JP2010090304A - スラリーの製造方法、製造システム、およびスラリー成形物 - Google Patents

スラリーの製造方法、製造システム、およびスラリー成形物 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリマーを溶剤中に迅速に溶解でき、かつフィラー等の添加物を溶液中に迅速に分散できるスラリーの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーの製造方法であって、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を、薄膜旋回ミキサー中で同時に行うことを特徴とするスラリーの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポリマー溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、溶剤へのポリマーの溶解と非溶解性粉末の分散とを薄膜旋回ミキサーを用いて同時に行うことによってスラリーを製造する方法に関するものである。
ポリマー溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーは、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイス用電極作製用スラリー、塗料、トナー、研磨剤等の多くの用途に活用されている。また、このようなスラリーは多孔膜を作製するスラリーにも活用でき、これから得られた多孔膜はフィルター、電池セパレータ等に活用されている。
このようなスラリーは例えば次のような工程を経て製造される。すなわち、(I)ポリマーを溶剤に溶解して高粘度のポリマー溶液を製造する工程、(II)前記ポリマー溶液中に非溶解粉末を混練して分散する工程、(III)前記混練されたものを溶剤で希釈しスラリー化する工程、を含む。また、該スラリーから多孔膜を作製する場合は、該スラリー中にポリマーに対して貧溶剤となる成分を添加することもあり、このような場合は上記(I)〜(III)の工程に、さらに(IV)該貧溶剤を添加する工程が加わる。このように、従来、スラリーは非常に煩雑な工程を経て得られていた。
ここで、このようなスラリーを効率よく製造するために薄膜旋回ミキサーを用いることが提案されている。この薄膜旋回ミキサーは強いせん断場を発生させ、このせん断場を用いて効率よく分散を達成するミキサーである。このミキサーの技術は特許文献1または2などで開示されているが、通常は溶剤に非溶解性の粉末を分散させる装置として適用されている。特許文献2はポリアクリロニトリル変性ゴム結着剤のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分8重量%)中にアルミナ微粒子を分散させたスラリーを薄膜旋回ミキサーで調整する例である。しかしながら、この特許文献2では、ポリマー溶液中にアルミナ微粒子を分散させることのみに薄膜旋回ミキサーを適用しており、ポリマー溶液の調整に関して具体的な開示はなく、結局のところ、ポリマー溶液を調整する工程と、ポリマー溶液中にアルミナ微粒子を分散させる工程とを別々に実施しており、スラリーの製造工程全体の迅速化という点では不十分である。
特開2001−300281号公報 特開2006−241271号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、ポリマーを溶剤中に迅速に溶解でき、且つ非溶解性粉末をポリマー溶液中へ迅速に分散できるスラリーの製造方法を提供することにある。
本発明者ら、上記課題を解決すべく、検討を重ねた結果、特定の混練装置を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。すなわち本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーの製造方法であって、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を、薄膜旋回ミキサー中で同時に行うことを特徴とするスラリーの製造方法。
(2)予め該ポリマーおよび該非溶解性粉末を該溶剤中へ分散させておき、この分散液を該薄膜旋回ミキサーへ供給し、該分散液を該薄膜旋回ミキサーで攪拌して、該ポリマーの該溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行うことを特徴とする(1)記載のスラリーの製造方法。
(3)該溶剤が、該ポリマーに対して良溶剤となる溶剤と、該ポリマーに対して貧溶剤となる溶剤とを含むことを特徴とする(1)または(2)記載のスラリーの製造方法。
(4)該薄膜旋回ミキサーは少なくとも2つの液体供給口を備え、一方の液体供給口からは少なくとも該ポリマーと該良溶剤を供給し、他方の液体供給口からは少なくとも該貧溶剤を供給することを特徴とする(3)記載のスラリーの製造方法。
(5)該ポリマーがアラミド樹脂であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(6)該ポリマーの形状が粉末状であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(7)該粉末状ポリマーの平均粒子径が0.1〜200μmであることを特徴とする(6)記載のスラリーの製造方法。
(8)該溶剤が極性アミド溶剤を含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(9)該非溶解性粉末が無機粒子であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(10)該無機粒子の平均粒子径が0.010〜1μmであることを特徴とする(9)記載のスラリーの製造方法。
(11)該薄膜旋回ミキサー中における滞留時間が5〜60秒であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(12)該薄膜旋回ミキサーを周速20〜50m/秒で運転することを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
(13)ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーを製造するシステムであって、該ポリマーを供給する手段と、該ポリマーの溶剤を供給する手段と、該非溶解性粉末を供給する手段と、前記各供給手段からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサーと、を備えたことを特徴とするスラリーの製造システム。
