JP7434642B1 - 排水集合管の製造方法 - Google Patents

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拓也 川島
博史 八木
清史 青木
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株式会社クボタケミックス
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Abstract

【課題】製造工場から施工現場への輸送時に破損しない排水集合管を提供する。【解決手段】排水集合管100は、床スラブの上方に突出する上部管140と、上部管140の下方に接着された下部管110とを含み、上部管140は、上管接続部143に接着された樹脂製の上管受口部材144と横枝管接続部142に接着された樹脂製の横枝管受口部材146とを含む。この排水集合管100は、半A式ダンボール箱1100により上管受口部材144が被覆された排水集合管100が、支持部材1200によりA式ダンボール箱1000の内面から30mm以上離隔され、かつ、支持部材1200によりA式ダンボール箱1000の内で軸芯が略水平または略垂直になるように支持された梱包形態で、1000mm以上1500mm以下の高さから水平な床面に落下させても受口部材を含めて排水集合管が破損しない。【選択図】図5

Description

本発明は、建築物の床スラブの貫通孔に施工される樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管と上部管の接続部に設けられた受口部材とを含む排水集合管に関し、特に、特定の条件を満足する耐衝撃性を備えた排水集合管に関する。なお、本発明は、このような排水集合管(自体)に加えて、排水集合管の製造方法も含むものである。ここで、この「(自体)」との記載は、特定の製造方法により製造された排水集合管、特定の検査方法を満足する排水集合管との区別を明確にするための記載であって、(これらの方法により特定されるものではない)排水集合管そのものを意味するものである。
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く縦管(立て管、上立て管、下立て管、上管、下管)と、各階層内に設置される横管(横枝管、枝管)と、これらを接続する排水集合管(排水配管継手、排水管継手、排水集合継手とも称される)とを備えた排水配管構造が代表的なものとして広く知られている。
そして、このような排水集合管は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される上部管(本体部、管本体)とその上部管の下方に接着される下部管とを備え、上部管は、上流側(上層側)の上管(上立て管)に接続可能な上管接続部を上端に、横枝管に接続可能な横枝管接続部を側面に備えるとともに、下部管は(最下階用ではない場合には)旋回羽根を備えるとともに下階へ排水を流出させる下管(下立て管)を接続する下管接続部を備えたり、(最下階用である場合には)縮径部を備えるとともに横主管へ排水を流出させる脚部ベント管を(直接または別体の配管を介して)接続する下管接続部を備えたり、されている。また、このような排水集合管として、ひとつまたは複数の樹脂製(典型的には硬質塩化ビニル(塩ビ)製)の射出成形品で形成されたものが広く知られている。
このような樹脂製の排水集合管の一例として、特開2020-094481号公報(特許文献1)に開示される排水配管継手がある。この特許文献1に開示された排水配管継手は、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成され、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体と、前記床スラブの上方に突出し上階からの排水を流入させる排水立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの下方に突出し下階に排水を流下させる排水立管を接続する下立管接続部と、前記床スラブの上方で排水横枝管を接続する横枝管接続部とを備え、前記管本体における前記横枝管接続部と前記下立管接続部との間には、前記管本体の内面に突出する突出部が形成され、前記管本体の外面には前記突出部に対応するくぼみが形成され、前記くぼみの部分に熱膨張性耐火材が充填されたことを特徴とする。(特許文献1の請求項1)。
この特許文献1に開示された排水配管継手(排水集合管と記載する場合がある)においては、上立管接続部としての樹脂製の上管受口部材および横枝管接続部としての樹脂製の横枝管受口部材とがそれぞれ排水配管継手の製造工場において接着されて、排水配管継手の製造工場から(最終的には)施工現場へ向けて出荷される。このような製造工場からの出荷時における従来からの梱包形態としては、この特許文献1に開示された排水配管継手(排水集合管)を、梱包することなく、または、何ら緩衝材を用いることなくダンボール箱に直接梱包していた。しかしながら、梱包しない形態(排水集合管が露出した状態でトラックの荷台等に積載されている形態)、および、このような緩衝材なしでダンボール箱に梱包された梱包形態では、トラックの荷台等からの落下時に発生する衝撃を排水集合管が受けると、排水集合管および受口部材(特に立管受口部材)が破損する傾向がある。そこで、このような破損を回避するために、排水集合管よりも大きな容積のA式ダンボール箱を準備してそのA式ダンボール箱に排水集合管を収納して、ダンボール箱と排水集合管との間隙を緩衝材(エアキャップ、発泡ウレタンなどの石油由来のプラスチック製緩衝材)で埋めることが考えられる。しかしながら、それでは、施工現場での廃棄物が増えたり
、梱包材のリサイクル性が落ちたりするという問題点がある。なお、梱包しない、および、このような緩衝材なしでダンボール箱に梱包された梱包形態であっても、トラックの荷台等からの落下時に発生した受けた衝撃では、排水集合管および受口部材が破損しない(たとえば靭性(粘り強さ)がある樹脂で受口部材を含めた排水集合管の全体が形成された)排水集合管が好ましいが、破損を完全に回避することのできる(樹脂製の受口部材を備えた)樹脂製の排水集合管を実現させることは現実的ではない。たとえば、一般的に、排水集合管は、床スラブへの施工後における耐衝撃性については、トラック輸送時における耐衝撃性ほどの過大な要求仕様を満足する必要がないことも、現実的ではない理由として挙げられる。
また、緩衝材(エアキャップ、発泡ウレタンなどの石油由来のプラスチック製緩衝材)については、以下の問題点もある。2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(2030アジェンダ)の中核をなす「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals、SDGs)には17のゴールが設定されており、その中のゴール14(海洋)は「持続可能な開発のために海洋資源を保全し、持続的に利用する」である。このようなゴール14(海洋)が設定されている背景として、不適切な廃棄物処理等により、世界の海洋汚染が深刻化していることがある。この海洋汚染の原因の一つとして海洋プラスチックごみとしての包装資材が含まれている。また、プラスチックごみは燃やす(焼却廃棄する)ときに温室効果ガスを排出したり、プラスチックの原料が採掘量に限りがある石油資源であったりすることも(包装資材が石油由来物質であることも)、2030アジェンダの観点から好ましくない。このように環境保護のために、環境に配慮した梱包資材を用いて被梱包体を梱包することが求められている。
このような観点を含めて、従来から用いられてきたウレタンフォームや発泡スチロールなどからなる樹脂製緩衝体は、近年、廃棄後の処理問題やリサイクルの容易性等を考慮して、ダンボール等の紙材を折り曲げて組み立てることで構成される紙製緩衝体が提案されてきている。梱包物品(梱包対象)が排水集合管ではないが、重量が比較的重い梱包物品を梱包する場合でも落下時の衝撃を良好に吸収して梱包物品への衝撃を低減することができる紙製緩衝体を提供することを目的として、特開2008-150114号公報(特許文献2)は、複写機やプリンタ等の内部に設置される各種部品を梱包する際に用いる保護用の緩衝体としてダンボール等の紙材を折り曲げて組み立てることで構成される紙製緩衝体を開示する。
特開2020-094481号公報 特開2008-150114号公報
しかしながら、この特許文献2における梱包対象である複写機またはプリンタ等の画像形成装置の現像ユニットは略直方体の形状であって、この特許文献1に開示された排水集合管とは形状が大きく異なるために、特許文献2に開示された紙製緩衝体を排水集合管に適用することは到底できない。このため、樹脂製の排水集合管であって樹脂製の受口部材を備えた排水集合管をダンボール箱に梱包して排水集合管の製造工場から出荷するにあたり、施工現場までの輸送途中に(たとえばトラックの荷台から)ダンボール箱ごと落下しても、排水集合管も受口部材も破損することを回避することのできる耐衝撃性に関する条件を満足する排水集合管(自体)の実現が求められているが、実現できていないという問題点がある。ここで、本願出願人は、このような排水集合管自体のみで耐衝撃性を高めることに着目するのではなく、排水集合管(自体)である「物の発明」における発明特定事項として、物の構造の要件に加えて耐衝撃性についての排水集合管が満足する特定の限定要件(条件)を限定することにより、樹脂製の排水集合管であって樹脂製の受口部材を備えた排水集合管を排水集合管の製造工場からダンボール箱に梱包して出荷した後にダンボ
ール箱ごと落下しても、排水集合管も受口部材も破損することを回避することのできる排水集合管(自体)を開発することに着目したのである。一般的に、排水集合管は、床スラブへの施工後における耐衝撃性については、トラック輸送時における耐衝撃性ほどの過大な要求仕様を満足する必要がないために、梱包して輸送する際において、本発明に係る梱包資材を用いて本発明に係る梱包形態によりトラック輸送時における耐衝撃性についての過大な要求仕様を満足させることとして(当然ながら施工現場ではこの梱包形態は開放される)、施工現場までの輸送途中に(たとえばトラックの荷台から)ダンボール箱ごと落下しても、排水集合管も受口部材も破損することを回避することができるとともに、床スラブへの施工後に過大な耐衝撃性を備えなくても済む、排水集合管(自体)を開発するに至ったのである。
本発明は、上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、排水集合管は、床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管とを含み、上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含み、耐衝撃性についての特定の条件を満足する排水集合管(自体)および排水集合管の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る排水集合管(自体)および排水集合管の製造方法は、以下の技術的手段を講じている。
