JP5267497B2 - 固体撮像装置 - Google Patents

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本発明は、固体撮像装置に関し、特に光電変換素子を含む単位画素の各々が、光電変換素子で光電変換して得られる電荷に応じた信号を増幅して出力する増幅トランジスタを有する増幅型固体撮像装置に関する。
固体撮像装置は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサに代表される電荷転送型固体撮像装置と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のMOS型イメージセンサに代表される増幅型固体撮像装置とに大別される。CCDイメージセンサとMOS型イメージセンサとを比較した場合、CCDイメージセンサでは、信号電荷の転送に高い駆動電圧を必要とするため、MOS型イメージセンサに比べて電源電圧が高くならざるを得ない。
したがって、近年、カメラ付携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル機器に搭載されている固体撮像装置としては、CCDイメージセンサに比べて電源電圧が低く、消費電力の観点などから、CCDイメージセンサによりも有利なMOS型イメージセンサが多く用いられている。
CCDイメージセンサとMOS型イメージセンサとをさらに比較すると、MOS型イメージセンサは、光電変換素子を含む単位画素が行列状に2次元配列されている点ではCCDイメージセンサと同様であるが、単位画素からの信号の読み出しに垂直転送CCDおよび水平転送CCDを使用せず、メモリデバイスのようにアルミ線、銅線などで構成される選択線を介して選択された単位画素から、画素ごとに蓄えられた電荷を電気信号に変換して信号線に読み出す構成となっている。
そして、CCDイメージセンサとの大きな違いとして、MOS型イメージセンサは、画素ごとに信号を増幅する増幅素子(以下、増幅トランジスタと呼ぶ)を持った構成となっている(例えば、特許文献1参照)。最近では、増幅トランジスタを複数の画素で共有するタイプのMOS型イメージセンサもある。これらのMOS型イメージセンサにおいて、増幅トランジスタのゲート絶縁膜中にトラップ準位が存在すると、当該トラップ準位がチャネルを流れる電流を形成している電子や正孔を捕獲・放出して電流に揺らぎを発生させる。この電流の揺らぎがノイズの発生原因となる。
すなわち、MOS型イメージセンサでは、増幅トランジスタで信号を増幅する際に、増幅トランジスタのゲート絶縁膜中のトラップ準位が原因で、ノイズのパワースペクトルが周波数fの逆数に比例するいわゆる1/fノイズ(フリッカノイズ)が発生する。この増幅トランジスタで発生する1/fノイズは、画質に大きな影響を及ぼす。
ここで、プロセス依存の係数(ゲート絶縁膜界面の電子捕獲・放出に関係する係数)をK、ゲート絶縁膜容量をCox、トランジスタのチャネル長(ゲート寸法)をL、チャネル幅(活性領域の寸法)をWとすると、1/fノイズのパワースペクトル(ノイズ電圧の2乗平均)は、数1の式(1)で与えられる。
Figure 0005267497
上記式(1)から明らかなように、増幅トランジスタのゲート絶縁膜容量Cox、トランジスタのゲート寸法Lおよび活性領域の寸法Wが大きいほど、1/fノイズが減少することがわかる。
特開2002−51263号公報
ところで、近年、メガ以上の画素数を有するカメラ付携帯電話など、小型モバイル機器に搭載するに当たって、MOS型イメージセンサの小型化が必要となってきている。しかしながら、上記式(1)から明らかなように、トランジスタのゲート寸法Lおよび活性領域の寸法Wが小さくなると、1/fノイズが増大することになるため、MOS型イメージセンサの小型化が進む中、1/fノイズの低減を目的として、トランジスタのゲート寸法Lおよび活性領域の寸法Wを増大させることは困難である。
また、増幅トランジスタのゲート電極には、画素の信号を読み出すための電圧が印加される。この電圧は、その値が高ければ高い程画素の信号を読み出し易く、2.5V以上、一般的には3.3V程度の高い電圧値に設定されている。したがって、ゲート絶縁膜の信頼性の観点から、ゲート絶縁膜の膜厚を安易に薄膜化することが困難であるため、上記式(1)のゲート絶縁膜容量Coxを増加させて、1/fノイズの低減を図ることにも限界がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、トランジスタのゲート寸法Lおよび活性領域の寸法Wを増大させたり、ゲート絶縁膜容量Coxを増加させたりしなくても、1/fノイズを原理的に低減可能な固体撮像装置を提供することにある。
