JPH10246383A - 配管構造及びその製造方法 - Google Patents

配管構造及びその製造方法

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JPH10246383A
JPH10246383A JP9048836A JP4883697A JPH10246383A JP H10246383 A JPH10246383 A JP H10246383A JP 9048836 A JP9048836 A JP 9048836A JP 4883697 A JP4883697 A JP 4883697A JP H10246383 A JPH10246383 A JP H10246383A
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JP
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pipe
piping
piping structure
elastomer
elastomer layer
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JP9048836A
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English (en)
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Kazutoshi Yamazaki
一利 山崎
Chikayuki Ogawa
周幸 小川
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Hayakawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Hayakawa Rubber Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L55/00Devices or appurtenances for use in, or in connection with, pipes or pipe systems
    • F16L55/02Energy absorbers; Noise absorbers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pipe Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管の施工が容易で、配管の騒音を
低減することができる配管構造を得る。 【解決手段】 直管部2と異形部3とからなり、配
管内を通過する物体の騒音を低減する配管構造11を提
供する。この配管構造11は、直管部2がエラストマー
層13、14を有しており、異形部3がエラストマー層
16、17を有しており、配管構造の直管部2と異形部
3のそれぞれにおいて、これらのエラストマー層が配管
と一体成形されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、騒音を防止する配
管構造及びその製造方法に関する。騒音は配管内を通過
する物質により生じる。特に、本発明は、配管の振動を
防止することにより、配管の騒音を防止する配管構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質が配管を通過したり、音源が配管に
密接した場合等には、音が配管を透過したり、配管が屈
曲部等で振動する。このため、かかる配管では、透過す
る音や振動を防止する必要がある。
【0003】従来、配管の音や振動の防止策としては、
配管自体を重くする方法が知られている。例えば、鉄製
管、鋳鉄管を使用する方法や、セメントを配管の外周に
つける方法である。また、ウレタンフォームやグラスウ
ール等の吸音材を配管の外周囲に巻き付け、その上から
テープを巻き付ける方法、又は遮音シートを配管の外周
に貼り合せる方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】配管の自重を著しく重
くすれば、音の透過損失を増大させることができる。し
かし、配管は通常、直管部と異形部とを有しており、こ
の異形部で、物質の流れる方向が強制的に変えられる。
このため、異形部は必然的に、通過する物質により大き
く振動し、管自体が振動する。かかる場合、配管自体が
