JP2008064153A - 排水配管構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排水集合管1と、排水集合管1の上部流入口部5及び下部流出口部6に接続される立管部材20と、排水集合管1の枝管接続部8に接続される枝管部材21とを有し、排水集合管1における管本体7の外周面及び立管部材20の外周面を取り囲んで、遮音層17を含む複合被覆層15が設けられている。
【選択図】図1
Description
この種の排水管システム等において、床スラブを貫通して設置される排水集合管などの配管部材に対しては、排水騒音が床スラブに伝搬して室内へ放射される、いわゆる躯体伝播音を防止する対策として、種々のものが提案されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、躯体伝播音や空気伝播音と呼ばれる排水時の騒音を防止する機能を具備した排水配管構造を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る排水配管構造は、複数階の床スラブを有すると共に各床スラブを縦方向に貫通する貫通孔が設けられた建物躯体に対し上記貫通孔を通して建て込むものであって、上記貫通孔へ嵌め込まれる状態で床スラブ上に上部流入口部が設けられ床スラブ下に下部流出口部が設けられる管本体に対し床スラブ上に少なくとも1本の枝管接続部が設けられた金属製の排水集合管と、排水集合管の上部流入口部及び下部流出口部に接続される立管部材と、排水集合管の枝管接続部に接続される枝管部材とを有し、上記立管部材の外周面を取り囲んで遮音層が設けられている。
なお、排水集合管は樹脂製のものとすることができる。また排水集合管は、管本体及び枝管接続部が共に樹脂製とされたうえでその全外周面に耐火モルタル層が被覆形成されたもの(所謂、耐火二層構造)とすることもできる。
金属製の排水集合管や樹脂製の排水集合管において、それらの管本体の外周面を取り囲んで遮音層を設けることも可能であり、このようにすることで排水騒音のうちの空気伝播音だけでなく、床スラブを介した躯体伝播音をも防止することができる。
なお、この場合、振動絶縁体が床スラブにおける貫通孔の上部開口部で露出するのを遮断する状態に振動絶縁体の上部環状面へ全周的に被さり且つ管本体の外周面全周に周接する状態で止水材を設けるのが好適となる。このように止水材を設けることで床スラブの肉厚方向への漏水防止効果を得ることができる。
なお、ここにおいて「耐熱及び不煙の適合性」とは、加熱時に所定温度に耐え得ると共に煙を発生しないことを言い、且つこの状況下において遮炎性、遮煙性及び遮熱性を有していることを言う。
枝管部材の外周面に遮音層を設けることもできる。遮音層と排水集合管、立管部材、又は枝管部材との間に吸音層を設けるのが好適である。
遮音層は、周方向の少なくとも1箇所に管軸方向へ通り抜けた割縁部が設けられたものとすることができる。このようにすれば、この割縁部を介して層内側の管用貼り付け面を解放できる状態になる。この割縁部には、周方向に対して外向き又は内向きとなる重合接着部が設けられたものとする。
なお、割縁部を1箇所だけ設ける場合、遮音層は周方向の一部が開いた状態の筒形状を呈したものとなり、且つ割縁部で腹開きするようにして層内側の管用貼り付け面を解放できることになる。また割縁部を周方向の2箇所以上設ければ、遮音層は部分円弧状断面の壁形状を呈した複数体に分割されることになり、これら複数のもの(壁形状をしたもの)を互いに連結合体させることでその全体として筒形状(排水集合管の管本体や立管部材等のまわりを一周する形体)を形成させることになる。
遮音層には、管軸方向の端部寄りに周方向に対して外向き又は内向きとなる重合接着部を設けるのが好適である。
遮音層に設けられた重合接着部は、両面テープや粘着性接着剤の塗布面などとしておくことも可能であるが、面ファスナーを採用するのが好適である。
