JP6178770B2 - 排水管の延焼防止機構 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の排水管に取り付けられて構成され、火災時において排水管を介した下階から上階への延焼を防止するための排水管の延焼防止機構に関するものである。
建築物の排水管に取り付けられ、火災時において排水管を介した下階から上階への延焼を防止するための排水管の延焼防止機構につき、従来の一例として、特許文献1に記載されたものがある。この延焼防止機構は、多層階建築物における床スラブを貫通して設置され、金属等の不燃性材料で形成された集合排水管と、この集合排水管の下方に接続され、可燃性材料で形成された立て管と、この立て管の外部に設けられ火災時に火災の熱により、焼失した立て管部分において径内方向へと膨張して排水流路を覆う膨張材と、を備えるものである。
特許文献1に記載された複数の例のうち、立て管の上端部に集合排水管の下端部を挿入できるように拡径された受け口部が形成されている排水管に対して適用したものがある(特許文献1の0028段落及び図5)。この例では、不燃性である集合排水管に膨張材を支持できる部分が存在しないため、床スラブの下面にボルト等を用いて筒形の延焼防止部材が取り付けられており、この延焼防止部材により膨張材が支持されている。
ところが、このように床スラブの下面に延焼防止部材が取り付けられた構造では、排水の通過に伴って生じる排水管の流水音が、延焼防止部材を介して床スラブに伝達されてしまい、居室内に騒音が発生するという問題がある。この問題は、仮に排水管の周囲に遮音材を配置したとしても、排水管と床スラブとが延焼防止部材でつながっている以上、音の伝達が遮断されないため解消できない。
特開2008−208653号公報(0028段落、図5)
そこで本発明は、排水管が立て管の上端部に集合排水管の下端部を挿入できる受け口部が形成されている排水管であったとしても、排水管の流水音を床スラブに伝達させない、排水管の延焼防止機構を提供することを課題とする。
本発明は、多層階建築物における床スラブを貫通して設置され不燃性材料で形成された集合排水管と、前記集合排水管の下方に接続され可燃性材料で形成された立て管と、を備えた排水管に取り付けられる、排水管の延焼防止機構において、前記集合排水管の下端よりも下方の位置で、前記立て管の外周面に取り付けられ、火災時に前記立て管が焼損した場合、火災の熱により径内方向へと膨張して排水流路の少なくとも一部を覆う膨張材と、吸音性を有する耐火素材で形成され、上端が前記集合排水管に取り付けられ、下端が前記立て管に取り付けられ、前記膨張材を、火災時に当該膨張材が径外方向へも膨張して内面に当接する位置にて径外方向から覆いつつ、前記排水管の流水音が排水管外に伝達されることを抑制する遮音カバーと、を備えることを特徴とする排水管の延焼防止機構である。
この構成によれば、遮音カバーが膨張材を径外方向から覆うように構成されている。このため、膨張材を遮音カバーで覆うだけで延焼防止機構を構成できるので、両者の位置決めの手間がかからず、施工が容易である。また、吸音性を有する遮音カバーにより、排水管の流水音を床スラブに伝達させずに遮音できる。
また、前記立て管の上端部には、前記集合排水管の下端部を挿入できるように中間部よりも拡径された受け口部が形成されており、前記遮音カバーは、前記排水管に取り付けられる際に上下方向となる複数のスリットを一端に備えることもできる。
この構成によれば、一端に備えられた複数のスリットにより、遮音カバーを立て管に取り付ける際に遮音カバーを受け口部下端の段差に追随させることが容易となり、遮音カバーを取り付けやすい。
また、前記立て管の上端部には、前記集合排水管の下端部を挿入できるように中間部よりも拡径された受け口部が形成されており、前記遮音カバーは、前記排水管に取り付けられる際に上下方向となる複数のスリットを当該遮音カバーの中間部に備えることもできる。
この構成によれば、中間部に備えられた複数のスリットにより、遮音カバーを立て管に取り付ける際に遮音カバーを受け口部上端の段差に追随させることが容易となり、遮音カバーを取り付けやすい。
また、前記遮音カバーは、厚み方向に貫通する切り込みの形成により捲ることのできる窓部を備えることもできる。
この構成によれば、窓部を捲ることで、遮音カバーで覆われた内部を視認できる。このため、例えば膨張材の取り付け忘れ等の施工ミスを遮音カバーの取り付け後でも確認できる。また、排水管の水漏れ試験を行う際、試験実施者が排水管を窓部越しに視認できる。