(14)ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーを製造するシステムであって、該ポリマーを供給する手段と、該ポリマーの溶剤を供給する手段と、該非溶解性粉末を供給する手段と、前記各供給手段からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を混合して分散する分散手段と、この分散手段からの分散液を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサーと、を備えたことを特徴とするスラリーの製造システム。
(15)上記(1)〜(12)のいずれかに記載のスラリーを用いて製造したことを特徴とするスラリー成形物。
本発明によれば、ポリマーを溶剤中に迅速に溶解でき、かつ非溶解性粉末をポリマー溶液中へ迅速かつ均一に分散できる。さらに、これらの工程を同時に実施することで工程の短縮が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[スラリー]
本発明の製造方法で製造されるスラリーは、ポリマーを溶剤に溶解した溶液中に、非溶解性粉末を分散させたスラリーである。ここで、ポリマーは溶剤に溶解していれば特に限定されるものではなく、また溶剤もポリマーを溶解するものであれば特に限定されない。
[ポリマー]
本発明におけるポリマーとは、熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂であって、溶剤へ溶解可能な高分子重合体のことを云う。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、等公知の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
また、上記熱硬化樹脂としては、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂、オルガノシラン系の熱硬化性樹脂、メラミン系熱硬化性樹脂、イソシアネート系熱硬化性樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂、等公知の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂は、単独で用いても良く、異なる種類を2種以上用いても良いが、2種以上用いる場合同種類のものが好ましい。
上記の高分子重合体のうち、ポリアミド樹脂、特に全芳香族ポリアミド樹脂(アラミド)が好ましい。
[溶剤]
本発明における溶剤は、ポリマーを溶解する液体であれば、いずれのものをも用いることができる。例えば、ポリマーが水溶性の場合は、溶剤として水、或いは水溶液を用いることができ、ポリマーが非水溶性の場合は、有機溶剤を用いることができる。
本発明において、ポリマーがアラミド樹脂の場合、溶剤はアラミド樹脂を溶解するものを好適に用いることができる。これらのうち、アミド系溶剤、特に極性アミド系溶剤がアラミド樹脂の溶解性が高いため好ましい。このような極性アミド系溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノンなどを例示することができる。取扱い性や安定性及び溶剤の毒性等の点から、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
[非溶解性粉末]
非溶解性粉末とは、ポリマーを溶剤に溶解した溶液に対して非溶解性であれば特に限定されない。非溶解性粉末としては、例えば有機粉末、無機粉末ともに適用することが可能である。また、非溶解性粉末の形状も特に限定されるものではなく、該溶液に分散可能なもので、粉末状のものであれば適用でき、アスペクト比が高いウィスカーや短繊維、ナノチューブ等の粉末も含まれる。
上記有機粉末としては、例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどの耐熱性ポリマー粒子を挙げることができる。
また、上記無機粉末としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン(チタニア)、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム(ジルコニア)などの金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属の硫酸塩、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモンドなどの炭素、カオリン、クレー、ベントナイトなどの粘土鉱物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物を挙げることができる。
本発明における非溶解性粉末には、特に無機物からなる無機粒子が好適である。無機物は比重が高く通常これを含むスラリーは沈降分離しやすく、安定化するためには表面処理等の高度な技術が要求される。本発明の製造法で得られたスラリーは強いせん断場で高度に分散されるため比重の高い無機粒子からなるスラリーにおいても沈降安定性が高いものが得られる。
上記無機粒子は、平均粒子径が0.01〜1μmと微小な場合は特に好適である。このような微小な粒子は表面自由エネルギーが高く凝集する傾向にあり、このような微粒子を含むスラリーの調整は一般的に難しく分散に時間のかかる作業となる。本発明の方法では、薄膜旋回ミキサーを用いることで強いせん断場中で分散操作を行うためこのような微小粒子も効率よく分散することが可能となる。
[溶解・分散装置]
本発明では溶解装置として薄膜旋回ミキサーを用いる。薄膜旋回ミキサーとは、ミキサー内で溶剤中に分散した固体状のポリマーを薄膜の状態で旋回し、強いせん断場に曝す機能を有するミキサーを云う。