本発明による固体撮像装置は、光電変換素子と、当該光電変換素子で光電変換して得られる電荷に応じた信号を増幅して出力する増幅トランジスタとを含む単位画素が配列されてなり、前記増幅トランジスタが埋込みチャネル型且つ第1導電型のMOSトランジスタであり、チャネル領域に第1導電型の拡散係数が異なる少なくとも2種類の不純物が導入され、かつ、拡散係数の小さい不純物の方が拡散係数の大きい不純物よりも濃い濃度でゲート絶縁膜側に分布しており、前記単位画素は、前記光電変換素子で光電変換して得られる電荷をフローティングディフュージョン領域に転送する転送トランジスタと、前記フローティングディフュージョン領域の電位をリセットするリセットトランジスタとをさらに有する構成となっている。
上記構成の固体撮像装置において、増幅トランジスタに埋込みチャネル型のMOSトランジスタを用いることで、当該増幅トランジスタでは、基板中のポテンシャルが最小になる領域、つまり電流が流れる領域が、ゲート絶縁膜/基板界面ではなく、ゲート絶縁膜から離れた基板内部の箇所に形成される。これにより、ゲート絶縁膜/基板界面で電子/正孔のトラップ準位が形成されても、当該トラップ準位によるチャネルを流れる電流への影響が抑えられる。すなわち、1/fノイズの発生原因となるトラップ準位による電流の揺らぎが抑制される。増幅トランジスタのゲート電極が第2導電型のポリシリコンで形成されるので、チャネル領域を空乏化させることができ、埋込みチャネル性がより強くなる。
ここで、埋込みチャネル型のMOSトランジスタは、チャネル長(ゲート長)を短くしていくと生ずるショートチャネル効果に弱い。ところが、単位画素では、光電変換素子で光電変換して得られる電荷をフローティングディフュージョン部に転送し、当該フローティングディフュージョン部の電荷に応じた電位を増幅トランジスタによって増幅して信号線に出力する、いわゆるアナログ的な動作が行われることから、増幅トランジスタのチャネル長が短いと、ショートチャネル効果によってしきい値電圧Vthがばらつくため、増幅トランジスタにはチャネル長の長いMOSトランジスタが用いられる。したがって、増幅トランジスタとして、ショートチャネル効果に弱い埋込みチャネル型のMOSトランジスタを用いることができる。
本発明によれば、増幅トランジスタに埋込みチャネル型のMOSトランジスタを用いることで、ゲート絶縁膜/基板界面のトラップ準位によるチャネルを流れる電流への影響が抑えることができるため、トランジスタのゲート寸法Lおよび活性領域の寸法Wを増大させたり、ゲート絶縁膜容量Coxを増加させたりしなくても、1/fノイズを原理的に低減できる。増幅トランジスタのゲート電極を第2導電型とすることにより、チャネル領域における埋込みチャネル性をより強くすることができ、ダイナミックを広く、出力感度を高くできる。
本発明が適用されるMOS型イメージセンサの構成の一例を示すブロック図である。 単位画素の回路構成の一例を示す回路図である。 単位画素の回路構成の他の例を示す回路図である。 埋込みチャネル型のNMOSトランジスタの構造を示す断面図である。 一般的な表面チャネル型NMOSトランジスタと埋込みチャネル型NMOSトランジスタのゲートチャネル部における深さ方向のポテンシャルプロファイルを示す図である。 埋込みチャネル型NMOSトランジスタと表面チャネル型NMOSトランジスタの1/fノイズの比較例を示す図である。 ソースフォロア動作なしの場合に流れる電子電流の特性図である。 ソースフォロア動作ありの場合に流れる電子電流の特性図である。 表面チャネル型NMOSトランジスタおよび埋込みチャネルNMOSトランジスタをソースフォロワの増幅トランジスタに用いたときの入出力特性を示す図である。 埋込みチャネルのチャネル不純物として、リン、ヒ素、リンおよびヒ素を用いた埋込みチャネル型NMOSトランジスタをソースフォロア構成の増幅トランジスタに用いた際の入出力特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される増幅型固体撮像装置、例えばMOS型イメージセンサの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本適用例に係るMOS型イメージセンサ10は、光電変換素子である例えばフォトダイオードを含む単位画素11、当該画素11が行列状に2次元配列されてなる画素アレイ部12、垂直選択回路13、信号処理回路であるカラム回路14、水平選択回路15、水平信号線16、出力回路17およびタイミングジェネレータ(TG)18等を有するエリアセンサ構成となっている。