発音源となり、音の発生を防止することはできなかっ
た。
【0005】また、配管の外周にグラスウールやウレタ
ンフォームシート等の吸音材を巻き付ける方法では、吸
音材をテープ等で巻き付け、固定する作業が必要とな
り、施工性の点で問題がある。
【0006】更に、遮音シートを配管に巻き付ける方法
は、高比重の遮音シートを配管に貼り付ける必要があ
る。このため、せまい配管スペースを重量物を用いて施
工するには手間がかかり、施工は困難である。
【0007】本発明は、従来の配管と同様に施工するこ
とができ、なおかつ配管から発生する騒音を低減するこ
とができる配管構造を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、直管部と異
形部とからなる配管を備えており、配管内を通過する物
体の騒音を低減する配管構造を提供する。本発明の配管
構造は、配管の直管部と異形部の双方がエラストマー層
を有しており、この配管とエラストマー層とが一体成形
されている。
【0009】本発明者は、配管の施工が容易な配管構造
を検討した。その結果、吸音材、遮音材、制振材等とし
て機能するエラストマー層を、配管に使用される硬質塩
化ビニル樹脂等と一体成形した配管構造を得るに至っ
た。本発明者は、かかる配管構造が、配管施工の作業性
に極めて優れていることを見出し、本発明に到達したも
のである。
【0010】本発明の配管構造は、一体成形により、エ
ラストマー層が配管の直管部と異形部の双方に設けられ
ている。一体成形によれば、配管を成形すると同時に、
防音材等のはたらきをするエラストマー層を配管に配置
することができる。
【0011】配管内を流動する物質は、配管の内壁に衝
突し、配管を振動させる。本発明では、一体成形によ
り、配管の種々の位置にエラストマー層を敷設積層する
ことができる。例えば、配管の内壁及び外壁の少なくと
も一方に、エラストマー層を積層して、かかる振動から
生じる騒音を低減することができる。かかる本発明の配
管構造では、吸音材等を配管の外周に設ける等の、防音
処理が必要でない。
【0012】一体成形によれば、本発明にかかるエラス
トマー層を配管の内壁に容易に設けることができる。物
質が配管内を通過する際、この物質は、特に配管の異形
部近傍の内壁に衝突し、配管に振動を生じさせる。この
内壁に設けるエラストマー層は、所定の弾性を有し、か
かる衝撃を吸収するため、配管内の制振材として有用で
ある。
【0013】また、一体成形によれば、本発明にかかる
エラストマー層を配管の外壁に容易に設けることができ
る。適切な比重に調整されたエラストマー層は、質量則
に基づいて、吸音材又は遮音材として機能する。
【0014】更に、一体成形によれば、エラストマー層
を配管の内壁と外壁の双方に設けることも容易である。
前述したように、エラストマー層は、配管の内壁で物体
の衝撃を吸収し、配管の外壁で放射音を遮蔽することが
できる。かかる配管構造は、配管内を通過する物体の騒
音をより一層効果的に低減することができる。
【0015】本発明の配管構造は、配管の自重を著しく
重くすることがない。そのため、かかる配管構造は、施
工作業の安全面で有用である。また、かかる比較的軽量
な配管構造を用いれば、施工作業の効率も上昇する。
【0016】更に、本発明の配管構造は、騒音を低減す
ることができる。このため、かかる配管構造を用いれ
ば、従来使用されている配管防音材を配管に貼り付ける
手間を省け、作業効率を改善することができる。
【0017】かかる配管構造は、本発明の方法により、
射出成形機等を用いて製造することができる。本発明の
方法では、押出成形機又は射出成型機を用いて、配管の
直管部とエラストマー層とを同時成形し、射出成型機を
用いて、配管の異形部とエラストマー層とを同時成形す
る。得られた配管構造の直管部と異形部とを相互に接着
することにより、配管とエラストマー層とが一体成形さ
れた本発明の配管構造が得られる。かかる本発明の方法
によれば、本発明の配管構造を容易に製造することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の配管構造は、配管の直管
部と異形部の双方がエラストマー層を有しており、この
配管とエラストマー層とが一体成形されている。かかる
配管構造は、比較的軽量な直管部と異形部とから形成さ
れているにもかかわらず、配管内を通過する物体の騒音
を著しく低減することができる。
【0019】配管の材料としては、従来から使用されて
