JP2012052641A - 配管用防音部材 - Google Patents

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公郎 山岡
Yoshichiro Ono
洋七郎 小野
Chikayuki Ogawa
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Abstract

【課題】配管現場での施工の際に、防音部材の吸音層の欠落部が生じにくくすることで、高い防音性能を得る。
【解決手段】配管の外周面を被覆するように設けられ、該配管の内部を物体が流通することに起因して発生する騒音が周囲に伝わるのを低減するためのシート状の配管用防音部材10は、騒音を吸収するための吸音層10bと、騒音が外部に洩れるのを抑制するための遮音層10aとを備えている。吸音層10bを構成する部材の縁部は、遮音層10aを構成する部材の縁部よりも所定長さ延出した延出部10cとされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液体、粉体、気体等の物体が流通する配管の外周面を被覆して、当該物体の流通に起因して発生する騒音を低減するための配管用防音部材に関するものである。
近年、生活様式の多様化が進むとともに、ビルや一般住宅、アパート、マンション等の集合住宅における居住空間のプライベート化が進んでいる。これに伴って1つの建築物内で各人の生活時間帯のズレや生活様式の違いが生じて、トイレや浴室等の使用時に給排水の流通に起因して給排水管から放射される騒音が隣室や上下階に伝わった際に耳障りであり、そのため騒音対策への関心が高まってきている。
また、建築様式においても、二世帯住宅化や、利便性を求めて二階へのトイレの設置件数が増えてきている。こうした状況の中、やはり生活時間帯のズレに伴って、例えば深夜におけるトイレの使用時に給排水の流通に起因して発生する騒音が階下で耳障りであり、このことからも、騒音対策の重要性が高まってきている。
そこで、例えば特許文献1、2に開示されているように、給排水管の外周面をシート状の防音部材で被覆することが行われている。これら特許文献に開示されている防音部材は、グラスウール、プラスチックフォームや不織布等からなる吸音層と、高密度化された合成高分子系シートやアスファルト系組成物からなる遮音層とが積層一体化されたものである。給排水管への取付状態では、吸音層が内側に位置し、遮音層は外側に位置している。これにより、給排水管から放射される騒音は吸音層で吸音され、その後、遮音層により外部へ洩れるのが遮断されて効果的な防音処理が可能になる。
特許文献1の防音部材は、最外層に熱収縮フィルムが設けられている。工場出荷前に防音部材で給排水管を被覆し、その後、熱収縮フィルムを収縮させて防音部材を給排水管と一体化している。つまり、給排水管と一体になったプレ成形タイプの防音部材である。
特許文献2では、直管を防音部材で被覆し、直管同士を接続する折れ曲がった継手管に粘着シートを貼り付ける防音システムが開示されている。
特許第3470149号公報 特開平11−161280号公報
ところで、実際に給排水管を施工する配管現場では、建築物の形状やトイレ等の設置場所に対応する長さとなるように直管を切断して長さ調整が行われる。そして、長さ調整が行われた直管と、種々の形状の継手管とを組み合わせて建築物内の居住区の天井内や壁層間内等の限られた空間に給排水管を配管している。
このように配管現場ではその場に応じて様々な長さの直管が用いられるので、特許文献1の防音部材を使用する場合には、配管現場で各直管の長さに合うように防音部材を所定長さに切断し、複数の防音部材を組み合わせて防音処理を行う必要がある。
また、特許文献1、2のプレ成形タイプの防音部材でも、給排水管を配管現場で切断する際には防音部材を同時に切断し、切断した防音部材を他の防音部材と組み合わせる必要がある。
防音部材を切断する際、配管現場では専用の切断機を用いることはできないので、例えばノコギリ等の汎用の器具が用いられる。汎用の器具で防音部材を切断した場合には、例えば図5に示すように、防音部材13の切断面13fが専用の切断機で切断したようなきれいな面とならず、斜めの面となったり、いびつに歪んだ面となったりする。
こうなると、図11及び図12に示すように、別の防音部材11を、既設防音部材13の切断面13fに突き当てた際、既設防音部材13の切断面13fと防音部材11の端部との間に吸音層11bが存在しない部分、即ち、吸音層11bの欠落部16が生じることがある。
そして、給排水管14を被覆した状態における既設防音部材13及び防音部材11の周方向の端部の突き当て部には、接合用テープ12を貼り付けて防音部材13,11を止めるが、この接合用テープ12は、一般に、単に防音部材13,11を止めることだけを意図した薄型フィルム状の粘着テープや高密度で厚みのある遮音性を有する粘着テープ等である。吸音層11bの欠落部16にそのような接合用テープ12を貼り付けても、吸音層11bが欠落している分、高い防音性能は期待できず、設計通りの狙いとした防音性能が得られない。
