JP2006063715A - 屋上断熱防水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冬季および夏季に外気側と室内側で著しく大きな温度差が生じた場合においても、断熱層への雨水の蓄積を効果的に防止して、長期間に亘って初期の断熱性能を保持し得る屋上断熱防水構造を提供する。
【解決手段】 屋根コンクリートスラブ1上に敷設した防水層2と、防水層上に形成した断熱材層3Aと、断熱材層上に形成した絶縁層5と、絶縁層上に形成した押えコンクリート層6とからなる屋上断熱防水構造において、絶縁層5は透湿性を有し、断熱材層3Aと絶縁層5の間に、高さ5mm以上の網目状部材(金網若しくは有結節の樹脂網)からなる排湿層4を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、屋根コンクリートスラブの断熱防水構造に関する。
従来、鉄筋コンクリート造建物の屋上の断熱防水は、屋根コンクリートスラブ上に防水層を敷設し、その上に板状断熱材を接着剤で固定しながら施工し、更にその上に絶縁シートを介して押さえコンクリートを打設することで、歩行可能で且つ屋上スラブを雨水や日射熱から保護する構造としていた。
通常、屋上は夏季に50℃以上の高温に達する。また、押さえコンクリートは膨潤な状態になっていることが多く、温度変化と湿潤・乾燥の繰り返しでコンクリートが伸び縮みするため、この伸縮を緩衝させるために一定の間隔で伸縮目地が設けられている。
しかしながら、上記の様な屋上断熱防水構造では、特に下地コンクリート(屋根コンクリートスラブ)の水勾配が適切に取られていない場合、押えコンクリート層や伸縮目地から侵入した雨水により断熱材が水没したり、室内側が高温になった際、防水層上に溜まった雨水は水蒸気となり外部に向かい露点温度より低い部分に達すると結露が発生してしまい、長い年月の間には断熱材の吸水若しくは水分蓄積による断熱性能の低下が予想以上に大きいことが明らかとなった。
上記の問題を解決すべく、特許文献1には、屋根コンクリートスラブ上に敷設した防水層と、該防水層上に形成した断熱層と、該断熱層上に敷設した押さえコンクリート層とからなる積層体構造にて形成される屋上断熱防水構造において、断熱層と押さえコンクリート層との間に透水性材料層を形成した屋上断熱防水構造が記載されている。
また、特許文献2には、下面に水蒸気透過率の低いフィルムを配し上面に水を通さないが水蒸気を通しやすいフィルムを配して断熱材を包んでなる屋上外断熱防水用断熱材を用いた屋上断熱防水構造が開示されている。かかる屋上断熱防水構造は、屋根コンクリートスラブ上に設けた防水層上に、前記屋上外断熱防水用断熱材を敷設し、この上に押えコンクリート層を施工するものである。
特開2001−49805号公報 特公昭62−27668号公報
特許文献1に記載の屋上断熱防水構造では、前記透水性材料層として、発泡樹脂粒子同士の表面を接着剤により結合させた微細な細孔を有する粒子結合体、或いは、織布又は不織布を用いているため、かかる透水性材料層の通気性はさほど大きなものではなく、押えコンクリート層や伸縮目地から浸透した雨水によって断熱材の周囲が長期間に亘って湿潤状態になり易い。このため、特に冬季において高温の室内側と低温の室外側で著しく大きな温度差が発生すると、防水層上の水が蒸発して水蒸気となって断熱材中を透過し、断熱材中の上層部分で結露が生じ、断熱材中への水分蓄積を招く恐れがある。
一方、特許文献2に記載の屋上断熱防水構造によれば、防水層に面した断熱材表面には水蒸気透過率の低い下面フィルムを配しているため、室内側と外気側で大きな温度差が発生しても防水層上の水が原因して断熱材中に内部結露を発生させることがない。また、押えコンクリート層に面した断熱材表面には水を通さないが水蒸気を通しやすい上面フィルムを配しているため、押えコンクリート層から浸透した雨水が直接に断熱材へ含浸して水分蓄積の原因となるのを防止することができる。
しかしながら、特許文献2に記載の屋上断熱防水構造では、押えコンクリート層と断熱材との間に浸透水が長期間滞留することが避けられず、この水分は夏季に高温の外気側と低温の室内側で著しく大きな温度差が発生した場合、水蒸気を通しやすい上面フィルムから断熱材に水蒸気として透過し、断熱材中の下層部分で内部結露を発生し、断熱材中への水分蓄積を招く恐れがある。また、断熱材の上に直接押えコンクリート層を施工しているため、施工中、若しくは、温度変化と湿潤乾燥の繰り返しで押えコンクリート層が伸縮した際に掛かる負荷によって断熱材を包んでいるフィルムが破損する危険性がある。
