JP2008144041A - 有機化クレイマスターバッチの製造方法、有機化クレイマスターバッチおよびこれを含有するポリマーナノコンポジット - Google Patents

有機化クレイマスターバッチの製造方法、有機化クレイマスターバッチおよびこれを含有するポリマーナノコンポジット Download PDF

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Abstract

【課題】有機化クレイが十分に分散し、凝集塊を発生し難く、物性に優れるポリマーナノコンポジット、このようなポリマーナノコンポジットを与えることができる、有機化クレイが十分に分散している有機化クレイマスターバッチ、およびこのような有機化クレイマスターバッチの製造方法の提供。
【解決手段】有機化クレイ100質量部に対して、アニオン性極性基およびアニオン性極性結合のうちの片方または両方を有するポリマー10〜1,000質量部と、溶媒とを含有する、粘度10〜10,000mPa・sのクレイ含有溶液を、せん断速度5,000s-1以上のせん断場において撹拌をし、クレイ分散溶液とする撹拌工程と、前記クレイ分散溶液から前記溶媒を分離して有機化クレイマスターバッチとする分離工程とを具備する有機化クレイマスターバッチの製造方法、および前記製造方法によって製造された有機化クレイマスターバッチ、並びに有機化クレイマスターバッチとベースポリマーとを含有するポリマーナノコンポジット。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化クレイマスターバッチの製造方法、有機化クレイマスターバッチおよびこれを含有するポリマーナノコンポジットに関する。
ポリマーナノコンポジットは、物性の向上を目的として層状粘土鉱物(クレイ)をベースポリマー中にナノレベルで分散させた複合材料である。
ポリマーナノコンポジットにおけるクレイの分散性を向上させることを目的として、例えば、有機化処理されたクレイを使用する方法や、有機化処理されたクレイに分散剤として極性の高いポリマーを併用する方法が提案されている。
しかしながら、本発明者は、従来のポリマーナノコンポジットの製造方法について以下の問題点を見出した。
まず、有機化処理されたクレイを使用するのみの場合、クレイの分散性が十分ではないことを見出した。
また、有機化処理されたクレイを使用してポリマーナノコンポジットを製造する際せん断速度が低く十分なせん断場が得られないと、ポリマーナノコンポジット中にクレイの凝集塊が発生することを見出した。
また、有機化処理されたクレイと分散剤とをベースポリマーとの混練において併用する場合、クレイの分散性が十分ではないこと、多量な分散剤の使用はポリマーナノコンポジットの物性を低下させてしまうということを見出した。
そこで、本発明は、有機化処理されたクレイが十分に分散し、凝集塊を発生し難く、物性に優れるポリマーナノコンポジット、このようなポリマーナノコンポジットを与えることができる、有機化処理されたクレイが十分に分散している有機化クレイマスターバッチ、およびこのような有機化クレイマスターバッチの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、有機化クレイ100質量部に対して、アニオン性極性基およびアニオン性極性結合のうちの片方または両方を有するポリマー10〜1,000質量部と、溶媒とを含有する、粘度10〜10,000mPa・sのクレイ含有溶液を、せん断速度5,000s-1以上のせん断場において撹拌をし、クレイ分散溶液とする撹拌工程と、前記クレイ分散溶液から前記溶媒を分離して有機化クレイマスターバッチとする分離工程とを具備する製造方法によって得られる有機化クレイマスターバッチ中において有機化処理されたクレイ(有機化クレイ)が十分に分散していること、上記の製造方法によって得られた有機化クレイマスターバッチとベースポリマーとを含有するポリマーナノコンポジット中において有機化処理されたクレイ(有機化クレイ)が十分に分散していることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(5)を提供する。
(1) 有機化クレイ100質量部に対して、アニオン性極性基およびアニオン性極性結合のうちの片方または両方を有するポリマー10〜1,000質量部と、溶媒とを含有する、粘度10〜10,000mPa・sのクレイ含有溶液を、せん断速度5,000s-1以上のせん断場において撹拌をし、クレイ分散溶液とする撹拌工程と、
前記クレイ分散溶液から前記溶媒を分離して有機化クレイマスターバッチとする分離工程とを具備する有機化クレイマスターバッチの製造方法。
(2) 前記有機化クレイが、層間陽イオンが第四級アルキルアンモニウムイオンでイオン交換されているスメクタイトである上記(1)に記載の有機化クレイマスターバッチの製造方法。