本発明のある局面に係る、排水集合管(自体)は、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても前記排水集合管および前記排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しない排水集合管である。前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管とを含み、前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および前記上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および前記横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含み、前記排水集合管の軸芯方向の長さが、前記横枝管接続部の上端から少なくとも前記上管受口部材の上端まである半A式ダンボール箱により前記上管受口部材が被覆された排水集合管が、前記排水集合管の軸芯が略水平または略垂直になる方向で、略直方体形状のA式ダンボール箱に収納され、前記A式ダンボール箱の長さ、幅および高さの各方向を、前記排水集合管の軸芯方向、前記少なくとも1つの横枝管接続部の横枝軸芯方向および前記横枝軸芯方向に垂直な方向とするとともに、これらの方向で定義される前記A式ダンボール箱の長さL、幅Wおよび高さHとして、前記長さLが、収納される前記排水集合管の軸芯に沿った長さに対応し、前記排水集合管の外径に対応した穴を設けた支持部材により、前記排水集合管の外径が前記穴で支持されるとともに、前記A式ダンボール箱内において前記軸芯と垂直な方向に前記支持部材が設けられることにより、前記A式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように前記排水集合管が支持され、梱包資材としての前記A式ダンボール箱および前記半A式ダンボール箱を用いた梱包形態、または、梱包資材としての前記A式ダンボール箱、前記半A式ダンボール箱および前記支持部材を用いた梱包形態で前記排水集合管が収納された前記A式ダンボール箱を、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にして予め定められた高さから水平な床面に落下させる試験、および、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にしないで予め定められた高さから水平な床面に落下させる試験によっては、前記受口部材を含めた前記排水集合管が破損しないことが確認されたことを特徴として、排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても前記排水集合管および前記排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しない排水集合管である。
このある局面に係る排水集合管は、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管とを含み、前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および前記上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および前記横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含む排水集合管であって、以下の<条件>を満足する、排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても前記排水集合管および前記排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しない排水集合管である。
<条件>
<条件その1>前記排水集合管の軸芯方向の長さが、前記横枝管接続部の上端から少なくとも前記上管受口部材の上端まである半A式ダンボール箱により前記上管受口部材が被覆された排水集合管が、前記排水集合管の軸芯が略水平または略垂直になる方向で、略直方体形状のA式ダンボール箱に収納されている。
<条件その2>前記A式ダンボール箱の長さ、幅および高さの各方向を、前記排水集合管の軸芯方向、前記少なくとも1つの横枝管接続部の横枝軸芯方向および前記横枝軸芯方向に垂直な方向とするとともに、これらの方向で定義される前記A式ダンボール箱の長さL、幅Wおよび高さHとして、前記長さLが、収納される前記排水集合管の軸芯に沿った長さに対応し、前記排水集合管の外径に対応した穴を設けた支持部材により、前記排水集合管の外径が前記穴で支持されるとともに、前記A式ダンボール箱内において前記軸芯と垂直な方向に前記支持部材が設けられることにより、前記A式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように前記排水集合管が支持されている。
<条件その3>梱包資材としての前記A式ダンボール箱および前記半A式ダンボール箱を用いた梱包形態、または、梱包資材としての前記A式ダンボール箱、前記半A式ダンボール箱および前記支持部材を用いた梱包形態で前記排水集合管が収納された前記A式ダンボール箱を、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にして予め定められた高さから水平な床面に落下させても、および、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にしないで予め定められた高さから水平な床面に落下させても、いずれの場合でも前記受口部材を含めた前記排水集合管が破損しない。すなわち、本発明に係る排水集合管は、<条件その1>および<条件その2>による梱包さえしておけば<条件その3>を確認することより、排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても排水集合管および排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しないことを担保することができる排水集合管(自体)である。
好ましくは、前記支持部材は、前記高さHと前記幅Wとに対応した2辺を備えた長方形のダンボール板に、前記排水集合管の外径に対応した穴を設けた支持部材であって、前記支持部材により、前記排水集合管の外径が前記穴で支持されるとともに、前記支持部材が、前記A式ダンボール箱における前記幅W方向で対向する面どうしを連結するように、かつ、前記高さH方向で対向する面どうしを連結するように、前記A式ダンボール箱の内において前記軸芯と垂直な方向に前記支持部材が設けられることにより、前記A式ダンボール箱の内で前記軸芯が略水平または略垂直になる方向で前記排水集合管を支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
さらに好ましくは、前記排水集合管は、前記支持部材により、前記A式ダンボール箱の内面から30mm以上離隔されて支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
さらに好ましくは、前記支持部材は、展開視で、前記高さHと前記幅Wとに対応した2辺を備えた平面に前記穴を備えた2つの長方形と、前記高さHおよび前記幅Wのいずれかに対応した1辺を備えた平面に前記穴を備えない2つの長方形とが交互に連続する4つの長方形が連続した形状を備え、前記連続する長方形の境界の辺を山折りにして立体化することにより2面に穴を備えた中空四角柱形状を備える部材を形成して、前記排水集合管を支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる
さらに好ましくは、前記排水集合管は、前記支持部材により、前記A式ダンボール箱の内面から30mm以上離隔されて支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
さらに好ましくは、前記排水集合管は、耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含むようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
さらに好ましくは、前記排水集合管の重量は、1kg以上10kg以下であるようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
さらに好ましくは、前記予め定められた高さは1000mm以上1500mm以下であるようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。ここで、この予め定められた高さである1000mm以上1500mm以下は、排水集合管の製造工場から施工現場までのトラックによる輸送時において、(トラックの仕様にもよるが)トラック荷台高さが路面から1000mm程度であること、あおり(蝶番で取り付けられた落下防止板)の高さを含めると路面から1500mm程度であることに基づく。
さらに好ましくは、前記長さL≧前記幅W×2の場合には、前記A式ダンボール箱を形成する6面のうちの前記長さLを含む面を前記床面に対して側面視で70deg以上74deg以下の範囲で傾けて、前記長さL<前記幅W×2の場合には、前記長さLを含む面を前記床面に対して側面視で62deg以上66deg以下の範囲で傾けて、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にしないで予め定められた高さから水平な床面に落下させるようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
さらに好ましくは、前記梱包資材に石油由来物質を用いないで梱包するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
上記目的を達成するため、本発明の別の局面に係る、排水集合管の製造方法は、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管の製造方法であって、前記排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても前記排水集合管および前記排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しないことを担保するための耐衝撃検査ステップを含む製造方法であって、前記排水集合管の重量は、1kg以上10kg以下であって、前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管とを含み、前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および前記上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および前記横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含み、前記製造方法は、前記排水集合管に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形して準備する、または、前記樹脂製の複数の部品を搬入して準備する樹脂準備ステップと、前記複数の部品を接着剤を用いて接合して組み立てる組み立てステップと、組み立てられた排水集合管を、以下に示す梱包形態で前記排水集合管をA式ダンボール箱へ収納して梱包する梱包ステップと、前記梱包形態で梱包された排水集合管を、以下に示す耐衝撃検査方法により検査する耐衝撃検査ステップとを含む。
<梱包形態>
前記排水集合管の軸芯方向の長さが、前記横枝管接続部の上端から少なくとも前記上管受口部材の上端まである半A式ダンボール箱により前記上管受口部材が被覆された排水集合管が、前記排水集合管の軸芯が略水平または略垂直になる方向で、略直方体形状のA式ダンボール箱に収納され、
