JP2008121413A - 排水配管用部材及び排水管構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不燃性管端部を有する管材4と可燃性管端部を有する管材6とが接続される部分に備えられる排水配管用部材1であって、少なくとも可燃性管端部の外側を取り囲む不燃性の部材本体27を有し、部材本体の内周側に所定温度で膨張する熱膨張性耐火材30を設けることが可能に構成されている。
【選択図】図1
Description
排水集合管等の継ぎ手用管材として、鋳鉄などを素材とする金属製のものや硬質塩化ビニルなどの樹脂管を含む耐火二層管構造とするものがあることは周知であり、また配管ラインに用いるストレート管等についても、鋳鉄管や鋼管等の金属製のもの、或いは硬質塩化ビニルなどを素材とする樹脂管、更には樹脂管をモルタルなどで被覆した耐火二層管などがあることは周知である。
しかし、排水管構造全体に耐火性を持たせようとすれば、継ぎ手用管材だけでなく配管ラインの全てを金属製などの不燃材料製のものとする必要があり、高コストになるということがあった。
また継ぎ手用管材が、床スラブ上に配管される横枝管との接続を可能にした排水集合管である場合において、この排水集合管から所定距離(例えば区画貫通部から1m)内の横枝管に対し、上階への延焼を防止するためには不燃処理を施さなければならない(例えば消防法の規定に基づく)。そのため、これに該当する横枝管には耐火二層管または金属管を使用することが求められ、この点でも高コストの問題が生じていた。また、横枝管として耐火二層管や金属管を用いた場合、施工が面倒となるといった問題も生じていた。
即ち、本発明は、不燃性管端部を有する管材と可燃性管端部を有する管材とが接続される部分に備えられる排水配管用部材であって、少なくとも可燃性管端部の外側を取り囲む不燃性の部材本体を有し、前記部材本体の内周側に所定温度で膨張する熱膨張性耐火材を設けることが可能に構成されている。
部材本体を不燃性(所定温度で溶損も焼損もしない特性)にするには、鋳鉄製、鋼製、セラミックや耐火モルタルを使用した構造などとすればよい。
ここで「熱膨張性耐火材」とは、その体積や形状的な特性として、所定温度以下では所定形状を維持し、火災時などに所定温度を超えたときには膨張して、部材本体においてこの熱膨張性耐火材が設けられた箇所(可燃性管端部を有する管材)の内部、又はそれに接続された他の管材(不燃性管端部を有する管材)内へと膨出していき、その内部を閉塞(充満)させるものを言う。また一旦、所定の膨張を起こした後は、その後の加熱で溶損も焼損もしないものである。
このような熱膨張性耐火材を有する構成の排水配管用部材を採用して排水管構造を構築すれば、建築物で火災等が発生した場合であっても、火災時の熱によって熱膨張性耐火材が所定温度を超えて加熱された時点で当該熱膨張性耐火材が膨張し、可燃性管端部を有する管材を押し潰しながら部材本体内を閉塞させることになる。
例えば、不燃性管端部を有する管材が排水集合管などの継ぎ手用管材であり、この下部側に、可燃性管端部を有する管材としてのストレート管が接続されるような場合であって、これら上位の継ぎ手用管材と下位のストレート管との接続部で本発明に係る排水配管用部材が使用されていれば、火災時等にはこの排水配管用部材の使用位置で排水管路内が遮断されることになり、それより上方の床スラブ上(火災発生階より上層階)へ火炎、煤煙、有毒ガスなどが流出することが防止される。
また、横枝管としても可燃性のものだけを採用できるようになるため、この点でも高コストの問題を解消できるだけでなく、施工性の向上や工期の短縮の面で有益となる。
本発明に係る排水配管用部材とそれより下方の床スラブへ貫設する排水集合管等の継ぎ手用管材との間に用いる立管や継ぎ手類に不燃性のものを採用する必要がなく、可燃性のもの(樹脂管等)だけでもよい。従って排水管構造全体としての低コスト化を図ることができる。
このような連結手段を設けることにより、可燃性管端部を有する管材が溶損もしくは焼損し、または抜け落ちた場合であっても、排水配管用部材は不燃性管端部を有する管材に対して固定状態を維持するので、この排水配管用部材に対して落下防止のための措置を別途に講ずる必要がない。そのため、排水管構造に使用された場合に構造が簡潔になり、高コスト化および施工作業の煩雑化を防止できる利点がある。