(3) 前記撹拌が、薄膜旋回型撹拌機を用いて行われる上記(1)または(2)に記載の有機化クレイマスターバッチの製造方法。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の有機化クレイマスターバッチの製造方法によって得られる有機化クレイマスターバッチ。
(5) 上記(4)に記載の有機化クレイマスターバッチとベースポリマーとを含有するポリマーナノコンポジット。
本発明の有機化クレイマスターバッチの製造方法によれば、有機化クレイが十分に分散されているマスターバッチを得ることができる。
本発明の有機化クレイマスターバッチは、有機化クレイの分散性に優れる。
また、本発明のポリマーナノコンポジットは、有機化クレイの分散性、物性に優れ、凝集塊を発生しにくい。
本発明について以下詳細に説明する。
まず、本発明の有機化クレイマスターバッチの製造方法について以下に説明する。
本発明の有機化クレイマスターバッチの製造方法は、
有機化クレイ100質量部に対して、アニオン性極性基およびアニオン性極性結合のうちの片方または両方を有するポリマー10〜1,000質量部と、溶媒とを含有する、粘度10〜10,000mPa・sのクレイ含有溶液を、せん断速度5,000s-1以上のせん断場において撹拌をし、クレイ分散溶液とする撹拌工程と、
前記クレイ分散溶液から前記溶媒を分離して有機化クレイマスターバッチとする分離工程とを具備する方法である。
撹拌工程について以下に説明する。
撹拌工程は、有機化クレイ100質量部に対して、アニオン性極性基およびアニオン性極性結合のうちの片方または両方を有するポリマー10〜1,000質量部と、溶媒とを含有する、粘度10〜10,000mPa・sのクレイ含有溶液を、せん断速度5,000s-1以上のせん断場において撹拌をし、クレイ分散溶液とする工程である。
撹拌工程において使用されるクレイ含有溶液に含有される有機化クレイは、有機化剤をクレイの表面に吸着または結合させたものであれば特に制限されない。
有機化クレイは、クレイの層間陽イオンが有機陽イオンでイオン交換されているものであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
有機化クレイの製造の際に使用されるクレイは、粘土鉱物であれば特に制限されない。
クレイとしては、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ハイデライト、ノントライト、ヘクトライト、スティブンサイト等のスメクタイト;バーミキュライト;カオリナイト、ハロイサイトが挙げられる。
また、天然又は合成の層状粘土鉱物のいずれも使用することができる。
なかでも、スメクタイトが好ましい。
クレイは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機化クレイの製造の際に使用される有機化剤は、クレイの層間陽イオンとイオン交換しうる有機陽イオンであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
有機化剤は、ポリマーの極性に合わせて、様々な構造の有機化クレイを選択することができるようになるという観点から、第四級アルキルアンモニウムイオンであるのが好ましい。
第四級アルキルアンモニウムイオンとしては、例えば、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、デシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、テトラデシルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオン、オクチルトリメチルアンモニウムイオン、デシルトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、テトラデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルジメチルアンモニウムイオン、ドデシルメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、メチル獣脂ビス,2,ヒドロキシルアンモニウムイオン、ジメチルベンジル水素化獣脂アンモニウムイオン、ジメチル水素化獣脂2エチルヘキシルアンモニウムイオン、メチルジ水素化獣脂アンモニウムイオン、ジメチルジ水素化獣脂アンモニウムイオンが挙げられる。
有機化剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機化クレイは、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
有機化クレイは、層電荷を有し、イオン交換が容易で疎水化効果が高く、分散性に優れるという観点から、層間陽イオンが第四級アルキルアンモニウムイオンでイオン交換されているスメクタイトであるのが好ましい。
有機化クレイは、陽イオン交換量が10〜300ミリ当量/100gのものが好ましい。