画素アレイ部12には、行列状の画素配列に対して列ごとに垂直信号線121が配線されている。単位画素11の具体的な回路構成については後述する。垂直選択回路13は、シフトレジスタなどによって構成され、画素11の転送トランジスタ112を駆動する転送信号や、リセットトランジスタ113を駆動するリセット信号などの制御信号を行単位で順次出力することによって画素アレイ部12の各画素11を行単位で選択駆動する。
カラム回路14は、画素アレイ部12の水平方向の画素ごと、即ち垂直信号線121ごとに配される信号処理回路であり、例えばS/H(サンプルホールド)回路およびCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)回路などによって構成される。水平選択回路15は、シフトレジスタなどによって構成され、カラム回路14を通して出力される各画素11の信号を順次選択して水平信号線16に出力させる。なお、図1では、図面の簡略化のため、水平選択スイッチについては図示を省略している。この水平選択スイッチは、水平選択回路15によって列単位で順次オン/オフ駆動される。
水平選択回路15による選択駆動により、カラム回路14から列ごとに順次出力される単位画素11の信号は、水平信号線16を通して出力回路17に供給され、当該出力回路17で増幅などの信号処理が施された後、デバイス外部へ出力される。タイミングジェネレータ18は、各種のタイミング信号を生成し、これら各種のタイミング信号を基に垂直選択回路13、カラム回路14および水平選択回路15などの駆動制御を行う。
(画素回路)
図2は、単位画素11の回路構成の一例を示す回路図である。図2に示すように、本回路例に係る単位画素11Aは、光電変換素子、例えばフォトダイオード111に加えて、例えば転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113および増幅トランジスタ114の3つのトランジスタを有する画素回路となっている。ここでは、これらトランジスタ112〜114として、例えばNチャネルのMOSトランジスタを用いている。
転送トランジスタ112は、フォトダイオード111のカソードとFD(フローティングディフュージョン)部116との間に接続され、フォトダイオード111で光電変換され、ここに蓄積された信号電荷(ここでは、電子)を、ゲートに転送パルスφTRGが与えられることによってFD部116に転送する。
リセットトランジスタ113は、選択電源SELVDDにドレインが、FD部116にソースがそれぞれ接続され、フォトダイオード111からFD部116への信号電荷の転送に先立って、ゲートにφリセットパルスRSTが与えられることによってFD部116の電位をリセットする。選択電源SELVDDは、電源電圧としてVDDレベルとGNDレベルとを選択的にとる電源である。
増幅トランジスタ114は、FD部116にゲートが、選択電源SELVDDにドレインが、垂直信号線121にソースがそれぞれ接続されたソースフォロア構成となっており、選択電源SELVDDがVDDレベルになることによって動作状態となって画素11Aの選択をなし、リセットトランジスタ113によってリセットした後のFD部116の電位をリセットレベルとして垂直信号線121に出力し、さらに転送トランジスタ112によって信号電荷を転送した後のFD部116の電位を信号レベルとして垂直信号線121に出力する。
図3は、単位画素11の回路構成の一例を示す回路図である。図3に示すように、本回路例に係る単位画素11Bは、光電変換素子、例えばフォトダイオード111に加えて、例えば転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、増幅トランジスタ114および選択トランジスタ115の4つのトランジスタを有する画素回路となっている。ここでは、これらトランジスタ112〜115として、例えばNチャネルのMOSトランジスタを用いている。