前記A式ダンボール箱の長さ、幅および高さの各方向を、前記排水集合管の軸芯方向、前記少なくとも1つの横枝管接続部の横枝軸芯方向および前記横枝軸芯方向に垂直な方向とするとともに、これらの方向で定義される前記A式ダンボール箱の長さL、幅Wおよび高さHとして、
前記長さLが、収納される前記排水集合管の軸芯に沿った長さに対応し、
前記排水集合管の外径に対応した穴を設けた支持部材により、前記排水集合管の外径が
前記穴で支持されるとともに、前記A式ダンボール箱内において前記軸芯と垂直な方向に前記支持部材が設けられることにより、前記A式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように前記排水集合管が支持され、
梱包資材としての前記A式ダンボール箱および前記半A式ダンボール箱を用いた梱包形態、または、梱包資材としての前記A式ダンボール箱、前記半A式ダンボール箱および前記支持部材を用いた梱包形態。
<耐衝撃検査方法>
前記排水集合管が収納された前記A式ダンボール箱を、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にして1000mm以上1500mm以下の高さから水平な床面に落下させる第1落下ステップと、
前記排水集合管が収納された前記A式ダンボール箱を、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にしないで1000mm以上1500mm以下の高さから水平な床面に落下させる第2落下ステップと、
前記第1落下ステップおよび前記第2落下ステップの後で、前記A式ダンボール箱を開けて、目視により、前記受口部材を含めた前記排水集合管が破損しないことを確認する確認ステップと、を含む。
好ましくは、前記梱包形態において、前記排水集合管は、前記支持部材により、前記A式ダンボール箱の内面から30mm以上離隔されて支持するようにして、上記の排水集合管の製造方法として構成することができる。
さらに好ましくは、前記第2落下ステップにおいて、前記長さL≧前記幅W×2の場合には、前記A式ダンボール箱を形成する6面のうちの前記長さLを含む面を前記床面に対して側面視で70deg以上74deg以下の範囲で傾けて、前記長さL<前記幅W×2の場合には、前記長さLを含む面を前記床面に対して側面視で62deg以上66deg以下の範囲で傾けて、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にしないで水平な床面に落下させるようにして、上記の排水集合管の製造方法として構成することができる。
さらに好ましくは、前記梱包形態において、前記支持部材は、展開視で、前記高さHと前記幅Wとに対応した2辺を備えた平面に前記穴を備えた2つの長方形と、前記高さHおよび前記幅Wのいずれかに対応した1辺を備えた平面に前記穴を備えない2つの長方形とが交互に連続する4つの長方形が連続した形状を備え、前記連続する長方形の境界の辺を山折りにして立体化することにより2面に穴を備えた中空四角柱形状を備える部材を形成して、前記排水集合管を支持するようにして、上記の排水集合管の製造方法として構成することができる。
前記排水集合管は、耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含むようにして、上記の排水集合管の製造方法として構成することができる。
本発明によると、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、排水集合管は、床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管とを含み、上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含み、耐衝撃性についての特定の条件を満足する排水集合管(自体)および排水集合管の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る排水集合管100であって外層部材700を備えた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る排水集合管100を示す図であって、(A)熱膨張性耐火材116が充填された状態を示す斜視図であって、(B)熱膨張性耐火材116が充填されていない状態を示す斜視図である。 (A)図2(B)に示す排水集合管100の分解図であって、(B)管壁を透視した下部管110の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る排水集合管100の梱包形態を説明するための図(その1:単段の排水集合管で支持部材なし)である。 本発明の実施の形態に係る排水集合管100の梱包形態を説明するための図(その2:単段の排水集合管で支持部材2箇所)である。 図5に示す支持部材を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る排水集合管200の梱包形態を説明するための図(二段の排水集合管で支持部材2箇所)である。 図7における梱包資材を説明するための図である。 図8に示す支持部材を説明するための図である。 図9に示す支持部材の展開図である。 図9に示す支持部材とは別の支持部材の展開図である。 梱包された排水集合管の耐衝撃検査方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る排水集合管(自体)の特徴を説明するための図(その1)である。 本発明の実施の形態に係る排水集合管(自体)の特徴を説明するための図(その2)である。
以下において、本発明の実施の形態に係る排水集合管(自体)100、および、排水集合管100の梱包方法(排水集合管の製造方法における梱包ステップ)と梱包された排水集合管100の耐衝撃検査方法(排水集合管の製造方法における耐衝撃検査ステップ)とを含む排水集合管の製造方法について、図1~図14を参照して詳しく説明する。ここで、本発明に係る排水集合管とは、後述する梱包資材(A式ダンボール箱、半A式ダンボール箱、支持部材)を用いて後述する梱包形態により梱包した排水集合管(自体)について耐衝撃に関する条件(予め定められた高さから水平な床面に落下させても受口部材を含めた前記排水集合管が破損しないという条件)を満足する排水集合管(そのもの)である。また、このような排水集合管は、排水集合管に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形して準備する、または、前記樹脂製の複数の部品を搬入して準備する樹脂準備ステップと、それらの複数の部品を接着剤等を用いて接合して組み立てる組み立てステップと、組み立てられた排水集合管を所定の梱包形態(製品出荷状態)に梱包する梱包ステップと、所定の耐衝撃検査方法により検査する耐衝撃検査ステップとを少なくとも含む製造方法により製造される。このため、本発明に係る排水集合管の製造方法は、(耐衝撃検査ステップについて、全製品について実施するのか、製品から抜き取り検査するか、試作品の性能検査に組み入れるのかによらず)、樹脂準備ステップ、組み立てステップ、梱包ステップ、および、耐衝撃検査ステップを少なくとも含む製造方法である。なお、以下の説明において、外周面と外表面と外側、外層側と外周側と外側、内層側と内周側と内側、熱膨張性耐火材と耐火材と熱膨張材、自体とそのもの、とは、明確に区別して記載していない場合がある。また、本発明を容易に理解するために、A式ダンボール箱を透過させて梱包形態を説明する場合がある(図4、図7)。なお、A式ダンボール箱とは図5に示すような蓋を備えたA式ダンボール箱1000であって、半A式ダンボール箱とは図5に示すような蓋を備えない半A式ダンボール箱1100である。また、本発明が限定されるものではないが、A式ダンボール箱1000には、材質K5、構成ダブルフルート(WF)を採用しており、半A式ダンボール箱1100には、材質K6、構成ダブルフルート(WF)を採用している。材質とは、ダンボールを横から見たときに中芯(波状模様の部分)を表と裏とから挟んでいる紙の部分であるライナーの強度(表裏の紙の強さ)を示し、古紙が多く含まれる材質Cとバージンパルプが多く含まれた材質Kとがあり、材質Kには重さで区別されるK5とK6とがあり、K5が定番品と呼ばれるもので、K6の方がK5よりも強度が強い。構成とは、ダンボールの厚みを示し、約5mmの厚さのAフルート(外装箱用途に最も多く使われる)、約3mmの厚さのBフルート(小箱や軽量物用途に多く使われる)および約8mmの厚さのWF(ダブルフルート、AフルートとBフルートとを重ねたもので重量物用途に多く使われる)があり、A式ダンボール箱1000および半A式ダンボール箱1100には、構成にダブルフルート(WF)を採用して強度を上げている。なお、後述するように、半A式ダンボール箱1100は、排水集合管100の軸芯方向(この排水集合管の軸芯方向は図3に示す方向)の長さが横枝管接続部142の上端から少なくとも上管受口部材144の上端まであって、この半A式ダンボール箱1100により上管受口部材144が被覆されている。しかしながら、横枝管接続部142の上端から少なくとも上管受口部材144の上端までにおいて、上管受口部材144を被覆する被覆部材、または、上管受口部材144を保護する保護部材であれば良く、半A式ダンボール箱に限定されるものではない。ここで、このような被覆部材または保護部材は、石油由来物質で構成されないこと(半A式ダンボール箱は石油由来物質で構成されない)が好ましい。
[排水集合管(自体)]
以下、本発明の実施の形態に係る排水集合管100を、図面に基づき詳しく説明する。図1~図3に示すように、この排水集合管100を用いた排水配管構造は、建築物における床スラブを上下に貫通する貫通孔に設けられる非耐火性の樹脂製の排水集合管100に、この排水集合管100に接続される樹脂製の排水立管(上階からの排水を流入させる上階側排水立管(図示しない、かつ、単に上管と記載する場合がある)および下階に排水を流下させる下階側排水立管(図示しない、かつ、単に下管と記載する場合がある))とを接続した構造を備える。ここで、「非耐火性」とは、建築物内で火災が生じたときに、これによる熱によって変形、溶融または燃焼可能な性質をいい、たとえば樹脂製のものが該当する。
この排水集合管100は、たとえば塩化ビニル、ポリエチレン、ポリブテン、ポリプロピレンあるいはナイロン等によって形成されている。この排水集合管100は、図3(A)に示すように、ひとつまたは複数(ここでは一例ではあるが上部管140、下部管110、上管受口部材144、横枝管受口部材146×3の6つ)の樹脂製の射出成形品で形成されている。そして、この排水集合管100は、図1~図3に示すように、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、排水集合管100は、床スラブの上方に突出する上部管140と、上部管140の下方に接着された下部管と110を含む。上部管140は、上階から排水を流入させる上管を接続するための上管受口部材144が接着される上管接続部143と、床スラブの上方において横枝管を接続するための横枝管受口部材146が接着される少なくとも1つ(ここでは3つ)の横枝管接続部142とを含む。下部管110は、下階へ排水を流出させる下管を接続する下管接続部を含む。上管接続部143および横枝管接続部142に、それぞれ樹脂製の受口部材(より詳しくは上管受口部材144および横枝管受口部材146)が接着される。なお、後述するように、本発明に係る排水集合管においては、下部管110のさらに下方に下管(下階側排水立管)を備える排水集合管であっても、上部管140のさらに上方に上管(上階側排水立管)を備える排水集合管であっても、構わない。
