域」とも称す)21bへ照射される。言い換えれば、第1の透過部27aは接合領域21aへ向かうレーザー光を透過させ、第2の透過部27bは予照射領域21bへ向かうレーザー光を透過させる。
図5はマスク25の設計方法の一例を説明するための図である。マスク25の設計者は、まず、第1の透過部27aを設ける。その後、第1の透過部27aの位置に対してD2方向の側に、レーザー光を透過させる領域を設ける。当該領域が第2の透過部27bとなる。図5において、点線が描かれている箇所が第2の透過部27bを示している。
本実施形態では、マスク25を貫通する穴を第1および第2の透過部27a,27bとした。第1および第2の透過部27a,27bは開口の形態に限られず、レーザー光を透過させる部材であってもよい。
図6は本実施形態で使用されるマスク25の上面図である。図6に示されるマスク25は、接合領域21aのD1方向に関する幅が1mmである記録ヘッド7(図1参照)の製造に用いられるマスクである。レーザー光透過部27は、D1方向に関する幅が1.3mmの貫通穴として形成されている。すなわち、第1の透過部27aのD1方向に関する幅が1.0mmとされ、第2の透過部27bのD1方向の幅が0.3mmとされている。
再び図4を参照する。図4(c)からわかるように、第2の透過部27bを備えるマスク25を用いることで、レーザー光は、まず予照射領域21bへ照射され、その後、接合領域21aへ照射される。すなわち、レーザー光が接合領域21aへ照射される前に予照射領域21bがレーザー光を用いて加熱される。
予照射領域21bが予め加熱されることで、接合領域21aのうちレーザー光が最初に照射される照射開始部へ予照射領域21bから熱が伝わる。その結果、接合領域21aの全体の温度が比較的均一に上昇し、接合領域21aの全体において接合強度のばらつきが抑制される。
第2の透過部27bは第1の透過部27aから離れていてもよいが、第1の透過部27aに隣接している方がより好ましい。第2の透過部27bが第1の透過部27aと隣接していることで、予照射領域21bと接合領域21aとが隣接し、予照射領域21bから接合領域21aへ熱が伝わりやすくなる。
本実施形態では接合領域21aは凹部23の周縁に凹部23を囲んで環状に設けられているが、この態様に限られない。例えば、接合領域21aが、凹部23に対してD2方向の側、または凹部23に対してD1方向の側にのみ位置していてもよい。接合領域21aが凹部23を囲んでいない場合には、流路10a(図1参照)からの液体の漏出を防ぐため第1および第2の部材21,22の間の隙間を封止材やパッキンを用いて封止しておくことが望ましい。
本実施形態のように接合領域21aが凹部23を囲んでいると、接合領域21aが第1および第2の部材21,22の間の隙間を塞ぐので、封止材やパッキンを用いることなく流路10aからの液体の漏出を防ぐことができる。特に、液体は接合強度の弱い部分から漏れやすい。本実施形態によれば、接合領域21aの全体が比較的強い強度で第2の部材22に接合されるため、流路10aから液体がより漏れにくくなる。
また、本発明によれば、レーザー光の進行方向と交わる方向に光源24を移動させながら接合領域21aへレーザー光を照射するので、光源24の大きさを比較的小さくすることができる。その結果、光源24を用意する際の費用や保守点検の費用を抑制することができ、接合体の製造コストを抑制することが可能となる。
本実施形態ではレーザー光が照射される照射領域とレーザー光が照射されない非照射領域とをマスク25が分けているが、光源24がレーザー光を発するタイミングを制御することで照射領域と非照射領域とが分けられてもよい。すなわち、本発明では、何らかの手段を用いて、接合領域21aへレーザー光が照射される前に予照射領域21bへレーザー光が照射されればよい。
さらに、本実施形態では、ワイドビームレーザー光29を発する光源24が用いられているが、レーザー光を点状に照射可能な光源が用いられてもよい。ただし、レーザー光を点状に照射可能な光源を用いる場合、接合領域21aに沿って光源を移動させなければならないので、接合領域21aの全体へレーザー光を照射するのにより長い時間が必要とされることになる。
予照射領域21bを含む非接合領域は第2の部材22と接していてもよいが、第2の部材22から離れていることがより好ましい。非接合領域が第2の部材22から離れていることで、接合領域21aがより確実に第2の部材22と接し、第1および第2の部材21,22が接合領域21aにおいてより確実に接合される。