メカニカルタイプである場合、その受口の開口縁部には可燃性管端部を有する管材に対して外嵌されるゴム輪を押圧可能とされている。この場合の部材本体は、ゴム輪を受口の開口縁部へ押圧するための押し輪を構成するものとして形成すればよい。
部材本体には、熱膨張性耐火材を収納可能にするための耐火材収納部を設けるのが好適である。このように耐火材収納部を設けることで、熱膨張性耐火材の位置決めおよび位置ズレ防止を行うことができる。
なお、部材本体は、連結手段の設けられた部分と耐火材収納部の設けられた部分とが互いに連結可能であってそれぞれが別体に形成されているものでもよく、連結手段が設けられた部分と耐火材収納部が設けられた部分とが一体化されたものでもよい。
このような被覆構造を採用することで、熱膨張性耐火材を排水から隔離することができる。
本発明に係る排水管構造は、不燃性管端部を有する管材と可燃性管端部を有する管材とが接続された排水管構造であって、少なくとも可燃性管端部の外側を不燃性の部材本体で取り囲む排水配管用部材が設けられており、この排水配管用部材の部材本体の内周側に所定温度で膨張する熱膨張性耐火材が設けられる構造となっていることが好適である。
なお、不燃性管端部を有する管材は、建築物の床スラブへ貫通設置される不燃性の継ぎ手用管材(排水集合管等)であり、可燃性管端部を有する管材は、この継ぎ手用管材の下部管接続部へ接続するストレート管とするのが好適である。
本発明に係る他の排水管構造は、金属製部材よりなり不燃性管端部を有する管材、樹脂管または少なくとも樹脂管を含む部材よりなり可燃性管端部を有する管材および不燃性の部材本体を有し、
前記不燃性管端部を有する管材は、床スラブの上階と下階とを貫通するように設置され、
前記可燃性管端部を有する管材は、前記不燃性管端部を有する管材の下方端部に接続されてその外側に熱膨張性耐火材が配され、
前記部材本体は、前記不燃性管端部を有する管材に対して連結され、前記熱膨張性耐火材を、管径方向外方への熱膨張が阻止可能にかつ鉛直方向下方への脱落を阻止可能に保持しており、前記熱膨張性耐火材が所定温度以上になると管径方向内方に膨張して可燃性管端部の樹脂管の管内流路を閉じまたは管内流路の面積を減少させるように構成される。
前記不燃性管端部を有する管材は、床スラブの上階と下階とを貫通するように設置され、前記可燃性管端部を有する管材が前記不燃性管端部に接続される樹脂製の立管であってよい。
前記不燃性管端部を有する管材が、建築物の床スラブへ貫通設置された耐火二層管製構造よりなる継ぎ手用管材であり、前記継ぎ手用管材が、下部に可燃性管端部を有する管材の端部を外嵌する受口タイプの接続部を有していてもよい。
前記不燃性管端部を有する管材が、建築物の床スラブへ貫通設置される不燃性の継ぎ手用管材であり、前記可燃性管端部を有する管材が、部分的に耐火層を除去した耐火二層管製であり、少なくとも前記継ぎ手用管材の下部管接続部へ挿入される部分はモルタル層が除去され樹脂層のみとなっているものとすることができる。
前記不燃性管端部を有する管材が、建築物の床スラブを貫通させて設置されており、前記部材本体が、前記床スラブの下面に固定されていてもよい。
[第1実施形態]
図2及び図3は本発明に係る排水配管用部材1の第1実施形態を示したものであり、また図1は、「不燃性管端部を有する管材」と「可燃性管端部を有する管材」との接続部分にこの第1実施形態の排水配管用部材1を設けることで構築した排水管構造2を示している。
図例の排水管構造2において、上記「不燃性管端部を有する管材」は、集合住宅およびビルなどの建築物で各階層ごとに設けられた床スラブ3に対して貫設される継ぎ手用管材4である場合を示している。すなわち、この継ぎ手用管材4は鋳鉄等を素材として形成され、又は耐火二層構造(樹脂管をモルタル等の耐火材で被覆した管構造)によって形成されることで不燃性を有したものとなっている。
なお、上記ストレート管6として少なくとも樹脂管を含む耐火二層管を使用することも可能であるが、この点については後述する。
継ぎ手用管材4は、床スラブ3に上下貫通して設けられた貫通孔7に対して貫通状態とされ、この継ぎ手用管材4の外周部と貫通孔7の内周面との間にモルタル等の不燃材料8が詰められて、継ぎ手用管材4は床スラブ3に固定される。
