JP5279380B2 - 遮音シート - Google Patents
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Description
そのため、排水配管からの排水音を遮蔽するための遮音材が種々開発され提案されている。例えば、特許文献1には、排水管の外周を吸音材であるグラスウールで覆い、吸音材の外周を金属薄膜または高分子材料で形成された遮音材で覆い、遮音材の外周を熱収縮性フィルムで被覆した防音管体が記載されている。また、特許文献2には、排水配管に巻き付けるための、ニードルフェルトによる吸音層および軟質塩化ビニル樹脂による遮音層の2層構造の防音シート体が記載されている。この防音シート体は、排水配管に巻いた後、巻かれて重なる2つの端部を、長さ方向に複数設けられたスナップボタンで固定するものである。
その点、特許文献2に記載された防音シート体は、施工された排水配管に対してあとから施工することができるので、既設の排水配管に防音処理を行うことが可能である。
しかし、特許文献2に記載された防音シート体は、排水配管に巻き付けられた後に、間隔をあけて設けられたスナップボタンにより固定するものであるため、スナップボタン間の両端部の重ね合わせに隙間が生じ易く、音漏れする懸念がある。
好ましくは、前記第2重合部領域の幅が20〜50mmである。
好ましくは、前記内層は、遮断層であって軟質塩化ビニル樹脂で形成され、前記外皮層は、吸音層であって軟質ウレタン樹脂で形成される。
図1ないし図3において、遮音シート1は、吸音層2、遮音層3および面ファスナー4a,4b等からなる。遮音シート1は、取り付け対象の管の材質および外径によりその大きさが異なる。図1ないし図3に示される遮音シート1は、立管に使用される塩化ビニル樹脂管に取り付けられるものであり、その寸法は、例えば長さ1350mm、幅500mmである。
遮音シート1において、吸音層2、遮音層3および面ファスナー4a,4bは、ミシン縫いにより縫い合わされている。吸音層2と遮音層3とは、それぞれの両短辺および一方の長辺が揃えて重ねられている。遮音層3における他方の長辺近傍には、吸音層2に重ならない延在部33を有する。面ファスナー4a,4bは、その一方4aが、遮音層3における、吸音層2の端に揃えられていない側(吸音層2に重なっていない側)の延在部33で吸音層2が重ねられた側の面(内面)に、長辺の長さ方向にわたって帯状に縫いつけられている。この帯状の領域を第1接合部領域29とする。また、この一方の面ファスナー4aは、吸音層2の端から20〜50mmの間隔をあけて配されている。この帯状の遮音層の単層領域を第1重合部領域30とする。
次に、遮音シート1の製造過程を説明する。
初めに、面ファスナー4a,4bが遮音層3に縫いつけられる。図1ないし図3における21,22,23は縫い目を示す。面ファスナー4bは、1箇所(一辺)の縫い目21のみの縫いつけである。
図4は遮音シート1が排水配管に施工された様子を示す図、図5は図4におけるB−B矢視断面図である。
るものである。
遮音シート1は、面ファスナー4a,4bの長手方向が管の軸方向になるようにして立管5に巻かれる。巻かれた遮音シート1は、面ファスナー4a,4bが接し合わされて立管5に取り付けられる。
遮音シート1は、その吸音層2の短辺の長さが取り付けられる立管5の外径に略等しいものが使用され、立管5に巻かれたときに、吸音層2の長辺の端部同士が突き合わせた状態となる。つまり、遮音シート1は、吸音層2が立管5の全周に接した状態で取り付けられるので、音漏れの原因となる立管5との隙間、吸音層2の端部間の隙間および遮音層の重なり部分の隙間を極力小さくすることができる。遮音層3のみからなる延在部33における一方の面ファスナー4aが縫いつけられていない部分(「第1重合部領域30」という)は、遮音層3における他方の面ファスナー4bが縫いつけられた側に充分な幅をもたせて比較的密着させて重ね合わせることができる。さらに、遮音シート1の全長にわたり帯状の面ファスナー4a,4bにより両端部が密着させた状態で閉じられるので、スナップボタンで閉じたときに生ずるおそれがあり音漏れの要因となる隙間が生じない。