また、有機化クレイのアスペクト比は30以上であるのが好ましい。
撹拌工程において使用されるポリマーについて以下に説明する。
ポリマーは、アニオン性極性基およびアニオン性極性結合のうちの片方または両方を有するものである。
ポリマーが有することができるアニオン性極性基としては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、加水分解性ケイ素基;無水マレイン酸基のような酸無水物基;カルボキシ基、アミノ基、アミド基が挙げられる。
ポリマーが有することができるアニオン性極性結合としては、例えば、エーテル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、チオエーテル結合、ウレタン結合が挙げられる。
ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基末端変性ポリブタジエンおよびその水素添加物、ヒドロキシ基末端変性ポリイソプレンおよびその水素添加物、ヒドロキシ基変性エチレンプロピレン共重合体のようなヒドロキシ基変性ポリマー;エポキシ変性スチレンブタジエン共重合体、エポキシ変性ポリブタジエンのようなエポキシ基変性ポリマー;アクリル末端ポリブタジエンのような(メタ)アクリル基変性ポリマー;シラングラフトポリオレフィン、シラン末端ポリオレフィンのような加水分解性ケイ素基含有ポリオレフィン;無水マレイン酸変性ポリイソプレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブテン、無水マレイン酸変性スチレンエチレンブチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレンプロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレンαオレフィン共重合体のような酸無水物基変性ポリマー;カルボキシ変性ポリブタジエン、カルボキシ変性ポリイソプレン、カルボキシ基末端アクリロニトリルブタジエン共重合体(CTBN)のようなカルボキシ基変性ポリマー;アミノ基末端アクリロニトリルブタジエン共重合体(ATBN)のようなアミノ基変性ポリマー、ポリアミド、ポリエステル系樹脂、ポリニトリル系樹脂、ポリイミドが挙げられる。
なかでも、有機化クレイの分散性により優れるという観点から、ヒドロキシ基末端変性ポリブタジエン、ヒドロキシ基末端水素添加ポリイソプレン、ヒドロキシ基変性エチレンプロピレン共重合体、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル末端ポリブタジエン、シラン末端ポリオレフィンであるのが好ましい。
ポリマーとしてのヒドロキシ基変性エチレンプロピレン共重合体は、ヒドロキシ基を1個以上有するエチレンプロピレン共重合体であれば特に限定されない。例えば、従来公知のものを使用することができる。
ポリマーとしての無水マレイン酸変性ポリブタジエンは、無水マレイン酸基を1個以上有するポリブタジエンであれば特に限定されない。例えば、従来公知のものを使用することができる。
ポリマーとしてのエポキシ変性ポリブタジエンは、エポキシ基を1個以上有するポリブタジエンであれば特に限定されない。例えば、従来公知のものを使用することができる。
ポリマーとしての加水分解性ケイ素基含有ポリオレフィンについて以下に説明する。
加水分解性ケイ素基含有ポリオレフィンは、加水分解性ケイ素基を含有するポリオレフィンであれば特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
ポリマーとしてのヒドロキシ基末端変性ポリイソプレンおよびその水素添加物は、ヒドロキシ基を末端に1個以上有するポリイソプレンおよびその水素添加物であれば特に限定されない。例えば、従来公知のものを使用することができる。
ポリマーとしてのヒドロキシ基末端変性ポリブタジエンおよびその水素添加物は、ヒドロキシ基を末端に1個以上有するポリブタジエンおよびその水素添加物であれば特に限定されない。例えば、従来公知のものを使用することができる。
ポリマーとしてのアクリル末端ポリブタジエンは、アクリレート基および/またはメタクリレート基を末端に1個以上有するポリブタジエンであれば特に限定されない。例えば、従来公知のものを使用することができる。
ポリマーの重量平均分子量は、層間に浸入し易く、有機化クレイの分散性により優れるという観点から、1,000〜100,000であるのが好ましく、1,000〜50,000であるのがより好ましい。
ポリマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリマーの量は、有機化クレイの分散性に優れるという観点から、有機化クレイ100質量部に対して、10〜1,000質量部である。
また、ポリマーの量は、ベースポリマーとの混合時に物性の低下を引き起こさないという観点から、有機化クレイ100質量部に対して、10〜200質量部であるのが好ましく、50〜100質量部であるのがより好ましい。