また、継手管の場合は曲がっているので、配管現場における防音部材の加工が直管用の防音部材の加工以上に困難となる。そのため、吸音層の欠落部が生じやすい。
さらに、特許文献2のプレ成形タイプの防音部材の場合は次のような問題もある。すなわち、出荷前の保管状態、梱包状態や配送条件等により、防音部材の端部が捲れた状態になったり、経時収縮によって防音部材が給排水管よりも短くなることがある。このようになった場合には、吸音層の欠落部が生じやすい。
さらに、防音部材の切断時に加工不具合が生じて切断面が歪んた面となっている場合もあり、この場合も、吸音層の欠落部が生じやすい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、配管現場での施工の際に、防音部材の吸音層の欠落部を生じにくくすることで、設計通りの高い防音性能が得られるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、吸音層を構成する部材の縁部を遮音層を構成する部材の縁部よりも延出させて既設防音部材に突き当て可能にした。
第1の発明は、配管の外周面を被覆するように取り付けられ、該配管の内部を物体が流通することに起因して配管から放射される騒音が周囲に伝わるのを低減するためのシート状の配管用防音部材において、上記配管から放射される騒音を吸収するための吸音層と、上記吸音層における配管側と反対側に積層され、上記配管から放射される騒音が外部に洩れるのを抑制するための遮音層とを備え、上記吸音層を構成する部材の縁部は、上記遮音層を構成する部材の縁部よりも所定長さ延出した延出部とされていることを特徴とするものである。
すなわち、図5に示すように、配管現場において配管に先に取り付けられている既設防音部材13の切断面13fが歪んだ面となっている場合に、本発明の防音部材の吸音層の延出部を既設防音部材13の切断面13fに突き当てるようにして防音部材を配管に取り付けることで、延出部が既設防音部材13の歪んだ切断面13fに対応するようになる。この延出部は、吸音層からなるものなので、既設防音部材13と本発明の防音部材との間に吸音層の欠落部が無くなる。
また、既設防音部材がプレ成形タイプの場合であって、その端部が捲れていたり、経時収縮していても、本発明の防音部材の吸音層の延出部を突き当てることで、吸音層の欠落部が無くなる。
また、既設防音部材に切断時の加工不具合が生じていても、本発明の防音部材の吸音層の延出部を突き当てることで、吸音層の欠落部が無くなる。
第2の発明は、第1の発明において、吸音層の延出部の硬さは、JIS K 6400−2の6.7のD法による25%圧縮硬さが300N以下であることを特徴とするものである。
すなわち、配管現場では、様々な作業者が作業を行っており、既設防音部材の切断面に対し、本発明の防音部材の延出部を押し当てる力は作業者によって異なる。延出部を押し当てる力が小さいと、延出部が、既設防音部材の切断面に対応するように変形せずに吸音層の欠落部が生じ得るおそれがあるが、本発明のように延出部の硬さを300N以下としておくことで、大半の作業者の押し付け力によって延出部を既設防音部材の切断面に対応するように変形させることが可能になる。
また、既設防音部材がプレ成形タイプの場合や、既設防音部材に加工不具合が生じている場合も同様である。
第3の発明は、第1または2の発明において、吸音層の延出部の延出長さは、2mm以上20mm以下の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
すなわち、既設防音部材の切断面の形状は様々であり、複数のサンプルを抽出して実験すると、延出部の延出長さが2mmよりも短いと、吸音層の欠落部ができる確率高まる。一方、延出部の延出長さが20mmよりも長いと、延出部が長すぎて既設防音部材の切断面との間で延出部の余りが生じて処理しにくくなる確率が高まる。
また、既設防音部材がプレ成形タイプの場合や、既設防音部材に加工不具合が生じている場合も同様である。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、吸音層と遮音層とは全面が接着されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、吸音層が遮音層から剥がれなくなるので、狙い通りの防音性能が確実に得られる。
第1の発明によれば、吸音層と遮音層とを備えたシート状の配管用防音部材において、吸音層を構成する部材の縁部を遮音層よりも延出した延出部としている。これにより、既設防音部材の切断面が歪んだ面であっても、本発明の防音部材の延出部を既設防音部材の切断面に突き当てるようにすることで、既設防音部材との間に吸音層の欠落部を無くすことができる。よって、設計通りの高い防音性能を得ることができる。
第2の発明によれば、吸音層の延出部の硬さを300N以下としたので、配管現場の大半の作業者によって延出部を既設防音部材の切断面に対応するように変形させることができる。これにより、吸音層の欠落部を無くすことができ、より確実な防音処理を行うことができる。