また、前記遮音カバーは筒状とできる。
この構成によれば、遮音カバーを集合排水管または立て管に差し込むだけで取り付け可能であるため、施工が容易である。
また、前記遮音カバーは、前記排水管に取り付けられる際に前記排水管に対向する側の面に、他の部分よりも厚み寸法の大きいスペーサー部を備えることもできる。
この構成によれば、集合排水管に縮径部分が存在していても、外面を湾曲させることを避けつつ遮音カバーを取り付けることができるので、取り付け後の遮音カバーの外観を良好にできる。
また、前記遮音カバーは、互いに分離して形成された上部カバー及び下部カバーと、前記上部カバーと前記下部カバーとを連結する連結部材と、を備えることもできる。
この構成によれば、上部カバーと下部カバーとが連結部材により連結されるまでは、各カバーを捲ることで集合排水管及び立て管を露出させることができる。このため、排水管の水漏れ試験を行う際、試験実施者が排水管を露出させて直接視認できる。
また本発明は、多層階建築物における床スラブを貫通して設置され不燃性材料で形成された集合排水管と、前記集合排水管の下方に接続され可燃性材料で形成された立て管と、を備えた延焼防止機構付き排水管を構築する工法において、前記立て管の外周面に、火災時に前記立て管が焼損した場合、火災の熱により径内方向へと膨張して排水流路の少なくとも一部を覆う膨張材を取り付け、吸音性を有する耐火素材で形成された遮音カバーを取り付けた状態とした前記集合排水管を前記立て管に取り付けることを特徴とする、延焼防止機構付き排水管を構築する工法である。
この工法によれば、集合排水管にあらかじめ遮音カバーを取り付けた状態としておく。このため、膨張材を受け口部に取り付けた状態の立て管に、遮音カバーの付いた集合排水管を取り付けることで、延焼防止機構付き排水管を容易に構築できる。
また本発明は、多層階建築物における床スラブを貫通して設置され不燃性材料で形成された集合排水管と、前記集合排水管の下方に接続され可燃性材料で形成された立て管と、を備えた延焼防止機構付き排水管を構築する工法において、前記立て管の外周面に、火災時に前記立て管が焼損した場合、火災の熱により径内方向へと膨張して排水流路の少なくとも一部を覆う膨張材を取り付け、吸音性を有する耐火素材で形成された上部カバーを前記集合排水管に取り付け、吸音性を有する耐火素材で形成された下部カバーを前記立て管に取り付けた状態とし、前記集合排水管を前記立て管に取り付け、その後に、前記上部カバーと前記下部カバーとを連結部材を用いて接続することを特徴とする、延焼防止機構付き排水管を構築する工法である。
この工法によれば、遮音カバーが、互いに分離した上部カバーと下部カバーとからなるよう構成されていても、延焼防止機構付き排水管を容易に構築できる。
本発明は、膨張材を遮音カバーで覆うだけで延焼防止機構を構成できるので、両者の位置決めの手間がかからず、施工が容易である。よって、排水管が立て管の上端部に集合排水管の下端部を挿入できる受け口部が形成されている排水管であったとしても、排水管の流水音を床スラブに伝達させない、排水管の延焼防止機構を提供できる。
本発明の第1実施形態を示す、延焼防止機構及び床スラブを縦断面表示した図である。 本発明の第2実施形態を示す、延焼防止機構及び床スラブを縦断面表示した図である。 遮音カバーの一例を示し、(a)は取り付け時に内面となる面の平面図、(b)は側面図、(c)は筒状にされた状態を示す平面図である。 本発明の第3実施形態を示す、延焼防止機構及び床スラブを縦断面表示した図である。 本発明の第4実施形態を示す、延焼防止機構及び床スラブを縦断面表示した図である。
次に、本発明につき、実施形態をいくつか取り上げて説明を行う。なお、以下の説明における方向表示は、排水管Pに膨張材1、遮音カバー2等を取り付けた状態における方向を示し、特に径方向の内外については、排水管Pにおける排水流路の横断面中心を基準とした径方向を示す。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。本実施形態の延焼防止機構は、図1に示すように、膨張材1と、遮音カバー2と、取付部材3とを備え、多層階建築物における床スラブSを貫通して設置され不燃性材料で形成された集合排水管P1と、前記集合排水管P1の下方に接続され可燃性材料で形成された立て管P2と、を備えた排水管Pに取り付けられて構成される。集合排水管P1は鋳鉄製である。集合排水管P1は、床スラブSの上方にて床スラブS上の部屋における排水を集約して下階に落下させることのできる管であり、図示のように、床スラブSを横方向に延びる枝管P3を接続できるよう構成されている。集合排水管P1と立て管P2とは、建築物の各階に対応して上下方向に交互に配置されており、内部に一連の排水流路が形成されている。立て管P2は、一般的には鉛直方向に延びる直管であるが、場合によってはエルボ等を介して水平方向や斜め方向へと排水流路が曲げられていてもよい。