本発明は、上記のような事情に鑑み、冬季および夏季に外気側と室内側で著しく大きな温度差が生じた場合においても、断熱層への雨水の蓄積を効果的に防止して、長期間に亘って初期の断熱性能を保持し得る屋上断熱防水構造を提供することを目的とする。
本発明者は、断熱材層への雨水の蓄積防止について鋭意検討した結果、その解決手段として以下の2つ手段が最適であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
[第1の手段]
第1の手段として、断熱材層上および防水層上への浸透水の滞留を最小限に抑え、浸透水が蒸発して断熱材層に浸透するのを防止する。このために、本発明の第1の屋上断熱防水構造では、断熱材層と絶縁層の間に、前記特許文献1のような透水性材料層ではなく、十分な通気性を有する排湿層を設ける。
即ち、本発明の第1の屋上断熱防水構造は、少なくとも、屋根コンクリートスラブ上に敷設した防水層と、該防水層上に形成した断熱材層と、該断熱材層上に形成した絶縁層と、該絶縁層上に形成した押えコンクリート層とからなる屋上断熱防水構造において、
前記絶縁層は透湿性を有し、
前記断熱材層と前記絶縁層の間に、高さ5mm以上の網目状部材からなる排湿層を設けたことを特徴とする。
また、前記網目状部材は、金網若しくは有結節の樹脂網であることを特徴とする。
[第2の手段]
第2の手段として、水が防水層上もしくは断熱材層上にある程度滞留することを許容しつつ、かかる滞留水が断熱材層に浸透しないようにする。このために、本発明の第2の屋上断熱防水構造では、断熱材の全面を透湿抵抗の高い材料でラッピングした真空断熱材を用いて断熱材層を施工する。この場合、押さえコンクリート層を打設する際などに、ラッピング材(透湿抵抗の高い材料)が破損するのを確実に防止すべく、断熱材層と絶縁層の間に保護層を形成する。
即ち、本発明の第2の屋上断熱防水構造は、少なくとも、屋根コンクリートスラブ上に敷設した防水層と、該防水層上に形成した断熱材層と、該断熱材層上に形成した絶縁層と、該絶縁層上に形成した押えコンクリート層とからなる屋上断熱防水構造において、
前記絶縁層は透湿性を有し、
前記断熱材層は、断熱材の全面を透湿抵抗の高い材料でラッピングした真空断熱材からなり、
前記断熱材層と前記絶縁層の間に、該断熱材層を保護する保護層を形成したことを特徴とする。
また、前記透湿抵抗の高い材料が、アルミ箔積層フィルム又はアルミ蒸着フィルムからなることを特徴とする。
さらに、前記保護層は、排湿空間若しくは排水空間を有することを特徴とする。
本発明の第1の屋上断熱防水構造によれば、押えコンクリート層や伸縮目地から浸透した雨水は、十分な通気性・通水性を有する排湿層、透湿性を有する絶縁層及び目地を介して外部に効率良く排湿されるため、水が断熱材層上および防水層上に滞留するのを効果的に防止することができる。このため、断熱材層に雨水が蓄積されるのを効果的に防止することができ、長期間に亘って高い断熱性能を保持することができる。
本発明の第2の屋上断熱防水構造によれば、水が防水層上もしくは断熱材層上に滞留しても、この滞留水が直接に断熱材へ含浸するのを防止することができると共に、室内側と外気側で著しく大きな温度差が発生し水蒸気が発生しても断熱材中に浸透するのを防止することができ、断熱材層に雨水が蓄積されることが無く、長期間に亘って高い断熱性能を保持することができる。
以下、本発明の実施形態例を説明するが、本発明はかかる形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜の変更を加えることができる。
[本発明の第1の屋上断熱防水構造]
図1は、本発明の第1の屋上断熱防水構造の一実施形態を示す断面図である。図1に示すように、本発明の第1の屋上断熱防水構造は、屋根コンクリートスラブ1上に敷設した防水層2と、該防水層2上に形成した断熱材層3Aと、該断熱材層3A上に形成した排湿層4と、排湿層4上に形成した絶縁層5と、該絶縁層5上に形成した押えコンクリート層6からなる。尚、押えコンクリート層6には一定の間隔で伸縮目地7が設けられている。
(屋根コンクリートスラブ)
屋根コンクリートスラブ1は、一般にコンクリート建物に使用されている屋根コンクリートスラブからなる。通常、工事現場で型枠を組んだ後、配筋しコンクリートを打設する。また、デッキプレートを型枠としてコンクリートを打設する場合もある。
(防水層)
屋根コンクリートスラブ1上に敷設される防水層2は、一般に建築物の屋根で雨水の浸透を防止する、アスファルト防水、シート防水、改質アスファルト防水、塗膜防水、モルタル防水などが挙げられる。
