JP3685218B2 - 防水シート、防水シートの製造方法、及び防水シートの施工方法 - Google Patents

防水シート、防水シートの製造方法、及び防水シートの施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル等の地盤又は地盤に設けられたコンクリート層に防水施工するために使用される防水シート、防水シートの製造方法及び防水シートの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、トンネルの地山や一次覆工コンクリート等の施工壁の防水施工のために防水シートをトンネル等の施工壁に張設する場合、例えば実公平5−10077号公報に記載されたように、不透水性止水シートaに透水性緩衝シートbを積層し、この緩衝シートbに中間止め片cを設けた防水シートを用い(図4参照)、図5に示すようにこの中間止め片cを施工壁dに固定した後、不透水性止水シートa及び透水性緩衝シートbを施工壁dに固定することが行われている。
【0003】
しかしながら、このような中間止め片は、防水シートを張設する場合、シートの施工たるみを少なくするため、互いに短い間隔で緩衝シートに多数の幅の狭い中間止め片をホットメルト、熱風又は縫製などの方法で接合して設けなければならず、防水シートの製造を面倒にしていた。また、このように幅の狭い中間止め片をホットメルト、熱風、縫製などで接合する場合、作業性が悪いために接合が十分に行われず、中間止め片が脱落する場合があった。しかも、このように中間止め片が狭く、透水性緩衝シートの所定位置に固着されているので、施工壁に対する中間止め片の固定位置が限られ、防水シートの張設に不自由があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、簡単に仮止め部が形成され、施工の自由度が高く、特に自動展張機を用いた防水シート施工に有効であると共に、不透水性止水シートの保護性に優れた防水シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、
(1)地盤又は地盤上に打設された覆工コンクリート層上に張設され、地盤側からの湧水を止水する防水シートにおいて、不透水性止水シートと、その地盤側の表面に部分的又は全面的に接着された第1透水性緩衝シートと、その上に積層された第2透水性緩衝シートとを具備し、上記両緩衝シート相互を長さ方向に沿って所定間隔離間する複数箇所において幅方向一端部から他端部にかけて直線状に固着し、上記第2透水性緩衝シートの第1透水性緩衝シートとの未固着部を幅方向一端部から他端部にかけて切断して仮止め部を形成したことを特徴とする防水シート、
(2)上記防水シートの製造方法であって、不透水性止水シートの表面に部分的又は全面的に第1透水性緩衝シートを接着し、次いでその上に第2透水性緩衝シートを積層し、上記両緩衝シート相互を長さ方向に沿って所定間隔離間する複数箇所において幅方向一端部から他端部にかけて直線状に固着した後、上記第2透水性緩衝シートの第1透水性緩衝シートとの未固着部を幅方向一端部から他端部にかけて切断して仮止め部を形成することを特徴とする防水シートの製造方法、及び、
(3)上記防水シートの施工方法であって、上記第2透水性緩衝シートの上記第1透水性緩衝シートとの未固着部を幅方向一端部から他端部にかけて切断して形成された仮止め部を施工壁に固定し、次いで上記第1透水性緩衝シート及び上記不透水性止水シートを施工壁に固定することを特徴とする防水シートの施工方法
を提供する。
【0006】
この場合、上記両緩衝シートの固着部の幅(W1)が1〜50mmであり、未固着部の幅(W2)が150〜1000mmであることが好ましく、また、第1透水性緩衝シートが100〜350g/m2の不織布であり、第2透水性緩衝シートが50〜200g/m2の不織布であることが好ましい。
【0007】
本発明の防水シートは、その地盤又は覆工コンクリート層(施工壁)に張設するに際し、上記第2透水性緩衝シートの未固着部を切断した切断片を仮止め部とし、これを施工壁に固定し、防水シートを仮止めした後、常法に従って防水シートを施工壁に固定、張設していくものであるが、このように第1緩衝シートに上述したように第2緩衝シートを積層、部分固着し、未固着部を切断するので、仮止め部を有する防水シートの製造が容易であると共に、固着部間の間隔を適宜選定することにより、防水シートの張設箇所、施工壁に適合し、施工たるみを可及的に少なくして張設し得る防水シートを簡単に製造できる。しかも、未固着部の切断位置も、線状固着部間の中央部或いは一方の線状固着部の近傍位置など、適宜選定でき、また、未固着部を切断して得られた仮止め部は十分に広いものであるため、該仮止め片を施工壁に固定する場合、仮止め片の仮止め位置を自由に選定でき、特に上記(1)の防水シートの場合、施工現場で施工壁の状況に応じて未固着部を切断して仮止め部を形成でき、非常に作業性に優れたものである。またこの場合、自動展張機を用い、防水シートをロールに巻回し、この巻回された防水シートをトンネル下部より少しずつ繰り出して張設していく場合における仮止め部の仮止め作業が、上記のように仮止め部が広く、仮止め位置を自由に選定でき、また必要によっては未固着部を切断して仮止め部を形成しながら作業を進めていくことができるので、作業性がよいものである。
【0008】
また、本発明の防水シートは、止水シート上に2枚の緩衝シートが積層されているので、施工壁にかなりの凹凸があるような場合でも2枚の緩衝シートで止水シートを保護し、従来の緩衝シートを1枚積層したものに比べ、止水シートを保護する機能に優れ、止水シートが破損して漏水する事故をより有効に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明の一実施例につき図1〜3を参照して説明する。
【0010】
図中1は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなる不透水性止水シート、2はこの止水シート1の地盤側表面に点接着等の部分接着又は全面接着された不織布等からなる第1透水性緩衝シート、3はこの第1緩衝シート2上に積層された不織布等からなる第2透水性緩衝シートである。この場合、上記両第1及び第2緩衝シート2,3は、長さ方向(トンネルへの防水シート施工においてトンネルの周方向)に沿って所定間隔(図面では等間隔)ずつ離間する複数箇所において幅方向(トンネルへの防水シート施工において、トンネルの長さ方向)一端部から他端部にかけて連続した直線状に固着4されており、この直線状固着部4間は未固着部5とされ、第2緩衝シート3の未固着部5が切断可能になっている。
【0011】
ここで、上記第1緩衝シート2は、100〜350g/m2の不織布、第2緩衝シート3は50〜200g/m2の不織布であることが好適である。また、上記固着部4の幅W1は1〜50mm、未固着部5の幅W2は150〜1000mmであることが好ましい。
【0012】
なお、止水シートの厚さは0.8〜3.0mm、第1緩衝シートの厚さは100〜350mm、第2緩衝シートの厚さは50〜200mmとすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0013】
また、第1及び第2緩衝シート相互を固着する方法に制限はなく、例えば接着剤を用いる方法、熱接着による方法、ニードルパンチによる方法、タッカー(ホッチキス)を用いる方法、縫製による方法などが挙げられる。更に、上記実施例では固着部4は連続した直線状であるが、間欠的に直線状に固着してもよい。
【0014】
上記第2緩衝シート3の第1緩衝シート2との未固着部5を切断して仮止め部6を形成する場合、その切断位置は、固着部4,4間のほぼ中央部とすることができるが、一方の固着部4近傍とすることもでき、その切断位置は限定されない。
【0015】
上記防水シートを張設する方法としては、上記第2緩衝シート3の未固着部5を切断して仮止め部6を形成し、この仮止め部6を施工壁に釘、ボルト等で固定し、次いで第1緩衝シート2及び止水シート1を釘、ボルト等で固定するもので、仮止め部を用いた従来の防水シートと同様にして張設、施工することができる。この場合、自動展張機を用いることもできる。
【0016】
また、上記仮止め部6の形成は、予め防水シートを製造した時に行ってもよいが、現場で第2緩衝シートの未固着部の切断を行って仮止め部を形成してもよく、また防水シートを施工しながら当該切断を行って仮止め部を形成してもよい。
【0017】
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して差支えない。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単に仮止め部が形成される防水シートを得ることができ、また、仮止め位置が自由に選択し得るので施工の自由度が高く、自動展張機を用いた防水シートの張設に好適であり、しかも張設された防水シートは止水シートが2枚の緩衝シートにより保護されているので、止水シートの保護性がすぐれたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す平面図である。
【図2】同例の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】従来の防水シートを示す断面図である。
【図5】同例の張設方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 不透水性止水シート
2 第1透水性緩衝シート
3 第2透水性緩衝シート
4 固着部
5 未固着部
6 仮止め部