膨張材1は、立て管P2の上端部に形成されており中間部よりも拡径された受け口部P21の外周面に取り付けられる。この取り付けは、図1に示すように、集合排水管P1の下端P12よりも下方の位置でなされる。本実施形態における立て管(受け口部P21を含む)P1は、塩化ビニル樹脂により形成されている。本実施形態の受け口部P21は立て管P2の本体に対して別部材とされており、接着により一体とされているが、これに限定されず、立て管P2の本体が拡径されて受け口部P21が形成されていてもよい。
この膨張材1は、あらかじめシート状に成形されており、このシート状体を受け口部P21の外周面に貼り付けることで、膨張材1を立て管P2に取り付けることができる。膨張材1は柔軟性を有しており、湾曲した受け口部P21の外周面に追従させることができるため、容易に取り付け可能である。本実施形態では、前記受け口部P21への貼り付けは膨張材1自体の有する粘着性によってなされるが、別途接着剤を用いることもできる。
なお、膨張材1の受け口部P21への取り付け前の形態はシート状に限定されない。例えばパテ状などの不定形のものを受け口部P21の外周面に巻き付けることもできるし、テープ状に成形されたものを適宜の巻き数で受け口部P21の外周面に巻き付けることもできる。本実施形態では、膨張材1と遮音カバー2との間には特に何も設けられないが、例えば膨張材1の径外位置にバンド状の金具や針金を配置することもできる。
膨張材1は熱を受けると膨張する樹脂から構成されている。よって、この膨張材1は、火災時に可燃性である塩化ビニル樹脂により形成された前記受け口部P21が焼損(完全に焼失する場合と、一部が燃え残る場合とを含む)し、膨張材1よりも径内側に空間が生じた場合、火災の熱により径内方向へと膨張して排水管Pの排水流路が閉じられる(完全に閉じられないことがあっても、少なくとも排水流路の一部は覆われる)。この閉じられた(または覆われた)部分で炎または高熱の空気や煙が食い止められるため、下階からの集合排水管P1を介した上階の延焼が抑制される。なお、膨張材1の径外方向への膨張は、遮音カバー2の内面との当接により抑制される。
遮音カバー2は、本願出願人による特開2010−236330号公報に記載された「集合管用遮音カバー」と同種のものである。この遮音カバー2は吸音性を有する耐火素材で形成されている。本実施形態の遮音カバー2は、グラスウールがフェルト状であるシート状に成形されて内側層201とされており、内側層201の取り付け時における外面にアスファルトが塗布されて外側層202とされている。また、外側層202の更に外側には表面保護用のシートが貼付されている。
この遮音カバー2は、膨張材1を径外方向から覆いつつ、排水管Pを覆った範囲において、排水管Pの内部に通水されることで生じる流水音が排水管外に伝達されることを抑制する。具体的には、遮音カバー2におけるグラスウールからなる内側層201が流水音を吸収し、アスファルトからなる外側層202が流水音の透過を遮断する。なお遮音カバー2は、音以外に振動の伝達も抑制できる。本実施形態では、排水管Pの周方向全周に遮音カバー2が配置される。しかしこれに限定されず、火災時における膨張材1の径外方向への膨張抑制がなされるのであれば、排水管Pの周方向の一部に遮音カバー2が配置されるよう構成されることもできる。
遮音カバー2は排水管Pに対し、上端2Hが集合排水管P1に重なり、下端2Lが立て管P2に重なるように配置される。本実施形態においては、上端2Hが床スラブSの上面S1に略一致し、下端2Lが立て管P2における受け口部P21の更に下方に位置する。本実施形態の遮音カバー2は、集合排水管P1において下方に向かうにつれ径寸法が小さくなる縮径部分P11の外面に追従するように取り付けられる。このため遮音カバー2は、図1に示すように上下方向の途中でくびれた形状で排水管Pに取り付けられる。遮音カバー2の上部は、集合排水管P1を通すために床スラブSを上下方向に貫通する貫通孔S3に詰められるモルタルMにより、集合排水管P1及び床スラブSに対して取り付けられる。
