JP6905698B2 - トンネルの防水断熱用複合シート及び防水シート、並びに複合シートの設置方法 - Google Patents
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Description
トンネルの施工時においては、前記少なくとも2層の積層シートは、例えばロール状に巻かれた状態で、トンネル内に搬入される。そして、トンネル壁に沿って展開されて設置される。
本発明は、かかる事情に鑑み、トンネル施工現場への搬入、設置作業等を容易化できる防水及び断熱シートを提供することを目的とする。
地山内壁に沿う防水シートと、前記防水シートのトンネル内側に重ねられる断熱シートを備え、前記防水シートが、
防水層と、
前記防水層の地山側を向く面に設けられた不織布からなる排水層と、
前記防水層のトンネル内側を向く面に設けられた不織布からなる被着層と、を含み、
前記断熱シートが、
発泡樹脂からなる板状の断熱層と、
前記断熱層の前記防水シートを向く面に設けられ、前記被着層に係止される係止突起を有する面状ファスナーと、を含み、
前記被着層の厚みが、前記係止突起の突出高さ以上であることを特徴とする。
断熱材として現場吹付ではなく工場で作製可能な板状の断熱層を用いることによって、覆工コンクリートとの接合面を平坦化できる。
防水層と、
前記防水層の地山側を向く面に設けられた不織布からなる排水層と、
前記防水層のトンネル内側を向く面に設けられた不織布からなる被着層と、
を備え、前記被着層の厚みが、前記面状ファスナーの係止突起の突出高さ以上であることを特徴とする。
これによって、断熱シートを防水シートに確実に接合させることができる。
これによって、被着層の厚みを確実に係止突起の突出高さ以上にでき、断熱シートを防水シートに確実に接合させることができる。被着層の厚みが、2mmより小さいと面状ファスナーの係止突起の食い込みが弱くなる。被着層の厚みが、5mmより大きいと材料コストが高くなる。
前記防水シートを前記トンネル壁に沿って設置し、
その後、前記面状ファスナーを前記被着層と対面させて、前記断熱シートを前記防水シートに押し当てることを特徴とする
これによって、面状ファスナーの係止突起が被着層に食い込んで係止されることで、断熱シートを防水シートに簡単に接合できる。
図1は、NATM工法にて施工されたトンネル1の出入り口近くの部分を示す。トンネル1の壁1aは、吹付コンクリート4と、覆工コンクリート5を含む。吹付コンクリート4が地山内壁2aに面し、覆工コンクリート5がトンネル内部1eに面している。吹付コンクリート4と覆工コンクリート5との間に複合シート3が介在されている。
詳細な図示は省略するが、複数の防水シート10が、トンネル1の軸長方向(図1の紙面直交方向)に継ぎ足されている。好ましくは、トンネル1の全長にわたって防水シート10が設けられている。
地山2からの湧水は、排水層12を伝って排水される。
排水層12は、地山2と覆工コンクリート5を縁切りする緩衝層としても機能する。
排水層12と被着層13の材質、厚み、目付、密度、更には製造方法等を互いに同じにすることによって、防水シート10を裏返しても使えるようにしてもよい。
なお、図1等においては、止着部材7の図示は省略する。
したがって、被着層13の厚みt13は、係止突起24の突出高さH24以上である(t13≧H24)。
防水シート10と断熱シート20は、それぞれ工場にて作製される。トンネル1への設置前の防水シート10及び断熱シート20は、互いに分離されている。
トンネル施工現場において、防水シート10と断熱シート20の設置作業を別々に、順次行う。
詳しくは、先ず、防水シート10をトンネル1内に搬入する。搬入時の防水シート10は、好ましくはロール状に丸めた状態にしておく。言い換えると、防水シート10は、それ単独であれば十分にロール状に巻回でき、コンパクトにできる。
より好ましくは、図4に示すように、防水シート10を長手方向の両端から巻いて、メガネ巻きにしておく。これによって、一対の巻き部10aが形成される。防水シート10の中央部10cにおいて、これら巻き部10aが連なる。メガネ巻きにすることで、防水シート10全体をひと巻きにするよりも、1つの巻き部10aの太さを小さくできる。
そして、防水シート10の中央部10cをトンネル1の頂部に合わせ、各巻き部10aを吹付コンクリート4に沿って展開する。好ましくは、先ず片側の巻き部10aを展開し、続いて反対側の巻き部10aを展開する。一対の巻き部10aを同時併行して展開してもよい。展開しながら、止着部材7を打ち付ける。これによって、防水シート10を吹付コンクリート4ひいては地山内壁2aに沿って張設する。
