JP5275604B2 - ポリイミド樹脂層の製造方法 - Google Patents
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Description
熱線膨張係数の測定は、セイコーインスツル(株)製熱機械分析装置TMA/SS6100を用いて、合成例から得られたポリイミドフィルムを室温から255℃まで20℃/分の速度で昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で室温まで冷却し、ポリイミドフィルムの寸法変化から100℃から240℃までの平均熱膨張係数(熱線膨張係数)を算出した。
引張り弾性率の測定は、東洋精機(株)製ストログラフR-1を用いて、幅12.4mm、長さ210mmのポリイミド樹脂を50kgの荷重を加えながら50mm/分で引張り試験を行った。
ポリイミド前駆体樹脂のイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光製FT/IR620)を用い、透過法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1000cm-1のベンゼン環炭素水素結合を基準とし、1720cm-1のイミド基由来の吸光度から算出した。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
PMDA: 無水ピロメリット酸
BPDA: 3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
m-TB: 2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル
DAPE: 4,4'−ジアミノジフェニルエーテル
TPE-R: 1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
300mlのセパラブルフラスコ中において、室温下で撹拌しながら6.2gのm-TB(29.3mmol)及び1.0gのTPE-R(3.3mmol)を85gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で5.7gのPMDA(26.1mmol)及び1.9gのBPDA(6.5mmol)を加え、3時間撹拌した。続いて5gのDMAcに溶解した2.7gのN−メチルイミダゾール(32.6mmol)の溶液を加えた。その後、30分間撹拌を続けて反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂溶液aを得た。このとき、式(1)中、Ar11mol中の2価の基(Y)は0.2モルである。
得られた樹脂溶液aを銅箔上に均一に塗布し、125℃で3分間乾燥を行い、溶媒を除去した後、130〜360℃の範囲で6分間熱処理を行い、約25μm厚のポリイミド層が銅箔上に形成された積層体1を得た。このとき、熱処理における280〜360℃の範囲での合計加熱時間は2分であった。得られた積層体1の銅箔層をエッチング処理により除去し、ポリイミドフィルムAを得た。得られたポリイミドフィルムAの熱膨張係数は12.8ppm/Kであった。
ジアミンとして4.0gのm-TB(19.0mmol)及び3.2gのDAPE(16.0mmol)を85gのDMAcに溶解させ、酸無水物として7.6gのPMDA(35.0mmol)及び2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行い、ポリイミド前駆体樹脂溶液bを得た。このとき、式(1)中、Ar11mol中の2価の基(Y)は0.46molである。
得られた樹脂溶液bを使用し、実施例1と同様の方法でポリイミドフィルムBを得た。得られたポリイミドフィルムBの熱膨張係数は16.0ppm/K、引張り弾性率は5.2GPaであった。
ジアミンとして5.1gのm-TB(24.0mmol)、0.4gのDAPE(2.2mmol)及び8.8gのTPE-R(8.8mmol)を85gのDMAcに溶解させ、酸無水物として7.6gのPMDA(35.0mmol)、及び2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行い、ポリイミド前駆体樹脂溶液cを得た。このとき、式(1)中、Ar11mol中の2価の基(Y)は0.57molである。
得られた樹脂溶液cを使用し、実施例1と同様の方法でポリイミドフィルムCを得た。得られたポリイミドフィルムCの熱膨張係数は17.0ppm/Kであった。
2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用する代わりに、2.4gのイミダゾール(35.0mmol)(pKaが7.0)を使用した以外は、実施例2と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を使用し、実施例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、16.3ppm/K、引張り弾性率は5.4GPaであった。
2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用する代わりに、3.3gの2-ピコリン(35.0mmol)(pKaが6.0)を使用した以外は、実施例2と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を使用し、実施例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、15.7ppm/K、引張り弾性率は6.0GPaであった。
2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用する代わりに、3.8gの2,6-ルチジン(35.0mmol)(pKaが6.7)を使用した以外は、実施例2と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を使用し、実施例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、16.3ppm/K、引張り弾性率は5.9GPaであった。
2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用する代わりに、2.9gの2−メチルイミダゾール(35.0mmol)(pKaが7.8)を使用した以外は、実施例2と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を使用し、実施例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、16.0ppm/K、引張り弾性率は5.2GPaであった。
2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用する代わりに、4.5gのキノリン(35.0mmol)を使用した以外は、実施例2と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を使用し、実施例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、16.3ppm/K、引張り弾性率は5.4GPaであった。
N−メチルイミダゾールを使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。調製した樹脂溶液を使用し、実施例1と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、28.8ppm/Kであった。
2.7gのN−メチルイミダゾール(32.6mmol)を使用する代わりに、2.6gのピリジン(32.6mmol)(pKaが5.2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を使用し、実施例1と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、27.0ppm/Kであった。
N−メチルイミダゾールを使用しなかった以外は、実施例2と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。調製した樹脂溶液を使用し、実施例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、20.9ppm/K、引張り弾性率は6.2GPaであった。
2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用する代わりに、2.8gのピリジン(35.0mmol)を使用した以外は、実施例2と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。調製した樹脂溶液を使用し、実施例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、21.5ppm/K、引張り弾性率は6.5GPaであった。
N−メチルイミダゾールを使用しなかった以外は、実施例3と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。調製した樹脂溶液を使用し、実施例3と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、23.4ppm/Kであった。
2.9gのN−メチルイミダゾール(35.0mmol)を使用する代わりに、2.8gのピリジン(35.0mmol)を使用した以外は、実施例3と同様の方法で行い、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を使用し、実施例3と同様の方法でポリイミドフィルムを得、熱膨張係数を測定したところ、22.0ppm/Kであった。
Claims (2)
- 下記式(1)で表される構造単位を80モル%以上含むポリイミド前駆体樹脂及びポリイミド前駆体樹脂の硬化促進剤を有機極性溶媒に溶解したポリイミド前駆体樹脂含有溶液を基材上に塗布し、続く熱処理で乾燥及びイミド化によるポリイミド樹脂層の形成を280〜380℃の範囲内で完結し、形成されたポリイミド樹脂層の熱線膨張係数を10〜20ppm/Kの範囲内に、引張り弾性率を3〜6GPaの範囲内に制御するポリイミド樹脂層の形成方法であって、前記硬化促進剤は、N-メチルイミダゾールであることを特徴とするポリイミド樹脂層の形成方法。
- 請求項1に記載のポリイミド樹脂層の形成方法で得られたポリイミド樹脂層を有する積層体を得て、これからポリイミド樹脂層を単離することを特徴とするポリイミド樹脂フィルムの製造方法。
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