取付部材3は、遮音カバー2の下部を立て管P2に取り付けるために用いられる。本実施形態では、取付部材3として樹脂製のバンドが用いられており、遮音カバー2の下部を径外から締め付けることにより、遮音カバー2を立て管P2の外面に密着させることができる。取付部材3は樹脂製のため、火災時に溶けて消失してしまうが、火災時に遮音カバー2における内側層201のグラスウールは硬化するため、火災時でも遮音カバー2の形状は保たれる。
ここで、火災時に膨張材1は径外方向へも膨張して遮音カバー2の内面に当接するため、膨張材1は落下することなく、この接触した状態で位置保持される。また、火災時に遮音カバー2における内側層201のグラスウールは硬化するため、火災時であっても遮音カバー2の形状は保たれるので、前記膨張材1の位置保持が確実になされる。このため、膨張材1による排水管Pの排水流路の閉鎖(または排水流路の一部を覆うこと)状態が保たれ、下階からの集合排水管P1を介した上階の延焼を抑制できる。
本実施形態では、図示のように、膨張材1と遮音カバー2とは物理的に接続されておらず、膨張材1がただ遮音カバー2で覆われただけの構成とされている。このような構成であるから、膨張材1を遮音カバー2で覆うだけで施工できるので、両者の位置決めの手間がかからず、簡単に施工できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態と相違する部分について主に説明し、符号についても第1実施形態と共通する符号を付して説明する。本実施形態の遮音カバー2は、排水管Pに対して図2に示すように垂下するように取り付けられる。このように取り付けるため、遮音カバー2の取り付け時の内面のうち、集合排水管P1における縮径部分P11に一致する部分の少なくとも一部には、スペーサー部21が形成されている。このスペーサー部21は、本実施形態では遮音カバー2の一部として形成されているが、遮音カバー2とは別体で形成されることもできる。図示のように、スペーサー部21の下端は受け口部P21の上方に位置している。このスペーサー部21は、床スラブSと集合排水管P1との間の空間を埋めることができるため、下層階の火災時において、床スラブSに火災の熱が伝わることを抑制できる。なお、スペーサー部21の上下寸法は図2に示すものよりも短くすることもできる。
ここで、本実施形態において用いられる遮音カバー2の一例を図3(a)〜(c)に示す。この遮音カバー2は、図3(a)に示すように、取り付け時に下端となる一端に、上下方向に延びる複数のスリット22が形成されている。このように一端に備えられた複数のスリット22により、スリット22が形成された部分を絞り込んだ状態に変形できる。このため、遮音カバー2を排水管Pに取り付ける際に遮音カバー2を受け口部P21の下端の段差に追随させることが容易となり、遮音カバー2を取り付けやすくなる。
また、図示はしていないが、前記スリット22と同様に、複数のスリットを遮音カバー2の、取り付け時の上下方向における中間部に備えることもできる。このように中間部に備えられた複数のスリットにより、遮音カバー2を排水管Pに取り付ける際に遮音カバー2を受け口部P21の上端P211の段差に追随させることが容易となり(例えば図1参照)、遮音カバー2を取り付けやすくなる。
また、図3(a)(b)に示すように、中間部のやや上方寄りに、他の部分よりも厚み寸法の大きいスペーサー部21が形成されている。このスペーサー部21は、第1実施形態における遮音カバー2(遮音カバー2の本体20)の排水管Pに取り付けられる際に内面となる側の面に対し、遮音カバー2の本体20を構成するグラスウールよりも密度の小さいグラスウールが取り付けられて形成されている。本実施形態では、遮音カバー2の本体20を構成するグラスウールに対し、スペーサー部21を構成するグラスウールが粘着テープ21aにより取り付けられているが、接着やピンにより取り付けられることもできる。このように遮音カバー2にスペーサー部21が形成されたことにより、集合排水管P1に縮径部分P11が存在していても、外面をできるだけ湾曲させずに遮音カバー2を取り付けることができるので、遮音カバー2に凹凸が生じにくく、取り付け後の遮音カバー2の外観を良好とできる。また、スペーサー部21のグラスウールは、遮音カバー2の本体20を構成するグラスウールよりも密度が小さいため変形しやすく、縦断面形状が例えば図3(b)に示す長方形から図2に示す楔形となり、集合排水管P1における縮径部分P11など、形状が変化する部分に容易に対応できる。
