JP5712629B2 - 多孔性フィルムおよび蓄電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、多孔性フィルムに関する。さらに詳しくは、非水溶媒電池、またはキャパシタに用いられるセパレータに好適に使用できる多孔性フィルムに関し、特に高機能多孔層を付与した場合、多孔層全体で機能を発現し、透気性が高く、セパレータとして用いた際に優れた電池特性を示す多孔性フィルムに関する。
リチウム電池やリチウムイオン電池などの非水溶媒電池は、使用する電解液が有機溶媒であり、水系電池の水溶液溶媒と比較して電池の発熱に対して安全性に劣るという問題がある。そのため、従来、非水溶媒電池、中でもエネルギー密度の大きなリチウムイオン電池の安全性を改善するために、ポリエチレンを主とするオレフィン系材料の微孔性多孔膜を用いたセパレータが使用されてきた。ポリエチレンが主として使用されるのは、ポリエチレンが有機溶媒中で使用可能なことに加え、電池が短絡などによって異常発熱した場合に適切な温度(130℃前後)でポリエチレンが溶融し、多孔構造が閉塞すること(シャットダウン)により安全性の確保が可能となるからである。
しかしながら、近年、ハイブリッド自動車(HEV)用電池、工具用電池等のような大型電池は、高出力化が進んでおり、130℃より高い温度に急激に上昇するため適切な温度(130℃前後)でシャットダウンする機能が必ずしも求められず、耐熱性が求められる。また、電池の高出力化、およびリチウムイオンキャパシタに用いるためには、セパレータ単体の低抵抗化が必要なため、セパレータの高空孔率、高い透気度が求められている。さらに、HEV用電池では、10年という長寿命と、さらに厳しい安全性を保障できることも重要となる。また、HEV用電池のような高いエネルギーとハイパワーを有する電池においては熱暴走時の発熱量が大きく、シャットダウン温度を超えても温度が上昇し続けた場合、セパレータの熱収縮に伴う破膜により両極が短絡し、さらなる発熱を引き起こすという問題がある。
さらに、様々な電池用途に対応したセパレータを提供していく上で、多孔性樹脂フィルムに種々の多孔層を設けることによって、高機能化を図っている例がある。例えば、無機粒子を含有した多孔層または、高い軟化点を有する有機粒子からなる多孔層を設けることによって、高耐熱性を付与し、融点が100〜140℃の有機粒子からなる多孔層を付与することによって、シャットダウン性を付与することができる。
ポリエチレンを用いたセパレータでは電池の高温試験に対しては140℃以下の温度で収縮が生じ易く電極間の短絡による発熱が生じるなど耐熱性に劣ることが問題であった。そのため、ポリエチレンよりも耐熱性が高いポリプロピレンの多孔性膜を用いたセパレータが提案されている(例えば特許文献1)。しかし、130〜140℃の温度領域においてシャットダウン性を有していないことおよび、200℃以上の高温時には多孔性膜に孔が開いてしまうことが、問題となる場合がある。
また、耐熱性に優れ、大型電池のような高出力用途に適しているポリプロピレン不織布をセパレータに用いる提案もされている(例えば特許文献2)。しかし、この場合には、繊維を構成材料とした不織布を基材としているために数μm程度の大きな平均孔径を有していることから、微短絡が起こりやすく、HEV用電池のような長寿命、またさらに厳しい安全性に対しては十分でなかった。さらに、不織布を用いる限り膜厚が大きくなり体積増加は必至であり、電池の小型軽量化という時代の流れに逆行してしまう問題点もある。
また、多孔質基材の表面から内部にまで樹脂粒子集合体を充填した複合多孔膜の提案がなされている(たとえば特許文献3)。しかしながら、この場合には微粒子が凝集する場合があり、微粒子の凝集に伴い、欠点が発生、または粒子の脱落を生じる可能性があるために、微短絡が起こりやすく、HEV用電池のような長寿命、またさらに厳しい安全性に対しては十分でない。
また、多孔質基材の表面に高軟化点の有機粒子または無機粒子層を塗布する提案がなされている(たとえば特許文献4)。また、ポリエチレン多孔性フィルムの表面に無機粒子を分散させたポリイミド、アラミドおよびポリアミドイミド層を塗布する提案がなされている(たとえば特許文献5)。また、ポリエチレン多孔性フィルムの表面にアラミド層を塗布し、さらにポリプロピレンおよびポリエチレン粒子を塗布する提案がなされている(たとえば特許文献6)。これらの場合には非水溶性ポリマーをバインダーとして使用し、塗布することが多い。上記の場合、高沸点であることから、有機溶媒の乾燥が困難となり、乾燥後も有機溶媒が多孔層中に存在し、電池特性に問題を及ばす場合がある。
また、不職布の表面に樹脂が被膜された耐熱性微粒子層が塗布する提案がなされている(たとえば特許文献7)。この場合、基材層が、繊維を構成材料とした不織布を基材としているために数μm程度の大きな平均孔径を有していることから、微短絡が起こりやすく、HEV用電池のような長寿命、またさらに厳しい安全性に対しては十分ではない。
また、塗布層と樹脂フィルムの接着性を向上するために、易接着層を積層する提案がなされている(たとえば特許文献8)。この場合、易接着層は、無孔層であり、電池のセパレータとして使用する場合、イオン電導ができずに電池のセパレータとして使用することができない。
特開平01−103634号公報 特開昭60−52号公報 特開2006−286311号公報 特開2007−273443号公報 特開2006−164873号公報 特開2002−151044号公報 特開2008−179903号公報 特開平8−333466号公報
本発明の課題は上記した問題点を解決することにある。すなわち、高機能多孔層を付与した場合、多孔層全体で機能を発現し、透気性が高く、セパレータとして用いた際に優れた電池特性を示す多孔性フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、β晶分率が50%以上であるポリプロピレン樹脂を含む多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機粒子と融点が100〜140℃の熱可塑性樹脂粒子とを含む多孔層を備え、長手方向の厚み偏差が平均値の10%以内であり、透気抵抗が50〜400秒/100mlであり、前記多孔層が、オキシラン環含有化合物および/またはオキシラン環含有化合物とカルボキシル基との反応物を含んでいる多孔性フィルムであることを特徴とする。
本発明の多孔性フィルムは、厚み偏差が小さく、多孔層全体で機能を発現し、透気性が高く、セパレータとして用いた際に優れた電池特性を示す多孔性フィルムとして提供することができる。
本発明において用いる多孔性樹脂フィルムは、フィルムの両表面を貫通し、透気性を有する微細な貫通孔を多数有しているフィルムである。多孔性フィルムも同様である。多孔性樹脂フィルムを構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、フッ素系樹脂などいずれでも構わないが、耐熱性、成形性、生産コストの低減、耐薬品性、耐酸化・還元性などの観点からポリオレフィン系樹脂が望ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂を構成する単量体成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、5−エチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられ、これらの単独重合体や上記単量体成分から選ばれる少なくとも2種以上の共重合体、およびこれら単独重合体や共重合体のブレンド物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。上記の単量体成分以外にも、例えば、ビニルアルコール、無水マレイン酸などを共重合、グラフト重合しても構わないが、これらに限定されるわけではない。上記の中で、耐熱性、透気性、空孔率などの観点からプロピレンを単量体成分として用いたポリプロピレンが好ましい。
フィルム中に貫通孔を形成する方法としては、湿式法、乾式法どちらでも構わないが、工程を簡略化できることから乾式法が望ましく、中でもフィルムを二軸配向させ、物性均一化や薄膜でありながら高い強度を維持できるという観点からβ晶法を用いることが好ましい。
β晶法を用いてフィルムに貫通孔を形成するためには、ポリプロピレン樹脂中にβ晶を多量に形成させることが重要となるが、そのためにはβ晶核剤と呼ばれる、ポリプロピレン樹脂中に添加することでβ晶を選択的に形成させる結晶化核剤を添加剤として用いることが好ましい。β晶核剤としては種々の顔料系化合物やアミド系化合物などを挙げることができるが、特に特開平5−310665号公報に開示されているアミド系化合物を好ましく用いることができる。β晶核剤の添加量としては、ポリプロピレン樹脂全体を100質量部とした場合、0.05〜0.5質量部であることが好ましく、0.1〜0.3質量部であればより好ましい。