転送トランジスタ112は、フォトダイオード111のカソードとFD(フローティングディフュージョン)部116との間に接続され、フォトダイオード111で光電変換され、ここに蓄積された信号電荷(ここでは、電子)を、ゲートに転送パルスφTRGが与えられることによってFD部116に転送する。
リセットトランジスタ113は、電源VDDにドレインが、FD部116にソースがそれぞれ接続され、フォトダイオード111からFD部116への信号電荷の転送に先立って、ゲートにリセットパルスφRSTが与えられることによってFD部116の電位をリセットする。
選択トランジスタ115は、例えば、電源VDDにドレインが、増幅トランジスタ114のドレインにソースがそれぞれ接続され、ゲートに選択パルスφSELが与えられることによってオン状態となり、増幅トランジスタ114に対して電源VDDを供給することによって画素11Bの選択をなす。なお、この選択トランジスタ115については、増幅トランジスタ114のソースと垂直信号線121との間に接続した構成を採ることも可能である。
増幅トランジスタ114は、FD部116にゲートが、選択トランジスタ115のソースにドレインが、垂直信号線121にソースがそれぞれ接続されたソースフォロア構成となっており、リセットトランジスタ113によってリセットした後のFD部116の電位をリセットレベルとして垂直信号線121に出力し、さらに転送トランジスタ112によって信号電荷を転送した後のFD部116の電位を信号レベルとして垂直信号線121に出力する。
上述した3トランジスタ構成の単位画素11Aや、4トランジスタ構成の単位画素11Bでは、フォトダイオード111で光電変換して得られる信号電荷を転送トランジスタ112によってFD部116に転送し、当該FD部116の信号電荷に応じた電位を増幅トランジスタ114によって増幅して垂直信号線121に出力するアナログ的な動作が行われる。このようなアナログ的な動作を行う画素回路においては、増幅トランジスタ114を含む各トランジスタのチャネル長が短いと、ショートチャネル効果によってしきい値電圧Vthがばらつくため、増幅トランジスタ114を含む各トランジスタにはチャネル長の長いMOSトランジスタが用いられることになる。
かかる構成の単位画素11(11A/11B)において、本発明では、増幅トランジスタ114として埋込みチャネル型のMOSトランジスタ、本例ではNチャネルのMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと記す)を用いることを特徴としている。ここでは、増幅トランジスタ114としてNMOSトランジスタを用いることで、N型が第1導電型、P型が第2導電型となる。
図4は、埋込みチャネル型のNMOSトランジスタの構造を示す断面図である。図4において、P型の半導体基板21の基板表面側には、ドレイン領域およびソース領域となるN型の拡散層22,23が所定の距離を隔てて形成され、さらに拡散層22,23間の基板表面近傍、即ちチャネル領域にN型、例えばP(リン)の導入によってN−型層24が形成されている。また、拡散層22,23間の基板表面上には、Si02等のゲート絶縁膜25を介してP+型のポリシリコンによってゲート電極26が形成されている。
図5に、一般的な表面チャネル型NMOSトランジスタと埋込みチャネル型NMOSトランジスタのゲートチャネル部における深さ方向のポテンシャルプロファイルを示す。
このポテンシャルプロファイルから明らかなように、半導体基板(シリコン基板)中のポテンシャルが最小となる領域、つまり電流が流れる領域は、表面チャネルの場合、ゲート絶縁膜/基板界面に形成され、埋込みチャネルの場合、ゲート絶縁膜から離れた基板内部の箇所に形成される。そして、基板/ゲート絶縁膜界面で電子/正孔のトラップ準位が形成されると、表面チャネル型NMOSトランジスタの方が埋込みチャネル型NMOSトランジスタよりもトラップ準位の影響を受ける。