ここで、この排水集合管100が最下階用ではない場合においては、図3(A)および図3(B)に示すように、一例ではあるが、下部管110における下端よりも上に、下部管110の内面に突出する突出部としての旋回羽根114が形成され、下部管110の外面にはこの突出部(ここでは旋回羽根114)に対応するくぼみ112が形成され、このくぼみ112の部分に熱膨張性耐火材116が充填されている。
ここで、限定されるものではないが、この熱膨張性耐火材116は、パテ状に形成されており、排水集合管100の下部管110の外面のくぼみ112が、下部管110の外径程度まで埋まるように(所望の耐火性を十分に実現できる量が)充填されている。したがって、排水集合管100の下部管110の外径は従来の排水配管継手と同じ程度である。このように、熱膨張性耐火材116は、図2(B)に示すように、突出部(旋回羽根114)に対応するくぼみ112の部分に(樹脂含有ではなく純粋な)熱膨張性耐火材116自体が充填される。
このような排水集合管100が建築物における床スラブを上下に貫通する貫通孔に施工されると、図1に示すように、この突出部(旋回羽根114)のくぼみ112は、建築物
に施工された際に、少なくともその一部が床スラブの上端から下端までの範囲の少なくとも一部に対応する位置になるように形成されている。なお、この突出部は、排水集合管100内の排水の流れを変化させる部分であれば、旋回羽根114に限定されるものではなく、偏流板等であっても構わず、下部管110の外面に対応するくぼみ112が形成されるものであれば、旋回羽根にも偏流板にも限定されない。
さらに、熱膨張性耐火材116の外層には、耐火性能および振動抑制性能を備えた外層部材700を、下部管110の外周に筒状に巻き付けるように覆われて設けることが好ましく、この外層部材700は上部管140の下方を筒状に覆っても構わない。この外層部材700は、たとえば、3層構造を備え、排水集合管100の外表面から、制振材、耐火性無機繊維によって形成された振動絶縁体、遮音カバーの順に、排水集合管100の上部管140の下方を覆う場合を含めて下部管110の外周面を覆うように設けられている。一例ではあるが、最内層の制振材は、ブチル系(ブチルゴム等)またはアスファルト系(ゴムアスファルト、改質アスファルト等)の材料を含んで形成され、最外層の遮音カバーは、ゴム系(EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等)、エラストマー系または樹脂系の材料を含んで形成され(ゴム等の軟質材料のみならず硬質の塩ビ製でも構わない)、中間層の耐火性無機繊維によって形成された振動絶縁体は、耐火性を備えた無機繊維の集合体(グラスウール、ロックウールまたはセラミックファイバー等)から形成される。なお、最内層において制振材に代えて熱膨張性耐火材が設けられている部分が存在することも好ましい。すなわち、3層構造の外層部材700は、最内層の熱膨張性耐火材または制振材、中間層の振動絶縁体、および、最外層の遮音カバーで構成される。なお、外層部材が3層構造であることも、このような素材で形成されていることも、本発明において限定されるものではない。
この排水集合管100における上部管140は、図3(A)に示すように、上管を上管受口部材144を介して接続する上管接続部143および上面視で90°間隔で3箇所に横枝管を横枝管受口部材146を介して接続する横枝管接続部142を備えた集水室(符号なし)と、上管受口部材144と、3つの横枝管受口部材146とで構成されている。ここで、横枝管接続部の個数は限定されるものではなく、また、限定されるものではないが、横枝管受口部材146は、縮径せずに横枝管を接続するものであっても(図示した横枝管受口部材)、縮径して横枝管を接続するものであっても構わない。
また、この排水集合管100は、この排水集合管100の製造工場において、上述したように図3(A)に示す6つの樹脂製の射出成形品で形成され、図3(A)に示すこれらの別々の射出成形品の射出成形品どうしの接合部分が接着剤で接着される。ここで、本発明に直接的な関係は低いが、図3(A)において符号の数字の直後に続く、アルファベットMは雄側を、アルファベットFは雌側を意味する。なお、本発明は、排水集合管を構成する射出成形品の個数および形状は限定されるものではないが、以下の構成を備える排水集合管に好ましく適用される。
本発明に係る排水集合管は、以下の構成を備える。この排水集合管100は、図1に示したように建築物の床スラブの貫通孔に施工される樹脂製の排水集合管である。この排水集合管100は、図1~図3に示すように、床スラブの上方に突出する上部管140と、上部管140の下方に接着された下部管110と、排水集合管100における枝下(この枝下とは上部管140における横枝管接続部142の直下近傍を示す)から下部管110までの外周に設けられた少なくとも2層(ここでは3層)からなる外層部材700とを含む。ただし、この外層部材700は、本発明に係る排水集合管においては任意的構成である。この上部管140は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部143および上管接続部143に接着された樹脂製の上管受口部材144と、床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つ(ここでは3つ)の横枝管接続部142および横枝管接続部142に接着された樹脂製の横枝管受口部材146とを含む。また、本発明に係る排水集合管においては、上管受口部材144にゴム輪を、横枝管受口部材146にゴム輪を、それぞれ(任意的構成として)備える排水集合管であっても構わない。さらに、本発明に係る排水集合管においては、下部管110のさらに下方に下管(下階側排水立管)
を備える排水集合管であっても、上部管140のさらに上方に上管(上階側排水立管)を備える排水集合管であっても、構わない。ここで、本発明に係る排水集合管の重量については1kg以上10kg以下であるようにして、後述する<条件>を満足する排水集合管であることが好ましい。
そして、本発明に係る排水集合管は、以下の<条件その1>、<条件その2>および<条件その3>からなる<条件>を満足する排水集合管(自体)である。なお、本発明に係る排水集合管の一例として、本実施の形態においては、図1~図5に示す単段の排水集合管100および図7に示す二段の排水集合管200を例示する。以下において、排水集合管100と排水集合管200とで共通する事項については、排水集合管100を代表させて説明する。排水集合管の軸芯方向長さが短い排水集合管100は、後述する支持部材を図4に示すように用いなくても構わないし、図5に示すように用いても構わない。なお、排水集合管の軸芯方向長さが排水集合管100よりも長い(二段を含む複段の)排水集合管は、後述する図7および図8に示すように(少なくとも上下2箇所において)支持部材を用いることが好ましい。また、支持部材1200(支持部材1210)は図5、図6に示すように1枚のダンボール板からなる平板形状を備え、支持部材1300(支持部材1310)および支持部材1400(支持部材1410)は図7~図11に示すように平板状のダンボール板を折り返した中空四角柱形状を備えるが、支持部材はこのような形状に限定されるものではない。さらに、支持部材を用いるのであれば、中空四角柱形状を備える支持部材1300(支持部材1310)および支持部材1400(支持部材1410)を、図5に示す梱包形態として用いても構わないし、平板形状を備える支持部材1200(支持部材1210)を、図7および図8に示す梱包形態として用いても構わない。
<条件その1>排水集合管100の軸芯方向(この排水集合管の軸芯方向は図3に示す方向)の長さが、横枝管接続部142の上端から少なくとも上管受口部材144の上端まである半A式ダンボール箱1100により上管受口部材144が被覆された排水集合管100が、排水集合管100の軸芯が略水平(図4(A)に示す状態)または略垂直(図4(B)に示す状態)になる方向で、略直方体形状のA式ダンボール箱1000に収納されている。ここで、「横枝管接続部142の上端から上管受口部材144の上端まで」とは、「上管受口部材の下端と上部管との当接部から上管受口部材144の上端まで」とほぼ同じ位置である場合も含む。半A式ダンボール箱1100は、横枝管接続部142の上端から上管受口部材144上端までを少なくとも覆うことになる。このように、この半A式ダンボール箱1100により、上管受口部材144を完全に覆うことになることが好ましい。
<条件その2>図4または図5に示すように、A式ダンボール箱1000の長さ、幅および高さの各方向を、排水集合管100の軸芯方向、少なくとも1つの横枝管接続部142の横枝軸芯方向および横枝軸芯方向に垂直な方向とするとともに、これらの方向で定義されるA式ダンボール箱1000の長さL、幅Wおよび高さHとして、長さLが、収納される排水集合管100の軸芯に沿った長さに対応し、必要に応じて(任意的構成である)排水集合管100の外径に対応した円形の穴を設けた支持部材(図5では支持部材1200および支持部材1210、図7および図8では支持部材1300支持部材1310)を用いることにより排水集合管の外径が穴で支持されるとともにA式ダンボール箱内において軸芯と垂直な方向に支持部材が設けられて、A式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように排水集合管が支持されている。この支持部材は本発明においては任意的構成であり、この支持部材の一例としては、図5に示すように厚みt(mm)のダンボール板で形成され、穴部1202を備えた支持部材1200および穴部1212を備えた支持部材1210、ならびに、図7および図8に示すように矩形状のダンボール箱体(中空四角柱形状)で形成され、穴部1302を備えた支持部材1300および穴部1312を備えた支持部材1310が挙げられる。これらの支持部材は、A式ダンボール箱1000内での排水集合管100および排水集合管200の片持ち状態を避けるために(少なくとも)上下2ヶ所(を含めた2ヶ所以上)に設けることが好ましい。この場合において、穴部は支持部材が設けられる位置における排水集合管の外径に対応した直径を備え、この支持部材によりA式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように排水集合管が支持されている。ここで、図示した支持部材は排水集合管の外形形状に合致した円形の穴部を備えるが、本発明は支持部材に設けられる穴部の形状は円形に限定されるものではなく、排水集合管の外径に対応した正方形を含む円形以外の形状を備えるものであっても構わない。さらに、図示した支持部材は排水集合管の外形形状に合致した円形の穴部を備えるが、本発明はこのような(円形および円形以外の)穴部を備える支持部材に限定されるものではない。たとえば、穴部を備えないダンボール(板)を複数層重ねた台状であっても構わないし、穴部に代えて排水集合管の外形形状に合致した切り欠き部を備えたダンボール(板)を複数層重ねた台状であっても構わない。この場合においても、図示した支持部材と同様に、十分な強度を備え、排水集合管を支持することができるとともに、石油由来物質を使用していない点で好ましい。以下において、支持部材1200と支持部材1210とで共通する事項については支持部材1200を代表させて、支持部材1300と支持部材1310とで共通する事項については支持部材1300を代表させて、支持部材1300(および支持部材1310)と支持部材1400(および支持部材1410)とで共通する事項については支持部材1300を代表させて、それぞれ説明する場合がある。