いる硬質塩化ビニル樹脂を用いることができる。また、
塩化ビニル樹脂と同レベル以上の耐久性を持つならば、
熱硬化性又は熱可塑性エラストマーを適宜用いることが
できる。
【0020】配管材料として、軟質の熱可塑性、熱硬化
性エラストマーは好ましくない。本発明では、配管の内
壁及び外壁の少なくとも一方に、エラストマー層を同時
積層することが必要不可欠な条件となり、このエラスト
マー層は、遮音、制振、吸音、防振等のはたらきをする
からである。したがって、配管材料としては、水道用硬
質塩化ビニル管の規格(JIS−K−6742に規定さ
れる)に合格する塩化ビニルポリマーを用いるのが良
い。
【0021】エラストマー層の構成材料としては、遮
音、吸音、防振、制振等の性能を考慮して、種々の材質
のものを選定することができる。少なくとも二種の材料
からなる熱可塑性エラストマー又は熱硬化性エラストマ
ーが好ましい。上述したような種々の性能を選択して、
エラストマー層に付与できるからである。また、本発明
では、エラストマー層を配管と一体成形する。このた
め、エラストマー層の材料は、配管となる塩化ビニル樹
脂の成形条件と同条件で、成形し、加工することができ
る必要がある。
【0022】配管の内壁に敷設されるエラストマー層と
しては、耐久性が問題である。配管内を通過する物質に
より、種々の耐薬品性が要求される。特に、本発明の配
管構造が排水管に使用される場合、耐アルカリ性、耐酸
性を要求される。耐薬品性を有するエラストマー組成物
としては、オレフィン系エラストマーを使用することが
好ましい。加水分解性の高い、あるいは極性の大きい、
ウレタン系エラストマーやポリエステル系エラストマ
ー、ポリエーテル系エラストマー、アクリルゴム等は好
ましくない。
【0023】配管の内壁に積層するエラストマー層の厚
みは、2〜8mmが好ましい。8mmより厚いと、配管
の内径が著しく狭められ、配管全体の重量も大きくな
り、作業性の問題も生じてくるからである。また、2m
mより薄くなれば、遮音材、吸音材、防振材、制振材等
の性能が発揮できないおそれがあるからである。このよ
うに、2〜8mmの厚みのエラストマー層であれば、遮
音等の所定の性能を発揮し、管内を流動する物質を管内
に滞留させることなく、有効な防音効果を得ることがで
きる。
【0024】また、配管の外壁に積層するエラストマー
層の厚みは、2〜5mmが好ましい。5mmより厚い
と、配管の外径が10mmより大きくなり、外径差が通
常の配管と著しく異なるため、作業性に問題が生じる。
更に、配管の内壁にもエラストマー層を積層した場合、
配管構造の重量が非常に重くなり、好ましくない。ま
た、2mmより薄くなれば、遮音材、吸音材、防振材、
制振材等の性能が発揮できないおそれがある。尚、遮音
層として、比重の高いエラストマーを用いる際には、総
重量の関係から3mm以下とするのが好ましい。
【0025】本発明では、二層以上のエラストマー層を
配管の内壁及び外壁の少なくとも一方に敷設積層するこ
とができる。二層以上のエラストマー層は、材質の選択
により、異なる機能を発揮させることができる。但し、
層の厚みは、複数の層を用いたとしても、上述の厚みを
超えないよう設定する。所定の機能が達成できないから
である。
【0026】また、本発明の配管構造では、硬度30〜
50の低硬度層と比重2.0〜3.0の高比重層の少な
くとも二種のエラストマー層を敷設積層することができ
る。かかるエラストマー層は、配管の内外に設けること
ができる。また、これらのエラストマー層を、配管の内
壁か外壁のいずれか一方にだけ設けることもできる。
【0027】かかるエラストマー層は、配管の通路に最
も近いエラストマー層を低硬度層とし、配管の通路から
最も遠いエラストマー層を高比重層とするのが好まし
い。低硬度層は配管内を通過する物質の衝撃を吸収する
はたらきを有するため、物質の通路に近い方を低硬度層
とするのが効果的だからである。また、衝撃音が発生し
た場合には、この高比重層が衝撃音を低減するはたらき
をするため、配管の外側に高比重層を設けるのが効果的
だからである。
【0028】図1及び2は、本発明の一例の配管構造1
1を示す。このように、本発明の配管構造は、エラスト
マー層を配管の内壁と外壁の双方に敷設積層することが
できる。前述したように、これらのエラストマー層は、
配管の内壁で物質の衝撃を吸収し、配管の外壁で配管の
放射音を遮蔽するようにはたらく。
【0029】図1は、この配管構造11の縦断面図であ
