JP6788976B2 - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
<ポリイミドフィルム>
まず、本発明方法で製造されるポリイミドフィルムは、ポリアミド酸を熱処理してイミド化を行い、単層又は複数層のポリイミド樹脂層からなるフィルムを形成してなるものである。なお、本発明でいうポリイミドとは、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の分子構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂をいい、その分子骨格中に感光性基、例えばエチレン性不飽和炭化水素基を含有するものも含まれる。
(1a)支持基材にポリアミド酸の溶液を塗布し、乾燥させる工程と、
(1b)支持基材上でポリアミド酸を熱処理してイミド化することによりポリイミド樹脂層を形成する工程と、
(1c)支持基材とポリイミド樹脂層とを分離することによりポリイミドフィルムを得る工程と、
を含むことができる。
(2a)支持基材にポリアミド酸の溶液を塗布し、乾燥させる工程と、
(2b)支持基材とポリアミド酸のゲルフィルムとを分離する工程と、
(2c)ポリアミド酸のゲルフィルムを熱処理してイミド化することによりポリイミドフィルムを得る工程と、
を含むことができる。
本発明で製造されるポリイミドフィルムが単層又は複数層のいずれの場合であっても、支持基材上でポリアミド酸のイミド化を完結させることが好ましい。ポリアミド酸の樹脂層が支持基材に固定された状態でイミド化されるので、イミド化過程におけるポリイミド樹脂層の伸縮変化を抑制して、寸法精度を維持することができる。
本発明で製造されるポリイミドフィルムを構成するポリイミドの前駆体としては、公知の酸無水物とジアミンから得られる公知のポリアミド酸が適用できる。ポリアミド酸は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンをほぼ等モルで有機溶剤中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることで得られる。反応にあたっては、得られるポリアミド酸が有機溶剤中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解することがよい。重合反応する際に用いる有機溶剤については、極性を有するものを使用することがよく、有機極性溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶剤を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の一部使用も可能である。
本発明において使用するイミド化触媒は、ピリジン骨格、キノリン骨格、イソキノリン骨格、アクリジン骨格及びベンゾキノリン骨格よりなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格に直接結合した2級又は3級のアミノ基を有する含窒素複素環化合物である。この含窒素複素環化合物において、2級又は3級のアミノ基は、アルキル基で置換されていることが好ましい。ここで、2級又は3級のアミノ基における置換基としてのアルキル基は、直鎖状、枝分かれ状、又は環状のアルキル基であってもよく、環状のアルキル基は、さらに直鎖状又は枝分かれ状のアルキル基で置換されていてもよい。このような含窒素複素環化合物は、ポリアミド酸の分子間に配位するので、分子配向度を高めることができると考えられる。また、アルキル基が置換したアミノ基は、ポリアミド酸のアミド基(−CONH−)のプロトンを引き抜き、求核性の増加した−CON―−部位がポリアミド酸のカルボキシル基(−COOH)のカルボニルを攻撃し、イミド化を促進させると考えられる。このプロトン引き抜きの強さを表す指標として、含窒素複素環化合物の水溶液中でのプロトン錯体の酸解離指数(pKa)を適用することができる。本発明で使用する含窒素複素環化合物の酸解離指数は、8.8〜11.2の範囲内のものが好ましく、更に好ましくは9.0〜11.0の範囲内がよい。酸解離指数が8.8以上のイミド化触媒を使用することで、塩基性の窒素によるアミド基のプロトンの引き抜きをより効果的に行うことができるため、イミド化が促進すると考えられる。一方、酸解離指数が11.2を超えると、その高い塩基性からイミド化が過剰に促進されるため、添加直後から粘度が上昇しハンドリング性が悪くなるため好ましくない。
ポリアミド酸の溶液は、支持基材上に塗布され、続く熱処理で乾燥及びイミド化(又は硬化)される。熱処理は、例えば60〜380℃の温度範囲内で行うことができる。この熱処理の一部である、溶媒を除去する乾燥工程は、例えば60〜200℃で30秒〜10分、好ましくは80〜180℃の温度範囲で1〜5分の時間をかけて行うことがよい。そして、ポリアミド酸のイミド化を完結させるためには、280〜380℃の温度範囲で熱処理を行うことが必要であり、好ましくは280〜360℃の温度範囲内で行うことがよい。熱処理の過程で、温度130〜280℃の間では、イミド化触媒がポリアミド酸のアミド基のプロトンを引き抜くことでよってイミド化が進行し、さらに、ポリアミド酸の分子間にイミド化触媒が配位するので、分子配向度を高めることができ、低熱膨張性のポリイミド樹脂層を得ることができると考えられる。さらにまた、熱処理時間の短縮化によるポリイミド樹脂層の生産性向上のため、乾燥とイミド化を含めた熱処理時間は、好ましくは10分以下、より好ましくは8分以下がよい。