<条件その3>図4および図5ならびに図7に示すように、梱包資材としてのA式ダンボール箱1000および半A式ダンボール箱1100を用いた梱包形態(図4)、または、梱包資材としてのA式ダンボール箱1000、半A式ダンボール箱1100および支持部材(支持部材1200および支持部材1210または支持部材1300および支持部材1310)を用いた梱包形態(図5、図7)で梱包された排水集合管が収納されたA式ダンボール箱1000を、図12に示すように、略直方体形状の高さHと幅Wとを含む面を水平にして予め定められた高さから水平な床面に落下させても(オフセットなし落下を示す図12(A)、図12(B)のように落下させても)、および、略直方体形状の高さHと幅Wとを含む面を水平にしないで予め定められた高さから水平な床面に落下させても(オフセットあり落下を示す図12(C)、図12(D)のように落下させても)、いずれの場合でも受口部材(上管受口部材144、横枝管受口部材146)を含めた排水集合管が破損しない。本発明に係る排水集合管は、このような条件を満足する排水集合管であることを特徴とする。すなわち、本発明に係る排水集合管は、<条件その1>および<条件その2>を満足させるように、上述した梱包資材を用いて上述した梱包形態で梱包した場合に、<条件その3>を満足する排水集合管(自体)であることを特徴とする。なお、図4、図5、図7および図8に示す梱包形態においては(特に支持部材を用いない図4に示す梱包形態においては)、半A式ダンボール箱1100における開口部に対向する面(上管受口部材144を覆っている上面)がA式ダンボール箱1000の内面に当接しており、排水集合管100の最下端(ここでは下部管110の下端面)がA式ダンボール箱1000の内面に当接していることが好ましい。
なお、本発明は、このように受口部材を含む樹脂製の射出成形品どうしが接着された排水集合管100を、上述した梱包資材を用いて上述した梱包形態に梱包して、その梱包した状態で後述する耐衝撃検査方法によっては受口部材(上管受口部材144、横枝管受口部材146)を含めて排水集合管100が破損しない排水集合管(自体)を対象とするともに、後述するように、排水集合管100の梱包方法(排水集合管の製造方法における梱包ステップ)と、梱包された排水集合管100の耐衝撃検査方法(排水集合管の製造方法における耐衝撃検査ステップ)とを含む排水集合管の製造方法を対象としている。
ここから、上述した条件について、さらに詳しく説明する。まず、<条件その2>について説明する。図5および図6に示すように、支持部材1200および支持部材1210は、高さHと幅Wとに対応した2辺を備えた長方形のダンボール板に、排水集合管100の外径に対応した円形の穴(穴部1202および穴部1212)を設けた支持部材であって、これらの支持部材1200および支持部材1210により、排水集合管100の外径が穴で支持されるとともに、支持部材1200および支持部材1210が、A式ダンボール箱1000における幅W方向で対向する面どうしを連結するように、かつ、高さH方向
で対向する面どうしを連結するように、A式ダンボール箱1000の内において軸芯と垂直な方向に支持部材が設けられることにより、A式ダンボール箱1000の内で軸芯が略水平または略垂直になる方向で排水集合管100を支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。より具体的には、図5および図6に示すように、支持部材1200の短辺1200Hの長さがA式ダンボール箱1000の高さHに対応しており、長辺1200WがA式ダンボール箱1000の蓋と底とに当接して、支持部材1200が、A式ダンボール箱1000における高さH方向で対向する面どうしを連結する。また、図5に示すように、支持部材1200の長辺1200Wの長さがA式ダンボール箱1000の幅Wに対応しており、短辺1200HがA式ダンボール箱1000の両側面に当接して、支持部材1200が、A式ダンボール箱1000における幅W方向で対向する面どうしを連結する。なお、長辺の長さと短辺の長さとは逆であっても構わない。このような支持部材1200を梱包資材として用いて梱包形態を実現する(排水集合管100を梱包する)ことにより、排水集合管100は、支持部材1200により、A式ダンボール箱1000の内面から30mm以上離隔されて支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。
次に、支持部材1200および支持部材1210とは異なる支持部材1300および支持部材1310を梱包資材として用いて梱包形態を実現する(排水集合管200を梱包する)<条件その2>について説明する。図7~図11に示すように、支持部材1300および支持部材1310は、展開視で、高さHと幅Wとに対応した2辺を備えた平面に穴(穴部1302、穴部1312)を備えた2つの長方形1306と、高さHおよび幅Wのいずれかに対応した1辺を備えた平面に穴を備えない2つの長方形1304(図10においては高さHに対応した1辺および長さL(1)の他辺とからなる長方形、図11においては幅Wに対応した1辺および長さL(1)の他辺とからなる長方形)とが交互に連続する4つの長方形が連続した形状を備え、連続する長方形の境界の辺を山折りにして立体化することにより開口部幅L(1)を備えるとともに2面に穴を備えた中空四角柱形状を備える部材を形成して、排水集合管を支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。より具体的には、図7~図10に示すように、支持部材1300の短面1300HにおけるL(1)とは別の他辺の長さがA式ダンボール箱1000の高さHに対応しており、長辺1300WがA式ダンボール箱1000の蓋と底とに当接して、支持部材1300が、A式ダンボール箱1000における高さH方向で対向する面どうしを連結する。また、図7~図10に示すように、支持部材1300の長辺1300Wの長さがA式ダンボール箱1000の幅Wに対応しており、短面1300HがA式ダンボール箱1000の両側面に当接して、支持部材1300が、A式ダンボール箱1000における幅W方向で対向する面どうしを連結する。なお、長辺の長さと短辺の長さとは逆であっても構わない。このような支持部材1300を梱包資材として用いて梱包形態を実現する(排水集合管100を梱包する)ことにより、排水集合管100は、支持部材1300により、A式ダンボール箱1000の内面から30mm以上離隔されて支持するようにして、上記の<条件>を満足する排水集合管として構成することができる。なお、図10に示す支持部材1300は開口部が高さH方向に開いていたが、図11に示す支持部材1400は開口部が幅W方向に開いているだけの相違であるために、支持部材1400についてはここでは詳しく説明しない。また、図9において、(右側に図示された)実線で示された穴部1302の位置および直径と、(左側に図示された)点線で示された穴部1302の位置および直径とは、長さL(1)だけ離隔した排水集合管の2ヶ所における軸芯および外径が一致する限りにおいて(縮径部等でない限りにおいて)、穴部1302の位置および直径は一致する(穴部1312、穴部1402および穴部1412も同じ)。さらに、図10および図11に示すように、これらの支持部材1300(および支持部材1310)ならびに支持部材1400(および支持部材1410)の中空四角柱形状を容易に実現するために、嵌合突起1302を嵌合穴部1308に嵌合することにより、石油由来物質を含む場合がある接着テープ等を使用しないで、石油由来物質を用いない梱包資材で排水集合管を梱包できる点で好ましい。
さらに、上記<条件>を満足する排水集合管は、耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含むようにして、または、重量を1kg以上10kg以下であるようにして、上記の条件を満足する排水集合管として構成することも好ましい。ここで、耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含む排水集合管とは、耐衝撃性改良樹脂(強化剤)を、塩ビ樹脂100重量部に対し1~20重量部を混合して樹脂成形された部分を含む排水集合管である。より具体的には、樹脂製の(複数の)部品(ここでは一例ではあるが上部管140、下部管110、上管受口部材144、横枝管受口部材146×3の6つのうちの少なくとも1つ)が塩ビ樹脂100重量部に対し1~20重量部を混合して樹脂成形されている。この場合において、抜き取り検査または試作品の性能検査として、上述した条件で落下試験を繰り返した結果(特に図12に示すようなオフセットなし/ありで様々な方向および傾きで落下試験を繰り返した結果)、破損した部分が特定できた場合には、破損した部分のみ(排水集合管の全体ではなくたとえば上部管140のみまたは受口部材のみ)に耐衝撃性に優れた樹脂を採用して、(受口部材を含む)排水集合管が耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含むようにすることも好ましい。なお、本発明に係る排水集合管は、耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含むものであるために、受口部材を含む排水集合管の全体が耐衝撃性に優れた樹脂で成形されているものであっても構わない。
さらに、<条件その3>に関して、予め定められた高さは1000mm以上1500mm以下であるようにして、上記の条件を満足する排水集合管として構成することも好ましい。また、<条件その3>に関して、長さL≧幅W×2の場合には、A式ダンボール箱1000を形成する6面のうちの長さLを含む面を床面に対して側面視で70deg以上74deg以下の範囲で傾けて、長さL<幅W×2の場合には、長さLを含む面を床面に対して側面視で62deg以上66deg以下の範囲で傾けて、略直方体形状の高さHと幅Wとを含む面を水平にしないで予め定められた高さから水平な(硬い)床面に落下させるようにして、上記の条件を満足する排水集合管として構成することも好ましい。この<条件その3>に好ましく用いられる落下条件を図12に示す。図12(A)および図12(B)がノンオフセット落下条件を説明するための図であって、図12(C)および図12(D)がオフセット落下条件を説明するための図である。なお、図12(D)に示すように、A式ダンボール箱1000が床面に対して捩じれてA式ダンボール箱1000の底面が見えていても構わない。
さらに、<条件その1>および<条件その2>に関して、梱包資材(A式ダンボール箱1000、半A式ダンボール箱1100、支持部材1200等)に石油由来物質を用いないで梱包するようにして、上記の条件を満足する排水集合管として構成することも好ましい。
以上のようにして、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、排水集合管は、床スラブの上方に突出する上部管と、上部管の下方に接着された下部管とを含み、上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含む排水集合管であって、上述した<条件>を満足する排水集合管(自体)を提供することができる。
[梱包された排水集合管]
