JP5271025B2 - スラリーの製造方法、製造システム、およびスラリー成形物 - Google Patents
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(2)予め該ポリマーおよび該非溶解性粉末を該溶剤中へ分散させておき、この分散液を該薄膜旋回ミキサーへ供給し、該分散液を該薄膜旋回ミキサーで攪拌して、該ポリマーの該溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行うことを特徴とする(1)記載のスラリーの製造方法。
(3)該溶剤が、該ポリマーに対して良溶剤となる溶剤と、該ポリマーに対して貧溶剤となる溶剤とを含むことを特徴とする(1)または(2)記載のスラリーの製造方法。
(4)該薄膜旋回ミキサーは少なくとも2つの液体供給口を備え、一方の液体供給口からは少なくとも該ポリマーと該良溶剤を供給し、他方の液体供給口からは少なくとも該貧溶剤を供給することを特徴とする(3)記載のスラリーの製造方法。
(5)該ポリマーがアラミド樹脂であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(6)該ポリマーの形状が粉末状であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(7)該粉末状ポリマーの平均粒子径が0.1〜200μmであることを特徴とする(6)記載のスラリーの製造方法。
(8)該溶剤が極性アミド溶剤を含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(9)該非溶解性粉末が無機粒子であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(10)該無機粒子の平均粒子径が0.010〜1μmであることを特徴とする(9)記載のスラリーの製造方法。
(11)該薄膜旋回ミキサー中における滞留時間が5〜60秒であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(12)該薄膜旋回ミキサーを周速20〜50m/秒で運転することを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(13)ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーを製造するシステムであって、該ポリマーを供給する手段と、該ポリマーの溶剤を供給する手段と、該非溶解性粉末を供給する手段と、前記各供給手段からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサーと、を備えたことを特徴とするスラリーの製造システム。
(14)ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーを製造するシステムであって、該ポリマーを供給する手段と、該ポリマーの溶剤を供給する手段と、該非溶解性粉末を供給する手段と、前記各供給手段からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を混合して分散する分散手段と、この分散手段からの分散液を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサーと、を備えたことを特徴とするスラリーの製造システム。
(15)上記(1)〜(12)のいずれかに記載のスラリーを用いて製造したことを特徴とするスラリー成形物。
[スラリー]
本発明の製造方法で製造されるスラリーは、ポリマーを溶剤に溶解した溶液中に、非溶解性粉末を分散させたスラリーである。ここで、ポリマーは溶剤に溶解していれば特に限定されるものではなく、また溶剤もポリマーを溶解するものであれば特に限定されない。
本発明におけるポリマーとは、熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂であって、溶剤へ溶解可能な高分子重合体のことを云う。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、等公知の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
上記の高分子重合体のうち、ポリアミド樹脂、特に全芳香族ポリアミド樹脂(アラミド)が好ましい。
本発明における溶剤は、ポリマーを溶解する液体であれば、いずれのものをも用いることができる。例えば、ポリマーが水溶性の場合は、溶剤として水、或いは水溶液を用いることができ、ポリマーが非水溶性の場合は、有機溶剤を用いることができる。
非溶解性粉末とは、ポリマーを溶剤に溶解した溶液に対して非溶解性であれば特に限定されない。非溶解性粉末としては、例えば有機粉末、無機粉末ともに適用することが可能である。また、非溶解性粉末の形状も特に限定されるものではなく、該溶液に分散可能なもので、粉末状のものであれば適用でき、アスペクト比が高いウィスカーや短繊維、ナノチューブ等の粉末も含まれる。
本発明では溶解装置として薄膜旋回ミキサーを用いる。薄膜旋回ミキサーとは、ミキサー内で溶剤中に分散した固体状のポリマーを薄膜の状態で旋回し、強いせん断場に曝す機能を有するミキサーを云う。
本発明のスラリー製造方法は、ポリマーの溶剤への溶解、非溶解粉末の分散を薄膜旋回ミキサー中で同時に行うことを特徴とする。このようなスラリーを製造する場合、従来の方法では、(I)ポリマーを溶剤へ溶解する工程、(II)ポリマーを溶剤へ溶解した溶液中へ非溶解粉末を分散する工程が別々に存在し非常に煩雑であるだけでなく、スラリー製造装置も溶解装置、分散装置と機能別に設置する必要がありコスト高になっていた。
相転換法により多孔膜を製造する技術においてはポリマーに対して貧溶剤となる成分をキャスト溶液に添加することで孔径が制御できることが公知技術として知られている。例えば、前記スラリーを用いて多孔膜を製造する場合に孔径制御の観点からポリマーに対して貧溶剤に相当する溶剤を添加する必要性が生じることもあり得る。通常、貧溶剤の添加は別の工程として実施する必要で添加速度を厳密に制御しないとゲル化などの不具合をきたすことがあり、工程デザインが難しい。本発明のスラリー製造方法によれば、該溶剤がポリマーに対して良溶剤に相当する成分と貧溶剤に相当する成分からなる混合溶剤であってもポリマーの溶解が可能であるため、別の工程を設けることなくポリマーに対して貧溶剤成分を含んだスラリーを簡潔な工程で調整することが可能となる。これは、薄膜旋回ミキサー中の強いせん断場中でポリマーが高度に分散されるため通常の方法に比べ溶解性が著しく高くなっているからであり、このような状態が得られるので通常の方法では溶解困難な溶剤においてもポリマー溶解が好適に達成されるからである。
本発明のスラリー製造方法は、該ポリマーがアラミド樹脂である場合特に有効である。ここでアラミド樹脂とは、1種又は2種以上の2価の芳香族基が直接アミド結合により連結されているポリマーであって、該芳香族基は2個の芳香環が酸素、硫黄又はアルキレン基で結合されたものであってもよい。また、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、クロルキなどのハロゲン基等が含まれていてもよい。さらには、これらアミド結合は限定されず、パラ型、メタ型のどちらでもよい。かかるアラミドの具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレンなどが挙げられる。