このようにすることで、排水集合管の管本体や枝管接続部、立管部材或いは枝管に対して一旦、遮音層を装着した後でも、必要に応じて遮音層を取り外すことができるようになる。そのため、遮音層の装着時における位置的な微調整ができる他、装着後における配管側のメンテナンス(詰まりの清掃や点検等)に便利であり、また遮音層自体が劣化や損傷した場合の交換が容易に行えるといった利点もある。
なお、本発明において排水集合管1は、例えば図1に示すように集合住宅等の多層階建物にあって各階層ごとを区画する床スラブ2に設けられた貫通孔3を縦方向に貫通して配管設置される。本明細書において床スラブ2とは、各階層を区画するものだけに限らず、それ以外にも、水平方向に設けられる建物躯体であって配管用に縦方向の貫通孔3を有したもの全般を含めるものとする。
また排水集合管1は、上部流入口部5及び下部流出口部6を有した管本体7に対し、少なくとも1本の枝管接続部8が設けられたものであって、この排水集合管1が貫通孔3へ嵌め込まれた状態では、上部流入口部5及び枝管接続部8が床スラブ2の上になり、下部流出口部6が床スラブ2の下になる。
そして本発明に係る排水配管構造は、その基本構成として、床スラブ2の貫通孔3へ嵌め込まれる状態で設置される排水集合管1と、この排水集合管1の上部流入口部5及び下部流出口部6に接続される立管部材20と、排水集合管1の枝管接続部8に接続される枝管部材21とを有したものである。
排水集合管1において、管本体7及び枝管接続部8は鋳造により一体化された金属製のもの、又は塩ビ樹脂等により一体化された樹脂製のものとされる。
管本体7において、枝管接続部8の設けられた部分は上部流入口部5及び下部流出口部6よりも内径の拡大した合流部10として形成されている。またこの合流部10から下部流出口部6へ向けて徐々に縮径するテーパー管部11が設けられており、このテーパー管部11内を含め、枝管接続部8より下位となる内部には、上部流入口部5から下部流出口部6へ向けた水流を管内面に沿った旋回流に整流するための旋回羽根12が設けられている。
吸音層16はグラスウールやロックウール、軟質ウレタンフォーム、或いはセラミックファイバーやセルロースファイバー、ニードルパンチマット等によって厚さ4mm〜15mm程度に形成されている。
遮音層17はアスファルトシートやオレフィンシート、或いは鉄系充填材入り軟質シートなどによって厚さ1mm〜5mm程度に形成されている。
吸音層16と遮音層17とは予め互いに張り合わせた複合シート材として準備しておけばよく、この複合シート材を吸音層16が内側となるようにして管本体7に巻き付け、アルミガラスクロス粘着テープ等の適宜接着テープ(耐熱性を有したものが好適)等を用いて固定する方法を採用すればよい。また保形フィルム18は、収縮前の状態にあるときに吸音層16及び遮音層17の上からその全体を覆うように被せてから、その後に熱収縮させることで遮音層17の外面に密着させ、これら吸音層16及び遮音層17を型締め状態に保形させるようにすればよい。
そのためこれら上部流入口部5や枝管接続部8の外周面には、その端縁ぎりぎりまで複合被覆層15(吸音層16、遮音層17及び保形フィルム18)が形成されたものとしてある。
工場から出荷される段階の排水集合管1において、複合被覆層15は上記のような形成状態にあり、管本体7における少なくとも合流部10から旋回羽根12の設けられた領域にかけてそれらのまわりを取り囲むようになっていることになる。
立管部材20に対して複合被覆層26を設けることで、排水集合管1の下部においては排水騒音の発生を効果的に抑制乃至防止できる。すなわち、排水集合管1内を流下する排水は管本体7内に設けられた旋回羽根12により、立管部材20の内周面に沿って旋回する整流作用を受けるようになるが、このときの旋回流が排水騒音の主要な発生源となっているからであって、かかる排水騒音を立管部材20に設けられた複合被覆層26が直近にて且つ直ちに遮音及び吸音できるのである。
吸音層16と遮音層17との複合シート材を予め円筒状に形成しておき、この円筒状にしたものを配管作業時に立管部材20に対して外挿させるようにしてもよい。なお、この場合、複合シート材を円筒状に形成するのは配管作業現場でもできるが、工場出荷段階において行っておけば尚よい。
