JP7344782B2 - 排水配管継手 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の床スラブを貫通して設けられる排水配管継手に関し、特に、熱膨張性耐火材を備えることにより火災時にその管路を閉塞し、火炎、煙等の流通を遮断できるようにした樹脂製の排水配管継手に関する。
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く縦管と、各階層内に設置される横管と、これらを接続する排水配管継手とを備えた排水配管構造が代表的なものとして広く知られている。
そして、このような排水配管継手は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、床スラブの上方で排水横枝管を接続する横枝管接続部とを備える。さらに、管本体には、排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分(たとえば旋回羽根、偏流板等)を備えるものが多い。また、このような排水配管継手として、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成されたものが広く知られている。
このような排水配管継手を用いた排水配管構造が備え付けられた建築物において、階下にて火災等が発生した場合に火炎や煤煙、有毒ガスが排水配管構造の焼損部位または溶損部位を通じて上層階へ流出することを防止するために、排水配管継手に熱膨張性耐火材を、配管材の外周に別途設けたり、配管材の壁部内に埋設したりして、火災時には床スラブの貫通孔をこの熱膨張性耐火材によって閉塞された状態を維持することが行われている(特許文献1)。この熱膨張性耐火材は、たとえば、ブチルゴムを主成分とする樹脂分、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、含水無機物及び金属炭酸塩を含有する樹脂組成物、または、エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛および無機充填剤を含有する樹脂組成物等から形成される。
また、熱膨張性耐火材を配管材の外周に別途設けたり、配管材の壁部内に埋設したりするのではなく、排水配管継手の胴部の一部であって床スラブに対応する位置に、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1~15重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物で形成された耐火膨張層と、この耐火膨張層の内外面を覆う熱膨張性耐火材料非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物で形成された被覆層で覆われた3層構造となった押出成形で得られる耐火性熱膨張樹脂パイプ(特許文献2における第1継手構成部材10)を設けることも行われている(特許文献2)。
特許文献1に開示された排水配管継手も特許文献2に開示された排水配管継手も耐火熱膨張性を備えるために、火災発生時にはこの耐火熱膨張性を発現する熱膨張性黒鉛等が熱膨張することにより、排水配管継手やスラブに設けられた貫通孔などを閉塞して床スラブに防火区画壁としての機能を保持させるようになっている。
特許第5859042号公報 特許第5508048号公報
上述した特許文献1に開示された排水配管継手においては、良好な防火性能を備えるものの、排水配管継手の外層に熱膨張性耐火材を巻き付ける場合には排水配管継手の外径が大きくなり床スラブにその分だけ大きな径の貫通孔を設けなければならず、配管材の壁部内に熱膨張性耐火材を埋設する場合には熱膨張性耐火材を金型に配置してからそれを包み込むように内外層を射出成形して埋設3層構造に成形しなければならず製造工程が複雑になり製造コストが上昇する。
一方、特許文献2に開示された排水配管継手は、耐火性熱膨張樹脂パイプを別途成形す
る必要があり製造工程が増えて製造コストが上昇することに加えて、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して熱膨張性黒鉛を1~15重量部の割合で含むに過ぎずそもそも熱膨張性黒鉛の総量が多くなく、このような割合で熱膨張性黒鉛が樹脂に含有されるものに過ぎないために熱膨張性黒鉛自体を(特許文献1のように)配管材の外周に別途設けるときよりも床スラブの貫通部等の閉塞が困難となる。
さらに、耐火性とは別の観点であるが、特許文献1に開示された排水配管継手であっても特許文献2に開示された排水配管継手であっても、管本体に排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分(たとえば旋回羽根、偏流板等)を備え、この部分に排水が当たって流れを変化(旋回流、偏流)させている。当然であるが、この部分に排水が当たると排水配管継手本体が振動して排水騒音が発生する場合がある。このため、このような振動を有効に低減するような工夫が必要となる。