第3の発明によれば、延出部の延出長さを2mm以上20mm以下の範囲に設定したので、既設防音部材の様々な切断面の形状に対応させることができ、より確実な防音処理を行うことができる。
第4の発明によれば、吸音層と遮音層との全面を接着したので、剥がれを防止でき、狙い通りの防音性能を確実に得ることができる。
本発明の実施形態にかかる防音部材を給排水管に取り付けた状態を示す斜視図である。 展開した状態の防音部材の斜視図である。 防音部材の端部を拡大して示す側面図である。 接合用テープを拡大して示す側面図である。 既設防音部材を取り付けた給排水管の側面図である。 実施形態にかかる防音部材を取り付けた図5相当図である。 図6のVII−VII線断面図である。 既設防音部材と本発明の防音部材との突き合わせ端部に接合用テープを貼り付けた状態を示す側面図である。 既設防音部材の切断面の形状が図5に示す形状とは異なる場合の図7相当図である。 防音部材を筒状にした場合の斜視図である。 従来の防音部材を取り付けて吸音層の欠落部が生じた給排水管の側面図である。 図11のXII−XII線断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかる防音部材10を給排水管14に取り付けた状態を示すものである。防音部材10は、図2にも示すように、給排水管14に巻き付けられる矩形シート状をなしており、巻き付けられた状態で周方向の両端部が突き合わされて接合用テープ12によって止められている。
給排水管14は、建築物内の居住区の天井内、壁層間内、パイプスペース等の空間に配管されるものである。給排水管14は、直管と折れ曲がった継手管とが組み合わされて構成されている。尚、給排水管14の材質や寸法、形状は特に限定されない。
防音部材10は、遮音層10aと、吸音層10bとを備えている。吸音層10bは、防音部材10を給排水管14に取り付けた際に内側に位置し、遮音層10aは吸音層10bの外側(取付状態において給排水管14側と反対側)に位置する。遮音層10aは、吸音層10bよりも薄肉とされている。
遮音層10aは、吸音層10bで減衰された振動エネルギーが外部に透過するのを遮断することを目的とするものである。遮音層10aを構成する部材としては、例えば、粘弾性を有する基材成分として、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレンブタジエン共重合体、エチレンプロピレン多元共重合体、ポリブタジエン、アクリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル等のポリマーや、アスファルト類をベースとした組成物が挙げられる。このような基材成分に、重質炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸バリウム、金属粉末等の充填材を添加することにより高密度化できる。
遮音層10aを構成する部材は、上記に限られるものではなく、遮音性を有するものであれば特に限定されない。
吸音層10bは、給排水管14の外周面に直接接触し、給排水管14の外周面から放射される騒音の要因となる空気の振動を吸収し、吸音層10bの外面に接する遮音層10aへ伝搬する振動エネルギー量を減少させることを目的するものである。
吸音層10bを構成する部材としては、例えば、布や発泡材等が挙げられ、硬さは、JIS K 6400−2の6.7のD法による25%圧縮硬さが300N以下に設定されている。吸音層10bを構成する部材の硬さの下限値は、同方法で測定して例えば10Nである。
このような硬さを満足するものとしては、例えば、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル等の合成繊維からなる布材、綿、麻などの天然繊維からなる布材、合成繊維及び天然繊維を混合させた不織布、クロロプレン、エチレンプロピレン共重合体、天然ゴム、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン、スチレンブタジエン共重合体、ウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を単体又は併用したポリマー発泡体等が挙げられ、これらいずれのものであっても、吸音層10aを構成する部材として用いることが可能である。これはあくまでも例示であり、吸音層10aを構成する部材を限定するものではなく、その他にも、吸音性能を有し、かつ、上記硬さを持つものであれば吸音層10aを構成する部材として用いることができる。また、上記したものを複数種組み合わせて吸音層10aを構成してもよい。