り、直管部の配管12と異形部の配管15の双方がエラ
ストマー層13、14、16及び17で被覆され、それ
ぞれの配管とエラストマー層とが一体成形されている。
この配管構造11では、直管部2と異形部3とが接続さ
れている。
【0030】図1では、低硬度層と高比重層が配管の内
外に設けられている。エラストマー層13及び16が低
硬度層であり、エラストマー層14及び17が高比重層
である。配管構造11のように、配管12及び15の内
壁にエラストマー層を敷設する場合、エラストマー層1
3及び16は配管の通路に面する。したがって、これら
エラストマー層13及び16には、耐薬品性の高いオレ
フィン系エラストマーが用いられる。
【0031】図2は、配管構造11を直管部2の横断面
で示す図である。図2では、エラストマー層13は直管
部の配管12の内壁を被覆している。このエラストマー
層13は、直管部の配管12と一体成形されている。ま
た、エラストマー層14は、直管部の配管12の外壁を
被覆しており、直管部の配管12と一体成形されてい
る。
【0032】本発明にかかるエラストマー層は、配管と
一体成形することにより、配管の内壁に敷設積層するこ
とができる。このエラストマー層は、物質の衝撃を吸収
し、配管の振動を防ぐのに特に有効である。かかる配管
構造の一例を示したのが、図3である。図3は、本発明
の他の例の配管構造18を直管部19で切断した横断面
図である。図3では、エラストマー層20及び21は直
管部の配管12の内壁を被覆している。これらのエラス
トマー層20及び21は、直管部の配管12と一体成形
されている。
【0033】図3に示されるように、配管12の内壁に
二層のエラストマー層を敷設する場合、配管の通路に面
するエラストマー層21には、耐薬品性の高いオレフィ
ン系エラストマーが用いられる。その内側のエラストマ
ー層20には、特に耐薬品性は要求されないため、他の
適切なエラストマーを用いることができる。また、図3
では、エラストマー層21が低硬度層であり、エラスト
マー層20が高比重層である。
【0034】また、本発明にかかるエラストマー層は、
配管の外壁に敷設積層することにより、吸音材又は遮音
材として機能させることができる。かかる配管構造の一
例を示すのが、図4である。図4は、本発明の更に他の
例の配管構造22を直管部23で切断した横断面図であ
る。図4では、エラストマー層24及び25は直管部の
配管12の外壁を被覆している。これらのエラストマー
層24及び25は、直管部の配管12と一体成形されて
いる。低硬度層と高比重層はいずれも配管の外壁にだけ
設けられている。図4では、エラストマー層24が低硬
度層であり、エラストマー層25が高比重層である。
【0035】図5は、本発明の配管構造を示す、更に他
の例であり、配管構造の直管部を切断した横断面図であ
る。このように、本発明では、重量に制約がないかぎ
り、エラストマー層を三層以上用いることもできる。図
5の配管構造26では、配管12の内壁にエラストマー
層28が設けられている。このエラストマー層28の上
には、更にエラストマー層29が設けられている。エラ
ストマー層29には、耐薬品性の高いオレフィン系エラ
ストマーが用いられている。一方、配管12の外壁に
は、エラストマー層30が設けられている。図5では、
エラストマー層29が低硬度層であり、エラストマー層
30が高比重層である。
【0036】以下には、本発明の配管構造を製造する方
法について説明する。熱可塑性エラストマー又は熱硬化
性エラストマーの少なくとも一方から、遮音材、吸音
材、防振材、制振材等の性能を考慮して、所定の材料を
選定する。通常使用される混合機により、これらの材料
を混合し、均一に分散させる。所望の物性を与えるため
に、充填剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、接着付与剤、
架橋剤、架橋助剤、着色剤等を添加することができる。
【0037】均一に分散した混合物と、配管の主材料と
なる塩化ビニル樹脂等とを同時に成形して、エラストマ
ー層を有する本発明の配管構造を形成する。押出成形機
又は射出成形機を用いれば、同時に多層成形することが
できる。
【0038】押出成形機は、配管構造の直管部を形成す
るのに用いることができる。縦型と横型のどちらの押出
成形機でもよい。成形機の温度、押出機の吐出圧、押出
速度等の成形条件は、配管としての強度、耐久性等の機
能を損うことがないように設定する。本発明の方法は配
管を成形しながら、それと同時に、防音材等のはたらき