特に、図4(d)からわかるように、レーザー光は予照射領域21bへ照射されるので予照射領域21bにケロイド状の溶融痕が発生する。溶融痕は凹凸形状を有することが多い。そのため、予照射領域21bが第2の部材22に接していると接合領域21aが第2の部材22から離される虞がある。
予照射領域21bが第2の部材22から離れていることで、接合領域21aがより確実に第2の部材22と接し、第1および第2の部材21,22が接合領域21aにおいてより確実に接合される。
なお、D1方向に関する幅が1.3mmの貫通穴としてマスク25のレーザー光透過部27が形成されている例について説明したが、誤差ばらつきを考慮して次の幅を設定してもよい。
すなわち、図3(b)および図4(b)の配置工程では、第1の部材21、第2の部材22、マスク25、スペーサ26の位置決めの際に誤差ばらつきが生じる可能性がある。したがって、この誤差分を考慮してマスク25の第1の透過部27aのD1方向に関する幅を両側に0.05mmずつ余分を持たせて、1.1mmとしてもよい。第2の透過部27bのD1方向の幅を0.3mmとすると、レーザー光透過部27は、レーザー光透過部27のD1方向に関する幅が1.4mmの貫通穴として形成される。
この場合、予照射領域21bに加えて、第1の部材21のうち接合領域21aに対するD1方向の側の領域(図4(d)では凹部23)の一部にもケロイド状の溶融痕が発生する可能性があるが、予照射領域21bに発生する溶融痕の方がその面積は大きくなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図7を参照して説明する。図7は本実施形態を説明するための断面図である。なお、図7(a)は図4(c)に相当する図であり、図7(b)は図4(d)に相当する図である。
第1の実施形態では、凹部23に対してD2方向の側にのみ予照射領域21bが設けられている(図4(c)参照)。本実施形態では、図7(a)に示されるように、凹部23の内側面のうちD2方向を向く側面にも予照射領域21bが設けられている。
具体的には、ワイドビームレーザー光29を前述の側面に対して斜めに照射される。また、第2の透過部27bは、マスク25の、当該側面へ向かうレーザー光が通る領域にも設けられている。その結果、ワイドビームレーザー光29の一部が当該側面へ照射される。
凹部23の内側面のうちD2方向を向く側面に予照射領域21bを設けることで、接合領域21aのうち凹部23に対してD1方の向側に位置する部位にも予照射領域21bの熱が伝わる。その結果、接合領域21a全体の温度がより均一に上昇し、接合領域21a全体における接合強度のばらつきがより抑制される。
なお、図7(b)からわかるように、凹部23の内側面のうちD2方向を向く側面にケロイド状の溶融痕が発生する。凹部23の内側面のうちD1方向を向く側面および底面にはレーザー光は照射されず、ケロイド状の溶融痕は発生しない。
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態について図8ないし10を参照して説明する。図8は本実施形態を説明するための斜視図である。
図1(b)に示されるように、接合領域21aは細長くなっている。そして、第1の実施形態では、図3(c)に示されるようにD1方向は接合領域21aの短手方向に沿っている。
本実施形態では、図8に示されるようにD1方向は接合領域21の長手方向に沿っている。すなわち、本実施形態は第1の実施形態における光源24の移動方向を90度変えたものである。
図9は本実施形態で用いられるマスク25の設計方法の一例を説明するための図である。マスク25の設計者は、まず、第1の透過部27aを設ける。その後、第1の透過部27aの位置に対してD2方向の側に、レーザー光を透過させる領域を設ける。当該領域が第2の透過部27bとなる。図9において、点線が描かれている箇所が第2の透過部27bを示している。
図10は本実施形態で使用されるマスク25の上面図である。図10に示されるマスク25は、接合領域21aのD1方向に関する幅が1mmである記録ヘッド7の製造に用いられるマスクである。レーザー光透過部27は、D1方向に関する幅が1.3mmの貫通穴として形成されている。すなわち、第1の透過部27aのD1方向に関する幅が1.0mmとされ、第2の透過部27bのD1方向の幅が0.3mmとされている。