本発明は、上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成された建築物の床スラブを貫通して設けられる排水配管継手であって、耐火性能を十分に発揮させ、排水騒音を抑制し、管外径が大きくなることを抑制することのできる排水配管継手を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る排水配管継手は以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係る排水配管継手は、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、前記床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、前記床スラブの上方で排水横枝管を接続する横枝管接続部とを備え、前記管本体における前記横枝管接続部と前記下立管接続部との間には、前記管本体の内面に突出する突出部が形成され、前記管本体の外面には前記突出部に対応するくぼみが形成され、前記くぼみの部分に熱膨張性耐火材が充填されたことを特徴とする。
好ましくは、前記くぼみは、建築物に施工された際に、少なくともその一部が前記床スラブの上端から下端までの範囲の少なくとも一部に対応する位置に形成されたように構成することができる。
さらに好ましくは、前記突出部は、前記排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記突出部は、旋回羽根であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記くぼみは、前記旋回羽根の裏面の全部または一部に形成されているように構成することができる。
さらに好ましくは、前記熱膨張性耐火材の外層には、耐火性能および振動抑制性能を備えた部材が設けられたように構成することができる。
さらに好ましくは、前記部材は、3層構造を備え、前記管本体の外面から、制振材、耐火性無機繊維によって形成された振動絶縁体、遮音カバーの順に前記管本体の外面に設けられているように構成することができる。
さらに好ましくは、前記制振材は、前記くぼみの部分に充填された前記熱膨張性耐火材を覆うように、前記管本体の外面に貼り付けられているように構成することができる。
さらに好ましくは、前記くぼみの部分よりも上方の位置において、前記制振材に代えて熱膨張性耐火シートが前記管本体の外面に貼り付けられているように構成することができる。
さらに好ましくは、前記3層構造における最内層は、前記制振材および前記熱膨張性耐火シートのいずれかであって、前記最内層を設けた管径が、前記管本体における上方開口部であって前記横枝管接続部が挿入される受け口の外径以下であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記熱膨張性耐火材と前記熱膨張性耐火シートとでは熱膨張率が異なるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記制振材は、ブチル系またはアスファルト系の材料を含んで形成され、前記遮音カバーは、ゴム系、エラストマー系またはオレフィン系の材料を含んで形成されているように構成することができる。
本発明によると、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成された建築物の床スラブを貫通して設けられる排水配管継手であって、耐火性能を十分に発揮させ、排水騒音を抑制し、管外径が大きくなることを抑制することのできる排水配管継手を提供することができる。
本発明に係る排水配管継手100が採用された排水配管構造を示す図であって、(A)排水配管継手100が外層部材150を備えた状態を示す斜視図であって、(B)排水配管継手100が外層部材150を備えない状態を示す斜視図である。 本発明に係る排水配管継手100を示す図であって、(A)熱膨張性耐火材116が充填された状態を示す斜視図であって、(B)熱膨張性耐火材116が充填されていない状態を示す斜視図である。 (A)図2(B)に示す排水配管継手100の分解図であって、(B)管壁を透視した管本体110の斜視図である。 本発明に係る排水配管継手100が採用された排水配管構造を示す断面図である。 本発明に係る排水配管継手100が採用された排水配管構造の別の例を示す断面図である。 本発明に係る排水配管継手100の変形例を示す図である。 本発明に係る排水配管継手100におけるくぼみを説明するための図である。 本発明に係る別の排水配管継手500が採用された排水配管構造を示す半断面図である。 図8を部分的に拡大した断面図(くぼみ断面なし)である。 図8を部分的に拡大した断面図(くぼみ断面あり)である。 (A)図8に示す3層構造の外層部材700を形成する(耐火性無機繊維によって形成された)振動絶縁体720の一例であるロックウールの展開図であり、(B)その比較例である。
以下、本発明の実施の形態に係る排水配管継手100を、図面に基づき詳しく説明する。
図1(A)および図4(A)に示すように、この排水配管継手100を用いた排水配管構造は、建築物における床スラブSを上下に貫通する貫通孔に設けられる非耐火性の樹脂製の排水配管継手100と、この排水配管継手100に接続される樹脂製の排水立管(上階からの排水を流入させる上階側排水立管220および下階に排水を流下させる下階側排水立管230)とを有している。ここで、「非耐火性」とは、建築物内で火災が生じたときに、これによる熱によって変形、溶融または燃焼可能な性質をいい、たとえば樹脂製のものが該当する。
この排水配管継手100および排水立管(上階側排水立管220および下階側排水立管230)は、たとえば塩化ビニル、ポリエチレン、ポリブテン、ポリプロピレンあるいはナイロン等によって成形されている。なお、排水立管には、たとえばいわゆる耐火2層管を用いてもよい。