図6は継ぎ手9により接続された立管5,5に施工された様子を示す図である。
立管5,5の露出する部分は、上記したと同様にして遮音シート1,1が取り付けられて被覆される。継ぎ手9は、この継ぎ手9の最大外周と略等しいまたはそれよりも長い短辺の吸音層2を有し必要な長さに切断された遮音シート1Bにより、その外面全体が被覆される。継ぎ手9を被覆する遮音シート1Bは、立管5,5を被覆する遮音シート1,1と比べ、吸音層2および遮音層3の大きさが異なるのみで、その材質等の構成は同じである。遮音シート1Bは、立管5,5に取り付けられた遮音シート1,1の端部を覆い、遮音シート1,1との間に隙間が生じないように遮音シート1Bの両端部がバンド10,10により締め付けられている。
図7は排水集合管6用の遮音シート1Cの正面図、図8は遮音シート1Cの裏面図、および図9は図7におけるC−C矢視断面図である。
遮音シート1Cは、吸音層2C、遮音層3Cおよび面ファスナー4Ca,4Cb等からなる。遮音シート1Cは、取り付けられる排水集合管6と立管5との接続型式(フランジ接続、差し込み接続等)および大きさによって種々の長さおよび幅のものが用意される。
遮音層3Cは、可撓性を有する合成樹脂または合成ゴム等の長方形のシートである。遮音層3Cは、長辺の長さおよび短辺の長さのいずれも吸音層2Cよりも長い。遮音層3Cは、通常の取り扱いでは破断しない強度を有し、軟質塩化ビニル樹脂で形成されている。遮音層3Cとして、上に遮音層3の説明において列記した他の材料を使用してもよい。
吸音層2C、遮音層3Cおよび面ファスナー4Ca,4Cbは、ミシン縫いにより縫い合わされて遮音シート1Cに形成されている。図7を参照して、吸音層2Cと遮音層3Cとは、それぞれの長辺の一方同士およびそれぞれの短辺の一方同士を揃えて重ねられて縫
い合わされる。遮音層3Cにおける長手方向端部の吸音層2Cが重ねられていない部分には、吸音層2Cの短辺と平行に面ファスナー4Caが縫いつけられる。面ファスナー4Ca,4Cbは、排水集合管6の表面に凹凸があることから、取り付けに柔軟性を付与するため、遮音シート1に比べてその幅が広い。
遮音シート1Cは遮音シート1と略同様の過程で製造される。
初めに、面ファスナー4Ca,4Cbが遮音層3Cに縫いつけられる。図7ないし図9における21,22,23は縫い目を示す。面ファスナー4Cbは、1箇所(一辺)の縫い目21のみの縫いつけである。
図10は遮音シート1Cが排水集合管6に取り付けられた様子を示す図である。
図10に示される排水集合管6は、その下端に延焼防止装置7が取り付けられている。また、図10に示される排水配管の立管5には、先に説明した遮音シート1が取り付けられている。
遮音シート1Cは、切り込み12C,…,12Cが設けられていない長辺側を、排水集合管6が埋設された床スラブ11の下面に接触させた状態で、床スラブ11から下階Fdに突出する排水集合管6の下部および延焼防止装置7の外周に巻かれる。
遮音シート1Cは、床スラブ11から下階Fdに突出する排水集合管6の下部を完全に被覆することができるので、排水集合管6で発生する排水音を効率よく遮断することができる。排水集合管6の下部の遮断には、遮音シート1Cの一端と他端とを連続的に閉じ音漏れの要因となる隙間を生じさせない面ファスナー4Ca,4Cbが、大きく寄与している。
れも合わせ面の全ての範囲で、簡単かつ確実に隙間なく巻き付けることができる。また、遮音シート1は、建築物の階高に合わせて切断することにより、標準サイズ1種類で色々な階高に施工することができる。また、直管途中にある継ぎ手9に対しても、遮音シート1を切断することで対応することができる。そして、遮音シート1を切断した場合でも、面ファスナー4a,4bで閉じるため、切断部分から確実に合わせて留めることができる。
図11は他の遮音シート1Dの正面図である。
遮音シート1Dは、先に説明した遮音シート1における一方の面ファスナー4aが連続する帯状のものであったのに対し、長さの短い短冊状の短面ファスナー41Dが複数間隔を有して1列に並べられて面ファスナー4Daが形成されている。なお、この面ファスナー4Dは、遮音層3における、吸音層2の端に揃えられていない側(吸音層2に重なっていない側)の延在部33で吸音層2が重ねられた側の面(内面)に、長辺の長さ方向にわたって1列に縫いつけられたものである。