該薄膜旋回ミキサーとしては、例えば、図1に示すようなものが挙げられる。すなわち、図1において、薄膜旋回ミキサー1は、モータ10、駆動軸11、攪拌具12、略円筒状の攪拌槽13、リング状の堰板14、および冷却手段15を備えている。攪拌具12は、攪拌槽13の内部に配設されており、攪拌槽13の内径よりも僅かに径小でかつ周面に多数の孔が形成された円筒部121を有している。この円筒部121は、駆動軸11および攪拌槽13と同軸上に設けられており、モータ10からの駆動力を受けて攪拌槽13内において高速に回転可能とされている。攪拌槽13の底部には液体供給口131,132が設けられており、これら液体供給口131,132から原料液体が攪拌槽13内に供給されるようになっている。攪拌槽13の上部には、処理液排出口133が設けられており、堰板14を超えて上部に流動したポリマー溶液は、この処理液排出口133を介して外部に排出されるようになっている。冷却手段15は、攪拌槽13の外側を取り囲む冷却容器150と、この冷却容器150内にそれぞれ接続された冷却水供給口151および排出口152とを備えており、冷却水が供給口151から冷却容器150内部を通って排出口152へと流動するよう構成されており、これにより攪拌槽13を所定温度に制御することが可能となっている。このような薄膜旋回ミキサー1においては、撹拌槽13に少量の被処理液を供給して撹拌具12を高速回転させると、被処理液16は撹拌槽13の内面に沿って薄い円筒状に立ち上がりながら撹拌され、強いせん断場に曝されるようになる。このような薄膜旋回ミキサーについては、例えば、特開2001−300281号公報に詳細に記載されている。また、本発明における薄膜旋回ミキサーとして、例えば、プライミックス社製の薄膜旋回ミキサー T.K.フィルミックス(登録商標、型式FM−80−50)を挙げることができる。なお、本発明において、薄膜旋回ミキサーは図1に示した構成に限定されるものではなく、例えば特開平11−333275に示された回転翼を備えたタイプなど、被処理液を薄膜状に旋回させて強いせん断場を形成するものであればいずれをも使用することができる。
[スラリーの製造方法]
本発明のスラリー製造方法は、ポリマーの溶剤への溶解、非溶解粉末の分散を薄膜旋回ミキサー中で同時に行うことを特徴とする。このようなスラリーを製造する場合、従来の方法では、(I)ポリマーを溶剤へ溶解する工程、(II)ポリマーを溶剤へ溶解した溶液中へ非溶解粉末を分散する工程が別々に存在し非常に煩雑であるだけでなく、スラリー製造装置も溶解装置、分散装置と機能別に設置する必要がありコスト高になっていた。
本発明では薄膜旋回ミキサーを用いることでこれらの工程を同時に行うことを可能にしている。薄膜旋回ミキサーは分散装置としてはよく知られた装置であるが、本発明は薄膜旋回ミキサーをポリマー溶解装置にも適用し、これらの工程を同時に実施することが特徴である。
具体的には、溶剤、ポリマー、非溶解性粉末を予め混合した分散液を薄膜旋回ミキサーへ供給し、薄膜旋回ミキサーを通すことでポリマーの溶解と非溶解性粉末の高度な分散を実施する方法が挙げられる。また、溶剤、ポリマー、非溶解性粉末を別々の供給口から薄膜旋回ミキサーへ投入し薄膜旋回ミキサー中でポリマーの溶解、非溶解性粉末の高度な分散を実施する方法なども挙げられる。
ポリマー、非溶解性粉末を予め混合した分散液の調整は、これらを容器に投入し、ディスパー翼、タービン翼、プロペラ翼、パドル翼、アンカー翼等の汎用的な攪拌翼で攪拌することで行うことができる。この工程では送液可能な状態にまで分散すればよく、非溶解性粉末を高度に分散する必要性はなく、またポリマーを溶解する必要なない。故に、攪拌時間は装置のスケール等にも依存するが、概ね30分以下で十分であり、5分以下でも可能である。また、温度も厳密な制御は不要である。通常ポリマーを溶解する場合は、適切な温度制御をしないと継粉が発生することや溶解が不十分になるということが起こるが、この工程で仮にポリマーを膨潤させてしまい継粉が発生したとしても、次の薄膜旋回ミキサーでの工程においてこの不具合は十分に解消可能である。ただ、薄膜旋回ミキサーの運転ではせん断発熱が大きいので極力冷却しておいた方が薄膜旋回ミキサーの運転は容易となる。このような観点からこの分散液は10℃以下に制御した方が好ましく、さらに好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−10℃以下に制御した方がよい。
この分散液を薄膜旋回ミキサーへ供給する手法は特に限定されない。運転に不具合を生じさせない程度の定量性をもって供給されればよい。具体的な供給手段としては、ギアポンプ、チューブポンプ、フランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、ロータリーポンプなどが挙げられ、いずれの手法も好適に用いられることができる。
このように本発明では、薄膜旋回ミキサー中で溶剤へのポリマー溶解と非溶解性粉末の分散を同時に行う。薄膜旋回ミキサー中へ前記分散液が供給されると薄膜旋回ミキサー中の強いせん断場に前記分散液は曝される。このせん断場において仮に継粉状の成分があっても高度に分散され大きな溶剤との接触面積を獲得することができ短時間で容易に溶剤中へ溶解される。また、非溶解性粉末もこの強いせん断場中で高度に分散される。故に、薄膜旋回ミキサーを通過した前記分散液はポリマーが溶剤に溶解した溶液中に非溶解性粉末が高度に分散したスラリーとなり、このようなスラリーを本発明の製造方法によれば容易に得ることができる。
本発明において薄膜旋回ミキサー運転時の滞留時間は5〜60秒が好ましく、さらに好ましくは5〜30秒である。滞留時間が5秒より短いと、該分散液がせん断場に曝される時間が短すぎてポリマーを十分に溶解することができなかったり、非溶解性粉末を高度に分散するこことが困難となったりして好ましくない。また、60秒を超えるとせん断発熱による熱が蓄積されこれを十分に除去することが難しくなるだけでなく、生産性も低下するため好ましくない。
本発明において薄膜旋回ミキサーの運転時周速は20〜50m/秒が好適である。周速が20m/秒より遅いとせん断力が弱いためポリマーを十分に溶解することができなかったり、非溶解性粉末を高度に分散するこことが困難となったりして好ましくない。また、周速が50m/秒を超えるとせん断発熱が大きくなりすぎ温度制御が困難となる。
[貧溶剤]
相転換法により多孔膜を製造する技術においてはポリマーに対して貧溶剤となる成分をキャスト溶液に添加することで孔径が制御できることが公知技術として知られている。例えば、前記スラリーを用いて多孔膜を製造する場合に孔径制御の観点からポリマーに対して貧溶剤に相当する溶剤を添加する必要性が生じることもあり得る。通常、貧溶剤の添加は別の工程として実施する必要で添加速度を厳密に制御しないとゲル化などの不具合をきたすことがあり、工程デザインが難しい。本発明のスラリー製造方法によれば、該溶剤がポリマーに対して良溶剤に相当する成分と貧溶剤に相当する成分からなる混合溶剤であってもポリマーの溶解が可能であるため、別の工程を設けることなくポリマーに対して貧溶剤成分を含んだスラリーを簡潔な工程で調整することが可能となる。これは、薄膜旋回ミキサー中の強いせん断場中でポリマーが高度に分散されるため通常の方法に比べ溶解性が著しく高くなっているからであり、このような状態が得られるので通常の方法では溶解困難な溶剤においてもポリマー溶解が好適に達成されるからである。
前記貧溶剤が添加されている系において、該貧溶剤は予め前記分散液中に添加しておいてもよいが、少なくとも2つの液体供給口を供えた薄膜旋回ミキサーを用いて別々の供給口から薄膜旋回ミキサーへ供給し、薄膜旋回ミキサー内で混合する方法の方がさらに好ましい。この方法ではさらに多量の貧溶剤を添加することが可能となったり、薄膜旋回ミキサーを用いた工程の時間短縮になったりするという効果が得られる。