図1に示すように、このような構成の排水集合管1を床スラブ2の上方から下部流出口部6が先になるようにして貫通孔3へ差し込み、下部流出口部6に対する下部側立管部材20の接続、上部流出口部5に対する上部側立管部材20の接続、枝管接続部8に対する枝管部材21の接続、といった配管作業を行う。貫通孔3を排水集合管1が貫通する部分には、複合被覆層15の外周部と貫通孔3の内周面3aとの周間へモルタル25を詰めるようにする。
もし、排水集合管1側に当初から設けられている複合被覆層15と、立管部材20に設けた複合被覆層26との継ぎ目間に隙間が生じるときには、上記適宜接着テープ等(吸音層16と遮音層17との複合シート材を管本体7に巻き付けるときに用いたもの)により、この隙間を塞ぐようにするのがよい。
ところで、立管部材20には塩ビ管等の樹脂管を用いることもできるが、この場合、上記したように立管部材20の外周面を取り囲むように複合被覆層26を巻き付けると、この複合被覆層26が吸音層16に含まれるグラスウールやロックウール等によって耐火性を具備していることに伴い、排水騒音の防止効果のみならず、排水配管構造全体として耐火性を具備することになり、好適である。このことは枝管部材21でも同様である。
排水集合管1としてのその他の構成、排水配管構造としてのその他の構成、及びこれらによる作用効果等も第1実施形態と略同様である。
このようなメカニカルタイプの管継ぎ手構造は、管本体7側に一体形成されたフランジ部30と別体の押し輪31との間でリングパッキン34を挟み込み、押し輪31をボルト32とナット33との締め込みによってフランジ部30へ押し付けることにより、リングパッキン34に縮径方向への変形を起こさせ、これで立管部材20を接続固定する構造である。
下部流出口部6と下部側立管部材20とを接続する場合に、この接続部分に複合被覆層26を巻き付けて露出が起こらないようにしたり、排水集合管1側の複合被覆層15と立管部材20の複合被覆層26との継ぎ目間にできる隙間を複合シート材で塞ぐようにしたりするのが好ましいことは、第1実施形態と同じである。
図9及び図10は耐火二層構造を具備した排水集合管1を示しており、この排水集合管1の管本体7及び枝管接続部8に対しても複合被覆層15(遮音層17)が設けられている。すなわち、複合被覆層15(遮音層17)より内側に耐火モルタル層35が形成されたものであると言うことができる。このような排水集合管1を採用した排水配管構造を本発明に係る配管構造の第4実施形態とする。
図11は本発明に係る排水配管構造の第5実施形態を示している。この第5実施形態の排水配管構造では、排水集合管1の管本体7まわりに振動絶縁体40が外嵌状に設けられており、この振動絶縁体40を除く管本体7の外周面を取り囲んで複合被覆層15(遮音層17)が設けられている。立管部材20の外周面や枝管部材21の外周面を取り囲んで複合被覆層26(遮音層17)が設けられている点は、上記した第1乃至第4実施形態と同じである。。
振動絶縁体40は、管本体7のうち床スラブ2の貫通孔3へ嵌められる部分を取り囲む状態で設けられており、排水騒音が床スラブ2に伝播して室内へ放射される、所謂、躯体伝播音を防止するためのものである。この振動絶縁体40は、例えばロックウール等の多孔質吸音材料によって形成されており、耐火性、遮炎性及び断熱性を有している。
この振動絶縁体40は、その下部環状面が床スラブ2の下面と同等かやや下方へ突き出す程度となるように設けられることが重要である。また振動絶縁体40の上部環状面は、排水集合管1を貫通孔3内へ嵌め込んだときに床スラブ2の上面と略面一となるように設けられている。
排水集合管1に設けられた複合被覆層15(遮音層17)については、振動絶縁体40の設け位置と干渉せず且つ振動絶縁体40との間に無用な隙間(排水集合管1の管本体7が露呈する部分)が生じないようにする点を除き、第1実施形態等と同様である。また排水集合管1としてのその他の構成、排水配管構造としてのその他の構成、及びこれらによる作用効果等も第1実施形態等と略同様である。