配管ライン5はストレート管6だけでなく、その他、短管または曲がり管(エルボおよびベンド等を含む)、場合により継ぎ手部材(ストレート管6の中間へ点検口を設ける場合およびストレート管6同士を直結する場合等に用いるもの)などが適宜組み合わされて接続される。
継ぎ手用管材4の下部管接続部12は、ストレート管6の上部管接続部15を外嵌状態で接続するメカニカルタイプの受口とされ、ストレート管6の上部管接続部15は挿口とされている。
ボルト23とナット24とを締め付けるにしたがい、下部管接続部(受口)12の開口縁部と押し輪22との間に挟まれたゴム輪21は縦方向に圧縮される。ゴム輪21は、この圧縮に伴って径方向内方に膨張し、ストレート管6の上部管接続部(挿口)15まわりを全周的に押圧して、漏水防止作用を発揮する。
本第1実施形態の排水配管用部材1は、上記継ぎ手用管材4のうち、その下部管接続部12でメカニカルタイプの受口を構成させるのに必要な押し輪22を兼ねる状態で設けられている。この排水配管用部材1は、押し輪22を兼ねている盤体状部分と、この片面側に設けられた円筒状部分26とで形成される部材本体27を有したもので、ストレート管(可燃性管端部を有する管材)6の外側を取り囲む構造である。これら盤体状部分と円筒状部分26とは互いに一体化されている。
熱膨張性耐火材30は、例えば熱膨張黒鉛を含有させたブチルゴムやウレタンゴム等によって形成され、火災時などに所定の温度(例えば200℃)を超えると膨張し、膨張後の体積が膨張前に比べて5〜40倍に達する特性を有している。例えば、熱膨張性耐火材30に、ニチアス株式会社製の商品名「パーモフレックス(熱膨張性シート)」(850℃、30分加熱後に発泡して4倍以上に膨張する)または株式会社古河テクノマテリアル製の商品名「ヒートメル」(膨張開始温度120℃、顕著な膨張温度260℃、4〜8倍に膨張する)等を使用することができる。なお、熱膨張性耐火材30は、上記したものに限られず、他の種々のものを使用することができる。
図2及び図3に示すように、部材本体27には、円筒状部分26の内周面を窪ませて形成された耐火材収納部31が設けられている。耐火材収納部31には、熱膨張性耐火材30が収納されている。耐火材収納部31は、部材本体27における円筒状部分26の軸方向両側(押し輪22に近接する位置と押し輪22から遠い位置との2箇所)で径方向内方へ張り出すように設けられた内鍔32により、区画されている。これら内鍔32は、部材本体27に対し、鋳造、削りだしまたは別体リングの溶接等、適宜選択された方法により一体的に設けられたものである。
耐火材収納部31の容積、すなわち、この耐火材収納部31へ収納する熱膨張性耐火材30の形状や体積は、熱膨張を起こす前の状態でストレート管6の挿入を邪魔しないことを前提にして設定されるが、加えて、熱膨張性耐火材30が熱膨張を起こしたときには排水配管用部材1の部材本体27内(ストレート管6が挿入されているスペース)を確実に閉塞できるようにすることを予定して設定されている。
なお、熱膨張性耐火材30を設けるための上記方法は一例であってこれに限定されるものではなく、例えば熱膨張性耐火材30の元になる軟質素材を耐火材収納部31内へ流し込んだ後に加硫処理を行い、耐火材収納部31内において熱膨張性耐火材30を一体固着化させる方法等も有効である。
集合住宅またはビルなどの建築物で火災等が発生すると、熱膨張性耐火材30の設けられた位置のストレート管6(即ち、可燃性管端部を有する管材)が溶損または焼損し、熱膨張性耐火材30は所定温度(例えば200℃)を超えた時点で膨張を始める。膨張する熱膨張性耐火材30は、ストレート管6を押し潰しながら排水配管用部材1の部材本体27内流路(ストレート管6が挿入されているスペース)またはストレート管6の可燃性管端部の樹脂管の管内流路を閉塞しまたはその面積を減少させる。その結果、熱膨張性耐火材30が設けられた位置で継ぎ手用管材4の上階に繋がる流路が遮断され、継ぎ手用管材4を経由して火炎、煤煙、有毒ガス等が上階に立ち昇ることが防止される。
このように、排水管構造2の溶損および焼損が原因となる、火災発生階より上層階への火炎、煤煙、有毒ガスなどの流出が防止される。床スラブ3上で起きた火災に対し、床スラブ3の下方から新鮮な空気を吸い上げる現象が防止され、火災の拡大を最小限に抑制できるという効果もある。
排水配管用部材1は、押し輪22を兼ねた構成であるから、メカニカルタイプの受口を有した既製の排水集合管や継ぎ手管に対し、押し輪の交換だけで簡単に排水管構造を形成することができるという利点がある。