この排水配管継手100は、図3(A)に示すように、ひとつまたは複数(ここでは一例ではあるが6つ)の樹脂製の射出成形品で形成されている。そして、この排水配管継手100は、図1(A)および図4(A)に示すように、建築物に施工された際に、床スラブSの貫通孔に配置される管本体110と、床スラブSの上方に突出し上階からの排水を流入させる上階側排水立管220を接続する上立管接続部120と、床スラブSの下方に
突出し下階に排水を流下させる下階側排水立管230を接続する下立管接続部130と、床スラブSの上方で排水横枝管(図示せず)を接続する横枝管接続部140とを備える。特徴的であるのは、図3(A)および図3(B)に示すように、管本体110における横枝管接続部140と下立管接続部130との間には、管本体110の内面に突出する突出部としての旋回羽根114が形成され、管本体110の外面にはこの突出部(ここでは旋回羽根114)に対応するくぼみ112が形成され、このくぼみ112の部分に熱膨張性耐火材116が充填されている。
そして、図4(A)に示すように、この突出部(旋回羽根114)のくぼみ112は、建築物に施工された際に、少なくともその一部が床スラブSの上端から下端までの範囲の少なくとも一部に対応する位置に形成されている。
ここで、この突出部は、排水配管継手100内の排水の流れを変化させる部分であれば、旋回羽根114に限定されるものではなく、偏流板等であっても構わず、管本体110の外面に対応するくぼみ112が形成されるものであれば、旋回羽根にも偏流板にも限定されない。
さらに、熱膨張性耐火材116の外層には、耐火性能および振動抑制性能を備えた外層部材150を、管本体110の外周に巻き付けるように設けることも好ましい。この外層部材150の一例として、ロックウールまたはグラスウールが挙げられる。
このような特徴を備えた排水配管継手100をさらに詳しく説明する。
この排水配管継手100は、上述した構成に加えて、横枝管接続部140は、図3(A)に示すように、平面視で90°間隔で3箇所に開口部を備えた集水室142と、その開口部の位置に対応して排水横枝管を接続するための第1の横枝管接続部材144と、第2の横枝管接続部材146と、第3の横枝管接続部材148とで構成されている。ここで、限定されるものではないが、第1の横枝管接続部材148は縮径せずに排水横枝管を接続するが、第2の横枝管接続部材144および第3の横枝管接続部材146は、縮径して排水横枝管を接続する。
また、この排水配管継手100は、上述したように図3(A)に示す6つの樹脂製の射出成形品で形成され、図3(A)に示すこれらの別々の射出成形品の射出成形品どうしの接合部分が接着剤等で接着され、図2(B)に示すように組み立てられ、さらに、上述したように、くぼみ112の部分に熱膨張性耐火材116が充填されて完成する。なお、集水室142と管本体110とを別体ではなく一体的に成形しても構わない。
ここで、くぼみ112の部分に充填される熱膨張性耐火材116について説明する。熱膨張性耐火材116は、たとえば、ブチルゴムを主成分とする樹脂分、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、含水無機物及び金属炭酸塩を含有する樹脂組成物、または、エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛および無機充填剤を含有する樹脂組成物等から形成される。この熱膨張性耐火材116には、たとえば積水化学工業株式会社製の商品名「フィブロック」(反応温度200℃で5~40倍に膨張)が使用される。また、この他に、因幡電機産業株式会社製の商品名「熱膨張性耐熱シール材IP」(120℃から膨張を開始し、体積が4倍以上に膨張する)や、株式会社古河テクノマテリアル製の商品名「ヒートメル」(膨張開始温度120℃、顕著な膨張温度260℃、4~8倍に膨張する)等を熱膨張性耐火材116として使用できる。
なお、熱膨張性耐火材116は、上記したものに限らず、他の種々のものを使用できる。
このように、熱膨張性耐火材116は、反応温度、膨張率の異なる多種多様のものを使用でき、したがって建築物内の施工場所に応じて要求される反応温度、管径等の諸条件を満たす最適なものを選択して使用できる。
この熱膨張性耐火材116は、パテ状に形成されており、排水配管継手100の管本体110の外面のくぼみ112が、管本体110の外径程度まで埋まるように(所望の耐火性を十分に実現できる量が)充填されている。したがって、排水配管継手100の管本体110の外径は従来の排水配管継手と同じ程度である。
このように、熱膨張性耐火材116は、図1(B)に示すように、突出部(旋回羽根1
14)に対応するくぼみ112の部分に(樹脂含有ではなく純粋な)熱膨張性耐火材116自体が充填され、図4(A)に示すように、この突出部(旋回羽根114)は、建築物に施工された際に、少なくともその一部が床スラブSの上端から下端までの範囲に対応する位置に形成されている。
すなわち、熱膨張性耐火材116は、排水配管継手100の外周面と、床スラブSの貫通孔に充填されたモルタルMとの間に少なくともその一部が介在しており、さらに、管本体110の内面に突出する突出部(旋回羽根114)の裏面(外面側)のくぼみ112に充填されている。このため、管本体110の管内壁よりもさらに内側に(旋回羽根114を介して)突出して熱膨張性耐火材116が設けられていることになる。なお、排水配管継手100の管本体110は、床スラブSの貫通孔に挿通された状態で、貫通孔をモルタルM等によって埋め戻すことによって貫通孔に固定されている。