再び図7を参照する。本実施形態では、接合領域21aへレーザー光を照射する時間は第1の実施形態よりも長くなるが、光源24の幅を小さくすることができる。すなわち、光源24を第1の実施形態のものよりも小型化することができ、光源24に関連するコストをより抑制することができる。その結果、接合体の製造コストをより抑制することが可能になる。
21 第1の部材
21a 接合領域
21b 予照射領域
22 第2の部材
24 光源

Claims (9)

  1. 互いに接合された第1および第2の部材を備える接合体の製造方法であって、
    レーザー光を発する光源と、前記レーザー光を吸収する素材からなる前記第1の部材と、前記レーザー光を透過させる素材からなる前記第2の部材と、を用意する用意工程と、
    前記第1の部材のうち前記第2の部材と接合される接合領域が前記第2の部材と接するように前記第1の部材を配置する配置工程と、
    前記レーザー光の進行方向と交わる方向に前記光源を前記第1および第2の部材に対して相対的に移動させることで、前記第1の部材のうち前記接合領域に対して前記光源の移動方向とは逆方向の側に位置する予照射領域へ前記レーザー光を照射し、その後、前記接合領域へ前記レーザー光を照射して前記接合領域を前記第2の部材に溶着させる照射工程と、を含む製造方法。
  2. 前記用意工程において、前記接合領域へ向かう前記レーザー光を透過させる第1の透過部と、該第1の透過部に対して前記移動方向とは逆方向の側に位置し、前記予照射領域へ向かう前記レーザー光を透過させる第2の透過部と、を含むマスクを用意し、
    前記照射工程において、前記レーザー光を発している前記光源を前記移動方向に移動させることで、前記第2の透過部を介して前記レーザー光を前記予照射領域へ照射し、その後、前記第1の透過部を介して前記レーザー光を前記接合領域へ照射することを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第1および第2の透過部の少なくとも一方が前記マスクを貫通する開口である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記予照射領域は前記第2の部材から離れている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記用意工程において用意される前記第1および第2の部材の少なくとも一方が凹部を有しており、
    前記配置工程において、前記凹部を覆う位置に前記第1および第2の部材の他方を配置し、前記凹部と前記他方の部材とを用いて流路を形成することを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記接合領域の一部が前記凹部に対して前記逆方向の側に位置しており、
    前記予照射領域の一部は、前記接合領域に形成された前記一部に対して前記逆方向の側に位置している、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記接合領域の一部が前記凹部に対して前記移動方向の側に位置しており、
    前記予照射領域の一部は、前記凹部の内側面のうち前記逆方向を向く側面に位置しており、
    前記照射工程において、前記レーザー光の進行方向を前記側面に対して該側面に前記レーザー光を照射する、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記接合領域は前記凹部の周縁に前記凹部を囲んで環状に設けられている、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 液体を吐出するための吐出口が設けられた液体吐出基板と、
    請求項5ないし8のいずれか1項に記載の製造方法により製造された接合体と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記接合体に前記液体吐出基板を固定するとともに、前記吐出口と前記流路とを連通させる工程をさらに含む、液体吐出ヘッドの製造方法。
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