本発明において用いる多孔性樹脂フィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、メルトフローレート(以下、MFRと表記する、測定条件は230℃、2.16kg)が2〜30g/10分の範囲のアイソタクチックポリプロピレン樹脂であることが好ましい。MFRが上記した好ましい範囲を外れると二軸延伸フィルムを得ることが困難となる場合がある。より好ましくは、MFRが3〜20g/10分である。
また、アイソタクチックポリプロピレン樹脂のアイソタクチックインデックスは90〜99.9%であれば好ましい。アイソタクチックインデックスが90%未満であると、樹脂の結晶性が低く、高い強度、加工性を達成するのが困難な場合がある。アイソタクチックポリプロピレン樹脂は市販されている樹脂を用いることができる。
本発明において用いる多孔性樹脂フィルムにはホモポリプロピレン樹脂を用いることができるのはもちろんのこと、製膜工程での安定性や造膜性、物性の均一性の観点から、ポリプロピレンにエチレン成分やブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン成分を5質量%以下の範囲で共重合してもよい。なお、ポリプロピレンへのコモノマーの導入形態としては、ランダム共重合でもブロック共重合でもいずれでも構わない。
また、上記したポリプロピレン樹脂は0.5〜5質量%の範囲で高溶融張力ポリプロピレンを含有させることが製膜性向上の点で好ましい。高溶融張力ポリプロピレンとは高分子量成分や分岐構造を有する成分をポリプロピレン樹脂中に混合したり、ポリプロピレンに長鎖分岐成分を共重合させたりすることで溶融状態での張力を高めたポリプロピレン樹脂であるが、中でも長鎖分岐成分を共重合させたポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。この高溶融張力ポリプロピレンは市販されており、たとえば、Basell社製ポリプロピレン樹脂PF814、PF633、PF611やBorealis社製ポリプロピレン樹脂WB130HMS、Dow社製ポリプロピレン樹脂D114、D206を用いることができる。
本発明において用いる多孔性樹脂フィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、延伸時の空隙形成効率が向上し、孔径が拡大することで透気性が向上するため、ポリプロピレン80〜99質量%とエチレン・α−オレフィン共重合体20〜1質量%との混合物とすることが好ましい。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体としては直鎖状低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレンを挙げることができ、中でも、オクテン−1を共重合したエチレン・オクテン−1共重合体を好ましく用いることができる。このエチレン・オクテン−1共重合体は市販されている樹脂、たとえば、ダウ・ケミカル製“Engage(エンゲージ)(登録商標)”(タイプ名:8411、8452、8100など)を挙げることができる。
本発明において用いる多孔性樹脂フィルムはβ晶法により多孔化することが好ましいため、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のβ晶形成能が50%以上であることが好ましい。β晶形成能が50%未満ではフィルム製造時にβ晶量が少ないためにα晶への転移を利用してフィルム中に形成される空隙数が少なくなり、その結果、透過性の低いフィルムしか得られない場合がある。好ましくは、β晶形成能が50%〜90%であることが好ましい。β晶形成能が90%を超えると、粗大孔が形成される場合があり、蓄電デバイス用のセパレータとしての機能を有さなくなる場合がある。β晶形成能を50%以上、特に50〜90%の範囲内にするためには、アイソタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂を使用することが好ましく、また上述のβ晶核剤を添加することが好ましい。β晶形成能としては60〜80%であればより好ましい。
本発明の多孔性フィルムには、上述の多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機粒子と融点が100〜140℃の熱可塑性樹脂粒子とを含む多孔層が設けられている。多孔層に無機粒子が含まれることによって、200℃以上の耐熱性を多孔性フィルムに付与することができる。無機粒子の種類は、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックスや窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス、ガラス繊維等のセラミックスなどが挙げられるが、電気化学的な安定性の観点から、酸化物系セラミックスを用いることが好ましく、これらを単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
さらに、リチウムイオン電池内での安定性の観点から、含水量が1質量%以下の無機粒子が好ましい。より好ましくは、含水量が0.5質量%以下であることが好ましい。本発明において、含水量が1質量%以下の無機粒子としては、内部に細孔を持たないような緻密な構造を有する無機粒子が好ましい。例えば、アルミナ、乾式法で製造されたシリカ、乾式法で製造されたジルコニアなどの酸化物系セラミックスや窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウムケイ砂等のセラミックス、ガラス繊維等のセラミックスなどが挙げられるが、電気化学的な安定性の観点から、アルミナ、乾式法で製造されたシリカ、乾式法で製造されたジルコニアを用いることが好ましく、これらを単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、アルミナ、乾式法で製造されたシリカ、乾式法で製造されたジルコニアはシランカップリング処理を行っても構わない。
無機粒子の平均粒子径は、0.1〜5μmであることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満であると、多孔性フィルムに存在する孔を詰まらせてしまい、透気性が悪くなる場合がある。一方、5μmを超えると、粗大突起を形成して表面性が悪化し、巻きずれなどの電池の組立性が悪くなる場合がある。より好ましくは、0.1〜3μmであることが電池の組立性の観点から好ましい。
無機粒子の含有量は、原料塗剤中において10〜30質量%であることが好ましい。含有量が、10質量%未満の場合、多孔性フィルム全体に耐熱性を付与することができない場合があり、30質量%より多い場合は、無機粒子が過剰となってしまい、無機粒子の脱落、凝集が起こる場合があり、微短絡が起こりやすく、HEV用電池のような長寿命、またさらに厳しい安全性に対しては十分でないことがある。また、多孔層中の無機粒子の含有量は、30〜60質量%であることが好ましい。含有量が、30質量%未満の場合、多孔性フィルム全体に耐熱性を付与することができない場合があり、60質量%より多い場合は、無機粒子が過剰となってしまい、無機粒子の脱落、凝集が起こる場合があり、微短絡が起こりやすく、HEV用電池のような長寿命、またさらに厳しい安全性に対しては十分でないことがある。
本発明の多孔性フィルムの多孔層には、上記無機粒子に加えて、融点が100〜140℃である熱可塑性樹脂粒子が含まれている。多孔層にこのような熱可塑性樹脂粒子を含有せしめることによって、シャットダウン性を本発明の多孔性フィルムに付与することができる。熱可塑性樹脂粒子の融点が100℃未満であると、リチウムイオン二次電池用セパレータとして用いた際に、使用環境が電池の他の素材には問題のない、100℃程度の低温でフィルムの貫通孔を遮蔽してしまい、シャットダウンが生じ誤作動が発生してしまう。一方、融点が140℃を超えるとセパレータとした場合にシャットダウンする前に電池内で自己発熱反応が開始してしまうことがある。セパレータとして用いる場合、シャットダウンが130〜140℃で機能することが好ましいので、熱可塑性樹脂粒子の融点は120〜140℃であることが好ましく、125〜140℃であればより好ましい。
多孔層に用いる熱可塑性樹脂粒子としては、融点が100〜140℃の範囲内であれば特に限定されないが、非水電解液二次電池であるリチウムイオン電池に用いる場合、水分の系内への持ち込みを著しく嫌うことから、ポリオレフィン類を好ましく用いることができ、特に高密度ポリエチレン、低分子量ポリエチレンなどからなる粒子を好ましく用いることができる。
熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径は、0.1〜5μmであることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満であると、多孔性フィルムに存在する孔を詰まらせてしまい、透気性が悪くなる場合がある。一方、5μmを超えると、粗大突起を形成して表面性が悪化し、巻きずれなどの電池の組立性が悪くなる場合がある。より好ましくは、0.1〜3μmであることが電池の組立性の観点から好ましい。
熱可塑性樹脂粒子の含有量は、原料塗剤中において10〜30質量%であることが好ましい。含有量が、10質量%未満の場合、多孔性フィルム全体にシャットダウン性を付与することができない場合があり、30質量%より多い場合は、熱可塑性樹脂粒子が過剰となってしまい、熱可塑性樹脂粒子の脱落、凝集が起こる場合があり、微短絡が起こりやすく、HEV用電池のような長寿命、またさらに厳しい安全性に対しては十分でないことがある。また、多孔層中の熱可塑性樹脂粒子の含有量は、30〜60質量%であることが好ましい。含有量が、30質量%未満の場合、多孔性フィルム全体にシャットダウン性を付与することができない場合があり、30質量%より多い場合は、熱可塑性樹脂粒子が過剰となってしまい、熱可塑性樹脂粒子の脱落、凝集が起こる場合があり、微短絡が起こりやすく、HEV用電池のような長寿命、またさらに厳しい安全性に対しては十分でないことがある。
本発明の多孔性フィルムは蓄電デバイスのセパレータ用途に好適に用いるため、透気抵抗が50〜400秒/100mlの範囲内であることが、電池の内部抵抗低減、さらには出力密度向上の観点から好ましい。透気抵抗が50秒/100ml未満では空孔率が高くなるか、もしくは孔径が大きくなりすぎてしまい、強度が十分保てなくなる場合がある。また、セパレータとして用いたとき電池の寿命が短くなる場合がある。一方、400秒/100mlを超えるとセパレータとして用いた際の特性が不十分となる。より好ましくは50〜300秒/100mlであり、さらに好ましくは50〜200秒/100mlであることが、セパレータ特性の観点から好ましい。
ここで、透気抵抗とは、シートの空気透過率の指標であり、JIS P 8117(1998)に示されるものである。透気抵抗は、β晶法によりポリプロピレンフィルムを多孔化するに際して、上述したように、ポリプロピレン樹脂と共重合ポリエチレン樹脂とを特定比率で混合した樹脂を用いることで達成しやすくなり、さらに、後述する特定の二軸延伸条件を採用することにより効果的に達成することができる。湿式法や一軸延伸フィルムではこのような高空孔率で、なおかつ実用化できる強度を有する多孔フィルムを得ることは困難である。
本発明の多孔性フィルムの長手方向の厚み偏差は平均値の10%以内であることが好ましい。厚み偏差が10%を超える要因としては、多孔層の厚み偏差が大きい場合と多孔層の塗布抜けがある場合がある。厚み偏差が10%を超えると、電池巻取体の巻き径のバラツキが大きくなったり、電池の放電容量および出力特性のバラツキが大きくなる場合がある。長手方向の厚み偏差は平均値の5%以内であることが、電池の放電容量および出力特性のバラツキの観点からより好ましい。
多孔性フィルムの長手方向の厚み偏差を平均値の10%以内にするには、多孔層の塗布抜けを低減すること、および多孔層の長手方向の厚み偏差を平均値の10%以内にすることが重要である。多孔層の塗布抜けを低減するには、多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着性を向上すること、また、多孔層の長手方向の厚み偏差を低減するには、多孔層の多孔化を均一にすること、塗剤の分散性を向上することおよび塗剤の粘度を25℃において5〜30Pa・sにすることによって達成することができる。
多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着性を向上するには、β晶形成能が50%以上であるポリプロピレン樹脂を含む多孔性樹脂フィルムが、カルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂を含んでいることが好ましい。カルボキシル基により、多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着力が高くなり、多孔層の剥離、多孔層内の添加物の脱落が起こりにくくなり、多孔層の塗布抜けが低減し、長手方向の厚み偏差を10%以内に制御しやすくなる。
本発明の多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着強度が、該多孔性樹脂フィルムおよび該多孔層の材料破壊強度以上であることが好ましい。多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着強度が該多孔性樹脂フィルムおよび該多孔層の材料破壊強度以下の場合、多孔層の剥離、多孔層内の粒子の脱落が起こり、多孔性フィルムの孔に粒子が入り目詰まりを起こし、セパレータ特性、特にサイクル特性に悪影響を及ぼす場合がある。
上記のカルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂は、基材となる多孔性樹脂フィルムに含有せしめて単層構成の多孔性樹脂フィルムとして用いてもよいし、カルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂を含む樹脂層を新たに設けた多層構成の多孔性樹脂フィルムとして用いてもよい。後者の場合は、新たに設けた、カルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂を含む樹脂層の上に多孔層を設けることが好ましい。
本発明において、多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着性向上のために、オキシラン環と反応するカルボキシル基が多孔層面側の多孔性樹脂フィルムの表面に存在することが好ましい。カルボキシル基を多孔層面側の表面に存在せしめる方法としては、上述したようにカルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂を含んだ樹脂層を積層する方法や、β晶形成能が50%以上であるポリプロピレン樹脂を含む多孔性樹脂フィルムを炭酸ガス雰囲気下でコロナ処理を行う方法などがある。カルボキシル基が長期間安定して存在することから、カルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂を含んだ樹脂層を積層する方法が好ましい。カルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂の混合比は、カルボキシル基を含まないポリプロピレン樹脂100質量部に対し、5〜20質量部であることが好ましい。この混合比が5質量部未満になると多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着性が低下する場合がある。また、20質量部より高くなると多孔性樹脂フィルムの表面の開孔率が低下し、透気抵抗が増加し、電池特性が低下する場合がある。
ポリプロピレン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、カルボキシル基を有する極性モノマーをグラフト共重合させる方法などがある。カルボキシル基を有する極性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸およびその酸誘導体並びにモノオレフィンジカルボン酸、その無水物およびそのモノエステル類が挙げられる。(メタ)アクリル酸およびそのエステル誘導体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルなどが挙げられ、モノオレフィンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、クロロマレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、3−メチル−2−ペンテン・二酸、2−メチル−2−ペンテン・二酸、2−ヘキセン・二酸等が挙げられる。
多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着性向上のためには、オキシラン環含有化合物および/またはオキシラン環含有化合物とカルボキシル基との反応物が多孔層内に存在することが好ましい。ここで