このような排水配管構造を採用した建築物において、排水配管継手100または排水立管(上階側排水立管220、下階側排水立管230)が燃焼した場合に、その熱によって排水配管継手100の径方向の内側に突出部(旋回羽根114)から膨張し、排水配管継手100の突出部(旋回羽根114)を押しつぶして管本体110を閉塞するようになっている。これによって、この排水配管継手100を用いた排水配管構造は、火災時に火炎、煙等が流通しないように管路を遮断できるようになっている。
特に、従来の排水配管継手よりも、燃焼前の熱膨張性耐火材116は管本体の内壁よりもさらに内側に設けられているために、すなわち管本体110の内壁よりもさらに内側に突出した突出部(旋回羽根114)から膨張し始めるために、管本体の内側へ有効に膨張することができる。
また、この排水配管継手100において管本体110の内側に突出した突出部(旋回羽根114)を形成するための、管本体110の外面に現れる(突出部(旋回羽根114)に対応する)くぼみ112に熱膨張性耐火材116が充填されている。このため、くぼみ112が空洞の状態に比べて、突出部(旋回羽根114)に排水が当たったときの管本体110の振動を低減させることができるので、排水騒音を低減することができる。
特に、熱膨張性耐火材116の外層に、耐火性能および振動抑制性能を備えたロックウールまたはグラスウール等の外層部材150を設けると、この外層部材150が備える振動抑制性能により、さらに排水騒音を低減することができる。これに加えて、この外層部材150が備える耐火性能により、熱膨張性耐火材116が管本体110の外側であってモルタルMが存在しない領域(図4(A)に示す領域A)において、熱膨張性耐火材116が管本体110の外側の空間に不要に膨張することを抑制することができるので、熱膨張性耐火材116を管本体110の内側へ有効に膨張させることができる。
以上のように、この排水配管継手100によると、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、建築物の床スラブSを貫通して設けられ、耐火性能を十分に発揮させ、排水騒音を抑制し、管外径が大きくなることを抑制することができる。特に、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して熱膨張性黒鉛を1~15重量部の割合で含む態様ではなく熱膨張性耐火材116自体を充填する態様を採用したために十分な発泡性を発現できるとともに、管本体110の外面のくぼみ112の部分に熱膨張性耐火材116を充填するだけで良いために配管材の壁部内に熱膨張性耐火材自体を埋設する埋設3層構造のように製造コストが上昇することもなく、かつ、排水配管継手の外層に熱膨張性耐火材自体を巻き付けて排水配管継手の外径が大きくなることもない。
<排水配管構造についての3つの変形例>
以下において、本実施の形態に係る排水配管継手100を採用した排水配管構造についての3つの変形例について説明する。3つの変形例とも、上述した排水配管継手100そのものを採用した点では同じであるために、排水配管継手100についての説明はここでは繰り返さない。
第1の変形例は、図4(B)に示すように、上述した排水配管継手100を用いて排水配管構造を施工する場合において、排水配管継手100の管本体110を床スラブSの貫通孔に挿通された状態で、貫通孔をモルタルM等によって埋め戻す場合に、モルタルMの
下階への漏れを防止するための、略円環状の孔を有する保持部材300を備える。この保持部材300は、貫通孔をモルタルM等によって埋め戻す前に、床スラブSの下階側に設けられたアンカーボルトBとナットNで固定される(粘着テープ等で固定する場合もある)。このため、図4(B)に示すように、貫通孔の領域で管本体110が縮径していても、管本体110が(従来の排水配管継手とは異なり)管本体110の外面にくぼみ112が設けられていても(熱膨張性耐火材116により管本体110の外径程度まで埋没されているのでモルタルMが下階へ漏れる可能性がそもそも低いが)貫通孔をモルタルM等によって埋め戻す場合にモルタルMの下階への漏れを好適に防止することができる。
第2の変形例は、図4(C)に示すように、第1の変形例と同じくモルタルMの下階への漏れを防止することに加えて、外層部材150を保持するために、略円環状の内側の円周から断面が略L字形状に延設された保持部材400を備える。この保持部材400も保持部材300と同じく、貫通孔をモルタルM等によって埋め戻す前に、床スラブSの下階側に設けられたアンカーボルトBとナットN等で固定される。このため、図4(C)に示すように、貫通孔をモルタルM等によって埋め戻す場合にモルタルMの下階への漏れを好適に防止することができることに加えて、外層部材150が保持部材400を介して床スラブSにより保持することができるために、火災時に外層部材150が脱落することがなくなるので、外層部材150が備える耐火性能を確実に発現させることができる。なお、外層部材150を保持部材400に固定する方法については特に限定されないために記載していない。
第3の変形例は、図5に示すように、排水横枝管の管芯がたとえばスラブSの上端から140mm上にあるような、いわゆる浮かせ配管をした場合である。このような場合において、熱膨張性耐火材116がスラブSよりも上に出てしまうと、耐火性能が発揮できない可能性、または/および、耐火性能が低下する可能性がある。また、上階で下階の火災を止めることになるので、好ましくない。よって、第3の変形例に係る排水配管構造は、図5に示すように、たとえば、横枝管接続部に呼び径75の樹脂管(外径89mm)を接続した状態で、排水横枝管の管芯より140mm下方の位置(スラブS上面)より上に、熱膨張性耐火材116が充填されている部分の下端が来ないように構造を備える。なお、スラブS上面より下方に、熱膨張性耐火材116が充填されている部分の大部分が配置されていることが好ましいことは言うまでもない。