本発明において、上述したスラリーの製造方法は例えば以下の製造システムにより好適に実現することが可能である。
例えば、図2に示すように、本発明のアラミドポリマー溶液の製造システムSは、ポリマーを供給するポリマー供給手段2と、該ポリマーを溶解する良溶剤を供給する良溶剤供給手段3と、非溶解性粉末を供給するフィラー供給手段4と、各供給手段2〜4からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサー1と、ポリマー溶液の回収容器5とを備えて構成されている。なお、ポリマー供給手段2およびフィラー供給手段4はフィーダー等を有して構成され、良溶剤供給手段3はポンプ等を有して構成される。また、薄膜旋回ミキサー1としては図1に示したタイプのものを使用できる。
本発明には、上述した方法で作製したスラリーを用いて製造したスラリー成形物も含まれる。
上述したスラリーの製造法によれば、ポリマーを溶解するために硫酸や無機塩等を使用せずに済み、スラリー中に未溶解のままのポリマーが残存してしまう可能性も極めて低い。したがって、かかるスラリーを用いて得られた成形物は、硫酸や無機塩等の不純物が含まれることもなく高品質のものとなる。このようなスラリー成形物としては、例えばリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイス用電極、塗料、トナー、研磨剤、フィルター、電池セパレータ等が挙げられ、様々な用途に広く利用することができる。
[平均粒子径の測定]
平均粒子径はサンプルを走査型電子顕微鏡で30サンプル観察し、その画像から粒子の面積を求め、これを円で近似した場合に算出される直径を求め、これを平均粒子径とした。
[ガーレ値]
サンプルのガーレ値を、JIS P8117の規格に準じて測定した。
混合タンクに、ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン粉末(商品名:KFポリマー:クレハ化学社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末としてメソカーボンマイクロビーズ(商品名:MCMB25−28:大阪ガス化学社製:平均粒子径25μm)を77重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を1.8重量部、溶剤としてN−2−メチルピロリドンを94重量部入れ、−10℃に冷却し、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が30秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速40m/秒とし、内部温度は70℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
混合タンクに、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末として活性炭粉末(商品名:MSP−20:関西熱化学社製:平均粒子径10μm)を77重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を3重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、−10℃に冷却し、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が30秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速40m/秒とし、内部温度は70℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
混合タンクに、ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン粉末(商品名:KFポリマー:クレハ化学社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末としてコバルト酸リチウム(日本化学工業社製:平均粒子径8μm)を重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を3重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、−10℃に冷却し、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が30秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速40m/秒とし、内部温度は70℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
攪拌翼、温度計、窒素流入管および粉体添加口を有するセパラブルフラスコを十分に乾燥し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)2200重量部を仕込み、200℃で2時間真空乾燥した塩化カルシウム粉末151.07重量部を添加し、100℃に昇温して完全に溶解させた。常温に戻して、パラフェニレンジアミン68.23重量部を添加し完全に溶解させた。この溶液を20℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライド124.97重量部を少量ずつ添加した。その後も攪拌しながら、溶液を20℃に保ったまま1時間放置した。その後、水酸化カルシウムで中和することでポリパラフェニレンテレフタルアミドのNMP溶液を得た。
混合タンクに、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を5.8重量部、非溶解性粉末として水酸化アルミニウム(商品名:H−43M:昭和電工社製:平均粒子径0.8μm)を23.2重量部、溶剤としてジメチルアセトアミド(メタ型アラミド樹脂に対して良溶剤)を65.9重量部、トリプロピレングリコール(メタ型アラミド樹脂に対して貧溶剤)を28.3重量部入れた。これを−10℃に冷却してラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が10秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速30m/秒とし、内部温度は40℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
混合タンクに、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を5.0重量部、非溶解性粉末として水酸化アルミニウム(商品名:H−43M:昭和電工社製:平均粒子径0.8μm)を20.0重量部、溶剤としてジメチルアセトアミド(メタ型アラミド樹脂に対して良溶剤)を57重量部入れた。これを−10℃に冷却してラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が10秒となるようにチューブポンプで送液した。さらに、別の供給口からトリプロピレングリコール(メタ型アラミド樹脂に対して貧溶剤)を重量比でジメチルアセトアミド6に対して4となるようにチューブポンプで薄膜旋回ミキサーへ送液し、トリプロピレングリコールが薄膜旋回ミキサー内で混合されるようにした。薄膜旋回ミキサーは周速30m/秒とし、内部温度は35℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