なお、梱包された排水集合管とは、上述した梱包資材(A式ダンボール箱1000および半A式ダンボール箱1100ならびに任意的構成である支持部材1200(支持部材1210)、支持部材1300(支持部材1310)、支持部材1400(支持部材1410))を用いて、上述したいずれかの梱包形態を備えるように、梱包された排水集合管である。これにより、梱包された排水集合管を提供することができる。
[排水集合管の梱包方法]
また、排水集合管の梱包方法とは、上述した梱包資材(A式ダンボール箱1000および半A式ダンボール箱1100ならびに任意的構成である支持部材1200(支持部材1210)、支持部材1300(支持部材1310)、支持部材1400(支持部材1410))を用いて、上述したいずれかの梱包形態を備えるように排水集合管を梱包する方法である。これにより、排水集合管の梱包方法を提供することができる。
[排水集合管の耐衝撃検査方法]
以下において、梱包された排水集合管の耐衝撃検査方法(以下において耐衝撃検査方法と単に記載する場合がある)について、詳しく説明する。この耐衝撃検査方法は、上述した構成(受口部材を含む6つの樹脂製の射出成形品で形成された排水集合管)を備えた本発明に係る排水集合管に対して、排水集合管を上述した梱包資材を用いた梱包形態になるように準備する<準備ステップ>を含めて、上述した<条件その1>、<条件その2>および<条件その3>に対応するステップに従って排水集合管の耐衝撃性を検査する。なお、以下においては、図4に示す(単段で支持部材なしで準備された)排水集合管100についての耐衝撃試験と、図5に示す(単段で支持部材ありで準備された)排水集合管100についての耐衝撃試験と、図7および図8に示す(二段で支持部材ありで準備された)排水集合管200についての耐衝撃試験と、で共通する説明は、いずれかで代表させて説明する場合がある。ここで、この耐衝撃検査方法は、製品出荷時に全製品について実施するのではなく、抜き取り検査または試作品の性能検査として実施することが好ましい。
ここで、この耐衝撃検査方法の検査対象である排水集合管は、上述した通り、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出する上部管140と、上部管140の下方に接着された下部管110とを含み、この上部管140は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部143および上管接続部143に接着された樹脂製の上管受口部材144と、床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つ(ここでは3つ)の横枝管接続部142および横枝管接続部142に接着された樹脂製の横枝管受口部材146とを含む、重量が1kg以上10kg以下である排水集合管である。
<準備ステップその1>排水集合管100または排水集合管200(以下における検査方法の説明においては排水集合管100で代表させる場合がある)の軸芯方向(この排水集合管の軸芯方向は図3に示す方向)の長さが、横枝管接続部142の上端から少なくとも上管受口部材144の上端まである半A式ダンボール箱1100により上管受口部材144が被覆された排水集合管100を、排水集合管100の軸芯が略水平(図4(A)に示す状態)または略垂直(図4(B)に示す状態)になる方向で、略直方体形状のA式ダンボール箱1000に収納する。ここで、上述したように「横枝管接続部142の上端から上管受口部材144の上端まで」とは、「上管受口部材の下端と上部管との当接部から上管受口部材144の上端まで」とほぼ同じ位置である場合も含む。半A式ダンボール箱1100は、横枝管接続部142の上端から上管受口部材144上端までを少なくとも覆うことになる。このように、この半A式ダンボール箱1100により、上管受口部材144を完全に覆うことになることが好ましい。また、図4、図5、図7および図8に示す梱包形態においては(特に支持部材を用いない図4に示す梱包形態においては)、半A式ダンボール箱1100における開口部に対向する面(上管受口部材144を覆っている上面)がA式ダンボール箱1000の内面に当接させて、排水集合管100の最下端(ここでは下部管110の下端面)がA式ダンボール箱1000の内面に当接させることが好ましい。このように排水集合管100または排水集合管200を梱包することができるように、この<準備ステップその1>で準備する。
<準備ステップその2>図4に示すように、A式ダンボール箱1000の長さ、幅および高さの各方向を、排水集合管100の軸芯方向、少なくとも1つの横枝管接続部142の横枝軸芯方向および横枝軸芯方向に垂直な方向とするとともに、これらの方向で定義されるA式ダンボール箱1000の長さL、幅Wおよび高さHとして、長さLが、収納される排水集合管100の軸芯に沿った長さに対応し、必要に応じて(任意的構成である)排水集合管100の外径に対応した円形の穴を設けた支持部材を用いることにより排水集合管の外径が穴で支持されるとともにA式ダンボール箱内において軸芯と垂直な方向に支持部材が設けられて、A式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように排水集合管が支持されている。この支持部材は本発明においては任意的構成であり、この支持
部材の一例としては、図5に示すように厚みt(mm)のダンボール板で形成され、穴部1202を備えた支持部材1200および穴部1212を備えた支持部材1210、および、図7に示すように矩形状のダンボール箱体(中空四角柱形状)で形成され、穴部1302を備えた支持部材1300および穴部1312を備えた支持部材1310が挙げられる。これらの支持部材は、A式ダンボール箱1000内での排水集合管100および排水集合管200の片持ち状態を避けるために(少なくとも)上下2ヶ所(を含めた2ヶ所以上)に設けることが好ましい。この場合において、穴部は支持部材が設けられる位置における排水集合管の外径に対応した直径を備え、この支持部材によりA式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように排水集合管が支持されている。この場合において、排水集合管100は、支持部材の有無に関わらず、A式ダンボール箱1000の内面から30mm以上離隔されて支持されている。このように排水集合管を梱包することができるようにこの<準備ステップその2>で準備する。
<収納ステップ>石油由来物質を用いない梱包資材としてのA式ダンボール箱1000および半A式ダンボール箱1100を用いた梱包形態、または、石油由来物質を用いない梱包資材としてのA式ダンボール箱1000、半A式ダンボール箱1100および支持部材1200等を用いた梱包形態で排水集合管をA式ダンボール箱1000へ収納する。
<第1落下ステップ>排水集合管が収納されたA式ダンボール箱1000を、図12(A)および図12(B)に示すように、略直方体形状の高さHと幅Wとを含む面を水平にして1000mm以上1500mm以下の高さから水平な(硬い)床面に落下させる。この場合において、A式ダンボ-ル箱がその向きを維持したまま落下した場合には、図12(A)、図12(B)に示す場合にはA式ダンボ-ル箱の高さHと幅Wとを含む面が、水平な(硬い)床面に衝突することになる。
<第2落下ステップ>排水集合管が収納されたA式ダンボール箱1000を、図12(C)および図12(D)に示すように、略直方体形状の高さHと幅Wとを含む面を水平にしないで1000mm以上1500mm以下の高さから水平な(硬い)床面に(オフセット)落下させる。この場合において、A式ダンボ-ル箱がその傾きを維持したまま落下した場合には、図12(C)に示す場合にはA式ダンボ-ル箱の連続するいずれか2面が交差する角(かど)の辺が、図12(D)に示す場合にはA式ダンボ-ル箱の3面が交差する角(かど)の点が、水平な(硬い)床面に衝突することになる。
<確認ステップ>第1落下ステップおよび第2落下ステップの後で、A式ダンボール箱1000を開けて、目視により、受口部材(上管受口部材144、横枝管受口部材146)を含めた排水集合管100が破損していないことを確認する。
上述した、<準備ステップその1>、<準備ステップその2>、<収納ステップ>、<第1落下ステップ>、<第2落下ステップ>および<確認ステップ>からなる耐衝撃検査方法により、梱包された排水集合管に対して耐衝撃検査方法を実行することができる。
[排水集合管の製造方法]
以下、本発明の実施の形態に係る排水集合管100の製造方法を、上述した[排水集合管の耐衝撃検査方法]を参照して説明する。この製造方法は、排水集合管100の製造方法であって、排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても排水集合管および排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しないことを担保するための耐衝撃検査ステップを含む。より具体的には、製造方法は、排水集合管100に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形して準備する、または、樹脂製の複数の部品を搬入して準備する樹脂準備ステップと、複数の部品を接着剤を用いて接合して組み立てる組み立てステップと、組み立てられた排水集合管を、上述した梱包形態で排水集合管をA式ダンボール箱へ収納して梱包する梱包ステップと、梱包形態で梱包された排水集合管を、上述した耐衝撃検査方法により検査する耐衝撃検査ステップとを含む。ここで、樹脂準備ステップと樹脂準備ステップ以外のステップとを実施する者および/ま
たは場所が異なる場合には、樹脂準備ステップは排水集合管100に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形する樹脂成形工場から排水集合管の製造工場へ搬入して準備するステップとなり、樹脂準備ステップと樹脂準備ステップ以外のステップとを実施する者および/または場所が同じ場合には、樹脂準備ステップは、排水集合管100に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形して準備するステップとなる。組み立てステップは、図3(A)に示す6つの樹脂製の射出成形品どうしの接合部分を接着剤で接着する。図3(A)において符号の数字の直後に続く、アルファベットMが示す雄側(上部管140と下部管110とが接着される受口部においては受口部材における雄側に相当する雄側140MD)を、アルファベットFが示す雌側(上述した受口部においては受口部材における雌側に相当する雌側110F)に嵌合させるとともに嵌合部分を接着剤で接着する。ここで、図3(A)に示すように本実施の形態に係る排水集合管100における上部管140には、上管接続部143に上管接続部材144が、横枝管接続部142に横枝管受口部材146が、上部管140の下端に下部管110が、それぞれ接続される。この場合において、図3に示すように、上管接続部143が雄側140MUとして上管接続部材144が雌側144Fとして雄側140MUを雌側144Fに外嵌させて(雌側144Fに雄側140MUを挿入して)、横枝管接続部142が雌側142Fとして横枝管接続部材146が雄側146Mとして雄側146Mを雌側142Fに外嵌させて(雌側142Fに雄側146Mを挿入して)、上部管140の下端が雄側140MDとして下部管110の上端が雌側110Fとして雄側140MDを雌側110Fに外嵌させて(雌側110Fに雄側140MDを挿入して)、接続されている。そして、これらに示すように、上部管140に、雄側(具体的には雄側140MU、雄側140MD)が形成されている場合も、雌側(具体的には雌側142F)が形成されている場合もあり得る。本発明に係る排水集合管においては、雄側と雌側とは、図3と雄雌関係が反対であっても構わない。