また、図3(a)に示すように、この遮音カバー2の上下方向における中間部分には、厚み方向に貫通する略コの字状の切り込み23aが複数形成されている。この切り込み23aにより、切り込み23aに囲まれた部分に捲ることのできる窓部23が形成される。遮音カバー2が排水管Pに取り付けられた状態において、この窓部23を外方に捲ることで、遮音カバー2で覆われた内部を視認できる。このため、例えば膨張材1の取り付け忘れ等の施工ミスを遮音カバー2の取り付け後でも確認できる。また、排水管Pの水漏れ試験を行う際、試験実施者が排水管Pを窓部23越しに視認できる。
また、この遮音カバー2は排水管Pに取り付けるに先立ち、図3(a)に示すように図示左右の一端部に粘着テープ24を取り付けて巻くことにより、図3(c)に示すように筒状に形成することができる。このように遮音カバー2をあらかじめ筒状にしておくことで、筒状の遮音カバー2を集合排水管P1または立て管P2に差し込むだけで取り付け可能であるため、施工が容易である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。ここでは、第1及び第2実施形態と相違する部分について主に説明し、符号についても第1及び第2実施形態と共通する符号を付して説明する。本実施形態の遮音カバー2は、図4に示すように、上端2Hが床スラブSの下面S2と略一致しており、床スラブSとは重ならない。本実施形態では、第1及び第2実施形態と比べ、遮音カバー2を床スラブSの貫通孔S3の内面と集合排水管P1の外面との間の狭い隙間に差し込む必要がないため、施工が容易である。
遮音カバー2の上部は上部固定バンド4によって固定される。本実施形態ではこの上部固定バンド4は、床スラブSの下面S2の至近に位置させるため、作業性を考慮して、一般に流通している樹脂製結束バンドが用いられる。ただ、上部固定バンド4は樹脂製のため、火災時に溶けて消失してしまう。このため、本実施形態では、火災時に遮音カバー2を落下させないようにする吊り下げ金具5が集合排水管P1に取り付けられている。この吊り下げ金具5は、集合排水管P1の外周面に固定されるバンド状の締結部51と、締結部51から径外方向に突出する複数の突出部52を備えている。突出部52は遮音カバー2を貫通しており、火災時に上部固定バンド4が消失(焼失)しても、突出部52から遮音カバー2がぶら下がったようにできるため、遮音カバー2は落下することがない。このため、火災の熱で硬化した遮音カバー2による膨張した膨張材1の位置保持がなされるので、膨張材1による排水管Pの排水流路の閉鎖(または排水流路の一部を覆うこと)が保たれ、下階からの集合排水管P1を介した上階の延焼を抑制できる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。ここでは、第1〜第3実施形態と相違する部分について主に説明し、符号についても第1〜第3実施形態と共通する符号を付して説明する。本実施形態は、第2実施形態を変形させたものであって、図5に示すように、遮音カバー2が上部カバー2aと下部カバー2bとに分けられたものである。上部カバー2aと下部カバー2bとは、断面形状がコの字状とされた連結部材6が上部カバー2aの下部と下部カバー2bの上部を貫通することによって接続される。また、本実施形態のスペーサー部21は上部カバー2aの上端から下端に亘って設けられている。
本実施形態では、上部カバー2aと下部カバー2bとが連結部材6により連結されるまでは、各カバー2a,2bを捲ることで集合排水管P1及び立て管P2を露出させることができる。このため、排水管Pの水漏れ試験を行う際、試験実施者が排水管Pを露出させて直接視認できるため、水漏れ試験を行いやすい。
(工法)
次に、延焼防止機構付き排水管を構築する工法につき、一例を説明する。最も単純な工法は、既に建築物に設置された集合排水管P1及び立て管P2に対し、受け口部P21に膨張材1を取り付け、集合排水管P1及び立て管P2にシート状の遮音カバー2を巻き付け、遮音カバー2の下部に取付部材3を取り付けるものである。遮音カバー2の上部は、第1及び第2実施形態では、床スラブSの貫通孔S3に詰められるモルタルMにより、床スラブSに固定される。第3実施形態では、上部固定バンド4により集合排水管P1に固定される。
他の工法として、集合排水管P1と立て管P2とが接続される前に、立て管P2の受け口部P21には膨張材1を取り付け、一方、集合排水管P1には遮音カバー2を接着等により取り付けておく。そして、前記各状態とされた集合排水管P1を立て管P2に取り付ける。この工法によれば、集合排水管P1を立て管P2に取り付けた時点で、膨張材1が遮音カバー2で覆われた状態とできているため、延焼防止機構付き排水管を容易に構築できる。