またこの振動絶縁体40の上部には、第5実施形態で説明した止水材41とは別に、振動絶縁体40が貫通孔3の上部開口部で露出するのを遮断する状態に振動絶縁体40の上部環状面へ全周的に被せられ且つ管本体7の全周に周接する状態とされた止水材42(以下、説明の便宜上「第2止水材42」と言う)が設けられている。
この第2止水材42は、建築物の耐火試験において耐熱及び不煙の適合性を有し且つ振動吸収性を有する素材で形成されている。例えば耐熱及び不煙の適合性を有したシリコーンを素材として形成されている。なお、本第6実施形態において第2止水材42のまわりにはリング状堰部材45が設けられている。このリング状堰部材45は、第2止水材42を管本体7のまわりに設ける段階で必要とされるもので、その詳細は後述する。
更に、排水集合管Wの枝管接続部8Wに枝管105を接続して所定長さの部位にセラミックファイバー等の断熱材で横蓋106をし、床スラブ2の貫通孔3内において排水集合管Wが通る部分の外周部分にモルタル108を詰める。排水集合管Wの下部流出口6Wの下方は床スラブ2の下面から300mm以上となる距離位置へ延ばし、上蓋104は床スラブ2の上面から上方へ800mm以上となる距離位置に設けるようにする。
加熱は、温度検出部107によって測定される温度の時間経過が、
T=345 log10(8t+1)+20
で表されるよう数値となるようにして行う。ここにおいてTは平均炉内温度、tは経過時間とする。
上記したリング状堰部材45は、第2止水材42として、当初、流動状態にある止水材素材を排水集合管1の管本体7まわりに付着させてから非流動状態へと硬化させるようにする場合に必要とされる。すなわち、第2止水材42を所定形状に成形させるための型枠的な作用をするものである。なお、第2止水材42を成形させた後、取り外してもよい。また、第2止水材42には当初から短円筒形に形成された成形品を用いることもできるから、このような場合であればこのリング状堰部材45は当初から不要になる。
なお、このリング状堰部材45の形状や構造、材質などは特に限定されるものではない。
これにより、管本体7の外周面に対して第2止水材42が密着するようになる。またリング状堰部材45を設けることで第2止水材42としての外形寸法に製品的バラツキが発生することを防止でき、製品の均質化を達成でき、もって配管施工後に得られる効果を確実なものにできる。
なお、複合被覆層15とモルタル25との境界隅部に設けるリング状の止水材41(図12参照)は、リング状堰部材45の上縁部を超えて外方へ全周的に張り出すような形成状態になるので、結果、リング状堰部材45の外周側上縁部とモルタル25との境界部分がこの止水材41によって全面的に覆われたことになっており、それだけ防水性が高くなる。この止水材41についても、第2止水材42と同様に、建築物の耐火試験において耐熱及び不煙の適合性を有する素材により形成するのが好ましいことは言うまでもない。
図15(B)は本発明に係る排水配管構造の第7実施形態を示し、また図15(A)はその配管手順(排水管施工方法の一過程)を示しており、この第7実施形態では、リング状堰部材45を使用しないで第2止水材42を設けたものである。
貫通孔3内において、振動絶縁体40の外周面と貫通孔3の内周面3aとの周間に詰められるモルタル25は、その上面が床スラブ2の上面レベルから所定深さ分だけ低く形成され、ここに第2止水材42を設けるための止水材形成凹部25aが形成されている。
なお図例では、第2止水材42の断面形状として、その外周側から排水集合管1の管本体7へ近接するほどに昇り傾斜となる山盛り状(台形状)になったものを示してある。このようにすることで床スラブ2上が浸水したときの水返し効果や、排水集合管1の上方から立管部材20の外面を伝って水が流下したときの水はけ効果などが期待できる。
本実施形態で採用する複合被覆層15,26は、遮音層17を必須不可欠とするものであるが、吸音層16や保形フィルム18の具備(重合)は好適な一例として説明するにすぎないことは上記した各実施形態と同様とする。すなわち、本実施形態において以下では複合被覆層15,26をそれぞれ遮音層17と読み替えることも可能である。