撹拌工程において使用される溶媒について以下に説明する。
溶媒は、ポリマーを溶解または分散させうるものであれば特に制限されない。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
溶媒の量は、乾燥性に優れ、機械的なせん断力を印加できるという観点から、有機化クレイ100質量部に対して、500〜4,000質量部であるのが好ましく、500〜2,000質量部であるのがより好ましい。
撹拌工程においては、有機化クレイとポリマーと溶剤とを含有するクレイ含有溶液を使用する。
クレイ含有溶液は、その調製について特に制限されない。例えば、有機化クレイとポリマーと溶剤とを撹拌しながら25〜100℃の条件下で加熱して得ることができる。
撹拌工程において使用されるクレイ含有溶液の粘度は、有機化クレイの分散性に優れるという観点から、10〜10,000mPa・sである。
また、クレイ含有溶液の粘度は、撹拌工程における撹拌が効果的に行われ、有機化クレイの分散性により優れるという観点から、100〜5,000mPa・sであるのが好ましく、100〜2,000mPa・sであるのがより好ましい。
なお、本発明において、クレイ含有溶液の粘度の測定は、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、23℃の環境下において回転数60rpmの条件下で測定された。
本発明において、撹拌工程におけるせん断速度は、有機化クレイの分散性に優れるという観点から、5,000s-1以上である。
せん断速度は、有機化クレイの分散性により優れるという観点から、5,000〜15,000s-1であるのが好ましく、5,000〜10,000s-1であるのがより好ましい。
撹拌工程における撹拌時間は、凝集を分解し、層はく離を起こさせるという観点から、1〜30分であるのが好ましく、5〜10分であるのがより好ましい。
撹拌温度は、ポリマーの分子運動性が高まるという観点から、0〜100℃であるのが好ましく、50〜100℃であるのがより好ましい。
撹拌工程において、せん断速度5,000s-1以上のせん断場を与えることができる撹拌装置としては、例えば、薄膜旋回型撹拌機が挙げられる。
薄膜旋回型撹拌機は、薄膜旋回法を利用した撹拌装置である。
薄膜旋回法は、容器中に処理液を収容し、該処理液中で撹拌具を回転して処理液を撹拌する撹拌方法において、前記容器の内周面近傍に達する端部をもつ撹拌具を処理液中で高速回転し、該撹拌具の回転に伴う処理液の回転により該処理液を遠心力で容器内面に圧着させると共に中空の薄膜状で回転させながら前記撹拌具の端部で撹拌する方法をいう。
この方法によれば、処理液は、撹拌具のエネルギーを受けて高速回転し、遠心力で容器の内面に圧着されて中空の薄膜状になって回転するが、その回転速度は撹拌具の回転速度より遅い。このため撹拌具の回転面にある処理液は、撹拌具の端部によって撹拌作用を受けると共に流れの回転に伴う撹拌作用が生じて微細化されうる。
有機化クレイの分散性により優れ、せん断速度を幅広く制御可能であり、有機化クレイ(粉体)と溶媒とポリマーとを混合できるという観点から、撹拌の際使用される撹拌装置は、薄膜旋回型撹拌機であるのが好ましい。
撹拌装置として薄膜旋回型撹拌機を使用する場合、溶媒にポリマーを溶解または分散させることによって、均一にかつ迅速にポリマーをクレイ層間へ浸入させることができる。
また、撹拌装置として薄膜旋回型撹拌機を使用する場合、撹拌工程における、ポリマーの有機化クレイへの層間浸入、およびせん断速度5,000s-1以上のせん断場における撹拌によって有機化クレイの層はく離を促し、安定した分散状態のクレイ分散溶液とすることができる。
薄膜旋回型撹拌機としては、例えば、特開平09−75698号公報、特開平11−347388号公報に記載されているものが挙げられる。
撹拌装置の好ましい一例としては、特開平11−347388号公報に記載されている、円筒状のかくはん槽内に回転軸を同心に設け、かくはん槽より僅かに小径の回転羽根を上記回転軸に取付け、回転羽根の高速回転により混合液をかくはん槽の内面に薄膜円筒状に拡げながらかくはんする高速撹拌装置であって、上記回転羽根が、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備える高速撹拌装置が挙げられる。
以下、図面を参照して、この高速撹拌装置の好適な実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に限定されないのはいうまでもない。
図1は、高速撹拌装置の一例を模式的に示す縦断面図であり、図2は、回転羽根11を模式的に示す断面図、平面図および側面図である。
図1において、1は円筒形断面をもつかくはん槽、2は外槽で、両槽1、2間に冷却水室3が形成され、この冷却水室3に冷却水が流入管4から供給され、かくはんで生じる摩擦熱を吸収して図外の流出管から排出される。かくはん槽1の底部には、弁5a、6aをもつ供給管5、6が接続されて原料の供給に使用されるが、バッチ生産の場合は製品の排出にも使用される。