図12は他の遮音シート1Eの裏面図である。
遮音シート1Eは、長辺近傍の吸音層2が重ねられた面とは反対の面(外面)に吸音層2および遮音層3とともに縫いつけられた一方の面ファスナー4Ebが、長手方向に幅が変化、つまり一端から他端に向かうにつれてその幅が広くなっている点で、さきに説明した遮音シート1と異なる。他の点では、遮音シート1Eは遮音シート1と同じであり、図12において遮音シート1と同一の構成を有するものについては遮音シート1と同じ符号を付す。
遮音シート1Fは、面ファスナー4Fa,4Fbのいずれか一方またはいずれもその幅が遮音シート1における面ファスナー4F,4Fのいずれかまたはいずれよりも大きい。そのため、両方の面ファスナー4Fa,4Fbを接合したときの内径に自由度があり、規格寸法の立管5の外面に何らかの加工が施されて見かけ上外径がおおきくなったもの、または外径が若干大きな規格外の立管5にも取り付けることが可能である。
図14は他の遮音シート1Gの図4におけるB−B矢視断面に相当する図である。
遮音シート1Gは、延在部33Gにも吸音層2Gが縫いつけられている点で遮音シート1Fと異なる。延在部33Gにおける遮音層2Gの厚さは、他の部分の遮音層2Gに比べて薄い。遮音シート1Gは、遮音シート1Fが、外径が大きな立管5に巻かれたときに生じさせる吸音層2の長辺の両端部間の隙間からの音漏れを延在部33Gに重ねられた遮音層2Gにより減少させることができる。
遮音シート1Hにおける、遮音層3Cの長手方向端部の吸音層2Cが重ねられていない部分に、吸音層2Cの短辺と平行に縫いつれられた面ファスナー4Haは、その幅L1が、他方の面ファスナー4Cbの幅L2に比べて2倍程度大きい。そのため、遮音シート1Cに比べて、第1接合部領域29Hおよび延在部33Hの幅も大きくなっている。
が設けられたことにより外回りの大きさが多少大きくなった排水集合管6にも柔軟に対応することが可能となる。
上述の実施形態において、面ファスナー4a,4Ca,4Da,4Fa,4Ha,4b,4Cb,4Eb,4Fbの遮音層3,3C,3Fへの取り付けを、ミシンによる縫い合わせでなく、他の機械的または熱的な方法、例えば、工業用ステープラー、ファスナー、スマートピン(T字状端部結束具)および熱溶融パテ等で行うことができる。ここでいう「機械的または熱的」とは、人体に有害な環境ホルモンガスを発する接着剤等を利用する接合方法を除く意である。
2,2C,2G 内層、吸音層
3,3C,3F 外皮層、遮音層
4a,4Ca,4Da,4Fa,4Ha (面ファスナーの)一方の部材
4b,4Cb,4Eb,4Fb (面ファスナーの)他方の部材
5 排水配管、排水管(立管)
6 排水配管、排水集合管
29,29H 第1接合部領域
30 第1重合部領域
31 第2接合部領域
32 第2重合部領域
33,33G,33H 延在部
Claims (3)
- 配管を被覆し音を遮蔽する複数の層からなる遮音シートであって、
一方の端部に内層から延在し外皮層のみからなる延在部を有し、
延在部の外皮層内面には、
帯状の第1重合部領域と、
前記第1重合部領域の前記一方の端部側において前記第1重合部領域に並ぶ帯状の第1接合部領域と、を有し、
他方の端部の外皮層外面には、
遮音シートを筒状に丸めたときに前記第1重合部領域に重ねるための帯状の第2重合部領域と、
遮音シートを筒状に丸めたときに前記第1接合部領域に重ねるための帯状の第2接合部領域と、を有し、
前記第1接合部領域および前記第2接合部領域には、面同士で接し合わされる面ファスナーの互いに異なる一方が前記第1接合部領域および前記第2接合部領域に固定されている
ことを特徴とする遮音シート。 - 前記第2重合部領域の幅が20〜50mmである
請求項1に記載の遮音シート。 - 前記内層は、遮断層であって軟質塩化ビニル樹脂で形成され、
前記外皮層は、吸音層であって軟質ウレタン樹脂で形成された
請求項1または請求項2に記載の遮音シート。
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