一般的に、本実施の形態に係る排水配管継手100に対応するスラブSの厚さは100mm以上であることが多い。よって、横枝管接続部140の下端より100mm下方の位置より上に、熱膨張性耐火材116が充填されている部分の上端が位置することになる。
なお、横枝管接続部140より上の外層部材150は、主に遮音と断熱を目的としたものであって、貫通孔をモルタルM等で埋め戻す際に邪魔になるので、モルタルMで埋め戻し後にセットすることも好ましい。よって、この場合には、モルタルMでの埋め戻し時には外層部材150は横枝管接続部140よりも下側のみにあることになる。
ここで、排水配管継手100の管本体110における下部管部分のテーパ部に熱膨張性耐火材116が充填されている部分があるが、さらに外層部材150が存在することにより、充填された熱膨張性耐火材116が落下することを防止できる。
さらに、くぼみ112の部分に熱膨張性耐火材116を充填した後の外面が、排水配管継手100の管本体110における外面とほぼ同じになっていることにより、外周の断面形状が円形となりモルタルMの充填時の下階への漏れを好適に防止できる。
<排水配管継手についての変形例>
以下において、図6を参照して、本実施の形態に係る排水配管継手100の変形例について説明する。この変形例に係る排水配管継手100は、熱膨張性耐火材116を設けられる部分がくぼみ112だけではないことのみ上述した説明と異なり、その他の部分は同じであるので、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
図6に示すように、たとえば、熱膨張性耐火材116を設ける(セットする)部分(排水配管継手100の部位)は、くぼみ112の部分に加えて、排水配管継手100の管本体110の外側が考えられる。ここでは、くぼみ112の部分の外側であってテーパ部な
ど胴部より径の小さい部分に熱膨張性耐火材117を設けることにより、管本体110の外径D(1)よりも大きくならないようにしている。
<くぼみについての変形例>
上述したように、本実施の形態に係る排水配管継手100の管本体110の外面には突出部の一例である旋回羽根114に対応するくぼみ112が形成され、このくぼみ112の部分に熱膨張性耐火材116が充填されている。以下において、上述したくぼみ112とは異なるくぼみの変形例について、図7を参照して説明する。なお、図7(A)は上述した排水配管継手100の管本体110の上面図であって、図7(B)および図7(C)はそのテーパ部分の高さ範囲の中央あたりの水平断面図であって、図7(C)および図7(D)は図7(B)に示すくぼみとは別のくぼみ(変形例)を説明するための水平断面図である。
図7(B)に示す場合は、図1~図3で説明した上述の実施例である、くぼみ112が深いときであって、旋回羽根114の裏側全体、すなわち、水平断面のうち、図7(A)で上面から見えない部分全体を使ってくぼみ112が設けられている。この場合、排水が通過する断面積が小さくなって排水性能が低下する可能性がある。これを防止するために、くぼみ112を浅く設ける場合がある。すなわち、図7(C)に示すように、旋回羽根114の裏側(上面から見えない部分)の一部分のみにくぼみ112を設ける場合である。図7(D)に示すように、図7(C)では、図7(B)と比較すると、旋回羽根114の裏側であっても、破線部分にはくぼみが設けられていない。すなわち、くぼみ112は、旋回羽根114の裏面の全部に設けられていても、旋回羽根114の裏面の一部に設けられていても構わない。
なお、このような場合には充填できる熱膨張性耐火材116の量が減ることに対応して、図6に示したように、くぼみ112の部分に加えて、排水配管継手100の管本体110の外側に熱膨張性耐火材116を設ける(セットする)ことも好ましい。
<排水配管構造についての別の実施の形態>
以下において、本発明の別の実施の形態に係る排水配管継手500およびこの排水配管継手500を用いた排水配管構造を、図8~図11を参照して詳しく説明する。なお、この排水配管継手500を用いた排水配管構造は、上述した排水配管継手100を用いた排水配管構造と同じく、建築物における床スラブSを上下に貫通する貫通孔に設けられる。ここで、以下に説明する排水配管継手500およびこの排水配管継手500を用いた排水配管構造において、上述した排水配管継手100およびこの排水配管継手100を用いた排水配管構造と同じ構造については上述した実施の形態と同じ符号を付している。それらについての説明は、上述した説明と重複するために、これ以降において繰り返して説明しない場合がある。
この排水配管継手500が採用された排水配管構造を示す半断面図である図8、図8を部分的に拡大した断面図(くぼみ512部分の断面なし)である図9、および、図8を部分的に拡大した断面図(くぼみ512部分の断面あり)である図10を参照して、この排水配管継手500およびこの排水配管継手500を用いた排水配管構造について説明する。
この排水配管継手500および排水立管(上階側排水立管220および下階側排水立管230)は、たとえば塩化ビニル、ポリエチレン、ポリブテン、ポリプロピレンあるいはナイロン等によって成形されている。