割縁部70によって形成される一対の端縁は互いに重合されるようになっており、この重合時に内側に入れられる端縁には、周方向に対して外向きとなる重合接着部72が設けられ、外側に出される端縁には、周方向に対して内向きとなる重合接着部73が設けられている。これら重合接着部72,73には互いに雌雄の係着関係を有する面ファスナーが採用されており、係合と離脱とが自在で且つこの係合離脱を繰り返し行えるものとなっている。
ここにおいて、第1乃至第6構成パーツ15A〜15Fは、それらの一つ一つが独自の複合被覆層15を構成するものと言うこともできるし、第1乃至第6構成パーツ15A〜15Fのうち管本体7や枝管接続部8への装着状態で直接的な連結関係を持つことになるもの同士の複数の組合せ、或いは第1乃至第6構成パーツ15A〜15Fの全部の組合せとして一つの複合被覆層15を構成するものと言うこともできる。
この第1構成パーツ15Aに付設された第5構成パーツ15Eは、枝管接続部8を取り囲むように形成されたもので、その取り囲みに必要となる内径の筒形状を呈し、また第1構成パーツ15Aとは互いの筒軸が直交する関係で結合されている。
第2構成パーツ15Bは、第1構成パーツ15Aの下端部に一部重合するようにしつつ、管本体7のテーパー管部11を一緒に取り囲むように形成されたもので、それらの取り囲みに必要となる内径で且つ下すぼみテーパ形の筒形状を呈している。
この第3構成パーツ15Cに付設された第6構成パーツ15Fは、第1構成パーツ15Aの一側面に重合するように部分円弧断面形を有して形成された湾曲壁形状を呈している。
第1構成パーツ15Aには、その周方向の1箇所にその部分の管軸方向に沿って筒形状全部を通り抜ける割縁部74が設けられ、この割縁部74を腹開き状態にすることで、層内側の管用貼り付け面75を解放できるようになっている。
従って、第1構成パーツ15Aを割縁部74で腹開き状態にさせると、第5構成パーツ15Eは2箇所の割縁部74を境としてそれぞれ部分円弧状(半月状)断面の壁形状を呈して二つ割りされる状態になり、その結果として層内側の管用貼り付け面75を解放できるようになっている。
第5構成パーツ15Eにおいて、2箇所の割縁部74でそれぞれ形成される端縁は相互に重合させる状態ではなく相互に突き合わせる状態で使用する。その意味で、ここに重合接着部に相当するものは設けられていない。
第6構成パーツ15Fについては、湾曲壁形状を呈して第1構成パーツ15Aの側面へ重合されるものであることから、壁形状の両側縁が割縁部74とされる。これらの割縁部74には湾曲壁形状に関して内向きとなる重合接着部77が設けられている。なお、これに対応するために、第1構成パーツ15Aには、第6構成パーツ15Fにおける上記2箇所の割縁部74(重合接着部77)が重合されることになる側面2箇所に、外向きの重合接着部78が設けられている。
なお、この第6構成パーツ15Fが第1構成パーツ15Aに重合する箇所は、第1構成パーツ15Aの割縁部74(重合接着部76,77の重ね合わせ位置)に一致している。そのためこの第6構成パーツ15Fは、第1構成パーツ15Aにおける遮音性等の作用を補強し且つ構造的強度的な一体性を生じさせるように作用することになる。
これらの連結を可能にするため、上部側立管部材20に装着される複合被覆層26の下端部には、第1構成パーツ15Aとの重合時に内側に入れられる端縁に、周方向で外向きとなる重合接着部80が設けられ、第1構成パーツ15Aの上端部には、上部側複合被覆層26との重合時に外側に出される端縁に、周方向で内向きとなる重合接着部81が設けられている。
以下同様に、第2構成パーツ15Bの上端部には、第1構成パーツ15Aとの重合時に内側に入れられる端縁に、周方向で外向きとなる重合接着部80が設けられ、第1構成パーツ15Aの下端部には、第2構成パーツ15Bとの重合時に外側に出される端縁に、周方向で内向きとなる重合接着部81が設けられている。