をするエラストマー層を多層押出により設ける。多層形
成するには、層間剥離やエアー混入のないようにして、
層間の充分な接着が得られるように押出形成を行なう。
配管構造の直管部は、射出成形することもできるが、こ
の場合も押出成形と同様にして、一体成形された直管部
を得ることができる。
【0039】配管構造の異形部を成形するには、射出成
形機を用いる。異形部においても、配管の機能(強度、
耐久性等)を損うことがないように成形する。この際、
防音材等としてはたらくエラストマー層の材料と、配管
の主材料とで、層を形成させ、多層射出成形を行う。こ
れにより、配管の異形部を、エラストマー層と一体にし
て成形することができる。
【0040】配管構造の直管部と異形部とは、適切な手
段を用いて接着することができる。通常の配管の場合に
は、溶剤溶着されることが多い。エラストマー層を備え
た本発明の配管構造でも、溶剤を適宜選択して、同様に
接着することができる。このようにすれば、エラストマ
ー層を付加した本発明の配管構造を容易に提供すること
ができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例により、本
発明を詳細に説明する。 (配管構造の製造方法) 実施例1 得られた配管構造を図1に示す。配管12及び15を形
成する材料には、硬質塩化ビニル樹脂を用いた。配管1
2及び15の内周面には、低硬度のエラストマー層13
及び16を積層した。エラストマー材料としては、ポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマーを用い、ゴム硬度
(JIS−Aタイプ硬さ試験器を用いた測定値、以下同
じ)を50に調整した。配管12及び15の外周面へ積
層するエラストマー層14及び17の材料としては、ス
チレン系熱可塑性エラストマーを用い、比重2.0に調
整した。
【0042】これらを、多層共押出成形機により、一体
成形した。配管12のサイズを75Aとして、配管内周
面へ積層するエラストマー層13の厚みを8mmとし、
配管外周面へ積層するエラストマー層14の厚みは3m
mとして、配管構造11の直管部2を成形した。
【0043】また、同様の材質及び配置で、多層射出成
形機を用いて、配管構造11の異形部3(90度エルボ
ー部)を成形した。得られた直管部2及び異形部3を溶
剤溶着し、配管構造11を製造した。
【0044】実施例2 得られた配管構造を図3に示す。配管12は、実施例1
と同様の硬質塩化ビニル樹脂で製造した。配管12の内
周面には、二層のエラストマー層21及び22を形成し
た。配管12の内周面には、第一のエラストマー層22
の材料として、比重2.0に調整したポリスチレン系熱
可塑性エラストマーを積層した。次いで、エラストマー
層21の材料として、ゴム硬度=50に調整したポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマーを積層した。
【0045】これらの材料を、多層共押出成形機を用い
て一体成形した。配管12は、実施例1と同様に75A
のサイズとし、配管12の内周面第一層22の厚みを3
mmとし、配管12の内周面第二層21の厚みを5mm
として、配管構造18の直管部19を得た。
【0046】また、同様の構成の材料を、多層射出成形
機を用いて一体成形し、配管構造18の異形部(90度
エルボー部)を得た。直管部19と異形部とを溶剤溶着
し、配管構造18を製造した。
【0047】実施例3 得られた配管構造を図4に示す。配管12の材料には、
実施例1と同様の硬質塩化ビニル樹脂を用いた。配管1
2の外周面には、二層のエラストマー層24及び25を
設けた。第一のエラストマー層24の材料には、比重
2.0に調整したスチレン系熱可塑性エラストマーを用
いた。また、その外周に設ける第二のエラストマー層2
5の材料には、ゴム硬度50に調整したポリオレフィン
系熱可塑性エラストマーを用いた。
【0048】これらの材料を、多層共押出成形機により
一体成形した。配管12のサイズは、実施例1と同様の
75Aとし、配管外周の一層目24を3mm厚みとし、
次いで配管外周の二層目25を2mmの厚みとして、配
管構造22の直管部23を形成した。
【0049】また、同様の材質及び配置で、多層射出成
形機を用いて、配管構造22の異形部(90度エルボー
部)を形成した。直管部23と異形部とを溶剤溶着し、
配管構造22を製造した。
【0050】実施例4 得られた配管構造を図5に示す。配管12の材料は、実