[アラミド樹脂溶解スラリーの製造方法]
本発明のスラリー製造方法は、該ポリマーがアラミド樹脂である場合特に有効である。ここでアラミド樹脂とは、1種又は2種以上の2価の芳香族基が直接アミド結合により連結されているポリマーであって、該芳香族基は2個の芳香環が酸素、硫黄又はアルキレン基で結合されたものであってもよい。また、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、クロルキなどのハロゲン基等が含まれていてもよい。さらには、これらアミド結合は限定されず、パラ型、メタ型のどちらでもよい。かかるアラミドの具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレンなどが挙げられる。
前記アラミド樹脂は分子間力が強いため固化させたものを溶剤へ溶解することが通常の方法では難しいポリマーである。本発明の方法ではアラミド樹脂の溶剤への溶解が容易に達成されるため効果的にアラミド樹脂が溶剤に溶解した溶液中に非溶解粉末が分散したスラリーを得ることができる。前記アラミド樹脂を容易に溶解できるのは薄膜旋回ミキサー中の強いせん断場によりアラミド樹脂が高度に分散されるためである。
本発明に適用可能なアラミド樹脂の形態は特に限定されず、粉末状、繊維状、フィブリル状などいずれの形態も適用可能である。ただし、接触面積が大きく溶解が容易という観点においては粉末状であることが特に好ましい。
本発明で使用するアラミド樹脂は、公知の製造方法により製糸されたアラミド繊維はであっても良く、粒状、粉体状ものであっても良い。これらのうち、粉体状ものがアラミド樹脂の溶剤への溶解性が良好であるため、特に好ましい。
前記の粉末状アラミド樹脂の平均粒子径は0.1〜200μmの範囲が好ましい。平均粒子径が0.1μmより小さいとハンドリング性が低下し好ましくないだけでなく、このような粉末を得ることは実質的に困難である。また、200μmより大きいと接触面積が十分でなく溶解性が低下するため好ましくない。なお、平均粒子径は顕微鏡で観察する方法、コールター法等の手法から測定可能である。
本発明において、極性アミド溶剤に加え、アラミド樹脂に対し貧溶剤に相当する成分を含むことができる。本発明においては、極性アミド溶剤に加えアラミド樹脂に対して貧溶剤となる成分が添加されていてもアラミド樹脂の溶解が可能となる。
該貧溶剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶剤、水などが挙げられる。これらの成分はアラミド樹脂の溶解を阻害しない範囲で添加される。具体的な添加量はアラミド樹脂、極性アミド溶剤、貧溶剤の組み合わせによるが、溶剤全量に対して概ね50重量%以下の範囲で貧溶剤を添加することが可能である。
相分離法を用いてアラミド多孔膜を作製する場合、これら貧溶剤をアラミド樹脂溶液に添加し多孔構造を制御する技術は公知であり、この貧溶剤を適量添加することで好適な多孔構造が得られる場合が多い。ただし、貧溶剤を所定量予め添加した溶剤にアラミド樹脂を溶解することは困難であるため、極性アミド溶剤へアラミド樹脂を溶解したアラミド樹脂溶液を作製した後、貧溶剤を添加する工程が必要で、非常に煩雑であった。しかし、この本発明では薄膜旋回ミキサーを適用しているため溶解を効率よく行うことができる。そのため予め貧溶剤を添加した溶剤にも十分に溶解可能であり、多孔膜を製造する際に用いるアラミド樹脂溶液を得るためには非常に有効な手段となる。
貧溶剤を添加する場合、予め貧溶剤と極性アミド溶剤を混合してこれを薄膜旋回ミキサーに送液してもよいが、貧溶剤を別の供給口から供給し、薄膜旋回ミキサー内で貧溶剤と極性アミド溶剤が混合されるような形態の方がさらに好ましい。このような手法とすることで溶解時間が短縮され生産性を向上させることが可能である。特に、貧溶剤を多量に添加する場合にこの手法は有効である。
本発明において、アラミド樹脂溶液の製造に薄膜旋回ミキサーを用いる。薄膜旋回ミキサー中でアラミド樹脂は強いせん断場にさらされ、固体状のアラミド樹脂は、先ず溶剤中に極めて良好に分散される。このため固体状のアラミド樹脂と溶剤との接触面積が大きくなり容易に溶解することが可能となる。
本発明において、薄膜旋回ミキサーの運転時周速は20〜50m/秒が好適である。周速が20m/秒より遅いとアラミド樹脂を十分に溶解することが困難となり好ましくない。また、周速が50m/秒を超えるとせん断発熱が大きくなりすぎ温度制御が困難となる。
本発明において薄膜旋回ミキサー運転時の滞留時間は5〜60秒が好適であり、さらに5〜30秒が好ましい。滞留時間が5秒より短いと、該分散液がせん断場に曝される時間が短すぎてポリマーを十分に溶解することができなかったり、非溶解性粉末を高度に分散するこことが困難となったりして好ましくない。また、60秒を超えるとせん断発熱による熱が蓄積されこれを十分に除去することが難しくなるだけでなく、生産性も低下するため好ましくない。
本発明において薄膜旋回ミキサーの運転温度は20〜100℃が好適である。運転温度が20℃より低いとアラミド樹脂を十分に溶解することができない。また、運転温度が100℃を超えると溶剤の蒸発等が問題となり好ましくない。また、貧溶剤を添加した系においてはゲル化の問題も生じる。貧溶剤を添加した場合、アラミド樹脂溶液が高温にさらされるとゲル化するという問題が生じ、好適な温度範囲は貧溶剤の添加量によって詳細には決定されるが、概ね100℃以下、さらに好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。
薄膜旋回ミキサーへ送液される該分散液の温度は特に限定されるものではないが、−15〜25℃が好適である。温度が−15℃より低くなると該溶剤が凝固し送液に支障をきたすことがあり好ましくない。上限温度は特に限定されるものではないが、少なくとも加温は不要である。そのような観点から25℃より高い温度である必要はない。また、薄膜旋回ミキサー運転時に発生する剪断熱により液温は上昇し、これを効率的に除去する必要があるが、この効率を考えると25℃以下の低温が運転上好ましく、0℃以下の低温がさらに好ましい。さらに、溶解を効率よく行うためにはこの分散液中でアラミド樹脂を極性アミド溶剤で膨潤させることは好ましいことではなく、このような観点からも25℃以下が好適であり、さらに0℃以下が好適で、さらに−10℃以下が好適である。
[スラリーの製造システム]
本発明において、上述したスラリーの製造方法は例えば以下の製造システムにより好適に実現することが可能である。