この排水配管継手500は、これらの図に示すように、複数の樹脂製の射出成形品で形成されている。そして、この排水配管継手500は、これらの図に示すように、建築物に施工された際に、床スラブSの貫通孔に配置される管本体510と、床スラブSの上方に突出し上階からの排水を流入させる上階側排水立管220を接続する上立管接続部520と、床スラブSの下方に突出し下階に排水を流下させる下階側排水立管230を接続する下立管接続部530と、床スラブSの上方で排水横枝管210を接続する横枝管接続部540とを備える。横枝管接続部540は、これらの図に示すように、平面視で90°間隔で3箇所に開口部を備えた集水室542と、その開口部の位置に対応して排水横枝管を接続するための第1の横枝管接続部材544と、第2の横枝管接続部材546と、第3の横枝管接続部材548とで構成されている。ここで、限定されるものではないが、第1の横枝管接続部材544、第2の横枝管接続部材546および第3の横枝管接続部材548は、いずれも縮径せずに排水横枝管210を接続する。
特徴的であるのは、管本体510における横枝管接続部540と下立管接続部530との間には、管本体510の内面に突出する突出部としての旋回羽根514が形成され、管本体510の外面にはこの突出部(ここでは旋回羽根514)に対応するくぼみ512が形成され、このくぼみ512の部分に熱膨張性耐火材612が充填されている。この熱膨張性耐火材612は上述した熱膨張性耐火材116に相当するものである。ここで、この熱膨張性耐火材612しては、非硬化の不乾性のパテ状の材料が好ましく用いられる。
ここで、この突出部は、排水配管継手500内の排水の流れを変化させる部分であれば、旋回羽根514に限定されるものではなく、偏流板等であっても構わず、管本体510の外面に対応するくぼみ512が形成されるものであれば、旋回羽根にも偏流板にも限定されない。
さらに、熱膨張性耐火材612の外層には、耐火性能および振動抑制性能を備えた3層構造の外層部材700を、管本体510の外周に巻き付けるように設けてある。
これらの図に示すように、この外層部材700は、3層構造を備え、管本体510の外面から、制振材714、耐火性無機繊維によって形成された振動絶縁体720、遮音カバー730の順に、管本体510の外面に設けられている。くぼみ512の部分には熱膨張性耐火材612が充填されており、耐火性能(延焼防止機能)を発現するとともに、空洞部であるくぼみ512をパテ状の熱膨張性耐火材612により充填されていることにより制振性能および遮音性能も発現している。
そして、この制振材714は、くぼみ512の部分に充填された熱膨張性耐火材612を覆うように、管本体510の外面(の全面にたとえば接着剤または粘着剤等で)に貼り付けられている。そして、耐火性能に関して、くぼみ512の部分よりも上方の位置において、制振材714に代えて熱膨張性耐火シート712が管本体510の外面に貼り付けられている。このように管本体510の外面に貼り付けられた熱膨張性耐火シート712も制振材714と同様に(性能は同等でない可能性があるが)制振性能を発現する。
特に、熱膨張性耐火材612と熱膨張性耐火シート712とでは熱膨張率が異なる。ここで、一般的に、熱膨張性耐火材料は、熱膨張率が高いと膨張後の形状保持性が低く、熱膨張率が低いと膨張後の形状保持性が高いとされている。熱膨張率が低いと十分な耐火性能を発現できない可能性があり、形状保持性が低いと熱膨張材が落下してしまう可能性がある。このトレードオフの特性、および、熱膨張率(さらにはその差の絶対値等)を勘案して、それぞれの位置、重量、形状、反応速度、および、膨張開始温度等に対応させて熱膨張性耐火材612および熱膨張性耐火シート712に含有される熱膨張性材料が選択される。
さらに、この3層構造における最内層710は、熱膨張性耐火シート712および制振材714のいずれかであって、最内層710を設けた管径D(3)(熱膨張性耐火シート712の部分)および管径D(4)(制振材714の部分)が、管本体510における上方開口部であって横枝管接続部540(より具体的には集水室542)が挿入される受け口の外径D(2)以下である。これにより、排水配管継手500の管外径が大きくなることを抑制できる。
制振材714は、ブチル系(ブチルゴム等)またはアスファルト系(ゴムアスファルト、改質アスファルト等)の材料を含んで形成され、遮音カバー730は、ゴム系(EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等)、エラストマー系またはオレフィン系(ポリエチレン樹脂等)の材料を含んで形成され、耐火性無機繊維によって形成された振動絶縁体720は、耐火性を備えた無機繊維の集合体(多孔質材料)からなる。
ここで、無機繊維としては、人造鉱物繊維が挙げられ、たとえば、グラスウール、ロックウールまたはセラミックファイバー等であって、これらは振動絶縁性能が高い点に加えて吸音性能が高い点でも好ましい。管本体510を流下する排水が、たとえば旋回羽根5
14に当たって発生する振動を、制振材714で抑制した上で、さらに、このロックウール等で形成された振動絶縁体720により振動を遮断して(および/または振動に伴う騒音を吸収して)、さらに、EPDM製等のゴムカバーで形成された遮音カバー730により振動に伴う騒音の伝搬を遮断する。ここで、ロックウールとは、天然岩石または高炉スラグなど鉄鋼スラグなどを主原料として製造されたものの総称であって、耐火性および遮炎性をも有する。
なお、以下においては、制振材714としてブチルゴムを採用し、振動絶縁体720としてロックウールを採用し、遮音カバー730としてEPDM製のゴムカバーを採用した場合について説明する場合があるが、これらの材料は一例に過ぎない。