下部側立管部材20に装着される複合被覆層26の上端部には、第4構成パーツ15Dとの重合時に内側に入れられる端縁に、周方向で外向きとなる重合接着部80が設けられ、第4構成パーツ15Dの下端部には、下部側の複合被覆層26との重合時に外側に出される端縁に、周方向で内向きとなる重合接着部81が設けられている。
更に、枝管21に対しても複合被覆層26を装着する場合、第3構成パーツ15Cの先端部には、枝管21に装着される複合被覆層26との重合時に内側に入れられる端縁に、周方向で外向きとなる重合接着部80が設けられ、枝管21に装着される複合被覆層26の端部には、第3構成パーツ15Cとの重合時に外側に出される端縁に、内向きとなる重合接着部81が設けられている。
なお、上記複合被覆層15について各構成パーツへの分割の方法や分割数、パーツ構造やパーツ形状などは一実施形態を説明したにすぎず、管本体7の形体や枝管接続部8の形成数などに応じて適宜変更可能である。
このような試験装置及び試験方法を採用することで、上位の排水集合管1内にて旋回羽根12による整流作用(被験立管部材Wの内周面に沿った旋回流)を受けて発生する排水騒音を測定することになる。すなわち、本発明に係る排水配管構造において、立管部材20に設けられた複合被覆層26により排水騒音が遮音及び吸音される効果を最も顕著に検証することができる。
また図22、図23、図24は、いずれも複合被覆層15付き立管部材を用いた排水配管構造である(本発明に係る排水配管構造)か、裸の立管部材を用いた排水配管構造であるかに着目して、1/1オクターブバンド中心周波数(横軸)と音圧レベル(縦軸)との関係を示した折れ線グラフである。
図19及び図22は被験立管部材Wとして金属管(鋳鉄管)の場合について示してあり、図20及び図23はライニング管(塩ビライニング鋼管)の場合について示してあり、図21及び図24は樹脂管(塩ビ管)の場合について示してある。なお、樹脂管(塩ビ管)の一対応として重層管(耐火二層管)を含めてある。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
止水材41は工場出荷段階で既に排水集合管1の管本体7に対して外嵌装着されているものとしてもよい。これであれば、配管現場にていちいち止水材41を装着する手間がなく、配管施工作業が効率よく行える利点もある。
リング状堰部材45は、流動状態の止水材41を充填して非流動状態へと硬化した後に、排水集合管1から除去するようにしてもよい。この場合、リング状堰部材45は止水材41の充填圧に耐えうる強度さえ有すれば、その材質は特に限定されるものではない。
2 床スラブ
3 貫通孔
3a 内周面
5 上部流入口部
6 下部流出口部
7 管本体
8 枝管接続部
17 遮音層
20 立管部材
21 枝管部材
25 モルタル
40 振動絶縁体
42 止水材(第2止水材)
45 リング状堰部材
70 割縁部
72 外向きの重合接着部
73 内向きの重合接着部
74 割縁部
76 外向きの重合接着部
77 内向きの重合接着部
80 外向きの重合接着部
81 内向きの重合接着部
Claims (14)
- 複数階の床スラブを有すると共に各床スラブを縦方向に貫通する貫通孔が設けられた建物躯体に対し上記貫通孔を通して建て込む排水配管構造において、
上記貫通孔へ嵌め込まれる状態で床スラブ上に上部流入口部が設けられ床スラブ下に下部流出口部が設けられる管本体に対し床スラブ上に少なくとも1本の枝管接続部が設けられた金属製の排水集合管と、
排水集合管の上部流入口部及び下部流出口部に接続される立管部材と、
排水集合管の枝管接続部に接続される枝管部材とを有し、
上記立管部材の外周面を取り囲んで遮音層が設けられていることを特徴とする排水配管構造。 - 複数階の床スラブを有すると共に各床スラブを縦方向に貫通する貫通孔が設けられた建物躯体に対し上記貫通孔を通して建て込む排水配管構造において、
上記貫通孔へ嵌め込まれる状態で床スラブ上に上部流入口部が設けられ床スラブ下に下部流出口部が設けられる管本体に対し床スラブ上に少なくとも1本の枝管接続部が設けられた樹脂製の排水集合管と、