混合タンクに、ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン粉末(商品名:KFポリマー:クレハ化学社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末としてメソカーボンマイクロビーズ(商品名:MCMB25−28:大阪ガス化学社製:平均粒子径25μm)を52.2重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を1.8重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、70℃に加熱して、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで60分混合し分散液を調整した。
容器に、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末として活性炭粉末(商品名:MSP−20:関西熱化学社製:平均粒子径10μm)を77重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を3重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、これを容器が自公転式に回転する攪拌装置泡取り練り太郎(登録商標;シンキー社製)を用い、25℃で10分間攪拌し分散液を調整した。
メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス粉末(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)15重量部を−10℃に冷却したジメチルアセトアミド85重量部に入れ、ラジアルフロータービン翼にて5分間攪拌した。この分散液をチューブポンプで薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が20秒となるように送液した。このとき、薄膜旋回ミキサーは周速27m/秒で運転し、内部温度が60℃となるようにチラーにて温調した。このような方法で15重量%のコーネックスのジメチルアセトアミド溶液を得た。
比較例3で作製した15重量%のコーネックスのジメチルアセトアミド溶液100重量部にジメチルアセトアミド95重量部、トリプロピレングリコール120重量部を混合した。混合操作は前記溶液をラジアルフロータービン翼で攪拌し(300rpm)、そこにジメチルアセトアミドとトリプロピレングリコールの混合液を所定量1時間かけて行った。この溶液に水酸化アルミニウム粉末(H−43M:昭和電工製:平均粒子径0.8μm)60重量部を混合させ、300rpmの回転速度でラジアルフロータービン翼を回すことで分散させた。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が10秒となるようにチューブポンプで送液し、スラリーを得た。このときの薄膜旋回ミキサーの周速は30m/秒とし、内部温度が30℃となるようにチラーで制御した。このスラリーの組成は実施例6と同様のものである。
実施例6で作製したスラリーと比較例3、4で作製したスラリーの分散性評価を超音波式粒度分布・ゼータ電位測定装置DT−1200(ディスパージョン・テクノロジー社製)を用いて平均粒子径と粒度分布の標準偏差を測定することで実施した。超音波減衰率の実測値とECAH理論に基づき、連結相理論とセルモデル理論を用いて得られる理論的な減衰スペクトルとのカーブフィッティング法により粒度分布を求め、この分布におけるメディアン径を平均粒子径とした。ここで、粒度分布の解析は測定周波数1〜100MHzの範囲で行った。その結果、実施例6のスラリーは平均粒子径が0.52μmで、標準偏差が0.32μmであった。それに対し、比較例3のスラリーは平均粒子径が1.06μmで、標準偏差が0.33μmで、比較例4のスラリーは平均粒子径が0.93μmで、標準偏差が0.33μmであった。よって、本発明のスラリー製造方法は操作が簡便でありかつ工程が短縮されるにも関わらず、分散性に優れると言える。
1…薄膜旋回ミキサー
2…ポリマー供給手段
3…良溶剤供給手段
4…フィラー供給手段
5…回収容器
6…分散器
7…貧溶剤供給手段
8…混合器
Claims (11)
- ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーの製造方法であって、
予め該ポリマーおよび該非溶解性粉末を、該ポリマーの溶剤中へ分散させておき、
この分散液を薄膜旋回ミキサーへ供給し、該分散液を該薄膜旋回ミキサーで5〜60秒攪拌して、該ポリマーの該溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行うことを特徴とするスラリーの製造方法。 - 該溶剤が、該ポリマーに対して良溶剤となる溶剤と、該ポリマーに対して貧溶剤となる溶剤とを含むことを特徴とする請求項1記載のスラリーの製造方法。
- 該薄膜旋回ミキサーは少なくとも2つの液体供給口を備え、
一方の液体供給口からは少なくとも該ポリマーと該良溶剤を供給し、
他方の液体供給口からは少なくとも該貧溶剤を供給することを特徴とする請求項2記載のスラリーの製造方法。 - 該ポリマーがアラミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
- 該ポリマーの形状が粉末状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
- 該粉末状ポリマーの平均粒子径が0.1〜200μmであることを特徴とする請求項5記載のスラリーの製造方法。
- 該溶剤が極性アミド溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
- 該非溶解性粉末が無機粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
- 該無機粒子の平均粒子径が0.010〜1μmであることを特徴とする請求項8記載のスラリーの製造方法。
- 該薄膜旋回ミキサーを周速20〜50m/秒で運転することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
- ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーを製造するシステムであって、
該ポリマーを供給する手段と、
該ポリマーの溶剤を供給する手段と、
該非溶解性粉末を供給する手段と、
前記各供給手段からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を混合して分散する分散手段と、
この分散手段からの分散液を薄膜状に旋回させて、5〜60秒の滞留時間で、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサーと、を備えたこと
を特徴とするスラリーの製造システム。
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