防水層2の一般的な施工例としては、先ず、アスファルトプライマーを0.3リットル/m2の塗布量で塗布した後、その上からアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布し、更にその上にアスファルトルーフィングを敷設する。更にその上から再びアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布し、その上にストレッチルーフィングを敷設する。そして、その上から再びアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布した後、その上から再びストレッチルーフィングを敷設する。更にその上から再びアスファルトを2.0kg/m2の塗布量で塗布することにより8層構造からなる防水層を形成することができる。
(断熱材層)
本発明の第1の屋上断熱防水構造を構成する断熱材層3Aとしては、独立気泡率の高い合成樹脂発泡体が好ましい。具体的にはスチレン系樹脂発泡体、エチレン系樹脂発泡体並びにプロピレン系樹脂発泡体等のオレフィン系樹脂発泡体及び、ウレタン系樹脂発泡体、フェノール系樹脂発泡体等が挙げられる。これらの中でも押出ポリスチレン発泡体は、高い断熱性能に加え、吸水率が小さく、耐水性に優れる点で特に好ましい。かかる合成樹脂発泡体は一般に厚さ25〜50mmのものが使用される。
(排湿層)
本発明の第1の屋上断熱防水構造を構成する排湿層4は、網目状部材を用いて形成される。この網目状部材としては、耐久性、耐湿性等に優れるものが好ましく、金網若しくは樹脂網が好適に用いられる。
金網の具体例としては、例えばステンレス鋼線,硬鋼線,亜鉛めっき鉄線等からなる縦線と横線を、平織,綾織,平畳織,綾畳織,クリンプ織,滑面織,菱形織,丸型織等したものが挙げられる。樹脂網の具体例としては、例えばポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ビニロン等の繊維素材を用いた有結節のものが挙げられる。なお、有結節網とは、原料となる原糸を予めロープにして、このロープで結節を作りながら編み合わせて網目を構成したものであり、網目の交差部分に結び目があるものを言う。
図2aは、金網を用いて排湿層4を形成した例を示す拡大断面図である。図示のように、金網8は縦線8aと横線8bを順次密着して織りあげたものであって、排湿層4には縦線8aと横線8bの交差部近傍に隙間10Aが形成される。この隙間10Aは排湿層4の全面に亘って連通しており、排湿層4は通気性・通水性を有する。
図2bは、有結節の樹脂網を用いて排湿層4を形成した例を示す拡大断面図である。図示のように、樹脂網9は網目の交差部に団子状の結び目9aを有するものであって、排湿層4には網目の交差部近傍に隙間10Bが形成される。この隙間10Bは排湿層4の全面に亘って連通しており、排湿層4は通気性・通水性を有する。
本発明においては、金網8及び樹脂網9として5mm以上の高さを有するものを用いる。これにより、前記隙間10A,10Bに断熱材層3A上への水の滞留を最小限に抑えるに十分な通気性を持たせることできる。ここで、金網8の高さとは、縦線8aもしくは横線8bの最上部と最下部の高さであり、樹脂網9の高さとは、結び目9aの高さである。なお、金網8及び樹脂網9の高さは必要以上に高くする必要はなく、最大でも10mm程度とするのが良い。
また、金網8及び樹脂網9の目開き(2つの近接する縦線又は横線の内径)は、1cm以上5cm以下が好ましい。この目開きが狭すぎると通気性が損なわれる場合があり、広すぎると例えば絶縁層5としてフィルム(シート)状のものを用いた際に、絶縁層5及び押えコンクリート層6が網目内に入り込み、絶縁層5による絶縁効果を損なう場合がある。
(絶縁層)
絶縁層5は、排湿層4と押えコンクリート層6の間に設置して、これらが密着するのを防止する機能を有するものである。絶縁層5としては、水は通さないが水蒸気は通しやすい性質を持つ透湿性フィルム(シート)を用いることが好ましく、具体的にはポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム、ウレタンフィルム等が好適である。また、ポリプロピレン、ポリエチレン等を平織りしたフラットヤーンクロスや不織布等を用いることもできる。また、排湿層4として比較的目開きの広い網目状部材を用いた場合には、フィルム(シート)状のものを用いると前述のように絶縁効果を損なう場合があるため、例えば樹脂発泡体等からなる板状のものを用いるのが好ましい。