低熱膨張性のポリイミド樹脂層を形成するポリイミドの具体例としては、下記式(3)で表される構造単位を有することが好ましい。
また、熱膨張係数30ppm/K以上の高熱膨張性のポリイミド樹脂層とするには、例えば、原料の酸無水物成分としてピロメリット酸二無水物、3,3',4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を、ジアミン成分としては、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンを用いることがよく、特に好ましくはピロメリット酸二無水物及び2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを原料各成分の主成分とするものがよい。
また、ポリイミド樹脂層を低熱膨張性のポリイミド樹脂層と高熱膨張性のポリイミド樹脂層との積層構造とした場合、好ましくは、低熱膨張性のポリイミド樹脂層と高熱膨張性のポリイミド樹脂層との厚み比(低熱膨張性のポリイミド樹脂層/高熱膨張性のポリイミド樹脂層)が2〜15の範囲内であるのがよい。この比の値が、2に満たないとポリイミド樹脂層全体に対する低熱膨張性のポリイミド樹脂層が薄くなるため、ポリイミド樹脂層の寸法特性の制御が困難となり、銅箔をエッチングして回路配線層を形成した際の寸法変化率が大きくなり、15を超えると高熱膨張性のポリイミド樹脂層が薄くなるため、ポリイミド樹脂層と回路配線層との接着信頼性が低下する。
樹脂の粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV−II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%〜90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー株式会社製、商品名;HLC−8220GPC)により測定した。標準物質としてポリスチレンを用い、展開溶媒にはN,N−ジメチルアセトアミドを用いた。
ポリイミドフィルムのイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR)を用い、一回反射ATR法にてポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1009cm−1のベンゼン環炭素水素結合を基準とし、1778cm−1のイミド基由来の吸光度から算出した。なお、触媒添加を行わずに作製したポリイミドフィルムのイミド化率を100%とした。
線熱膨張係数は、3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から250℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を求めた。
ガラス転移温度は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:ユー・ビー・エム社製、商品名;E4000F)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数11Hzで測定を行い、tanδが最大となる温度をガラス転移温度とした。
DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
m−TB:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
4,4’−DAPE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
300mlのセパラブルフラスコ中において、57gのDMAcに4.0gのm−TB(18.8mmol)及び0.9gの4,4’−DAPE(4.5mmol)を加え、室温下で撹拌しながら溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で4.8gのPMDA(22.1mmol)及び0.4gのBPDA(1.2mmol)を加え、3時間撹拌を続け、重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸の溶液Aを得た。得られたポリアミド酸溶液Aの粘度は24,000cP、重量平均分子量(Mw)は120,000であった。
300mlのセパラブルフラスコ中において、53gのDMAcに4.0gのBAPP(9.7mmol)を加え、室温下で撹拌しながら溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で2.1gのPMDA(9.7mmol)を加え、3時間撹拌を続け、重合反応を行い、高熱膨張性ポリイミド樹脂前駆体である粘稠なポリアミド酸溶液Bを得た。得られたポリアミド酸の溶液Bの粘度は1200cP、重量平均分子量(Mw)は116,000であった。ポリアミド酸溶液Bから形成された厚み25μmの高熱膨張性ポリイミドフィルムの線熱膨張係数(CTE)は、55ppm/K、ガラス転移温度(Tg)は345℃であった。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが25μmになるように支持基材としての銅箔の上に塗布し、120〜360℃の範囲で段階的に昇温しながら13分間加熱処理を行うことでイミド化を完了し、ポリイミド樹脂層の厚みが25μmの積層板1を得た。得られた積層板1の銅箔層をエッチングにより除去しポリイミドフィルム1を得、得られたポリイミドフィルム1の線熱膨張係数を測定したところ、18.5ppm/Kであった。