このようにストレート管6として耐火二層管を使用した場合にも、「不燃性管端部を有する管材」である継ぎ手用管材4と「可燃性管端部を有する管材」であるストレート管6とが接続される。
[第2実施形態]
図5及び図6は、排水配管用部材1の第2実施形態を示している。本第2実施形態の排水配管用部材1では、部材本体2は、押し輪22を兼ねる盤体状部分とこの片面側に設けられた円筒状部分26とが別体で製作され、連結されて形成される。押し輪22は、継ぎ手用管材4の付属部品として従来普通に具備されたものを、そのまま利用することができる。
すなわち、フランジ20側から押し輪22へ差し込んだボルト23をボルト通孔35aに通し、ボルト通孔35aから突き出たボルト23へナット24を螺合させて、押し輪22に円筒状部分26を連結させ、部材本体27を形成させる。
なお、押し輪22の内径は円筒状部分26に設けられた耐火材収納部31の内径よりも必然的に小さくなるので、押し輪22の内周面を内鍔32として作用させることができ、円筒状部分26において押し輪22へ当接させる側の端面では、耐火材収納部31をそのままの内径で開口させることができる。
そのため本第2実施形態では、図7及び図8に示すように、熱膨張性耐火材30が耐水性の外装材36により被覆されたものとして形成することができる。
このような被覆構造を採用することで、熱膨張性耐火材に防水および耐劣化機能(耐劣化性)を持たせることができ好適となる。
ところで、本第2実施形態で採用する部材本体27において、円筒状部分26に設けるフランジ35は、図9に示すように押し輪22の平面形状(おむすび形)と同様な形状として張出形成させたものでもよく、図10に示すように円環状に張出形成させたものでもよい。また図11に示すように、締結用ボルト23挿通用のボルト通孔35aが形成されたブラケット40を所定箇所に設けることにより、全体として張り出すフランジ35を省略するようにしてもよい。これらのブラケット40が設けられた部材本体27は、ブラケットを溶接により取り付けることもできるが、プレスにて一体成型する方法を用いてもよい。
[第3実施形態]
図13乃至図15は、排水配管用部材1の第3実施形態を示したものであり、図12は第3実施形態の排水配管用部材1を採用して構築した排水管構造2を示している。
このような第3実施形態の排水配管用部材1を用いて構築された排水管構造2では、熱膨張性耐火材30が設けられた位置のストレート管6が溶損乃至焼損すると共に、一緒にゴム輪21も溶損乃至焼損することにより、排水配管用部材1に具備された熱膨張性耐火材30が所定温度(例えば200℃)を超える環境下に曝される。
本第3実施形態の排水配管用部材1でも押し輪22を兼ねた構成となっているから、当然に、メカニカルタイプの受口を有した既製の排水集合管や継ぎ手管に対し、押し輪の交換だけで簡単に本発明を実施することができるという利点がある。
[第4実施形態]
図17は、排水配管用部材1の第4実施形態を示すものであり、図16は第4実施形態の排水配管用部材1を採用して構築した排水管構造2の図である。
部材本体27は、円筒形を軸方向に半割りした形状である一対の円筒半体27A,27Bを有している。これら円筒半体27A,27Bは、例えば板金プレス加工などで形成されており、不燃性を有している。
円筒半体27Bの接合フランジ47Bには、接合ボルト48の挿通状態を位置決めできるように丸孔のボルト通孔49が設けられ、円筒半体27Aの接合フランジ47Aには、接合ボルト48の挿通状態に遊びを持たせられるように長孔のボルト通孔50が設けられている。
この部材本体27において、円筒半体27A,27Bの内周面に沿わせるようにして熱膨張性耐火材30が収納される。すなわち、部材本体27の内部が熱膨張性耐火材30を収納するための耐火材収納部31とされる。
そのため、これら円環状の蓋により、熱膨張性耐火材30が膨張を始めるときに継ぎ手用管材4の外周面やストレート管6の外周面に沿った方向での熱膨張性耐火材30の漏れ出しを防止できる作用が得られる。また継ぎ手用管材4の外周面に当接または近接する方とされる円環状の蓋(図16で上側とされる方)は、ストレート管6が溶損や焼損によって抜け落ちるようなことになった場合にも、排水配管用部材1を継ぎ手用管材4側へ係止させ、落下させないようにするうえで有益となっている。