Claims (5)

  1. 地盤又は地盤上に打設された覆工コンクリート層上に張設され、地盤側からの湧水を止水する防水シートにおいて、不透水性止水シートと、その地盤側の表面に部分的又は全面的に接着された第1透水性緩衝シートと、その上に積層された第2透水性緩衝シートとを具備し、上記両緩衝シート相互を長さ方向に沿って所定間隔離間する複数箇所において幅方向一端部から他端部にかけて直線状に固着し、上記第2透水性緩衝シートの第1透水性緩衝シートとの未固着部を幅方向一端部から他端部にかけて切断して仮止め部を形成したことを特徴とする防水シート。
  2. 上記両緩衝シートの固着部の幅が1〜50mmであり、未固着部の幅が150〜1000mmである請求項1記載の防水シート。
  3. 第1透水性緩衝シートが100〜350g/m2の不織布であり、第2透水性緩衝シートが50〜200g/m2の不織布である請求項1又は2記載の防水シート。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の防水シートの製造方法であって、不透水性止水シートの表面に部分的又は全面的に第1透水性緩衝シートを接着し、次いでその上に第2透水性緩衝シートを積層し、上記両緩衝シート相互を長さ方向に沿って所定間隔離間する複数箇所において幅方向一端部から他端部にかけて直線状に固着した後、上記第2透水性緩衝シートの第1透水性緩衝シートとの未固着部を幅方向一端部から他端部にかけて切断して仮止め部を形成することを特徴とする防水シートの製造方法
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の防水シートを用いる防水シートの施工方法であって、上記第2透水性緩衝シートの上記第1透水性緩衝シートとの未固着部を幅方向一端部から他端部にかけて切断して形成された仮止め部を施工壁に固定し、次いで上記第1透水性緩衝シート及び上記不透水性止水シートを施工壁に固定することを特徴とする防水シートの施工方法
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