排水集合管の上部流入口部及び下部流出口部に接続される立管部材と、
排水集合管の枝管接続部に接続される枝管部材とを有し、
上記立管部材の外周面を取り囲んで遮音層が設けられていることを特徴とする排水配管構造。 - 前記排水集合管における管本体の外周面及び枝管接続部の外面を取り囲んで遮音層が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排水配管構造。
- 複数階の床スラブを有すると共に各床スラブを縦方向に貫通する貫通孔が設けられた建物躯体に対し上記貫通孔を通して建て込む排水配管構造において、
上記貫通孔へ嵌め込まれる状態で床スラブ上に上部流入口部が設けられ床スラブ下に下部流出口部が設けられる管本体に対し床スラブ上に少なくとも1本の枝管接続部が設けられこれら管本体及び枝管接続部が共に樹脂製とされると共にその全外周面に耐火モルタル層が被覆形成されて成る排水集合管と、
排水集合管の上部流入口部及び下部流出口部に接続される立管部材と、
排水集合管の枝管接続部に接続される枝管部材とを有し、
上記排水集合管における管本体の外周面及び枝管接続部の外面並びに上記立管部材の外周面を取り囲んで遮音層が設けられていることを特徴とする排水配管構造。 - 複数階の床スラブを有すると共に各床スラブを縦方向に貫通する貫通孔が設けられた建物躯体に対し上記貫通孔を通して建て込む排水配管構造において、
上記貫通孔へ嵌め込まれる状態で床スラブ上に上部流入口部が設けられ床スラブ下に下部流出口部が設けられる管本体に対し床スラブ上に少なくとも1本の枝管接続部が設けられた金属製の排水集合管と、
排水集合管の上部流入口部及び下部流出口部に接続される立管部材と、
排水集合管の枝管接続部に接続される枝管部材とを有し、
上記排水集合管の管本体のうち床スラブの貫通孔へ嵌められた部分を取り囲む状態で振動絶縁体が設けられていると共に、この振動絶縁体を除く管本体の外周面と上記立管部材の外周面を取り囲んで遮音層が設けられていることを特徴とする排水配管構造。 - 前記立管部材は樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排水配管構造。
- 前記立管部材は樹脂製の芯管とその外周面を被覆するモルタル層とを有した重層管であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排水配管構造。
- 前記立管部材は金属製であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排水配管構造。
- 前記立管部材は金属製の外管とその内周面を被覆する樹脂ライニング層とを有したライニング管であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排水配管構造。
- 前記排水集合管における枝管部材の外周面を取り囲んで遮音層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の排水配管構造。
- 前記遮音層と排水集合管、立管部材、又は枝管部材との間に吸音層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の排水配管構造。
- 前記遮音層には周方向の少なくとも1箇所に管軸方向へ通り抜けた割縁部が設けられており、この割縁部には周方向に対して外向き又は内向きとなる重合接着部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の排水集合管。
- 前記遮音層には、管軸方向の端部寄りに周方向に対して外向き又は内向きとなる重合接着部が設けられていることを特徴とする請求項12記載の排水集合管。
- 前記重合接着部は面ファスナーであることを特徴とする請求項13記載の排水集合管。
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