上述したことから明らかなように、MOS型イメージセンサ10において、単位画素11内の増幅トランジスタ114として埋込みチャネル型NMOSトランジスタを用いることで、増幅トランジスタ114では、基板21中のポテンシャルが最小になる領域(電流が流れる領域)が、ゲート絶縁膜/基板界面ではなく、ゲート絶縁膜25から離れた基板21内部の箇所に形成されるため、ゲート絶縁膜/基板界面で電子/正孔のトラップ準位が形成されても、当該トラップ準位によるチャネルを流れる電流への影響を抑えることができる。
すなわち、増幅トランジスタ114として埋込みチャネル型NMOSトランジスタを用いることで、1/fノイズの発生原因となるトラップ準位による電流の揺らぎを抑制することができるため、増幅トランジスタ114のゲート長(ゲート寸法)Lおよびゲート幅(活性領域の寸法)Wを増大させたり、ゲート絶縁膜容量Coxを増加させたりしなくても、1/fノイズを原理的に低減できることになる。
ここで、図2、図3に示すように、垂直信号線121の一端には定電流源122が接続されることになるが、この定電流源122は通常チャネル幅Wの大きいMOSトランジスタ(負荷MOSトランジスタ)で構成される。したがって、この負荷MOSトランジスタと増幅トランジスタ114が同じトランジスタだった場合、増幅トランジスタ114の方が1/fノイズに対して支配的となる。この観点からしても、MOS型イメージセンサ10において、埋込みチャネル型MOSトランジスタを増幅トランジスタ114に使用するのが有効であると言える。
なお、埋込みチャネル型のMOSトランジスタは、チャネル長(ゲート長)を短くしていくと生ずるショートチャネル効果に弱いことが知られているが、単位画素11では、先述したように、アナログ的な動作が行われることから、増幅トランジスタ114にはチャネル長の長いMOSトランジスタが用いられるため、増幅トランジスタ114として、ショートチャネル効果に弱い埋込みチャネル型のMOSトランジスタを用いることができることになる。
図6に、埋込みチャネル型NMOSトランジスタと表面チャネル型NMOSトランジスタの1/fノイズの比較例を示す。
図6から明らかなように、ゲート/ソース間バイアスが高いほど電流がゲート絶縁膜/基板界面を流れ、埋込みチャネル型NMOSトランジスタも表面チャネル型NMOSトランジスタも同等の1/fノイズになる。具体的には、ゲート/ソース間バイアスが1.5Vを超えると、埋込みチャネル型NMOSトランジスタと表面チャネル型NMOSトランジスタとが同等のノイズになる。
換言すれば、ゲート/ソース間バイアスが1.5V以下であれば、埋込みチャネル型NMOSトランジスタの方が表面チャネル型NMOSトランジスタよりも1/fノイズを低減でき、1.0V程度でノイズレベルが一桁異なる。したがって、埋込みチャネル型NMOSトランジスタにおけるゲート/ソース間バイアスは1.5V以下が望ましい。
ここで、ゲート/ソース間バイアスが1.5Vを超えると、埋込みチャネル型NMOSトランジスタも表面チャネル型NMOSトランジスタも同等の1/fノイズレベルになるのは次の理由による。すなわち、ゲート/ソース間バイアスが増加すると、埋込みチャネル型NMOSトランジスタであっても、ゲート下部のポテンシャルの最小となる領域が表面チャネル近くになり、図7に示すように、電流もゲート絶縁膜/基板界面を通過するようになるためである。
これに対して、本実施形態に係る単位画素11(11A/11B)では、先述したように、増幅トランジスタ114がソースフォロア構成となっているため、1/fノイズの低減効果が大である。何故ならば、ソースフォロア回路ではゲート/ソース間バイアスが小さいため、ソースフォロア構成の増幅トランジスタ114に表面チャネル型のMOSトランジスタを用いることで、図8に示すように、ゲート絶縁膜/基板界面よりも基板内部側を電流が流れることになり、埋込みチャネル性をより強くすることができるため、より確実に1/fノイズを低減できることになる。
なお、ゲート/ソース間バイアスを印加しても埋込みチャネル性を維持するためには、チャネル領域に注入するN型不純物のドーズ量として1×1019 (atoms/cm3)以上が必要である。
図9に、表面チャネル型NMOSトランジスタおよび埋込みチャネルNMOSトランジスタをソースフォロワの増幅トランジスタ114に用いたときの入出力特性を示す。
図9から、入力信号Vin−出力信号Voutの特性のニアリティーは、表面チャネル型NMOSトランジスタに比べて埋込みチャネル型NMOSトランジスタの方が優れていることがわかる。