かくはん槽1の上部には、堰板7が載置され、その上に上部容器8が取付けられ、これに流出管9が接続されている。この上部容器8は、蓋8a、冷却水室8bを有し、製品を連続生産するときに用いられ、この場合は、堰板7として、その内径が図示のものより大きいものに交換され、原料を供給管5、6から連続供給し、かくはん後の液が堰板7を越えて連続的に流出するように扱う。冷却水室8bは、水路に冷却水室3と並列に接続されている。
回転軸10は、蓋8aを気密に貫通してかくはん槽1と同心に設置され、上部に設けたモータで高速駆動される。そして、この回転軸10の下端には回転羽根11が固着されている。
回転羽根11は、図2(A)、(B)、(C)に示すように、外周側の多孔円筒部12をアーム13でボス14と一体にしたもので、この多孔円筒部12は、アーム13が連設されている部分以外の円筒状部分に、多数の小孔12aを半径方向に穿設して構成され、アーム13には適数の連通孔13aが設けられている。
かくはん槽1の内径Dは、例えば80mmであり、回転羽根11の外径φは、この内径Dより僅かに小径の76mmまたは74mm程度に設定されている。したがって両部の間隙Sは、2mmまたは3mmである。また、多孔円筒部12の高さは55mm、厚さは3mm、小孔12aの径は3mmである。そして、回転羽根11は、周速25〜100m/secまたは必要に応じてそれ以上の高速度で駆動される。なお、これらの数値は、一例を示す数値であり、適宜変更できるものである。
クレイ含有溶液Lは、回転羽根11の高速回転によって円周方向に付勢されて回転し、この回転によって生じる遠心力によって、かくはん槽1の内面に薄膜円筒状に密着しながら回転する。そのため、このクレイ含有溶液Lは、その表面とかくはん槽1の内面との速度差によるずれによってかくはん作用を受け、含有する成分が微粒化される。更に小孔12a内に流入したクレイ含有溶液Lは、この小孔の内面によって強い回転力を受けるため、遠心力も大きく、この小孔12a内から間隙S内に流入して圧力を上昇させると共にこの間隙S内のクレイ含有溶液Lの流れを乱すことによりかくはん作用を助長させる。
薄膜旋回型撹拌機の市販品としては、例えば、T.K.フィルミックス30−25型、T.K.フィルミックス56−50型、T.K.フィルミックス80−50型(いずれもプライミクス社製)が挙げられる。
分離工程について以下に説明する。
分離工程において、クレイ分散溶液から溶媒を分離して有機化クレイマスターバッチとする。
クレイ分散溶液から溶媒を分離する方法は、特に制限されない。
例えば、減圧下において溶媒を留去させることができる。
分離後のクレイ分散溶液中には、有機化クレイの分散性により優れるという観点から、残留する溶媒が少ないのが好ましい。
次に、本発明の有機化クレイマスターバッチについて以下に説明する。
本発明の有機化クレイマスターバッチは、
本発明の有機化クレイマスターバッチの製造方法によって得られるものである。
本発明の有機化クレイマスターバッチにおいて、有機化クレイマスターバッチ中の有機化クレイの平均クレイ層間距離は、ポリマーナノコンポジットとした際の有機化クレイの分散性により優れるという観点から、4nm以上であるのが好ましく、5nm以上であるのがより好ましい。
本発明の有機化クレイマスターバッチの用途としては、例えば、本発明の有機化クレイマスターバッチをポリマーと混合してポリマーナノコンポジットを得ることができる。
次に、本発明のポリマーナノコンポジットについて以下に説明する。
本発明のポリマーナノコンポジットは、
本発明の有機化クレイマスターバッチとベースポリマーとを含有するものである。
ベースポリマーについて以下に説明する。
本発明のポリマーナノコンポジットに含有されるベースポリマーは、有機化クレイを分散させうるものであれば特に制限されない。
ベースポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン;熱可塑性エラストマー;エポキシ化ポリエチレンのようなエポキシ基含有ポリオレフィン;無水マレイン酸変性ポリプロピレンのような無水マレイン酸含有ポリオレフィン;エチレン−メタクリル酸共重合体のようなカルボキシ基含有ポリオレフィン;シラングラフトポリエチレン、シラングラフトポリプロピレンのような加水分解性ケイ素基含有結晶性ポリオレフィン;ポリアミド(例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば6−ナイロンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PE10)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹脂(例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体)、セルロース系樹脂(例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えば、ポリフッ素化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体)、イミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド(PI)が挙げられる。