オキシラン環含有化合物とカルボキシル基との反応物とは、多孔層面側の多孔性樹脂フィルムの表面のカルボキシル基と多孔層内のオキシラン環含有化合物との反応物のことを示す。
オキシラン環含有化合物としては、各種エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)クリレート等のエポキシ基含有(メタ)クリレート、Y−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基含有有機ケイ素化合物挙げられるが、耐電解液性の観点からエポキシ樹脂が好ましく使用される。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレンオキシド型エポキシ樹脂、ポリプロピレンオキシド型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上の混合物として使用できる。また、耐電解液性の観点から、2官能以上のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、可撓性の観点からは、エポキシ当量100以上がよく、300以上がさらに好ましい。また、環境、作業性の観点から、水溶性エポキシ樹脂の使用が好ましく、ソルビトールポリグリシドキシエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の2官能以上の脂肪族エポキシ樹脂が挙げられ、1種あるいは2種以上の混合物として使用できる。具体的には、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の水溶性エポキシ樹脂が特に好ましい。また、可撓性付与の目的で、フェノールエチレンオキシドグリシジルエーテル(エチレンオキシド鎖の繰り返し単位が、5〜10程度のものが特に好ましい)、ラウリルアルコールエチレンオキシドグリシジルエーテル(エチレンオキシド鎖の繰り返し単位が、10〜18程度のものが特に好ましい)等のモノエポキシ化合物、エポキシ化植物油等を使用してもさしつかえなく、クレゾールノボラック型エポキシ等のエポキシエマルジョンも使用できる。
さらに、これらオキシラン環含有化合物の硬化促進、低温硬化を目的として、各種硬化触媒を併用してもよい。硬化剤としては、ルイス酸等の酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等の酸無水物、アルウミニウムアセチルアセトネート等の各種金属錯体化合物、金属アルコキシド、アルカリ金属の有機カルボン酸塩および炭酸塩、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族アミン、変性脂肪族ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリブチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)メチルフェノール等の第三級アミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族アミン、アミノエチルピペラジン等の環状アミン、2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、三フッ化硼素、三フッ化硼素−モノエチルアミンコンプレックスなどが挙げられ、単独あるいは2種以上の混合物として使用できる。
本発明においては、オキシラン環含有化合物を含む多孔層に接着剤を添加することも好ましく、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、セルロースおよび/またはセルロース塩、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリイミド、ポリアミド、ポリサルファイド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、メラミン樹脂、ポリビニルピリジン、エチレン酢酸ビニル、SBRラテックス、高級アルコール類等の樹脂およびこれらの塩を併用することもできる。これらの樹脂の中でも、オキシラン環含有化合物および/またはその重合物との反応性の観点から、セルロースおよび/またはセルロース塩が好ましく用いられる。セルロースおよび/またはセルロース塩は、特に限定されるものではないが、水溶性セルロース系樹脂であることが好ましく、好ましい具体例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびこれらのナトリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。なかでも、カルボキシメチルセルロース、その塩、ヒドロキシエチルセルロースおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが反応性の観点から特に好ましい。さらに、多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着性向上の観点から、カルボキシメチルセルロース、その塩、ヒドロキシエチルセルロースおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種と、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニルおよびSBRラテックスからなる群から選択される少なくとも1種との混合系が好ましい。ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル、SBRラテックスにより多孔性樹脂フィルムと接着すること、およびカルボキシメチルセルロース、その塩、ヒドロキシエチルセルロース、その塩は、オキシラン環含有化合物との反応により、多孔性樹脂フィルムと接着することにより、多孔層の剥離、多孔層内の添加物の脱落が大幅に低減し、多孔層の塗布抜けが大幅に低減することができる。
多孔層の多孔化を均一化するためには、塗剤に水より沸点の低いアルコール類と水の2種類以上の溶媒を使用することが好ましく、乾燥条件を100℃未満で乾燥後、100℃以上で乾燥する多段乾燥が好ましい。水より沸点の低いアルコール類を添加することによって、乾燥時に水より優先的に揮発し、多孔化の基点を形成し、水が揮発した際に均一な多孔化が達成され、多孔層の厚み偏差を低減することができる。また、水より沸点の高いアルコールを使用した場合、乾燥工程後に多孔性フィルムに残存し、電池特性に悪影響を及ぼす場合がある。アルコール類は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノールなどが好ましい。
多孔層を設けるために使用する塗剤の分散性を向上するためには、塗剤にアルコール類または非イオン性界面活性剤を添加することが好ましい。アルコールまたは非イオン性界面活性剤を添加することによって、塗剤中の粒子の分散性が良好になり、粒子の凝集を低減することができ、多孔層内の粒子の凝集が低減し、多孔層の厚み偏差を低減することができる。また、アルコールまたは非イオン性界面活性剤は、乾燥工程後に多孔性フィルムに残存溶媒が残らずに電池特性に影響を及ぼさない、乾燥工程で揮発するという観点から、アルコール類は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノールなどが好ましく、非イオン性界面活性剤は、アルキルグリコシドのような低分子系、あるいはポリエチレングリコールやポリビニルアルコールのような高分子系などが好ましい。
上記した塗剤の粘度は、25℃において10〜30Pa・sであることが好ましい。これにより、塗剤を均一に塗工することができる。塗剤の粘度が25℃において30Pa・sより高い場合、粒子が凝集体になり、凝集体が脱落し、塗布抜けが起こる場合がある。また、塗剤の粘度が25℃において10Pa・s未満の場合、多孔性樹脂フィルムの表面の孔内に粒子が脱落し、厚み偏差が悪化する場合がある。
多孔層を塗布により設ける方法としては、一般に行われるどのような方法を用いてもよいが、例えば、オキシラン環含有化合物をイオン交換水などに分散させて作成した懸濁液をリバースコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などの塗布方法により多孔性樹脂フィルム上に塗布し、乾燥してコーティング層(多孔層)とすればよい。また、懸濁液を調製する際にはコーティング層における粒子の偏在を防止するために分散剤などを適宜添加してもよい。