梱包ステップにおいては、上述した[排水集合管の耐衝撃検査方法]における<準備ステップその1>、<準備ステップその2>および<収納ステップ>を実行する。また、耐衝撃検査方法においては、上述した[排水集合管の耐衝撃検査方法]における<第1落下ステップ>、<第2落下ステップ>および<確認ステップ>を実行する。
ここで、梱包ステップにおいて、排水集合管100は、支持部材1200により、A式ダンボール箱1000の内面から30mm以上離隔されて支持するようにしても構わない。
また、耐衝撃検査ステップにおいて、長さL≧幅W×2の場合には、A式ダンボール箱1000を形成する6面のうちの長さLを含む面を床面に対して側面視で70deg以上74deg以下の範囲で傾けて、長さL<幅W×2の場合には、長さLを含む面を床面に対して側面視で62deg以上66deg以下の範囲で傾けて、略直方体形状の高さHと幅Wとを含む面を水平にしないで予め定められた高さから水平な(硬い)床面に落下させるようにしても構わない。
また、梱包ステップにおいて、図7~図11に示すように、支持部材1300および支持部材1310は、展開視で、高さHと幅Wとに対応した2辺を備えた平面に穴(穴部1302、穴部1312)を備えた2つの長方形1306と、高さHおよび幅Wのいずれかに対応した1辺を備えた平面に穴を備えない2つの長方形1304(図10においては高さHに対応した1辺および長さL(1)の他辺とからなる長方形、図11においては幅Wに対応した1辺および長さL(1)の他辺とからなる長方形)とが交互に連続する4つの長方形が連続した形状を備え、連続する長方形の境界の辺を山折りにして立体化することにより開口部幅L(1)を備えるとともに2面に穴を備えた中空四角柱形状を備える部材を形成して、排水集合管を支持するようにしても構わない。
本実施の形態に係る製造方法における樹脂準備ステップにおいて準備される排水集合管100に含まれる樹脂製の複数の部品は、耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含むようにしても構わない。より具体的には、耐衝撃性に優れた樹脂を採用した部分を含むとは、耐衝撃性改良樹脂(強化剤)を、塩ビ樹脂100重量部に対し1~20重量部を混合して樹脂成形された部分を含むように製造される。すなわち、本実施の形態に係る製造方法における樹脂準備ステップにおいて準備される(排水集合管100に含まれる)樹脂製の複数の部品(ここでは一例ではあるが上部管140、下部管110、上管受口部材144、横枝管受口部材146×3の6つのうちの少なくとも1つ)を樹脂成形する際に、耐衝撃性改良樹脂(強化剤)を、塩ビ樹脂100重量部に対し1~20重量部を混合して樹脂成形することになる。
[排水集合管(自体)の特徴]
以下において、本発明に係る排水集合管(自体)の特徴について説明する。以下の説明により、本発明に係る排水集合管(自体)の特徴が明らかになるとともに、排水集合管(自体)が備える性能(接着部の接着性能、外層部材の止水性能、耐衝撃性能等)が明らかになる。
・接着部の接着性能(接着性)に関する排水集合管(自体)の特徴
本発明に係る排水集合管100においては、上部管140と下部管110とが、上部管140における上管接続部143に樹脂製の上管受口部材144が、横枝管接続部142に樹脂製の横枝管受口部材146が、それぞれの接着部において接着剤で接着されて1つの排水集合管が製造される。排水集合管100および受口部材が樹脂成形品であることに起因して、これらの接着部に、パーティングラインまたはウエルドラインが入って僅かな段差を生じている。このように排水集合管100(ここでは上部管140および下部管110)および受口部材(上管受口部材144および横枝管受口部材146)がこれらの段差を備えることは、接着部において接着性を阻害する要因となる。この僅かな段差は、0.01mm以上0.8mm以下であって、パーティングラインまたはウエルドラインに加えて、バリやグイチによる僅かな段差を生じている場合を含む。このように排水集合管100(ここでは上部管140および下部管110)および受口部材(上管受口部材144および横枝管受口部材146)がこれらの段差を備えることにより接着部において接着性を阻害するにも関わらず、排水集合管100における上部管140と下部管110との接着部、上部管140と受口部材との接着部における良好な接着性を排水集合管100(自体)が備える。この接着性について確認された排水集合管(自体)が本発明に係る排水集合管である。
さらに、本発明に係る排水集合管100においては(特に受口部材に)、部分的に肉厚が厚い箇所を備える。具体的には、元の肉厚Tに対して、部分的(幅0.5T以上)に肉厚(1.1T以上)な部分がある。具体的な一例としては、図13に示すように、受口部品(この図13においては横枝管受口部材146)の(雄側)接着部146Mの内側に設けられたリブ146MLである。この部分は、元の肉厚Tに対して部分的に肉厚が厚い箇所となり、ヒケの原因となる。そのヒケによりその部分(ここでは上部管140の横枝管接続部142と横枝管受口部材146との接着部)において接着性を阻害する要因となるが、この部分を含めた接着部(上部管140と下部管110との接着部、上部管140と受口部材(上管受口部材144および横枝管受口部材146)との接着部)の接着性について確認された排水集合管(自体)が本発明に係る排水集合管である。特に、樹脂(射出)成形部には成形の際の油分が付着した状態で外層部材が取り付けられる場合があって油分が残ったまま部品どうしを接着した接着部(ここでは上部管140と下部管110との接着部、上部管140と受口部材(上管受口部材144および横枝管受口部材146)との接着部)において接着不良をおこす可能性があるが、そのような可能性も本発明に係る排水集合管では回避または抑制されている。また、受口部材(上管受口部材144および横枝管受口部材146)における(円形状の)接着部の中心と、排水集合管における(円形状の)受口の中心がズレており接着の際に受口部分を押して受口に圧入すると接着部分との芯ズレが原因で部品が傾いて接着不良を起こす可能性があるが、そのような可能性も本発明に係る排水集合管では回避または抑制されている。
さらに、本発明に係る排水集合管100においては、上部管140と下部管110との接着部、上部管140の横枝管接続部142と横枝管受口部材146との接着部、および、上部管140の上管接続部143と上管受口部材144との接着部が存在する。これらの接着部においては、接着性能として、接着後24時間を経過した接着部の接着力が0.5MPa以上を備える。この接着力は、引張試験(10mm/分)の最大荷重を接着部の面積で除して算出したものである。そして、これらの接着部における(接着後24時間経過後の)接着力が0.MPa以上である排水集合管(自体)が本発明に係る排水集合管である。
・外層部材の止水性能(止水性)に関する排水集合管(自体)の特徴
本発明に係る排水集合管100が外層部材700を備え、外層部材(より詳しくは後述するように遮音カバー)の上端および下端が排水集合管100の(上部管140および/または下部管110の)外周面に密着して取り付けられて排水集合管100を形成している場合において、排水集合管100が樹脂成形品であることに起因して外層部材700の上端および下端の部分に対応する排水集合管100の外表面の位置に、パーティングラインまたはウエルドラインが入って僅かな段差を生じている。このように排水集合管(自体)100がこれらの段差を備えることは、外層部材700の取り付け箇所において止水性を阻害する要因となる。この僅かな段差は、0.01mm以上0.8mm以下である点、および、パーティングラインまたはウエルドラインに加えて、バリやグイチによる僅かな段差を生じている場合を含む点は、上述した通りである。このように排水集合管100(自体)がこれらの段差を備えることにより外層部材700の取り付け箇所において止水性を阻害する要因となるが、排水集合管100と外層部材700との間から水の侵入を回避するための止水性を排水集合管100(自体)が備える。この止水性について確認された排水集合管(自体)が本発明に係る排水集合管である。
また、外層部材700が2層以上の構造を備える場合において(ここでは排水集合管100の外表面から、制振材、耐火性無機繊維によって形成された振動絶縁体、遮音カバーの3層構造)、上述した上端および下端は最外層の遮音カバーのみが存在して、その遮音カバーは(EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等)、エラストマー系または樹脂系の材料を含んで形成されている(ゴム等の軟質材料のみならず硬質の塩ビ製でも構わない)。この遮音カバーを含めて外層部材700を排水集合管100の外表面に取り付けなければならないために(より詳しくは遮音カバーの上端および下端を排水集合管の外表面に密着させて取り付けなければならないために)、遮音カバーの内径が排水集合管100の本体(上部管140および/または下部管110)の外径と同じまたは大きい(小さいとわざわざ広げないと取り付けることができない)。このように、締り嵌めになっていないために止水性に不利であるが(止水性を阻害する要因となるが)、排水集合管100と外層部材700との間から水の侵入を回避するための止水性を排水集合管100(自体)が備える。この止水性について確認された排水集合管(自体)が本発明に係る排水集合管である。特に、樹脂(射出)成形部には成形の際の油分が付着した状態で外層部材が取り付けられる場合があって油分が残ったまま部品どうしを接着すると(ここでは外層部材を排水集合管に接着すると)接着不良をおこす可能性があるが、そのような可能性も本発明に係る排水集合管では回避または抑制されている。
・耐衝撃性能(耐衝撃性)に関する排水集合管(自体)の特徴
本発明に係る排水集合管100においては、上部管140と下部管110との2部材で構成され(上部管140と下部管110とが接着されて排水集合管が構成され)、上部管140の横枝管接続部142に上部管140とは別部材である横枝管受口部材146が(接着されて)取り付けられ、および、上部管140の上管接続部143に上部管140とは別部材である上管受口部材144が(接着されて)取り付けられた状態における、耐衝撃性を備える。
これらの上部管140、上部管140に外嵌されて接着された下部管110および受口部材(横枝管受口部材146および上管受口部材144)から構成される本発明に係る排水集合管は、樹脂成形品であって、角(カド)または隅(スミ)に設けられる面取りが小さい(より具体的にはR0.1以上R0.3以下)箇所があることに起因して、排水集合管が落下した際にこの面取りが小さい箇所に応力が集中して割れ(破損)の起点となる。たとえば、このような箇所としては、図14に示すように、上部管140の下端が挿入される下部管110の受口(雌側110F)の底110Eに設けられた面取り部110ER
がある。このような面取り部110ERを底部に備えた(下部管110の)受口(雌側110F)に差し口(上部管140の下端の雄側140MD)が挿入されると、下部管110の受口(雌側110F)が外向きに拡げられる力が加わる。このとき、下部管110の受口(雌側110F)における面取り部110ERの面取りが小さい場合には(R0.1以上R0.3以下)、応力が集中しやすくなり、排水集合管が落下した際にその部分(ここでは上部管140と下部管110との接着部(受口部)であるが図7等に示す二段の排水集合管200の場合には上側の下部管110と下側の上部管140との接着部(受口部))に応力が集中してしまい(面取り部110ERが)割れの起点となって(樹脂成形品の受口(雌側110F)が)破損することがある。