振動絶縁体720として、このロックウールを採用する場合には、抄造により製造されたシート状のロックウールを用いることが好ましい。しかしながら、このように抄造で製造されたロックウールシートは、縫製等により、管本体510の立体的な形状(直管部+縮径部(テーパ部))に形成する加工は難しく、縫製等することなく平面形状のロックウールシート(以下において単にロックウールと記載する場合があるがその場合でも本発明における振動絶縁体720の形状としてはシート状であることが好ましい)を、たとえばテープで貼るなどの方法で管本体510にセットしても火災時に落下してしまう場合がある。そのため、ロックウールシートの展開形状(平面形状)を、たとえば図11(A)に示すようにしている。
このようにすると、スラブが薄い場合でも切れ目が縦方向(管本体510における上下方向)1箇所にしか表れないようにすることができる。さらに、図11(B)に示すロックウールシートの展開図においても切れ目が縦方向1箇所にしか表れないようにする点では同じであるが、管本体510の立体的な形状(直管部+縮径部(テーパ部))に対応するために、図11(A)はロックウールシートにおけるスラブ位置に切れ目(ここでは5箇所)を入れているのに対して、図11(B)は長方形と部分円環形とを円弧で接合している。図11(A)で示す展開図の場合における切れ目はスラブ位置になるためにこの部分に切れ目(この部分は力学的に弱いまたは耐火性が劣る可能性がある)があってもその位置がスラブ位置であってスラブが燃えないためにロックウールの耐火性に問題がなく火災時に落下してしまうこともない。これに対して、図11(B)に示すロックウールシートの展開図において点線で示す接合部分がスラブ位置にない場合にはもちろんのことスラブ位置にある場合であっても、接合部分の長さが短くかつ下方に接合されている部分円環形の重量が大きいこと等を理由として、この接合部分の位置から切れて火災時にロックウールシートが落下してしまう可能性がある。
さらに、このロックウールが採用された振動絶縁体720は、内層側の制振材714または熱膨張性耐火シート712に対して共鳴による騒音伝搬を抑制するために、緩く、かつ、全周に亘って固定するのではなく周方向の数か所で固定するようにして、設けられている。特に、ロックウールを固定する(より詳しくは遮音カバー730としてのEPDM製のゴムカバーにロックウールを固定する)この周方向の数か所の固定位置についての高さ位置については、熱膨張材(熱膨張性耐火材612および熱膨張性耐火シート712)よりも上方であって、火災発生時にロックウールが落下することを防止している。また、この落下することを防止する取付方法は、接着剤、両面テープ等による接合がその一例として挙げられる。
以下において、この3層構造の外層部材700を備えた排水配管継手500の製造方法であって、外層部材700の取付手順について説明する。
まず、くぼみ512にパテ状の熱膨張性耐火材612を充填する。そして、熱膨張性耐火シート712を貼る。本実施の形態においては、熱膨張性耐火シート712は、パテ状の熱膨張性耐火材612から離隔しているが、パテ状の熱膨張性耐火材612の全部または一部を覆うようにしても構わない。さらに、制振材714を管本体510の外周面に接着剤または粘着剤で貼り付ける。このとき、この3層構造における最内層710は、熱膨張性耐火シート712および制振材714のいずれかが存在する。
熱膨張性耐火シート712および制振材714を設けた上から振動絶縁体720として
の(展開図を図11(A)に示す)ロックウールシートを巻く。さらに、その上から遮音カバー730としてのEPDM製のゴムカバーで被覆する。ここで、この遮音カバー730としてのEPDM製のゴムカバーは、止水性と遮音性と振動絶縁性とを発現させる。なお、この遮音カバー730としてのEPDM製のゴムカバーは、一体成形して、排水配管継手500に接着して止水性を発現するようにしても構わないし、接着しないで(ゴムの有する伸縮性により発現する)テンションのみで止水性を発現するようにしても構わない。この場合において、図8~図10に示す断面形状に示されるように、この遮音カバー730としてのEPDM製のゴムカバーの上側の端部には円環状で厚みの厚い上端部732および下側の端部には同じく(径は異なるが)円環状で厚みの厚い下端部734を設けるようにして、止水性を高めることも好ましい。
以上のように、この排水配管継手500によると、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、建築物の床スラブSを貫通して設けられ、耐火性能を十分に発揮させ、排水騒音を抑制することができる。特に、3層構造の外層部材700における、最内層710としてブチルゴムを一例とする制振材714を管本体510の外表面に密着させて設けて振動を極めて効果的に抑制して、中間層としてロックウールシートを一例とする振動絶縁体720を緩くかつ数か所で固定して設けて吸音性と耐火性と遮音性と振動絶縁性とを発現させ、最外層としてEPDM製のゴムカバーを一例とする遮音カバー730を設けて止水性と遮音性と振動絶縁性とを発現させて、管本体510を流下する排水が、たとえば旋回羽根514に当たって発生する振動を、制振材714により抑制した上で、振動絶縁体720により振動をさらに遮断して、さらに、遮音カバー730により振動に伴う騒音の発生を遮断するために、排水騒音を極めて効果的に抑制することができる。また、2つの熱膨張性耐火材(熱膨張性耐火材612および熱膨張性耐火シート712)を設けるとともに、それらの外側には耐火性能を発現する層を含む複数の層で覆うように構成されているために、耐火性能を十分に発揮させることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、建築物の床スラブを貫通して設けられる排水配管継手に好ましく、火災時にその管路を閉塞することによる耐火性能を十分に発揮させ、排水騒音を抑制し、管外径が大きくなることを抑制することのできる点で特に好ましい。