ポリアミド酸溶液Aの熱処理時間を13分から8分に短縮した以外は、比較例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム2を得、線熱膨張係数を測定したところ30.7ppm/Kであった。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液Aに、0.28gのDMAP(2.3mmol)を加えて2分間プラネタリーミキサーで攪拌することで、イミド化触媒が添加されたポリアミド酸溶液Cを得た。これを硬化後の厚みが25μmになるように支持基材としての銅箔の上に塗布し、120〜360℃の範囲で段階的に昇温しながら8分間加熱処理を行うことでイミド化を完了し、ポリイミド樹脂層の厚みが25μmの積層板3を得た。得られた積層板3の銅箔層をエッチングにより除去しポリイミドフィルム3を得た。得られたポリイミドフィルム3の線熱膨張係数を測定したところ、19.9ppm/Kであった。なお、ポリアミド酸溶液Cを室温下で2時間放置したが、粘度の上昇は確認されなかった。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液A(固形分濃度;15重量%)の代わりに、固形分濃度を12重量%としたポリアミド酸溶液A’を準備し、このポリアミド酸溶液A’に、0.28gのDMAP(2.3mmol;ポリアミド酸の構成単位1モルに対して0.5モル)を加えて2分間プラネタリーミキサーで攪拌することで、イミド化触媒が添加されたポリアミド酸溶液C’を得た。このポリアミド酸溶液C’を室温下で2時間放置したところ、粘度が上昇し流動性を失っていることが確認された。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液Aに、0.34gの4−(1−ピロリジニル)−ピリジン(2.3mmol)を加えて2分間プラネタリーミキサーで攪拌することで、イミド化触媒が添加されたポリアミド酸溶液Dを得た。これを硬化後の厚みが25μmになるように銅箔の上に塗布し、120〜360℃の範囲で段階的に昇温しながら8分間加熱処理を行うことでイミド化を完了し、ポリイミド樹脂層の厚みが25μmの積層板4を得た。得られた積層板4の銅箔層をエッチングにより除去しポリイミドフィルム4を得た。得られたポリイミドフィルム4の線熱膨張係数を測定したところ、20.8ppm/Kであった。
ポリアミド酸溶液Cの熱処理の際に、140℃での熱処理時間が最も長くなる熱処理条件を用いた以外は、実施例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム5を得、線熱膨張係数を測定したところ18.1ppm/Kであった。
ポリアミド酸溶液Cの熱処理の際に、200℃での熱処理時間が最も長くなる熱処理条件を用いた以外は、実施例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム6を得、線熱膨張係数を測定したところ28.5ppm/Kであった。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液Aに、0.16gのイミダゾール(2.3mmol)を加えて2分間プラネタリーミキサーで攪拌することで、イミド化触媒が添加されたポリイミド前駆体樹脂溶液Eを得た。これを硬化後の厚みが25μmになるように銅箔の上に塗布し、120〜360℃の範囲で段階的に昇温しながら8分間加熱処理を行うことでイミド化を完了し、ポリイミド樹脂層の厚みが25μmの積層板7を得た。このとき、140℃での熱処理時間が最も長くなるような熱処理条件であった。得られた積層板7の銅箔層をエッチングにより除去しポリイミドフィルム7を得た。得られたポリイミドフィルム7の線熱膨張係数を測定したところ、19.1ppm/Kであった。
140℃での熱処理時間が最も長くなるような熱処理条件の代わりに、200℃での熱処理時間が最も長くなる熱処理条件を用いた以外は、比較例3と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム8を得、線熱膨張係数を測定したところ22.9ppm/Kであった。
銅箔1(電解銅箔)の上に、合成例2で得られたポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、130℃で30秒間乾燥した。その上に実施例1で得られたポリアミド酸溶液Cを硬化後の厚みが21μmとなるように塗布し、130℃の範囲で2分間乾燥した。更にその上に、合成例2で得られたポリアミド酸溶液Bを、硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、130℃で30秒間乾燥した後、140〜360℃の範囲で段階的に昇温しながら5分間熱処理を行うことでイミド化を完了し、高熱膨張性ポリイミド/低熱膨張性ポリイミド/高熱膨張性ポリイミドの厚みがそれぞれ2μm/21μm/2μmの積層板9を得た。得られた積層板9の銅箔層をエッチングにより除去しポリイミドフィルム9を得た。得られたポリイミドフィルム9の線熱膨張係数を測定したところ、22.1ppm/Kであった。