施例1と同様の硬質塩化ビニル樹脂を用いた。配管12
の内周面には、二種のエラストマー層28及び29を設
けた。まず、配管12の内周第一層28として、比重
0.5に調整したポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを積層した。次いで第二層29として、ゴム硬度50
に調整したポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを積
層した。
【0051】配管12の外周面には、エラストマー層を
形成する。配管12の外周面には、比重2.0に調整し
たポリスチレン系熱可塑性エラストマーを積層した。
【0052】これらの材料を多層共押出成形機を用い
て、一体成形した。配管12は75Aのサイズとした。
配管内周面第一層28の厚みを4mmとし、配管内周面
第二層29の厚さを4mmとして積層し、更に、配管外
周面のエラストマー層30の厚みを3mmとして、配管
構造26の直管部27を得た。
【0053】また同様の材料及び配置で、多層射出成形
機を用いて、配管構造26の異形部(90度エルボー
部)を得た。直管部27と異形部とを溶剤溶着し、配管
構造26を製造した。
【0054】比較例1 厚さ20mmのグラスウールからなる長尺の巻物と厚み
1.2mmの塩化ビニル製の遮音シートからなる積層体
を用意した。この積層体を、硬質塩化ビニルパイプ75
A(以下「VU管」という)に巻き付けた。
【0055】比較例2 戸建住宅等では非常に多用されているVU管を配管し
た。管を取り付けた後、実験室上階のトイレロータンク
から8Lの水を流下させ、排水を測定し、実験例1〜
4、比較例1〜3と比較するためのブランクとして一つ
の指標とした。
【0056】(試験方法)図6は、試験室の配管状況を
示す図である。実施例1の配管構造11は図6に示す配
管経路で試験した。この配管経路は、直管部2と異形部
3とからなり、左右対称に設けられている。直管部2の
全長は4.5mに設定し、異形部3は4個所に設けた。
これらの配管経路は、各々の上端にトイレ(図示せず)
を設置した。配管経路の天井部には、天井取り付け枠1
が設けた。これらの配管経路は、支持バンド4を用いて
4個所で固定した。
【0057】図7は、試験室の配置を示す模式図であ
る。図7には、図6の配管経路を備える受音室6、これ
に隣接する洗面室、排水音測定室8を縦断面で示してい
る。排水は、トイレ及びロータンク5から流下し、配管
構造11の異形部3と直管部2とを経て排水漕に達す
る。
【0058】排水音の測定には、図7に示す測定装置を
使用した。トイレ及びロータンク5からは、8リットル
の水を排水した。流下する排水は、配管経路を通る間に
排水音を発生する。この排水音は、受音室6のマイク7
で拾い、測定室8に設置した精密騒音計9、周波数分析
器10により音の大きさ及び質を分析した。結果を表1
に示す。
【0059】実施例2〜4、比較例1及び2の配管構造
は、図6及び7に示す同様の排水経路を作製して、同様
に試験した。
【0060】
【表1】
【0061】以下、実施例及び比較例で得られた配管構
造の試験結果をもとに、本発明の効果について述べる。
実施例1の配管構造では、騒音レベルが36dB(A)
となった。騒音等級でいえば、N−30である。これ
は、天井、パイプシャフト等の無い状態の結果であり、
非常に良好な結果であった。施工取付け作業は、通常の
配管を取り付けるのと全く同じ作業であった。
【0062】実施例2の配管構造では、音性能が騒音レ
ベルで38dB(A)であり、騒音等級でN−35とな
り、良好であった。施工取付け作業は、実施例1及び2
のものと同様に簡便にできた。
【0063】実施例3の配管構造では、音性能が騒音レ
ベルで40dB(A)であり、騒音等級でN−35とな
り良好であった。施工取付け作業は、実施例1のものと
同様に簡便にできた。
【0064】実施例4の配管構造では、音性能が騒音レ
ベルで35dB(A)であり、騒音等級でN−30とな
り、非常に良好であった。施工取付け作業は、実施例1
〜3のものと同様に簡便にできた。
【0065】比較例1に用いた防音材は、現在市販さ
れ、比較的多量に使用されているものである。この防音
材は長尺の巻物で供給されるため、どのような管径の配
管にも適用できるメリットはある。しかし、巻物から一
定寸法を切り出す手間と、グラスウールを配管へ1回巻
き付け、更に塩化ビニルシートをその上巻付けるため、
施工に長時間を要する。