以上のような絶縁層5を設けることにより、温度変化と湿潤乾燥の繰り返しで押えコンクリート層6が伸び縮みしても、断熱材層3A及び防水層2に大きな負荷が掛かることが無い。また、絶縁層5が透湿性を有することにより、下部構成層上の滞留水が水蒸気として透過して、透湿性を有する伸縮目地7から外部への排湿を助長することができる。
(押さえコンクリート層)
押さえコンクリート層6は、工事現場でコンクリートを打設し形成することが好ましいが、プレキャストコンクリートであっても良い。押さえコンクリート層6の一般的な厚みは20〜100mm程度である。
(伸縮目地)
伸縮目地7は、押さえコンクリート層6の膨張に合わせて変形して圧縮され、押さえコンクリート層6の収縮の際にはコンクリートと目地材が遊離することがないように伸張して、下部の構成層への様々な障害を防ぐ機能を有する。この伸縮目地7には一般に樹脂発泡体、ゴム発泡体等が用いられる。これらの中でも、透湿性を有する樹脂発泡体を用いることにより、下部構成層上の滞留水が水蒸気として外部に透過して排湿を助長することができる。
以上のような構造を有する本発明の第1の屋上断熱防水構造によれば、押えコンクリート層や伸縮目地から浸透した雨水は、十分な通気性・通水性を有する排湿層、透湿性を有する絶縁層及び目地を介して外部に効率良く排湿されるため、水分が断熱材層上および防水層上に滞留するのを効果的に防止することができる。このため、断熱材層に雨水が蓄積されるのを効果的に防止することができ、長期間に亘って断熱性能をはじめとした性能劣化を防止でき、改修することなく長期間使用可能となる。特に高層建物(例えば20階以上)においては、風圧等の影響によって改修が困難であることから、長期使用可能な本発明の第1の屋上断熱防水構造は最適であると言える。
[本発明の第2の屋上断熱防水構造]
図3は、本発明の第2の屋上断熱防水構造の一実施形態を示す断面図である。図3に示すように、本発明の第2の屋上断熱防水構造は、屋根コンクリートスラブ1上に敷設した防水層2と、該防水層2上に形成した断熱材層3Bと、該断熱材層3B上に形成した保護層11と、該保護層11上に形成した絶縁層5と、該絶縁層5上に形成した押えコンクリート層6からなる。尚、押えコンクリート層6には一定の間隔で伸縮目地7が設けられている。
屋根コンクリートスラブ1、防水層2、絶縁層5、押えコンクリート層6および伸縮目地7は、本発明の第1の屋上断熱防水構造と同様に施工できる。
(断熱材層)
本発明の第2の屋上断熱防水構造を構成する断熱材層3Bは、断熱材の全面を透湿抵抗の高い材料でラッピングした真空断熱材からなる。
上記断熱材としては、連続気泡率95%以上の合成樹脂発泡体が好ましく、具体的にはポリスチレン樹脂発泡体や、ウレタン樹脂発泡体が挙げられる。これら以外にも、硬質ウレタンフォームの粉末やシリカ等の粉末系の材料、更にグラスウール等の繊維系の材料等も挙げられる。
上記ラッピング材(透湿抵抗の高い材料)としては、具体的にはアルミ箔積層フィルム、アルミ蒸着フィルム等が挙げられる。これらの材料は、水蒸気遮断効果に優れるだけではなく、熱の輻射効果によって断熱性能を向上させる効果もある。
本発明の第2で用いる真空断熱材は、例えば真空度1〜200Paを確保することで、気体熱伝導率を非常に小さくすることができ、厚さ10〜20mm程度のもので十分な熱抵抗が得られる。このように所定の断熱性能にて断熱材厚みを薄くすることにより、浮力を低減でき、通常20〜100mm程度の厚みで施工される押さえコンクリート6を薄くすることができる。
なお、本発明の第2の屋上断熱防水構造において、前記真空断熱材は屋根コンクリートスラブ全面に敷設されるものではなく、例えばコーナー部やドレイン廻りでは合成樹脂発泡体等からなる通常の断熱材を所定形状に加工したものが用いられる。
(保護層)
上記断熱材層3Bを構成する真空断熱材は、例えば押さえコンクリート層6を打設する際などにラッピング材が破損して真空が破られると断熱性能が大幅に低下してしまう。本発明の第2の屋上断熱防水構造では、これを防止するために断熱材層3B上に保護層11を形成する。
この保護層11としてはクッション性のあるシート状部材若しくは板状部材が好ましく、具体的には合成樹脂発泡体等からなるものが挙げられる。
また、保護層11として、前述したような金網若しくは樹脂網等の網目状部材を併用し、保護層11に排湿空間を形成することが好ましい。また、保護層11に上記排湿空間よりも大きな排水空間を設けることも好ましい。但し、排水空間を設ける場合には、真空断熱材のラッピング材の破損防止の為、真空断熱材に局所的に大きな負荷が掛からないように注意する必要がある。