ポリアミド酸溶液Cを用いる代わりに、実施例2で得られたポリアミド酸溶液Dを用いた以外は、実施例5と同様の方法で、高熱膨張性ポリイミド/低熱膨張性ポリイミド/高熱膨張性ポリイミドの厚みがそれぞれ2μm/21μm/2μmのポリイミドフィルム10を得、得られたポリイミドフィルム10の線熱膨張係数を測定したところ、22.9ppm/Kであった。
リップ幅200mmのマルチマニホールド式の3層共押出三層ダイを用い、合成例2で得られたポリアミド酸溶液B/実施例1で得られたポリアミド酸溶液C/合成例2で得られたポリアミド酸溶液Bの順の3層構造で銅箔上に押出し流延塗布した。その後、120〜360℃の温度で8分間熱処理を行うことでイミド化を完了し、高熱膨張性ポリイミド/低熱膨張性ポリイミド/高熱膨張性ポリイミドの厚みがそれぞれ2μm/21μm/2μmの積層板11を得た。得られた積層板11の銅箔層をエッチングにより除去しポリイミドフィルム11を得た。得られたポリイミドフィルム11の線熱膨張係数を測定したところ、22.4ppm/Kであった。
リップ幅200mmのマルチマニホールド式の3層共押出三層ダイを用い、合成例2で得られたポリアミド酸溶液B/実施例2で得られたポリアミド酸溶液D/合成例2で得られたポリアミド酸溶液Bの順の3層構造で銅箔上に押出し流延塗布した。その後、120〜360℃の温度で8分間熱処理を行うことでイミド化を完了し、高熱膨張性ポリイミド/低熱膨張性ポリイミド/高熱膨張性ポリイミドの厚みがそれぞれ2μm/21μm/2μmの積層板12を得た。得られた積層板12の銅箔層をエッチングにより除去しポリイミドフィルム12を得た。得られたポリイミドフィルム12の線熱膨張係数を測定したところ、23.1ppm/Kであった。
0.28gのDMAPを用いる代わりに、0.40gのN,N−ジメチル−4−アミノイソキノリン(pKa;9.40、2.3mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム13を得、線熱膨張係数を測定したところ27.4ppm/Kであった。
0.28gのDMAPを用いる代わりに、0.40gのN,N−ジメチル−1−アミノイソキノリン(pKa;7.84、2.3mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム14を得、線熱膨張係数を測定したところ26.3ppm/Kであった。
0.28gのDMAPを用いる代わりに、0.51gのN,N−ジメチル−9−アミノアクリジン(pKa;9.10、2.3mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム15を得、線熱膨張係数を測定したところ29.8ppm/Kであった。
0.28gのDMAPを用いる代わりに、0.56gのN−ブチル−4−アミノベンゾ[g]キノリン(pKa;8.89、2.3mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム16を得、線熱膨張係数を測定したところ31.7ppm/Kであった。
Claims (4)
- ポリアミド酸を熱処理してイミド化することにより、単層又は積層された複数層のポリイミド樹脂層からなるポリイミドフィルムを製造する方法において、
前記ポリイミド樹脂層が、線熱膨張係数が5ppm/K以上30ppm/K未満の範囲内の低熱膨張性のポリイミド樹脂層を含むとともに、該低熱膨張性のポリイミド樹脂層を形成するための前記ポリアミド酸が、酸無水物成分とジアミン成分とを反応させて得られるものであって、前記酸無水物成分がピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含み、かつ、前記ジアミン成分が2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルを含み、
前記ポリアミド酸をイミド化して前記低熱膨張性のポリイミド樹脂層を形成するときに、ピリジン骨格、キノリン骨格、イソキノリン骨格、アクリジン骨格及びベンゾキノリン骨格よりなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格に直接結合した2級又は3級のアミノ基を有する含窒素複素環化合物をイミド化触媒として用いることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。 - 前記イミド化が、
支持基材上で、単層又は積層された複数層のポリアミド酸層を熱処理して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。 - 前記支持基材が、金属箔であって、
前記金属箔の上にポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥する操作を複数回繰り返す工程、又は前記金属箔の上にポリアミド酸の溶液を多層塗布して一括で乾燥する工程のいずれかの工程によって、積層された複数層のポリアミド酸層を形成し、続く熱処理工程でイミド化を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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