ベースポリマーとしてのポリオレフィンは、特に制限されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンα−オレフィン共重合体、プロピレンα−オレフィン共重合体、エチレンプロピレンα−オレフィン共重合体、エチレンブテン共重合体、プロピレンブテン共重合体およびエチレンプロピレンブテン共重合体が挙げられる。
ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)が挙げられる。
ポリプロピレンとしては、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンが挙げられる。
また、ポリオレフィンとしては、結晶性または非晶性のものが挙げられる。
ポリオレフィンの分子量は、耐熱性、機械的強度に優れるという観点から、重量平均分子量が10万〜1000万であるのが好ましく、100万〜600万であるのがより好ましい。
ポリオレフィンは、X線回折を介して測定される結晶化度が25%以上であるのが好ましい。
ポリオレフィンは、耐熱性、機械的強度、耐薬品性に優れるという観点から、結晶性ポリプロピレン、結晶性ポリエチレンが好ましい。
ベースポリマーとしての熱可塑性エラストマーは、特に制限されない。例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー;ポリブチレンテレフタレート(PBT)/ポリテトラメチレングリコール(PTMG)共重合体、PBT/ポリラクトン共重合体、PBT/ポリオレフィン共重合体のようなポリエステル系の熱可塑性エラストマー;N6/PTMG共重合体、N12/PTMG共重合体のようなナイロン系の熱可塑性エラストマー;トリレンジイソシアネート(TDI)/PTMG共重合体、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)/ポリプロピレングリコール(PPG)共重合体、TDI/PPG共重合体のようなポリウレタン系の熱可塑性エラストマー樹脂;シリコーン系の熱可塑性エラストマー樹脂;エチレン含有率を高くしたエチレンプロピレン共重合体(出光TPO、出光石油化学社製)のようなオレフィン系の熱可塑性エラストマー樹脂が挙げられる。
また、ベースポリマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物(例えば、NR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例えば、Br−IIR,CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、CR、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエステル(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコンゴム(例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)などを挙げることができる。
本発明に使用される有機化クレイマスターバッチを、なかでも、ベースポリマーとして極性が小さく有機化クレイの分散が困難である、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM等のポリオレフィン;IR、BR、NR等の極性の小さいジエン系ゴムに対して使用するのが特に有効である。本発明のポリマーナノコンポジットに使用される有機化クレイマスターバッチは、有機化クレイの分散性に優れ、極性の小さいベースポリマーに対しても効果的に有機化クレイを分散させることができるからである。
本発明のポリマーナノコンポジットに含有される有機化クレイマスターバッチは、本発明の有機化クレイマスターバッチであれば特に制限されない。
有機化クレイマスターバッチの量は、過度な粘度上昇を抑え、少量で効果的に物性を上げることが可能であるという観点から、ベースポリマー100質量部に対して、5〜50質量部であるのが好ましく、5〜10質量部であるのがより好ましい。
本発明のポリマーナノコンポジットは、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、ロジンエステル、クマロン樹脂のような粘着付与剤、老化防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、加工助剤、吸湿剤、接着樹脂、熱安定剤、光安定剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、滑剤、粘着防止剤、核剤、染料、顔料、難燃剤、バリア樹脂、補強材、架橋剤のような添加剤を含むことができる。