塗布後の乾燥条件としては、乾燥温度は、80〜120℃、乾燥時間は、1〜10分間が好ましい。乾燥温度は、80℃未満の場合、カルボキシル基とオキシラン環との反応が不十分となってしまい、接着性が不十分であること、また多孔層が未乾燥となり、多孔層内に水分を多量に含む場合があり、120℃より高い場合、熱可塑性樹脂粒子が溶融し、多孔性フィルムの透気性が悪化する場合がある。乾燥時間が1分間未満の場合、カルボキシル基とオキシラン環との反応が不十分となってしまい、接着性が不十分となり、多孔層が未乾燥となって、多孔層内に水分を多量に含む場合があり、10分より長い場合、熱可塑性樹脂粒子が溶融し、多孔性フィルムの透気性が悪化する場合がある。さらに好ましくは、カルボキシル基とオキシラン環との反応および、多孔性フィルムの透気性の観点から、乾燥温度は、90〜110℃、乾燥時間は、2〜5分間が好ましい。塗剤の溶媒に2種類以上用いる場合は、好ましくは、水より沸点の低い溶媒を揮発させるため、先に80以上100℃未満で0.2〜10分間乾燥した後、さらに、水分を揮発させるため100〜120℃で0.2〜10分間乾燥することが好ましい。
本発明で用いる多孔性樹脂フィルムは、空孔率が60〜90%であることが好ましい。60%未満ではセパレータとして用いた際の出力特性が不十分となる場合がある。90%を超えると電池の長期安定性、安全性、および強度の観点から不十分となる場合がある。空孔率は、β晶形成能を50〜90%内、超低密度ポリエチレンの添加量を0〜7%内で増加させることにより、透気性と共に空孔率も大きくなり、超低密度ポリエチレンの添加量を減少させると空孔率は小さくなる。
以下に本発明の多孔性樹脂フィルムおよび多孔性フィルムの製造方法を具体的に説明する。なお、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、多孔性樹脂フィルムを構成するポリプロピレン樹脂として、MFR8g/10分の市販のホモポリプロピレン樹脂99質量部、同じく市販のMFR2.5g/10分高溶融張力ポリプロピレン樹脂1質量部にN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド0.2質量部を混合し、二軸押出機を使用して予め所定の割合で混合した原料を準備する。
次に、この混合原料をA層用の単軸押出機に、またこの混合原料80〜90質量部と無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂10〜20質量部とをドライブレンドし、B層用の単軸押出機に供給し、200〜230℃にて溶融押出を行う。そして、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて異物や変性ポリマーなどを除去した後、マルチマニホールド型のB/A/BまたはA/B複合Tダイよりキャストドラム上に吐出し、各層構成を有する積層未延伸シートを得る。この際、キャストドラムは表面温度が105〜130℃であることが、キャストフィルムのβ晶形成能を高く制御する観点から好ましい。この際、特にシートの端部の成形が後の延伸性に影響するため、端部にスポットエアーを吹き付けてドラムに密着させることが好ましい。また、シート全体のドラム上への密着状態に基づき、必要に応じて全面にエアナイフを用いて空気を吹き付けてもよい。
次に得られた未延伸シートを二軸配向させ、フィルム中に空孔を形成する。二軸配向させる方法としては、フィルム長手方向に延伸後幅方向に延伸、あるいは幅方向に延伸後長手方向に延伸する逐次二軸延伸法、またはフィルムの長手方向と幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸法などを用いることができるが、高透気性フィルムを得やすいという点で逐次二軸延伸法を採用することが好ましく、特に長手方向に延伸後、幅方向に延伸することが好ましい。
具体的な延伸条件としては、まず未延伸シートを長手方向に延伸する温度に制御する。温度制御の方法は、温度制御された回転ロールを用いる方法、熱風オーブンを使用する方法などを採用することができる。長手方向の延伸温度としては90〜135℃、さらに好ましくは110〜130℃、より好ましくは120〜130℃の温度を採用することが好ましい。延伸倍率としては3〜6倍、より好ましくは3〜5倍である。
長手方向に延伸後、ステンター式延伸機にフィルム端部を把持させて導入する。そして、好ましくは130〜155℃、さらに好ましくは145〜155℃に加熱して幅方向に6〜12倍、より好ましくは6.5〜10倍延伸を行う。なお、このときの横延伸速度としては100〜5,000%/分で行うことが好ましく、1,000〜4,000%/分であればより好ましい。ついで、そのままステンター内で熱固定を行うが、その温度は横延伸温度以上160℃以下が好ましい。さらに、熱固定時にはフィルムの長手方向および/もしくは幅方向に弛緩させながら行ってもよく、特に幅方向の弛緩率を5〜20%とすることが、熱寸法安定性の観点から好ましい。
また、炭酸ガス雰囲気下でコロナ処理を行う場合は、混合原料を単軸の溶融押出機に供給し、200〜230℃にて溶融押出を行い、それ以外は上記製造方法によって作製する。作製した多孔性樹脂フィルムに、炭酸ガス40〜60質量部、窒素ガス40〜60質量部の混合ガス雰囲気下でコロナ処理を行い、カルボキシル基を導入する。
上記製造方法によって作製した多孔性樹脂フィルムに、無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョン10質量部と、オキシラン環含有化合物2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩1.0質量部と、エタノール1質量部と、イオン交換水71質量部とを混合し、4時間攪拌した懸濁液をグラビアコート法の塗布方法によりwet厚みを3〜15μmとなるようにフィルム上に塗布し、100℃、2分間乾燥してdry厚みが1〜4μmの多孔層とする。
上記の如く製造方法の一例を記載したが、もちろん本発明はこれらに限定されるものでない。
本発明の多孔性フィルムは、有機溶媒を保持することが可能であるために、電解液に有機溶媒を使用する蓄電デバイスのセパレータとして用いることが可能である。また、本発明の多孔性フィルムは、高い透気度を有することからセパレータとしての抵抗が低くなり、上記蓄電デバイスの中でもリチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタに好ましく使用することができる。
本発明の多孔性フィルムを用いた蓄電デバイスとしては、有機溶媒を使用する非水電解液二次電池や電気二重層キャパシタなどがある。特に電池容量と出力密度のバランスからリチウムイオン電池が好適である。充放電することにより繰り返し使用できることから、IT機器、生活機器、ハイブリット自動車、電気自動車などの電源に使用することができる。特に上記の用途には、電池容量と出力密度のバランスからリチウムイオン電池が好適である。本発明の多孔性フィルムを用いた蓄電デバイスは、高空孔率かつ高い透気度を有することからハイブリット自動車、電気自動車などの電源に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)長手方向の厚み偏差
多孔性フィルムの幅方向の中央部に、長手方向の10cm毎に1箇所ずつ測定箇所を100箇所設けた。これらの測定箇所の厚みTは、多孔層面を上にして、10mmφの平型標準測定子(No101117)を取り付けたダイアルゲージ式厚み計(PEACOCK製UPRIGHT DIAL GAUGE(No.25))に50g荷重を加えて測定した。厚み偏差は以下の式より求めた。
なお、全測定値の相加平均を全平均厚み(TAVERAGE)とし、100個の測定値で最も厚みの厚い値を最高厚み(TMAX)、最も厚みの薄い値を最低厚み(TMIN)とした。
厚み偏差=(TMAX−TMIN)/TAVERAGE×100
(2)塗布抜け
巻出機と巻取機を備えた欠点検出器で、得られた多孔性フィルムの中央部について幅50mm分の透過光量を測定した。光源には、長さ750mm、直径φ10mmの円柱状のロッドレンズを用い、ロッドレンズの端面から250Wのメタルハライド光源の光を入射した。フィルムの一方の面から光源を250mm離して設置し、照射した光の光量をもう一方の面から検出した。検出器とフィルムの距離は15mmとした。検出器としてはエレクトロセンサリデバイス(株)社製CCDラインセンサカメラE7450Dとニコン社製カメラレンズAiMicro−Nikkor55mmF2.8Sを用い、以下の条件で検査した。フィルムを6m/分で走行させ、フィルムの透過光量を長さ400m×幅50mmを測定した。表には平均透過光量に比べ、透過光量が2.5倍以上となる部分の頻度を記載した。ここで、平均透過光量はフィルムの巻き芯部分と巻き外部分についてそれぞれ長さ1m分の透過光量を測定し、その平均値を用いた。
幅方向分解能 :20μm/pixel