図2に示すように、吸音層10bを構成する部材の両縁部は、遮音層10aを構成する部材の両縁部よりも所定長さ延出しており、この延出した部分がそれぞれ延出部10c,10cとされている。延出部10c,10cは、防音部材10の長手方向両側に対応するように設けられている。両延出部10c,10cは同じ形状であり、それぞれ、防音部材10の幅方向両端に亘って延びる板状をなしている。また、延出部10cは、吸音層10bを構成する部材の一部であるため、吸音層10bと同じ硬さを有している。この延出部10cは、配管現場において吸音層の欠落部(図11及び図12の符号16)に充填される部分である。
図3に示すように、延出部10cの遮音層10aの縁部からの延出長さLは、2mm以上20mm以下に設定されている。Lをこの範囲に設定している理由は後述する。
また、吸音層10aと遮音層10bとは、全面が接着されている。吸音層10aと遮音層10bとの接着方法としては、例えば、熱溶着、接着剤の塗布、粘着剤の塗布等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
図4に示すように、接合用テープ12は、防音部材10の縁部の突き合わせ部に貼り付けられるものであり、突き合わせ部同士を固定するとともに、突き合わせ部間をシールして騒音が外部に洩れるのを抑制するためのものである。
接合用テープ12は、基材遮音層12dと粘着層12eとを積層してなるものである。基材遮音層12dとしては、防音部材10の遮音層10aと同じ材料を用いて構成することができるが、材料は特に限定されるものではなく、遮音層10aと異なる材料を用いて構成してもよい。
粘着層12eは、防音部材10の遮音層10aに粘着する性質を有するものであればよく、周知の粘着剤で構成することができる。
接合用テープ12は、防音部材10を給排水管14に固定することができればよいので、接合用テープ12の厚み、長さ及び幅は特に限定されるものではない。
次に、上記のように構成された防音部材10の使用要領について説明する。
図5に示すように、給排水管14には、別の防音部材13が既に取り付けられている。この既設防音部材13は、給排水管14の配管現場で取り付けられたものであり、接合用テープ12で固定されている。配管現場では、当該現場において直管を所定長さに切断して継手管と組み合わせることで給排水管14が構成されている。このため、既設防音部材13も配管現場で給排水管14の長さに合わせて切断されることになる。
上記のように配管現場で既設防音部材13を切断する場合には、専用の切断機は無く、汎用の器具(ノコギリ等)を用いるので、その切断面13fは図示するように直線に延びておらず、いびつに歪んだ面となっている。
この給排水管14に本実施形態の防音部材10を取り付ける。防音部材10を取り付ける際には、防音部材10の延出部10cが既設防音部材13の切断面13fに当たるように防音部材10の向きを決める。
そして、図6に示すように、防音部材10を給排水管14の外周面に沿うように丸め、さらに、延出部10cを既設防音部材13の切断面13fに押し付ける。
この延出部10cを切断面13fに押し付ける作業は、現場によって様々な作業者が行うことが想定され、作業者によって押し付ける力が異なることが考えられる。押し付ける力が弱いと、延出部10cが切断面13fに沿うように変形しにくく、切断面13fと延出部10cとの間に隙間が形成される。この隙間が吸音層の欠落部となってしまうので、設計通りの防音性能が得られなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、防音部材10の延出部10cの硬さを300N以下としており、様々な作業者が作業を行っても吸音層の欠落部が生じないようにしている。
つまり、本発明者らが、様々な作業者を対象として、防音部材10を既設防音部材13に押し付ける際の力を測定し、さらに、延出部10cの硬さを変えた防音部材10を複数種用意して、各防音部材10の延出部10cを、上記予め測定した様々な押し付け力で既設防音部材13の切断面13fに押し付ける実験を行った。すると、延出部10cの硬さが300Nよりも硬いと、防音部材10の延出部10cと切断面13fとの間に隙間(吸音層の欠落部)ができる確率が高まることが得られた。
一方、延出部10cが柔らかすぎると、不用意に変形してしまい、既設防音部材13の切断面13fとの間に吸音層の欠落部ができる確率が高まる。以上の結果より、延出部10cの硬さを10N以上300N以下としている。
尚、上記実験結果には、既設防音部材13の切断面13fの形状が関係するが、この切断面13fの形状は、複数のサンプルの形状を平均化した形状としている。
また、延出部10cの延出長さLを2mm以上としているので、様々な既設防音部材13の切断面13fに延出部10cを押し当てることができる。言い換えると、延出部10cの延出長さLが2mmよりも短いと、既設防音部材13の切断面13fとの間に吸音層の欠落部ができる確率高まる。
一方、延出部19cの延出長さLが20mmよりも長いと、延出部10cが長すぎて既設防音部材13の切断面13fとの間で余り、延出部10cの処理がしにくくなる確率が高まる。
防音部材10の延出部10cを既設防音部材13の切断面13fに押し付けると、図7に示すように、延出部10cが切断面13fの形状に対応して変形し、切断面13fの全周に亘って密着する。これにより、防音部材10と既設防音部材13との間に吸音層の欠落部が無くなる。