本発明のポリマーナノコンポジットは、その製造について特に制限されない。
例えば、ベースポリマーと有機化クレイマスターバッチと必要に応じて使用することができる添加剤とを、50〜250℃の条件下で混練装置を用いて混練することによって得ることができる。
本発明のポリマーナノコンポジットの製造の際に使用される混練装置は、特に制限されない。例えば、2軸混練押出機、バンバリー式混練装置、ニーダー式混練装置が挙げられる。
本発明のポリマーナノコンポジットにおいて、有機化クレイの平均クレイ層間距離は、4nm以上であるのが好ましく、5nm以上であるのがより好ましい。
また、本発明のポリマーナノコンポジットは、その形態が、はく離型(デラミ型)、挿入型(インターカレーション型)、はく離型および挿入型の混合型であるのが好ましく、はく離型であるのがより好ましい。
また、本発明のポリマーナノコンポジットは、ベースポリマーの物性を低下させることが少なく、機械的強度、ヤング率に優れ、熱変形温度が高く、ガスバリア性、難燃性、透明性、安全性、リサイクル性に優れる。
本発明のポリマーナノコンポジットの用途としては、例えば、被覆材料、包装材料、成形材料、充填材料、接着剤が挙げられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.有機化クレイマスターバッチの調製
まず、撹拌工程において、下記第1表に示す成分を同表に示す量(質量部)で25℃の環境下で混合してクレイ含有溶液とした。得られたクレイ含有溶液の粘度をB型粘度計(東機産業社製)を用いて、23℃の環境下において回転数60rpmの条件下で測定した。結果を第1表に示す。
得られたクレイ含有溶液を同表に示す撹拌機を用いて同表に示す条件(せん断速度、撹拌時間)で撹拌して、クレイ分散溶液とした。
次に、分離工程において、真空乾燥機を用いて60℃の条件下でクレイ分散溶液から溶媒を除去し、有機化クレイマスターバッチを得た。
2.有機化クレイマスターバッチ中の平均クレイ層間距離の測定
(1)サンプルの作製
得られた有機化クレイマスターバッチを25℃で5分間プレスし、厚さ2mmの板状の成形物とした。得られた成形物を有機化クレイマスターバッチ中の平均クレイ層間距離を測定するためのサンプルとした。
(2)X線回折測定装置(リガク社製、RINTHF2500)を用いて、得られたサンプル中の有機化クレイの積層面の回折によって得られる回折ピークの2θを測定し、下記数式(1)で表されるブラックの回折式によって有機化クレイの面間隔dを算出した。得られたdを平均クレイ層間距離とした。結果を第1表に示す。
λ=2dsinθ (1)
上記数式(1)中において、λは0.154であり、θは回折角を示す。
Figure 2008144041
第1表において示す成分、撹拌機の詳細は以下のとおりである。
・ポリマー1:無水マレイン酸変性ポリブテン(商品名:日石ポリブテンHV100M、新日本石油社製)
・ポリマー2:末端にヒドロキシ基を有するエチレンプロピレンゴム(商品名:エポール、出光興産社製)
・ポリマー3:末端にエポキシ基を有するブタジエンゴム(商品名:デナレックスR−45EPT、ナガセケムテック社製)
・有機化クレイ:商品名Cloisite 15A、Southern Clay Products社製、陽イオン交換量125ミリ当量/100g
・溶媒:トルエン
・撹拌機1:薄膜旋回型撹拌機(商品名T.K.フィルミックス80−50型、プライミクス社製)
・撹拌機2:500ml筒型セパラブルフラスコ(内径75mm)内に外径50mmタービン型撹拌翼を装着し、スリーワンモーター(BLh600、新東科学社製)にて駆動させる撹拌装置。
第1表に示す結果から明らかなように、実施例1〜5では、平均クレイ層間距離が大きい。また短時間で有機化クレイマスターバッチを得ることができる。
これに対して、せん断速度が5,000s-1未満の比較例1、2は、平均クレイ層間距離が小さい。また、比較例1は撹拌に長い時間を要した。
3.ポリマーナノコンポジットの調製
下記第2表に示す成分を同表に示す量(質量部)で同表に示す混練機を用いて同表に示す混練条件(せん断速度、混練時間)で混練し、ポリマーナノコンポジットを調製した。
4.ポリマーナノコンポジットの評価
ポリマーナノコンポジットについて、下記の方法に従って、平均クレイ層間距離、凝集塊の有無、およびヤング率の増加率を評価した。結果を第2表に示す。
(1)平均クレイ層間距離
得られたポリマーナノコンポジットを170℃で5分間加熱プレスし、厚さ2mmの板状の成形物とした。得られた成形物をポリマーナノコンポジット中の平均クレイ層間距離を測定するためのサンプルとした。
平均クレイ層間距離の測定および算出は上記と同様に行った。
(2)凝集塊の有無