長さ方向分解能:20μm/pixel
視野幅 :中央50mm幅
スキャンレート:9,500
絞り :8F
(3)透気抵抗(ガーレー透気度)
JIS P 8117(1998)のB法に準拠して、23℃、65%RHにて測定した(単位:秒/100ml)。各実施例・比較例の多孔性フィルムについて同様の測定を、場所を変えて5回行い、得られたガーレー透気度の平均値を当該サンプルのガーレー透気度とした。この際、ガーレー透気度の平均値が7,200秒/100mlを超えるものについては実質的に透気性を有さないものとみなし、無限大(∞)秒/100mlとした。
(4)β晶形成能
樹脂または多孔性樹脂フィルム5mgをサンプルとしてアルミパンに採取し、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業製 RDC220)を用いて測定した。ただし、多孔性フィルムについては、無機粒子および/または熱可塑性樹脂を含む多孔層を剥離し、多孔性樹脂フィルムのみとし、測定を行った。多孔層の剥離方法は、幅15mmのセロハンテープ“ニチバン製15mm幅CT−15”を15cmの長さに切って、5cm折り返し長さ10cmとする。接着面の露出している部分の5cmを評価するフィルムの多孔層面に貼り付け、セロハンテープの幅と長さに合わせて切る。その後勢いよくテープをはがし、多孔層を剥離した。セロハンテープの貼り方は、JIS K 5600−5−6(1999)に準じて行った。β晶形成能の測定は、窒素雰囲気下で20℃から20℃/分で250℃まで昇温し、そのまま5分間保持する。次いで、20℃/分で25℃まで降温し、そのまま5分間保持する。そして、再度20℃/分で250℃まで昇温し測定を行った。2回目の昇温の際に観察される145〜157℃の温度域のポリプロピレンのβ晶融解ピークと158℃以上に観察されるポリプロピレンのα晶融解ピークについて、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、各々の融解熱量を算出した。なお、融解熱量の較正はインジウムを用いて行う。β晶形成能はβ晶融解熱量(ΔHβ)、α晶融解熱量(ΔHα)から以下の式で算出する。
β晶形成能(%) = 〔ΔHβ / (ΔHα + ΔHβ)〕 × 100
(5)電池特性
宝泉(株)製のリチウムコバルト酸化物(LiCoO)厚みが40μmの正極を使用し、直径1.59cmの円形に打ち抜き、また、宝泉(株)製の厚みが50μmの黒鉛負極を使用し、直径1.62cmの円形に打ち抜き、次に、各実施例・比較例のセパレータ用フィルムを直径2.4cmに打ち抜き、正極活物質と負極活物質面が対向するように、下から負極、セパレータ、正極の順に重ね、蓋付ステンレス金属製小容器に収納した。容器と蓋とは絶縁され、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミ箔と接している。この容器内にエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=3:7(体積比)の混合溶媒に溶質としてLiPF6を濃度1M/Lとなるように溶解させた電解液を注入して密閉した。各実施例・比較例につき、電池を作製した。
A.サイクル特性
作製した各二次電池について、25℃の雰囲気下、充電を3mAで4.2Vまで3.5時間、放電を3mAで2.7Vまでとする充放電操作を行い、放電容量を調べた。さらに、同様の充放電操作を行い、100回行い、100回目の放電容量を調べた。
[(100回目の放電容量)/(1回目の放電容量)]×100の計算式で得られる値を以下の基準で評価した。なお、試験個数は20個測定し、その平均値で評価した。
◎:85%以上
○:80%以上85%未満
△:75%以上80%未満
×:75%未満
B.出力特性
作製した各二次電池について、25℃の雰囲気下、充電を3mAで4.2Vまで1.5時間、放電を3mAで2.7Vまでとする充放電操作を行い、放電容量を調べた。さらに、充電を3mAで4.2Vまで1.5時間、放電を30mAで2.7Vまでとする充放電操作を行い、放電容量を調べた。
[(30mAの放電容量)/(3mAの放電容量)]×100の計算式で得られる値を以下の基準で評価した。なお、試験個数は20個測定し、その平均値で評価した。
◎:85%以上
○:80%以上85%未満
△:70%以上80%未満
×:70%未満
(6)SD性試験
内辺100mm四方のステンレス製金属枠にフィルムを固定し、<1>110℃、30秒間、<2>130℃、30秒間の熱処理を熱風オーブンの中で行った。熱処理をした<1><2>のフィルムを金属枠から採取し、上記(3)と同様に測定することで、熱処理後のガーレー透気度を求めた。
A級:熱処理前と<1>の透気抵抗の変化が30%未満であり、<2>では透気抵抗が120分以上である。
B級:熱処理前と<1>の透気抵抗の変化が30〜50%であり、<2>では透気抵抗が120分以上である。
×:熱処理前と<1>の透気抵抗の変化が50%を超えている、また/かつ、<2>で透気抵抗が120分未満である。
A級、B級を合格とした。
(7)耐熱性試験
試料フィルムを3×3cmの正方形に切り取り、テスター産業(株)製ヒートシールテスターを用いて、加熱温度200℃、加熱時間10秒間、荷重0.1MPaの条件で1×3cmの面積を加熱した。
上記処理を行ったフィルムを以下の基準で評価した。
○:フィルムの形状を保っている。目視にて孔の形成なし。
×:フィルムの平面性が悪い。溶融による孔の形成あり。
(8)多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着性
幅15mmのセロハンテープ“ニチバン製15mm幅CT−15”を15cmの長さに切って、5cm折り返し長さ10cmとする。接着面の露出している部分の5cmを評価するフィルムの多孔層面に貼り付け、セロハンテープの幅と長さに合わせて切る。その後勢いよくテープをはがし,テープはく離時の破壊モードで多孔層と多孔性樹脂フィルムの接着性を評価した。セロハンテープの貼り方は、JIS K 5600−5−6(1999)に準じて行った。
A:多孔性樹脂フィルム内での材料破壊であった。
B:大部分は多孔性樹脂フィルム内での材料破壊であるが一部多孔性樹脂フィルムと多孔層の界面剥離であった。
×:多孔性樹脂フィルムと多孔層の界面剥離であった。
A、Bは、多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着強度が、多孔性樹脂フィルムおよび多孔層の材料破壊強度以上とした。
(9)熱可塑性樹脂粒子の融点
熱可塑性樹脂粒子の融点は、粒子含有層用の塗剤に調整する前の粒子が分散した分散液を適量採取し、熱風オーブンにて70℃で乾燥させ、固形分のみを採取する。固形分5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。窒素雰囲気下で室温から200℃まで20℃/分で昇温したときに観察される融解ピークについて、最も高温側のピーク温度を熱可塑性樹脂粒子の融点とした。
また、熱可塑性樹脂粒子が粒子含有層用の塗剤に調整された後や多孔フィルム上に塗布された後であっても、上記方法と同様にして、示差走査熱量計で測定を行い、熱可塑性樹脂粒子の融点を決定できる。なお、多孔フィルム上に塗布された後の場合、フィルム表面から粒子含有層のみを削り取ることで試料を採取し、同様の条件で測定することで熱可塑性樹脂粒子の融点を決定することができる。
以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、下記の組成を二軸押出機でコンパウンドして、樹脂Aのチップを準備した。
<ポリプロピレン樹脂A>
住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4(以下、PP−1と表記)を99質量部、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であるBasell製ポリプロピレンPF−814(以下、HMS−PPと表記)を1質量部、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、Nu−100、以下、単にβ晶核剤と表記)を0.2質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.15、0.1質量部(以下、単に酸防剤と表記し、特に記載のない限り3:2の質量比で使用)で、二軸押出機でコンパウンドした。