埋込みチャネル型のMOSトランジスタの場合、移動度μがゲート絶縁膜/基板界面のラフネス(表面粗度)の影響を受けないために移動度μが高く、よって当該移動度μをパラメータの一つとする伝達コンダクタンスgm が上がり、Vout/Vinの傾き(=gm /(gm +gds+gmbs )が増加する。ここで、gdsは出力コンダクタンス、gmbs は基板バイアス効果の比例係数である。
特に、埋込みチャネル型NMOSトランジスタからなる増幅トランジスタ114において、ゲート電極26をN+型ではなく、P+型としたことで、このP+型ゲート電極26によってチャネル領域を空乏化させることができる。これにより、埋込みチャネル性をより強くできるため、Vout/Vinの傾きがより大きくすることができる。Vout/Vinの傾きが大きいということは、ダイナミックが広く、出力感度が高いことを意味する。
このように、増幅トランジスタ114のゲート電極26をP+型としたことで、ダイナミックを広く、出力感度を高くできるため、後段の信号処理系、具体的にはカラム回路14(図1を参照)の入力部の動作点を容易に設定でき、またオフ時のリークのバラツキがないため縦筋ノイズが出にくくなるという利点がある。その結果、暗い場面でゲインを上げても、ノイズ感の少ない高画質の画像を得ることができる。
また、埋込みチャネル型MOSトランジスタからなる増幅トランジスタ114を形成する場合、チャネル領域にN型の不純物を導入するに当たって、N型不純物を1種類だけ導入するよりも、拡散係数が異なる少なくとも2種類のN型不純物を導入することで、埋込みチャネル性をより強くすることができる。拡散係数が異なる少なくとも2種類のN型不純物としては、例えばヒ素(As)やリン(P)などを用いることができる。
図10に、埋込みチャネルのチャネル不純物として、リン、ヒ素、リンおよびヒ素を用いた埋込みチャネル型NMOSトランジスタをソースフォロア構成の増幅トランジスタ114に用いた際の入出力特性を示す。
図10から明らかなように、リンのみ、ヒ素のみ、リンおよびヒ素をチャネル領域に注入した順に入出力特性のリニアリティーが良いことがわかる。これは、リンのみ、ヒ素のみ、リンおよびヒ素を注入した順に相互コンダクタンスが良いためである。
また、拡散係数が異なる2種類のN型不純物としてリンおよびヒ素を導入するに当たっては、拡散係数の小さいヒ素を、拡散係数の大きいリンよりもゲート絶縁膜25に近い側に濃い濃度で分布させることで、ヒ素によってゲートチャネル部における深さ方向のポテンシャルプロファイルのピークを形成しつつ、リンによってN型を基板深部までブロードに広げることができるため、ショートチャネル特性が良い状態で埋込みチャネルの形成が可能になる。
また逆に、拡散係数が異なる2種類のN型不純物としてリンおよびヒ素を導入するに当たっては、拡散係数の小さいヒ素を、拡散係数の大きいリンよりもゲート絶縁膜25から遠い側に濃い濃度で分布させる構成を採ることも可能である。この構成を採る場合には、ショートチャネル特性が上記の場合よりも悪くなるものの、チャネルがより深い位置に形成されることになるため、1/fノイズをより確実に低減できることになる。
以上説明した、埋込みチャネル型NMOSトランジスタを増幅トランジスタ114に用いるという技術は、図2に示した3トランジスタ構成の単位画素11A、図3に示した4トランジスタ構成の単位画素11Bのいずれにも同じように適用することができるとともに、同じように1/fノイズの低減効果を得ることができる。
特に、ゲート電極がP+型の埋込みチャネル型NMOSトランジスタを、図3に示した4トランジスタ構成の単位画素11Bにおける増幅トランジスタ114に適用した場合には、次のように作用効果を得ることができる。
単位画素11Bの画素回路では、増幅トランジスタ114に対して電源VDD側に選択トランジスタ115が接続された構成となっており、選択トランジスタ115での電圧ドロップを抑えるために、増幅トランジスタ114のしきい値電圧をVtha、選択トランジスタ115のしきい値電圧をVthsとした場合、Vths<Vthaの条件を満たす必要がある。
このような条件下で、ゲート電極をN+型の埋込みチャネル型NMOSトランジスタを増幅トランジスタ114に適用した場合には、当該増幅トランジスタ114のしきい値電圧Vthaが小さくなり、このしきい値電圧Vthaよりも選択トランジスタ115のしきい値電圧Vthsをさらに小さく設定することになるため、選択トランジスタ115が常時オン状態となって画素選択を行えないことになる。