上記(1)平均クレイ層間距離の測定において作製された成形物を切断し、その断面を光学顕微鏡で観察し、500倍の倍率で判別可能な凝集塊の有無を評価した。
(3)ヤング率の増加率
得られたポリマーナノコンポジットを170℃で5分間加熱プレスし、厚さ2mmの板状の硬化物とし、JIS3号ダンベル形状に打ち抜いて、ポリマーナノコンポジットのヤング率を測定するためのサンプルとした。
得られたサンプルを用いて、引張試験を、装置としてAGS−5kNG(島津製作所社製)を用いて、25℃、引張速度50mm/minにおいて行い、ヤング率を計測した。
得られたヤング率をベースポリマー自身のヤング率で除してヤング率の増加率を求めた。
Figure 2008144041
第2表に示す成分、混練機の詳細は以下のとおりである。
・有機化クレイマスターバッチ1〜7:上記のとおり調製したもの
・ベースポリマー1:ポリプロピレン(商品名:サンアロマーPM600M、サンアロマー社製)
・ベースポリマー2:EPDM系コンパウンド[EPDM100質量部(三井EPT3072E、三井化学社製)と、カーボンブラック30質量部(シースト9M、東海カーボン社製)と、ステアリン酸1.5質量部(ビーズステアリン酸NY、日本油脂社製)、老化防止剤1.5質量部(アンチゲンRD−G、住友化学社製)、臭化フェノール樹脂10質量部(タッキロール250−I、田岡化学工業社製)、酸化亜鉛5質量部(亜鉛華3号、正同化学社製)とをバンバリーミキサーを用いて80℃で5分間混練し、EPDM系コンパウンドを得た。得られたEPDM系コンパウンドをベースポリマー2として用いた。]
・ベースポリマー3:BR系コンパウンド[BR100質量部(BR01、JSR社製)と、カーボンブラック40質量部(シースト9M、東海カーボン社製)と、ステアリン酸2質量部(ビーズステアリン酸NY、日本油脂社製)、老化防止剤2質量部(ノクラック224、大内新興化学工業社製)、イオウ1.5質量部(粉末イオウ、軽井沢精錬所社製)、加硫促進剤0.5質量部(サンセラーTT、三新化学工業社製)、酸化亜鉛5質量部(亜鉛華3号、正同化学社製)とをバンバリーミキサーを用いて80℃で5分間混練し、BR系コンパウンドを得た。得られたBR系コンパウンドをベースポリマー3として用いた。]
・ベースポリマー4:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名:アドマーQF500、三井化学社製)
・ベースポリマー5:無水マレイン酸変性ポリブテン(同上)
・混練機1:2軸混練押出機(商品名:TEX30、日本製鋼所社製)
・混練機2:バンバリー式混練機(商品名:MIXTRON BB2、神戸製鋼所社製)
第2表に示す結果から明らかなように、実施例6〜10のポリマーナノコンポジットは、平均クレイ層間距離が大きく、凝集塊がなく、ヤング率の増加率が高く、低いせん断速度で撹拌することによってポリマーナノコンポジット中に有機化クレイを高い分散性で分散させることができる。
これに対して、比較例3〜8は、平均クレイ層間距離が小さく、凝集塊が発生し、ヤング率の増加率が低く、ポリマーナノコンポジット中に有機化クレイを十分に分散させるためにはせん断速度を高くする必要がある。
図1は、高速かくはん機の一例を模式的に示す縦断面図である。 図2は、回転羽根11を模式的に示す断面図、平面図および側面図である。
符号の説明
1 かくはん槽
2 外槽
3、8b 冷却水室
4 流入管
5、6 供給管
5a、6a 弁
7 堰板
8 上部容器
8a 蓋
9 流出管
10 回転軸
11 回転羽根
12 多孔円筒部
12a 小孔
13 アーム
13a 連通孔
14 ボス
L クレイ含有溶液
S 間隙

Claims (5)

  1. 有機化クレイ100質量部に対して、アニオン性極性基およびアニオン性極性結合のうちの片方または両方を有するポリマー10〜1,000質量部と、溶媒とを含有する、粘度10〜10,000mPa・sのクレイ含有溶液を、せん断速度5,000s-1以上のせん断場において撹拌をし、クレイ分散溶液とする撹拌工程と、
    前記クレイ分散溶液から前記溶媒を分離して有機化クレイマスターバッチとする分離工程とを具備する有機化クレイマスターバッチの製造方法。
  2. 前記有機化クレイが、層間陽イオンが第四級アルキルアンモニウムイオンでイオン交換されているスメクタイトである請求項1に記載の有機化クレイマスターバッチの製造方法。
  3. 前記撹拌が、薄膜旋回型撹拌機を用いて行われる請求項1または2に記載の有機化クレイマスターバッチの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の有機化クレイマスターバッチの製造方法によって得られる有機化クレイマスターバッチ。
  5. 請求項4に記載の有機化クレイマスターバッチとベースポリマーとを含有するポリマーナノコンポジット。
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