更に他の工法として、遮音カバー2が上部カバー2aと下部カバー2bとに分けられた場合、上部カバー2aを接着等により集合排水管P1に取り付け、下部カバー2bを取付部材3により立て管P2に取り付けた状態としておく。そして、前記各状態とされた集合排水管P1を立て管P2に取り付ける。その後(具体的には排水管Pの水漏れ試験終了後)、上部カバー2aと下部カバー2bとを連結部材6を用いて接続する。この工法によれば、遮音カバー2が上部カバー2aと下部カバー2bとに分けられた場合であっても、集合排水管P1を立て管P2に取り付けた時点で、膨張材1が遮音カバー2(上部カバー2a、下部カバー2b)で覆われた状態とできているため、延焼防止機構付き排水管を容易に構築できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
例えば、立て管P2に受け口部P21が形成されてない排水管Pに対しても、この排水管の延焼防止機構を適用することができる。つまり、集合排水管P1の下端部が拡径されており、この拡径された部分に立て管P2の上端部を挿入するよう構成された排水管Pや、集合排水管P1と立て管P2とがフランジ接続されるよう構成された排水管Pに対しても適用可能である。
1 膨張材
2 遮音カバー
2H 遮音カバーの上端
2L 遮音カバーの下端
2a 上部カバー
2b 下部カバー
21 スペーサー部
22 スリット
23 窓部
23a 切り込み
3 取付部材
6 連結部材
P 排水管
P1 集合排水管
P2 立て管
P21 受け口部
S 床スラブ

Claims (7)

  1. 多層階建築物における床スラブを貫通して設置され不燃性材料で形成された集合排水管と、前記集合排水管の下方に接続され可燃性材料で形成された立て管と、を備えた排水管に取り付けられる、排水管の延焼防止機構において、
    前記集合排水管の下端よりも下方の位置で、前記立て管の外周面に取り付けられ、火災時に前記立て管が焼損した場合、火災の熱により径内方向へと膨張して排水流路の少なくとも一部を覆う膨張材と、
    吸音性を有する耐火素材で形成され、上端が前記集合排水管に取り付けられ、下端が前記立て管に取り付けられ、前記膨張材を、火災時に当該膨張材が径外方向へも膨張して内面に当接する位置にて径外方向から覆いつつ、前記排水管の流水音が排水管外に伝達されることを抑制する遮音カバーと、を備えることを特徴とする排水管の延焼防止機構。
  2. 前記立て管の上端部には、前記集合排水管の下端部を挿入できるように中間部よりも拡径された受け口部が形成されており、
    前記遮音カバーは、前記排水管に取り付けられる際に上下方向となる複数のスリットを一端に備えることを特徴とする、請求項1に記載の排水管の延焼防止機構。
  3. 前記立て管の上端部には、前記集合排水管の下端部を挿入できるように中間部よりも拡径された受け口部が形成されており、
    前記遮音カバーは、前記排水管に取り付けられる際に上下方向となる複数のスリットを当該遮音カバーの中間部に備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の排水管の延焼防止機構。
  4. 前記遮音カバーは、厚み方向に貫通する切り込みの形成により捲ることのできる窓部を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の排水管の延焼防止機構。
  5. 前記遮音カバーは筒状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の排水管の延焼防止機構。
  6. 前記遮音カバーは、前記排水管に取り付けられる際に前記排水管に対向する側の面に、他の部分よりも厚み寸法の大きいスペーサー部を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の排水管の延焼防止機構。
  7. 前記遮音カバーは、互いに分離して形成された上部カバー及び下部カバーと、前記上部カバーと前記下部カバーとを連結する連結部材と、を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の排水管の延焼防止機構。
JP2014198143A 2014-09-29 2014-09-29 排水管の延焼防止機構 Active JP6178770B2 (ja)

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