なお、部材本体27は円筒半体27A,27Bとして半割りされた構造の他、周方向の1箇所だけに分離部が設けられ、この分離部を接合フランジで接合させる構造としてもよい(締め付けバンド状の構造)。また部材本体27を角筒状のものとしてもよい。
[第5実施形態]
図18は、排水配管用部材1の第5実施形態を示したものである。本第5実施形態の排水配管用部材1は、ストレート管6の中間へ点検口を設ける場合やストレート管6同士を直結する場合等に用いる継ぎ手部材55において、それの両端側に設けられるメカニカルタイプの受口56として具備される押し輪に、第1実施形態で説明した押し輪22(本発明に係る排水配管用部材1)を採用している例である。
[その他]
本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば「不燃性管端部を有する管材」としての継ぎ手用管材4が耐火二層の排水集合管である場合は、下部管接続部12が受口として形成されることがある。このような場合も、図19及び図20に示すように、上記した第4実施形態(図16及び図17参照)と同様に、円筒形を軸方向に半割りしたような一対の円筒半体27A,27Bを有して成る部材本体27を採用するとよい。
円筒半体27A,27Bの上周縁部に形成する内フランジ52A,52Bを、継ぎ手用管材4の下部管接続部12に形成される傘状の段差部分に合わせて末広がりのテーパ状に形成しておけば、継ぎ手用管材4の外周面に対する全周的な当接性や安定性を高められ、一層、好適となる。また、下端周縁部にも内フランジ52A,52Bを設けることにより、熱膨張性耐火材30が可燃性管材とともに脱落することを防止できる。
熱膨張性耐火材30は、排水配管用部材1の周方向で連続して一周するものとせず、周方向で点在するような状態、周方向に複数分割した状態、周方向に複数分割しその分割片の間隔をあけた状態、軸方向に複数分割した状態、軸方向に複数分割しその分割片の間隔をあけた状態、またそれらを相互に組み合わせた状態で設けてもよい。
熱膨張性耐火材30および熱膨張性耐火材を備える排水配管部材1を設置する場所は、床スラブ3の下部側の下部管接続部12がもっとも効果的であるが、床スラブ3上部のストレート管6が接続される上部管接続部11、または横枝管14が接続される横管接続部13または横枝管路部分であってもよい。
2 排水管構造
3 床スラブ
4 継ぎ手用管材(不燃性管端部を有する管材)
5 配管ライン
6 ストレート管(可燃性管端部を有する管材)
21 ゴム輪
22a ボルト通孔(連結手段)
27 部材本体
30 熱膨張性耐火材
31 耐火材収納部
36 外装材
56 遮音材
Claims (18)
- 不燃性管端部を有する管材と可燃性管端部を有する管材とが接続される部分に備えられる排水配管用部材であって、
少なくとも可燃性管端部の外側を取り囲む不燃性の部材本体を有し、
前記部材本体の内周側に所定温度で膨張する熱膨張性耐火材を設けることが可能に構成されている
ことを特徴とする排水配管用部材。 - 前記部材本体に不燃性管端部を有する管材との固定を可能にする連結手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の排水配管用部材。 - 前記不燃性管端部を有する管材における当該不燃性管端部は、
前記可燃性管端部を有する管材を外嵌状態で接続可能な受口として形成され、
且つこの受口の開口縁部は可燃性管端部を有する管材に対して外嵌されるゴム輪を押圧可能とされており、
前記部材本体は上記ゴム輪を受口の開口縁部へ押圧するための押し輪を構成するものであることを特徴とする請求項2記載の排水配管用部材。 - 前記部材本体は、
熱膨張性耐火材を内部に収納可能な耐火材収納部が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排水配管用部材。 - 前記部材本体の内周側に熱膨張性耐火材が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排水配管用部材。 - 前記部材本体は、
連結手段の設けられた部分と耐火材収納部の設けられた部分とが互いに連結可能であってそれぞれが別体に形成されている
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の排水配管用部材。 - 前記部材本体は、