例えば、図2に示すように、本発明のアラミドポリマー溶液の製造システムSは、ポリマーを供給するポリマー供給手段2と、該ポリマーを溶解する良溶剤を供給する良溶剤供給手段3と、非溶解性粉末を供給するフィラー供給手段4と、各供給手段2〜4からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサー1と、ポリマー溶液の回収容器5とを備えて構成されている。なお、ポリマー供給手段2およびフィラー供給手段4はフィーダー等を有して構成され、良溶剤供給手段3はポンプ等を有して構成される。また、薄膜旋回ミキサー1としては図1に示したタイプのものを使用できる。
また、本発明のスラリーの製造システムSは、図2に示したシステムにおいて、さらにポリマー、溶剤および非溶解性粉末を混合・分散させて分散液を作製する分散器を加えても良い。すなわち、例えば図3に示すように、分散器6は、ポリマー供給手段2からポリマーが供給され、良溶剤供給手段3から良溶剤が供給され、フィラー供給手段4から非溶解性粉末が供給されるようになっており、分散器6にて作製された分散液は薄膜旋回ミキサー1へと供給されるよう構成されている。このような分散器6としては、上述したようにタービン翼等の攪拌翼を有したものを使用することができる。
ポリマー溶液中に、該ポリマーに対して貧溶剤となる成分を加える場合には、図2に示したシステムにさらに貧溶剤を供給する手段を加えても良い。すなわち、図4に示すように、システムSは、薄膜旋回ミキサー1に貧溶剤を供給する貧溶剤供給手段7を備えている。このような貧溶剤供給手段7はポンプ等を有して構成される。
貧溶剤供給手段を備えたシステムの他の例として、例えば図5に示したようなものも挙げられる。すなわち、図5において、システムSは、ポリマー供給手段2と、良溶剤供給手段3と、フィラー供給手段4と、薄膜旋回ミキサー1と、貧溶剤供給手段7と、混合器8と、回収容器5とを備えて構成されている。薄膜旋回ミキサー1には、ポリマー供給手段2からのアラミドポリマーと、良溶剤供給手段3からの良溶剤と、フィラー供給手段4からの非溶解性粉末が供給されるようになっている。混合器8には、薄膜旋回ミキサー1により作製されたスラリーと、貧溶剤供給手段8からの貧溶剤が供給され、この混合器8によりこれらが混合されて、最終的なスラリーが作製されるようになっている。なお、混合器8としては、上述した分散器6と同様のものを使用することができる。
[スラリー成形物]
本発明には、上述した方法で作製したスラリーを用いて製造したスラリー成形物も含まれる。
上述したスラリーの製造法によれば、ポリマーを溶解するために硫酸や無機塩等を使用せずに済み、スラリー中に未溶解のままのポリマーが残存してしまう可能性も極めて低い。したがって、かかるスラリーを用いて得られた成形物は、硫酸や無機塩等の不純物が含まれることもなく高品質のものとなる。このようなスラリー成形物としては、例えばリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイス用電極、塗料、トナー、研磨剤、フィルター、電池セパレータ等が挙げられ、様々な用途に広く利用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
[平均粒子径の測定]
平均粒子径はサンプルを走査型電子顕微鏡で30サンプル観察し、その画像から粒子の面積を求め、これを円で近似した場合に算出される直径を求め、これを平均粒子径とした。
[ガーレ値]
サンプルのガーレ値を、JIS P8117の規格に準じて測定した。
[実施例1]
混合タンクに、ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン粉末(商品名:KFポリマー:クレハ化学社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末としてメソカーボンマイクロビーズ(商品名:MCMB25−28:大阪ガス化学社製:平均粒子径25μm)を77重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を1.8重量部、溶剤としてN−2−メチルピロリドンを94重量部入れ、−10℃に冷却し、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が30秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速40m/秒とし、内部温度は70℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
このスラリーを銅箔(厚さ20μm:日本製箔社製)にドクターブレードを用いて塗工し、これを150℃で乾燥した。その結果、銅箔上にポリフッ化ビニリデンによってメソカーボンマイクロビーズとアセチレンブラックが結着した厚み100μmの均一な塗工膜(リチウムイオン二次電池用負極シート)を形成することができ、粉落ちも認められなかった。これより、ポリマー溶解、非溶解性粉末の分散は十分であることが分かる。
[実施例2]
混合タンクに、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末として活性炭粉末(商品名:MSP−20:関西熱化学社製:平均粒子径10μm)を77重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を3重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、−10℃に冷却し、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が30秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速40m/秒とし、内部温度は70℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
このスラリーをアルミ箔(厚さ20μm:日本製箔社製)にドクターブレードを用いて塗工し、これを200℃で乾燥した。その結果、アルミ箔上にメタ型アラミド樹脂によって活性炭とアセチレンブラックが結着した厚み35μmの均一な塗工膜(電気二重層キャパシタ用電極シート)を形成することができ、粉落ちも認められなかった。これより、ポリマー溶解、非溶解性粉末の分散は十分であることが分かる。
[実施例3]