これに対して、ゲート電極をP+型の埋込みチャネル型NMOSトランジスタを増幅トランジスタ114に適用することで、当該増幅トランジスタ114のしきい値電圧Vthaを大きくできるため、このしきい値電圧Vthaよりも選択トランジスタ115のしきい値電圧Vthsを小さく設定したとしても、選択トランジスタ115が確実にオン/オフ動作を行うことができため、選択トランジスタ115による画素選択を確実に行いつつ増幅トランジスタ114での1/fノイズの低減効果を得ることができる。
なお、上記実施形態では、増幅トランジスタとしてNチャネルのMOSトランジスタを用い、このNMOSの増幅トランジスタに埋込みチャネル型MOSトランジスタを用いる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限られるものではなく、増幅トランジスタとしてPチャネルのMOSトランジスタを用い、このPMOSの増幅トランジスタに埋込みチャネル型MOSトランジスタを用いることも可能である。PMOSトランジスタのときはP型が第1導電型、N型が第2導電型となる。すなわち、図4の導電型が逆の導電型となる。
また、上記実施形態では、光電変換素子と、当該光電変換素子で光電変換して得られる電荷に応じた電位を増幅して出力する増幅トランジスタとを含む画素が行列状に2次元配列されてなるエリアセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はエリアセンサへの適用に限られるものではなく、上記画素が直線状に1次元配列されてなるリニアセンサ(ラインセンサ)にも同様に適用可能である。
以上説明した本発明に係る増幅型固体撮像装置、具体的には単位画素の増幅トランジスタとして埋込みチャネル型MOSトランジスタを用いてなるMOS型イメージセンサは、カメラ付携帯電話やPDAなどのモバイル機器に搭載されている固体撮像装置として用いて好適なものである。
特に、今後、多画素化が進むにつれて画素サイズが小さくなったときに、画素のトランジスタサイズが微細化し、チャネル幅Wおよびチャネル長Lが小さくなる傾向にある。チャネル幅Wおよびチャネル長Lは小さくなることで、1/fノイズを増大させるパラメータであることから、チャネル幅Wおよびチャネル長Lに依存せずに、1/fノイズを原理的に低減できる本発明は極めて有用なものとなる。
ただし、本発明に係るMOS型イメージセンサは、カメラ付携帯電話やPDAなどのモバイル機器に搭載されている固体撮像装置への適用に限られるものではなく、単位画素に増幅トランジスタを含む増幅型固体撮像装置全般に適用可能である。
10…MOS型イメージセンサ、11,11A,11B…単位画素、12…画素アレイ部、13…垂直選択回路、14…カラム回路、15…水平選択回路、16…水平信号線、17…出力回路、18…タイミングジェネレータ(TG)、21…半導体基板、22,23…N型拡散領域、24…N−型層、25…ゲート絶縁膜、26…ゲート電極

Claims (3)

  1. 光電変換素子と、当該光電変換素子で光電変換して得られる電荷に応じた信号を増幅して出力する増幅トランジスタとを含む単位画素が配列されてなる固体撮像装置であって、
    前記増幅トランジスタは、埋込みチャネル型且つ第1導電型のMOSトランジスタであり、チャネル領域に第1導電型の拡散係数が異なる少なくとも2種類の不純物が導入され、かつ、拡散係数の小さい不純物の方が拡散係数の大きい不純物よりも濃い濃度でゲート絶縁膜側に分布しており、
    前記単位画素は、前記光電変換素子で光電変換して得られる電荷をフローティングディフュージョン領域に転送する転送トランジスタと、
    前記フローティングディフュージョン領域の電位をリセットするリセットトランジスタとをさらに有する
    固体撮像装置。
  2. 前記単位画素は、
    前記増幅トランジスタに対して直列に接続されて画素の選択を行う選択トランジスタとをさらに有する
    請求項に記載の固体撮像装置。
  3. 前記増幅トランジスタのゲート電極が第2導電型のポリシリコンからなる
    請求項1または2に記載の固体撮像装置。
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