連結手段の設けられた部分と耐火材収納部の設けられた部分とが一体化されている
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の排水配管用部材。 - 前記熱膨張性耐火材は、
耐水性または耐劣化性の外装材により被覆されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の排水配管用部材。
- 不燃性管端部を有する管材と可燃性管端部を有する管材とが接続された排水管構造であって、
少なくとも可燃性管端部の外側を不燃性の部材本体で取り囲む排水配管用部材が設けられており、
この排水配管用部材の部材本体の内周側に所定温度で膨張する熱膨張性耐火材が設けられる構造となっている
ことを特徴とする排水管構造。 - 不燃性管端部を有する管材と可燃性管端部を有する管材とが接続された排水管構造であって、
少なくとも可燃性管端部の外側を不燃性の部材本体で取り囲む排水配管用部材が設けられており、
この排水配管用部材の部材本体の内周側には、所定温度で膨張する熱膨張性耐火材が設けられている
ことを特徴とする排水管構造。 - 前記不燃性管端部を有する管材は建築物の床スラブへ貫通設置された不燃性の継ぎ手用管材であり、
前記可燃性管端部を有する管材は上記継ぎ手用管材の下部管接続部へ接続するストレート管である
ことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の排水管構造。 - 金属製部材よりなり不燃性管端部を有する管材、樹脂管または少なくとも樹脂管を含む部材よりなり可燃性管端部を有する管材および不燃性の部材本体を有し、
前記不燃性管端部を有する管材は、床スラブの上階と下階とを貫通するように設置され、
前記可燃性管端部を有する管材は、前記不燃性管端部を有する管材の下方端部に接続されてその外側に熱膨張性耐火材が配され、
前記部材本体は、前記不燃性管端部を有する管材に対して連結され、前記熱膨張性耐火材を、管径方向外方への熱膨張が阻止可能にかつ鉛直方向下方への脱落を阻止可能に保持しており、
前記熱膨張性耐火材が所定温度以上になると管径方向内方に膨張して可燃性管端部の樹脂管の管内流路を閉じまたは管内流路の面積を減少させるように構成された
ことを特徴とする排水管構造。 - 前記不燃性管端部を有する管材は、その上階部分において横枝管とつながり、
該横枝管は、少なくとも前記不燃性管端部を有する管材との接続部分が樹脂製の管で構成され、
該樹脂管は、その管外側が上階空間に露出しまたは前記管外側の一部もしくは全長にわたって可燃性材料で覆われている
請求項12記載の排水管構造。 - 前記不燃性管端部を有する管材は、床スラブの上階と下階とを貫通するように設置され、前記可燃性管端部を有する管材が前記不燃性管端部に接続される樹脂製の立管であることを特徴する請求項9または10に記載の排水管構造。
- 前記不燃性管端部を有する管材は、床スラブの上階と下階とを貫通するように設置され、前記可燃性管端部を有する管材が前記不燃性管端部の上階部分にて横枝管に接続される樹脂管である
ことを特徴する請求項9または10に記載の排水管構造。 - 前記不燃性管端部を有する管材は、建築物の床スラブへ貫通設置された耐火二層管製構造よりなる継ぎ手用管材であり、
前記継ぎ手用管材は、下部に可燃性管端部を有する管材の端部を外嵌する受口タイプの接続部を有する
ことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の排水管構造。 - 前記不燃性管端部を有する管材は、建築物の床スラブへ貫通設置される不燃性の継ぎ手用管材であり、
前記可燃性管端部を有する管材は、部分的に耐火層を除去した耐火二層管製であり、
少なくとも前記継ぎ手用管材の下部管接続部へ挿入される部分はモルタル層が除去され樹脂層のみとなっている
ことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の排水管構造。 - 前記可燃性管端部を有する管材の外周が単一の層または複数の層で形成された遮音材で被覆された
請求項9または請求項10に記載の排水管構造。
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