100、500 排水配管継手
110、510 管本体
112、512 くぼみ
114、514 旋回羽根
116、612 熱膨張性耐火材
120、520 上立管接続部
130、530 下立管接続部
140、540 横枝管接続部
142、542 集水室
144、146、148 横枝管接続部材
544、546、548 横枝管接続部材
150、700 外層部材
220 上階側排水立管
230 下階側排水立管
300、400 保持部材
710 最内層
712 熱膨張性耐火シート
714 制振材
720 (耐火性無機繊維によって形成された)振動絶縁体
730 遮音カバー

Claims (12)

  1. ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、
    建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、前記床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、前記床スラブの上方で排水横枝管を接続する横枝管接続部とを備え、
    前記管本体における前記横枝管接続部と前記下立管接続部との間には、前記管本体の内面に突出する突出部が形成され、
    前記管本体の外面には前記突出部に対応して、前記管本体の周面の全てではない一部の周面にくぼみが形成され、
    前記くぼみの部分にパテ状の熱膨張性耐火材が、前記管本体の管内壁よりもさらに内側に突出して充填された
    ことを特徴とする排水配管継手。
  2. ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、
    建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、前記床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、前記床スラブの上方で排水横枝管を接続する横枝管接続部とを備え、
    前記管本体における前記横枝管接続部と前記下立管接続部との間には、前記管本体の内面に突出する突出部が形成され、
    前記管本体の外面には前記突出部に対応するくぼみが形成され、
    前記くぼみの部分に熱膨張性耐火材が充填され、
    前記くぼみは、建築物に施工された際に、少なくともその一部が前記床スラブの上端から下端までの範囲の少なくとも一部に対応する位置に形成された
    ことを特徴とする排水配管継手。
  3. 前記突出部は、前記排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水配管継手。
  4. 前記突出部は、旋回羽根であることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の排水配管継手。
  5. 前記くぼみは、前記旋回羽根の裏面の全部または一部に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の排水配管継手。
  6. 前記熱膨張性耐火材の外層には、耐火性能および振動抑制性能を備えた部材が設けられたことを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の排水配管継手。
  7. 前記部材は、3層構造を備え、前記管本体の外面から、制振材、耐火性無機繊維によって形成された振動絶縁体、遮音カバーの順に前記管本体の外面に設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の排水配管継手。
  8. 前記制振材は、前記くぼみの部分に充填された前記熱膨張性耐火材を覆うように、前記管本体の外面に貼り付けられていることを特徴とする、請求項7に記載の排水配管継手。
  9. 前記くぼみの部分よりも上方の位置において、前記制振材に代えて熱膨張性耐火シートが前記管本体の外面に貼り付けられていることを特徴とする、請求項8に記載の排水配管継手。
  10. 前記3層構造における最内層は、前記制振材および前記熱膨張性耐火シートのいずれかであって、
    前記最内層を設けた管径が、前記管本体における上方開口部であって前記横枝管接続部が挿入される受け口の外径以下であることを特徴とする、請求項9に記載の排水配管継手。
  11. 前記熱膨張性耐火材と前記熱膨張性耐火シートとでは熱膨張率が異なることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の排水配管継手。
  12. 前記制振材は、ブチル系またはアスファルト系の材料を含んで形成され、前記遮音カバーは、ゴム系、エラストマー系またはオレフィン系の材料を含んで形成されていることを特徴とする、請求項7~請求項11のいずれかに記載の排水配管継手。
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