そして、防音部材10の周方向の突き合わせ端部に接合用テープ12を貼り付け、防音部材10を止める。また、図8に示すように、既設防音部材13と防音部材10との突き合わせ端部にも接合用テープ12を貼り付ける。これにより、既設防音部材13と防音部材10との間は、吸音層10aと接合用テープ12の遮音層12dとでシールされることになるので、外部に洩れる騒音が十分に低減されて、設計通りの狙いとする防音性能が得られる。
以上説明したように、この実施形態にかかる防音部材10によれば、吸音層10bを構成する部材の縁部を遮音層10aよりも延出した延出部10cとしている。これにより、既設防音部材13の切断面13fが歪んだ面であっても、防音部材10の延出部10cを既設防音部材13の切断面13fに突き当てるようにすることで、既設防音部材13との間に吸音層10bの欠落部を無くすことができる。よって、高い防音性能を得ることができる。
また、吸音層10bの延出部10cの硬さを300N以下としたので、配管現場の大半の作業者によって延出部10cを既設防音部材13の切断面13fに対応するように変形させることができる。これにより、吸音層10bの欠落部を無くすことができ、より確実な防音処理を行うことができる。
また、延出部10cの延出長さを2mm以上20mm以下の範囲に設定したので、既設防音部材13の様々な切断面13fの形状に対応させることができ、より確実な防音処理を行うことができる。
また、吸音層10bと遮音層10aとの全面を接着したので、吸音層10bが遮音層10aから剥がれなくなり、狙い通りの防音性能を確実に得ることができる。
尚、図9に示すように、既設防音部材13の切断面は、切断の仕方によっては、遮音層13aが吸音層13bの縁部よりも延出した状態になることがある。この場合も、本実施形態の防音部材10の延出部10cを既設防音部材の切断面に押し付けることで、延出部10cが既設防音部材13の吸音層13bに接し、吸音層の欠落部が無くなり、設計通りの狙いとする防音性能が得られる。
また、図示しないが、既設防音部材がプレ成形タイプの場合に、防音部材の端部が捲れていたり、経時収縮していても、防音部材10の延出部10cを既設防音部材の端部に押し当てることで、吸音層の欠落部が無くなり、設計通りの狙いとする防音性能が得られる。既設防音部材に切断時の加工不具合が生じていても同様に吸音層の欠落部が無くなる。
また、防音部材10は、戸建ての二世帯住宅や集合住宅、オフィスビル等の給排水管に取り付けることができる。
また、上記実施形態では、防音部材10を給排水管14に取り付ける場合について説明したが、これに限らず、例えば、他の液体が流通する配管、粉体が流通する配管、気体が流通する配管(例えば空調用配管等)等に取り付けることもできる。
また、本発明の防音部材10は、例えば継手管にも取り付けることができる。
また、本発明の防音部材10は、例えば、図1に示すように給排水管14を被覆するように給排水管14と予め一体化した状態で工場出荷して配管現場で使用することもできるし、また、図10に示すように防音部材10を給排水管14の外径と概ね一致する内径の筒状にして工場出荷して配管現場で給排水管14に取り付けることもできる。
以上説明したように、本発明にかかる配管用防音部材は、例えば、給排水管に取り付けることができる。
10 防音部材
10a 遮音層
10b 吸音層
10c 延出部
12 接合用テープ
12d 基材遮音層
12e 粘着層
13 既設防音部材
13a 遮音層
13b 吸音層
13f 切断面
14 給排水管

Claims (4)

  1. 配管の外周面を被覆するように取り付けられ、該配管の内部を物体が流通することに起因して配管から放射される騒音が周囲に伝わるのを低減するためのシート状の配管用防音部材において、
    上記配管から放射される騒音を吸収するための吸音層と、
    上記吸音層における配管側と反対側に積層され、上記配管から放射される騒音が外部に洩れるのを抑制するための遮音層とを備え、
    上記吸音層を構成する部材の縁部は、上記遮音層を構成する部材の縁部よりも所定長さ延出した延出部とされていることを特徴とする配管用防音部材。
  2. 請求項1に記載の配管用防音部材において、
    吸音層の延出部の硬さは、JIS K 6400−2の6.7のD法による25%圧縮硬さが300N以下であることを特徴とする配管用防音部材。
  3. 請求項1または2に記載の配管用防音部材において、
    吸音層の延出部の延出長さは、2mm以上20mm以下の範囲に設定されていることを特徴とする配管用防音部材。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の配管用防音部材において、
    吸音層と遮音層とは全面が接着されていることを特徴とする配管用防音部材。
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