混合タンクに、ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン粉末(商品名:KFポリマー:クレハ化学社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末としてコバルト酸リチウム(日本化学工業社製:平均粒子径8μm)を重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を3重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、−10℃に冷却し、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が30秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速40m/秒とし、内部温度は70℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
このスラリーをアルミ箔(厚さ20μm:日本製箔社製)にドクターブレードを用いて塗工し、これを150℃で乾燥した。その結果、アルミ箔上にポリフッ化ビニリデンによってコバルト酸リチウムとアセチレンブラックが結着した厚み100μmの均一な塗工膜(リチウムイオン二次電池用正極シート)を形成することができ、粉落ちも認められなかった。これより、ポリマー溶解、非溶解性粉末の分散は十分であることが分かる。
[実施例4]
攪拌翼、温度計、窒素流入管および粉体添加口を有するセパラブルフラスコを十分に乾燥し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)2200重量部を仕込み、200℃で2時間真空乾燥した塩化カルシウム粉末151.07重量部を添加し、100℃に昇温して完全に溶解させた。常温に戻して、パラフェニレンジアミン68.23重量部を添加し完全に溶解させた。この溶液を20℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライド124.97重量部を少量ずつ添加した。その後も攪拌しながら、溶液を20℃に保ったまま1時間放置した。その後、水酸化カルシウムで中和することでポリパラフェニレンテレフタルアミドのNMP溶液を得た。
ミキサーにイオン交換水200重量部を入れ攪拌を行い、ここに前記ポリパラフェニレンテレフタルアミドのNMP溶液を少量ずつ100重量部添加した。その結果、ミキサー内ではポリパラフェニレンテレフタルアミドが析出した分散液が得られた。この分散液を吸引ろ過することで平均粒子径5μmのポリパラフェニレンテレフタルアミド粉末を得た。
混合タンクに、ポリマーとして前記ポリパラフェニレンテレフタルアミド粉末を5重量部、非溶解性粉末としてアルミナ粉末(シーアイ化成社製:平均粒子径20nm)を5重量部、溶剤としてNMPを195重量部入れ、−10℃に冷却し、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が30秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速45m/秒とし、内部温度は90℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
ポリエチレンパウダーとしてTicona社製のGUR2126(重量平均分子量415万、融点141℃)とGURX143(重量平均分子量56万、融点135℃)を用いた。GUR2126とGURX143を1:9(重量比)となるようにして、ポリエチレン濃度が30重量%となるように流動パラフィン(松村石油研究所社製;スモイルP−350P;沸点480℃)とデカリンの混合溶媒中に溶解させ、ポリエチレン溶液を作製した。該ポリエチレン溶液の組成はポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=30:45:25(重量比)である。このポリエチレン溶液を148℃でダイから押し出し、水浴中で冷却してゲル状テープ(ベーステープ)を作製した。該ベーステープを60℃で8分、95℃で15分乾燥し、該ベーステープを縦延伸、横延伸と逐次行う2軸延伸にて延伸した。ここで、縦延伸は5.5倍、延伸温度は90℃、横延伸は延伸倍率11.0倍、延伸温度は105℃とした。横延伸の後に125℃で熱固定を行った。次にこれを塩化メチレン浴に浸漬し、流動パラフィンとデカリンを抽出した。その後、50℃で乾燥し、120℃でアニール処理することでポリエチレン微多孔膜を得た。
前記ポリエチレン微多孔膜の片面へ前記スラリーをナイフコーターで塗工し、これを23℃、相対湿度50%の雰囲気に10分間放置して、ポリパラフェニレンテレフタルアミドを析出させた。これをイオン交換水に浸漬させ12時間洗浄することでポリエチレン微多孔膜の片面にポリパラフェニレンテレフタルアミドとアルミナからなる均一な塗工膜を形成することができた。この塗工膜から粉落ちが認められることはなかった。これより、ポリマー溶解、非溶解性粉末の分散は十分であることが分かる。
このポリエチレン微多孔膜へ塗工膜を形成した複合膜のガーレ値(JIS P8117)を測定した結果、359秒/100ccであり塗工膜は多孔質であることが確認でき、この複合膜はリチウムイオン二次電池用セパレータやフィルターに適用可能であることが分かる。
[実施例5]
混合タンクに、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を5.8重量部、非溶解性粉末として水酸化アルミニウム(商品名:H−43M:昭和電工社製:平均粒子径0.8μm)を23.2重量部、溶剤としてジメチルアセトアミド(メタ型アラミド樹脂に対して良溶剤)を65.9重量部、トリプロピレングリコール(メタ型アラミド樹脂に対して貧溶剤)を28.3重量部入れた。これを−10℃に冷却してラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が10秒となるようにチューブポンプで送液した。薄膜旋回ミキサーは周速30m/秒とし、内部温度は40℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
マイヤーバーを2本対峙させ、その間に前記スラリーを適量のせた。実施例4で作製したポリエチレン微多孔膜を前記スラリーがのっているマイヤーバー間を通過させてポリエチレン微多孔膜の表裏面に前記スラリーを塗工した。ここでマイヤーバー間のクリアランスは30μm、マイヤーバーの番手は2本とも#6を用いた。これを重量比で水:ジメチルアセトアミド:トリプロピレングリコール=70:21:9で30℃となっている凝固液中に浸漬し、次いで水洗・乾燥を行い、該ポリエチレン微多孔膜の表裏両面に塗工膜を形成した。この塗工膜から粉落ちが認められることはなかった。これより、ポリマー溶解、非溶解性粉末の分散は十分であることが分かる。
このポリエチレン微多孔膜へ塗工膜を形成した複合膜のガーレ値(JIS P8117)を測定した結果、254秒/100ccであり塗工膜は多孔質であることが確認でき、この複合膜はリチウムイオン二次電池用セパレータやフィルターに適用可能であることが分かる。
[実施例6]