ポリプロピレン樹脂AのチップをA層用の単軸押出機に、ポリプロピレン樹脂Aのチップ90質量部とB層にカルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂である無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂である三洋化成(株)製”ユーメックス1010”10質量部とをB層用の単軸押出機に供給し、220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、積層比が1/10/1のマルチマニホールド型のB/A/B複合Tダイにて積層し、120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして、フィルムの非ドラム面側からエアーナイフを用いて120℃に加熱した熱風を吹き付けて密着させながら、シート状に成形し、未延伸シートを得た。なお、この際の冷却用金属ドラムとの接触時間は、40秒であった。
得られた未延伸シートを110℃に保ったロール群に通して予熱し、110℃に保ち周速差を設けたロール間に通し、120℃で縦方向に6倍延伸後、127℃で1秒保持し、95℃に冷却した。一旦冷却後、両端をクリップで把持しつつテンターに導入して150℃で予熱し、150℃で横方向に7倍に延伸した。次いで、テンター内で横方向に5%の弛緩を与えつつ、155℃で熱固定をし、均一に徐冷した後、室温まで冷却して巻き取り、厚さ21μmの多孔性樹脂フィルムを得た。
ついで、無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”(融点:128℃)10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861”2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、イオン交換水を72質量部とを混合した懸濁液を準備した。上記の懸濁液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数60rpm、搬送速度2.5m/分の条件で塗布し、100℃で1分間乾燥させることで、トータル厚み25μmの多孔性フィルムを得た。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例2)
まず、下記の組成を二軸押出機でコンパウンドして、樹脂Bのチップを準備した。
<ポリプロピレン樹脂B>
住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4(以下、PP−1と表記)を99質量部、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であるBasell製ポリプロピレンPF−814(以下、HMS−PPと表記)を1質量部、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、Nu−100、以下、単にβ晶核剤と表記)を0.15質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.15、0.1質量部(以下、単に酸防剤と表記し、特に記載のない限り3:2の質量比で使用)で、二軸押出機でコンパウンドした。
ポリプロピレン樹脂Aのチップの代わりにポリプロピレン樹脂Bのチップを使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例3)
ポリプロピレン樹脂AのチップをA層用の単軸押出機に、ポリプロピレン樹脂Aのチップ80質量部と、カルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂である無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂である三洋化成(株)製“ユーメックス1010”20質量部とをB層用の単軸押出機に供給し、220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、マルチマニホールド型のB/A/B複合Tダイにて積層した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例4)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861” 2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、エタノール1質量部と、イオン交換水71質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例5)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861” 2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、日信化学(株)製「サーフィノール440」1質量部と、イオン交換水71質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例6)
ポリプロピレン樹脂Aのチップを単軸押出機に供給し、220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして、フィルムの非ドラム面側からエアーナイフを用いて120℃に加熱し熱風を吹き付けて密着させながら、シート状に成形し、未延伸シートを得た。なお、この際の冷却用金属ドラムとの接触時間は、40秒であった。
得られた未延伸シートを110℃に保ったロール群に通して予熱し、110℃に保ち周速差を設けたロール間に通し、120℃で縦方向に6倍延伸後、127℃で1秒保持し、95℃に冷却した。一旦冷却後、両端をクリップで把持しつつテンターに導入して150℃で予熱し、150℃で横方向に7倍に延伸した。次いで、テンター内で横方向に5%の弛緩を与えつつ、155℃で熱固定をし、均一に徐冷した後、室温まで冷却して巻き取り、厚さ21μmの多孔性フィルムを得た。この多孔性フィルムを炭酸ガス50%、窒素ガス50%の混合ガス雰囲気下でコロナ処理を行った以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例7)
オキシラン環含有化合物として東都化成(株)製“YD−128” に変更した以外は実施例3と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例8)
無機粒子として湿式法で製造したシリカ粒子である扶桑化学工業(株)製クォートロン“PL−20”に変更した以外は実施例3と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例9)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861”2.0質量部と、バインダーとして、住友ケムテックス(株)製住化フレックス“950HL”1.0質量部と、イオン交換水72質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例3と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例10)
熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W400”(融点:110℃)に変更した以外は実施例3と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例11)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861” 2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、住友ケムテックス(株)製住化フレックス“950HL”1.0質量部と、日信化学(株)製「サーフィノール440」1質量部と、イオン交換水70質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例12)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861” 2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、アルケマ(株)製PVDF5.0質量部と、日信化学(株)製「サーフィノール440」1質量部と、イオン交換水66質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(実施例13)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861” 2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、アルケマ(株)製PVDF5.0質量部と、日信化学(株)製「サーフィノール440」1.0質量部と、エタノール2.0質量部と、イオン交換水64質量部とを混合した懸濁液を準備した。上記の懸濁液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数60rpm、搬送速度2.5m/分の条件で塗布し、90℃で1分間乾燥させ、さらに110℃で1分間乾燥することで、トータル厚み25μmの多孔性フィルムを得た。変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立し、さらにSD性、耐熱性を有するものであった。