なお、上述した図14に示す上部管140の下端が挿入される下部管110の受口(雌側110F)のみならず、受口部材(横枝管受口部材146および上管受口部材144)の接着部(受口部材が接着される部分)における雌側は、差し口側が挿入されて取り付けられる(受口側(雌側)の)樹脂成形品であって挿入される側の受口側(雌側)の底の面取り部の面取りが小さい(R0.1以上R0.3以下)場合には、上述したように応力が集中しやすくなり、排水集合管が落下した際にその部分に応力が集中してしまい割れの起点となって(受口側の樹脂成形品の受口(雌側)が)破損することがある。本発明に係る排水集合管(自体)は、受口(雌側)の底の面取り部の面取りが小さくなく(R0.3より大きく)耐衝撃性を向上させたことを特徴とする。
また、本発明に係る排水集合管を構成する、上部管140の下端が挿入される下部管110の受口における(図14(B)、(C)に示す)雌側の肉厚tおよび受口部材(横枝管受口部材146および上管受口部材144)の接着部(受口部材が接着される部分)における雌側の周方向の厚み(肉厚)3mm以上10mm以下であるために(耐衝撃性を上げることを理由として受口部材の周方向の厚み(肉厚)を過度に厚くするようには設計していないために)、上述したように排水集合管が落下した際の応力集中により破損することがある。本発明に係る排水集合管(自体)は、受口部材(雌側)の周方向の厚み(肉厚)が過度に厚くない(10mmを超えない)にも関わらず、受口(雌側)の底の面取り部の面取りが小さくないために(R0.3より大きいために)耐衝撃性を向上させたことを特徴とする。より具体的には、本発明に係る排水集合管の(物自体の)構造上の特徴としては、図3および図14に示すとともに上述したように、(a)上部管140の雄側140MDと下部管110の雌側110Fとの接続部における雌側110Fのみならず、(b)上部管110の上管接続部143の雄側140MUと上管受口部材144の雌側144Fとの接続部における雌側144F、および、(c)上部管110の横枝管接続部142の雌側142Fと横枝管受口部材146の雄側146Mとの接続部における雌側142Fの(a)(b)(c)の3箇所の接続部のうちのいずれかが、(α)雌側の受口の底にR0.3よりも大きな面取り部を備えること、(β)雌側の受口の底にR0.3よりも大きな面取り部を備えることに加えて雌側の接着部の肉厚が10mmを超えないこと、である。
このような特徴(受口(雌側)の底の面取り部の面取りが小さい箇所を備えない、および/または、受口(雌側)部材の周方向の厚み(肉厚)が過度に厚くない)を備えた本発明に係る排水集合管は、排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても排水集合管および排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しないことが担保されている。このような耐衝撃性を備えた排水集合管が本発明に係る排水集合管である。すなわち、受口(雌側)の底に上述した大きさの面取りを備えないで(受口(雌側)の底にR0.3よりも大きな面取り部を備えて)耐衝撃性を備えた、および/または、上部管140の下端が挿入される下部管110の受口における(図14(B)、(C)に示す)雌側の肉厚tおよび受口部材(横枝管受口部材146および上管受口部材144)の接着部(受口部材が接着される部分)における雌側の周方向の厚み(肉厚)3mm以上10mm以下であるにも関わらず耐衝撃性を備えた排水集合管が、本発明に係る排水集合管である。なお、上述した樹脂成形品に入っているウエルドラインも排水集合管が落下した際に割れの起点となる。
・その他の排水集合管(自体)の特徴
さらに、本発明に係る排水集合管は以下の特徴を備える。
・樹脂成形品である塩ビ部品における内面の粗度係数が0.009以上0.014以下である。
・樹脂成形品である塩ビ部品のJIS K6739に基づく引張強さが40MPa以上60MPa以下である。
以上のようにして、本実施の形態によると、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、排水集合管は、床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管とを含み、上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含み、耐衝撃性についての特定の条件を満足する排水集合管(自体)を提供することができる。また、本実施の形態によると、排水集合管の製造方法を提供することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって床スラブの上方に突出する上部管と上部管の下方に接着された下部管とを含み、上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含む排水集合管に好ましく、特定の条件を満足する耐衝撃性を備えて梱包される排水集合管に特に好ましい。さらに、本発明に係る排水集合管の製造方法によると、排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送時において樹脂製の受口部材を含めた樹脂製の排水集合管が破損しない排水集合管を製造することができる点で特に好ましい。
100 排水集合管
110 下部管
114 旋回羽根
116 熱膨張性耐火材
140 上部管
142 横枝管接続部
143 上管接続部
144 上管受口部材
146 横枝管受口部材
700 外層部材
1000 A式ダンボール箱
1100 半A式ダンボール箱
1200、1210、1300、1310、1400、1410 支持部材

Claims (4)

  1. 建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管の製造方法であって、前記排水集合管の製造工場から施工現場までの輸送途中に梱包資材であるダンボール箱ごと落下しても前記排水集合管および前記排水集合管に含まれる樹脂製の受口部材が破損しないことを担保するための耐衝撃検査ステップが抜き取り検査である場合を含めて前記耐衝撃検査ステップが製造工程の一部を構成する製造方法であって、
    前記排水集合管の重量は、1kg以上10kg以下であって、
    前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、前記上部管の下方に接着された下部管とを含み、
    前記上部管は、上階から排水を流入させる上管を接続する上管接続部および前記上管接続部に接着された樹脂製の上管受口部材と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部および前記横枝管接続部に接着された樹脂製の横枝管受口部材とを含み、
    前記排水集合管は、受口部材として、前記上管受口部材と前記横枝管受口部材とを含み、
    前記製造方法は、
    前記排水集合管に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形して準備する、または、前記樹脂製の複数の部品を搬入して準備する樹脂準備ステップと、
    前記排水集合管に含まれる樹脂製の複数の部品を樹脂成形する樹脂成形ステップと、
    前記複数の部品を接着剤を用いて接合して組み立てる組み立てステップと、
    組み立てられた排水集合管を、以下に示す梱包形態で前記排水集合管をA式ダンボール箱へ収納して梱包する梱包ステップと、
    前記梱包形態で梱包された排水集合管を、以下に示す耐衝撃検査方法により検査する耐衝撃検査ステップと、を含む排水集合管の製造方法。
    <梱包形態>
    前記排水集合管の前記横枝管接続部の上端から少なくとも前記上管受口部材の上端までが被覆部材により被覆された排水集合管が、前記排水集合管の軸芯が略水平または略垂直になる方向で、略直方体形状のA式ダンボール箱に収納され、
    前記A式ダンボール箱の長さ、幅および高さの各方向を、前記排水集合管の軸芯方向、前記少なくとも1つの横枝管接続部の横枝軸芯方向および前記横枝軸芯方向に垂直な方向とするとともに、これらの方向で定義される前記A式ダンボール箱の長さL、幅Wおよび高さHとして、
    前記長さLが、収納される前記排水集合管の軸芯に沿った長さに対応し、
    前記排水集合管の外径に対応した穴を設けた支持部材により、前記排水集合管の外径が前記穴で支持されるとともに、前記A式ダンボール箱内において前記軸芯と垂直な方向に前記支持部材が設けられることにより、前記A式ダンボール箱の内で軸芯が略水平または略垂直になるように前記排水集合管が支持され、
    梱包資材としての前記A式ダンボール箱および前記被覆部材を用いた梱包形態、または、梱包資材としての前記A式ダンボール箱、前記被覆部材および前記支持部材を用いた梱包形態。
    <耐衝撃検査方法>
    前記排水集合管が収納された前記A式ダンボール箱を、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にして1000mm以上1500mm以下の高さから水平な床面に落下させる第1落下ステップと、
    前記排水集合管が収納された前記A式ダンボール箱を、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にしないで1000mm以上1500mm以下の高さから水平な床面に落下させる第2落下ステップと、
    前記第1落下ステップおよび前記第2落下ステップの後で、前記A式ダンボール箱を開けて、目視により、前記受口部材を含めた前記排水集合管が破損しないことを確認する確認ステップと、を含む。
  2. 前記梱包形態において、前記排水集合管は、前記支持部材により、前記A式ダンボール箱の内面から30mm以上離隔されて支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管の製造方法。
  3. 前記第2落下ステップにおいて、前記長さL≧前記幅W×2の場合には、前記A式ダンボール箱を形成する6面のうちの前記長さLを含む面を前記床面に対して側面視で70deg以上74deg以下の範囲で傾けて、前記長さL<前記幅W×2の場合には、前記長さLを含む面を前記床面に対して側面視で62deg以上66deg以下の範囲で傾けて、前記略直方体形状の前記高さHと前記幅Wとを含む面を水平にしないで水平な床面に落下させることを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管の製造方法。
  4. 前記梱包形態において、前記支持部材は、展開視で、前記高さHと前記幅Wとに対応した2辺を備えた平面に前記穴を備えた2つの長方形と、前記高さHおよび前記幅Wのいずれかに対応した1辺を備えた平面に前記穴を備えない2つの長方形とが交互に連続する4つの長方形が連続した形状を備え、前記連続する長方形の境界の辺を山折りにして立体化することにより2面に穴を備えた中空四角柱形状を備える部材を形成して、前記排水集合管を支持することを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管の製造方法。
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