【0066】また、比較例1に用いた防音材は、グラス
ウールを使用する点で、衛生面での問題もある。音性能
は、騒音レベルで45dB(A)、騒音等級でN−40
であり、パイプシャフトや天井を設けても、充分な効果
とは言えなかった。
【0067】比較例2は、防音処理を施さないブランク
として用いたものである。騒音レベルは52dB(A)
であり、騒音等級はN−45であった。音クレームが発
生するレベルと言える。
【0068】以上のように、実施例1〜4の配管構造
は、いずれもエラストマー層と一体成形した配管から形
成した。これらの配管構造は、従来の配管を施工するの
と同様に容易に製造することができ、防音性能を向上さ
せることができた。また、実施例1、2及び4の配管構
造は、耐薬品性の高いエラストマー層を内壁に用いたた
め、長期使用に対する耐久性も有し、実用性も具備して
いる。
【0069】
【発明の効果】本発明の配管構造によれば、配管と一体
成形したエラストマー層により、配管構造の防音性能等
を向上させることができ、配管施工作業及び材料の面で
大巾なコストの削減を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一例の配管構造の縦断面図で
ある。
【図2】図2は、図1の配管構造を直管部で切断した横
断面図である。
【図3】図3は、本発明の好適例の配管構造を直管部で
切断した横断面図である。
【図4】図4は、本発明の好適例の配管構造を直管部で
切断した横断面図である。
【図5】図5は、本発明の好適例の配管構造を直管部で
切断した横断面図である。
【図6】図6は、試験室の配管状況を示す図である。
【図7】図7は、試験室の配置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 天井取付け枠 2、19、23、27 配管構造の直管部 3 配管構造の異形部 4 支持バンド 5 トイレ及びロータンク 6 受音室 7 マイク 8 測定室 9 精密騒音計 10 周波数分析器 11、18、22、26 配管構造 12 直管部の配管 13、16、21、25、29 低硬度エラストマー層 14、17、20、24、30 高比重エラストマー層 15 異形部の配管 28 エラストマー層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直管部と異形部とからなる配管を備えて
    おり、配管内を通過する物体の騒音を低減する配管構造
    において、 配管の直管部と異形部の双方がエラストマー層を有して
    おり、この配管とエラストマー層とが一体成形されてい
    ることを特徴とする、配管構造。
  2. 【請求項2】 前記エラストマー層が配管の内壁を2〜
    8mmの厚さで被覆していることを特徴とする、請求項
    1記載の配管構造。
  3. 【請求項3】 前記エラストマー層が、ポリオレフィン
    系熱可塑性エラストマーから成形された耐薬品性を有す
    る層であり、配管の通路に露出していることを特徴とす
    る、請求項2記載の配管構造。
  4. 【請求項4】 前記エラストマー層が配管の外壁を2〜
    5mmの厚さで被覆していることを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれか一項記載の配管構造。
  5. 【請求項5】 前記エラストマー層が、硬度30〜50
    の低硬度層と比重2.0〜3.0の高比重層の少なくと
    も2種の層からなっており、配管の通路に最も近いエラ
    ストマー層が低硬度層であり、配管の通路から最も遠い
    エラストマー層が高比重層であることを特徴とする、請
    求項1〜4のいずれか一項記載の配管構造。
  6. 【請求項6】 直管部と異形部とからなる配管を備えて
    おり、配管内を通過する物体の騒音を低減する配管構造
    を製造するにあたり、 (1)多層押出成形機又は多層射出成形機により、配管
    の直管部とエラストマー層とを一体成形して、配管構造
    の直管部を成形し、 (2)多層射出成形機により、配管の異形部とエラスト
    マー層とを一体成形して、配管構造の異形部を成形し、
    及び (3)成形された配管構造の直管部と異形部とを接着す
    る、工程を含むことを特徴とする、配管構造の製造方
    法。
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