混合タンクに、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を5.0重量部、非溶解性粉末として水酸化アルミニウム(商品名:H−43M:昭和電工社製:平均粒子径0.8μm)を20.0重量部、溶剤としてジメチルアセトアミド(メタ型アラミド樹脂に対して良溶剤)を57重量部入れた。これを−10℃に冷却してラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで10分混合し分散液を調整した。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が10秒となるようにチューブポンプで送液した。さらに、別の供給口からトリプロピレングリコール(メタ型アラミド樹脂に対して貧溶剤)を重量比でジメチルアセトアミド6に対して4となるようにチューブポンプで薄膜旋回ミキサーへ送液し、トリプロピレングリコールが薄膜旋回ミキサー内で混合されるようにした。薄膜旋回ミキサーは周速30m/秒とし、内部温度は35℃となるようにチラーにて制御で運転した結果、スラリーを得ることができた。
マイヤーバーを2本対峙させ、その間に前記スラリーを適量のせた。実施例4で作製したポリエチレン微多孔膜を前記スラリーがのっているマイヤーバー間を通過させてポリエチレン微多孔膜の表裏面に前記スラリーを塗工した。ここでマイヤーバー間のクリアランスは30μm、マイヤーバーの番手は2本とも#6を用いた。これを重量比で水:ジメチルアセトアミド:トリプロピレングリコール=70:18:12で30℃となっている凝固液中に浸漬し、次いで水洗・乾燥を行い、該ポリエチレン微多孔膜の表裏両面に塗工膜を形成した。この塗工膜から粉落ちが認められることはなかった。これより、ポリマー溶解、非溶解性粉末の分散は十分であることが分かる。
このポリエチレン微多孔膜へ塗工膜を形成した複合膜のガーレ値(JIS P8117)を測定した結果、229秒/100ccであり塗工膜は多孔質であることが確認でき、この複合膜はリチウムイオン二次電池用セパレータやフィルターに適用可能であることが分かる。
[比較例1]
混合タンクに、ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン粉末(商品名:KFポリマー:クレハ化学社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末としてメソカーボンマイクロビーズ(商品名:MCMB25−28:大阪ガス化学社製:平均粒子径25μm)を52.2重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を1.8重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、70℃に加熱して、ラジアルフロータービン翼にて回転数300rpmで60分混合し分散液を調整した。
この分散液を銅箔(厚さ20μm:日本製箔社製)にドクターブレードを用いて塗工し、これを150℃で乾燥した。その結果、粉落ちが顕著に認められた。これは、ポリマーの溶解と非溶解性粉末の分散が不十分であるためである。
[比較例2]
容器に、ポリマーとしてメタ型アラミド樹脂粉末(商品名:コーネックス:帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)を6重量部、非溶解性粉末として活性炭粉末(商品名:MSP−20:関西熱化学社製:平均粒子径10μm)を77重量部とアセチレンブラック(商品名:デンカブラック:電気化学工業社製:平均粒子径35nm)を3重量部、溶剤としてジメチルアセトアミドを94重量部入れ、これを容器が自公転式に回転する攪拌装置泡取り練り太郎(登録商標;シンキー社製)を用い、25℃で10分間攪拌し分散液を調整した。
この分散液をアルミ箔(厚さ20μm:日本製箔社製)にドクターブレードを用いて塗工し、これを200℃で乾燥した。その結果、塗工膜を形成することが出来なかった。これは、ポリマーの溶解が極めて不十分であるためである。
溶剤へのポリマーの溶解及び非溶解性粉末の分散を薄膜旋回ミキサー中で同時に行った本発明のスラリーの製造方法による実施例1〜6のスラリーは、何れもポリマー溶解、非溶解性粉末の分散が十分なものであった。一方、スラリーの製造に薄膜旋回ミキサーを用いず、ラジアルフロータービン翼を用いた比較例1のスラリー、攪拌装置泡取り練り太郎を用いた比較例2のスラリーは、何れもポリマーの溶解と非溶解性粉末の分散が不十分であった。
[比較例3]
メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス粉末(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製:平均粒子径100μm)15重量部を−10℃に冷却したジメチルアセトアミド85重量部に入れ、ラジアルフロータービン翼にて5分間攪拌した。この分散液をチューブポンプで薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が20秒となるように送液した。このとき、薄膜旋回ミキサーは周速27m/秒で運転し、内部温度が60℃となるようにチラーにて温調した。このような方法で15重量%のコーネックスのジメチルアセトアミド溶液を得た。
この溶液中にコーネックスに対し4倍量の水酸化アルミニウム粉末(H−43M:昭和電工製:平均粒子径0.8μm)を添加し、3軸遊星方式の分散・混合機であるT.K.ハイビスディスパーミックス3D−5型(プライミックス社製)に投入し、3時間混練操作を行い、スラリーを得た。この得られたスラリー160重量部にジメチルアセトアミド180重量部、トリプロピレングリコール120重量部を前記スラリーへ混合することで希釈を行った。希釈操作はラジアルフロータービン翼でスラリーを攪拌し(300rpm)、そこにジメチルアセトアミドとトリプロピレングリコールの混合溶剤を1時間かけて混合した。希釈されたスラリーの組成は実施例6のものと同等である。
[比較例4]
比較例3で作製した15重量%のコーネックスのジメチルアセトアミド溶液100重量部にジメチルアセトアミド95重量部、トリプロピレングリコール120重量部を混合した。混合操作は前記溶液をラジアルフロータービン翼で攪拌し(300rpm)、そこにジメチルアセトアミドとトリプロピレングリコールの混合液を所定量1時間かけて行った。この溶液に水酸化アルミニウム粉末(H−43M:昭和電工製:平均粒子径0.8μm)60重量部を混合させ、300rpmの回転速度でラジアルフロータービン翼を回すことで分散させた。この分散液を薄膜旋回ミキサーT.K.フィルミックス(登録商標;プライミックス社製:型式FM−80−50)へ滞留時間が10秒となるようにチューブポンプで送液し、スラリーを得た。このときの薄膜旋回ミキサーの周速は30m/秒とし、内部温度が30℃となるようにチラーで制御した。このスラリーの組成は実施例6と同様のものである。