被着層13の厚みt13をt13=2mm〜5mmとすることによって確実に係止突起24の突出高さH24以上(t13≧H24)にできる。ひいては、断熱シート20と防水シート10とを確実に接合させることができる。
被着層13の毛羽立ちが高い側の面が面状ファスナー23を向くようにすることによって、被着層13と面状ファスナー23との接合性を高めることができ、ひいては、断熱シート20と防水シート10の接合性を一層高めることができる。
このようにして、トンネル1の施工現場への複合シート3の搬入、設置等の施工作業を容易化することができる。
例えば、本発明は、NATM工法に限られず、背面平滑型トンネルライニング工法(特許第4108460号公報等参照)等、他のトンネル工法に適用してもよい。背面平滑型トンネルライニング工法による場合、吹付コンクリート4の施工後、トンネル1内にアーチ形の型枠を設置して、型枠の外面に沿って防水シート10を張設し、防水シート10と吹付コンクリート4との間に裏込めモルタルを充填する。裏込めモルタルを介して、防水シート10が吹付コンクリート4と接合される。この場合、一度に張設する防水シート10の幅を前記実施形態よりも大きくし、例えば幅3200mm〜11000mm程度にしてもよい。例えば、予め、幅2m程度の防水シート10を3つ(複数)連接することで、幅6m程度の防水シートを作製し、これを前記型枠に張設してもよい。
1a トンネル壁
1e トンネル内部
2 地山
2a 地山内壁
3 複合シート
4 吹付コンクリート
5 覆工コンクリート
7 止着部材
10 防水シート
11 防水層
12 排水層 透水性緩衝層
13 被着層
20 断熱シート
21 板状断熱層
23 面状ファスナー
23a シート部
24 係止突起
t13 被着層の厚み
H24 係止突起の高さ
Claims (4)
- トンネル壁の防水及び断熱のための複合シートであって、
地山内壁に沿う防水シートと、前記防水シートのトンネル内側に重ねられる断熱シートを備え、前記防水シートが、
防水層と、
前記防水層の地山側を向く面に設けられた不織布からなる排水層と、
前記防水層のトンネル内側を向く面に設けられた不織布からなり、かつ毛羽立ちが低い面と毛羽立ちが高い面を有する被着層と、を含み、
前記断熱シートが、
発泡樹脂からなる板状の断熱層と、
前記断熱層の前記防水シートを向く面に設けられ、前記被着層に係止される係止突起を有する面状ファスナーと、を含み、
前記被着層の厚みが、前記係止突起の突出高さ以上であり、前記被着層の前記毛羽立ちが低い面が前記防水層と融着又は接着で接合されており、前記被着層の毛羽立ちが高い面が前記面状ファスナーと面しており、
前記被着層における前記毛羽立ちが高い面を構成する各繊維の、前記被着層の厚み方向に沿う高さが、前記毛羽立ちが低い面を構成する各繊維の同方向に沿う高さより高いことを特徴とする防水断熱用複合シート。 - 前記被着層の厚みが2mm〜5mmであり、前記係止突起の突出高さが0.5mm〜2mmであることを特徴とする請求項1に記載の防水断熱用複合シート。
- トンネルの地山内壁に沿って設けられ、かつ板状断熱層が面状ファスナーを介してトンネル内側から接合される防水シートであって、
防水層と、
前記防水層の地山側を向く面に設けられた不織布からなる排水層と、
前記防水層のトンネル内側を向く面に設けられた不織布からなり、かつ毛羽立ちが低い面と毛羽立ちが高い面を有する被着層と、
を備え、前記被着層の厚みが、前記面状ファスナーの係止突起の突出高さ以上であり、前記被着層の前記毛羽立ちが低い面が前記防水層と融着又は接着で接合されており、
前記被着層における前記毛羽立ちが高い面を構成する各繊維の、前記被着層の厚み方向に沿う高さが、前記毛羽立ちが低い面を構成する各繊維の同方向に沿う高さより高いことを特徴とする防水シート。 - 請求項1に記載の防水断熱用複合シートをトンネル壁に設置する方法であって、 前記防水シートと前記断熱シートを分離させておき、前記防水層の前記毛羽立ちが高い面をトンネル内側へ向けて、前記防水シート及び前記断熱シートのうち前記防水シートだけを前記トンネル壁に沿って設置し、
その後、前記面状ファスナーを前記被着層の前記毛羽立ちが高い面と対面させて、前記断熱シートを前記防水シートに押し当てることを特徴とする防水断熱用複合シートの設置方法。
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