(比較例1)
塗剤を塗布しなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、各物性値を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、優れた電池特性を両立するものであったが、SD性、耐熱性が不十分であった。
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂AのチップをA層用の単軸押出機に、ポリプロピレン樹脂Aのチップ97質量部と、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂である三洋化成(株)製“ユーメックス1010”3質量部とをB層用の単軸押出機に供給し、220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、マルチマニホールド型のB/A/B複合Tダイにて積層した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
この場合、高い透気性、SD性、200℃での耐熱性を有しているものの、多孔層の剥離が起こり、厚み偏差が大きく、また、塗布抜けが多く、電池特性が不十分であった。
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂AのチップをA層用の単軸押出機に、ポリプロピレン樹脂Aのチップ70質量部と、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂である三洋化成(株)製“ユーメックス1010”30質量部とをB層用の単軸押出機に供給し、220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、マルチマニホールド型のB/A/B複合Tダイにて積層した以外は実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚み偏差、塗布抜け、ガーレー透気度、電池特性、SD性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
得られたフィルムは、基材フィルムと同等の厚み偏差、SD性、耐熱性を有しているものの、透気性が低く、電池特性が不十分であった。
(比較例4)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、イオン交換水74質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムのガーレー透気度、電池特性、さらに耐熱性試験を測定した。結果を表1に示した。
この場合、高い透気性、SD性、200℃での耐熱性を有しているものの、多孔層の剥離が起こり、厚み偏差が大きく、また、塗布抜けが多く、電池特性が不十分であった。
(比較例5)
ポリプロピレン樹脂Aのチップを、一軸押出機に供給して220℃で溶融・混練し、400メッシュの単板濾過フィルターを経た後に200℃に加熱されたスリット状口金から押出し、表面温度120℃に加熱した冷却用金属ドラムにキャストし、フィルムの非ドラム面側からエアーナイフを用いて120℃に加熱し熱風を吹き付けて密着させながら、シート状に成形し、未延伸シートを得た。なお、この際の冷却用金属ドラムとの接触時間は、40秒であった。
得られた未延伸シートを105℃に保ったロール群に通して予熱し、105℃に保ち周速差を設けたロール間に通し、105℃で縦方向に6倍延伸後、127℃で1秒保持し、95℃に冷却した。一旦冷却後、両端をクリップで把持しつつテンターに導入して150℃で予熱し、150℃で横方向に7倍に延伸した。次いで、テンター内で横方向に5%の弛緩を与えつつ、155℃で熱固定をし、均一に徐冷した後、室温まで冷却して巻き取り、厚さ21μmの多孔性樹脂フィルムを得た以外は実施例1と同様の操作を行い、各物性値を表1に示した。
この場合、高い透気性、SD性、200℃での耐熱性を有しているものの、孔層の剥離が起こり、厚み偏差が大きく、また、塗布抜けが多く、電池特性が不十分であった。
(比較例6)
無機粒子として乾式法で製造したシリカ粒子である電気化学工業(株)製“SFP20”15質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861” 2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、イオン交換水82質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例5と同様の操作を行った。得られたフィルムのガーレー透気度、電池特性、さらに耐熱性試験を測定した。結果を表1に示した。
この場合、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、耐熱性、優れた電池特性を有するものであったが、SD性が不十分であった。
(比較例7)
熱可塑性樹脂粒子としてポリエチレン粒子のエマルジョンである三井化学(株)製ケミパール“W100”10質量部と、オキシラン環含有化合物としてナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−861”2.0質量部と、セルロースおよび/またはセルロース塩であるダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2240”1.0質量部と、イオン交換水87質量部とを混合した懸濁液に変更した以外は実施例5と同様の操作を行った。得られたフィルムのガーレー透気度、電池特性、さらに耐熱性試験を測定した。結果を表1に示した。
この場合、基材フィルムと同等の厚み偏差、透気性、SD性、優れた電池特性を有するものであったが、耐熱性が不十分であった。
(比較例8)
窒素ガス雰囲気下でコロナ処理を行った以外は実施例6と同様の操作を行った。
得られたフィルムのガーレー透気度、電池特性、耐熱性を測定した。結果を表1に示した。
この場合、高い透気性、200℃での耐熱性を有しているものの、多孔層の剥離が起こり、電池特性が不十分であった。
Figure 0005712629
Figure 0005712629
本発明の多孔性フィルムは、厚み偏差が小さく、多孔層全体で機能を発現し、透気性が高く、セパレータとして用いた際に優れた電池特性を示す多孔性フィルムとして提供することができる。

Claims (8)

  1. β晶形成能が50%以上であるポリプロピレン樹脂を含む多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機粒子と融点が100〜140℃の熱可塑性樹脂粒子とを含む多孔層を備え、長手方向の厚み偏差が平均値の10%以内であり、透気抵抗が50〜400秒/100mlであり、前記多孔層が、オキシラン環含有化合物および/またはオキシラン環含有化合物とカルボキシル基との反応物を含んでいる多孔性フィルム。
  2. 多孔性樹脂フィルムが、カルボキシル基を有するポリプロピレン樹脂を含んでいる、請求項1に記載の多孔性フィルム。
  3. 多孔層が水溶性セルロース系樹脂を含んでいる、請求項1または2に記載の多孔性フィルム。
  4. 多孔性樹脂フィルムと多孔層との接着強度が、該多孔性樹脂フィルムおよび該多孔層の材料破壊強度以上である、請求項1〜のいずれかに記載の多孔性フィルム。
  5. 無機粒子が、アルミナ、乾式法により製造されたシリカまたは乾式法により製造されたジルコニアである、請求項1〜のいずれかに記載の多孔性フィルム。
  6. 蓄電デバイスセパレータに使用される、請求項1〜のいずれかに記載の多孔性フィルム。
  7. 請求項に記載の多孔性フィルムを蓄電デバイスセパレータとして用いた蓄電デバイス。
  8. 蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、請求項に記載の蓄電デバイス。
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