[分散性評価]
実施例6で作製したスラリーと比較例3、4で作製したスラリーの分散性評価を超音波式粒度分布・ゼータ電位測定装置DT−1200(ディスパージョン・テクノロジー社製)を用いて平均粒子径と粒度分布の標準偏差を測定することで実施した。超音波減衰率の実測値とECAH理論に基づき、連結相理論とセルモデル理論を用いて得られる理論的な減衰スペクトルとのカーブフィッティング法により粒度分布を求め、この分布におけるメディアン径を平均粒子径とした。ここで、粒度分布の解析は測定周波数1〜100MHzの範囲で行った。その結果、実施例6のスラリーは平均粒子径が0.52μmで、標準偏差が0.32μmであった。それに対し、比較例3のスラリーは平均粒子径が1.06μmで、標準偏差が0.33μmで、比較例4のスラリーは平均粒子径が0.93μmで、標準偏差が0.33μmであった。よって、本発明のスラリー製造方法は操作が簡便でありかつ工程が短縮されるにも関わらず、分散性に優れると言える。
溶剤へのポリマーの溶解は薄膜旋回ミキサー中で行ったが、ポリマー溶液への非溶解性粉末の分散を別途ラジアルフロータービン翼装着の撹拌機で行った比較例3のスラリーは、溶剤へのポリマーの溶解及び非溶解性粉末の分散を薄膜旋回ミキサー中で同時に行った本発明のスラリーの製造方法による実施例6のスラリーに比べて非溶解性粉末の分散性が劣る。
溶剤へのポリマーの溶解及び非溶解性粉末の分散を薄膜旋回ミキサー中で行ってもこれらを別々の工程で実施した比較例4のスラリーは、溶剤へのポリマーの溶解及び非溶解性粉末の分散を薄膜旋回ミキサー中で同時に行った本発明のスラリーの製造方法による実施例6のスラリーに比べて非溶解性粉末の分散性が劣る。
本発明によれば、ポリマーを溶剤中に、迅速に溶解でき、同時にフィラー等の添加物を均一に分散できる。また、このようなスラリーはリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ電極作成用スラリーやリチウムイオン二次電池用セパレータやフィルターに適用可能な多孔膜の製造に有効に活用できる。
本発明のスラリーの製造方法に用いられる薄膜旋回ミキサーを模式的に示した断面図である。 本発明のスラリーの製造システムの第1の例を示した模式図である。 本発明のスラリーの製造システムの第2の例を示した模式図である。 本発明のスラリーの製造システムの第3の例を示した模式図である。 本発明のスラリーの製造システムの第4の例を示した模式図である。
符号の説明
S…スラリーの製造システム
1…薄膜旋回ミキサー
2…ポリマー供給手段
3…良溶剤供給手段
4…フィラー供給手段
5…回収容器
6…分散器
7…貧溶剤供給手段
8…混合器

Claims (15)

  1. ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーの製造方法であって、
    該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を、薄膜旋回ミキサー中で同時に行うことを特徴とするスラリーの製造方法。
  2. 予め該ポリマーおよび該非溶解性粉末を該溶剤中へ分散させておき、
    この分散液を該薄膜旋回ミキサーへ供給し、該分散液を該薄膜旋回ミキサーで攪拌して、該ポリマーの該溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行うことを特徴とする請求項1記載のスラリーの製造方法。
  3. 該溶剤が、該ポリマーに対して良溶剤となる溶剤と、該ポリマーに対して貧溶剤となる溶剤とを含むことを特徴とする請求項1または2記載のスラリーの製造方法。
  4. 該薄膜旋回ミキサーは少なくとも2つの液体供給口を備え、
    一方の液体供給口からは少なくとも該ポリマーと該良溶剤を供給し、
    他方の液体供給口からは少なくとも該貧溶剤を供給することを特徴とする請求項3記載のスラリーの製造方法。
  5. 該ポリマーがアラミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
  6. 該ポリマーの形状が粉末状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
  7. 該粉末状ポリマーの平均粒子径が0.1〜200μmであることを特徴とする請求項6記載のスラリーの製造方法。
  8. 該溶剤が極性アミド溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
  9. 該非溶解性粉末が無機粒子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
  10. 該無機粒子の平均粒子径が0.010〜1μmであることを特徴とする請求項9記載のスラリーの製造方法。
  11. 該薄膜旋回ミキサー中における滞留時間が5〜60秒であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
  12. 該薄膜旋回ミキサーを周速20〜50m/秒で運転することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のスラリーの製造方法。
  13. ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーを製造するシステムであって、
    該ポリマーを供給する手段と、
    該ポリマーの溶剤を供給する手段と、
    該非溶解性粉末を供給する手段と、
    前記各供給手段からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサーと、を備えたこと
    を特徴とするスラリーの製造システム。
  14. ポリマーを溶解した溶液中に非溶解性粉末を分散させたスラリーを製造するシステムであって、
    該ポリマーを供給する手段と、
    該ポリマーの溶剤を供給する手段と、
    該非溶解性粉末を供給する手段と、
    前記各供給手段からそれぞれ供給されたポリマー、溶剤および非溶解性粉末を混合して分散する分散手段と、
    この分散手段からの分散液を薄膜状に旋回させて、該ポリマーの溶剤への溶解、および、該非溶解性粉末の分散を同時に行う薄膜旋回ミキサーと、を備えたこと
    を特徴とするスラリーの製造システム。
  15. 請求項1〜12のいずれかに記載のスラリーを用いて製造したことを特徴とするスラリー成形物。
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