保護層11に排水空間を設ける場合の好適な例を図4に示す。図4において、12aと12bは支持材、13は排水空間である。支持材12aは、接着剤等によって防水層2上に固定され、断熱材層3Bに負荷が掛からないように保護層11を支持すると共に、断熱材層3Bの仮止めとしても機能する。支持材12bは、真空断熱材のサイズが大きく支持材12aのピッチが大きくなる場合に、補助的に設けられる。これら支持材12a、12bの材料としては、断熱性能に優れる合成樹脂発泡体等が好適である。
図4の例では、支持材12aとしてT字状断面のものを用いているが、断熱材層3Bに負荷が掛からないように保護層11を支持でき、所定の排水空間を形成できる形態であれば特に限定されるものではなく、矩形状断面、逆台形状断面等であっても良い。
排水空間13は、押えコンクリート層6や伸縮目地7から侵入する雨水を、下地コンクリート(屋根コンクリートスラブ)の水勾配を利用して排水口(不図示)に導くための排水路として機能する。この排水空間13の高さは、雨水を速やかに排水するために5mm以上確保することが好ましい。
上記のような排湿空間もしくは排水空間を有する保護層を形成することにより、水が断熱材層上に長期間滞留するのを防ぐと共に、防水層上にまで侵入する水を低減することができ、特に図4に示したような排水空間を設けることにより、防水層上にまで侵入する水を最小限に抑えることができるため、断熱防水構造の信頼性をより一層高めることができる。
以上のような構造を有する本発明の第2の屋上断熱防水構造によれば、水が防水層上もしくは断熱材層上に滞留しても、基本的に断熱材層を構成する真空断熱材には雨水が蓄積されることが無い。また、断熱材層は保護層によって保護されているため、真空断熱材のラッピング材の破損を効果的に防止して、長期間に亘って断熱性能をはじめとした性能劣化を防止でき、改修することなく長期間使用可能となる。特に高層建物においては、風圧等の影響によって改修が困難であることから、長期使用可能な本発明の第2の屋上断熱防水構造は最適であると言える。
本発明の第1の屋上断熱防水構造の一実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の屋上断熱防水構造における網目状部材からなる排湿層を説明するための断面図である。 本発明の第2の屋上断熱防水構造の一実施形態を示す断面図である。 本発明の第2の屋上断熱防水構造の別の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 屋根コンクリートスラブ
2 防水層
3A、3B 断熱材層
4 排湿層
5 絶縁層
6 押えコンクリート層
7 伸縮目地
8 金網
8a 縦線
8b 横線
9 樹脂網
9a 結び目
10A、10B 隙間
11 保護層
12a、12b 支持材
13 排水空間

Claims (5)

  1. 少なくとも、屋根コンクリートスラブ上に敷設した防水層と、該防水層上に形成した断熱材層と、該断熱材層上に形成した絶縁層と、該絶縁層上に形成した押えコンクリート層とからなる屋上断熱防水構造において、
    前記絶縁層は透湿性を有し、
    前記断熱材層と前記絶縁層の間に、高さ5mm以上の網目状部材からなる排湿層を設けたことを特徴とする屋上断熱防水構造。
  2. 前記網目状部材は、金網若しくは有結節の樹脂網であることを特徴とする請求項1に記載の屋上断熱防水構造。
  3. 少なくとも、屋根コンクリートスラブ上に敷設した防水層と、該防水層上に形成した断熱材層と、該断熱材層上に形成した絶縁層と、該絶縁層上に形成した押えコンクリート層とからなる屋上断熱防水構造において、
    前記絶縁層は透湿性を有し、
    前記断熱材層は、断熱材の全面を透湿抵抗の高い材料でラッピングした真空断熱材からなり、
    前記断熱材層と前記絶縁層の間に、該断熱材層を保護する保護層を形成したことを特徴とする屋上断熱防水構造。
  4. 前記透湿抵抗の高い材料が、アルミ箔積層フィルム又はアルミ蒸着フィルムからなることを特徴とする請求項3に記載の屋上断熱防水構造。
  5. 前記保護層は、排湿空間若しくは排水空間を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の屋上断熱防水構造。
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